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6月です。 / 青乃かすみ
 こんにちは。最近金欠なので、モーニング買うゆとりがなく、立ち読みするのも、じっくり読めず、「ラストワルツ」も入手出来なかったのであります。今後、寂しくなりますねー.郭嘉の時は、さほどでも・・・あったかやっぱり。通念では、人間性の片鱗さえなく、ただ為政者とし、力のみの男であった曹操孟徳を、このように、華やかに描いた本編、サイッコー。・・・のはずなんですけど、やはり、これからもそうですけど、免れない事項はあるもんです。曹操孟徳の青春に、乾杯!
No.8287 - 2003/06/05(Thu) 16:42:41

Re: 6月です。 / どせいら
こんにちは!
二度目の書き込みなので、はじめまして、どせいらといいます!
『蒼天航路』超初心者のわたしでありますが、よろしくお願い
いたします(^^)


ついに単行本(とりあえず1〜3巻)買って...読みましたっ!!
感想をひとこと
......ヤバイっす!!!!!(爆)

とにかく単行本を制覇してわたしも、モーニング読みたいです♪
小さいころから曹操にあこがれていたわたしにとっては
この『王欣太さん三国志』は最高です!
そして、横山光輝さんはあえて特徴をもたせなかったという
荀?ケ、郭嘉など曹操を支えた武将たち。この蒼天航路では、
彼らがとてもよく描かれているということですね。
そのあたりも楽しみに今後読んでいきたいです。

それではっ・また書き込みさせていただきまーす(^◇^)/

No.8288 - 2003/06/05(Thu) 17:49:36

Re: 6月です。 / TATSU@管理人 [関東]
> 「ラストワルツ」も入手出来なかったのであります。

おわ、それは残念。来月発売の28巻では「ラストワルツ」は収録されませんからね〜。おそらく11月あたりに発売の29巻を待たねばいけませんよ。
遠いな〜!!。

> ......ヤバイっす!!!!!

ヤバイっすかぁ! どこが、どーヤバイんでしょう!? 単行本3巻までって曹騰の葬式までですよね...
あ、もしかして張譲が「変なモノ」持って笑ってるとこか!?

> 荀?ケ、郭嘉など曹操を支えた武将たち。この蒼天航路では、彼らがとてもよく描かれているということ

イエース!その通りです。ちなみに荀?ケ、郭嘉は「軍師」ね。もちろん「武将」もとても良く描かれてます。いえ、曹操配下だけじゃなくて、敵でさえも非常にうまく描かれてます。
つまり「全てのキャラが立ちまくり」な訳です。あ、この言い方は良くないか。「全てのキャラクターが非常に個性的」な訳です。

さあ、あと24冊ありますよ〜(笑)

No.8293 - 2003/06/05(Thu) 23:23:26

Re: 6月です。 / どせいら
TATSUさんこんにちはっ(^▽^)
『曹操孟徳伝』にて執筆、どらちよさま、むだいさまともに
おつかれさまでした〜
すごいですね!わたしも必ず読ませていただきたいと思います。

武将と軍師、ごめんなさい大違いでした(汗)
でもとにかくそれぞれの「人間」が本当に個性的に、魅力的に
描かれている作品なんだなぁ〜と思いました。

ちなみにさらに5巻まで読んだのですが、
不敵な笑みを浮かべながら耳たぶさわる(クセですか?)劉備とか
関羽の佞言断つべしとか
呂布のサイボーグっぷりとか...
ひたすら、いい意味で「ヤバイ」です(笑)!!


ええっと、あと22冊ですね(笑)

No.8303 - 2003/06/06(Fri) 13:39:39

Re: 6月です。 / TATSU@管理人 [関東]
> わたしも必ず読ませていただきたい

ありがとうございます! 感想聞かせてくれたりしたら嬉しいです。

> いい意味で「ヤバイ」です

ああ、「ヤバイ!ハマりそうだ!」みたいなニュアンスですか? それは良かった〜。でも、「ヤバイんじゃないか?このシーンは」みたいのもあるにはあります(笑)

では、あと22冊。頑張って下さい〜!

No.8320 - 2003/06/07(Sat) 20:16:40
ようやく劉備が;; / 由旬 [近畿]
前は確かジュンイクが雪合戦していた頃だから、えらい昔です。
もうすっかり劉備の入蜀ははしょられてると思い込んでいたので
非常に嬉しいですね〜。しかもちゃんとホウトウも出てきて
くれて感動だなあ;;しかもかっこいいし。すっかり諦めて
いただけに嬉しいことこの上ない。でも史実をよく知らないので
奥さんがどうなったのかイマイチ不明なのが残念。帰ったのかな
ジュンイクの死、なんかあっさりしていて実感なかった。。。
そういえばなんかカクは長生きするみたいなのでまた出て来て
欲しいなあ。あとリュウショウはどんな顔の人なのかも興味
あります。

No.8300 - 2003/06/06(Fri) 01:32:24

Re: ようやく劉備が;; / TATSU@管理人 [関東]
由旬さんて初カキコかな?と思ったら、以前投稿してた「ゆ」さんですね。
HNは統一して下さい。

No.8319 - 2003/06/07(Sat) 20:14:25
曹操孟徳伝ですか!? / 秋樹 [関東]
 始めまして!何時も楽しく拝見させて頂いております★
孟徳伝と言う,ファンにはたまらない本が発売されたんですか!
掲示板に来て良かった・・・。本当に良かった・・・。
↑感動の余り目を瞑る。

 明日,早速本屋に駆け込みます♪
これだけ長い時を経ても,人々を魅了する殿は,本当に
凄いですね。三国志好きが影響して,中国に行こうと
思っていたのに,SARSが・・・( ̄× ̄)
とても残念です・・・。
 取り合えず,明日はゆっくりと孟徳伝読みます♪

No.8296 - 2003/06/05(Thu) 23:30:58

Re: 「三国志 曹操 孟徳伝」っていうんです。 / TATSU@管理人 [関東]
秋樹さん、初めまして。蒼天考へようこそ。

そうなんです。ファンにはたまらない本が発売されたのです。
それも巻頭カラー特集は「蒼天航路の魅力」!宝島社さん、お目が高い!って感じです。
そんなにたくさん置いてない模様ですから、頑張って探してみて下さい。
読んで感想聞かせてくれたら嬉しかったりします。

SARS、早くワクチンとか開発されるといいですね〜。

No.8299 - 2003/06/06(Fri) 01:29:10
孟徳伝見ました。&今週の蒼天(ネタバレじゃないですよね?) / 神速の竹周 [関東]
見ましたよー。
と言っても本屋で発見して立ち読みしてたら、
おおぉっ!TATSUさんの書いた記事が載ってる!
という感じでしたけど。ビックリしましたよアレは。
つい一緒にいた友達に「ほらほら!」って見せちゃいました。
(お金が無くて買えなかったけど)


今週の蒼天見ました。
ついに法正、孟達、ホウトウが出ました。
うーん、法正は渋い。
甘寧と共に中国人っぽい顔立ち(問題発言か?)してる。
竹周好みです。

ホウトウはてっきり諸葛亮とは反対の雰囲気の人かと思ったけど
どことなく似た空気がありました。


どうして曹操側の軍師はカク以外軍師っぽい軍師なのに対して
劉備側の軍師はこう、軍師っぽく無いのかなぁ?
ジョショとか諸葛亮とか。
やっぱり元々劉備が狭者だからなんでしょうかね?

No.8290 - 2003/06/05(Thu) 20:43:23

Re: 孟徳伝見ました。&今週の蒼天(ネタバレじゃないですよね?) / TATSU@管理人 [関東]
> つい一緒にいた友達に「ほらほら!」って見せちゃいました。

あはは。そうですか!ちょっと照れくさいです。
でも、その友達は当サイトはご存知だったんでしょうか? 知らなかったら、そのTATSUってのがどーしたのよ? とか思ってたりして(笑)

> 法正、孟達、ホウトウが出ました。

でましたね〜。管理人の感想は「今週の蒼天」に書かせて頂きます。

確かに劉備の軍師は軍師っぽくないのが多いですね。でもこの劉備軍の「寄せ集め・ごった煮軍団」みたいな雰囲気が結構好きです。

No.8294 - 2003/06/05(Thu) 23:26:11
キリ番取ってもた・・・・・。 / ギルガメッシュ
 290,000のキリ番、踏ませてもらいました。嬉しさ反面、おいおい、いいのかよ!という気持ちもチラリ。初めてこういうのを経験するんで、ちょっくら舞い上がってます。間違いじゃないよなーーー!
No.8267 - 2003/06/01(Sun) 03:23:08

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / 郭嘉最高! [関東]
う、うらやましい…。久しぶりの申告者ですねぇ。。
俺のパソコンでもカウンターさえ出れば…。とにかくおめでとうございます!すっげぇうらやましいっす!!

No.8269 - 2003/06/01(Sun) 13:18:32

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / すうりん [関東]
いいなあ、6月1日深夜であと150位だったから朝一でアクセスすれば良かった、って何時にゲットできました?その運の良さ分けてもらいたい。なにを願うのですか?おめでとうございます。ギルガメッシュ様。
No.8271 - 2003/06/01(Sun) 17:25:46

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / 青木 [関東]
ギルガメッシュ様おめでとう御座います。28万カウントの時も報告無かったですからねえ。もし自分が取ってたらダイエー優勝と三国志戦記2の発売日が延びないことを願ったと思います(笑)。
あ,後曹洪の活躍も。

No.8272 - 2003/06/01(Sun) 20:36:33

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / ギルガメッシュ
 3時くらいに来てみたら踏んでました。願い事は・・・悩みますね。魏の五将軍か蜀の五虎将軍を書いてもらいたいやら、ピンからキリまで望みはあるんですけどね。
No.8274 - 2003/06/01(Sun) 21:12:15

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / TATSU@管理人 [関東]
ギルガメッシュさん、キリ番おめでとうございます〜&申告ありがとうございます!! 240,000HIT以来ですから、実に50,000ぶりの申告者です!嬉しい!!

当サイトにはキリ番申告者には2つの特典(?)があるのです。

1.HNと願いごとを掲載します。
下記gillさんのサイトに行って、「お好みのアイコン」を選んで頂いて、「神龍への願いごと」と一緒にこのスレに書き込んで下さい。

http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/4079/sangokushi/icon.html

2.イラスト
宜しければ「ご希望の蒼天キャラ」を稚拙ながら管理人が描かせて頂きます。 ただ画力乏しい為、あまり難しいのは描けないです〜。

No.8281 - 2003/06/02(Mon) 12:24:46

Re: キリ番取ってもた・・・・・。 / ギルガメッシュ
 1.アイコンは新作であった馬超を!願い事はしつこいようですが、賀斉登場祈願と蒼天航路の公式ガイドブックが出ますように。

 2.では、最後の決戦バージョンの甲冑を纏った馬超でお願いします。

No.8282 - 2003/06/02(Mon) 22:06:46

Re: ラジャー! / TATSU@管理人 [関東]
アイコンと願い事はUPしときました。イラストは「最後の決戦バージョンの甲冑」を纏った馬超スね! 了解!!

では、しばしお待ちを〜。

No.8283 - 2003/06/03(Tue) 01:18:58
別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / TATSU@管理人 [関東]
宝島社より「三国志 曹操 孟徳伝」が発売されております。そして巻頭カラー特集はなんと 『蒼天航路の魅力』!!

実はその特集では不肖、私TATSUも寄稿させて頂いております。さらにコラムにて『奉孝先生の魏塾』のどらちゃん、『サロン豪傑』むだいさんも執筆!!他の著者もWEB管理人の方です。
当サイトご訪問の皆様、是非ご一読下さい!

本編もなかなか読み応えのある記事が満載です。自分が寄稿したから言う訳ではないですが、この孟徳伝は『蒼天航路』のお伴に手元に置いておいても損はないかと思われます。

No.8229 - 2003/05/27(Tue) 01:02:27

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / ロッテファン [東北]
なんと!凄いことが起きましたね。早速探しに行ってまいります。TATSUさんの執筆を読みたいので草の根を分けてでも探します。
No.8230 - 2003/05/27(Tue) 10:04:06

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / どらちよ [関東]
こんにちは!こちらでは本当にご無沙汰してしまってます(汗)
この本、蒼天航路がフルカラー巻頭特集です★
私もチョロっと書いてますが、なんといっても我らがTATSUさんの執筆量がすごいですよん。
そして蒼天以外の特集がまたすごいです。著名な先生方ばかり。曹操だけに特化して特集されているだけに、一読してから蒼天航路を読むと、また違った発見ができるかもしれませんね。
って、回し者っぽくなっちゃいましたね(;´▽`A``

No.8233 - 2003/05/27(Tue) 19:14:36

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / 楊奉 [関東]
買いましたよ〜(^^)!
これは蒼天ファンは買って損はないでしょう。
皆さん、お勧めですよ。
巻頭にカラーでそうとうなページ数が「蒼天航路」に割かれています。
コミックスの絵もふんだんに使われていて、レイアウトも美しい。
記事も、さすが大ファンサイトを運営する方々の寄稿だけあって、
蒼天への愛情と硬質な分析力、読み応えを兼ね備えている
素晴らしい文章。読んでいて非常に心地よいものでした。
(この辺宝島社って、マニア心をくすぐるのがうまいよなあ…。
おざなりなプロの記者じゃなく、「分かっている」人を使うところが…)

TATSUさん、執筆者の皆さま、お疲れさまでした。
少し前にTATSUさんが「最近蒼天の文章ばかり書いてる気が・・」
と言われた時から、「もしや、ファンムックでも出るのかな?」
と期待しておりましたが、いやいや、嬉しいです。

大変でしょうけど、これからもサイト運営頑張ってくださいね。

No.8235 - 2003/05/27(Tue) 19:36:28

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / 紅いキバ [東海]
私も早速読ませていただきました。
最初、歴史本が置いてあるコーナーを一生懸命探しても見つからず、結局、アニメやコミックス関連のムックが置いてあるコーナーで見つけました。
開いてみると「蒼天航路」がバーンとトップに出てるので、そりゃそうだと納得してしまいました。

TATSUさんやどらちよさん、むだいさんをはじめ、どの記事も蒼天エキスがギュッと詰まった感じで、非常に読みごたえがありました。
特にTATSUさんはすごくたくさん書いていらっしゃいましたね。流石です。
楊奉さんのおっしゃる通り、蒼天&蒼天考ファンならとりあえず買い、でしょう。

ところで、この寄稿の話はどういう経緯で決まったんでしょう?
蒼天サイトの運営者ということで出版社からオファーがあったんですか?
だとしたら、プロの目から見てもこのサイトが相当レベルが高いということなんでしょうね。

ともあれ、皆さんお疲れ様でした。

No.8238 - 2003/05/27(Tue) 22:49:49

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / TATSU@管理人 [関東]
>草の根を分けてでも探します。

ありがとうございます! 書店の他にコンビニでも見かけました。今ならまだ容易に探せるのではないかと。

>一読してから蒼天航路を読むと、また違った発見ができるかもしれませんね。

ですね〜。逆に言えば、蒼天のシーンを思い描きながら各記事を読むと「史実はこうだったのか」となって面白いと思います。(回し者?)

>巻頭にカラーでそうとうなページ数が「蒼天航路」に割かれています。

『蒼天航路』であれだけのページを割いたのは初めてではないでしょうか? 宝島社さん、ナイスです。でも当初企画ではもっとページ多かったんですよ〜。

>ところで、この寄稿の話はどういう経緯で決まったんでしょう?

有り難くも、宝島編集者様から依頼を頂きました。
特集部分のコンセプトは 『蒼天航路の面白さを、主観的に紹介しよう』 ということで、「歴史専門のライターではなく、蒼天航路ファンの中で、ある程度三国志関係の文献に目を通されたことがある人」を執筆者候補としたそうです。

サイト運営してて良かった...(T_T)

No.8245 - 2003/05/28(Wed) 23:17:36

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / 上田散人
私も読みましたよ、「別冊宝島・曹操孟徳伝」。
記事では渡邉先生の「曹操と名士の関係について」が一番タメになりました。
あれを読むと曹操の求賢令も結局、名士勢力の台頭してきた時代の荒波には勝てなかったのかぁ、と寂しい気分にさせました。けど、時代にそのすべてが受け入れられる事はなかった英雄、というのも“非常の人、超世の傑”(正史にある陳寿の曹操評)らしくて、いいですよね。
あと、この本の中ではちょっと過小評価されてますが、漢代から台頭してきた豪族勢力の中で、豪族の、豪族による国家形態をもっとも明確に志向して表れてきた英雄が袁紹・袁術なんですよ。
この二人が世間の衆望を一身に集め、当時の二大勢力にまでのし上がってきた理由はここにあるんです。
これが後の魏晋南北朝時代に到って名族支配の完成を生むわけで、二袁の時代本流としての価値は充分注目されていい(袁紹ファンとして強調しておきます)。
なのにやっぱり、それらをも「唯才主義」などでブチ破ろうとした曹操の“破格っぷり”からすれば、霞んでしまうようなんですね(そもそも名族主義に比べ、唯才主義自体が1800年後の現代においても、その革新的価値がわかる驚くべきもので、時代を超越してます)。
蒼天航路はどいつもこいつも英雄英雄英雄の満漢全席状態でありながら、結局曹操の“破格っぷり”がそれらに動ずる事無く超越するという仕様になっています。実際にもマトモだったら間違いなく時代のエースだった袁紹らを葬り去っているあたり、あながち誇張とも言えませんね。

No.8259 - 2003/05/31(Sat) 03:33:05

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / 蜀 [沖縄]
僕も買いました。
個人的に良かったのですがただ上田散人様のいわれるとうり袁紹の過小評価にショックでした。袁紹は最初は実はとても弱く単に名門というだけの存在なのに圧倒的に強い公孫賛を打ち破ったし彼は曹操より屯田制をやりました。確かに曹操が徐州を攻めた時袁紹は攻めるべき時だったかも知れませんが袁紹にとって曹操を幼いころから知っていると考えていたから曹操の罠と思うと考えられます。ですからこれは袁紹の過少評価とするのではなく曹操の知力のすごさといったほうが正しいと思います。袁紹の取った戦法は悪く見られがちだと思います。確かに軍師たちいうとうりすれば勝てたかも知れませんが袁紹の取った戦法は95%の確率で勝つというもで軍師たちはそれをもっと確率があがるまで待てといったようなもんです。しかも正攻法で勝つことによって袁紹にはどんな策もどんな戦略も通用しないという風評ができ、策などを使うとそれが減少してしまうのです
ですから個人的には「僕たちの好きな三国志」という本評価が正しいと思うのですがいかがでしょうか?

No.8261 - 2003/05/31(Sat) 14:53:48

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / TATSU@管理人 [関東]
おっ。話題が本編に移っちゃってますね。

>「曹操と名士の関係について」

渡邉義浩氏の『建安文学と儒教道徳の相対化』の記事ですね。渡邉先生の"名士論"は『歴史群像シリーズ』や『図解雑学三国志』でも読みました。なかなか興味深いですよね。
管理人もあの、「曹操の魏公就任等により屈服させられた名士勢力が、後継者争いで曹丕を指示することにより巻き返しを図り、中でも『九品中正制度』は、曹魏の意図する君主権力と、名士達の推進する貴族制の妥協案だった」 ちゅー説は面白かったです。

>豪族の、豪族による国家形態をもっとも明確に志向して表れてきた英雄が袁紹・袁術

へえ、そうなんですか!? 二袁の志向していたものが、魏晋南北朝時代に到って名族支配の完成となって現れるんですか?
それは知らなかった...蒼天二袁からは想像もつかないですね〜。

>袁紹の過小評価にショックでした。

う〜ん、ショックを受けるほど過小評価されてましたでしょうか?
「戦闘(バトル)編」のとこの『郭嘉比較表』や『ことごとく選択を間違えた袁紹』のところを言っているのかな? あれは正史に記載されてる部分を抜粋して評価してるだけなので、やむなしかも。
でも、正史でも、「曹操の河北支配後も、住民たちは袁紹の治教を慕っていた」とあるそうですから、それなりの人物だったんでしょうね。『最大のライバルである袁紹の実力を改めて評価する』みたいなコーナーがあったら面白かったでしょうね。

>正攻法で勝つことによって袁紹にはどんな策もどんな戦略も通用しないという風評ができ、策などを使うとそれが減少してしまうのです

おお、まるで、蒼天袁尚のような意見!! 父上!それが"王者の戦い"というものなのですね〜。
でも仮にそうだったとして、結果、負けちゃったのですから、風評より実をとるべきだったような気もするのですが。

No.8263 - 2003/05/31(Sat) 18:11:18

袁紹試論・補足 / 上田散人
まぁ、「曹操孟徳伝」の事は置いといても、蜀さんも既成の袁紹評価について不満があるようなので、官渡の戦いについて私にできる補足をしてみましょう。

軍隊の用兵において機略応変というのは毛細血管ではあっても動脈ではなく、何が用兵の最たる肝になるかと言えば「統率力」です。曹操の用兵術も、機略縦横自体にではなく機略縦横を可能にした、優れた統率力にこそ、その強さを垣間見ることができます。そういう意味では「僕たちの好きな三国志」に載っていた袁紹軍解説はその通り的確で、重厚長大な大軍を統率することにおいて袁紹は無類の強さを発揮しました。

よく「大軍に兵法なし」と言われ、とにかく大兵力であればあるほどそれに安んじ、無策無能でもゴリ押し出来るようになると思われがちですが、これはとんでもない誤解です。組織というものは人が多ければ多いほど、楽になるどころか、むしろ統率して管理してゆく苦労が増してゆくのです。中間管理職の方だったら身に染みて実感されていると思いますが(笑)。
袁紹軍は曹操に詭計の付け入る隙を与えない、重厚長大な陣地構築や攻城兵器の活用を可能としており、このことからも袁紹軍が、ただ大兵力である事に安んじた烏合の衆ではなく、高水準で統率された「至強」である事が伺えます。
現に曹操はその生涯において最も持ち味を生かせたのは中規模以下の軍による機動戦であって、とうとう大軍の用兵や小細工なしの正面決戦を得意とする事はありませんでした。これは河北吸収以降、中華最大の勢力にまで成長しながら呉蜀を併呑する事がかなわなかった限界に現れており、またそれは、この時代最も傑出した天才軍略家である曹操の軍事的限界をも考えさせてくれます。

ところで、改めて調べてみたら「僕たちの好きな三国志」の人物評を執筆していたのは、大澤良貴さんと言う昔「ログイン」で三国志解説も連載していた、結構有名なライター(&編集者)さんでした。その大澤さんのサイトの掲示板で、「本文ではチラッと触れただけだけど、官渡の戦いは野戦で力の差を見せつけて撤退させ、その後じっくり攻城戦にかかって追い詰めるという、袁紹にとって対公孫讃戦の再現になっているんだ。袁紹は歴戦の軍人にありがちな、自身の勝ちパターンに固執する思考にはまっていたんじゃないかな」という大澤さん本人の弁があります。もしそうだとすると、蒼天航路の官渡の戦いも例によってシンボリックに誇張されているとはいえ、あながちデタラメでもないようですね。
ま、結論として何が言いたいのかと申しますと、袁紹軍は機略という名の毛細血管に血が通っていなかったものの、紛れもなく「至強」であったと。そんだけです。

>二袁の志向していたものが、魏晋南北朝時代に到って名族支配の完成となって現れるんですか? それは知らなかった...

いや、これは正確には「袁紹は名族思想を持って天下を統一しようとしていた」という説を知って、私が立てた仮説です。
いや〜〜〜、まだ自分の中でも細部に渡って固まっていない仮説を、こんなところで「知られざる常識」かのようにポロッと漏らしてしまいました。すいません。
けれども、それこそ「名士と曹操」の渡邉先生も、その本文で「もし袁紹が曹操を破っていればもっと容易に貴族制が形成されたであろう」と言ってますし。

そもそも、後漢から名士や豪族は強力な有力者として中央王朝も無視できない存在になってきましたが、いまだ皇帝を脅かし、隙あらば皇帝にとってかわるなどという勢力には育ってませんでした。何よりも当時の豪族や名士が、そんな大それた主義・思想を持っていなかったからです。
しかし後の六朝時代になると様相は一変し、名族・貴族たちは相応の声望を得れば積極的に時の王朝にとって変わるようになり、皇帝権力が徹底的に相対化されるようになりました。んで、この名族による皇帝権力の相対化、もっと言えば、名族による覇権思想の先駆けは誰だったのか? というと自分には袁紹・袁術が思い当たるんですよ。
大体いくら時は乱世だと言っても、ほとんどの君主・豪族は積極的に勢力を拡大しよう、なんて野望は持っていません。典型的なのは劉表で、一州を治めた時点で保身を考えるその土地の有力豪族(蔡?i、カイ越ら)に縛られるようになって、天下取りレースから脱落してゆきます。つまり当時、殆どの豪族はそれだけ既得権益維持で精一杯だった、という事。
そんな中でそんな豪族たちを尻目に、瞬く間にあれだけの勢力を築いた「二袁」が名門のお坊ちゃんでただ恵まれていただけ、とか野心が多いだけで実がない、なんてことはないんですよ。きっと。
まぁ、自分は学者でも研究者でもないだけに、想像で埋め合せてますけどね。

>蒼天二袁からは想像もつかないですね〜。

いやぁ、「サル化」や「デブ化」のインパクトに惑わされすぎなだけで、蒼天航路からもそんな袁紹・袁術の名族思想の一端が見えて……こない事もない……かも?

No.8264 - 2003/06/01(Sun) 01:00:30

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / ギルガメッシュ
 自分はこれをみて、なかなか読ませてくれる本だと思いました。貨幣の話とか曹丕はおはじきの名人でハンカチみたいなものではじいても当てることができるとか。面白かったですよ。
No.8265 - 2003/06/01(Sun) 01:59:09

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / 蜀 [沖縄]
そうです!そのことをいいたかったんです!上田散人様ありがとうございます。袁紹は官渡の戦いで負けたというが世間的に強すぎて袁紹が弱いと感じられているのです。では袁紹の魅力を語ります

軍事
北方最強騎馬軍を持つ勢力の公孫賛を倒しただの名門ということだけを示し、河北の四州に目を付け、力をためた後曹操を打ち破り最強の風評を出すという戦略眼もあります。また個人武勇もすごかったらしく剣術に長けていたという記録もあります

外交
官渡の戦いでは孫策と劉表に同盟し、曹操を倒しこれは予想ですが天下三分にできます。しかもあの荒れ暮れ者の異民族を仲間にし信頼を得ています

政治
たしかどっかに河北の民たちは袁紹の政治を懐かしんだとありますし屯田制を早くから取り入れたのは曹操ではなく袁紹だったそうです。

何故こんなにすごい人なのに正史、演義で悪く書かれているかというと多分正当な王朝である魏が正史の筆者に圧力をかけたからだと思います。袁紹は曹操たち、つまり魏の敵ということで魏を良く書かせ、敵を悪く書かせることによって魏を良く見せようとしたのだと思います

>「サル化」や「デブ化」のインパクトに惑わされすぎなだけで、蒼天航路からもそんな袁紹・袁術名族思想の一端が見えて……こない事もない……かも?
多分・・・ぎりぎり見えるかも・・・?

No.8268 - 2003/06/01(Sun) 08:55:11

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / Caocao
あわわわ。いや〜探してみたんですけど本屋さんでは見つけることが出来ませんでした〜。
結局アマゾンで注文(笑)はじめからこっちで注文しとけばよかったかも。

袁紹ってそんなにすごい人だったんですか!

でも、公孫賛戦を経て築きあげてきた軍事組織面の常勝体制は南征直前に自分で崩しちゃいましたから「統率」という点でも問題がありましたよね。河南出身者と河北出身者の二大派閥を統御できなかったのは、文質彬彬たる中華史書の叙述が示すとおりの事実であります。

って、まだ三国志にはまって二年足らずの駆け出しの妄想家のいうことですからね(笑)聞き流して〜

No.8270 - 2003/06/01(Sun) 13:30:21

Re: おめでとうございます! / youkey [関東]
TATSUさん、どらちよさん、執筆者の方々、拝見させていただきましたよ!(こちらでTATSUさんが発表しているのを見る前に見つけ出して即購入しました。)
おっしゃられているように、とても濃く、充実した内容ですね。思わず熟読してしまいました。読みつつ、うんうん、わたしもそれがいいたかったのだよ〜!と感じつつも、ちょっぴり自分もこういう場面で思うことを表現し、残してみたいなぁ。などと大それたことも考えつつ……。色々な意味で影響させられました。
三國志のファンとしても、ああいった発行物はとても存在価値が高いものだと感じました。

No.8273 - 2003/06/01(Sun) 20:54:55

Re: 別冊宝島「三国志 曹操 孟徳伝」 / TATSU@管理人 [関東]
上田散人さんと蜀さんの袁紹に関する熱き擁護論。楽しく読ませて頂きました。
ある意味、100年に及ぶ「三国志」の世界において、比較的早い時期に滅んじゃったのが、二袁にとって災いしてるのかもしれませんね。

>貨幣の話とか曹丕はおはじきの名人で

ええ、そこらへんも面白かったでした。
「碁をよくした曹操」と「おはじきを得意とした曹丕」に象徴的なものを感じなくもない。みたいな事も書いてありましたね〜。

>結局アマゾンで注文

おおっ、ネットで注文! そこまでして下さる方がいてくれると嬉しいです〜。
編集者様もそれを聞いたらお喜びでしょう。

>ちょっぴり自分もこういう場面で思うことを表現し、残してみたいなぁ。

宝島編集者様も当サイトを見て依頼してくれたので、掲示板とかは、もしかしたら関係者の方に見て頂いてるのかもしれません。 是非、当サイトで熱く語って下さい!!
って書き込み勧誘したりして(笑)

No.8280 - 2003/06/02(Mon) 12:22:01
なぜだ! / NAO
なぜか蒼天航路がどこにも売ってないんですが、どこに売ってますか? 教えてください。ちなみに蒼天航路は、曹操猛徳伝で知りました。                           蒼天航路、読みてー!  
No.8275 - 2003/06/01(Sun) 21:54:50

Re: なぜだ! / 郭嘉最高! [関東]
管理人様とかに怒られるかもしれないけどブックオフとかでもうってますよ〜☆普通の本屋でも文庫コーナーとかで単行本二十巻ぶんまでならうってますよ〜
モーニングのコーナーを目を皿にして探してみてください☆
にしても曹操猛徳伝の影響には目を見張りますね〜

No.8276 - 2003/06/02(Mon) 00:42:00

Re: なぜだ! / TATSU@管理人 [関東]
NAOさん初めまして。ゲストブックからの登場ですね!

>どこに売ってますか? 

へ? そこそこの大きさの本屋であれば、どこにでも売ってますよ。

>曹操猛徳伝で知りました。

おお! ついにそーいう方も現れましたね! こいつは嬉しい!!寄稿した甲斐がありました。
ちなみに「孟徳伝」ね...                         

No.8279 - 2003/06/02(Mon) 12:18:41
各武将の味 / MASA
三国志のゲームなどやってると武将の年齢とかぜんぜんわからなくなったりしてしまいます(ゲームとかだと年が過ぎれも武将の顔かわらんし・・・)横山三国志も武将の姿一緒だった気が・・・
その点、この蒼天航路だと、各武将の容姿がかわっていっていて曹操の容姿の変わり方には焦りさえでるほどです(老け過ぎみたいな)
こんな感じで武将の容姿が変わってると武の衰えなどを感じることができてすごく新鮮に思ってしまうのは私だけなのでしょうか?

No.8250 - 2003/05/29(Thu) 23:23:19

Re: 各武将の味 / TATSU@管理人 [関東]
シュミレーションゲームだと、登場してから最期まで、姿はもちろん表情まで変わらないすからね〜。孫家三代なんてどれが父やら兄やら(笑)

そーいう意味では蒼天は確かに年をとってゆきますね。でも、キャラによって進行が違うような...
劉備や孫権はそれなりに年を経てますが、曹操なんて官渡の後、ドッと年とって、最近また若返ったような気がします。荀?ケは後半 急に老けました。賈翊や荀攸は変わらないような...
武将で言えば、曹軍や劉備軍の武将はほとんど年とらないですが、孫軍の武将はかなり老けてる感じします。

No.8256 - 2003/05/30(Fri) 23:48:36

Re: 各武将の味 / 楊奉 [関東]
老け方>
いやー、老けスピードが人によってまちまちなのって、
実は案外リアルなんじゃないでしょうか(笑)。
先日たまたま同じ年生まれの人と集まる機会があったんですが、
ある人はまだ少年の風貌、ある人はもう頭も薄くなり
体型も肌も貫禄たっぷり!! 
20代も後半になると、結構人によって差が激しいもんなんだなと。
とても全員同じ年齢だとは思えませんでした。
その時頭をよぎったのが、僕も蒼天の武将の老け方。
いつまでたっても老けない武将も多く気になってましたが、
「ああー、あれは案外正しいのかも・・・」と思っちゃいました・・・(笑)。

No.8277 - 2003/06/02(Mon) 02:12:16
空箱について / 黒色の放浪者 [東海]
 賈詡はかつて言った「あなたはそのような戯言とも本気ともあるいは脅しとも分からぬような事をしれっと口になさるから受け止める我らはただ戸惑うがまま置き去られてしまうのですぞ――ッ。」
 テンパっている人間に対してひねった事は厳に慎みましょうという教訓を教えてくれたのですね今週号は。

No.8214 - 2003/05/25(Sun) 20:42:19

Re: 空箱について / TATSU@管理人 [関東]
不謹慎ではありますが、ちょっと吹き出してしまいました。
そう言えば故・郭嘉も「ただでさえ謎解きのような言葉に振回されているのに、その上そんな冗談まで理解できるか!」って言ってました。

テンパっている人間に対して謎解きグッズは厳に慎みましょうという教訓だったんでしょうか。

No.8224 - 2003/05/27(Tue) 00:32:23

Re: 空箱について / 黒色の放浪者 [東海]
いやぁ、みんなしんみりしている所に爆弾落とすような文章送って申し分けないです。しかし!完璧なものには直角に曲げて答えを出したい自分としては書かずにはおれんかったのですよ。これも愛ですよ、愛。
No.8254 - 2003/05/30(Fri) 07:04:14

Re: 空箱について / 悠々
>テンパっている人間に対してひねった事は厳に慎みましょう

不謹慎ではありますが、
これ、面白いです。

No.8258 - 2003/05/31(Sat) 01:45:14
今週の蒼天<ラストワルツ> / TATSU@管理人 [関東]
今週の蒼天、ついに荀?ケの苦悩に終止符(ピリオド)がうたれました。哀しく清く切ない最期でした。そして、幻想的で難解なシーンも散りばめられてましたね。
今回の「今週の蒼天」、スゴク長いです...

          ***************

寝所にて荀?ケを治療する医師団。
「では、ごゆるりとお休みくださいませ」と挨拶して静かに部屋を去ってゆきます。
鎮痛な面持ちの医師団。そして横たわる荀?ケを背景にナレーションが流れます。

心(しん)は
五臓六腑の大主(おおぬし)であり、
精神(こころ)のやどる所とされる

精神は
すぐれた神のやどる所であり、
ここに邪気が入ると、
心のはたらきが妨げられる

心のはたらきが妨げられると
神は出てゆく

神がでてゆくと
死ぬ


そしてタイトルページ。
雪の中を戯れるように走る荀?ケが描かれます。
ジ〜ン...この導入部、すごく良いんですけど...雪上を無邪気に走る荀?ケ見ただけで、何だか知りませんがジワッときました。タイトルを薄くして、変な煽り文句とか一切省いてるのがまた良かったです。

          ***************

寝所を出て、庭の石段に腰掛ける荀?ケ。ふィ〜ッと息を吐き
「そんなに眠れるもんじゃないって」
と苦笑してます。あれ、なんか元気そう...
空を眺め、荀?ケは思いを巡らします。

袁術に袁紹。 呂布、劉表、劉焉、公孫度父子、張魯、劉備に孫氏の兄弟、それに涼州の餓狼たち...
曹操という人がこの乱世に生まれていなかったら、いったいどれほどの人間が、帝位や王位を勝手に名のりあげたことだろうか。

なるほど〜。曹操が生まれてなかったら「三国志」どころか「十国志」ぐらいになってたんでしょうかね(笑) 荀?ケの独白は続きます。

"秦が手放した鹿。つかまえたが王。"
あの頃はそれが当たり前だったんだよな。
今じゃ信じがたいあの無秩序さ。
まだ20年も経ってないのに。

"今じゃ信じがたいあの無秩序さ" ってのは、"今から見れば、当時の無秩序さは信じられないほどだ" ってことですね。
ところで"秦が手放した鹿"ってどーいう意味でしょう? こんな感じの諺があるのかな? 「鹿」って言うのは確か「帝」を指すんじゃなかったかな?(テキトー) 『秦帝国が手放した帝位を捉えた者が、王を名乗れる』って諺でしょうか?誰かご存知の方います?

ふいに荀?ケの目から涙が溢れ出します。
目に浮かぶは『紅蓮の炎に包まれる洛陽』と、『幼い帝の襟を掴んでその地獄を見せつける董卓』の姿。

思えば、
董卓が帝を廃して殺し、
都に火を放った時、
すでに終わってたんだ。
漢(くに)は、
あの時もう死んでいたんだ。

手で顔を覆い、肩を震わす荀?ケ。しかし、打ち消すように首を左右に強く振り、荀?ケは独白します。

偽(いつわ)れっこないじゃないか 荀?ケ。
漢王朝はまだ厳として存在する!
煌々たる光をよみがえらせ生きている!

う〜ん、そうなんでしょうね。ついこの前まで朝政に携わっていた荀?ケがそう簡単に 『漢朝はとっくに死んでた』 なんて思えないんでしょうね。
手を顔から離し、思わず立ち上がる荀?ケ。なんかかなり強く顔を掴んでたみたいです。顔に指跡がクッキリついてます。"苦悩度・大"って感じです。荀?ケは空をキッと見つめ、考えます。

漢を死地から救った人物が
史上例のない奇跡の業を成したその人が
漢に幕をおろす道を拓いてはいけない!

ありゃ〜、またこの想いが再燃し始めました。荀?ケは続けます。

天下簒奪!!
"奸雄"どころではない千年の汚名!
曹孟徳がそんなものを纏(まと)ってはならない!
絶対にいけない!!

凛とした表情で空を見つめる王佐の男!
やはり思考はここに至るのですね。思いはループし、どー考えても "魏公就任は天下簒奪への道を拓いてしまう" という結論に達してしまうみたいです。 曹丕と満寵のせいかっ!?(笑)

立ち上がった荀?ケの脇を、一陣の風が通りぬけます。

しかし、
どうやってお止めする?

そうつぶやく荀?ケからは、先ほどの強い気迫は消えうせ、哀しい表情が浮かび上がります。荀?ケの脳裏に蘇る曹操の言葉。

曹操は、曹操でしかない

「それが、どんな汚名であってもですか?」
弱々しい笑顔を浮かべ、曹操に問いかける荀?ケ。
ふいに荀?ケの体に寒気が走ります。肩をすくめ腕を抱き合わせる荀?ケに、再び曹操の言葉が...

荀?ケは 荀?ケであればよいのだ

「あいや〜」
急にやつれた表情になった荀?ケは、振り返り、寝所へ戻りながら、考えます。

荀?ケから殿を抜いて
どうして荀?ケでおれましょうか

王佐の男は虚ろな顔をして歩きます。ああ、悲しいかな、ここが曹操と荀?ケの決定的な違いでは無いでしょうか? 敢えて酷なことを言えば、ここが荀?ケの限界なのでは無いでしょうか?以下、考察させて頂きます。

覇道を歩む曹操 − 『その前を阻むもの』は有無を言わせず排除し、『利用できるもの』は徹底的に利用する。そして「曹操は曹操でしかない」 と言い切ってはばからない逞しい思考...それが"乱世の奸雄"と自他ともに認める男の生き方なのだと思います。

しかし、"まばゆいばかりに清い"王佐の男に、同じ選択が突きつけられた時、同じ行動がとれるでしょうか? 曹操と正反対の考えに苦悩する自分を「荀?ケは荀?ケであればいい」 と割り切れるのでしょうか? 曹操を補佐し続けてきた男に、曹操にとらわれず、いや、曹操を抜きにして、あるいは曹操との対立も辞さず、考えろという過酷さ...その時の精神の歪み、軋み、軋轢は凄まじいものではないでしょうか? その懊悩は"覇道の男"には想像の及ばないものなのでは無いでしょうか?

          ***************

力なく歩きながら荀?ケの独白は続きます。

それなのに
漢か魏か?
漢の臣であるか?
殿の臣であるか?

寝室の敷居につまずいて荀?ケは転倒します。荀?ケの袂からは『曹操から預かっている杯』と『華佗の薬筒』が飛び出します!
カッシャーンと割れる杯。カカンと蓋が開いて丸薬を撒き散らす薬筒。

殿!荀?ケは、どちらかを選ぶことなどできません!

そう心の中で叫びつつ、跪(ひざまず)いて割れた杯を見つめる荀?ケ。「あぁ〜、返せないぞ」と思わずつぶやきます。破片を拾い、

私の体も割れてふたつになればいいのに

と、荀?ケは考えます。ふたつになることができれば、漢か魏かどちらかの選択に悩まなくて済むのですね...「はははのはッ」と荀?ケは自暴自棄な笑いを発し

割れぬなら いっそ消えてなくなろうか

と破片を首筋に当てます。 う、うっわ〜。じ、じ、自害!? 精神的に破綻をきたしちゃったんでしょうか? 急遽史実に近くなってきた展開!こ、こんな死に方かっ!?

「どうかなさいましたか?」
寝室の外から誰かが声をかけます。医師団の一人みたいです。
「いやあ、水を飲もうとして、ちょっと手をすべらせてね」
と答える荀?ケ。首に当てた杯の破片の先からは、一筋の血が流れ出ています。
「丞相より食盒(しょくこう)が届いてますが、いかがいたしましょうか?」
という部屋の外からの声に、食盒?と思わず破片を首から離す荀?ケ。
まだ何も食べられないよね?と声の男に確認し、では、見るだけにするのでそこに置いておいてくれ、と告げる荀?ケ。

しょ、食盒!盒とは箱のことです。つーことはこれはッ!史実にある例の...

          ***************

食盒の蓋を開ける荀?ケ。その中は空っぽ...ではありませんでした。丸めた紙が入ってました。球状になった紙を取り出し、不思議そうに見つめ、「親書かな」と荀?ケはそれをを広げます。
それには何も記されていませんでした。白紙です。
「えっ?」と動揺する荀?ケは、もう1度食盒の中を調べます。容器を持ち上げ、底まで調べる荀?ケ。何もありません。その時、荀?ケは "あるメッセージ" に思いが至ります。

− おまえにやるものは何もない −

そんな考えに蒼白になる荀?ケ!! しばらく沈思し、再び広げた紙のほうを見つめます。その紙は『昔、殿に渡した白紙の起草文』と重なります。

白紙に撤回?何を!?

脂汗を浮かべる荀?ケ。ふいに白紙をグシャッと握り締めます!

君臣の関係を!?
漢朝の存在そのものを!?

胸を抑え、前のめりに倒れ込む荀?ケ!! うっ、うわ〜!!何か急転直下で史実みたいに!! な、な、なんでまた、こんな食盒が荀?ケのもとに!? そ、曹操の真意はっ!? つか、「俺が荀?ケにしてやれることは何かないのか?」って言ってた曹操がホントにこの食盒を送ったんでしょうか!?

          ***************

床に突っ伏し、震える荀?ケ。その顔のまわりには先ほどの『床に散らばった丸薬』があります。

− 眠ろう −

その1つを口に含む荀?ケ。続けて散らばってる丸薬をかき集めてつぶやきます。

− もう眠ってやり過ごそう −

かき集めた丸薬は30粒以上はあります。わわわ、2粒で1日半も昏倒していた丸薬をまさか全部!? こ、これは、いわゆる 『大量の睡眠薬を飲む』 というのと同じ行為!

− ながく できるだけながく −

床に顔をつけ、かき集めた丸薬を飲干す荀?ケ...
荀?ケを覆う暗闇...

          ***************

暗闇。
微かな調べが聞こえます。
眠りから覚める荀?ケ。
床から顔をあげると、小さな音色にのって雪が天から舞い降りてきます。
思わず手を広げて雪を見つめる荀?ケ。

座り込んだ荀?ケが、ふと横を見ると依然として食盒があります。その食盒の中には、例の紙が、再び丸められて入っています。
いえ、『丸めた紙』ではありません。『雪玉』です。
淡い光を放つ雪玉が入っているのです。

「なぁんだ」

と静かに微笑む荀?ケ。その食盒に近づくと、雪玉は更に輝きを増します。

「はいれるかな」

食盒を覗き込み、つぶやく荀?ケ。鮮やかに発光する雪玉。荀?ケは立ち上がり、その輝きの中に足を入れます。

 あ はいれた

輝きに包まれ、満面に笑みを浮かべる荀?ケ...



建安17年
荀 文若
寿春にて逝去



大乱世。 死骸で埋め尽くされた戦場。 死肉に群がる鳥。
その大地に浮かぶ雪玉。 輝く雪玉。 雪玉の中の荀?ケ。


雪の上を果てしなく続く2本の轍(わだち)。
そして再び雪玉。
雪玉から聞こえる荀?ケの声。


−ははッ 荀?ケは荀?ケでしかないって こういうことか−



          ***************


...う〜ん、もう今回は最後に細かく解説するのは止めときます。これは読んだ各人が各人の感じるままに受け止めたほうがいいのかもしれません。

管理人は、荀?ケに安らかな死が訪れたであろうことを祈りつつ、黙祷したいと思います。

合掌。



No.8172 - 2003/05/22(Thu) 23:38:46

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 簡鍛
 前僕が夢見たストーリーとは全然違いました。すみません。

 このストーリー僕にとっては以外でした。正史に準じて死んでいくのですから・・・。それはさておき。
 タイトルを見て、「あ、もしかして今日、荀?ケが・・・」と思いました。確かにタイトルからして、荀?ケの最後っていう風な感じです。ワルツっていうのもいい感じのタイトルです。辞書を引けば、「優美な舞曲」とあります。つまり、荀?ケが魏公推挙運動に反対することが優美な舞曲ということなのでしょうか!?
 でその後元気そうな荀?ケを見てびっくりしたのですが、やはり心の中はまだ、漢のことでいっぱいのようです。そして久々の董太師様の登場・・・。
 そして、曹操から食盒が届いたとき、ドキッとしました。そして案の定、中に何も入っていないのかと思えば、意表を突かれました。けど、この丸まった白紙と雪玉を兼ね合わせたのは、王欣太先生らしかったのです。正史に準じているとはいえ、すばらしい死に様だと思います。
 必死に苦しんだ挙句死ぬのではなく、こうやって安らかに死んで本望です。
 最後に、モーニングを立ち読みした後、思わず拱手しました。そして涙・・・。僕も管理人様と同じく、黙祷を捧げたいと思います。

No.8173 - 2003/05/23(Fri) 00:03:11

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 紅いキバ [東海]
 雪玉...
  割れた盃...
   ひとりぼっちの.......

欣太先生、あまりに哀し過ぎるじゃないですかッ!!


>"秦が手放した鹿"ってどーいう意味でしょう?こんな感じの諺があるのかな?

項羽と劉邦の頃のことわざだったと思いますが、
「中原に鹿を追う」
中原を制することがすなわち中華の覇を得ることから、群雄がこぞって中原の覇権を争うことを、こう言い回したそうです。

No.8174 - 2003/05/23(Fri) 00:04:48

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / Caocao
じゅ、じゅ、荀?ケ―――!!(呂布張り)

軽快で、おしゃれで、ユーモラス。品が良くて、機略縦横。
最期は、悲壮の糸と悲愴の糸が、縄を編み上げたように、どこまでも密着して絡み合い、そして千切れました(涙)。

本来なら時代性に巧みに対応できる荀?ケほどの大賢才をこれほど苦しめ、盲目的に信じさせた正義(儒)は絶大だ。その純粋さゆえに知情意の一貫しない事態に遭遇し「心」を損じた。でも、荀?ケは最後までその純粋な儒に支配されるかと思っていたら、「荀?ケは荀?ケでしかない」この言葉に救われたような感じでした。私には言葉で表現する力がありません(涙)

曹操様の儒への憎悪は漸増的にその強度が高められるのかなあ。頑張って〜!

「自決」、「自栽」、「自死」、「CENSORED」。どれもどぎつくて感じが悪い。荀?ケには似合わない。「意志的な死」のように西洋医学の病理的範疇に入る「死」ではなく、「己」を追及した結果の精神力の滅失。人間は思うだけで生きることをやめることができる生き物なのか。

やっと妄想が止みました(笑)

No.8175 - 2003/05/23(Fri) 00:08:15

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 楊奉 [関東]
TATSUさん、トップ画像…泣かしすぎ…。

今回は切なすぎました。
「甘き死よ、来たれ」じゃないけど…。

うーん、言葉にするとどうしても感じたことから
遠ざかってしまいます。
辛い話でした。こんなに容赦ないとは思わなかった。
でも、郭嘉や呂布たちとも違った、
これしかないと思える最期でした。
凄いです、GONTA先生。

あと、こういうことを言うとちょっと野暮だし、
「蒼天航路」という作品においては関係ないことかもしれませんが、
今回のを読んで、「正史の荀?ケ」と「蒼天の荀?ケ」が
僕の中で完全に一致した気がします。

No.8176 - 2003/05/23(Fri) 01:10:51

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / Mazurka
お久しぶりです。
すでに忘れ去られていそうですが、ずっと気になっていた荀?ケの死ということで書かせて頂きました。

とうとうお亡くなりになってしまいましたね。
語弊があるかもしれませんが、私が期待していた泥沼、修羅場の展開とは異なって、すんなりとあの世へ旅立ってしまったんだなあという印象を受けました。
これはやはり自らの意思で命を絶ったとするのかどうか、描写からは微妙なところだと私は思いました。
そんなところはいかにもGONTAさんらしいような・・・
でも、本当に蒼天の荀?ケらしい死に様でした。
読み手が好きなように思うように読めるのが蒼天航路の好きな所です。

荀?ケの死について曹操がどんなリアクションをするのか、次回が気になります。
郭嘉の死の時のように、感情を爆発させるのか、それとも・・・
こんなに期待していて、次週、全く別の話題になってたら寂しいなあ。

No.8178 - 2003/05/23(Fri) 01:31:15

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 悠々
昔、ある老人が言いました。
  君は世にも稀なる美しいものをお持ちじゃ
  それを王佐の才という
と。
微笑む荀?ケに対して、老人はさらに言葉を続けます。
  もしやご自身にその才があるとお気づきか?
荀?ケは、こう答えました。
  生まれ持ったものかどうかはわかりません
  しかし―
  王に仕える喜びを誰より知っているつもりでおります

自分の言葉では、とても表せない。
でも、ちょっとだけほっとした、……かな。

No.8179 - 2003/05/23(Fri) 02:07:32

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ロッテファン [東北]
長い伏線でしたね。荀?ケの最後はやはり荀?ケ的な最後でした。しかし曹操も死の直前まで謎賭けをするなよ、と思いました。やはりそこは“曹操は曹操でしかない”に繋がるのでしょうか?何にせよ昔からのレギュラーが世代交代とは言え一人また一人といなくなって行くのは、少しどころかだいぶ寂しいですね。次に曹操の元を去っていくのは誰でしょうか、夏侯淵ですかね?
No.8180 - 2003/05/23(Fri) 02:45:58

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / t.s
>TATSUさん、トップ画像…泣かしすぎ…。
全くです。

結局、煩悶のうちに逝去してしまいましたが、このあたり表現が上手ですねー。
最後のとき、拾い集めた「黒い丸薬」が、飲んで絶命した瞬間に暗黒のバックで「白い雪」にかわってんですよ。白地に黒と黒地に白の対照的な描写で生と死の境界線を引いてるんでしょうね。

ところでその雪球、しばしば見かけては何を意味するのか悩まされてきましたが今回合点がいきました。
26巻で曹操がいうように「漢朝の汚濁を雪ぐ」ものが「雪」、すなわち荀イクなのかな?と思っていたところに、同じく26巻でその雪球の中から曹操が現れたからいよいよ混乱しました。
そして今回の冒頭の病状の説明のくだり「精神は神のやどる所。心のはたらきが妨げられると神はでていく。神がでてゆくと死ぬ。(概略)」、「心」+「神」=「精神」という説明だと理解できます。
つまり雪球は荀イクの精神からでていってしまった「神」の象徴だったのでは?説明にしたがえば、白紙を誤解した邪気によって「神」がはなれたために死んだことになります。

丸薬を集めているあたり、荀イクファンの読者としては息が詰まりそうになるけど、死後にその「神」を取り戻し一体化したことで多少救われたところがあります。

最後のシーン、これほど簡潔で完璧な描写があるでしょうか?
轍が続いてきて雪球のところまできて止まってます。
轍は荀イクが言うように「万人の残す万状の轍」、つまり荀イクが歩んできた人生の痕跡であり、その跡は乱世の様をみごとに浄化してあります。
そしてその轍は雪球(死んで「精神」を取り戻した荀イク)より先には続くことがないんですよねー。

素晴らしすぎる!郭嘉のときより解釈が難解な分、奥行きがある。
私、Caocaoさんと荀イクを評して蕭何か張良かと意見を交換したのですが新しい評価を見つけました。二人を併せるんです!
え? 蕭何と張良を足して2で割る? NO〜!
蕭何と張良を足して2倍したのがおまえだ荀イク〜〜!!!

No.8181 - 2003/05/23(Fri) 04:07:11

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / kazz [東北]
TATSU様お疲れ様です。

合掌。まさに。
それぞれの荀?ケがそれぞれの結末を。といったところでしょうか。
予想外でした。が、それだけに胸を打つものがあった、と言わざるを得ません。

蛇足ながら私の中の荀?ケ君。
人一倍すぐれた神を宿した荀?ケの精神に入った邪気とは何か。その邪気の原因、またはその邪気そのものこそが“荀?ケは荀?ケでしかない”ことの真相だったのだと。言ってしまえば弱さ、言い換えるなら清さ。乱世に、決して染まることのない清さをもって生まれてしまった弱さ。本来強さであるはずの清さが邪気になってしまうのが人間の妙と言ったところでしょうか。あの自害は逃れ得ない荀?ケの荀?ケでしかない死様だったのではないでしょうか。

喪に服したいと想います。よって今回はフォントも黒。
目と耳と口を封じるわけにはいきませんが。

No.8182 - 2003/05/23(Fri) 04:37:24

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / TYIM1983
皆さんの述べられたこととまさに同じ思いです。
あの雪球はこのような意味を持っていたとは…。
結局あの後見にきた医師が空き箱を見て、「曹操が空き箱を送って殺した」と誤解してしまい(まさかそこのくしゃくしゃの紙が中身だったなんて思うまい)、殿の汚名はますます増加していく…。この辺はゴンタ先生も相当練ったのでしょうね。
ジュンイクは「神」を取り戻しましたが、結局彼は「魏が漢に取って代わること」をどうにもできませんでした。
やはり歴史とは非常なものです…。
最後に「寿春にて病死」とありましたが…。
年齢は出ないんですか、そうですか…。やっぱり初めて出た時若すぎたからなあ…。ホントは最後の段階で50以上なはずなんですがね。

No.8183 - 2003/05/23(Fri) 11:11:45

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ぱりっぱりくん
せつないっす。

箱の中に雪だまを見つけて、雪だまと同化した荀?ケ。
雪まみれになった荀?ケ。
曹操が荀?ケにしてやれること、それが雪合戦の時に
約束した、『兵法の髄を尽くして荀?ケを雪まみれにすること』
だけだったのでしょうか。

ううん、せつないっす。

No.8184 - 2003/05/23(Fri) 11:41:30

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 藍清
初めてカキコいたします。
昨日は一人ジュンイクの死について反芻を繰り返していましたが、皆様の書き込みを見ていると、なんだか救われる思いです。
感想を語れる同志が周りにいないもので(苦笑)

ジュンイクが曹操を思うときに度々雪玉が現れたのは、それが政を抜きに「曹操とジュンイク」個人の繋がりを保つ唯一のものだったからではないでしょうか。

雪はまだ降っていないから、せめて白い紙の雪玉を送ってあの日の約束を確かめてくれた曹操。最後の夢の中でその意図に気づいて、「なぁんだ」と言うジュンイク。

「魏公就任」のことはあらゆる人々の思いを孕んで複雑になってしまったけれど、2人の個人としての「曹操とジュンイク」は雪遊びの約束のように無邪気で、その繋がりは永遠。

ただ伝記だけで知り得る悲しいジュンイクの死を、この雪玉で曹操と繋げてくれたGONTA先生に、感謝したいです。

ジュンイクがたった1人で逝かなくて、よかった。

No.8185 - 2003/05/23(Fri) 12:42:01

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ヒガシ [関東]
曹操が荀イクにしてやれる唯一つの事。
雪玉に込めた「君は君でしかない」というメッセージ。
すれ違う二人の想い。切ないです。

荀イクの「清さ」はけして自分一人のものではなく
曹操や漢王朝の上に成り立ってこそ
「清さ」であり
それ故の「荀イク」なんでしょうね。
死ぬ間際、彼の頭の中の王は曹操と重なっていたでしょうか?

合掌。

No.8187 - 2003/05/23(Fri) 13:10:41

荀?ケが荀?ケであるために / 諸葛菜
お久しぶりです。

荀?ケが荀?ケであるためには、「死」しかなかったのかなあ。
「生き残る」っていうことは、汚いものも、背負い続けることでもあるからなあ。

私は、例え、物語とはいえ、死というものを、安易に美化したり、安直に盛り上げるためには、使ってほしくないという思いがあります。

しかし、今回の死も、「安易な死」ではなく、本当に、「必死に生きた万感の思いの死」であることは、伝わりました。

荀?ケに限らず、主要な登場人物たちの死に対して、皆、そう感じます。

No.8188 - 2003/05/23(Fri) 18:30:03

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / アベール
連載のたびに、まるで蒼天航路全体がひとつの竜のようにうねりをあげます。
ゴンタ氏の才ですねー。ゴンタ氏の才ですねー。
独善的とはいえ、ちりばめられた素材をふんだんなく使い、見事に奏であげてる。
日本にゴンタ氏が生まれたことを感謝。

ジュンイクの中には、国を思う儒ジュンイクと殿を思う王佐ジュンイクがいて、ここが限界だったんでしょう。
心の中に邪気が入り「気楽に行こうぜジュンイク。お前は俺の雪玉(策)なんだ、目には目を策には策をってさー、頭を真っ白にして対抗できる策を考えればいいじゃん。」とゆう曹操の意思表示がわからなかった。
自分を最後まで貫き通し、バッタバッタと死んでいく蒼天人たちに
男を感じます。
数百年、儒で固めても崩れる時はたった20年で崩れてしまう。徳川幕府と似ております。
うまいなー、うまいなー。

No.8189 - 2003/05/23(Fri) 18:38:03

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ふにゃお
リョハクシャの時みたいに、死んだことにして影で活躍するとか・・・・、いやそれをやっちゃあ、おしまいだなあ、マンガとして。

うーん。
哀しい。
哀しいけども、最期に笑ってくれたんで、もうこれで良いことにしてしまおう。
ホントに。

呂布のときもカクカのときもそうだったんだけども、今回はホントに切ないなあ。
史実を扱う以上、こうなることはわかっていたんだけども。

なんとも言えぬ喪失感に満たされています。

No.8190 - 2003/05/23(Fri) 19:32:18

ラストワルツ / 神速の竹周 [関東]
薄々、ジュンイクの死は予感してたけど。
来ちゃった・・・

今回の蒼天は屈指の名場面でした。竹周も立ち読みしながら泣きそうになりました。でもローソンの店員に迷惑なので単行本を買ってから泣くことにします。

さよならジュンイク

No.8191 - 2003/05/23(Fri) 21:56:03

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 青木 [関東]
曹操と荀?ケ。最期まで蒼天のごとく曇り一つ無い真っ青な主従関係でした。しかしそうは言いつつも悲しすぎる・・・。
荀?ケ文若殿のご冥福をお祈り致します。ただそれだけです。

No.8192 - 2003/05/23(Fri) 22:09:05

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / にゃっき
結構通ってたのに投稿するのは初めてです。
今回投稿しようと思ったのは出すね・・・・まあここに書いたということはですけど、荀?ケ君が大好きなんですよね―――自分は。

まあただそれだけというわけではないのですが、いつも明るかった荀?ケが暗くなっていくのを見てるのも好き(?)だったし、今回の逝くときもまた楽しく読んでいましたが、何なんでしょうね、悲しいのになんかすがすがしい気分になるってのは、荀?ケが苦しんでる姿がイイっていちゃあそうなんですが、この胸に込み上げてくるものは何なんだろう?と思いました。

曹操を一番思っている人が死にました(合掌)

No.8193 - 2003/05/23(Fri) 23:07:44

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 玉川雄一 [関東]
以前、私は「蒼天荀イクには辛い結末を」と書きました。
最期は笑って去っていった彼ですが、私にとってのクライマックスはその直前、白紙の意味をはかりかねてついには倒れ伏してしまうシーンでした。

思い詰めた彼は、自分自身までもが曹操の天下から見限られた、と思ってしまったのかもしれません。そして彼の導き出した結末は「諦め」でした。
眠る=死ぬことで現実から逃げ出すという、かつての彼ならば思いも寄らなかったはずの決断。それだけに、その重みは計り知れないものが感じられます。

郭嘉は臨終の際、「南を攻める新たな軍略が次から次に溢れて止まりません」と語りました。彼は病に蝕まれてなお生きる気力を持ち続けていましたが、体の方が限界を迎えてしまいました。
荀イクの場合は反対です。やはり病に苦しめられていたのは同じながら、決定打となったのは精神の陥落でした。
「眠ろう もう眠ってやりすごそう ながく できるだけながく」
という余りにも弱々しい死への決意もまた、それが長い苦悩の末に辿り着いた結末であるだけに悲しみを強くします。
私にとって、蒼天荀イクは憂悶の内にここで最期を迎えたことになったのだと思います。


そして、その後に続く彼が器の中へと帰って行くシーンです。
まだ自分自身の中でも解釈が定まってはいませんが、今は彼に与えられた「救い」だと思っています。まとわりついていた様々な物から解き放たれてありのままの姿に戻ることができた…

初めて曹操の屋敷の門を叩き、張奐に迎え入れられたあの日から、30年になろうとしていたのですね。「王佐の才」を胸を張って誇ることができた日々も、胸を苦しめる痛みと感じた日々も、その全てが荀令君自身の歩んできた道でした。

No.8194 - 2003/05/23(Fri) 23:30:57

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 魔
荀?ケの死 黙祷

馬超以後曹操は「自分であること」路線になりました。
以前もそう書かせてもらいましたが、そのことを如実に表すためにも儒学の象徴である荀?ケの死は決定的な意義を全体の中でもつでしょう。儒学の象徴として描かれた医学の祖の死もまた自分であることとしての天下への移り変わりに準じていたといえましょう。「公」と「私」という単純な図式がみえかくれする点はきになりますが。

蒼天の中の荀?ケは結局死ぬまで「公」を捨てられませんでしたね。
漢への思い、曹操といる自分、常に「おおやけ」と抜きに語ることのできない彼の死は「私」としての「才」の時代とは一線を画した意味でも必然的で、曹操のさいごの計らいもよくある曹操が荀?ケをあやめたという説にもうけとめることのできるえがきかたでした。同時に曹操はその荀?ケを認めた形にもなっていた。それも荀?ケだと。あの真っ白な紙はまさにあの雪の場面とかさねられていますが、「私」がない「公」としての荀?ケ、「私」がない=真っ白でいいんだという愛情であり、同時に死の宣告でもあり、曹操の曹操であるゆえん(イッコノソウソウダ)もあらわれた見事な架け橋でせした。曹操は曹操として最後に荀?ケに接した。それが荀?ケの死につながるとしても。そのアンビバレンスが美しい。(余談だが、馬超はギリギリのところで「私」みせることができました→よって死なない)

自分が自分である その意味での天下を 描いていく蒼天航路は
次に劉備や孫権でも同様にその流れをえがいてくことでしょう。

劉備に惹かれた荀?ケ、その理由もラストワルツというタイトルも明快ですが
それはまたの機会に。

No.8195 - 2003/05/23(Fri) 23:44:05

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / DAI [関東]
生きていくことは、時に、とても辛いこと。

何かを恨んだり、何かを諦めたり・・。誤解や、すれ違い。そういうことの繰り返し。身を焦がすような思いや、耐え難い感情が、人生にのしかかり、何故、生きているのかさえ分からなくなる。

でも、生きていくことは、それだけじゃない。空を飛ぶ音が心をくすぐり、柔らかく暖かい雪に心を洗い、何処までも続く青い空に心を洗う。そういうことだって、できる。そんなのも、生きていくということ。


そんなにふさぎ込まないで、
        ワルツでも踊ってみませんか?


荀?ケの笑顔は、いつも、語りかけてくれていたような気がします。荀?ケが奏でる、軽快で、柔らかなメロディー。気がつけば、楽しげに心躍らせる自分がそこにいる。心が踊りを忘れたら、荀?ケの笑顔に会いに行こう。彼と心を遊ばせよう。きっと、遊ぶ心に、神も踊る。

清らかな雪上の轍の先に届く場所。そこに、心を遊ばせ、神の踊る場所がある。さよなら、荀ちゃん。そして、これからも、よろしく。

No.8196 - 2003/05/24(Sat) 10:29:00

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / hz [地球外]
荀?ケの荀?ケらしい最期でした…
ただただそれだけが強く印象に残りました。

No.8197 - 2003/05/24(Sat) 12:39:31

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 蜀 [沖縄]
ぬおぉぉぉ〜泣けました。本当に今回泣けました!これは16巻の曹操が袁紹に言った詩や馬玩が馬超に「お前は錦だ」といったのと同じ位感動しました!

なんか、薬と杯がいっしょに出た時、薬が漢に杯が魏をあらわしているように感じました。かなりきつかったと思います。確かに董卓が都に火を放った瞬間で漢は終わりましたがジュンイクにとって生まれた国が滅んだなんて思いたくありません。国が終わったとなんか考えたくありません。

ジュンイクは清らかで最後の最後までジュンイクとしてなくなったと感じます

No.8198 - 2003/05/24(Sat) 17:34:37

Re: 合掌 / のりぞお
こんにちわ。初めてのカキコでございます。

苟?ケ殿の最期の表情、すごくいい顔してたと思います。印象的でした。
思い悩んで悶死してしまうのかと思っていただけにあの笑顔でラストを飾ってくれたことが…悲しさよりも安堵感が先に来てしまったのは自分だけでしょうか?

最期まで苟?ケらしさを貫いてくれてありがとう。
心より苟?ケ殿の冥福をお祈りいたします。

No.8201 - 2003/05/24(Sat) 23:27:57

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 郭嘉最高! [関東]
今日読みました…すごいっすね…やばい。。
苟?ケ…安らかに。。
来週の曹操様の反応に期待します☆

No.8203 - 2003/05/24(Sat) 23:32:52

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / TATSU@管理人 [関東]
いやあ、案の定レスがたくさん付いてますね〜。カウンターも木・金で2,000ぐらい回っちゃいました。『荀?ケの死』は蒼天ファンを大きく揺さぶっております! 色んな感想が読めてとても楽しいです。
かくいう管理人も10回は読み返しました。ようやく「難解なシーンの意味」がオボロゲながら理解できてきたような気がしない訳でもないです(曖昧)

さて、恒例の「初投稿の方には挨拶」を。

          *

藍清さん、初めまして。蒼天考へようこそ。

>感想を語れる同志が周りにいないもので(苦笑)

ですよね〜。管理人の周りにもいないんです!でもこんなにたくさんの感想が、ほぼリアルタイムで聞けるなんて、ネットって偉大だなあと実感したりして。

>雪はまだ降っていないから、せめて白い紙の雪玉を送ってあの日の約束を確かめてくれた曹操。

ふむう...やっぱり、そうなんでしょうか? 『あの日の約束』っていうのはやはり「兵法の粋を集めて、私を雪まみれになさるのは、またの機会に願います」のことでしょうか?
すると曹操は「冬の到来にはまだ早いぞ!荀?ケ!!」ってことで、冬がまだきていないので、紙を丸めて雪玉に見たてて、それを贈って荀?ケを励まそうとしたんでしょうか? それが心神喪失状態にある荀?ケには、「白紙の起草文」としか関連づけられなかったんでしょうか?
か、悲しい...悲し過ぎる"誤解"、いや、"齟齬"、というか"すれ違い"ですね〜。 曹操は荀?ケが悩んでいることは分っていても、荀?ケの意識の底の底の部分までは理解していなかったんでしょうか? いや、できなかったのかもしれません。"覇道の男"と"王佐の男"の悲しきすれ違いだったのかな...

>「魏公就任」のことはあらゆる人々の思いを孕んで複雑になってしまったけれど、2人の個人としての「曹操とジュンイク」は雪遊びの約束のように無邪気で、その繋がりは永遠

か〜っ!うまいこといいますね!!いい表現です。言われて気づきましたが、管理人のTOPのイラもそんな気持ちで描いたような気がします。

          *

にゃっきさん、初めまして。蒼天考へようこそ。

>何なんでしょうね、悲しいのになんかすがすがしい気分になるってのは、荀?ケが苦しんでる姿がイイっていちゃあそうなんですが、この胸に込み上げてくるものは何なんだろう?

う〜ん、何なんでしょう...ラストで荀?ケの笑顔が見れたからでしょうか? 確かに睡眠薬を大量服用しちゃったあとの幻想的シーンは"救い"になってるような気がします。でも、これはにゃっきさんなりの味わい方ですから、多分、荀?ケ好きのにゃっきさんにしか説明できないような感覚・フィーリングなのかもしれませんね〜。

          *

のりぞおさん、はじめまして。蒼天考へようこそ。

>悲しさよりも安堵感が先に来てしまったのは自分だけでしょうか?

いえ、のりぞおさんだけじゃありません。少なくともにゃっきさんは似たような感覚で読んでるような。
確かに荀?ケ、悩みに悩んでましたから、最後の最後であの笑顔を見れたのは、安堵感といえば安堵感のようなものが漂ってますね。

荀ちゃん、良かったね。もう悩まなくていいんだね。と、声をかけたくなるような。

No.8204 - 2003/05/24(Sat) 23:41:48

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / BUN
 おひさしぶりです〜TATSU殿〜 そしてみなさま〜
たいへんごぶさたいたしておりましたが、
今週だけはさすがにのこのこ顔出してしまいました〜。

 私にとって今回は、ほんとうに、なんだかさわやかな気分になるほどすっきり、その荀?ケの最後を看取ることができた…って、そんなふうに感じました〜。

 さまざまに苦悩して、思い巡らし、弱ってゆく心情。
そのなかで、自らの結論も導き出したうえでもなお、苦悩する心情。
でもその最期は、消え行く雪玉みたいに、どこかさっぱりしたように思えて。

 送られてきたおべんとばこの中身が、あの雪の日の約束だったのは、約束を果たすためにも元気になれってメッセージだったのには、
…なんかほんとに、救われたなあ、って思いました…

No.8205 - 2003/05/25(Sun) 05:40:19

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 上田散人
出遅れで感想をカキコしたいと思います………。
なんというか、今週の蒼天での荀イクの死は、
胸を打たれながらも、自分の中でどう形容していいかわからなくて、
頭がグジャグジャになったので……、感想がまとまりませんでした……。
けれど他の皆さんのカキコを眺めてゆく中で、
荀イクの最期がどうにも表しがたく私に寂寥感ばかり募らせるのを、
おぼろげながらわからせてきました……。

今週の蒼天は、あの空箱のように……、
白紙の起草文のようでいて雪玉のようでいる、いつにも増して「これだ」とは言えず「こう思う」としか言えないような話になっていたから……、だと思います。なにかその感触の曖昧さが、最期の最期には救われた(ように見える)荀イクの死を…、なおも私には寂しく見えさせるんだな……、ということなんです。
けど、やっぱり頭の中はまだまだ、まとまってないです。全くまとまりません。

No.8206 - 2003/05/25(Sun) 06:41:31

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 龍夢
>ところで"秦が手放した鹿"ってどーいう意味でしょう?こんな感じの諺があるのかな?「鹿」って言うのは確か「帝」を指すんじゃなかったかな?(テキトー) 『秦帝国が手放した帝位を捉えた者が、王を名乗れる』って諺でしょうか?

出典は、『史記ー淮陰候伝』(韓信伝ですね)の『秦失其鹿、天下共逐之』ではないでしょうか?
でも、無学なわたしには、どう使われてるのかは、よくわかりません。
 司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』の最初の方に、「始皇帝が初めて創った『皇帝』という存在は、その頃、それ以前の『王』や『貴族』のように、尊敬される為の貴族制度や礼教思想で鎧われてなかったので、

「皇帝を倒せば、倒したものが皇帝になれるということではないか」

という、前時代にはなかった不思議な政治認識を多くの人民に植え付けてしまった」みたいなことが、書かれていますね。
黄巾の乱の頃も、そんな空気だったのでしょうね。

 『文若の最期』については、まだ感想を言うという気分になれません。
 「バカなんだから、バカなんだから」と泣きながらつぶやいている、かなりあやしいヒトになっちゃってます。

 初めて、荀いくに出会ってから、もう8年。
三国志にも、中国史にもまるで感心のなかった私は、なんの予備知識もなく、荀いくに惹かれ、「飛び抜けた賢さがあれば、優しいまま人生を生きれるのでは」と彼の最期等何も知らず、希望を抱いていました。
 その後、『秘本 三国志』を読んで、不可解で哀しい最期を知ったときの衝撃!
 優しく清く生きることは、やはりとてもむずかしい。でも、だからこそそう生きようとした彼に、惹かれるのだと想います。
 色んな解釈のできる彼の死をときほぐす楽しさもまた、荀いくの与えてくれたものだと想います。

No.8207 - 2003/05/25(Sun) 07:35:43

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ナクレ [東北]
こんな、静かな蒼天航路は初めてだったような気がします。
あまりにも静かで、あまりにも悲しい荀?ケの最後でした。

ところで、曹操が送った空の器ですが、私の勝手な解釈を書かせていただきますと、
「お前にやるものはない」
ではなく、
「漢にもいけず
   魏にもいけず
     一人いるなら
       せめて君に器(居場所)を送ろう。」
という風に思っておりました。
先週に曹操が言っていた、荀?ケにしてやれる事をやったのではと・・・

No.8212 - 2003/05/25(Sun) 18:38:13

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 楽隊
お久しぶりです。久しぶりに勝手に手が動いてます。立ち読みして泣きそうになって胸が苦しくなってどうしようもなかったです。内容まるで覚えてないです。ただ今は悲しさをこう描くとは…と欣太帥のアーティスティック性を敬うばかりです。
そんなわけで干禁で言います。
黙祷ー!!

No.8231 - 2003/05/27(Tue) 11:30:20

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 侠客 [東北]
えー、今回は話題が話題だけに『(笑)』記号は遣わないようにしますね。

さて、本題。
荀?ケの「思えば、董卓が帝を廃して殺し、都に火を放った時、すでに終わってたんだ。漢は、あの時もう死んでいたんだ」そーなんですよね。董卓という真性な“悪”が漢に対して行ってきたことは
1.廃帝と幼帝擁立
2.洛陽を焼く
という、まさしく漢の権威の失墜――漢朝の終りを告げることでしたからね・・・。しかし董卓が倒れたことにより漢はまだ生きている。そんな“死に体”の漢を再び蘇らせたのが曹操でした。
そしてここが、荀?ケの最も危惧していたところでした。魏公となった曹操、このまま“王”となり“皇帝”となり漢王朝にピリオドを打ってしまう・・・。千年も後の人々に残る曹操の存在は“簒奪者”の汚名!それだけは曹操に着せてはならない、しかし曹操は汚名を自分として受け入れることができても“清き王佐の才”荀?ケには曹操の汚名を受け入れることはできないでしょう。だから荀?ケはこんなにも悩んでんですね・・・。

その後の「私の体も割れてふたつになればいいのに」がホントに泣かせてくれました。もう一人の自分がいればいい、そうすれば魏の臣にも漢の臣にもなれる・・・。でもどっちが本当の荀?ケなんでしょうか?もうそれは荀?ケ自身にも分からなくなったのかもしれません。


今回のポイント『食盒』に話を持っていきましょう。
なぜ空の器にくしゃくしゃの白紙が入っていたのか?
私は以下のように解釈しました。

さて、ここで初期の蒼天で語られていた<器論>を持ち出しましょう。
「白紙」は荀?ケそのものを意味している。
器が空っぽだったのは曹操を意味している。

「曹操の中には常に荀?ケが入っている、曹操自身が変わっても中に入っているのは荀?ケ 荀?ケはいつまでも清いまま変わらん」という曹操のメッセージだったんじゃないかと思ってます。



荀文若――三十年間もの長きに渡って御苦労様でした。

故人の御冥福をお祈り致します。

No.8232 - 2003/05/27(Tue) 17:21:59

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / ラグランジュ [関東]
以前、友達から聞いた話で、曹操が荀?ケに送った空箱の意味は「(死の近づく荀?ケに対して感謝の気持ちが大きすぎて)どんな礼をしていいのか分からない」
曹操はそうした意味で空箱を送ったのだと。

先週号の「何かしてやれる事は無いのか・・」の台詞を見てもしやと思いましたが・・・。

蒼天航路のメインキャラは死に際して皆笑顔で迎えるのが印象的です。
この物語で荀?ケという人となりにはとても好感を持っていました。
悲しい気持ちもあるものの、最後の笑顔に救いを感じます。

No.8239 - 2003/05/27(Tue) 22:56:44

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 紫舟 [近畿]
こんにちは、初めまして。紫舟(ししゅう)と申します。
今までずっと毎週木曜日には「今週の蒼天」を読むのを楽しみにしていました。が、今回発言しなくていつするんだ!と思いまして、初カキコさせていただきます。

荀?ケとの永訣…今もまだ、自分の中で整理が付いているとは言えませんが。もはや皆様に語り尽くされており二番煎じで見苦しいのでは、とも思うのですが、ご容赦下さい。


表紙を一目見たとき、解ってしまいました。いつか必ず来ることは分かっていて、でもなるべくなら来て欲しくなかったこの日がついに来てしまったのです。

やっと、悲しみも叫びも苦しみもない世界に行けたんだね、良かったね、とも思います。
みんな貴方のことが大好きだったのに、どうして行ってしまったの、この大馬鹿者!とも言いたいのです。
自失と憤りと嘆きと寂しさ、そして仄かな安堵が今も腹の中で渾然と煮えています。

ここ数週、蒼天を読むたびに荀?ケの苦悩に同調していました。
もはや生き続けることは苦痛でしかないような、曹操への愛と漢への愛で引き裂かれている彼を見ているのは辛かった。
漢の臣であること。曹操の臣であること。
どちらも彼が"荀?ケ"であるためには欠かせない要素。
「荀?ケは荀?ケであればいい」曹操はそう言ったけれど
どちらを引き剥がしても彼は彼でなくなる。
人が生きるのに空気と水、どちらが必要か?どちらも必要です。
失ってから死ぬまでの時間差に違いはありますが、ごく微量です。
「私の体も割れてふたつになればいいのに」「割れぬなら いっそ消えてなくなろうか」
今思い出しても涙が滲んできます。
なぜこんなにも重い苦悩を背負わねばならないのか?それは彼が彼であるから。
漢の臣である自分、曹操の臣である自分、どちらも曖昧にすることが出来ないから。
「自分らしくある」ということは、とても潔いけれど時々辛いことかもしれません。

−眠ろう−
−もう眠ってやり過ごそう−
−ながく できるだけながく−
貴方は過酷な戦いに力尽き斃れたのかもしれないけれど
誰が貴方を責められましょう。
よくぞここまで戦い抜いたと感嘆こそすれ、敗北を嘲笑出来るものなどいるでしょうか。

貴方は今、安らいでいるのでしょうか。
全てのしがらみから解き放たれて自由になれたのでしょうか。
裸の貴方になれたのでしょうか。
もしもそうなら、貴方に会えないのはとても寂しいけれど、我慢します。

私は、初めて会った時から貴方の晴朗とした笑顔が大好きでした。
貴方の笑顔は、何時だって高く広く透明な蒼空を感じさせてくれたから。
最後に幸福になれたのだと信じさせてくれて、ありがとう。
もう一度笑ってくれて、ありがとう。

No.8240 - 2003/05/28(Wed) 01:06:27

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / TATSU@管理人 [関東]
うわ〜。こんなにレスが付いたの初めてじゃないでしょうか? すっごく久しぶりの人や初投稿の人も結構いて嬉しいです。

          *

ラグランジュさん。え〜っと、初めまして。ですよね?

>曹操が荀?ケに送った空箱の意味は「(死の近づく荀?ケに対して感謝の気持ちが大きすぎて)どんな礼をしていいのか分からない」

これは「蒼天」では無くて「史実」の空箱について、お友達が言ってるんですよね。なるほど〜、もし史実の空箱の意味もそうだったとすれば、史実も蒼天も 『荀?ケの悲しき勘違い』 ということになりますね。悲しい...
そうなってくると、別スレの "テンパっている人間に対して、ひねった事は厳に慎みましょう" という感じもちょっとしてきますね〜。

          *

紫舟さん、初めまして! 蒼天考へようこそ。

>今回発言しなくていつするんだ!

その意気や良し!! これを機に投稿 続けちゃって下さい!

>表紙を一目見たとき、解ってしまいました。

ですね〜。 あの導入部、あの表紙、そしてあのタイトル。管理人もあの時点で「ついに来たか!」って思いました。

>なぜこんなにも重い苦悩を背負わねばならないのか?それは彼が彼であるから。漢の臣である自分、曹操の臣である自分、どちらも曖昧にすることが出来ない

そうですね。あの懊悩は "荀?ケが荀?ケであるが故" なんでしょうね。
「まだまだ学ばねばならん事が山ほどある」と述懐し、放埓な荀粲から「新たな時代の思潮を感じる」という荀攸とは違うと思いますし、「暗黒の策」を駆使する賈翊とはもちろん違いますし、「新世代謀臣」の劉曄とも違うんでしょうね。

>貴方は過酷な戦いに力尽き斃れたのかもしれないけれど、誰が貴方を責められましょう。

はい。 荀?ケの『苦しみの深さ』も勿論ですが、彼が 『曹操政権の確立にどれだけ貢献してきたか』 を考えた場合も、彼の悶死を責められる者はいないと思います。

No.8242 - 2003/05/28(Wed) 23:11:03

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 水素 [地球外]
ちょいとつられて来て見ました。
優雅に踊る荀?ケが呼んでいるのか・・・

さて、荀?ケの名ゼリフ「あいやー」とともに振りまくあの明るさは生来のものとはいいがたいものでした。はじめはあんなにも生真面目で問いの答えを出すのがとても得意な感じでした。
それが曹操と出会い世界を回るうちに陽気さを身につけてきましたが段々ともたげてくる自分の中の王と曹操との違和感。それは漢の臣としての荀?ケと曹操の臣としての荀?ケの葛藤だったのでしょうか?あの陽気さは時々その違和感をかき消すために使われていました。心からすっきりと笑えるのか?そう思い続け、気がかりとなっていました。
でも、曹操はそんな荀?ケのことを知っていたのでしょうね。曹操からは荀?ケに対する不信の態度は一片もない、なんだか両想いゆえにすれ違う二人のようですよね。
その二人は最後は直接会うことなく物語は終わってしまいますが、例え離れていてもそのすれ違いを解くことが出来たというのは物語の妙というところでしょうか。その時に見せた安らぎの顔にはかつての陽気さが熟成されたような豊かな心地よさを覚えました。やっと手に入れたんでしょうね。

ホントはもっといろいろ読み返してから書きたかったんですけどね。
ちょいと時間を思うように扱えなくって・・・
ではまたいつか。

No.8244 - 2003/05/28(Wed) 23:14:29

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / すうりん [関東]
もう一週間経ちました、今日はモーニングの発売日?今更ですが、カキコします。連載読んでないけどまたここで読んでしまいました。情景の浮かぶTATSU様の文章によりどんな風に文若様が逝ってしまったのかよくわかります。なんて清々しいのでしょう、タイトルも柔らかく、そしてやさしい。「ダンス」でなくて「ワルツ 」というのがすばらしい!!絵のない状態で多くを語るのはやめときます。TATSU 様、文若様の人物考大変ですね。いつアップするのでしょう。汚泥のつかない彼の足跡をどのように表現なさるのかそちらを楽しみにいたしましょう。では、また。
No.8247 - 2003/05/29(Thu) 12:28:26

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 左平(仮名)
今朝、コンビニで「モ−ニング」を手にとりましたが、今週は休載でした。

…私も読んではいたのですが、ここにはなかなか書き込めませんでした。皆さんの真摯なレスをまのあたりにすると、いい加減には書けない。そんな気がしたのです。また、今回の様に涙なしには読めない回については、様々な思いがこみあげてきて、なかなか考えがまとまらなくもありました。
私ごときがあれこれ言う事はありませんので、ここでは、細かいところをちょこちょこと書くに留めます。

ラスト(屍で埋め尽くされた凄惨な戦場の跡と輝く荀?ケ。雪玉から聞こえる台詞「ははっ 荀?ケは荀?ケでしかないってこういうことか」)のあの場面は、やはり彼を描くのにふさわしいと思いました。
彼を表現するには、これ以上のものはないと。

雪−。考えてみれば、雪は氷の結晶体なわけですから、非常に冷たいもののはずです。しかし、雪の積もった大地と枯木・枯草しかない荒涼とした大地とでは、どちらが寒々として見えるかとなれば、(少なくとも私には)後者です。
「かまくら」などのイメ−ジのせいでしょうか。吹雪はともかく、こんこんと降り積もる雪には、人を拒む様な厳しさは余り感じられません。荀?ケも、そういう人なのでしょう。
そのあまりの清さゆえに、(たまにではあるが)人には冷たく見える場面もあったでしょう。しかし、彼自身には人を拒む厳しさはありません。かつて、それと知りながら自邸に周瑜を入れた様に。
以前にも書き込んだかも知れませんが、白川静氏によると、雪の色でもある「白」の字源は、頭蓋骨であったといいます。しかしそれは、現代の我々とは異なる宗教観・死生観から生じたもので、(字を考えたという)商【殷】の人々は、頭蓋骨に神秘的な力を感じたのだそうです。

清らかで、かつ穏やかな荀?ケを「白」い「雪」で表現する。
その死は哀しいのですが、あの場面では、これ以外の結末は考えられなかった。そういう事でしょうか。

こう描かれた事には、荀?ケ(達)も納得していると思います。

No.8251 - 2003/05/29(Thu) 23:28:27

Re: 今週の蒼天<ラストワルツ> / 悠々
先週の「白紙の雪玉」は、おそらく曹操の気持ちを読者にゆだねるような形にしてしまうと思いますけど、正しく読めば正しく理解できるものと信じております。

自分的には荀?ケが漢朝の臣として生きたとしても、公私を混同したり世間体を気にするタイプではないですから、曹操とは友人としてやっていけたんじゃないか、と思いますけど。あるいは曹操が帝位につく気はないってことを、公表しちゃうとか・・・。まあ愛惜の情ってやつですかね。けど、曖昧にできないところが「荀?ケは荀?ケでしかない」所以だったのでしょう。
ここからは批判を覚悟で述べますが、ただちょっと「三国志」にこだわりすぎかな、というのが正直な感想です。曹操への想いと漢という国への想いが同じ比重だとしたら、ちょっと意外です。よほど曹操に簒奪者の汚名を着せたくなかったのでしょうか。あるいは清流派の名門の血が目覚めたのでしょうか。荀?ケをそこまで追いつめたものは、何だったのでしょうか。
また漢の臣か魏(曹操)の臣か、という選択を迫られて大量の薬を飲むあたりは特に、不快なものを感じました。だけど大切なことや真実を伝えようとすると、そこに娯楽性が失われ、案外それは、辛く不快なもの、という気もしたりします。「現実」は厳しい・・・と。個人的には、マンガや小説は「現実逃避の場」にしたいんですけどね・・・。
でも辛い表現ですが荀?ケの死は、自分自身を、そして曹操をも救ったんではないでしょうか。そして最後の最後になって荀?ケは自分を取り戻して、読者(少なくとも私)をも救ったかな、と・・・。

No.8253 - 2003/05/30(Fri) 00:36:45
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