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武論尊・池上遼一 / ブ王 [関東]
スペリオールを読んでいましたら、武論尊+池上遼一で三国志の連載が開始だそうです。
http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/superior/content4.html

「邪馬台国から始まる」というので、魏はもう2代目になっているのでしょうか?

蒼天が終わるのを見計らったかの様な、何だか妙なタイミング……と思い、ご報告。
もうご存知でしたら、ご勘弁を。

No.11205 - 2004/08/31(Tue) 19:49:44

Re: 武論尊・池上遼一 / 銀玉
週刊少年マガジンでも始まりましたね。
ゴロー、薬丸、佐藤を主人公にした三国志が(−−;

No.11209 - 2004/09/01(Wed) 22:56:19
32巻考 / TATSU@管理人 [関東]
皆さん、単行本32巻はお買いになりましたでしょうか?
1話だけ曹植のエピソードがありましたが、あとは全編「夏侯淵軍 VS 新生劉備軍」でしたね。
毎回述べてますが、週刊連載をじっくり考察するのもいいですが、単行本で一気に読むのも、これまたいいです!

表紙の「曹操の手の間を舞う花」は、作中の「漢中の山々を血の花で染めようてか」という台詞が頭に浮かびました。

そして、裏表紙は「 " 漢中目指してまっしぐら" の新生蜀軍を、荊州から眺める関羽」でしたね。青龍刀を振り回していたのは、エールを送っていたのでしょうか? こーいうシーンを裏表紙に使うってことは、荊州攻防戦はじっくり描かれそうな気がします。

さて、表3のコメント。「佐久間象山・浅野忠信・マーロンブランド」ってのは、順に「荀攸・何晏・董卓」でしょうね。
荀攸と何晏は、なるほどって感じですが。董卓は意外な感じしました。マーロン・ブランドはゴッドファーザーのイメージでしょうか?
でも、そんな事より「それぞれに特別な理由があって使った。」というのが是非知りたいところです。
佐久間象山を使うのにどんな特別の理由があったのでしょう!?

No.11189 - 2004/08/29(Sun) 21:12:09

Re: 32巻考 / つね [関東]
単行本で少し考察してみます。一部、前後の巻に渡りますが、漢中攻防戦を時系列で並べてみると以下のようになります。

建安22年冬 :劉備 漢中に進攻
      :曹洪 援軍として漢中に到着
建安23年正月:吉本の乱
      :劉備 陽平関占拠
    7月:曹操 西方へ出征
      :侯音 宛城にて挙兵
      :定軍山決戦 夏侯淵戦死
建安24年正月:夏侯淵の訃報、駆け巡る

月が書かれているのは、作品中に明記されているところですが、これを見て気付くのが、32巻がほぼ1年に渡っていること。疾風怒濤の暴走漢中戦でしたが、実は描かれていない睨み合いや小競り合いがあったようです。
 当時、急報とは言え、漢中から鄴まで1月程度はかかったであろうことと、30巻にて曹操が漢中から鄴までの帰還に3ヶ月かけてることを考慮に入れます。上の空白のうち、陽平関失陥は恐らく6月でいいとしても、曹操の漢中到着は10月以前(帰還時よりは速いはず)でなくてはなりません。ところが、曹操の漢中到着は正月以後。これを解く鍵は侯音の挙兵ではないでしょうか。このあたりの空白を推測を交えて書くと、

 7月  :曹操 西方へ出征
(9月) :曹操、長安に到着、侯音 宛城にて挙兵
     曹仁、侯音討伐開始、曹操、洛陽に戻る
(12月):ようやく敵情が劉備陣営に伝わる
     曹仁、侯音討伐にめど。曹操、洛陽から長安に再進軍
     定軍山決戦。夏侯淵戦死

とこんなところではないかと。(そうでないとつじつまが合わない。)こう見ると、法正が「早すぎる」と嘆いた侯音の挙兵でしたが、この時期でないと、10月くらいには曹操は漢中に到着、蜀軍は夏侯淵軍と曹操軍の挟撃を受けていた可能性があります。実は侯音は漢中攻略の隠れた殊勲者だったのかも。

No.11195 - 2004/08/30(Mon) 00:00:06

Re: 追記 / つね [関東]
一つ書き忘れてました。

それにしても夏侯淵は半年以上も包囲された定軍山に立てこもっていたことになります。彼の孤独と結果を思うと、痛ましい限りです。

No.11197 - 2004/08/30(Mon) 00:16:35
今週は / 文月 [近畿]
今週は蒼天はお休みなんですよね…。
次号予告のページにも名前が無かったし…ガックリ_| ̄|○

もしかしてゴンタ先生、仕事ほったらかしてアテネオリンピックに見入ってるんじゃ…。そうだ、絶対そうに違いない!!

No.11176 - 2004/08/27(Fri) 06:34:27

Re: 今週は / ギルガメッシュ [関東]
 自分はもう一度、話しの再構築をするために休みを取ったのではないかと考えます。もし、「年内完結」で先生の気持ちが固まっているならそのまま突っ走っていきそうな気がします。

 先生自身、納得のいく終わり方にしようとあれこれ考えているのではないでしょうか?まだまだケリをつけねばならぬネタがあるのに駆け足で終わりにするとは思えません。先週の話を見てそう思いました。

No.11178 - 2004/08/28(Sat) 00:55:19

Re: 今週は / 文月 [近畿]
そう言われて見れば、そうかもしれませんよね…。
連載再開まで、気長に待つことにします。

No.11179 - 2004/08/28(Sat) 07:50:01

Re: 今週は / TATSU@管理人 [関東]
今週休載で、来週の予告ページにも「蒼天航路」の名前は無し。これは意外でした。
年末まで休載無しで突っ走っても、34巻収録分ギリギリだったのですが、今回の休載でどうもあやしくなってきました。
「納得のいくフィナーレの為に熟考」して頂くのは大賛成ですが、そのせいで33巻で終わってしまうのは大反対です。

やはりここは「年内完結」なんて反故にして、じっーくり話を進めて欲しいです!

No.11188 - 2004/08/29(Sun) 21:06:58

Re: 今週は / 子孝
年内完結は、編集者辺りが、ゴンタ先生に要望していたんじゃないかなと思います。というのは、年内で終わらせるには、荊州戦をカットせねばなりません。
しかし最近の蒼天を見ると関羽の北上を匂わせるようなシーンもあり、関羽がやたら出てきている気がします。これ私は年内完結と書く編集者に対する牽制を意味しているように見えるのですが。
濡須の戦いの呂蒙の伏線もありますし、魏も終盤他の四天王が活躍してるのに、曹仁だけあまり活躍してないのが気になります。25巻で曹操が淵と並んで曹仁を司令官たるべき武将に挙げてました。正史で調べたら、関羽戦で司令官になっていたので、荊州攻防の伏線だと思います。そう考えると、とてもカットできないはずの戦いだと私はおもうんですが。

No.11191 - 2004/08/29(Sun) 22:01:07
蒼天航路ノベライズ / TATSU@管理人 [関東]
こんばんは〜。
ギリシャとの時差が怨めしい管理人です。

さて、以前にもお伝えしたことが有りますが、管理人は去年から「蒼天航路をベースにした小説」を書いておりまして、それがこの度、9ケ月の紆余曲折を経て完成しました。

テーマは『 周瑜の死 』です。とりあえず序章とも言うべき「仁杯」をUPさせて頂きました。本編「美周郎」のほうも推敲が終わり次第、順次UPしていきたいと思います。
宜しければPersonalの項へお進み下さい。感想を頂けたりすると嬉しいです。

え? キリイラはどうしたって?
す、すみませぬ〜!! 

No.11123 - 2004/08/15(Sun) 00:31:31

Re: 続編、UP! / TATSU@管理人 [関東]
....。

何の反応もありませんが、作品は出来あがっているので、次ぎUPします。
第2章の「恐怖」と「疑惑」です。オリンピックの合間にでもお読み下さい。


ちなみに明日、「選択」「軍略」「使者」の3編を、あさって「長江」「天命」の2編をUPする予定です。
4夜連続でお贈りする『 周瑜の死 』。是非、お楽しみ下さいませ。

No.11127 - 2004/08/16(Mon) 00:03:48

Re: 蒼天航路ノベライズ / TORA [九州]
TORAです。読ませて頂きました。
>何の反応もありませんが、作品は出来あがっているので、次ぎUPします。
私もそうですがみなさんお盆で家にいなかったのではありませんか。反応ないはずがありません。「仁杯」での各人物の思考対比の手法は刮目させられました。張昭の立場でしかものが考えられなかった私は「仁杯」での劉備・孫権・呂範の行動に?でしたが、なんと3本の思考を一本に絡めると理解できるではありませんか。

>ちなみに明日、「選択」「軍略」「使者」の3編を、あさって「長江」「天命」の2編をUPする予定です。
楽しみにしています。蒼天連載終了後の蒼天考が寂しくなりそうだと悲しんでおりましたが、この小説化はエンドレスで続けられそうですね。期待しています。

No.11130 - 2004/08/16(Mon) 08:33:21

Re: 蒼天航路ノベライズ / 【56】 [関東]
TATSUさん、こんにちは。
僭越ながら読ませて頂きました。

>宴の後の反応も呂範だけが異なっていた。
私も「仁杯」で呂範が参加している事や孫権の「止めることのできぬ、
その涙ゆえか?」の意味が最初、なかなか読みきれず理解できない所も
あったんですが、改めて読ませて貰って納得できました。
同じ「反劉備」陣営って事でどうしても1つに纏められてしまいそうですが、
対比させる事で呂範と張昭ではまた異なる主観を持っている事を改めて
認識でき、それを巧みに表現できるTATSUさんの文章は凄いと思いました。
また、今まで周瑜がいるというのを当たり前の様に感じていて、
客観的に見る事ができなかった孫権や孫呉の武将達にとって劉備による
「周瑜像」は衝撃的以上のものがあったんだなと思います。
それがあの仁杯での呂範の涙で表れているように感じました。

>ちなみに明日、「選択」「軍略」「使者」の3編を、あさって「長江」「天命」の2編をUPする予定です。
期待しています。私は水曜日までお盆休みがあるので、これで
また楽しみが1つ増えました。

No.11131 - 2004/08/16(Mon) 12:19:17

Re: 蒼天航路ノベライズ / TATSU@管理人 [関東]
あっ!感想が!! 嬉しいっ!!

>「仁杯」での各人物の思考対比の手法

そこに着目して下さいましたか!
昔読んだ小説に「同じ事柄を、複数の人々の視点から見た描写」で書いたものがありまして、それがなかなか面白かったので真似してみました。

>劉備による「周瑜像」は衝撃的以上のものがあったんだなと

昔、「仁杯」がモーニングに連載された時に「劉備の "周瑜の身になって呉を振り返る" なんて発言を、受け入れる呉の家臣に対してカチンとくる」というような書き込みがあったんですよね。
その時に「こんな理由からじゃないのかな。」と考えたことを、今回の小説に取り入れてみました。

さて、TORAさん、【56】さん、続編のご要望有難うございます。「選択」「軍略」「使者」の3編をUPしました。
孫権・周瑜の「湖畔での回想と会話」が繰り広げられます。お楽しみ下さいませ。

No.11133 - 2004/08/16(Mon) 22:44:06

Re: 蒼天航路ノベライズ / DAI [関東]
泣いちゃった。
No.11135 - 2004/08/17(Tue) 03:48:59

Re: 蒼天航路ノベライズ / 英英 [北海道]
こんばんは。
ノベライズ読ませていただきました! 赤壁前夜〜美周郎を思い返しながら、最初に読んだ時の心境を思い出しながら。脳内でしっかり映像化されてます。TATSUさんは絵だけじゃなく文章もお上手なんですね。他のコンテンツを拝見した時も思ってましたが。今回改めて『蒼天考』万歳です。
ドキドキしながら一気に読みまして、『使者』のページで続きをクリックできなかった時は思わず、「しまったぁぁ〜!明日にすれば良かった…」と。
こんな時間に胸が高まってどうしましょう〜公瑾殿って感じです(涙)。
もう、続きが気になって…!
upまであと18時間くらいですか。。。

ドキドキしながら読んだと先に書きましたが、劉備が出てくるところではあちこち笑わせていただきました。(とりわけ『こんな皺だらけの老人の、長い頭を見ながら酒を飲まねばならんのか。新郎は悲しくなった。』…思わず新郎に同情(?)しました。唯一あの会合を祝宴と思いこんでた新郎の気持ちが伝わってきます)

それにしても、周瑜……痛々しいという表現ではどこか足りない、彼はカッコイイ。周瑜に思いを馳せると心は芳醇な酒に酔ってしまうみたいです。

周瑜の死に様を、初めて心穏やかに受け入れることができたのが『蒼天航路』でした。
TATSUさんの小説を通してさらに深くかみしめることができました。
後日また感想を書き込ませていただきます。

No.11136 - 2004/08/17(Tue) 04:28:25

Re: 蒼天航路ノベライズ / 趙繍 [九州]
蒼天のなかで一番わかりにくい赤壁がわかりやすくていいです。僕は劉備が好きですね。いままでの三国志の劉備とは違う劉備、最高です。

孫権も、今は英君ですが、晩年はボケ爺になってしまうんですね。やはり周ユは早く死にすぎたんでしょうね。

No.11137 - 2004/08/17(Tue) 11:36:27

Re: 蒼天航路ノベライズ / kazz [東北]
一気に読ませていただきました。続きが待ち遠しいです。
4夜連続ってのがまた粋ですねぇ。

『使者』 っていう節タイトル。
読む前は「?」だったんですけど、“その部分”を読んで目頭が熱くなりました。

ビジネスにラグビーに絵心・文才。ん〜文武両道・知勇兼備にして芸術も解する。まさに曹操みたいですぞッ!TATSU様。

続章、また他のキャラ・場面にまつわる小説化も楽しみにしております。

No.11143 - 2004/08/17(Tue) 19:35:12

Re: 蒼天航路ノベライズ / TATSU@管理人 [関東]
感想、とっても嬉しいです。皆さんの感想が、管理人のサイト運営のパワーとなっております。

>泣いちゃった。

おっ、やっぱりDAIどん、読んでくれてますか〜!
新宿で「周瑜の小説書いてる」って言ってたのはこの事だよん。

>劉備が出てくるところではあちこち笑わせて

そう、孫呉の人たちは常に真面目なんですが、蒼天劉備ってのは愛嬌があってどこか憎めないキャラなんですよね。
そこらへんが上手く表現できてたとしたら嬉しいです。

>後日また感想を書き込ませて

それは恐縮でございます。お待ちしております。

>わかりにくい赤壁がわかりやすくて

「孔明の偽書」については特に詳しく解説しちゃいました。

>“その部分”を読んで目頭が熱く

“その部分”については、管理人も「是非書きたかった表現」の部分なんです。共感して頂いたようで嬉しいです。


さあ、4夜連続のUPも今回で最終回。艦上で、周瑜がその最期を迎えます。
「長江」「天命」をUPしました。ご覧下さいませ。

No.11144 - 2004/08/18(Wed) 00:15:07

Re: 蒼天航路ノベライズ / DAI [関東]
あれからずっと気になってました♪
毎日覗いてますよ。

>孫家にとって、1つの奇跡がそこに居た。
この下りで、まず涙が止まらなくなりました。

そして、今日。
天命に召される下りで三度涙。


蒼天では描かれ切った感のある孫家三代の物語。
でも、自分の心の中ではいつまでも色づいたままでしょう。
このノベライズと共に。

No.11145 - 2004/08/18(Wed) 00:33:35

Re: 蒼天航路ノベライズ / 如月 雪 [関東]
TASTU様、皆様こんにちわ。如月雪です。

小説を一気に拝読しました。

「青年」孫権の心の呟きがすごく気に入ってしまいました。
>謙遜の裏にある優越。謙譲の奥に秘める自我。慇懃の下に隠れる傲慢。(小説の一部分を引用させて頂きました。)
現代で、戒めなければいけない言動を、孫権(TATSUさんの小説)を通して再確認しました。

「疑惑」の‘会戦をする気がない曹操軍’という位置付けがすごく面白かったです。私の中でそういった解釈を書いた三国志の物語を読んだことがないので、違った観点から周瑜・呉軍、曹操・魏軍を見つめることができました。

以前、北方『三国志』で周瑜・最期の場面を読んだ時に、涙が出たのですが、その時の感情がTATSUさんの小説を読んでいる時にザワザワと思い出してしまいました。

TATSUさんが‘あとがき’で述べているように、『三国志演義』での周瑜(呂粛もそうですが)は、あまり良くかかれていませんよね。
『蒼天航路』に出会わなければ、呉の将軍をこんなに好きになることはなかったかもしれません。(特に甘寧。)

クロニクル・エディション・・・買うか迷っていたのですが、TATSUさんの小説を読んで買いたくなってしまいました。(笑)

文で表現する蒼天航路の世界・・・TATSUさんの小説で堪能させて頂きました。有難うございました〜♪♪♪

No.11146 - 2004/08/18(Wed) 13:17:23

Re: 蒼天航路ノベライズ / TATSU@管理人 [関東]
またまた感想ありがとうございます!

>このノベライズと共に。

嬉しい誉め言葉ありがと〜! 孫呉のことを書けば、DAIどんは、じっくり読んでくれると思ってました。 
考えてみれば、蒼天について初めて長文の投稿をしたのは、「天地人」に 『 張昭と魯粛の討論について 』 を書き込んだ時なんスよね〜。

>現代で、戒めなければいけない言動

あの3回繰り返すフレーズは、しっくりこなくて何度も書き直した "難産のフレーズ" だったんです。そこに感銘してくれて感激です。

>‘会戦をする気がない曹操軍’という位置付けがすごく面白かった

ですよね〜。でもこれは管理人のオリジナルの解釈ではなく、蒼天でも似たようなニュアンスで描かれていたと信じています。

>文で表現する蒼天航路の世界・・・TATSUさんの小説で堪能

して下さいましたか〜!とっても嬉しいです!!
でも、今回の小説を書いて思いましたが、文章を創るほうが、イラスト描くよりも、かなり根気が必要でした。

No.11158 - 2004/08/22(Sun) 22:35:04

Re: 蒼天航路ノベライズ / 槍ですら [甲信越]
いやいや深い考察と妄想具合、管理人さんの蒼天愛を感じました。
園田三国志の周喩がビジュアル的には好きなのですが(ただインパクト好き)、あれは内容ほぼゼロですから、やはり、最高の周喩像は蒼天ですね。
大好きな韓遂がちょこっと存在を匂わせているところがぐぐっときました。馬超が全面的に賛同しているように書かれていたのはちょっと意外でしたが、周喩の魅力に馬超はとろけちゃったのでしょうかね。
楽しませていただきました。

No.11165 - 2004/08/23(Mon) 15:02:31

Re: 蒼天航路ノベライズ / TATSU@管理人 [関東]
>蒼天愛を感じました

"蒼天愛" という響きが艶かしくていいですね(笑)
そうです。特にこのサイト開設してからは、蒼天航路という作品に愛情注いでます。

>賛同しているように書かれていたのはちょっと意外

おっ、そうですか。意外でしたか。と言うことは、
「錦馬超たるもの、誰の助けも借りずに叛を成し遂げる! 同盟なぞご無用!」
って感じしますか?

そんな感じもしますが、「馬超との同盟を画策していた。」のは史実ですが、「事前に書面を送って内諾を得ていた。」という部分は、管理人の妄想部分なんでご容赦を。

No.11187 - 2004/08/29(Sun) 21:03:50
人物考 / 趙繍 [九州]
久しぶりに人物考を読んでおりましたら、典韋のところの張繍が帳繍になっておりました。前に出たかもしれませんが報告しときます。
No.11177 - 2004/08/27(Fri) 14:34:50

Re: 人物考 / TATSU@管理人 [関東]
ご指摘どうもです。直しておきました。
3年近くあの状態だったと思うと、ちょっと恥かしいです。

No.11185 - 2004/08/29(Sun) 20:57:25
やっぱり神様 / 政実
 久しぶりに書き込みをさせていただきます。先日、個人的にマレーシアに行ってきました。そこでチャイナタウンに行くとそこら中に関羽の置物が置かれたり、売られたりしていました。やっぱり、関羽は神様なんだと再認識しました。
 それにしても、かつて関羽が「神」になると予言していた天公将軍・張角はすごいですね。

No.11182 - 2004/08/29(Sun) 18:08:28

Re: やっぱり神様 / 高い順好き
 初書き込みです。毎日管理人さんはじめとする皆さんの考察楽しく拝見させていただいてます。
関羽は商いの神様でしたっけ?厳格さ(?)が商人達の仕事や信用につながって。
それと私事ですがこの秋海外旅行を計画しています。どなたか三国志にまつわるおすすめスポットなど教えていただけないでしょうか?
 はじめてなのに蒼天にふれてない書き込みで今日恐縮です。

No.11183 - 2004/08/29(Sun) 19:05:55
今週の蒼天<慟哭の賛歌> / TATSU@管理人 [関東]
今週は大ゴマの連続でしたね。でも、その大ゴマにより『 夏侯淵を失った事に対する曹操軍の衝撃 』と、『 曹操VS劉備の直接対決勃発!』という二大効果が十分に発揮されてました。

年内終結宣言により、残り回数も少なくなり、ストーリーの流れが速くなってしまうのか!?と懸念していたのですが、今週を読む限りにおいて、そうでもなさそうでした。
別スレでも書きましたが、残回数に急かされることなく、“劉備との最後の決戦” “魏諷の乱” “荊州攻防戦”等々がじっくり描かれることを希求致します。

No.11159 - 2004/08/22(Sun) 22:38:54

今週の蒼天<慟哭の賛歌> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

建安24年 春正月。中華の大地を伝令が駆け抜けた。
益州・下弁に、荊州・宛城に、揚州・居巣に、訃報が齎(もたら)された。

−夏侯淵・戦死−

曹洪が、曹仁が、そして夏侯惇が驚愕した。

          ***************

雍州・長安。
許猪が、曹操を背後から抑え込んでいた。
突き出そうとする曹操の両腕は怒りに震え、その目は激情を秘め、冷たく輝いていた。
使者は、恐る恐る書状を差し出した。
それは、夏侯淵の亡骸(なきがら)に添えられていた書状であった。
書状を手にする曹操。そこには劉備の言伝(ことずて)が記されていた。

−ここに、漢中の王の、遺骸を返還する。−

その文言に、夏侯淵がいかに戦い、いかに死んでいったか、曹操にはありありと理解できた。
曹操は天を仰ぐと、拳を突き出し、拱手した。

          ***************

曹洪が、曹仁が、夏侯淵が、咆哮していた。
その慟哭は、大地を震わせ、天を覆った。

建業では、孫権が訝しそうに振り向いた。
礁では、神亀が、思わず池から顔を出した。
江陵では、関羽が遥か西方の山並を凝視していた。

慟哭が地鳴りとなって、大地を震撼させていた。

          ***************

定軍山では、劉備が独り佇んでいた。

−旗揚げ以来、ずっと一緒に戦火をくぐり、
  一方面の戦を任せちまえる、兄弟同然の将軍。−

劉備は、曹操と夏侯淵の関係について、思いを巡らせていた。

−おいらの身内で言えば...−

そこまで考え、劉備は思考を打ち消すように、首を左右に強く振った。

その時、劉備は地面から何かを感じ取った。
漢中の大地が震えていた。それは、曹操の慟哭であり、曹操軍の咆哮であることが、劉備には分かった。

−曹操! 遂に倒頭(とうとう)来たんだな。−

劉備は北方の山々を睨んだ。

−けりをつけに来たんだな。−

渓谷を進む曹操軍。
その先頭には、悲憤を胸に深く秘め、高らかに謳う曹操の姿があった。



【REVEW】

●広大な大地を騎馬が駆け抜け、曹操軍の将がいる各拠点に次々に走り込む、というオープニングは良かったです。
曹仁の居た宛城は、櫓(やぐら)が燃え、城内では紐で縛られた敵兵が多数いました。
先頭にいた降将は、法正が「竹馬の友よ!」と言っていた。侯音でしょうね。「半年以上ふんばれるかどうか。」って劉備が言ってましたが、曹仁が阻止した模様です。


●夏侯淵戦死の報を聞いた三将の描写は凄かったですねー。
夏侯惇の眼帯がブチ切れてました。最近、こういう“ド派手なアップ”の描写は少なくなってましたから、新鮮でした。 昔の蒼天を彷彿させてくれました。
しかし侯音は、たまたま処刑する時に訃報が届いたのでしょうか?それとも曹仁が怒りにまかせて処刑しちゃったんでしょうか?
...後者のような気がします。

長安の曹操のアップも印象的でした。あの冷たく光る目は、凄まじいまでの怒りを抑制しているように感じました。
許猪が曹操を必死に抑え込んでましたが、曹操はどんな行動をとろうとしてたんでしょうか? 使者を斬り捨てるって事はないでしょうから、怒りに駆られて漢中を単騎で飛び出ていくとか? それとも許猪は、夏侯淵の死を聞いた曹操が、何かとんでもない行動をとりそうな気配を感じて、思わずあの行動に出たのかもしれません。

●夏侯淵の遺骸は、船に乗せられ、曹操軍に返還されました。そして夏侯淵の手には書状が握らされ、その書状には劉備のメッセージが記されていました。

−ここに、漢中の王の遺骸を返還する。−

寄ってたかって斬り付けられたような夏侯淵の殺され方でしたが、この 『 丁重な遺骸返還と劉備のメッセージ 』 で救われたような気がしました。
“てめえの将は討ち取ったが、見事な死に様だったぜ。”
“こいつは、王として、おいらに対峙していた。”
劉備は、曹操に、そう告げたかったのかもしれません。

敵将を討ち取った場合、諸葛亮の献策に従い『 首級を掲げ、本陣を総攻撃』するのが戦の常套手段なのかもしれません。それのほうが劉備軍の気勢は上がったのかもしれません。
でも、劉備はそれをしませんでした。劉備に“侠”の心があったからでしょうか? それだけ、夏侯淵の死に様が見事からだったからでしょうか? 更に、なぜ “こいつは、漢中の王だったぜ” などというメッセージを、わざわざ遺骸と共に曹操に送ったのでしょうか?
管理人なりの感想があるのですが、それは後述します。

●劉備のメッセージ。
短文ではありましたが、そのメッセージを読んだだけで、曹操には、夏侯淵がいかに戦い、いかに死んでいったが、その光景がありありと感じ取れたようです。
味方の伝令から、夏侯淵の死を 『 定軍山で劉備と単馬会語し、劉備に蜀の在り方を提言した。それを拒否された夏侯淵は、一旦本陣に引き上げようとしたが、隧道を通って現れた黄忠に襲撃され...』などと詳細に報告を受けるよりも、敵である劉備のこの短文の書状のほうが、曹操にとってより状況を理解できるものだったのではないでしょうか?
万の言葉より、宿敵である劉備の一言のほうが、夏侯淵の戦いを的確に示していたような気がします。

夏侯淵の名を呼び、天に拱手する曹操。
覇王はまた一人、股肱の臣を失いました。

●曹洪・曹仁・夏侯惇が咆哮していました。夏侯惇は夏侯淵の名を叫んでましたね。
思えばこの長きに亘る物語に登場しているキャラクターの内、第1巻から登場しているのが、許猪と四天王なんですよね。特に四天王は、血の繋がりもある曹操軍・旗本軍団。結束力が違うのかもしれません。
故にその慟哭は、天を覆い、大地を震撼させる程のものでした。

定軍山と言えば、従来の三国志は、黄忠の活躍がクローズアップされてました。が、考えて見れば「魏王国が方面司令官を失った戦い」でもあるんですよね。そこらへんの視点に立って描く蒼天航路。ネオ三国志の名に恥じない面白さです。

●定軍山の本陣前。おそらく夏侯淵が戦死したあたりの斜面と思われますが、劉備が独り佇んでました。そこには戦勝に浮かれる気分は漂っていません。

劉備は考えます。夏侯淵は曹操にとって、旗揚げ以来、ずっと一緒に戦火をくぐり、一方面の戦を任せる程の、兄弟同然の将軍であった、と。そして劉備は独白します。

−おいらの身内で言えば...−

ここで劉備は震え、“考えたくない”とでもいうように首を左右に振ります。つまりそれは“想像するだに身の毛もよだつ”事態なのではないでしょうか?
そうです。劉備にも、『 旗揚げ以来、ずっと一緒に戦火をくぐり、一方面の戦を任せる程の、兄弟同然の将軍 』が一人いるんですよね。その将軍をもし自分が失ったとしたら...。
それは、劉備にとって戦慄するような事態であり、逆に言えば、曹操が夏侯淵の死にどんな思いをするか、それが一番理解できるのは、劉備なのではないでしょうか? いや、股肱の臣を失う気持ちを理解できるのは、劉備だけなのかもしれません。

だからこそ、劉備は、夏侯淵の死骸を丁寧に返還し、“この男は漢中の王であった。”というメッセージまで添えたのではないでしょうか? 

立派な臣であった。見事な死に様であった。“旗揚げ以来の将”の名に恥じない男であった。と、曹操に伝えない訳にはいかない。つまり、劉備にはそうせずにはおれない何かがあったと思います。 自分が『 兄弟同然の将軍 』を失った時の気持ちと考え合わせて...。

そして劉備は、曹操がどんな気持ちで漢中に進軍してくるか、痛いほど感じ取れたのだと思います。

−ああ、はっきり感じ取れるぜ。
  これは、おめえの慟哭か!?−


●大地を震撼させ、曹操軍が漢中に現れます。渓谷を進む曹操軍の先頭には、曹操その人が馬を進めています。
その曹操は馬上で高らかに詩を謳っています。 笑みさえ浮かべて...。
曹操は、非情の人であり、股肱の臣を失ってもすぐに立ち直れる男なのでしょうか?

管理人は、否、と答えます。曹操は、余人には窺い知れないほどの悲しみや怒りを胸の奥に秘め、劉備との長きに亘る戦いに、けりをつけに来たのだと思います。

曹操の口ずさむ詩。 覇王の口から流れる歌。
それは“慟哭の賛歌”なのですから。

No.11160 - 2004/08/22(Sun) 22:58:52

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / つね [関東]
 予想もしなかった訃報。魏王国が受けた衝撃がよく分かる回でした。

1.魏王と「三」天王の慟哭
2.曹操到来

 益州、荊州、揚州、「三」天王はきれいに魏王国の最前線に分散してますね。四天王と魏王が最後に一同に会したのはいつだったんだろう? 赤壁直前の南征期だとすると10年間は5人で会ったことがなかったということになりますね。そして今後、一緒になることは絶対にない・・・ 前回の夏侯淵の最期の想いは5人全員が共有していたんでしょうねえ、とあらためて思いました。

 それにしてもラストシーンの曹操は楽しそうでした。私も管理人さん同様、「曹操は非情の人なので股肱の臣の死から立ち直った」という解釈はとりませんが、夏侯淵の死は悼みつつも、夏侯淵を破るほどにまで成長した劉備との決着を楽しみにしている面はあるのではないかと思います。

 卞夫人はさすがに連れてこなかったようですね。長安で夫の帰りを待っているのでしょうが。
 ところで、そろそろ曹操の身体に異変が現れてきても不思議ではないころですよね。それに気付いたから今回の遠征に付いて来たがったとか。単なる思い過ごしでしょうけど。

No.11161 - 2004/08/22(Sun) 23:38:27

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / なるみ
>曹操は、余人には窺い知れないほどの悲しみや怒りを胸の奥に秘め、劉備との長きに亘る戦いに、けりをつけに来たのだと思います。

>曹操の口ずさむ詩。 覇王の口から流れる歌。
>それは“慟哭の賛歌”なのですから。

最後のページ、曹操が進軍しながら歌っている事の意味がよく分からなかったのですが、これでなんとなく分かったような気がします。
あの笑顔(?)の裏に、激しい感情を隠していたのですね。
次号、漢中。いったいどのような展開を見せてくれるのでしょうか。

No.11162 - 2004/08/22(Sun) 23:44:51

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / アベール
殺伐さの中に雄大さと力強さがあり完璧でした。
No.11163 - 2004/08/23(Mon) 12:21:13

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 槍ですら [甲信越]
前回の夏侯淵のやられ方は悲惨でしたが、今回の追悼の仕方はド派手でしたね。蒼天らしい見せ方でよかったと思います。
魏風の暗躍くらいくっつけてこられると踏んでたのですが、まるまる夏侯淵追悼でしたね。(惜しいかな夏侯淵)
このペースで年内終了のためには関羽エピソードが短くなりそうですね。
夏侯淵を失った後での魏国の挽回は、郭淮の見事な西方面での活躍だと思います。
次週は郭淮と曹操の掛け合いを期待したいところです。
ところで楊徳祖の出番はあるのでしょうか?
いままでまったく出てないので出そうにも出せないような。
出てもすごいヘタレ扱いされそうですし。
ややファンの自分としてはこのままでない方向のほうがいいかもしれませんが、ビジュアルが気になりもします。

No.11164 - 2004/08/23(Mon) 14:32:30

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / Homicide
淵の死の後は、年内終結のため、先を急いで、追悼シーンは無し、
もしくは手短かにされるのかなあ?と思ってただけに、今回の話
を描いてもらえたのは嬉しかったです。

片目の無い淳、片腕の無い洪、毛髪の無い仁…。三天皇のド派手
な慟哭と対照的に、悲しみを慟哭で表さない曹操、その対比表現
が素晴らしかったです。

今、思うと、曹洪だけ、キャラ設定がつい最近になって為された
わけだけど、この慟哭シーンで三天皇をビシッと揃えるために、
わざわざキャラ設定がされたのかなあ?という感じです。

No.11166 - 2004/08/23(Mon) 15:02:46

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 藤天君 [関東]
曹操、そして残る四天王たちの慟哭がこだまする今週の「蒼天」。
彼らの受けた衝撃、悲痛な叫びが凄まじい迫力で描写されていましたね。
彼らの若かりし時をつい先日「蒼天航路クロニクル」で読み直しただけに、尚更胸に来るものがありました。
もうこの世であの5人が揃うことはないんだなぁと・・・


>定軍山と言えば、従来の三国志は、黄忠の活躍がクローズアップされてました。が、考えて見れば「魏王国が方面司令官を失った戦い」でもあるんですよね。

これはまさにTATSUさんの仰るとおりだと思いました!
そしてこの事を考えると・・・このような「方面司令官」を失うのは実は魏国だけではなく、しかも今後の歴史にとって、まさに天下を揺るがすほどのターニングポイントになるんじゃないかと。

旗揚げ以来ずっといっしょに戦火をくぐり、一方面の戦を完全に任せちまえる兄弟同然の将軍、劉備にとっては今週ちょっと姿をみせたあの方ですよね。
そして劉備は今後その関羽を失い、最終的には荊州をも失ってしまうわけですが、それは今回の夏候淵の死と今後の漢中からの撤退に非常に良く似ていると思うのです。
つまり『魏、蜀とも兄弟同然だった方面司令官を失ったことで、重要な前線の基盤を失い、それが結局三国鼎立を確定させてしまった』んじゃないかと。
そう考えると今まであまり注目しなかった夏候淵の死が、実は関羽の死と同等の重みをもって見えてきたんですね。

後、さらに付け加えるなら、あの周喩の死も同じだと思います。
彼の場合は曹仁の矢傷による病死ですが、孫権にとってはある意味兄弟同然の司令官ですし、彼の死によって益州の奪取がかなわなかったこともまた三国鼎立を加速させる原因になったんじゃないかと。
魏、呉、蜀とも兄弟同然の司令官を無くして勢力減退に至る・・・こうして考えるとまさに因果はめぐるって感じがします。(呉の場合はちょっと違いますが)

No.11167 - 2004/08/23(Mon) 16:33:02

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 鳳 [近畿]
はじめまして。「鳳」です。
蒼天航路及び蒼天考を毎週楽しませて頂いてます。
今まで、投稿しよう、しよう、と思いつつ、皆さんの詳しいレビューに水を差すのでは、と思って控えていたのですが、今回の蒼天にあまりにも感動したので、初めての書きこみをさせて頂きます。

曹操、夏候惇、曹洪、曹仁、の夏侯淵戦死に対する衝撃の描写も凄かったですが、ラスト2ページの劉備の台詞
「曹操!遂に倒頭(とうとう)来たんだな。」
「けりをつけに来たんだな。」
は魂を震わされました。

壮大なラストへ向かって、楽しみと寂しさが交錯します。
管理人TATSU様もお仕事お忙しいとは思いますが、毎週のレビューを楽しみにしておりますので、頑張ってください!

No.11168 - 2004/08/23(Mon) 19:41:57

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 我流軍師 [東海]
お疲れ様です。

〜曹操の口ずさむ詩。 覇王の口から流れる歌。
 それは“慟哭の賛歌”なのですから。〜

中華の大地を揺るがす蒼天曹操の慟哭。圧巻なんですよね、彼のスケール・でかさというか。
「リア王」なんかだと怒り狂う王の格のでかさを表現したシーンで、大嵐の荒野を突き進む、
というのがあるんですが余裕で超えてます。

圧巻の曹操を受けて起つ劉備。
彼らってどうゆう関係なんでしょうか?
宿敵同士・劉備にとっては自分とは相容れない天下を戴く覇王、
       曹操にとっては新しい天下を切り拓いた王の片割れ・パイオニア
といった感じでしょうか。
特に、曹操の立場から見た存在が大切な気がして、彼が語る「王」の中に
劉備は果たして入っているのか?が気に掛かるんですね。
曹操は「王」となるべき人間は自分の庇護の元の人間に限るとは言い切ってないし、
独自性のある・独立できる人間を「王」と認め、かつ望んでいる節がある。

郭嘉・夏候淵の昇華のシーンはそうなんじゃないかと思うんですが、
● 柳城 鳥丸討伐後のシーン
郭嘉 「もうひとつの曹操軍とでも呼ぶべき 神出鬼没の遊軍
    殿が思うより先にその意志を実行する」
曹操 「俺から独立して国を創る気か?」
    「郭嘉、それは政だ」
その後の見舞いシーンで飛び出す「郭嘉の国」「国の主」「王」という言葉

● ロ江郡カン城 雷緒討伐
曹操 「兵法で終わるのは 一介の将軍だ」
     「司令官に求めるものは 敵を人として 戦を政として
    どれだけ興味を持てるかによる」 
夏候淵 激白  
   (・・いかに戦の主となるか
    今 問われているのは 俺の本性か!?)
   「自らが王たる意志なくば 歩めぬ道」
   「将帥・夏候淵は自立する!」
淵に至っては自ら突き放しているんですね。

で、郭嘉・夏候淵共に共通して言えるのは、「政」に対する突っ込んだ問い掛けが出てくるとこで、一介の君主・家臣の分を超えた対話でもある。
つまり、曹操は、君主・家臣という上下関係へのこだわりはなく、
もしかしたらそれは対等の扱いなのかも知れない。
そこでライバル劉備はどうなんだと・・。

宿敵・劉備や孫権は「王」として認めるか?
というのが大きな意味を持ってくるんじゃないかと、そう思いました。

先週は、「王」=「人間的な力のある人」という見解だったんですが、
             +
          「人を統べるリーダーとしての力」が有るんではないかと思いました。

No.11169 - 2004/08/23(Mon) 23:25:22

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / kazz [東北]
TATSU様、お疲れ様です。

>ストーリーの流れが速くなってしまうのか!?と懸念していたのですが

ですよねぇ。コレ自分もでした。
でも今回の「夏候淵追悼に一話まるごと」っていう流れでちょっとだけ安心しました。

天下を響動(どよ)もす戦死の報。
永い間苦楽を共にしてきた惇たちの叫び、劉備による関羽を示唆する独白。
それらによって今後の漢中戦が政や私怨すらも超えた、一種運命めいた不思議な熱をおびた領域に踏み込んでいくように感じられました。

>遂に倒頭

まさにッ!

No.11170 - 2004/08/24(Tue) 03:17:25

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 子孝
今週、中華全土が淵を追悼してる感じでした。ただ今度の蒼天がどこから始まるのか分かりませんね。普通にいけば漢中戦でしょうが。ただこの後の漢中戦は曹操と劉備の直接対決ですが、正史だと実はあまり大した戦いではないようです。
蒼天では曹操と劉備が王について戦場で論戦を展開するかも知れませんが、戦い自体はあっさり終わるような気も少しします。しかし、年内完結と言ってるのでゴンタ先生がどれだけ荊州戦を描くつもりなのか気になります。昨日発売された32巻の裏表紙の関羽を見た限り、関羽の死は描くと思うのですが。私としては曹仁が淵に続く司令官として戦うハン城攻防戦と呂蒙の江陵奪取はぜひ描いてもらいたいです。

No.11171 - 2004/08/24(Tue) 16:22:45

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 文月 [近畿]
夏侯淵の死に接して、遺された四天王残り3人と曹操の、悲しみと憤りがひしひしと伝わってきました。
しかし、見開きのページの曹仁殿はちょっと顔が怖かった…(←禁句)

劉備殿は前回の言葉通り、淵殿の遺骸を返してくれましたね。
この心遣いが本当に嬉しかったです。
改めて見ると、淵殿の死に顔はなんて安らかなんだろう…。

でもその劉備殿も、この数ヶ月後に「一方面の戦をまかせちまえる兄弟同然の将軍」を亡くしてしまうんですよね。ああ、なんと切ない…。

No.11172 - 2004/08/24(Tue) 17:04:15

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 陳孫 [関東]
だいぶ遅れて書き込ませていただきます。

三天王の慟哭・・・
あの中では、曹洪が一番無念だったのではないでしょうか?
夏侯淵を救援するために出征したのに、援けられませんでしたから。
無論、それは曹洪の責任ではなかったでしょうが・・・、他人が赦しても、おそらく曹洪自身が自分を赦さないと思います。

No.11180 - 2004/08/28(Sat) 15:13:12

Re: 今週の蒼天<慟哭の賛歌> / 英英 [北海道]
1コマだけど魔人様を久々に拝めてよかった。惇兄と一緒だったのね。
今回もっとも胸がザワザワしたのは劉備の独白。

>旗揚げ以来、ずっと一緒に戦火をくぐり、一方面の戦を任せちまえる、兄弟同然の将軍。おいらの身内で言えば…

関さん…っ!(><)
思わず私も劉備のように首を振ってました。(心の中で)
曹操と夏侯淵の関係を劉備と関羽の関係に比して描かれてるのがとても新鮮でした。劉備が夏侯淵を「漢中の王」と言う場面で、演義の曹操が王侯の礼をもって関羽を弔ったことを思い出しました。(横光三国志では関羽に「荊王」の位まで贈っちゃってます)

>定軍山と言えば、従来の三国志は、黄忠の活躍がクローズアップされてました。が、考えて見れば「魏王国が方面司令官を失った戦い」でもあるんですよね。そこらへんの視点に立って描く蒼天航路。ネオ三国志の名に恥じない面白さです。

同感です。
蒼天を読むまで、夏侯淵の死は一将軍の戦死と感じてました。(^^;
その視点を変えてくれたのが、三天王の咆哮よりむしろ蒼天劉備の丁重な遺骸返還とメッセージと独白だったので。。。劉備の視点から定軍山の戦いを眺めても、こんな風に感じられるんだな〜と興味深い。

笑みさえ浮かべて高らかに歌い行軍する曹操が怖いです。
曹操の怒を恐れず、その笑を恐れる…(って言われてたような…)

>曹操!遂に倒頭(とうとう)来たんだな。けりをつけに来たんだな

劉備どんが漢中に進軍する時、かならず曹操を引きずり出してやる!引きずり出したら二度と帰しちゃやらねえ!と独白してましたが、ついについにこの時が来たーって感じです。
漢中戦は、劉備にとっては曹操軍に初めて快勝した戦いですよね。
天下をめぐる30数年来のお付き合いに、まさに「けりをつける」ときが来たんだなあと心の中も盛り上がってきました。

No.11181 - 2004/08/29(Sun) 14:35:02
キリイラ完成 / TATSU@管理人 [関東]
ネイサン・コーネルさん、お待たせしました〜。
1ケ月半もかかってしまいましたが、リクエストの「呂蒙」、完成しました。
TOPと「描画考」に置いておきましたので、「画像を保存」でお持ち帰り下さい。

リクエストはあと3人お待ち頂いてますが、なにぶん、突然、小説を書きあげたくなったりする気紛れな性格ゆえ、気長に待っていて下さいませ。

No.11128 - 2004/08/16(Mon) 00:05:48

Re: キリイラ完成 / ネイサン・コーネル
おお〜ありがとうございます!
すばらしい・・・ぐっとくる呂蒙ですね!
今後沢山活躍してくれるか(出番が多いか?)微妙ですが、
このキリイラを見ながら、蒼天最終章、楽しんでいきたいと思います。

はあ・・・でも最終章か・・・

あ、管理人様の小説読ませていただいております。
なかなか時間がないので、読み終えたときにでも、
僭越ながら感想書かせていただきます。

では今後もよろしくお願いします〜

No.11134 - 2004/08/16(Mon) 23:39:15

Re: キリイラ完成 / kazz [東北]
キリイラUPに祝辞を。

喪色の夏候淵、粋な御計らいでした。
それに続いての孫呉の新司令官!
相変わらずヨロイが細かく描き込まれてて、流石TATSU様です。
あの襟の飾り、個人的に動物の牙とか爪、そういった骨をあしらったモノのように解釈していたんですが、今回のキリイラでイメージ通りの黄白色だったもので嬉しくなってしまいました。
もしかしたらTATSU様も同様のイメージを持ってたのかなぁ・・・って。

No.11142 - 2004/08/17(Tue) 19:23:56

Re: キリイラ完成 / 英英 [北海道]
阿蒙司令官…あいや、頼れる孫呉の司令官殿!
小説の方で登場したばかりで「あやや」の口癖が懐かしくてしょーがありませんが、トップの彼はかっこいいですねえ。
本編でもそろそろご活躍でしょうし、旬だと思います。
あ、なんか、蜀魏が漢中をめぐって争ってる今、対関羽を念頭に荊州奪取の策を練っている呂蒙の姿のようにも見えてきました。
がんばってるなあ。。
蒼天呂蒙は大好き♪なんですが、関さんには代えられないので辛いですー(><)

こんなに成長した呂蒙を見たら周瑜は感涙でしょう。
周瑜が亡くなった時の呂蒙はすでに才の片鱗を見せていたけれど荒削りだった。孫呉は周瑜を失って軍事力が低下したため戦線を縮小する必要があり(…でしょうか)、魯粛は江陵から撤退した(荊州を貸した)。そして呂蒙が司令官として成長した今、いよいよ南郡・江陵の再獲得を狙っている、今の孫呉の軍事力は赤壁の頃のように充実してるから。
孫家の覇はちゃんとつながっているよ、公瑾殿!

…などとトップの呂蒙&小説から考えました。

No.11155 - 2004/08/22(Sun) 02:52:34

Re: キリイラ完成 / TATSU@管理人 [関東]
感想ありがとうございます!

>ぐっとくる呂蒙

気に入って頂いたみたいで何よりです。管理人的にも今回のイラストは気に入ってます。特にポーズが(笑)
あと、小説の感想も頂けるようで嬉しいです。

>骨をあしらったモノのように解釈

管理人もそう思ってました。なんせ西暦200年ぐらいの話しです。翡翠とかだったら変ですもんね。

>孫家の覇はちゃんとつながっているよ、公瑾殿!

小説と絡めて解釈してくれるなんて嬉しいです!
じゃ、手にしている文書はやはり「左伝」でしょうかね。

No.11157 - 2004/08/22(Sun) 22:31:01
疑問 / メテオ
かつて、曹操は文醜に「おまえには心の闇がない」と言っていた。
多くの能臣をはじめ樂進の場合も然り、淵の死においても我を忘れ拱手を繰り返す。
心に闇がある曹操だけは、たとえ親類の死であっても、それを戦場の当然として受け止めるものだと思っていた。心の闇は冷酷ということではなく、深遠さを表すものである。
ゴンタさんのネタ切れか?何かあると、その激しい感情を拱手で表すのはどうかと・・・。

No.11150 - 2004/08/20(Fri) 07:25:20

Re: 疑問 / 我流軍師 [東海]
メテオさん、はじめまして!

「心の闇」というのは、官渡決戦のあたりで急に蒼天の中に
入り込んできた言葉ではないと思うんです。
というか、すでに第一巻第一話で似たような深いテーマが蒼天の「掴み」になってますし、
第一話最後のシーンに、

「人間を大きくするのは 
 好奇心と賢さと 
 一塊の覇気である。

 そして まず
 人間の魂をとらえるのは
 光ではなく
 深い闇であった」

これって官渡で語られる「心の闇」の事だと思うんです。
曹操には確かに強大なダークサイド「心の闇」がある、
しかし、曹操を大きくしたのは、言わばプラスのパワー「光」の方というか・・。
好奇心・賢さ・覇気、「人間に興味を示した」なんていうのも、
彼の前向きさですよね。

蒼天がファイナルステージに向かう中、孔明を持ち出すのって
どうかとは思うんですが、彼ってマイナス面だけで大きくなってしまった
キャラだと思うんですね。少なくとも変身前は・・。

まあつまり、自分的には、そこのご指摘のシーンには全く違和感は無かったですね。

No.11151 - 2004/08/20(Fri) 21:32:22

Re: 疑問 / 無名都市 [関東]
能臣の死を戦場の当然として割り切れるのは心に闇がない袁紹
深遠な人間性があるからこそ、曹操は才ある人の死を激しく悼む。

通りすがりの言葉を吐き捨て諸兄、失礼

No.11152 - 2004/08/21(Sat) 13:43:36

Re: 疑問 / メテオ
無名都市さんへ>

言葉が上手く伝わってないようですが、割り切るとはいってません。 悼んで当然。私が疑問にしてるのはその表現の仕方。そもそも論点がズレてます。

我流軍師さんへ>

はじめまして。レスありがとうございます。
すごい洞察ですね。括目させられた感じです。
私のように感じられた方もいるのではないかな?と思い書き込みましたが、ゴンタ先生を批判してるようにとられてるのかもしれません。

No.11153 - 2004/08/21(Sat) 21:33:30

Re: 疑問 / 我流軍師 [東海]
いや、っていうか無名都市さんの考え方も面白いと思いますよ〜。

「心の闇」とか赤壁の変身前の孔明とかって蒼天の中でも
特に分かりにくい所で、過去レスとかもちょっと見てみたり
したんですけど、まとまった答えって出てないみたいです。

まあ、自分の考察って大口というか、あんま当てになりませんよw

「心の闇」=深遠な人間性というのも面白い気が・・。

再度、孔明(どうだろう・・)で、
彼って曹操の死に目に立ち会っているんですね。
赤壁の遭遇戦で、瀕死だったけれども、死の淵の曹操と共鳴、
突っ込んだ所で対話した孔明って重要キャラだと思うんです。

赤壁が「心の闇」の死、という感じならば、
フィナーレは「光」かなと・・。
夏候淵を見てそう思ったんですね。

No.11154 - 2004/08/22(Sun) 01:43:29
今週の蒼天<もう1つの魏国> / TATSU@管理人 [関東]
良かったです。今週の蒼天。ちょっと涙腺が緩みそうになりました。 やはり蒼天は、"登場人物の死に様"を描くのが、実に巧みです。管理人は何度も読み返してしまいました。
何度も書いてますが、嘗て歴史上の人物を、ここまで魅力的に描いた漫画があったでしょうか!?

では、「今週の蒼天」開始させて頂きます。週ごとに、感動したり 疑問を抱いたり、起伏の激しいレビューになって申し訳ありません。

(ちなみに、今週のモーニング折込ページの「ついに年内完結へ!」については、別スレにて感想を述べさせて頂いてます。そちらのほうにもご意見頂ければ幸いです。)

No.11086 - 2004/08/08(Sun) 21:11:35

今週の蒼天<もう1つの魏国> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

−この一振りで、劉備の天を穿つ!−
全身に矢を浴びつつも、夏侯淵は劉備めがけ剣を振り下ろした。
劉備の目には 一瞬、剣を振り下ろす曹操の姿が映った。
唸り声をあげて、劉備は夏侯淵の剣を薙ぎ払った。剣は吹き飛び、夏侯淵は落馬した。

−退路をかなぐり捨てる奴ァ 王じゃねえ!−
劉備は独白した。 夏侯淵の国を語る言葉は、その大本(おおもと)は曹操のものに過ぎなかった。 だが、と曹操は全身から汗を噴き出し、嘆息した。

−だが、この男は、確かに届いてきやがった!!−
そこには、劉備に手を差し延べ、倒れる夏侯淵の姿があった。

          ***************

劉備の背後から、“夏侯淵の首級をかかげ、本陣を総攻撃” するよう諸葛亮が進言していた。その諸葛亮を振りかえり、劉備は考えた。 もし夏侯淵が射抜かれていなければ、奴の剣は自分の首に届いていたのだろうか、と。
その時、諸葛亮が声をあげた。夏侯淵が立ちあがったのである。驚く劉備。すかさず魏延が夏侯淵の背後から斬りつけた。背から大量の血を噴き出し、夏侯淵の体は反転した。

夏侯淵の目には、定軍山の本陣が映っていた。本陣に翻る「魏」の旗。夏侯淵は思わず魏国。と呟いた。
止めを刺そうと魏延が矛を振り上げた。それを制止するかのように現れた張飛が、朦朧と立ち尽くす夏侯淵に向かって語りかけていた。
「夏侯淵。言い遺してえ ことでもあんのか?」

          ***************

張飛の言葉に夏侯淵が反応することはなかった。
今、夏侯淵の目の前には、定軍山の本陣に替わり、魏国の壮大な宮殿がそびえ立っていた。

−これが、銅雀台か。−

夏侯淵はその頂きへと続く階段を見上げた。銅雀台の階上に曹操が居た。 魏王。 と、笑みを浮かべて夏侯淵は拱手した。
阿瞞が居た。その廻りを取り囲むように、若き夏侯惇・曹洪・曹仁が居た。

−その言葉を信じ、
  その志(こころざし)を信じた。−

若き日の夏侯淵が、銅雀台へと歩き始めた。

−その戦いを信じ、
  その勝利を信じ、
  勝利の果てに生み出す国を信じた。−

銅雀台の階段を昇りつつ、夏侯淵は鎧の胸に手を当てた。
−魏国! この血の中に魏国があり、曹操がいる!−

夏侯淵に応えるように、曹洪と曹仁が胸に手を打ち付けた。 夏侯淵は語りかけた。
−曹洪!曹仁! 俺たちは曹 孟徳だ!−

夏侯惇が酒筒を差し出した。
−惇兄! 約束の盃を上げよう!−
夏侯淵は右手を掲げた。その手には、盃が握られていた。
−われらの魏国に!−

魏の旗のもと、宴を行なう曹操と四天王がそこにいた。

          ***************

右手を掲げた夏侯淵に、凄まじい勢いで 刃(やいば)が振り下ろされた。
黄忠の矛であった。おびただしい鮮血が飛び散り、夏侯淵は死体となって大地に崩れおちた。

「黄忠。」
暫らくして、劉備は静かに告げた。
「やっぱり首はそのままに。 骸(むくろ)は返してやってくんねえか。」


【REVIEW】

●無数の矢を受けても即死せず、夏侯淵は最後の力を振り絞って、劉備に剣を振り下ろしました。先週の書き込みに、『曹操が呂布の一撃を、孫権が張遼の一撃を、それぞれ受けとめたように、劉備だって夏侯淵の一撃を受けとめ、天命を問う機会があるべき 』というのがありましたが、今週、両者は、激しく剣を交えました。 劉備の剣が、瀕死の夏侯淵の剣を弾き飛ばしましたが...。

●剣を振り下ろす夏侯淵が一瞬、曹操に化わりました。これは、後の夏侯淵の独白の「この血の中に魏国があり曹操がいる!(中略) 俺たちは曹孟徳だ!」に通じているのかもしれません。
そして、考察すべきは、劉備の台詞、「退路をかなぐり捨てる奴ァ王じゃねえ!国を語り、天下を語る言葉も、その大本は曹操のものに違いねえ。 だが、この男は、確かに届いてきやがった!!」です。

蛮行とも思える夏侯淵の単騎突進。そして、天下国家を論じても、その真ん中にあるのは曹操。でも、先週も書きましたが、夏侯淵にはそれなりの“勝算”があり、同時に“賭け”に出たのではないでしょうか? 漢中戦が開始される時に、夏侯淵は戦の目的を緒将に告げてました。
『 往くぞ。これは漢中を守る戦ではない。劉備を討ち獲る戦だ。 』

夏侯淵にとって、“黄忠の乱入により、敵側によって突然休戦が破られた”という状況は、劉備を討つという点において、千載一遇のチャンスだったのかもしれません。

劉備には当初、夏侯淵に対し“所詮、曹操配下の一将軍”という意識があったように思えます。しかし、夏侯淵は「曹操の配下から生まれた”王”として」、つまり「曹操と全く同等の”王”として」、劉備に天下国家を論じ、且つ、劉備に向かって剣を振り下ろしたのだと思います。

「この男は確かに届いてきやがった。」
−この男の剣は、確かに俺の天を穿つところに届いていた。−
−この男は“王”として、確かに俺の立場まで届いていた。−
そんな思いが劉備の汗と嘆息を呼んだように思えてなりません。

●朦朧と立ちあがった夏侯淵。剣も持たず、劉備に手を差し出します。 劉備の身に危険を感じた魏延が、咆哮を上げて斬りつけてましたが、その時、夏侯淵は途切れ途切れにこう呟いてました。
「乱、世に、幕を。」
立ち読みしてたら、読み飛ばしてしまいそうなこの台詞。管理人的にはジワッときてしまいました。退路をかなぐり捨て、命を賭して、単騎突入して劉備を討とうした夏侯淵。なぜ蛮行とも思える行為をとったのか? その答えがここにも現れているような気がしました。

陽平関へ向かう劉備に向かい、“狼牙の弓” を放つ夏侯淵は独白します。

−いかにこの戦を治め、いかにこの漢中を治めるか。その究意はただ劉備の首ひとつ!−
−反曹の喉頸(のどくび)を射抜き、蜀を潰して乱世に幕を降ろす!−

劉備の首級をあげること。その究極の目的は、この長く続いた乱世に、幕を降ろすこと。
つまりその行為が、天下に平和を齎(もたら)すと信じたからこそ、そしてその最終目的が崇高にして気高いものと信じるからこそ、夏侯淵は、劉備の首級を上げる絶好の機会に、己の命を賭けて突入したのではないでしょうか?

●そして、管理人の涙腺が緩みっ放しだったのは、“幻想の銅雀台”(夏侯淵はずっと征西に従事してたんで、銅雀台を知らなかったんですね。)へと進む夏侯淵の台詞でした。 以下、じっくり考察させて頂きます。

●−その言葉を信じ、その志(こころざし)を信じた。−
銅雀台の階上に座る阿瞞と若き夏侯惇・曹洪・曹仁を見上げて、夏侯淵は独白します。

曹操と四天王って旗揚げ当時からの仲間ですもんね。
李烈との決戦に際し、4人の従兄弟たちは、夜襲を仕掛けようとします。しかし阿瞞は奇襲を完全否定。舌戦を行なうべく “李烈が正面に出てくるような戦いをすべき” と提言します。唖然とする4人を前に阿瞞は笑います。
「曹操 孟徳を信じないのか?」

考えてみれば、この瞬間から何十年にもわたり、この4人は曹操の言葉を信じ、志(こころざし)を信じてきたのではないでしょうか?

●荀?ケに対して董昭が述べていました。
「ひしめく群雄の中から、まだ至弱の曹操殿を選び 終生の主君と定めたものが。私財と私兵を投げ出して駆け付け、募兵をしつつ幾百の戦場を戦い抜いてきた将が、(中略) 自らの生きた道を誇りとし、それを子々孫々に伝えたいと願うことが卑しいことでしょうか?」
“正邪定かならぬ”董昭の目的はさておき、董昭のこの台詞は、 『 自らの生きた道を誇りとし、』 という点において、四天王の気分を言い表しているような気がします。

●−その戦いを信じ、その勝利を信じ、勝利の果てに生み出す国を信じた。−

荀?ケは設立される魏国と衰退していく漢朝の狭間にあって苦悩しました。その苦悩を否定する気は全くありませんが、夏侯淵ら四天王の想いと対比して考えると興味深いです。

至弱の曹操に仕え、乱世を剣によって切り拓いてきた彼らにとって、魏国とは何でしょう? 漢を滅ぼし、曹操を天下簒奪者へと導く悪しき国家でしょうか? そう問われれば、夏侯淵ら四天王は首を横に振ると思います。
曹操の旗揚げ当時からの仲間である、武門の男たちからすれば、魏国はまさに曹操とともに創りあげた新国家。いや、「各自が曹操として」、「王たる気概をもって」建国した、新進の気風に溢れた国。と答えるのではないでしょうか?そして四天王には、魏の「建国メンバーの一員」としての、猛烈な自負があるのではないでしょうか?

●−魏国! この血の中に魏国があり、曹操がいる!−
夏侯淵は鎧の胸に手をやります。それに応えるように、曹洪も胸に手をやり、曹仁も胸に手を打ち付けます。適切な比喩とは言えませんが、これは他国の地で戦うスポーツ選手が、国旗を見上げ国歌を謳う気概に通じるところがあるような気がします。

『 曹洪、曹仁!  魏国とは、俺たちが孟徳と共に創りあげた国。いや、俺たち一人一人が曹孟徳と成って、築き上げた国だ!』
『おうよ!』
管理人は、夏侯淵と二人がそんな対話をしたような気がしました。 
−曹洪、曹仁。俺たちは曹孟徳だ!−

●夏侯惇が酒筒を掲げます。 これは以前、漢中を去る時に夏侯惇が懐から出した酒筒と同じものですね。漢中で出会った時は、「また、すれ違いだ。」と告げる夏侯淵に、夏侯惇が 「おう。盃でも交わしながら鬼将軍の話を聞きたかったんだがな。」と笑ってました。
そしてその時、空を見上げて夏侯淵が答えた台詞が、
「惇兄。盃はいつか魏公国で。」
でした。この時も夏侯淵の目に、まだ見ぬ銅雀台が映っていたのかもしれません。

●−惇兄! 約束の盃を揚げよう! われらの魏国に!−
夏侯淵は右手の盃を掲げ、笑みを浮かべます。
それが夏侯淵の最期の独白となりました。

至弱の曹操のもとに集まった4人の従兄弟たち。
曹操の言葉を信じ、曹操の志を信じ、
曹操の戦いを信じ、曹操の勝利を信じ、
勝利の果てに生み出す国を夢見た4人の男たち。

夏侯淵の最期の微笑は、5人で盃を交わす幻影を見ていただけでは無く、魏国を創り、魏国に殉じ、魏国の未来を疑っていなかったから、ではないでしょうか?

夏侯淵は死んでも、その遺志は、「魏の旗」のもと「4人の曹操」に受け継がれていった。
管理人はそう信じたいです。
合掌。

No.11088 - 2004/08/08(Sun) 21:49:22

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / ナイン [近畿]
はじめまして。
半年前からROMってたナインという者です。
新参者ながら一番乗り、失礼します。
最初に魏延が斬りつけたシーン、思わず「えっ!?止め魏延なの!?」とか思っちゃいました。
結局止めは黄忠でしたね。

しかし、今回の夏候淵の死に様、凄く良かったです。
一言一言が、凄く心に響きました。
周ユのときも、ホウ統のときも、楽進のときも…。
単行本では間違いなく毎回号泣でしょう。
銅雀台で酒盛りをする、至弱の頃から曹操に付き従ってきた三人と曹操。
そこに夏候淵が加わることはありませんでしたが、管理人様の言う通り、夏候淵の遺志は皆に受け継がれていったと信じたいです。
いや、その筈です。
彼等は皆、曹孟徳なのだから。
「王たる将」の冥福をお祈りします。

No.11089 - 2004/08/08(Sun) 22:13:43

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 仲完 [東海]
ご無沙汰です。
なんといいますか、蒼天に早とちりは禁物ですね。
とりあえず夏侯淵については管理人さんの語られる内容にさほど異存もございませんので、蜀漢サイドの話でも。

>退路をかなぐり捨てる奴ァ王じゃねえ!!
・・・かくいう劉備の人生に退路を確保してから動いたためしはないのではないでしょうか。それこそ鬼嚢団の頃からいずれ来るであろう夷陵の敗戦まで。
 ならば劉備は王でありえぬがゆえに夏候淵が届いてきたという逆説も成り立つ気がします。とりあえず現時点において、劉備はいまだ名分的にも王ではありません。
>−だが、この男は、確かに届いてきやがった!!−
ここで実も蓋もないことを書くと。
もしかすると、未だ王になりえていない劉備のもとに、王になりえていない夏候淵が届いた、ただそれだけのことなのではないのでしょうか。
こうして一つ一つ、劉備の嚢に届いてきたものを積み重ね、王に、天下人になる過程の一コマ、それだけのことではないのかとさえ思ったりします。

さて孔明ですが。自分は昔、孔明は秘密裏に趙雲の陣に一緒にいると書きましたし、登場事体は驚きませんでした。そして今週。
>「ご主君。その首級を掲げ、本陣を総攻撃せよとの号令を」
>「なにか不都合でしょうか?」
そもそも孔明にとっても「王はこの中にいる(14巻)」のではないかと考えた場合、彼にとっての王とは相対的価値ではないのかとなるような気がします。さてそこで、夏候淵がどう動き、劉備がどう対するか、そしてそれを自分がどう処するかも全て等価であり・・・つまり「我が心は秤の如し」ですね。その上においては感情の入り込む余地はないと。少なくとも「孔明は王を語る者の心の何たるかもわかっていない」なんて思っては酷に過ぎるのではないでしょうか。

>「夏侯淵。言い遺してえことでもあんのか?」
この時、張飛はすでに夏候淵の娘婿なんですよね・・・略奪婚ですが。
帰還した後、はたして妻にどう言うんでしょう。

>黄忠
表情が怖いです。
えーと、介錯という概念は中国にはないんですよね。ではなぜほっといても死ぬ夏候淵を斬ったのか。
まあ「そういう歴史だから」とかいうのは抜きにして。
これは・・・結局のところは恐怖なのかなと。魏に対する、曹操と配下の「王」たちとのつながりに対する、あるいは己と劉備のつながりに対する恐怖。
もし、あえて「介錯」だったなら流れ的にその役目は娘婿の張飛のはずだから。

No.11091 - 2004/08/09(Mon) 00:13:24

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 桜
ご無沙汰です。桜です。
夏侯淵見事な死に様でしたね。
見事な死は充実した人生の帰結でしたから彼に相応しい気がします。

>退路をかなぐり捨てる奴ァ王じゃねえ!!
そのとおりだと思います。
私は王とは何としてでも生き抜き
他人に自分の考えを信じさせるものだと思います。
昔劉備が言ったように「おいらがいるここが天下だ」
というのは真理です。
だからあの時荀イクも圧倒させられたのでしょう。
孫権の遼来来、曹操の宛城もそうでした。
彼らは見事な逃げによって王としての器を広げたのだと思います。
そう考えれば夏侯淵はきわめて有能な武将ではあっても
王ではありません。
彼が王なら劉備を無視して逃げるべきでした。

仮説ですが夏侯淵本人は王になろうとは思っていなかったのではないでしょうか?
曹操の全てを信じた彼とすれば自分が王になり同格の存在になるというのは考えられなかったのだと思います。
そうだとすると夏候淵を真の王と評価するのは
彼とすれば不本意で失礼なことなのかもしれません。
皆さんはどうお考えでしょうか?

No.11092 - 2004/08/09(Mon) 00:38:30

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / なるみ
先週の意見、ばっさり覆されました。

いいっ!今週の夏侯淵、すっごく良かったです!
彼の死に様、1話まるまるやってくれるとは!
最後の独白も、名台詞になるに違いないでしょう。

しかし、孔明はその場の空気をまったく察してない?
いや、察してるのは劉備と張飛だけ?
どうなんでしょうね。
ただ、骸はそのまま魏に返して貰えることに感謝ですね。

これで、魏側は総大将を失くしたわけですが、これから撤退に当っての
総大将はどうなるんでしょうね。
徐晃? 張コウ? それともカベンの曹洪が戻ってくるのか?
次号(19日)が楽しみです。
#盆休とはいえ、また2週間お預けです(涙)

No.11093 - 2004/08/09(Mon) 01:02:12

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / つね [関東]
夏侯淵の死に様についてはもう「論ずるに術がござらん」というところ。
感動しました。寂寥感も漂ってますが。

1.漢中攻防戦34(王への一振り)
2.漢中攻防戦35(我らが魏国)
3.漢中攻防戦36

3番目もどうも言葉が思い浮かばないのでパス。ただ黄忠のとどめは気になりますね。必要がなかったはず、というのもありますが、これまで黄忠については、ほとんど人物像が描かれなかったために「よくもこのわしを傷つけおったな。これでもくらえ!」と言ってるかのように見えてしまう。どう考えても後将軍に値する手柄とみなされるとは思えないし。

No.11094 - 2004/08/09(Mon) 01:53:54

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / ツァオツァオ [関東]
格のある死に様を見せてもらい感無量でしたが、銅雀台の阿瞞と四天王の描写はずるいっす。淵の独白一言一言とともに蒼天の歩みを思い返し、のど仏の奥が詰まって仕方ありませんでした。
王たるものに届きかけていた夏侯淵でしたが、その王というのもやはり自立した王というのではなく、曹操からののれん分け的な王であって、劉備と肩を並べるには至らなかったのではないでしょうか。
曹操の意志を代弁せんとした夏侯淵の最期、劉備には何が刻みつけられたのだろう。

No.11096 - 2004/08/09(Mon) 02:19:17

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 如月 雪 [関東]
TATSUさん、皆さんこんにちわ。如月雪です。毎日暑い日が続いておりますね〜。『蒼天』も毎回熱いですが、今週は特に目頭が熱くなってしまいました。

途中で策略を変更してしまう劉備、特命を黄忠に託す法正、弩兵を引き連れていきなり登場の孔明・・・バラバラに動いているように見えて、まとまっていたのですね、新生蜀軍。

走馬灯のように駆け巡った淵の熱き想い―魏・曹孟徳ありきの中華。

銅雀台の階段で淵を呼んでいる若かりし孟徳&惇、洪、仁。そして泥酔状態で淵を呼んでいる現在の4人。(曹操は詩を吟じているし・・・笑)2枚の写真を見ているようでした。空の上では2枚の写真は、5人になって写って下さいね。(淵の泥酔状態って想像しがたい・・・。)『蒼天』夏侯淵★妙才殿、お疲れ様でした。

No.11097 - 2004/08/09(Mon) 10:24:01

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 閻行 [関東]
夏侯淵の死はいままでの蒼天キャラで一番のドラマチックな死に際でしたね。

夏侯淵と劉備の「王」では互いの認識にかなりのずれを感じます。
劉備にとっての王は自らがすべてを掌握し、トップに立つ「帝王」「覇王」といった意味合いであるのに対し、夏侯淵が曹操より突きつけられた「王」とは「自己の意志で天下(の一部?)を経営する者」「天下(または曹操)の意志を理解し、代弁する者」のような気がします。

そして劉備における諸葛亮がある意味夏侯淵的な「王」に近いのではないでしょうか?
諸葛亮は唯一劉備の器に入っていないにもかかわらず、臣従しているという人物です。臣下とはいえ、正確には協力者といった立場と言えます。
だからこそ、劉備の意志も正面から無視して夏侯淵を殺します。
裏から手を回して策を実行しようとする法正との違いもそこにあります。

曹操は石徳林や崔琰とのやりとりの中で、自分とは協調しない人物でありながら、「貫けよ」「信念を曲げるなよ」といっています。
曹操にとっては自分の器に入ってくる人物よりも、自分の器から飛び出し、並び立つ人物をこそ求め続けているのかもしれません。

夏侯淵は死ぬ間際についに曹操の器から飛び出し、独立を果たしたのだと思います。
それにしても、夏侯淵のほかには郭嘉や荀?ケにしても曹操の配下で「王」になりうる人物はいましたが、みな死んでいきますね・・・(哀)

No.11098 - 2004/08/09(Mon) 12:05:49

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 藤天君 [関東]
こんにちは、皆様。
そして管理人様、お忙しい中の「今週の蒼天」いつもお疲れ様です。


先週はいささか不満のあり若干書き込みも乱暴になった蒼天でしたが、今週の話は本当に涙が止まりませんでした。
この時代、自分の仕える主君を命をかけて信じぬいたつわもの達は数多くいたと思いますが、淵もまたその一人であり、最後の最後まで曹孟徳という人間を信じ抜いたその姿が、私にはとても眩しく見えたんですね。
立場の違う人はその姿を「依存」とか「妄信」と揶揄することもあるかもしれませんが、少なくとも私には今回の淵の姿は非常に好ましいものでした。
呂範のようにあふれる涙を抑えられないほどに。


そして同時に今回の彼の死に様は、私に一つの問いを掘り起こしてくれました。
「王たる将」とはそもそも何だったのか?

私の意見としては、夏候淵は『王』ではなかったと思います。
それは主君=王という意味ですが。
曹操は、「上に抜け出してくる」自分と同格の『王』の出現を期待し、それを自らの家臣にも求めたのだと思いますが、『王』になったらその人はもはや曹操の下にはいられないのではないでしょうか?
合肥の劉フクをのように、何もないところから”一”を生み出す喜びを知り、自らの思うように創造的に領国を経営できる家臣。
夏候淵のように、中央の指示を仰がずとも自らの意思で政治的判断も含めた軍の指揮をとれる司令官。
ある人間を『王』と仰ぐ人間は、上記のような「王の如き思考をもつ家臣」にはなれても決して『王』にはなれないと思います。
曹操もホウトクに「主君が自分の主を必要とするか?」と言ってましたし、もし夏候淵が本当に『王』であったら魏国のために単騎突入する無茶はしなかったでしょう。
『王』は劉備が叫んだように「自分のいるところが天下だ!」と言い切れる者であり、何よりも自分の命を最優先に考えるものですから。
もし曹操家臣の中にもし『王』が生まれたとしたら、曹操自身はそれを容認しても、いずれ古の韓信、英布のように粛清されてしまうでしょうね。


しかしだからといって、私は夏候淵の生き様に曇りを落とすつもりは毛頭ありません。
彼の刃が劉備に届きかけたのは、彼が『王』であったからではなく、自らの全てをかけて曹孟徳という男と自分たちの夢でもあった魏国を信じ抜いたからこそ、その姿が曹孟徳の写し身となって劉備を戦慄せしめたのだと思っています。
その姿は今まで去っていった、若き日の曹操に仕えた張カン、孫家三代の天下をひたすら描き続けた周ユ、劉備に天下の音を聞いたホウ統など数多の将帥に一歩もひけをとらないものでした。
いや、彼と曹操とは他の四天王も含めて同じ青春を生きた仲間だったため、なおさら今回の乾杯の描写には涙を誘われたのかもしれません。
心は天下に、我が身は主君のために、乱世を駆け抜けたこの英明なる狼に心から哀悼の意を捧げたいと思います。


<追記>
なお先週不満を漏らした老将軍の扱いにも、ほぼ満足しています。
蒼天において蜀はアンチ曹操という立場が強調されているため、黄忠も若干悪役っぽく見えるなと苦笑したのですが・・・(^^;
しかしあの淵には誰かが手を下すのが当然だと思いますし、その役が史実通り黄忠だったのは良かったと思います。
やはり魏国にかける淵の夢を穿つのは、蜀に未来を見ている猛将の一人=黄忠であって欲しかったもので。
(じゃないと淵も浮かばれないかと)

No.11099 - 2004/08/09(Mon) 13:16:36

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 5050 [東北]
ご無沙汰でございます。5050です。
今週の蒼天をコンビニで立ち読みしながら真面目に泣きそうになりました。しかも後でじわじわ来ますねこの話は。では、我なりの考察を…

あの夏侯淵にのり移った(?)曹操の姿に気がついたんです。あの髭と冠は長坂の追討戦の時の曹操ですよね?で、長坂編を考察してみたんですが、あれ以前の劉備って"王の格"が無いといったら間違いですけどあまり(自分の嚢の中身とその役割にも)気づいていないというかわかってないというか。そんな感じでした。曹操に対しても自分の命を狙う恐いやつぐらいにしか思ってませんでした。でも曹操の追撃によって自分の王の格、王であるが故の嚢の中身に気付き、曹操は対等な者、そして自分と同じく天下を語る者と気付いて、その後の劉備の台詞にもそれゆえの曹操への親しみや信頼のようなモノが感じられるようになりました。…と思います。ゆえに、あの時(今もですが)の曹操と同じく天下を語り、あの時の曹操と同じ劉備討伐への執着を見せる夏侯淵にあの時の曹操の姿を見、なおかつあの時、自らの王の格に気付いた劉備自身をも見ていて、親しみのようなモノを感じていたのかもしれません。そしてそれを余す所無く自分の嚢にぶち込んだ。だからこそあの最後のページのコピー(劉備に届かず空を切った刃は、しかし同時に劉備に刻み付けた―――"王であること"という言葉。)があり、今回の劉備の台詞があるんだと思います。

そしてあの銅雀台の曹操&四天王。あれはかなり涙腺に負担をかけました…でも、25巻の雷緒討伐の夏侯淵の台詞では、「これよりこの夏侯淵のゆく道は 自らが王たる意思なくば進めぬ道 その峻厳なる道は あえて曹孟徳と我との過去を冷たく分かつ」といってました。まあこれは
その"峻厳なる道"を進む事から解放されて、一種の走馬灯を見ているということでしょうか。あと"その戦を信じ その勝利を信じ…"のコマの夏侯淵は対袁紹戦のときに兵卒にな(りき)ったときの兵卒の鎧ですかね。台詞にバッチリ合ってます。好きですゴンタ先生のそういう細かい所の描写。

そしてなんなんですかあのじーさんは…アレは恐らく甘寧言う所の"報復"でしょうか。なんか成都包囲の時はやさしい顔してたのに…黄忠って刃物持つと性格変わるキャラなんでしょうか…でもあそこまでしなくても。せめて夏侯淵に酒を飲ませてやって欲しかったです…

では、今週は二週間分、魏国の夏侯淵妙才に、合掌と黙祷。。

No.11100 - 2004/08/09(Mon) 13:21:25

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 文月 [近畿]
とうとう、”彼”が、夏侯妙才が逝ってしまいましたね…。

後半ページの、夢想の中で蒼き天の下、銅雀台で杯を交し合う旧き仲間に乾杯の杯を挙げる淵と、最後のページの淵の死に顔を見て、胸が締付けられるような思いがしました。
「やっぱり首はそのままに、骸は返してやってくんねえか。」という劉備のセリフに少し救われました。

淵将軍、今はただ、安らかにお眠りください…。

No.11101 - 2004/08/09(Mon) 16:48:59

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 陳孫 [関東]
ついに来ました・・・
夏侯淵の最期は、涙、涙でした。
漢中平定を終えた時にも書きましたが、

 「惇兄。盃はいつか魏公国で。」

魏国の重臣でありながら、魏国には一度も足を踏み入れなかった夏侯淵。
彼が見た、銅雀台と曹操・曹仁・曹洪・夏侯惇らとの酒宴は、いつか実現しようと願い続けていたものでしょう。
蒼天では、死に様は生き様を反映しています。
夏侯淵は武将として、王を目指すものとして、それに相応しい見事な最期だと思いますが・・・
苦楽を分かち合ってきた曹操・夏侯惇らには、まさに痛恨の極みでしょう。

そして今回、私が感謝(?)したいのは、劉備と張飛です。
最期に、何かを言い遺すいとまを与えた張飛。
首級をあげず、遺体をそのまま返してあげた劉備。
日本風に言えば、「武士の情け」ですが、その表現すら陳腐に思えるほどの思いやり、あるいは度量。
これも適切な表現が浮かびませんが、夏侯淵を仕留めた敵ではあるものの、感謝したいくらいでした。

No.11102 - 2004/08/09(Mon) 17:43:52

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 名無しさん@一兵卒 [九州]
はじめまして、ではないんですが、前に投稿した時のHNを忘れちゃったので、
改めてこのHNで…

他の方も言われてますが、個人的にゴンタ先生は武将の死に様を描くにあたって極力余分な色気を持たせない(漫画チックにならない?)印象があったのですが、
独白シーンといい、最後の盃掲げといい、夏侯淵の死に様は蒼天の中で戦場で討ち死んできた武将の中でもかなりドラマチックな描き方だったのでちょっと意外でした。
やっぱり蜀に比べると、たぶん魏軍は一般的にヒールのイメージが強かったと思うし、旗揚げ当初からの将の死ということで、ゴン太先生なりにそういった一方的なパブリック・イメージに一矢報いたかったんでしょうか。

少しだけ、夏侯淵を射るよう弓兵を指揮した孔明を振り返った劉備が、(孔明に向かって)怒髪天をつくんじゃないかとも思ったんですが…そうはならなかった。それもある意味“漫画チック”なんかな〜(笑)。
はやる魏延とは対照的に死に際の言葉を聞いてやる張飛と、「やっぱり首はそのままに。 骸(むくろ)は返してやってくんねえか」という劉備がらしくてなんか救われますね。

No.11103 - 2004/08/09(Mon) 17:55:02

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / kazz [東北]
先週まであれだけこだわっていた“王”というものに対する考察。
今号で見事に吹っ飛びました。吹っ飛ばされました。
もぅ、いいや。もぅ。

曹操軍旗揚げの頃からの古参で、四天王の一人。何万という兵を束ねる司令官。強くて、冷徹で、抜け目なく、疾くて、それでいて自分をわきまえてて、他民族にまで名を轟かす剛勇、鬼将軍。
しかし、その心の根っこにあるものに触れてしまった今。
“一人の人間の死”がたまらなく切なく感じられました。

No.11104 - 2004/08/09(Mon) 18:31:19

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / ろび
ろび、と申します。ご無沙汰してました。
今回の蒼天、最初コンビニで立ち読みしてたんですが、
「これが銅雀台か」でぶわーってきまして、恥ずかしいんで本を閉じて
レジに並びました。…で、購入後もパラッとめくっては
、ぶわーっ、閉じるというバカを繰り返しました。
1800年前の魏国の銅雀台、淵も自分等も観る事は
永久にないんですよね…。

No.11106 - 2004/08/09(Mon) 21:54:02

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / アベール
己の身命を顧みず、最後まで未来のために戦った夏侯淵。劉備の首には届かなかったけど心には届いたようで。見事でした。
No.11107 - 2004/08/10(Tue) 12:22:51

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / てら
こんにちは。今回の蒼天、本当に良かったですね。
泣きました。今までも蒼天人たちの死に様、そして生き様には何度となく感動させられてきましたが、今回、夏侯淵という蒼天人の死に様、生き様も忘れられないものとなりました。

何て言えばいいのか解りません・・・というか言葉にできない位心に残りました。
楽しそうに宴をする曹操と四天王、そしてそれに笑顔で手をあげる夏侯淵。
「この血の中に魏国があり、曹操がいる!」
「俺たちは曹孟徳だ!」
「約束の杯を上げよう!われらの魏国に!」
夏侯淵が死んでしまったのはとても哀しいですが、この上無く素晴らしい最期だったと思います。
淵が最期に、あの空に届いて良かったなぁ、と思います。笑顔で良かった。お疲れさんでした、夏侯淵将軍。
蒼天人の死を悲しく思いつつ、改めて蒼天航路は素晴らしい作品や〜、と思いました。

No.11111 - 2004/08/11(Wed) 14:46:13

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 櫻 [関東]
泣きました・・・。久しぶりに。

前回まだあるだろうとは言ったもののここまであるとは思いませんでした・・・。劉備がとどめかと思っていたんですがやっぱり最後は黄忠でしたか。
でも・・・でもあんな死にかけ(多分ほっといても死んじゃう)の人をそこまで寄ってたかって切り刻まないでもいいじゃないですか!!(魏ファンの独り言)
どうしてもとどめの一撃は必要であったと理解しつつも張飛に感謝。

銅雀台のシーンは本当に反則!!泣くなって方が無理です!!一番最初からずっと殿の全てを信じて信じて・・・。届きかけて・・・。

>仲完さん
>結局のところは恐怖なのかなと。

それ、私もそう思いました。魏延の一撃もそう見えて仕方ないです。
恐怖のあまり噛み付いた感じ・・・。張飛は貫禄あるなぁとか。

貫禄といえば劉備良かったです。皆さんと同じく「やっぱり首はそのままに 骸は返してやってくんねえか」に救われた質です。これが魏王とはまた違う王の貫禄ってやつなのでしょうか。
後ろの孔明の表情はなんですか??

掲げた手に血飛沫が飛ぶシーンと最後の死に顔のコマ(血塗れの頭巾と目)がどうしようもなく辛くて今現在封印中です。また開くことができるようになる日はあるか・・・?

司令官殿、どうぞ安らかに・・・拱手。。

No.11113 - 2004/08/11(Wed) 15:22:22

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / mizuiro [東海]
初めて書き込みします。
毎回、楽しく拝見させて頂いてます。

>櫻さん
>後ろの孔明の表情はなんですか??

私も気になったので…
劉備に対して、「また、この人は〜 私の言うこと無視して、相変わらず甘いこと言ってるんだから〜 困った人だ」
みたいなあの表情ですよね。

私は蒼天の孔明はとても気に入ってます。
他のキャラと一線を画す、常軌に捉われない物の考え方みたいなものがよく表現されていると思います。

今回も死に行く夏侯淵を前にして“首級を掲げ、本陣を総攻撃”とすばやく冷静に言い放ちました。
誰もが夏侯淵に引っ張られ、いろんな思いを描いている中、孔明一人が
何の思い入れもしていないのがよく分かります。

ゴンタ先生はだからこそ、敢えて孔明に夏侯淵を討たせたんではないでしょうか。
つまり、夏侯淵には勝算がかなりあった。(確実に劉備は討てると思っていた。)
というか、勝算なしで勝負をするキャラではない。ここで、運まかせで蜀軍に突っ込むのはあまりにも夏侯淵のキャラとかけ離れている。
さらに、夏侯淵の力量からすれば正面きって黄忠に討たれるのも不自然すぎる。
ましてや、かっこ悪い死に様もさせられない。
夏侯淵の勝算のその上をいく展開でなくてはならない。
もし、この状況で夏侯淵を討てるとしたら誰になるのか?

そうなると夏侯淵程の武将でも全く推測不可能な存在、孔明という結論に至ったのではないでしょうか。
だとすると、先週突然孔明が登場したのも理解がいくのかもしれません。まさか、ここで孔明…というのは、読者の声であり、夏侯淵の声でもあり。

誤解を恐れずに言うなら、孔明の方が夏侯淵より格上、ということかもしれません。

蒼天の孔明はたびたび人の感情を無視した合理的な発言をしますが、私はそんな孔明が人間味たっぷりの劉備に魅せられているという、劉備と孔明の関係がすごく好きです。

だから、今回の最後のコマの孔明は、劉備に本気で天下をとらせようとしているからこそ、あの表情になるのだと思います。

孔明のことばかり書いて、流れを悪くしてたらすいません。

No.11114 - 2004/08/12(Thu) 06:15:44

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 英英 [北海道]
夏侯淵の独白が胸に迫って、
かの王問答がどうでも良くなってしまいました。
【STORY】&【REVIEW】を読んで、またもや涙がじわり…

ああ、淵は銅雀台を見てなかったんですね(涙)
盃を交わす約束が悲しくも嬉しい。
すっかりできあがってる殿&惇兄&曹洪&曹仁。
曹洪は遅れてきた淵に「減点〜っ」、いや「罰金っ♪」と叫んでそう。

「對酒當歌〜」がふと目に留まって深く感動いたしました。
気のおけない従兄弟'sの銅雀台酒宴に、なんてふさわしい。

  酒に対してはまさに歌うべし〜人生いくばくぞ…

殿の短歌行が好きになりました。
乱世の詩人万歳!

No.11118 - 2004/08/12(Thu) 22:39:52

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / マルセン
こんにちは、初カキコです。よろしくおねがいしましす。
今回の蒼天、かなり感動しました。
コンビニで立ち読みして本気で涙がでそうになりました。
蒼天のキャラの死に様、郭嘉や樂進などホントカッコ良すぎです。
あとの四天王達の死に様は見れそうではないですが。
関羽はめちゃくちゃかっこいい死に様を期待します。
では、淵に合掌。

No.11119 - 2004/08/13(Fri) 10:37:59

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / Lisa [近畿]
TATSUさま、こんにちは。かなりのご無沙汰で申し訳ないです。
今週の蒼天は、やはり私も泣きました。夜中に、何度も何度も読み返しては泣いてしまいました・・・。

>「やっぱり首はそのままに、骸は返してやってくんねえか。」

劉備のこの台詞にホッとしたのは、やっぱり私だけではなかったですね。立場上は敵ではありますが、これでこそ蒼天劉備であり、誰もが認める漢(おとこ)っぷりでしょうか。

そして、夏侯淵。劉備を倒し乱世に幕を下ろすという夢はついえたものの、まだ見ぬ銅雀台に想いを馳せながら、長年の友らと約束の杯を挙げた彼の人生もまた、悔いの無いものだったに違いない・・・。
今はただただ、そう思って喪に服したいと思います。

No.11120 - 2004/08/13(Fri) 16:01:47

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 【56】 [関東]
判ってはいた事でしたが、遂に来てしまいました・・・。
TOPでも流れてました「その言葉を信じ、その志(こころざし)を信じた。
その戦いを信じ、その勝利を信じ、勝利の果てに生み出す国を信じた。」
思えば、曹操を信じて歩んできた末に生み出された魏国の結晶とも
いうべきものが銅雀台でそれを幻想でしか見る事ができなかった
夏候淵にすごく切なく、グッと来るものを感じました。

>夏侯淵の最期の微笑は、5人で盃を交わす幻影を見ていただけでは無く、
>魏国を創り、魏国に殉じ、魏国の未来を疑っていなかったから、ではないでしょうか?
自分もそう信じつつ、ご冥福をお祈りします。

No.11132 - 2004/08/16(Mon) 13:12:56

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 我流軍師 [東海]
都合上、しばらくネットを封印プラス蒼天も読めなかったので
遅い書き込みとなってしまい、申し訳ありません。


「死ぬための生き方」・・・

 これはビートたけしさんの言葉ですが、
今までの蒼天でも見られた蒼天人達の信じられないような悔いの無い死に様、
郭嘉・周喩ら、今回の夏候淵を考えてみても、この言葉が思い浮かびます。
彼らは、人生をフルチャージで駆け抜け生き抜いたからこそ、
その幕切れが絶望や孤独ではなく、爽やかなゴールに成り得たというか、
正に「蒼天」だったのではないだろうか?
蒼天の凄い所というか他には見られないのは、そういった人間的な強さ
が全てに繋がっているというか、

最強の武人たらんと昇華した張遼
戦と政を治めうる司令官へと成長した夏候淵らが達した「武」の強さ

己の意思を貫いた純粋軍師郭嘉
孫家三代のために人生を捧げた周喩らが魅せた「知」の強さ、
などなど。

それらはそのまま、「死ぬための生き方」にも通じているのではないかと思う。
蒼天で語られる「王」とは、正にそういった「人間的な力のある人」というか、
資質云々を超えたものではないでしょうか。
例えば、怪物董卓や最強の呂布・異彩孔明は資質があっても「王」には成れないのでは、
ともふと思いました。


今週の蒼天Reviewを見て思った事は、
まあ、上にほとんどの事は書いちゃったんですが、
黄忠が夏候淵を討ち取られなかった事というのも分かる気がするんですね。

「王」たる彼を討ち取れるのは「王」足る者であったのではないかと・・。
だからこそ、黄忠・魏延も勝てなかったし、蜀の兵卒なんかは近づいただけで
嵐に巻き込まれたみたいにヤラレちゃってる、
張飛はどうかというと、彼も長坂では兵卒相手に物凄かったし正面切った
「武」のぶつけ合いではなかったけれども、やっぱり討ち取れなかった。
そこで、劉備との一騎打ちという流れでなかったのではないかと思います。
孔明の登場には皆ブーイングなんだけれども、ここで思うのは
彼も「王」だったのではないかという事です。
そこんとこだけ、上に書いた事と少し違っているんですが、どうなんでしょうか?
自分が思うには、だからこそ「異彩」孔明というか、彼の変身前の言動見てみると
「王」の悪いとだけというか、蒼天流に言うと「心の闇」を知っている人だと思うんです。
曹操には無視されたけれども、彼はちゃんと
曹操の人ならぬ所というかマイナス面・「心の闇」を言い当てているんです。

No.11139 - 2004/08/17(Tue) 14:48:50

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 我流軍師 [東海]
上の続きで、
だからこそ孔明の登場があって、「王」夏候淵を討ち取れたのでは?!
てな感じです。

それから、蒼天黄忠のキャラクターはあんまりパッとしないかなと思うんですが、
張飛の行動は情に厚い彼なりの、武士の介錯であったのではないかと思う。
劉備なんかも穴だらけな所もあるんですが、情誼の人かと・・、
またここんとこは、劉備と夏候淵の一瞬の交わりというか相通ずる所で、
叩き上げ世代の強みというか、夏候淵・劉備・張飛には何か熱いハートがあるんですね。
長年の敵同士という関係だったけれども、彼らはまた長年の知りあい同士という
間柄でもある、だから生まれた介錯や思い遣りであり、黄忠のようにパッと出てきた人とは
そこんとこ全然違うと思います。

前々から思ってたんですが、蒼天1巻第1話のシーンは曹操と関羽の対面では?!
物語の頭に「あの対面」があって、もしそれが終局で実現だとしたら、
蒼天って相当作り込んであるんすね。

No.11140 - 2004/08/17(Tue) 15:26:31

Re: 今週の蒼天<もう1つの魏国> / 侠客 [東北]
 うおーっ、泣いた! 
 銅雀台に集う、若かりし日の5人。共に戦い、杯を交わし、歩んできた日々……。それを冷酷に切り裂く現実。
 このわざとらしい表現――と言ってしまえばそれまでですが、やっぱり涙ぐみますよ、これは。
 そう、死に様が輝くんです、蒼天人というものは。
 
 夏候淵は、とてもきれいに死んでいきました。
 何故? それは、己が死んでも――銅雀台を通して見た――曹操という男が作り上げた、中華の未来を垣間見たからではないでしょうか。
 曹一族だけではありません。曹操の下に集った数多の才。“彼ら”がいたからこそ、中華は新たな時代への転換を遂げたのですから。だから夏候淵は、自らの死を悔やむ必要などないのです。

 ところで、あくまで推測に過ぎないのですが、夏候淵は恐らく銅雀台――東を向いて、死んだのではないでしょうか。「万里を隔ててもつながっている」彼らなんですから。

No.11141 - 2004/08/17(Tue) 18:46:08
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