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今週の蒼天<奇画策算あり> / TATSU@管理人 [関東]
お待たせしました〜。
またまたレビューが、こんなに遅れてしまいました。すみません!「今週の蒼天」というより「先週の蒼天」じゃねえか!って声が聞こえてきそうです。
いやぁ、年末が近づくと色々とバタバタしてしまって...って、去年も似たようなこと書いてましたね!失礼しました!!

さて、今年もモーニング発売はあと1回となりました。先週は合併号でしたので今週は発売されません。だからという訳ではないですが、皆さんのレスを付ける時間はたっぷりありますので、宜しくお願いしま〜す!!

No.11520 - 2004/12/13(Mon) 23:37:06

今週の蒼天<奇画策算あり> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

騎馬の男は、木立(こだち)の中を跳ね回りつつ、みるみる魏王へと接近した。

曹操は驚愕に目を見開いた。
ふいに趙雲の馬が跳躍したのである。同時に、趙雲も高く飛翔した。空中の趙雲は、渾身の力を込めて立木を断ち斬った。
切断された立木は、うなりを上げて飛び、その鋭利な切先(きっさき)は曹操へと向った。
許猪が怒声を上げた。同時に許猪の矛は、曹操に突き刺さる寸前の立木を叩き割っていた。

一瞬、林に静寂が流れた。安堵に溜息をつく曹操。許猪は曹操を庇うように趙雲を睨み付け、魏兵も一斉に迎撃態勢をとった。
だが、趙雲は凄まじい速度で馬首を返すと、木々の間を縫うように去っていた。

曹操は、額に汗を浮かべつつ、驚嘆の声を漏らしていた。遠目に見た事はあったが、蜀の猛将・趙子龍と、こんな所で出くわすとは思ってもいなかったのである。息もつかせぬ攻撃と退却に曹操は感嘆していた。曹操の横で許猪が、追うのか追わないのか下知をくだせと詰(なじ)っていた。
「うむッ。追う! 追うが、許猪。あいつを何に例える?」
曹操は尋ねた。許猪は答えた。あいつはスズメ蜂だ、と。

          ***************

蜀軍本営では、劉備による閲兵が行なわれていた。

馬上の劉備は、整列する蜀兵の顔触れを見て、武者震いの類(たぐい)は一通り飲み込んじまったようだな、と微笑んだ。劉備は兵士達に語りかけた。
「おお、どの顔みても、将軍!って呼びたくなるような面持ちだぜ。」
出陣の時が迫っていた。劉備は蒼天を見上げた。
−曹操!おいらの軍のへその下は、皆 どっしり座っているぜ!−

ふいに、劉備の背後の幕舎から声が上がった。その声は“陽平関を陥落させたもう一人の敵将”について叫んでいた。劉備は馬を降り、幕舎へと歩を進めた。幕舎からの叫び声は続いていた。
下弁より南下した軍のその後の行方は?
南鄭に残っている将は?
米倉山に回り込んだ敵は?
次々と発せられる叫び声。劉備は幕舎の幔幕を開けた。そこには、一人の男を呆然と見つめる簡雍がいた。その男が再び絶叫した。
黄忠は!? 黄忠はどうした?
陳式はまだ戻らんのか?
法正であった。法正が机に向かい、叫び声を上げていた。

          ***************

スズメ蜂の襲撃は続いていた。

「また来たぞ!」
渓谷を走る魏王軍兵士が叫んだ。出現した趙雲は、凄まじい速度で左右の断崖を跳躍した。
思わず身を逸らしながら、曹操は忌々(いまいま)しそうに呟いた。

−強烈な毒針を鼻にかけることもなく、
 ぶんぶん ぶんぶん、
 なんとうるさく よく働く奴だ。−

          ***************

劉備は法正の名を呼んだ。

机に向かう法正は、それに答えず、黙々と墨を摺っていた。
劉備は再度、法正の名を呼んだ。ふいに法正は墨を硯に落とした。
「斥候が...」
劉備を見ようともせず、法正は呟いた。
「放った斥候が、誰ひとり戻ってまいりません。」
その言葉に劉備は息を呑んだ。ここで、ここで止まっちまうのか。と、立ち尽くす劉備は独白した。
「ただいま、ただちに策を...」
法正は震える手を伸ばして、筆を掴もうとした。

「よく やったッ。」
劉備は背後から法正に抱き付いた。法正は全身に汗を掻き、震えていた。
「おめえは、よくやったぜ。」
尚も何かを記そうとする法正を抱きしめ、劉備はそう告げた。

「呼ばれましたか?」
幕舎の外から声がした。劉備は法正を抱く手を放した。筆を握った軍師は、静かに机に突っ伏した。
幔幕を開けて、羽扇を握った軍師が入ってきた。法正を見つめたまま、劉備は羽扇の男に告げた。
「呼んじゃいねえが、おめえの出番だ。」

法正は眠るかの如く机上に伏せていた。
その机上には、血溜まりが広がっていた。



【REVIEW】

●扉は、輜重部隊と独り戦う黄忠が描かれてました。 欄外のコピーは、
−手柄を探しに一人旅。 黄忠、獅子奮迅の図−
でした。騎馬で跳躍し、次々と矢を放ってましたね。背に矢を受けてましたが、致命傷には至ってない模様です。まさに“老兵は死なず”状態です。
で、まだ黄忠は生きているんでしょうか?結局、本編では登場しなかったので、消息は依然不明です。

ところで、不明と言えばタイトルの意味も不明でした。
「奇画策算あり」
これ、どこで切れるんでしょう?「奇画・策算あり」でしょうか?それとも「奇・画策、算あり」?「奇画策算」なんて四字熟語があったりして...いずれにせよ意味が分かりませんでした。

●さて、単騎飛び出た趙雲。目指すはやはり曹操でした。曹操も「何!?趙雲!?」って驚いてましたから、まさかこんな大物と出くわすとは思ってなかったんでしょうね。欄外のコピーは、
− 劉備軍随一の”華麗なる男”が、本性を露(あらわ)に曹操を襲う! −
“華麗”というのは微妙です。華麗と言えば華麗ですが、同じ華麗でも趙雲の場合、“錦”のような華やかさではなく、“燻(いぶ)し銀”の輝きを放っているような感じします。

●そして今回も炸裂しました趙雲の馬上アクロバット戦法。
馬を跳躍させ、自身も鞍から跳躍。立木(たちき)の上部を斜めに叩っ斬りました。さながら俵斬りの如く。そして切断された立木は、鋭利な槍の如く曹操めがけ飛んでいきました...。これは思いも寄らぬ攻撃でした!どういうふうに斬れば、切断面を先に、あんな勢いで飛んでいくのか不思議ではありますが、野暮なことは言いっこなしでいきましょう。趙雲かっこいいし!

●許猪と魏兵が迎撃の構えを見せると、すかさず趙雲は馬首を返し、木立(こだち)の中を跳躍しながら去って往きました。曹操も言ってましたが、逃げっぷりも見事でしたね。

先週のレビューの最後で、趙雲突撃を『 味方の退却を容易にする為、自らが囮になって曹操軍を掻き回そうとしてるんでしょうか?あるいは「曹操の首を獲るのにまたと無い好機」という夏侯淵ばりの発想により、命を賭して特攻を開始したんでしょうか? 』と書きましたが、どちらかと言うと前者のようです。趙雲は曹操軍の真っ只中に飛び込む気は無かったとみました。故にあの“遠距離殺法”を試みたのではないでしょうか。それも魏王(敵軍中枢)を狙うことにより、敵を一時的に釘付けにする効果を狙ったのかもしれません。味方の退却を容易にする為に。
「一身すべて是れ胆なり」 ...趙子龍、熱いようにみえて冷静です。

●「遠目に見たことはあるが、いやあ、まさかこんな所で出くわすとはな。」
奇襲部隊を追跡してみたら、思わぬ大物と出くわしてビックリというところでしょうか。曹操が趙雲を“遠目でみた”というのはいつの事でしょう? 管理人的には、長坂橋の張飛と同様、阿斗を抱いての獅子奮迅を遠目で見てたような気がします。人材コレクターの曹操とすれば、「すごいな、あいつ。」ぐらい呟いたかもしれません。

そして、久々に許猪の“例え”が出ました。狼・牛・鷹に続き、今回は“スズメ蜂”。昆虫も有りだったんですねー。なるほど、言い得て妙ですが、これは人格というより行動、行動というより攻撃方法を例えているような気も...。

●劉備軍本営では劉備による閲兵が行われていました。
空を見上げて「さあ、出陣だ!」って言ってましたから出陣式でしょうか?すでに陽平関が陥ちているという事は、戦闘行為は開始されている訳ですから、今から出陣式というのも遅いような気もします。まぁ、陽平関は前哨戦で、これから“蜀の本軍による本格攻勢”が開始されるってとこでしょうか?
そう考えるとこれからが楽しみであります。

●趙雲は、単騎で魏王軍に攻撃を繰り返していました。「また来たぞ!!」って兵士が言ってましたし、曹操も「ぶんぶん ぶんぶん、なんとうるさくよく働くやつだ!」って怒ってましたから、ふいに現れては消え、消えては現れ、魏軍を翻弄してるんでしょうね。

近代戦で言えば、大地を進軍する機甲部隊に向かって、1機の戦闘機が雲間から現れ、執拗に攻撃を繰り返すようなものでしょうか。
なかなかやります。スズメ蜂・子龍。 鷹・馬超も潼関戦で、この戦法をとれば良かったのに(笑)

ところで、救援に向かった張翼はどうなったんでしょう?

●出陣式の最中、幕舎の法正が、戦況について様々な疑問を叫びだします。どうしたってんだ?と尋ねる劉備に法正が答えます。
「斥候が...。放った斥候が、誰ひとり戻ってまいりません。」
その台詞を聞いた劉備は愕然として、『 ここで止まっちまうのか。法正!』 と独白します。

さて、ここはどう解釈すべきでしょう?
台詞通りに考えれば、斥候が全滅してしまい、法正には戦況が全く届かなくなった。故に劉備は、「法正は一切、策を立てられなくなってしまうだろう。」あるいは「法正がショックのあまり思考を停止してしまうだろう。」と考えた。というのが無難なのかもしれません。

しかし管理人は、それにしては劉備の驚きようが、激し過ぎるように感じました。
斥候が帰って来ない = ここで止まっちまうのか、法正!
というのは、ちょっと大袈裟ではないかな、と。
と言う訳で、管理人は別の解釈をしてみました。ちょっと聞いて下さい。

「放った斥候が、誰ひとり戻ってこない」なんて事があり得るでしょうか?そこまで曹操軍は法正の諜報網を把握しているのでしょうか?
そこで管理人は“法正の放った斥候は、そこそこ戻ってきている。”と敢えて解釈します。(劉備もそのことは知っている、と解釈します。)
しかし、夢も現(うつつ)も一緒くたになった法正は、それが分からなくなった。つまり、頭の中で曹操と戦い続けるうちに、「兵法の大家」「魔王」と策と策で戦ううちに、神経を擦り減らしてしまい、精神的に破綻を(被害妄想的兆候を)きたしてしまった。という解釈は成り立ちませんでしょうか?
それが劉備をして、あそこまで愕然とさせたのではないでしょうか?

−何言ってんだ。法正! 斥候は戻ってきてるじゃねえか!-

みたいな...
えっ?ちょっと考え過ぎ? いやぁ、そのほうがショッキングでいいかな、と思って。

●こうして法正は昏倒しました。劉備は「もういい。おめえは、よくやったぜ。」と抱きしめてましたし、昏倒した法正の鼻と口から血が流れ落ちてましたから、これで法正は"舞台から退場"ということとなるのでしょう。
そして満を持して孔明登場...。 欄外キャッチコピーは、

−フル回転で昇りつめた法正、力尽く。
  それを見越したように現れるのがこの男・諸葛亮孔明である。−

う〜ん、やはりそうきましたか...実は、孔明が杜鵑(ほととぎす)を片手に、
−おもてなしの用意が調いましたよ。−
と1ページ全部使って笑ってたので、孔明が漢中戦で活躍しないと、このシーンは何だったんだ?って事になるから、何らかの形で絡むんだろうな、とは思ってました。
『 法正昏倒、軍師交代 』 ときましたか〜ッ!

赤壁顛末のトラウマが消えない管理人としては、またまた荒唐無稽な話になったらどーしよう、という不安を拭えません。ですが、全体のストーリーからすれば、いよいよ「赤き壁より降りて、漢土の巷間を這い、人に塗れて出直してきた」孔明がどう変わったか、描かれる時がきたのかもしれません。
まさに、「呼んじゃいねえが、おめえの出番だ。」

●孔明を活躍させる為、法正を退場させたのは止むを得なかったのかもしれません。でも管理人としては、交代早過ぎ!の感が否めません。まだ出陣式の段階で退場しちゃうと、「法正は本番開始の直前にプレッシャーに負けて倒れた。」みたいな感じになりませんでしょうか。それじゃ、ちょっと情けないような...。
法正ファンの管理人としては、せめて、曹操とある程度、策と策を交えた戦闘を行った後に退場して欲しかった。というのが正直なところです。

孔明が法正の遺志を受け継ぎ、法正の残した膨大な策を駆使して、曹操とやりあったりしたら、嬉しいんだけどな〜!!

No.11521 - 2004/12/13(Mon) 23:54:31

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / shin [九州]
管理人様今週もほんっとうにお疲れ様です。管理人様のレビューを見ないと蒼天を読んだ気がしない私としては、うれしいかぎりです(^^)
初めて一番最初に書かせていただきます!!でも、これかいてる途中にもう書かれてそうですが(笑)


>で、まだ黄忠は生きているんでしょうか?

これ黄忠どうなったんでしょうね?私はあの絵を見て、なんとなくホウ統を思い出してしまったのですが・・・不吉だぁ・・・何とか元気な姿で帰ってきてほしいです。黄忠にはまだまだ死んでほしくないです!!


>「奇画策算あり」 これ、どこで切れるんでしょう?

これ私は、「奇・画策、算あり」のような気がしました。この言葉がど ちらの陣営のことを表しているのかはわかりませんが(私的には趙雲のことかなとは思ったのですが...)意味的には「算」という言葉には「はかりごと」という意味があるので、奇・策・謀ありってな感じでしょうか?もしくは、「見込み」という意味もあるので、奇を衒い、策を画し、機を見出すかな?いずれにしても、難しい言葉は蒼天の常なのでどうしようもないです(笑)


> 「何!?趙雲!?」って驚いてましたから、まさかこんな大物と出くわすとは

これ先週話題になってたことですね〜。やっぱり曹操にとっては趙雲がでてくるのは誤算だったみたいですね!!これは以外でした。曹操のことだから、てっきり趙雲を狙ってたのかと思ってたのですが...
陽平関で許チョが言ってたように、最近の殿はちょっと翳りが見え始めているのでしょうか?


>今回も炸裂しました趙雲の馬上アクロバット戦法。

やはり今回も出ましたね。趙雲の曲芸乗り(暗黒軍師様談)は最早定番 なのかと!!あの攻撃だけで攻城できそうな勢いです!!あの勢いで江 陽・南安・武陽も落としたのでしょうか?(笑)なんか北方騎馬民族よ りも馬術がうまいような...


> 策と策で戦ううちに、神経を擦り減らしてしまい、精神的に破綻を(被害妄想的兆候を)

私も管理人様と同意見です。夢でも現実でも魔王と戦をしていて、精神 が擦り切れちゃったんでしょうね。なんだかかわいそうです...いい勝 負してたのに...っというか、夢の中ではそんなにぼろ負けだったの!?って感じです。一法正ファンとしては、なんだか悔しいです!!


> いよいよ「赤き壁より降りて、漢土の巷間を這い、人に塗れて出直し てきた」孔明が

孔明どう変わっているんでしょうかね〜?蜀を落としたときは、だいぶ まともに感じたのですが。まだ曹操を意識しすぎているような気もしな くもありません。相変わらず、いろんな意味で気になる男ですね(笑)

出陣式(?)の様子を見ても、今からが漢中戦の本番なんでしょうかね?だとすると、法正がすっごくかわいそうな気がしますが、ものすご〜く楽しみです!!早く次を見たいですね(^^)
では、長々と失礼しました。

No.11522 - 2004/12/14(Tue) 12:34:02

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 陳孫 [関東]
TATSUさん、今週もお疲れ様でしたm(__)m

>そして、久々に許猪の“例え”が出ました。狼・牛・鷹に続き、今回は“スズメ蜂”。

私はここで、「鷹」の馬超の時のことを思い出しました。
あの時曹操は許猪の忠告を無視して軽率な行動にでました。
今回は曹操が趙雲と出くわしたのは計算外だったようなので違いますが、許猪が早く下知してくれと訴えたように、どうも曹操は危機の中でも悠然としたところがあって周囲の人たちをハラハラさせますね。

ところで法正の最期ですが、正直な感想を述べますと、

 「えっ?もう?」

でした。
せめてこの漢中戦は戦い抜くと思っていたのですが・・・
どうも曹操と関わる人たちは、敵であれ味方であれ、その能力の全てを搾り尽くされるようですね。

>“法正の放った斥候は、そこそこ戻ってきている。”と敢えて解釈します。(劉備もそのことは知っている、と解釈します。)しかし、夢も現(うつつ)も一緒くたになった法正は、それが分からなくなった。

私の考えはチョット違います。
単に法正が斥侯の帰還を待ちきれなくなり、イライラしているのだと思いました。
情報が無ければ作戦を立てられませんから、必要な情報が届くのを待ち焦がれているのかと。

No.11523 - 2004/12/14(Tue) 15:05:00

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 岳飛
法正……
さて、確か法正は孔明と実力は認め合いながらも仲が悪かった……と史実にあったような気がしますが……
まさか孔明でも法正の斥候を足止めするような事は……しないですよね。いや、完全に否定できないところが蒼天孔明の妖しさなんですが。

ロショウやチョウシュウなど、死ぬタイミングが正史とたまにずれるのがある意味蒼天の醍醐味なんですが……法正がここで力尽くとは思案の埒外でして随分ショックです

No.11524 - 2004/12/14(Tue) 16:23:39

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 文月 [近畿]
こんにちは。いつもながらレビューご苦労様です。

蒼天趙雲のキャッチコピーは「劉備軍随一の”華麗なる男”」ですか。
これを最初見たとき私は不覚にも某タクティカルアクションゲームの美しい張儁乂将軍を連想してしまいました。(爆)
まあ、あの戦闘スタイル、というか戦いざまは確かに「華麗」という表現が相応しいと思います。
そうか、許チョによると趙雲は「スズメ蜂」か…。
確かに、あの「スズメ蜂」に刺されたらただでは済まなさそうだな、魏王様の恐怖をあらわにした表情を見てみると…。

なんてことを思ってたら、法正が、法正がーーー!!(泣)
まだだ、まだおめえは死んじゃなんねえーーー!!
どうか、せめて次号まで生きててくれー!!

No.11525 - 2004/12/14(Tue) 17:05:16

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / kazz [東北]
お疲れ様です。年末の忙しさの中、くれぐれも御身体にはご留意を。

>今回は“スズメ蜂”
いやぁ、これは上手い。さすが許猪。
趙雲の戦いっぷりもそうでしたが、私的にはスズメ蜂の“黙々と努めを果たす働き蜂”のような怖さ・冷静さを評した部分もあるように感じました。

法正は「やっと評価上がってきたヤッホー!」って思っていたら、こういうことだったのか・・・。でも、まだ逝ったわけではありませんよね?この後登場するかは別として。頑張ったぞ!本人も至福の時だったはず。涙!

>まさに、「呼んじゃいねえが、おめえの出番だ。」
TATSU様、コレ巧いッ!!まさにッ!
諸葛亮、黒髪になってからの活躍。私も楽しみにしています。
願わくば細かいところまでガッチッガチの神経質なほどの軍略で実は戦は不得手っていう描写を希望しています。

なんにしろ曹操は戦を楽しんでいるご様子。嬉しいことです。

No.11527 - 2004/12/14(Tue) 18:45:15

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 遊人 [東海]
これが初書き込みになります。
皆様、これからよろしくお願いします。

管理人様、いつも楽しくレビューを拝見させていただいております。

今週の蒼天・・・フル回転の法正ついにオーバーヒートという風に感じました。
先の漢中戦から今までずっと、劉備の元でフル回転をしてきましたが、とうとう身体の方が精神についていく事ができなくなったのでしょう。
激しく登り、散っていった・・・そういうイメージです。

私は、そんなホウ統、法正のような「薄命の軍師」が活躍する戦が好きです。

いよいよその才を振るう事になる、孔明ですが、欄外のキャッチコピーには諸葛亮(陰陽印)孔明となっておりました(笑)

これは、やはり、「夏侯淵★妙才」との関連なのでしょうかね?(笑)

No.11528 - 2004/12/14(Tue) 20:05:35

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / Chan [北海道]
管理人様、いつもレビュー楽しく拝見させていただいております。
皆様初めまして。初めて書き込ませていただくChanと申します。

TATSU様のレビューと皆様の投稿を拝見して思ったことを書かせていただきます。
まず、タイトルの「奇画策算あり」ですが、私は「奇と画と策と算あり」、もしくは「奇画、奇策、奇算あり」ではないかと思いました。
今回の登場人物の中で、多分孔明のことを表しているのではないでしょうか?
奇は言わずもがな、画は戦場の動きを脳内に描けること、策と算を備える人といえば孔明がぴったり?と、こじつけですが…

劉備の「ここで止まっちまうのか?」もかなり難解ですよね。え?何を突然??と面食らいました。
あとからじっくり読み返してみて思ったのですが、斥候が帰らないということは曹操軍が法正の一手をことごとく上回っているといえると思います。
が、フル回転の法正ならばさらにフル回転!それを乗り越えようとしたはずです。しかし、法正から発せられた言葉、声の様子などから劉備は法正の異変を感じ取り、
「ま、まさかこんなところで止まっちまうのか?」
となったんだと思います。
以前から劉備は法正に「あせり」のようなものを感じていたようですので、「法正は早死にするのでは?」という考えが頭の中にあって、異変=死(止まる)とすぐに感じ取ったのかも…なんて思います。

さぁ、次回からは孔明の魏王への仕返しが始まるのでしょうか?
楽しみですね。

No.11529 - 2004/12/15(Wed) 00:51:35

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 黒助 [関東]
こんにちは。あっという間に年末ですね。忙しい中の更新お疲れ様です。
今週は蒼天そのもの以上にここでの皆さんの深読みに感動しました。
TATSU様の

> 斥候が帰って来ない=ここで止まっちまうのか、法正!
> というのは、ちょっと大袈裟ではないか
  ↓
> 「放った斥候が、誰ひとり戻ってこない」なんて事があり得るでしょうか?そこそこ戻ってきている。
  ↓
> しかし、夢も現(うつつ)も一緒くたになった法正は、それが分からなくなった。
> それが劉備をして、あそこまで愕然とさせた

という推測やその斥候に関する岳飛さんの

> まさか孔明でも法正の斥候を足止めするような事は……しないですよね。いや、完全に否定できないところが蒼天孔明の妖しさなんですが。

という推測です。いやぁ、こんな発想全く私にはありませんでした。こういうオリジナリティー溢れる発想に出会うとあってるあってないなんて関係なくうれしくなります。
改めてこのサイトは面白いっ!

ちなみに斥候の戻りの遅れの真意については私には分かりませんが、個人的には実は劉備のこの驚きっぷりにこそ蒼天劉備のすごさを感じました。皆様には及びませんが少し深読みをさせてください。

これまで法正はどんな状況にでも筆を置くことなく瞬時に対応策を立て続けて敵味方全ての将にその凄さに活目させ続けてきました。法正自身「決して後手には回らぬ」との決意と自信をみなぎらせ、それは味方老将の予期せぬ軍規違反が起こり劉備すら対応の遅れを強く覚悟した時ですら変わりませんでした。

に対して今週の法正は本当にさりげなくですが実に対照的に描かれているんですよね。というのはこのシーンで法正はただ執拗に墨を磨っています。これに関して私も初めはなんとなく異様な雰囲気を表してるのかなぁとだけ思っていました。
が、繰り返し見ているうちにハッとしました。墨を磨り続けるということは、そう、法正、それまで置くことのなかった筆を置いているんです。すなわち、このシーンって初めて法正の筆(つまりは策)が止まったことを絶妙に表してます。そして、劉備もそのことを不審に思っているように見えます。

そして問題の「放った斥候が誰一人戻ってまいりません」の発言。
確かに斥候が戻ってこないと陳孫さんや管理人様の言う所の無難な解釈では、戦況が分からず策が止まってしまうのは仕方ないのかも知れません。
ただ、この場合管理人様の言う通り、それにしては劉備の驚きようは過剰と思えますよね。
でも、私が確信するにここまでの法正はその程度の軍師ではなかったはずです。黄忠の予期せぬスタンド・プレーにすら全く動じず対応した法正であれば、『斥候が一向に戻ってこない』という状況自体を戦況に関する情報と捉えて瞬時にしかるべき対応策を繰り出せたはず!
が、そのはずが筆が進まないどころか主君劉備に対して初めての後ろ向きなこの発言。すなわち、この発言は法正の心までもが既に後手に回ってしまっていることを示しているんじゃないでしょうか。そして、劉備はこれら全ての法正の変化に気付いたからこそ、この小さな発言に異常に驚いたんじゃないでしょうか。

この解釈ってChanの理解に近いですよね!でも、私はこの解釈そのものよりもこう解釈した時のこのことに気付ける劉備という人間の凄さを感じずにはいられないんです!

赤壁の時の周瑜や呉との同盟を持ちかけたときの魯粛に対してもそうでしたが、蒼天劉備って目に見える些細な変化や表情からその人の心の奥底の軋みや決意まで瞬時に感じ取るんですよね。今回も何度も言うように普通に考えれば斥候が戻ってこなくて困るということは当たり前ですし、その後すぐに法正は「ただちに策を」って言ってますから普通なら「少しつらそうだが」程度に受け止めてその後も法正に任せてしまうという判断をしてしまうでしょう。
血を吐いて倒れてからならともかくそれより前に「法正が止まった」と深刻に感じ取った今回の劉備に関しては個人的には圧巻の一言です。
もっというと劉備が抱きかかえてやらなければ法正はプウと膨らませた口の中にたとえ血が溢れていたとしても飲み込んで無理やりにでも建策を続けたんじゃないでしょうか…
心が後手に回ってしまった軍師に曹操との対峙を強いることはその軍師にとっても軍にとっても致命的です。
小さな変化を見逃さず、法正の苦しみを受け止めてあげると同時に非情にも軍師の交代を判断−まさに蒼天劉備だからこその英断でしょう。

こうした蒼天劉備のすごさって彼の人や物事の理解の仕方から来るんじゃないでしょうか。頭で才や性格、心の闇、特技や性質、思考法などで分解していくのではなく嚢で人や物事を、そのまま飲み込むことで理解する、ゆえに細かいことには気付けずとも、その本質だけは少しもぶらすことなく感じ取ることができる。蒼天曹操とは違った凄さだと思います。

でも、曹操を見た瞬間に法正が抱いてしまったイメージ(あの話題になった顔のことです)を見た時からいずれ彼がその圧倒的圧力に蝕まれることは予期していましたが、あまりに唐突ですよね。もう少しその過酷な精神的戦いの様子を描いてほしかった…。

いや、深読みが単なる長い妄想となってしまいました。
にしても、このタイミングで現れるってことは孔明も法正の変化に気付いていたってことですよね。というより彼には初めからこうなることがわかっていたとしか思えません。岳飛さんのような推測がふとよぎってもおかしくないほどの異様さですよね。髪の色は変わっても彼の異才そのものは鈍ってはいないようです。

彼に関してはまだ考えがまとまらないんですが、曹操への執着にのみ注目が行きがちですが彼って当然君主劉備にも惹かれ続けてるんですよね。気絶したり泣いたり興奮したり。
特に赤壁で戦では勝っても人間性への攻撃に関して完膚なきまでに敗れた際の仙人たちの劉備に対する「孔明をよろしく頼みますぞ」という発言と彼自身の「劉備様ぁ」との発言が個人的には気になります。
あの瞬間に髪の色が変わっていったことは、形而上での怪物から実の世界に引き戻されたのみでなく、その実の世界での彼のあり方が劉備の嚢に入っての蜀軍の軍師であることも示唆しているのではというのは邪推ですかね。
登場以来悩ませ続けられている蒼天孔明、今後の動向にいやでも注目してしまいます。

最後にスズメバチですがその働きっぷりの例えとしては言い得て妙だと思いますが、劉備軍随一の華麗なる男の側面が欠けてしまった例えと感じてしまうのは私だけでしょうか。
私が蒼天で一番お気に入りの武将の例えは許楮のものではないですが、曹操の呂布に対する絶世の美女という例えです。

本当に長々と失礼しました。

No.11530 - 2004/12/15(Wed) 03:24:35

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / tohma
こんにちわ。いつも覗いていましたが初めて書かせていただきます。
正確に言うと疑問考の方にくだらない質問を2度ほどさせていただいた事がありますがこちらは初めてです。

蒼天は本当に凄いパワーを感じるマンガですので読む方も真剣に読まないと作品が放つ熱みたいな物を感じきれずに通過してしまうので毎週集中して読んでいます。だけど、それでも理解出来ないことや、色んな受け取り方が出来る事が多い為、こちらに頻繁に訪れてみんなの意見を参考にさせてもらいながら自分なりの答えや解釈を導きだしたり、誰かの指摘に感心したりしてます。
管理人さんも大変そうですが仕事も含めがんばってください。かなり重宝しております。

で、今週の蒼天の感想なんですけど私の一番印象に残ったのは趙雲に襲われてる時の曹操の表情でした。予期せぬ遭遇だったにせよ今まであんなに怯えたような顔してる曹操が記憶になかったので歳をとったのかなぁ?とか思っちゃいました。呂布の一撃を受け止めた時もあんなに涼しげな顔をしていたし、馬超が問いに答えずただ曹操の命を狙ってきた時も怯えた顔には見えなかったし・・・くだらない感想でごめんなさい。

全体的には黒助さんの考察に凄く共感をおぼえました。すごいですねぇ。
これからもたまには参加させていただきます。
失礼します。

No.11531 - 2004/12/15(Wed) 06:57:22

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / アベール
沈着冷静の趙雲にとって退却戦はまさに十八番。
題名の「奇画策算あり」は、趙雲隊への追撃が全体的にゆるやかなのをみると曹操の考えとみてよく、その371の「領土より価値ある首と考えるかどうかはわからん」という発言からすると法正一人を狙ったものではなく漢中全体の策略。その策略に絶好調の法正がプッツンして孔明にかわったので曹操の思惑が大きく外れるはず。
いずれにせよ次回は神出鬼没同士の正面衝突なので楽しみ。

No.11532 - 2004/12/15(Wed) 13:07:09

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / かつお梅 [関東]
毎週楽しみにROMしています。

正史には「○○年病没」としか記載が無いのでGONTA先生は「発病の時期はいつでもいいじゃん!」と解釈されているように思います。
たぶん法正の最後は描かれないのでは?

No.11533 - 2004/12/15(Wed) 22:47:40

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / RYU [東海]
いつもお疲れ様です。

よくある事ながら、投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。
12月の仕事の日平均睡眠時間は4時間となっております(汗

>趙雲のアクロバット戦法

ある意味映画を超えております。
かなり楽しそうな戦い方です。

>斥候が一人も戻って来ない

自分はそのまま受け止めてしまいました。
魏の対情報網が凄くて、蜀軍がピンチなのかなと。

>つまり、頭の中で曹操と戦い続けるうちに、「兵法の大家」「魔王」と策と策で戦ううちに、神経を擦り減らしてしまい、精神的に破綻を(被害妄想的兆候を)きたしてしまった。

あんな恐ろしい夢を見るなら有り得ると思いました。

No.11535 - 2004/12/16(Thu) 01:34:55

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 黒助 [関東]
黒助です。今読み返していてびっくりしたのですが上での書き込みでChanさんを呼び捨てにしてしまっていました。Chanさん本当に申し訳ありません!!
いつも誤字脱字が多く毎回見つけるたびに一人鬱になっているのですが、今度ばかりは無礼千万なミスをやらかしてしまいました。
重ね重ね本当にすみません。
Chanさんのご意見は私もいたく共感するところです。
決して意図的ではございませんのでご容赦お願いします。
すみませんでした。

No.11536 - 2004/12/16(Thu) 14:17:16

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 槍ですら [甲信越]
>どういうふうに斬れば、切断面を先に、あんな勢いで飛んでいくのか不思議ではありますが、野暮なことは言いっこなしでいきましょう。趙雲かっこいいし!

確かに今回一番不可解なところでした…たぶん木を斬った後にすぐ斬り返しで加速をつけたんでしょう。または馬が蹴った。

皆様が言われている斥候が戻ってこないと聞いての劉備の驚きようですが、普通にいつもの劉備のオーバーアクションと思っていましたが、本当に法正倒れちゃいましたね。これはびっくりしました。岳飛さんの言われるとおり孔明がめちゃ妖しいし。

たわごとですが、ゴン太先生の次回作、岳飛伝にならないかな。

No.11537 - 2004/12/16(Thu) 14:33:57

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 如月 雪 [関東]
こんにちは。如月 雪です。
師走に入るとなんとなくバタバタと気忙しい日々が続いてしまいますね。お忙しいなかTATSU様、レビューアップ本当に有難うございます。そしてお疲れ様です。

>「奇画策算あり」なんて四字熟語

タイトルに引っ掛かったため、漢和辞典で調べてしまいました…(笑)何気なく4字の漢字を1字ごとに分けて、各場面に4字の言葉を当ててみました。

1つめの場面−曹操・許猪に鋭い攻撃をしながら鮮やかに反転し、退却した趙雲。−『奇』。
‘奇遇’―思いがけなく出会う。珍しい対面。
‘奇抜’―人の意表に出る。

2つの場面−へその下がどっしりとしている蜀軍を前にしている劉備。−『画』。
‘画一’― 一(いち)の字を引いたように整って正しいこと。

3つめの場面−‘スズメ蜂’趙雲(By許猪)がブンブンする行動。−『策』。
‘策動’―はかりごとをめぐらして行動すること。

4つめの場面−倒れた法正、嘆く劉備、そして「呼ばれもしないのに来るのが孔明様よっっ。」と大河ドラマのような登場を果たした『蒼天』孔明。−『算』。
‘誤算’―勘定ちがいをする。みこみちがい。

このように考えてみました。2つめの場面の『画』は無理やり当ててしまった感じがあるのですが…(笑)。

No.11538 - 2004/12/16(Thu) 15:18:05

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / アベール
題名は奇画・策算とわかれて「奇略を画策し、策謀を算術する」という意味だと思うのですが。
No.11546 - 2004/12/19(Sun) 10:07:39

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 櫻 [関東]
かなり久々の書き込みになってしまいました(汗)

>私の一番印象に残ってるのは趙雲に襲われてる時の曹操の表情でした

私もそうなんです!今まではあんな顔したことなかったのに(むしろ周りの人たちがしてた)なぜ・・・?
「考える疾さすら失っている」ってやつですか?いやだぁ〜!!

というか最近妙な顔が多いです殿(失礼)。先々週の話になっちゃいますがあの化け物じみた顔を見た瞬間モーニング閉じて逃げました私。
魏王怖い怖い・・・。欣太先生勘弁してください。

法正がオーバーヒートですね遂に。漢中戦でここまで頑張った法正は見たことがなかったので(大体夏侯淵を討ち取ったあたりで行方不明になる)正直感動ものです。って今更か・・・。おめぇはよくやったよ法正!
とか浸ってたらお前かーー!!ホントに呼んでません。法正もうちょっと頑張ってくれ(酷)!

No.11549 - 2004/12/19(Sun) 18:04:55

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 5050 [東北]
こんにちは。遅レス失礼します。
この回の前の時に趙雲が剣を持って戦っているとかヘンなこと言ってしまいました。すみません(汗)長刀でしたね。

題名「奇画策算あり」…
これを見たときなんか訳がわからなかったんですが、多分これは孔明のことではなかろうかと。法正は止まってしまいましたが、孔明にはまだ何らかの対抗策があるのでしょう。

林…
動きが疾い、一撃必殺、主君に忠実。まさにスズメバチですね。しかし、それにしてもなんか曹操の態度が変…この前の回の時にどなたかが「趙雲が襲ってきても平然と躱しそうな曹操」とおっしゃってましたが、直接剣を交える事はないにせよ、私もそうだと思ってました。しかし予想に反して曹操はどぎまぎ…趙雲が来ると予想していなかったにせよ、二度目の追撃途中の時にも同じく冷や汗かいてます。一体何なんでしょうか。それほど趙雲というスズメバチは鋭かったんでしょうか。

劉備軍本営・法正昏倒…
>劉備の驚きが激しすぎる
これは仕方が無いかと思います。曹操と策において対峙し、劉備の、いや蜀軍の行動に指示を出すのは全て法正一人でした。さらに、あそこまで高速回転していた法正がいきなり止まってしまったので。劉備の台詞からして、(やはり法正は無理をしすぎていましたし、曹操といういわば「怪物」の重圧にたった一人で対峙しているので)思考が止まるというか、そういう時が迫っている事に感づいていたようではありましたが、それがあまりにも急すぎた。それゆえあれほどの驚きを見せたのかと思います。

あと孔明の「呼ばれましたか」発言。これは単なる妄想ですが、まず孔明は初め成都で兵站を担当していました。そこに法正からのあの「5軍追加を初めとした書状」が届いた(まあそれ以外にも書状などはあると思いますが)。それを見て孔明は法正の危うさに気付いたのではないでしょうか。またはそれらの書状に孔明の来陣を促す言葉が書かれていたということもあるかもしれません。

孔明が繰り出すのはどんな策なんでしょうか…楽しみです。

No.11550 - 2004/12/19(Sun) 20:33:53

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / つね [関東]
多分、個人的には一番遅いレスです。
今週は蒼天がないというので、のんびり構えてました。(かなりがっくりしたのですが。)

1.スズメ蜂、趙雲
2.法正の限界

うーん、今さら書くことがない。

 法正の「斥候・・・」発言は、私は、「斥候がないと策が立てられないのに、とても戻ってくるのを待っていられない」という、法正の追い詰められた心境を表しているのだと思いました。陳孫さんのご意見と同じですね。劉備の反応は、黒助さんの解説に同意します。
 それにしても、このままでは曹操が(実戦ではない)貫録勝ちになってしまいます。せめて法正の残された(と信じたい)策が曹操を負かしてほしいものです。

No.11551 - 2004/12/20(Mon) 00:36:28

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 英英 [北海道]
またしてもギリギリの書きこみになってしまいました。
この2週間で、不意打ち法正に憤激していた気持ちが随分おだやかになってきてます。
モーニング休刊をありがたく感じたの初めて(^^)

劉備ぃー!!
ばっきゃろー!死んじまったらどーすんだー!って、
どーしてもっと早く法正を止めなかったの(>□<)
「おいらの匙加減で一発」はどーしたっ!?
たのむよ★中華の北斗七星★
こんなに早く法正が倒れてしまうなんて…
かなしいよ法正!惜しいよ!法正!
そして、呼んでないよ!諸葛亮。
思わず定軍山がよみがえって、「またおまえか〜!」と心の声。

ここで倒れた法正が立ち上がり、
「これは私の戦。引っ込んでていただこう、孔明殿」
とでも言ってくれたらなあ…(無茶な)
だって法正!この戦はあなたのものだ!
(まあ可能性としてはホウ統のように、自分の次は孔明殿に…と言いそうですが)

少し経ってからは、劉備に「呼んじゃいねえが…」と言われてしまう諸葛亮が、気の毒に見えてきました。曹操様には相変わらず気づいてもらえない彼だし。
「呼ばれましたか?」と言った諸葛亮の後ろに、実は成都の名医が控えてるかも…と思って、無駄にコマをのぞき込んでみたりもしてました(^^;
孔明殿。まずは曹操様にどんな“おもてなし”をしてくれるのか楽しみに待ちましょう。


>「斥候が誰一人戻ってきません」

これもしばらく考えこみました。
実際に斥候が戻ってきてないのか。
それとも法正の焦りから来る言動なのか。
前者については、少なくとも黄忠に関しては、情報がまだ届いてなくても不自然じゃないはずです。救援に向かった趙雲はいまだ曹操&許猪と戦ってる最中です(趙雲を「なんとうるさく、よく働く奴」と言ってるあたり、冒頭場面からさほど時は経っていない)。
後者について…、法正は斥候には特に厳しそうですね。
「誤報通達者は打ち首ぞ!」だし(笑)。
斥候は正しい情報を粛々と申し述べなきゃダメらしい。
その場面↑、劉備も側にいましたし、法正が焦燥に駆られて言ったのなら、驚くよりむしろ法正の膨らんだほっぺをプシューとつぶしてあげてそうです。
「ここで止まっちまうのか」とは大袈裟な。
でも劉備は法正の奴ただ事じゃねえ!って感じてるんですよね。簡雍も。
私はなんとなーく、法正が限界を訴えてるような感じを受けたのですが、黒助様の「法正が筆を置いている」という着眼点には思わず画面の前で拍手!その後の考察にも感激しました。おかげさまで悶々としてたのが晴れてまいりましたよ。ありがとうございます。
『蒼天考』万歳!!


>まだ出陣式の段階で退場しちゃうと、「法正は本番開始の直前にプレッシャーに負けて倒れた。」みたいな感じになりませんでしょうか。

そうですそうです!!
法正は魔王曹操と戦い、策ではなくプレッシャーに負けた。
そんな印象の描かれ方が残念です。
(次号でそうじゃないと明らかになれば良いのですが)

これまでの場面から、肉体派でタフな軍師だと思ってたのに。
光栄ゲームでも軍師のわりに武力が高いんですよね、法正。
まるでそれを裏付けるように活躍する法正だったのに。
郭淮を探して前線視察。
曹操を見たくて崖登り。
さらに甲冑のまま全力疾走!

けれど…

 意識も無意識も、戦で満たされる至福――という曹操、
 夢も現も一緒くたになり、魔王の夢に冷汗をかく法正。


>「後手には回らぬぞ!」と言ってましたが、もし後手に回ってしまったら脆そうな気もします。

などと自分は<無名の軍師>の回で書いておりましたが、全然こんな結果を予想してたわけではなく、単に戦術的なことのつもりでした。
だったんですが…、血を吐くことないじゃん法正(;-;)


気を取り直して、趙雲はさすが永遠の若人♪
皆様も書かれてるように、魏王はどうも本調子っぽくないですね。
いや趙雲にビビったり許猪に怒られたりしてる殿は可愛いんです。
そういえば普段の殿なら、人材と見こんだ相手ならまず問答をしかけますよね。今回はまだ趙雲と会話すらしていない。。
呂布や張飛にまで「天下とは」「武人とは」たずねてた殿なのに。
趙雲に出くわして人材コレクターの血が騒がないはずがない。


あの…、陳式、まだ戻って来てなかったの?
徐晃に「駄法螺の大将」なんて言っときながら、どこへ?

No.11561 - 2004/12/23(Thu) 23:02:23

Re: 今週の蒼天<奇画策算あり> / 鐸碑
「奇画策算」をGoogleでかけたところ、中国語で法正を紹介しているサイトが多数かかります。

有奇画策算

奇画策算が有ると書いているようです。

詳しいニュアンスは割りませんが、権謀術策を駆使する欺道としての兵法に通じた人物という評価ではないかと思います。堅実な方法論、博打な方法論、相手にとって一番良い方法論とその裏をかく方法と、あらゆる策に通じており、確信を持って博打的な策もうてる軍師って感じですかね。法正。

No.11563 - 2004/12/26(Sun) 00:45:10
初です / 梢統 [関東]
初めて書き込みました。いつも、チェックさせてもらってます。初なのに失礼ですが今週のレビューで法正を劉備が抱くシーンの所が劉備から曹操になっていました。本当に初で無礼ですが気になったので、書き込んでおきます。
No.11526 - 2004/12/14(Tue) 18:37:02

Re: 初です / TATSU@管理人 [関東]
梢統さん、初めまして。

ご指摘、有難うございました。早速訂正させて頂きました。あそこで曹操が出てきたらビックリですよね〜(笑)。これからも誤字脱字等ありましたら遠慮なく教えて下さい。

尚、指摘のついでに「今週の蒼天」スレッドに感想とかを書き込んでくれたら、もっと嬉しいんですが...

No.11540 - 2004/12/17(Fri) 01:09:53

Re: すいません / 梢統 [関東]
イヤー、本当に申し訳ありません。これからは、気をつけて書き込ませていただきます。
No.11559 - 2004/12/22(Wed) 22:08:17
(No Subject) / YOUSUKE [九州]
初の書き込みです。
いきなりで申し訳ないのですが・・・物語考は更新されないのでしょうか? 最近蒼天を集めている自分としては(しかも文庫版)最近の単行本のは良くわからないので管理人様お願いします!                

No.11539 - 2004/12/16(Thu) 22:09:51

Re: 物語考 / TATSU@管理人 [関東]
そうなんですよね〜。管理人的にも気になってるんです。「孫策の躍動」まで書いたところでピタッと止まってますもんね。
今のところは「今週の蒼天」と「キリイラ」で精一杯なんで、連載が終了したら、ボチボチ書き始めようかなー、なんて思ってます。
ちょっと先過ぎでしょうか?

>最近の単行本のは良くわからないので

ん?最近? 最近の考察をご要望でしたら、「連載考」を是非お読み下さい。赤壁の終盤から現在の話に至るまで、管理人並びにサイト訪問者の考察がびっしり詰まっております。

No.11541 - 2004/12/17(Fri) 01:19:14

Re: (No Subject) / YOUSUKE [九州]
素早い返信ありがとうございます。
自分はまだ文庫版集め終わってないので気長に待っておこうと思います。

あと最近の単行本は・・という、ところは、「最近の単行本はわからないので古いのを書いてください」という事です。(わかりにくい説明をして申し訳ないです)  

No.11544 - 2004/12/17(Fri) 19:43:45
王者の肖像 / TATSU@管理人 [関東]
お待たせしました〜! リクエストの袁紹、できました!!
本当は昨日、イラストは完成したのですが、描き上げた時点で力尽きてしまい、サイトにUPする気力が無くなっておりました。本日なんとかUPでき、ほっとしております。
唄っていいですか?


♪ さあ、祝おう。 イラストが出づる時を ♪
♪ さあ、狙おう。 カウンターに向かって、キリ番の数を ♪


ということで、に〜やんさん。TOPと描画考(MY GALLERY)に飾ってありますので、右クリックしてお持ち帰り下さいませ。

No.11459 - 2004/11/24(Wed) 23:09:20

Re: 王者の肖像 / カアン [四国]
すばらしい出来だと思います!
大変だと思いますががんばってくださいね!でもがんばりすぎないでw

ちなみに肥満後の袁紹を管理人様の思うように思わせるのは、やはりGONTAワールドなのでしょうか・・・。

No.11461 - 2004/11/25(Thu) 22:27:07

ありがたき幸せに御座います! / に〜やん [関東]
管理人様、皆様こんばんは。昨日就職が決まった(私事でスイマセン)に〜やんです。
素晴らしきキリイラ有り難うございます!。早速壁紙にしてみようと思ってます。
リクエストの時チョット言葉が足らなかったですね。管理人様のお察しのとおり「肥満する前」です。
私も実はあの袁紹の変貌には不満を持っているうちの一人です。
「からかい尽くされた後、必ずや死に至る」を楽しみに!?していたのに・・
ではあらためて、管理人様お忙しい中ホントに有り難うございます!

No.11462 - 2004/11/26(Fri) 00:09:33

Re: 王者の肖像 / 如月 雪
TATSU様、皆様こんにちは。如月 雪です。

鎧を着た袁紹イラストを拝見しました。鎧の細かさに脱帽です。

>傲岸不遜にして自信家・意に添わないと鼻血噴き出して怒るような頑迷な男

肥満前の袁紹は、漢(オトコ)っぽい感じが少し残っていたのに・・・
自信過剰や頑迷さが災いしてしまったのか、「お坊ちゃま」と呼ばれる‘育ちの良さ’みたいなのが抜けきれぬまま福々…ブクブクと歳を重ねてしまったのでしょうね。

に〜やん様、初めまして。キリ番ゲット&ご就職おめでとうございます!!

>♪ さあ、狙おう。 カウンターに向かって、キリ番の数を ♪

このフレーズに勝手にメロディを付けて、又キリ番を狙おうと考え中です(笑)。

No.11464 - 2004/11/26(Fri) 16:18:52

Re: 王者の肖像 / 黒助 [関東]
こんにちは。TATSU様、イラストの更新お疲れ様です。
蒼天袁紹ファンの一人としてこの日を楽しみにしてました。
派手な鎧と彼の気取った自信ったっぷりの態度がとてもマッチしてます。

に〜やんさん、初めまして。
キリイラの選択を読んだときから「ナイスチョイス!」と思ってました。
就職決定おめでとうございます。

官渡決戦は蒼天でも思い出深い大戦の一つです。
心地よい鈍感さをもち、敗北を敗北と見せず、捉えず、全ての出来事を吉事と捉え日々膨らんでいく彼の強さは誰よりも蒼天曹操の認めるところでした。
蒼天袁紹って自信家でエリート意識が強く、些細なことですぐに腹を立てる男でしたが、実は意外なほどに辛抱強くそれらに耐え常に踏みとどまっているんですよね。
私は彼の思考方法って、一つの究極の救いの形のように思います。
世に起こる出来事をありのまま是と捉え、必ず陽の側面を見出し、変に執着せずに常に前を見て進んでいく。
これはとても難しいことであり、些細なことに揺れる自尊心をまさに鼻血を出しながら踏ん張る精神力が必要でしょうが大きな苦難を前にした時、このような考え方は生き、成長する活力を生む強い武器となりえ、私には強く共感するものがあります。

ただこの考えが究極まで行き着いてしまうとどうなるのか。太った袁紹はそれを見せてくれたように思いました。
彼は吉事の象徴となり、強烈なカリスマを放ちます。「王者の更新」の時の配下の目はいわば信仰に目覚めたものの目に近い輝きを放ちます。
しかし、その結果、完全に苦を苦と感じない境地に達した彼は既に全ての物事に執着を感じない神のような人間となっていました。
彼の目に映ったのは現実の戦況でも配下のがんばりでも息子たちの争いでもなく、神格化された過去の英雄たちのみだった…。

私は袁紹のこの人間ならざる境地をこそ、最も人間らしい蒼天曹操は「醜悪な姿」と言った気がします。
官渡決戦付近でキーワードとなった心の闇とはつまり、コンプレックスであり、理屈では割り切れぬ執着です。そしてこの執着こそ、良くも悪くも人を人たらしめている中核です。
この執着の持つエネルギーって本当にすごいと私は思います。
例えとして良いかわかりませんが、仕事でもスポーツでも「人を蹴落としてでも儲けたい」、「ずるしてでも絶対に勝ちたい」と考えるほどの執着を抱く人って「いい仕事がしたい」、「最高の真剣勝負がしたい」とだけ思っている人には持ちえないある種のパワーを持ちますよね(もちろんどちらがいいとはいえませんが)。
このパワーってうまく表現できませんが、いわばあの時の死体のオブジェが放つ強烈なオーラのようなものでしょうか。まさに人のもつ狂気と偉大さって紙一重ですよね。

苦を苦として苦しみ、悲を悲として悲しみ、人に、才に、美に、利に、欲に、性に、死に、そして生に執着する曹操が極限状態で人間の生きる本能のみを開花させた兵たちを率いてその『激情』によって神を目指した袁紹を破ったあの官渡決戦は「人は人として生きるからこそ輝くのだ」との蒼天曹操の強烈な咆哮だったんではないでしょうか。
正直、今現在のわたしには袁紹にも曹操にも惹かれる部分があります。

とっても抽象的な話を長々とすいません。
とにかく当分はTOPページでTATSU様の袁紹のイラストを楽しむことが出来る幸せをかみ締めさせてもらってま〜す。

No.11467 - 2004/11/27(Sat) 02:52:45

Re: 王者の肖像 / kazz [東北]
キリイラUPに祝辞を。
TATSU様、お疲れ様です。

覇気に満ちた袁紹。カッコイイっす。
そして線のシャープさ、鎧の細かさも相変わらずでスゴイ素敵な画ですね。

蒼天袁紹は「自分は王に成るべき存在として生まれてきたのであって、それは運命なのである」と信じて疑わなかったはずです。一種、盲信とも言えるほどに。
でも、それは人間にとって「強さ」に他ならないんですね。“自分が正しい”ということに疑いを持たないってことはすごく強いことなんです。ブッシュさんみたく。
曹操はそのことを知っていましたよね。心に闇を持たないものは時と共に強くなり続ける、そのような意味合いのことを言っていました。
蒼天曹操と蒼天袁紹は幼馴染以上のモノ、例えるなら親友って言っちゃってイイくらいの関係だったと思います。官渡戦においてゴンタ先生は徹頭追尾、曹操という個人と袁紹という個人のコントラストを主題にしていたような気がします。
大きな尊厳の元、戦すらオメデタイものとして敵であるはずの曹操ですら将来の才として見、最後には形而上世界で自分と向き合うことしかしなかった王・袁紹。
ソレに対して、あくまで戦は殺し合いであり、袁紹という男を幼き日の思い出を内包したまま、その上で敵として断じた人間・曹操。
黒助様仰るところのコンプレックス、これを知らない者は強い。ですが勝ったのは友人を屠ることの悲しさを知っている曹操でした。

ところで、あの戦の描写で何故わざわざ兵卒の数を減らすような戦い方をさせたのか読んだ当初は納得いかなかったんですが、孫子の兵法にそれを連想される一文を発見して妙に感心した覚えがあります。

いや、長駄文失礼しました。

No.11468 - 2004/11/27(Sat) 03:37:24

Re: 王者の肖像 / TATSU@管理人 [関東]
に〜やんさん、喜んで頂いて何よりです。そしてカアンさん、如月 雪さん、黒助さん、kazzさん。感想ありがとうございます!
最後は袁紹談義が花開いたりして、なかなか面白かったです。

またイラストを描いた折には、色々と感想・意見を聞かせて下さいませ〜。

No.11471 - 2004/11/28(Sun) 21:17:20

Re: 王者の肖像 / RYU [東海]
遅い投稿を平にご容赦下さい。

>世に起こる出来事をありのまま是と捉え、必ず陽の側面を見出し、
変に執着せずに常に前を見て進んでいく。
このような考え方は生き、成長する活力を生む強い武器となりえ、
私には強く共感するものがあります。>
黒助さんのご意見に賛同です。
世の中のあらゆる事象を「陽」と捉えられる事は一種の救いであると思います。

ただ、自分的には、「陽」が必ずしも「光」として描かれていないのでは、とも思いました。
袁紹は「陽」のみに行き過ぎた戦略をとった事が、彼を緩慢な統率者たらしめ、
家臣団・兵卒の気の緩み、軍団の弱体化をもたらし、ひいては敗北を招いたと思います。
また、戦とは元来が命を懸けたぶつかり合いであり、
曹操にとっては陽のみに彩られた「王道」が一種の詭弁・詐術に感じられ、
「戦はそんなものじゃないぜ、袁紹」と大きな違和感を持ったのではないかと思いました。
麗句で祝福され、美装を纏った軍隊も戦ともなれば殺し合いを厭わないではないか、と。
いずれにせよ、kazzさんの仰るように
>曹操という個人と袁紹という個人のコントラストを主題にしていたような気がします。>
であり、袁紹が楽天的なオポチュニストであるならば、曹操は冷徹なリアリストであり、
両者は対極に居たのではないかと思います。

>官渡決戦付近でキーワードとなった心の闇とはつまり、コンプレックスであり、
理屈では割り切れぬ執着です。そしてこの執着こそ、
良くも悪くも人を人たらしめている中核です。>
野心・野望とも言えるでしょう。
「陽」のような前向きさ・プラス思考だけでなく、
劉備・孫策のような野心ある者達こそが、曹操にとっては難敵であった
のかも知れません。それ故に曹操は袁紹を恐れなかったのではないでしょうか。

青州兵達の袁家臣らに対する異常なまでの敵愾心には、
コンプレックスがあったと思います。
開戦前の荀?ケが語る袁家とは、「腐敗した漢朝の生き残り・流れを汲む階級の人々」であり、
青州兵達は、「漢朝に叛旗を翻した貧しい民草達の生き残り・子孫達」であり、
深い憎悪の裏には、感極まるものがあったのでしょう。
彼らの重々しさ・心の分厚い衣にはそれ相応の根があるのでしょう。

曹操が試みた兵卒達の力を引き出す戦法。
あのあたりが非常に好きですが、曹操は兵卒を「人」として見て、
人としての力を輝かせ、なおかつ10倍の敵を相手にした戦いにも一歩も引かない
精神レベル→勝利まで持って行ったのが尋常ではないと思いました。
七人の侍達とその他の農民で、50人の野武士を打ち倒す映画もあり、
10人の部族が200人の部族に勝利する神話もあるそうで、
蒼天の官渡からはそれらに近いものを感じました。

No.11534 - 2004/12/16(Thu) 01:26:20
ご報告♪777,777頂きました♪ / 胡音 [関東]
初めまして。胡音と申します。
キリ番[777,777]を踏みましたのでご報告します。
この訪問数、沢山の方が楽しんでいらっしゃるのですね。
私も質の良い充実したサイトに出会えて楽しみが増えました。
初訪問ゲストブックには書込みさせて頂いたものの
メイン掲示板へは初参加。
新参者ですが宜しくお願いします

No.11494 - 2004/12/05(Sun) 00:49:47

Re: ご報告♪777,777頂きました♪ / TATSU@管理人 [関東]
胡音さん、初めまして。キリ番おめでとうございます&申告ありがとうございます! "質の良い充実したサイト"なんて褒めて頂いて光栄です!!

胡音さんがGuest Bookに書かれた、『主役級はもちろん、他作品では脇に回り、存在感も薄くなりがちな軍師・武将一人一人が魅力的に息づいていて、1800年の時の隔たりを忘れてしまいそう』というのは管理人も激しく同意でございます!

さて、キリ番ですが、当サイトでは3つの特典(?)があるのです。

1.記念にHNをご希望のアイコンと一緒に掲載させて頂きます。下記gillさんのサイトに行ってお好きなアイコンを選んで下さい。
http://www.geocities.co.jp/Colosseum-Acropolis/4079/sangokushi/icon.html


2.願い事が叶うと(管理人の中で)有名な神龍に願いごとができます。アイコンと一緒に「願いごと」をこのスレに書き込んで下さい。


3.稚拙ながらもイラストを描かせて頂きます。描いて欲しい蒼天キャラの『 名前 』 をリクエストして下さい。リクエストは" 名前 "でお願いします。" シーン "のリクエストは管理人が画力無き故、ご勘弁下さい。
過去のリクエストは描画考「MY GALLERY」のキリ番イラストをご参考に。同じリクエストは避けて頂くと嬉しいです。


以上、宜しくお願いしまーす。

No.11498 - 2004/12/05(Sun) 23:22:48

Re: ご報告♪777,777頂きました♪ / 胡音 [関東]
それでは、お願い致します。
1.荀?ケ
2.曹操、荀?ケ、そして周瑜をも満足させられる様な
  音楽を奏でる事ができる様になりますように。
3.趙雲

リクエストに悩むなんて意外でした。候補多過ぎますー
現蒼天で活躍中の蜀軍、三国志の王道・五虎将軍(ちょっと大変そう)
は壮観でしょうし、容姿端麗を彷彿とさせる渋めの荀?ケなんてもう一度
見たくて仕方ないですし。
最後まで迷ったのは法正。曹操マニア(?)では、とのご意見が
ありましたが、全く同感です。うきうきと崖をよじ登り曹操を垣間見て
どきどきしているシーンなど偵察と称してその実ストーカーと
化している追っかけではないかと見紛う程。くすぐられます・・・
寝食を取らず対曹操戦に没頭している法正には申し訳ないのですが、
毎度いい感じの面白さで楽しませてもらっています。
今号を読んでいなければ迷わず法正でしたが、やはりラストの
単騎斬込みシーンが決定打でした。
あのミスター・パーフェクト、趙雲を忘れてはいけません。
管理人様の過去のギャラリーを遡っても不思議な事に未掲載ですし。
できましたらこれぞ趙雲というべき若々しい勇姿で登場してもらえると
嬉しいです。若々しい→年代は問いません。定番のイメージなので。
(管理人様のご指摘通り私も髭が無い事気になっていました。
が、トリオだったなんて・・・若人トリオのリクエストも有りだったのですね。)
それからこちらも定番、阿斗のおまけですが有無は問いません。
むしろ無くても・・・お任せいたします。
にしても趙雲は老境に入っても、そして寝姿も好漢ですね。

考察からかけ離れた内容で長々とすいません。
思いがけず楽しい悩みでしたので。
師走に入りお忙しい時期に恐縮です。宜しくお願いします。

No.11507 - 2004/12/07(Tue) 00:51:44

Re: ご報告♪777,777頂きました♪ / TATSU@管理人 [関東]
了解です〜!
なかなか面白い文章を書かれる方が、また一人現れて嬉しいです。今週の蒼天にも是非何か書いてください。

アイコンと願いごとはUPしときましたので確認下さい。HNや願いから察するに、何か弦楽器をやられるのでしょうか?

リクエストは、ミスター・パーフェクト、別名スズメ蜂将軍ですね!かしこまりました。描きたかったキャラの一人です。
では、年末年始の休みにでも作成しますので、期待しないで待ってて下さい(笑)

No.11519 - 2004/12/13(Mon) 23:32:31
今週の蒼天<手負いの老将> / TATSU@管理人 [関東]
いよいよ漢中戦が動き出しました。開戦の契機となったのは、定軍山に続き、『“再び”の火蓋をきる男 』 でしたね。

冒頭の欄外のコピーは、「血気に満ちた老将・黄忠の決断! 拮抗する戦況が、かすかに波立つ。」でした。そして末尾の欄外コピーは「曹操軍"沈黙の包囲網"! 黄忠の起こした波紋は趙雲に及ぶ。」

黄忠から趙雲へと伝播した戦況...。そこらへんの推移も考察しつつ、今週もじっくりレビューさせて頂きます。

No.11499 - 2004/12/05(Sun) 23:33:09

今週の蒼天<手負いの老将> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

夜の趙雲陣営。幕舎で眠る趙雲は、自分の名を呼ぶ声に目を覚ました。

兵卒が、帷幕の軒に掛けてあった手紙を趙雲に手渡した。それは黄忠からの信書であった。
そこには、“曹操軍の輸送部隊を発見したので奇襲をかける。ついては趙雲軍に編入された黄忠軍兵士の内、50名を借用したい”と記されていた。
趙雲は事態を法正に知らせるよう兵士に告げた。趙雲は剣を手に取り考えた。輜重隊といえど曹操軍である。50騎では少な過ぎる。と。

          ***************

早朝の蜀軍本営。趙雲からの急報が法正幕舎に届いていた。

“黄忠の掴んだ情報は怪しい”と感じた法正は、傍らで筆を取る張翼に、趙雲と連携し、黄忠を援護するよう命じた。
すかさず筆を置く張翼に、與地図は写せたのか?と法正は尋ねた。張翼は答えた。「刻み込まれた策略はすべて。」と。

上着を脱ぎながら、張翼は策略の刻み込まれた與地図に目を落とした。“それにしても、これほどの才気を、よく劉璋配下では隠し通せたものだ。”と張翼は感じ、それを口にした。
隠す?それは違う。と法正は否定した。
「いかなる人物の信を受け、何者と戦っているのか? 今、何が私に考えを巡らせ策を生ませているのか?」
法正は書に策略を記しながら語った。
「この衝動。 衝動が私を深化させている。」

−人が生み出すものを理解し、評するだけでは、たどりつけぬ領域か。−
與地図を手にして、張翼はそう感じた。

          ***************

黄忠奇襲部隊は眼下に、渓谷を進む輜重隊を発見していた。

「よいか!甲軍は前の100輌を略奪!乙軍は残りに火を射かけ撤退せい!」
そう指示すると、黄忠は矢を番(つが)えた。激痛が黄忠の脇腹を走った。意に介せず黄忠は次々と強弓を放った。その矢は、驚異的な破壊力と正確さを以って、岸壁に生える大木の根元を破壊した。
輜重隊の頭上に崩れ落ちる大木と巨岩。蜀軍輜重隊は完全に分断された。
しかし、黄忠は逃げる御者達の動きに不穏なものを感じた。目を凝らす黄忠。輜重隊の後方には弩弓を構える兵士達と手招く杜畿の姿があった。

「おまえ達を趙雲殿に返す!伏兵に注意を払い、来た路(みち)をひき返せい!」
黄忠は急遽(きゅうきょ)撤退を決意し、そう叫んだ。兵士の一人が、あなたは?と慌てて聞き返した。
「ああ、手柄を探しに一人旅じゃ!」
不敵に笑うと、抑止する兵士の声より早く、黄忠は敵軍めがけ断崖を跳躍した。

          ***************

「無茶よな〜。」
劉備がうな垂れていた。おいらがもうちっと気を配ってりゃなあ。横に張り付いて見張ってりゃなあ。と、劉備は後悔しきりであった。隣で簡雍も同意していた。劉備は法正に語りかけた。
「これで駄目になっちまうかもしんねえんだろ?前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手...」

背を向けた法正から反応が無かった。不思議そうに簡雍が法正の名を呼んだ。
法正は、ふいに返答した。蜀軍の兵糧は、諸葛亮が万全の対策を整えている為、心配に及ばない。と。そのちぐはぐな回答に簡雍は、眠ってたのか?と尋ねようとしたが、劉備に口を覆われた。
書面に向かい、法正は筆を滑らせながら続けた。
「前線の策は問題ありませぬ。黄忠殿の動きに合わせ修復しました。」

劉備は法正の背中を見つめ、心の中で語りかけた。
−おめえ、ろくすっぽ眠ってねえんだろ?
夢も現(うつつ)も一緒くたになって、実際の何十倍もの戦を戦っているんだろ?−
法正は筆を動かし、何事かを一心不乱に記していた。劉備は思った。
−だけど、これが曹操と戦(いくさ)をするってことだな。
  今、まさしくあの曹操と策と策でやり合ってんだな。−

          ***************

「罠だったか?」
奇襲部隊の兵士に、馬上の趙雲が尋ねていた。奇襲部隊の帰路に伏兵が潜んでおり、同部隊はそれを斬り抜けて生還していた。
「よく戻った。だが君たちは、法により処断されねばならぬ。」
趙雲は告げた。その言葉に、承知しております。と先頭の兵士が俯(うつむ)いて拱手した。
「その前に、殿(しんがり)に、つき従え。」
趙雲は、連れて来た自軍に襲撃隊を再度編入した。喜色を浮かべる襲撃隊兵士達。趙雲が黄忠救出に向かうと思ったのである。それを趙雲は否定した。
「我らはすでに敵陣の中だ。」
山道の林に無数の軍隊が出現し、趙雲軍を包囲していた。その一角を見つめ趙雲が呟いた。
「しかも、率いておるのは曹操自身。」
趙雲の視線の先に、馬上の魏王がいた。趙雲は叫んだ。
「丑寅(ちゅういん)の砦にゆく!直ちに退却だ!」

魏王は驚きに目を見開いた。
ふいに趙雲が単騎、自軍に突進してきたのである。



【REVIEW】

●扉では馬上の曹操が妖怪の如き容姿となってました。キャッチコピーは、
−深化する軍師・法正。 その先の深淵こそ、逢魔が淵!−
でした。扉の曹操は、「法正が、”逢魔が淵” で出会った怪物。」といったところでしょうか。

ところで、先週の投稿で、『偵察のシーンは、どこまで現実でどこから夢だったんでしょうか?』というのがありました。管理人的には、あれは全て現実に起きた事で、“法正はその出来事を再度、夢で思い起こしている”のだと思ってました。実は夢オチで、“偵察のシーンは全て法正の夢想(現実には起きていない事)だった” では、不自然ですからね〜。

でも、今週の扉とコピーを見て、最後に「曹操が法正を見てニッと笑う」ところだけは、夢オチだったのかなー、という気がしてきました。つまり法正は前線に斥候に出て、遥か遠くの曹操を見ただけであったが、夢の中ではその曹操が、こっちを見て“怪物の笑い”を浮かべていた。というような...。あの笑みの部分だけ、法正の“心象風景”が投影されたのかもしれません。

●黄忠の“軍規に違(たが)えた行動”。
それは、趙雲の軍から、50名だけ兵士の返還(借用)を受け、敵の輜重隊を襲撃することでした。もっと凄まじい事をするのかと思ってたんで、以外に地味な行動だったんだなー、とか思いました。
でも、考え直してみたら、敵補給線を断つことは重要ですし、あんまり無謀な行動に出たら、法正の周到に張り巡らした策がぐちゃぐちゃになっちゃいますもんね。黄忠は黄忠なりに、軍規に違反するとしても。極力味方に迷惑をかけない方法で、戦線復帰しようとしたのかもしれません。 故に50騎しか借りなかったのかも。

ところで、趙雲は鬚は無いのですが、オデコのシワが目立つという年齢不詳のキャラになってきました。なんか"永遠の若人(わこうど)"って感じですね。
でも、趙雲・周瑜・馬超って他の三国志ものでも鬚の無い場合が多いです。三国志・若人トリオとでも言いましょうか(笑)

●張翼なんてキャラが出てきました。知りませんでした。
蒼天では“法正の教え子”的立場の将のように感じました。気になるキャラなんでちょっと調べてみましたら、張翼が活躍するのは曹操や劉備の死後でした。でもこの冷静で利発そうな雰囲気から言って、まだ漢中戦で活躍の場がありそうな気がします。

●「これほどの才気。前政権下では、よくぞ見事に秘しておられたものです。」と、張翼は告げます。「秘す?それは違う。」と法正は答えます。「いかなる人物の信を受け、何者と戦っているのか? 今、何が私に考えを巡らせ策を生ませているのか? この衝動。 衝動が私を深化させている。」

この台詞は考察の価値がありますね。
俺は劉璋配下で能力を隠していた訳ではない。俺という人間が劉璋配下の時より深化したのだ。と法正は言ってる訳です。それはある衝動によって深化したのであり、その衝動とは、

1.「いかなる人物の信を受け、何者と戦っているのか?」 つまり、『劉備という“類(たぐい)稀無い英雄”より信頼を受け、曹操という“時代を超えた傑物”を相手に戦っている。』という意識でしょうね。
2.「今、何が私に考えを巡らせ策を生ませているのか?」 これは色々と解釈ができそうですが、管理人的には「無名であった自分が、歴史に名を刻むような仕事を為せる」という可能性が、法正に様々な考えを巡らせ、策を生ませている。というふうにとりました。

平たく言えば、歴史に名を残すような男の信頼を得て、歴史に名を残すような男と戦うことができる。そのことによって自分も歴史に名を残すような業績が残せる。この強烈な“やり甲斐” “衝動”が、法正という人物を深化させたのではないでしょうか?
即ち、凄まじいまでのモチベーションが、法正を深化させたのだと管理人は考えます。

現代に置き返れば、ダメな上司のもとで、たいした同僚(ライバル)もいない状況で、つまらない仕事を与えられていた男が、突如転職。会社に影響力を持つような上司のもとで、優秀なライバルに囲まれ、思いっきりやり甲斐のある仕事を任されて、凄まじい能力を発揮し始めるようなもんでしょうか?
ちょっと無理矢理な例えだったでしょうか(笑)

●噂に高い「黄忠の弓」。今まで黄忠が弓矢を使うシーンはありませんでしたが、今週は凄まじい破壊力を発揮。大木を薙ぎ倒してました。ついに出たっ!て感じですね。
でも、「弓の名人」と言うのは演義の創りで、正史にはそんな記載はないんですよね。このシーンは、ちょっと読者サービスも入ってたような気も...。

ちなみに黄忠を手招いていた輜重隊隊長は杜畿でした。前回の曹操の漢中攻めでは 『兵糧の調達・輸送を担うは兵站のスペシャリスト、河東郡太守・杜畿』 ってナレーションが流れてましたが、今回も兵站は杜畿が担当してたんですね。さりげなく1コマだけ登場させるあたり、芸が細かくていいです。

●「ああ、手柄を探しに一人旅じゃ。」
その言葉を最後に、黄忠は単騎で敵に突っ込んでいきます。ちょっと開き直ったような、挑戦的にして悟ったようなこの台詞。黄忠の死生観が滲み出てるような感じがしました。「妻子はすでにこの世に無く、何ひとう失うものなきこの身。お情けを賜るならば、戦(いくさ)の死を賜りたく!」と懇願していた黄忠。思うに黄忠は死に場所を求めていたのかもしれません。

で、この後、黄忠はどうなったんでしょう? “討ち死に”ということになるんでしょうか?
次のシーンの劉備と簡雍は、黄忠が奇襲部隊を連れて出ていったのを嘆いているだけで、「その死を悲しんでいる」ようには見えませんでした。さらにその次の趙雲と奇襲部隊が合流するシーンでは「黄忠救出」が話題になってましたから、まだ生死不明なんでしょうね。史実では黄忠の死は...とか書くとネタバレになるかもしれませんし、興を削がれるでしょうから書きません。

で、ちょっと分からなかったのは時間軸です。今週の各シーンを順番に追うと、
1.寝てる趙雲に手紙→夜
2.法正幕営に趙雲より急報→早朝(明け方)
3.黄忠軍、輜重隊発見→日中
4.劉備・簡雍が嘆き、法正は居眠り→夜
5.趙雲軍と奇襲部隊合流→日中
となっています。そうなると、3と4の間で1日経っているようであり、1日経っても黄忠の生死不明というのは不自然のような気がします。もっと変なのは4と5の間で、更に1日経ってるようになってることです。2日も経ってから趙雲が奇襲部隊と合流し、黄忠救出云々と言ってるのは、どう考えても変ですよね。
矛盾を解決するのは1つ。4のシーンが日中であれば全て1日の間で起きたことになるので解決します。と、いうことで単行本では4のシーンを日中に変えることを管理人は提唱します。

●「なあ法正。これで駄目になっちまうかもしんねえんだろ?前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手...」
黄忠が軍規を違えて輜重隊を襲うと、なんで“前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手”が出来なくなっちゃうんでしょう? 黄忠の代りとして趙・張・馬の誰かを前線から退かさせねばならないからでしょうか?でも黄忠は、もともと“成都に帰して静養させる”予定でしたから、戦力に入れてない筈ですし...。まあ、このあと法正が「前線の策は問題ない。黄忠の動きに合わせて修復した。」と返答してるのでいいんですがね。
“前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手” 是非拝見したいものです。

●法正は床に突っ伏して寝てました。こんな格好してたら、声かける前に、こいつ寝てるな!って分かりそうなもんですがね。時々法正は床に突っ伏したような格好で書き物をするんでしょうか?
いずれにせよ法正は、ろくすっぽ眠りもせず、夢も現実も一緒になって、実際の何十倍もの戦(いくさ)を戦ってるそうです。まさに命を削って職務に没頭してるような感じします。
現代でしたら労災認定間違い無しですね。

「夢も現実も一緒になって」ってところは、先週の“曹操のニッと笑うところ”なのではないでしょうか? もしかしたら今週の扉みたいなシーンも悪夢として見てるのかもしれません。

●引き揚げてきた黄忠の奇襲部隊と趙雲の救出部隊が林道で出会います。
「帰路にも伏兵が潜んでいました。」と奇襲部隊の兵卒が拱手して報告します。でも奇襲部隊の面々は、傷を負っているようには見えず、鎧も汚れていないし、疲労しているようにも見えません。「よく戻った。」と趙雲も声をかけてますが、管理人的にも輜重隊は囮部隊で、最初から奇襲を見込んで伏兵を配置してあったのなら、よく無事で戻ってこれたなー。と感じました。逆に言えば、魏軍にしては手抜かりがあったのかなーと。

でも考えるに、これも曹操の策だったんではないでしょうか? つまり曹操は奇襲部隊をわざと逃がし、「救援に来た蜀軍」あるいは「帰りついた敵の砦」を襲うために、奇襲部隊あとを密かに追尾してきたのではないでしょうか?言わば「小魚を泳がして、大魚を釣る」作戦ですね。
だとすれば、これは大成功ではないでしょうか?何しろ趙雲軍を発見できたのですから。

ただ、曹操の誤算は、釣れたのが大魚どころか鮫か鯱のような大物で、なんと自分目がけて噛みついてきたってところでしょうか?

●単騎で曹操めがけ突っ込む趙雲。これは味方の退却を容易にする為、自らが囮になって曹操軍を掻き回そうとしてるんでしょうか?あるいは「曹操の首を獲るのにまたと無い好機」という夏侯淵ばりの発想により、命を賭して特攻を開始したんでしょうか?
長坂の時のような絶妙の馬術がまた披露されることを望みます。

さあ次号、趙雲ファンは必見!!

No.11500 - 2004/12/05(Sun) 23:59:19

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / 岳飛
>「なあ法正。これで駄目になっちまうかもしんねえんだろ?前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手...」

趙雲を黄忠に救出に行かせる為に、駄目になるのではと劉備が心配したのだと思います。

>曹操の誤算は、釣れたのが大魚どころか鮫か鯱のような大物で、なんと自分目がけて噛みついてきたってところでしょうか?

誤算では無いと思います。大物がかかればそれに越したことは無いのでは?趙雲の超人的な活躍を耳では聞いていても実際に見ていない曹操には実際の目でみる機会でもあるかと(笑
なんにせよ、傍らに侍っている男と趙雲が戦うのかと思うと胸が躍ります

No.11501 - 2004/12/06(Mon) 00:24:15

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / 陳孫 [関東]
TATSUさん、今週もお疲れ様です。
今回の話で私が注目したのは、法正の、

>「いかなる人物の信を受け、何者と戦っているのか?」

というところです。
私はここで、かつての周瑜を思い出しました。
確か劉備が孫権に対し、周瑜の立場を語った時、孫文台が健在なら、あるいは曹操の幕下なら、まだ一介の将に過ぎないと言っていました。
それが孫権の信を受け、曹操と戦うために心身をすり減らして大戦を指揮していました。
法正の場合とは若干立場が違うと思いますが、「いかなる人物の信を受け、何者と戦っているのか?」という点で共通していると思います。
ただの偶然かもしれませんが、周瑜の場合はそれが寿命を縮めたようですし、そしてこの漢中戦の後に法正は・・・

もう一つ、杜畿がまた出てきましたね。
前回は趙儼が出てきたと思いますが、涼州掃討・関中復興組の重要人物がまた活躍するようで嬉しいです♪
張既・杜畿・趙儼・鄭渾・徐奕らの行政の成果が、この漢中戦でどう発揮されるかも楽しみです。
もしかすると、龐悳や成公英などもまた出番があるんでしょうか?

No.11502 - 2004/12/06(Mon) 14:41:03

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / ツァオツァオ [関東]
龐悳,是非是非活躍させて欲しいですね。

少し前に某チャン・イーモウ映画を見たせいか、張翼がアンディ・ラウに見えてしまい、つられて今週の趙雲は金城武に見えてしまいました。。。
微妙に似てません?

また浅い感想で失礼しました。罰として天下あと10周して参ります…

No.11503 - 2004/12/06(Mon) 21:37:37

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / おかゆライス [東北]
しょっちゅう覗いてますが、参加するのは久方ぶりでございます。

>「なあ法正。これで駄目になっちまうかもしんねえんだろ?前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手...」
これについては、私は岳飛さまと同意見です。
シーン順だと管理人さまが挙げられた通り1〜5の順ですが、時間軸だと4と5が逆になるのではと。
そうすれば1日の出来事として繋がり、「これで駄目に〜」もしっぽりくると思うのですが如何でしょう。

黄忠の弓、スゴイです。放った3本がそれぞれ別の根に命中してます。お年を召してる割に、目は人並み以上でしょうか。

趙雲の行動についてですが、「黄忠殿の救出にはゆけぬ」「ただちに退却だ」発言から退却するものだと思っていたのですが、曹操の表情と欄外のコピーからすると、やはり曹軍に向かっていったのでしょうか。
だとすると、趙雲に ”王として ”と意識はないにしろ、夏侯淵の影を感じずにいられないのですが・・・




扉絵の曹操、コワイです。満月でも見ちゃったんでしょうか。

No.11504 - 2004/12/06(Mon) 22:09:56

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / アベール
張翼「人が生み出すものを理解し評するだけではたどりつけぬ領域・・・・か」
29巻の蒼天ノートに「法正はわずかな怨みにも必ず報復した」とあります。勝つ。必ず勝つ。絶対に勝つ。その勝利への執念深き性格が法正の衝動を生み出しているのでしょう。

今週の黄忠を見て思い出すのは曹操の詩「老キレキに伏すも志千里にあり、烈士の暮年壮心やまず」
趙雲を見て思い出すのは孫策の言葉「理で割り切れぬものがひしめき沸き立っておるのが乱世ならば、乱世を打ち砕くのはこのたぎる心ではないか」この場合理解できぬのは曹操の存在。
魏王・曹操が突如現れてもたじろかず突っ込むのはさすが「満身これ肝」

No.11505 - 2004/12/06(Mon) 22:23:14

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / Homicide
>夢も現(うつつ)も一緒くたになって、
>実際の何十倍もの戦を戦っているんだろ?
私は、管理人様とは逆で、劉備のこの言葉で、先週の「夢オチ」の描写は、その前のシーンのすべてが法正の夢だった、という確信を得ました。と同時に、夢「オチ」という印象もなくなりました。夢の中で戦うことは、現実に戦うことと同等のもの。劉備がそれを察してやらなかったら法正も浮かばれませんが、それを察する劉備だからこそ、「いかなる人物の信を受け…」に繋がってくるんでしょうね。

>法正はわずかな怨みにも必ず報復した
史実にも、法正は、性格が悪いというか、他罰的というか、ねちっこいというか、平たく言うと「嫌な奴だった」という旨の記述があったと思います。そんな法正の態度を、臣下の誰かが劉備に告げたのですが、劉備は「法正にはその短所を補って余りある才がある」とのことで、それで法正を咎めることはなかった、と記憶しています。

>張翼
南方遠征は、史実ではこの人がやっていて、それをモデルにして、演義では孔明がしたことになっている(孟獲を7回放つ話)と記憶しています。蜀軍において、姜生らとともに、物語の後半を彩るキャラですが、蒼天ではどのような活躍をしてくれるのか。同世代(だと思う)郭淮も優れた才ある若者として描かれていたので、張翼にも期待です。

>趙雲の行動
状況を鑑みても、魏軍に単身突撃ではなく、退却だと、私も思ったのですが、次週で明らかになるでしょうね。

No.11506 - 2004/12/06(Mon) 23:14:53

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / 文月 [近畿]
どうも、こんにちはです。

今週の扉絵の曹操、本当に怖いです…。(滝汗)
小さい子が見たら間違いなくトラウマになるでしょうね…。
法正が大量の寝汗を掻くのもわかります。

本編では、まず冒頭の趙雲の寝間着姿に心惹かれました。(←オイ!)
趙雲は寝るときは冠は外すのですね。そして髪は艶やかなウェービーヘアー。
(いきなりミーハーな感想でゴメンナサイ…。)

黄忠のお爺さんは蒼天でも弓の名人のようですね。
そういう設定があるなら、今は亡き夏侯淵様と弓術勝負して欲しかったなあ…。
でも、その夏侯淵様がこのお爺さんに負わせた傷は決して浅いものでは無いでしょうから、この傷がこの後どう影響してくるのか、淵様の仇(の一人)とはいえ少々心配ではあります。
だから単身突入なんてそんな無茶しちゃ駄目だ、お爺さん!!

それから、ラストシーンの趙雲の行動が私も皆さんと同様、その目的やそれがもたらす結果が気になって気になって仕方がありません。
早く木曜日になればいいのに…。

No.11513 - 2004/12/07(Tue) 16:58:18

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / kazz [東北]
お疲れ様です&有難う御座います。いち訪問者として。

法正と張翼のやりとり。
法正は「生み出す側」になったってことなんでしょうね。
そしてその目的は、ただ勝つために。
あいかわらず行間とかコマ間にいろんな解釈できそうな要素をちりばめてくれますなぁ。面白い。
そんな法正を見て張翼にも得るものがあったはず。それが後の活躍につながっていくんでしょう。遺すものありきの生。そんなキャラばっかりでゴンタ先生に多謝!

黄忠といい、趙雲といい、いざとなったら独断専行! しかも兵は返して!
そこが曹操軍と違うところかなぁ。寄せ集め軍の良さといいますか。悪さといいますか(笑。指揮系統もしっかりあるんでしょうけど、最後にはあくまで自分の意志で選んだ道だという個人主義的な根っこがあるように感じられました。
物語的に夏侯淵は別格として、魏軍はもっと厳格に命令遵守が定められているような気がします。その辺、諸葛亮が蜀内でも実行するあたりなのかな、とか思ったり。

次回がすごく楽しみですね。
間違いなく、馬超と似たようなことにはならないでしょうから。
今回は暴ではなく、正真正銘「武」ですからね。
でも、だからこそ逆に余裕でかわしそうな曹操先生が怖い(笑。

No.11514 - 2004/12/07(Tue) 18:28:48

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / 5050 [東北]
こんにちは。TATSUさん、今週もレビューお疲れ様です。

何か今週はのっけから凄かったですね。あの姿に"逢魔が淵"って。普通の人が見たら肝つぶして死んでしまいますよ。惇兄のこと言えませんね。

趙雲寝所…
あの寝所の坐臥には頭の方に剣、足元に槍が立て掛けてありました。なぜ趙雲はあの場面で剣をとったのでしょうか?黄忠を救出するつもりで行くのならそれなりの激戦は予想されますし、その場合槍のほうが都合はいいでしょう。もしかすると、趙雲は伏兵の存在とその潜伏地点にうすうす感づいていたのではないでしょうか。そしてその地点が恐らく林なので剣をとった。まあ曹操の存在に気付いていたかはよく分かりませんが、それなりの将が出てくるとは分かっていたはずです。だからこそ動揺も躊躇もなく単騎敵陣に突撃したと言えると思います。

黄忠突撃…
>「弓の名人」とは演義の創りで、正史にはそんな記載はないんですよね。
そうなんですか!?初めて知りました!ショックです、黄忠の弓と言えば夏侯淵以上だと思い込んでいたので…。でもあの弓と突撃する姿を見るとやはり「老いてもなお」って感じですよね。「手柄を探しに一人旅じゃ。」…か、かぁっこええ…何卒生きててくだされぇ〜。

劉備陣営…
「横に張り付いて見張ってりゃあ」って、いち君主のすることじゃないですよね(笑)。やはりこれも劉備の劉備たるゆえんでしょうか。

さて、逢魔が淵の怪物をを垣間見た軍師の生み出す「張・趙・馬を前線で揃えるすげえ一手」ってどんな手なんでしょうか。次回に期待です。

No.11515 - 2004/12/07(Tue) 21:05:41

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / つね [関東]
また木曜日になってしまいました・・・

1.騙された黄忠
2.法正の闘い
3.囲まれた趙雲

しかしこうしてみると、表の戦況とは別に余裕綽々の曹操と乾坤一擲の法正という「差」が出てきていますね。特に歴史の評価というのは結果から下されることが多いので、そういった裏面がどうであろうと関係ないのかもしれませんが。

趙雲の行動は、曹操に向けての「突撃」であるように感じました。「前線で趙・張・馬を揃えるすげえ一手は問題ない」というのは、囲んだと思っていた曹操が実は趙・張・馬に囲まれていた! という可能性もあるのでは? 趙雲は法正と連携を取っていますし。無双の守護「神」の出番です。

No.11516 - 2004/12/09(Thu) 00:41:56

Re: 今週の蒼天<手負いの老将> / 英英 [北海道]
――遅くなりましたっ!(それでもお邪魔します)

「無茶よな〜〜〜〜」「ああ〜〜〜〜」「血の気多いもんな〜〜〜〜」
と力の抜けるような波線(笑)。
この主従が出てくると、老将軍の危機だというのにどこか心が和みます。


>指揮系統もしっかりあるんでしょうけど、最後にはあくまで自分の意志で選んだ道だという個人主義的な根っこがあるように感じられました。

そうですね。私も同感です。
長坂橋の手前で民衆の殿についてた張飛が「子龍、おめえは何者だ?」と言った場面を思い出しましたよ。
己の命の置き所は己で選び、己で責めを負う、みたいな感じ。そして自分に付き従う兵士の命をできるだけ巻き添えにしないようにしてるあたり、惚れました。

罠にかかったと知った黄忠が、「おまえ達を趙雲殿に返す!伏兵に注意を払い、来た路(みち)をひき返せい!」と命じたり、
(手招く杜畿さん、そんな挑発して、もし老将軍の強弓に狙われたら大丈夫なんですか!)
曹操率いる精鋭に囲まれた趙雲が、兵を逃がすため単身敵を引き付けようとしたり。
「伏兵だよ、伏兵。魏王自らのこのこ出張って楽しいかーッ!」
と思わず心の中でつっこんでました。
でもさすがに趙雲は無駄なことは言わないのですね。

>「丑寅(ちゅういん)の砦にゆく!直ちに退却だ!」

どうでもいいことなのかもしれませんが、“丑寅の砦”ってどこ?と思いました。
“戻る”じゃなくて「ゆく」と言ってますしね。
もともと趙雲が駐屯していた谷とは別の場所のようです。現在地から最寄の砦なんでしょうか、あるいは他の将と連携を図ろうとしてるのか、ここに張翼がからんでくるのか…
張翼がクールで賢そうだったので、今後の働きに期待したいです。

No.11518 - 2004/12/12(Sun) 23:42:00
今週の蒼天<無名の軍師> / TATSU@管理人 [関東]
今週も掲載されてました。これでしばらく休載無しでいきそうな気配がして参りました。嬉しいです。今年はあと4回ぐらいしかモーニング発売はないですから、「年内完結」の線は完全に消えましたね。これまた嬉しいです。

先々週のレビューで「法正の活躍の場がまだ有りそうで嬉しい」と書きましたが、今週はほぼ法正が主役と言って良いほどの描かれようでした。
『 法正が健在であれば、夷陵の大敗北は無かった。』 諸葛亮の陰に隠れて今いちマイナーだった蜀の名軍師・法正。蒼天航路ではこんなにスポットがあたって、草葉の陰で喜んでるんじゃないでしょうか。

No.11472 - 2004/11/28(Sun) 21:22:03

今週の蒼天<無名の軍師> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

朝靄立ち込める魏軍本営。
賈翊と衛兵達が音をたてずに、曹操幕舎に忍び寄っていた。

「良いか。決して大声を上げるでないぞ。」
賈翊は喫緊の打ち合せを曹操と行なおうとしていた。賈翊は、衛兵に囁(ささや)いた。
「しかしながら、緊急であることがわかるように呼びかけるのだ。」
ふいに幔幕が開き、曹操が現れた。慌てふためく賈翊と衛兵。しかし、曹操は目覚めており、快眠を遂げていた。それを見て賈翊は安堵に胸をなでおろした。

          ***************

幕舎内にて、賈翊が曹操に敵状報告を行なっていた。
新たに注目すべき点は、馬超の従兄弟・馬岱が合流した北方羌族である。そう結んで賈翊は報告を終えた。曹操は敵の布陣図を見つめ、おもむろに告げた。“ 劉備の匂いがどこからもしてこない”、と。
それを受けて賈翊は、全ての蜀軍は おそらく一人の軍師によって掌握されている。と発言した。間諜から上がってくる報告も、敵軍師の名は「法正」唯一人であった。
「蜀の蔵に眠っていたのは、宝物(ほうもつ)だけでは無かったな。」
曹操が感想を漏らした。賈翊も同意し、戦歴の無い者の手腕とはとても思えない。と呟いた。

その時、伝令が曹操幕舎の前で急を告げた。
−宜都より北上した孟達率いる荊州軍1万が、房陵を陥落させ、太守・カイ祺を殺害。−
それを聞いた賈翊は、房陵攻略の狙いは漢水制圧にあり、敵軍はその漢水を遡り、背後からの漢中攻撃を行なおうとしているのではないかと疑念を持った。その遠大な策略に賈翊は唸った。

「曹操を漢中(ここ)で仕留めるならば、」
魏王はふいに告げた。
「攻撃の奥に、更にもう1枚。強力な切り札がちらつくな。」
その言葉に、賈翊には思い当たるものがあった。関羽であった。
賈翊はその名を叫んだ。関羽が荊州全軍を率いて漢水を遡ってくれば、魏王軍は完全に窮地に追い込まれるのである。
「領土より価値がある首と考えるかどうかわからん。」
魏王は微笑んだ。
「だが、その軍師の手腕。関羽の影をちらつかせ、歴戦を誇る軍師に冷や汗をかかせただけでも充分鋭いじゃないか。」
賈翊は思わず頬に手をやった。悔し紛れに独白する賈翊。

−自分を仕留める策を、楽し気に想定できる悪性に、脂汗を流しただけじゃ!−

          ***************

渓谷を凄まじい勢いで馬を駆る男がいた。法正である。
法正に追いついた伝令が、魏軍の前線が西に移動し、本隊が7軍に分かれたと叫んだ。曹操が現れるや否や、敵軍は曹操色に塗り替えられていた。背後の伝令に法正は叫んだ。
「いかなる挑発にも応じることなく、陣形を保ち、追わせよ!」

          ***************

定軍山・劉備本営。

黄忠が劉備に兵の返還を要請していた。劉備は困じていた。黄忠が夏侯淵から受けた傷は、思いのほか深かったのである。
「妻子は既にこの世に無く、何一つ失うもの無きこの身。お情けを賜るならば、戦(いくさ)の死を賜りたく。」
懇願する黄忠。劉備は目に涙を浮かべてそれを拒否した。お願いだから成都に戻って静養してくんねえか。そう告げる劉備に、せめてこの本営に置いてはもらえないか、と黄忠は震えながら哀訴した。劉備は涙声でそれを拒絶した。

          ***************

法正は尚も渓谷を疾走していた。新たな伝令が、法正の背後から、魏軍の動きを告げていた。
曹休・張既の二万とテイ族の強端の五千の軍が、下弁より南下を開始−。
すかさず法正は、向寵・呉懿・馬謖の3軍を関山道より北上させるように命じた。下弁の敵軍の動きは曹操が漢中到着前、即ち行軍途上に発した指令であることを法正は察した。法正は不敵に微笑んだ。
−来い来い来い!決して後手には回らぬぞ!−

馬から飛び降りる法正。物見の兵より曹操が前線に出て来ているとの報告を得、法正は断崖を昇り始めた。物見の兵は蜀軍の前線兵士が異様な興奮状態にある事も告げていた。
曹操を知る者も知らぬ者も、それぞれ怯えと猛りが渦巻いていた。それは、曹操という稀代の奸雄の“名の威”と言えた。
−だがッ、そんなものは、じきに馴れる!−
岸壁を這い上がりつつ法正は独白した。
−形勢を握らせなければいいのだ。−

山頂に辿りついた法正は、岩陰から敵軍を眺めた。遥か遠方の山麓に魏王軍が姿を現していた。
まず、できる限りの兵を曹操の出現に馴れさせる必要がある。と、法正は考えていた。明日には前線を厳顔・魏延・張翼の3軍と入れ替えよう。そう考えつつ法正は、敵前線に曹操の姿を求めた。

魏王軍の先頭に馬上の曹操がいた。
−あれが、魏王・曹操−
法正は思わず生唾を呑み込んだ。
−あれが乱世の奸雄かッ!−

−曹操が自分に気づいた....。法正にはそう思えた。
ふいに魏王は怪異な笑みを浮かべた。
それは、この世のものとは思えない不気味な笑顔であった。

          ***************

法正は幕舎で目覚めた。
幕舎の外で叫ぶ声がした。陽平関が陥落したことを兵士が法正に告げていた。
−重々 承知はしていたが、−
上半身を寝床から起こして、法正は胸元を広げた。
−さすがは曹操。 熟睡を与えてもらえそうに無い。−
法正はびっしり寝汗をかいていた。

          ***************

夜の渓谷を進む一軍。
「お前たち、軍規に違(たが)えさせ、あいすまぬ。」
先頭の将軍が、背後の兵士たちに告げていた。黄忠であった。
「だが、鬨(とき)の声を背(せな)で聞くのは耐え難く、」
馬上の黄忠は、前方を見つめ呟いた。
「戦場にあって馬上にあらぬのは、さらに耐え難い。」


【REVIEW】

●扉絵は“筆を構える法正”。背後から劉備が、その法正を盤面に置くような構図になってましたね。新生蜀軍・最強の隠し駒ってとこでしょうか。キャッチコピーは、
−新生劉備軍 快進撃の立役者。その名が歴史に刻まれる。−

“面(つら)の暗い” “慇懃無礼の冷たい毒ッ気”の軍師。冒頭でも書きましたが、隠れた名軍師・法正にこんなにスポットがあたるなんて、蒼天ならではだと思います。

●早朝に賈翊が衛兵を連れて、そーっと魏王幕舎に近づいてました。例の“夢遊病状態”は続いていたんですね。
でも、賈翊の指示、『決して大声を上げずに、静粛に、しかし緊急であることが分かるように呼びかけろ』っていうのは難しそうです。衛兵も困ったんじゃないでしょうか。まあ、下手をすれば命に関わることですから、細心の注意を払わざるを得ないんでしょうね。魏王配下も大変です。
ふいに曹操が現れて、賈翊&衛兵は叫び声を上げてひっくり返ってました。「なんだ、朝っぱらから。」って曹操の迷惑そうな顔が笑えました。配下の心、主君知らず...

●「やはり、劉備の匂いがどこからもしてこない。」
曹操が蜀軍布陣図を見つめて呟いてました。先週の劉備の発言、「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」は、ここらへんにも表現されてるんでしょうか?
いずれにせよ、賈翊の推測は、“すべてを指揮しているのは、おそらく一人の軍師”というものでした。つまり「劉備は、軍の指揮に関わっていない。故に劉備の匂いがしないのでしょう。」という返答ですね。まあ、法正が仕切っているのは間違いなさそうですが、ふと疑問に感じたのは、孔明の位置付けです。彼はどーいう立場なんでしょう?普段は兵站を担当して後方にいて、気まぐれに前線に現れるんでしょうか?

「やはり」っていう曹操の台詞にも管理人は着目しました。この“やはり”っていうのは、「昔の劉備の用兵からして、今般の連戦連勝というのは信じ難かった。やはり、劉備以外の奴が用兵を行なっていたのか。」ってことでしょうかね。

「足りねえもんがあるとすりゃ、おいらに対する曹操の評価だ。」

●関羽配下の孟達が、房陵を攻略。賈翊は、房陵を奪ったのは漢水制圧が目的で、孟達軍はその漢水を遡って背後から曹操軍を襲うつもりなのではないか、と疑います。曹操は「自分を漢中で仕留める気なら、さらにもう1枚、強力な切り札があるようだ。」と発言。賈翊はそれが関羽の事であると解釈し、「関羽が荊州全軍を率いて漢水を上ってくれば...」と叫びました。
この台詞の後には、「漢中の魏軍は完全に挟撃され、殿の命も危ないのではないか!」というような言葉が続いたんでしょう。

曹操は微笑みながら告げます。
「領土より価値がある首と考えるかどうかわからん。だが、その軍師の手腕。関羽の影をちらつかせ、歴戦を誇る軍師に冷や汗をかかせただけでも充分鋭いじゃないか。」

“領土より価値がある首と考えるかどうかわからん”の意味が一瞬分かりませんでした。これは多分、関羽が荊州全軍を率いて漢水を遡れば、荊州を空(から)にして出陣することになる訳ですから、関羽軍の漢水遡上は「領土を捨てる危険を犯しても、曹操の首を獲りに行く」という行為になることを指しているんじゃないでしょうか? つまり、「俺の首を荊州より価値があるものと(法正)が考えているかどうかは分からん。」ってことじゃないでしょうかね。

で、後半の曹操の台詞は「関羽という将の名声を巧みに使い、“曹操軍内で歴戦を誇る軍師・賈翊”に冷や汗をかかせた。というだけで、法正という男は充分すごいじゃないか。」ってことでしょうね。多少“賈翊へのからかい”も入っているような台詞でした。

●“法正は、名軍師・賈翊に冷や汗をかかせただけでも凄い。”と、揶揄され、賈翊は思わず汗を抑えるように顔に手をやります。次の台詞は、
「自分を仕留める策を、楽し気に想定できる悪性に、脂汗(あぶらあせ)を流しただけじゃ!」
...この意味が分かりませんでした。「これは冷や汗じゃなくて脂汗じゃい!」って賈翊が負け惜しみを言ってるのはなんとなく分かりましたが、“自分を仕留める策を、楽し気に想定できる悪性”ってのが意味不明で、何度も読み返してしまいました。

で、かなり考えて分かりました。これって、“曹操の態度”を指しているんですね!
「自分を仕留める策を、楽し気に想定できる」ってのは、曹操の「法正が自分を仕留めようとしてる策を楽し気に語る態度」を指していて、それを「悪性」という言葉で表現してる訳です。
つまり賈翊の言葉は、言い替えれば、「冷や汗をかいた訳ではない。“自分を殺そうとする策”をあれこれ楽しそうに想像してるあなたの悪性に、びっくりしただけだ。」ってことなんでしょう。
しかし、蒼天の特性とは言え、今回はかなり分かり辛い台詞でした。せめて「自分を仕留める策を、楽し気に想定できる魏王(との)の態度に、脂汗を流しただけじゃ!」ぐらいにしといたほうが良かった気が...

●黄忠は深手を負ってたのですね。そう言えば、定軍山で夏侯淵に腹を横一文字に斬り裂かれてました。夏侯淵もただでは殺されなかった訳ですね。怨念の傷とも言えるかも。

黄忠は「妻子は既にこの世に無く、何一つ失うもの無きこの身。」って言ってました。妻子は戦乱で失ってしまったのでしょうか?あの年になって身寄りが無いってのは寂しいでしょうね。ちなみに正史の「黄忠伝」ってほんの少ししか記載が無いのですが、その最期に「子の黄叙は早逝し、後継者はなかった。」とありました。黄忠の今回の台詞は史実に基づいてる訳です。
なんか今頃になってキャラが立ってきました。黄漢升。

あと、劉備の「ならねえッ。なあ!お願いだから、成都に戻って静養してくんねえか。」って涙を浮かべる台詞。ここらへんに蒼天劉備の「配下から慕われる要素」の片鱗を見たような気がしました。曹操とは違った意味での「この人について行こう、と配下に思わせる要素」の一つなんじゃないでしょうか。

●下弁より曹休・張既軍2万と強端軍5千が南下。すかさず法正は向寵・呉懿・馬謖の3軍を迎撃に向かわせます。曹操が行軍途上で発したであろう指示に即対応してました。
決して後手には回らぬぞ!と宣言してましたが、これは「曹操の一手に十手を浮かべ、対する一手を百策より引き出す。」行動を開始してるんでしょうか。
ちなみに曹洪はどこ行ったんでしょう。そのまま下弁に留まっているのでしょうか?遊軍となって、思わぬところから「減点1!」とか叫びながら出てきたりして。

●前線に到着した法正。断崖をよじ登り、遥か彼方の山麓に布陣する魏王軍を注視します。
曹操を発見し、あれが、乱世の奸雄かッ!と目を見開く法正。曹操はおもむろに法正の方角を向き、ニッと笑みを浮かべます。
凄い笑顔でしたね〜!!妖怪みたいな顔してました。これは怖かったです。どうやらこの笑顔は、その後 法正の夢に現れ、大量の寝汗をかかせている模様ですが、確かにこの顔が夢に現れたら寝汗かきそうです。

昔、曹丕に甄氏を取られて「それはおめでとう」って笑ってましたが、こんな化け物じみた笑顔は、それ以来じゃないでしょうか? その時の笑顔を曹丕は「自分が興味を抱いた人間に執着する猛獣のごとき感情」って表現してましたが、今回も曹丕の表現を借りれば、「股肱の臣を殺されたことに対する猛獣のごとき感情。」あるいは「宿敵との戦いにケリをつけようとする猛獣のごとき感情。」となるのではないでしょうか。

●夜中にパチッと目を覚ました法正。最初、自分を呼ぶ声に全く反応しませんでした。瞳孔が開いたような目をして微動だにしなかったので、一瞬、法正は死んじゃったのかと思っちゃいました(笑)。

ところで“陽平関陥落”は兵士の発言によって語られてしまいましたね。これはちょっと残念です...。だって魏軍も蜀軍も猛将達が漢中に集結してる訳ですよね。陽平関では、魏将と蜀将の激突があった筈ですし、そこらへんは是非描写して欲しかったです。
だって考えてもみて下さい。

【魏将】曹洪・張郤・徐晃・曹休・許猪
【蜀将】張飛・馬超・趙雲・黄忠・魏延

これだけ役者が揃えば漢中の戦闘は凄まじいものになるんじゃないでしょうか。

●黄忠は軍規を無視して軍を進めます。この“戦場で死ぬことを本望とする老将”は、どんな行動にでるのでしょう?陽平関奪還でしょうか?曹操奇襲でしょうか?あるいは...

楽しみであります。

No.11473 - 2004/11/28(Sun) 21:31:13

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / こなくそ [関東]
はじめまして、初めて書き込みさせていただきます。今週は久しぶりに熱く感じたので、ついつい書き込んでしまいました。
『法正が健在であれば、夷陵の大敗北は無かった。』これは、法正のすごさを表す喩えみたいな感じだと思っていたのですが、今週の蒼天をよんで初めてこの孔明の言葉の意味が分かったような気がしました。
一人の優秀な軍師がどのくらい戦を変えれるのか、非常に興味のあるところです。
年内完結はないみたいなので、漢中戦も荊州戦もとことん細かく書いて欲しいですね。陽平関陥落も回想でやってくれないかな、という感じです。感想だけになってしまいすみません、、、。失礼します。

No.11474 - 2004/11/28(Sun) 22:15:53

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / まさひで [近畿]
書き込み一番乗りにて、失礼いたします。
管理人様、毎度最高の「今週の蒼天」ありがとうございます。私にとってモーニングに載っている蒼天航路と管理人様の綴られる「今週の蒼天」の二対にして初めて「今週の蒼天航路を読んだ」ことになるのです。この場をお借りして、御礼申し上げます。
 >扉絵は“筆を構える法正”。背後から劉備が、その法正を盤面に置くような構図になってましたね。新生蜀軍・最強の隠し駒ってとこでしょうか。
 扉絵、惹かれましたねぇ〜。なんか「魔王に立ち向かう賢者・法正」って感じです。(今週の`あの笑顔’のせいでそんなイメージが浮かびました。曹操こええぇ〜)マイナー武将をここまでかっこよく書いてくれるところが蒼天のすごいところですよねぇ。法正、キャラ立ちまくっています。しかし、
 >−重々 承知はしていたが、−
 上半身を寝床から起こして、法正は胸元を広げた。
−さすがは曹操。 熟睡を与えてもらえそうに無い。−
 法正はびっしり寝汗をかいていた。
なんか、法正の体調が心配です。劉備が前に言ってた「体に悪いとこはねぇえか?」が伏線になりそうで気がかりです。どうか、張松やホウ統の分までがんばってほしいものです。

No.11475 - 2004/11/28(Sun) 22:42:06

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 巌窟王 [東海]
管理人様、毎度本当にご苦労様です。
私も連載と管理人様のレビューをセットで読むふけらないと
蒼天を見た気がしません!
中毒ですね…一種の…。
詳しい考察は管理人様始め、常連の方にお任せして、
(と言いますより読ませて頂くだけで勉強になるのです)
今回私のつぼだった所をひとつ、管理人様も弄っていませんでしたので…。
「法正って寝ている時も巾着頭巾つけっぱなのねぇ〜」
です。
シリアスな場面だったのに読み返すたびににやけてしまいます。
どうしても言いたかったので、ついカキコしました。
失礼しました。

No.11476 - 2004/11/28(Sun) 23:07:09

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 英英 [北海道]
今週の蒼天、最初のツッコミは、

>決して大声を上げるでないぞ。
>しかしながら、緊急であることがわかるように呼びかけるのだ。

一体、どうしろっちゅうのよ!暗黒軍師殿。


曹操様がついに前戦に現れるし、魏将の動きも活発だし、蜀将の名も次々出てくるし、法正はやはり肉体派だったし(軍師が崖登りするとは…)、管理人様の<今週の蒼天>も読み応え十二分だし、長い休載への不満がずいぶん解消されました。


漢中戦の序盤でも出てきた策・『羌族との提携』が今回は成功したんですね。
あのとき下弁―羌族の連絡を断ったのは氐族の強端の存在でした。強端は張既・曹休と行動中なので、馬岱は彼の不在を狙って合流したんでしょうかね。
法正の策は二重三重・戦が数年に渡っても対処可能。
着々と成果をあげて証明してくれてます。

>ちなみに曹洪はどこ行ったんでしょう。

え〜と、夏侯淵戦死の報が届いた時、曹休と一緒にいたから…
漢中戦当初、曹洪が長安から率いてきた援軍5万は全て下弁に向かってて、現在下弁から南下中の曹休・張既軍が2万。
下弁は勝ち戦だし、魏軍に3万も犠牲が出たとは思えないから、曹洪の所在は不明ですが2万くらい率いて進軍中とみました。

陽平関はあっさり陥落しちゃったので省略されたかと、深く考えてませんでした。陽平関って前にもピンチになりましたよね、兵站を断たれて。守備に有利な要塞だと思ってたのに。。

また、法正の用兵が一極集中タイプなのかな〜とも思ったりしました。数に劣る蜀軍、広い戦線の各地に同時に多くの兵を割くことはできないため、短期間に素早く軍を動かして鋭く要所要所をおさえてるのかと。劉備いわく「びしばしの策」。定軍山即効奪取作戦といい、法正の策にはスピードを感じます。法正自身も全力疾走するスピードの男ですが(^^)
「後手には回らぬぞ!」と言ってましたが、もし後手に回ってしまったら脆そうな気もします。

法正の策・用兵は曹操の兵法を基にしてるみたいですね?
あれだけ膨大な曹操研究書を書いてる法正は、すでに曹操マニアな気もします(笑)。
曹操にとっては自分の戦をやり返されてる感覚になるのかな。自分を研究し尽くしてる相手と戦するのはやりにくそうです。逆に法正にとっては、兵法の大家と直接戦を交えるなんて人生最大級の喜びかな(笑)。うきうきして曹操を見るため崖登りするあたり特に感じます!


>「やはり」っていう曹操の台詞

「多岐に亘る戦術の駆使」と「呉蘭雷銅の救出に一切の兵も割かなかった」酷薄な用兵は、とても“劉備の戦”とは思えないなど前々から報告がありました。曹操様もおそらくそのように感じていて、前戦に出てきても同感なので、「やはり」と素直に感想をおっしゃったのだと思いました。
「あの男が呼ぶから俺が往く!」と叫んで出陣したのに、戦から“あの男”のにおいがしない。では誰だ?誰がこの戦を動かしている?その<無名の軍師>に対し、人間の才に飽くなき関心を抱く人材コレクターの血がたぎってるのかもしれません。
前回の“劉備に足りないもの”がらみの印象は私は受けなかったのですが、ふと「最後に曹操との間合いを詰めんのは、おいらの匙加減一発だ!」を思い出しました。今はまだ“おいらの匙加減”が加わってないので、戦から劉備のにおいがしてこない。
“おいらのやるべきこと”が戦の勝敗を分かつのか否か、本当に先が楽しみです。

>法正が仕切っているのは間違いなさそうですが、ふと疑問に感じたのは、孔明の位置付けです。

相ッ変わらず、曹操の眼中にないですよねー。<孔明
私は管理人様が書かれてるように「普段は兵站を担当して後方にいて、気まぐれに前線に現れる」のだと思ってます。“内政の充実を物語るような後方支援”を実戦できる大物って、他にそうそういないでしょうし。法正は全体を把握してますが、内政の細かい指示まで出してられなさそうですし…。
夏侯淵の死の際には飛び入り参加だったので、前戦の劉備も「なんでおめえがここに!?」と驚いたんじゃないかな〜。

あとはですね、32巻の裏表紙“漢中戦の戦友にエールを贈る関さん”で、最後尾にいたのが孔明だから、彼は後方支援が担当なんだな〜と思ったのです(単純)

「結構じゃねえか。始終そばにいられちゃたまんねえぞ」
   by張飛


>宜都の孟達

きたきたきたーっ!(心拍急上昇)
彼の進軍は漢水の制圧が目的でしたか。魏王の退路(水路)を絶ち、また荊州の魏軍が漢水を溯って救援に来るのを防ぐため。
さらに、関羽の影をちらつかせて威圧!
“名の威”ですね、これも。
漢中戦に出陣してなくとも、しっかりと関さんの存在感を匂わせてくれて嬉しいです、蒼天航路。魏ではそれほどの威名だったんでしょうか。
そして呂蒙も今頃は荊州を狙って虎視眈々……


>「妻子は既にこの世に無く、何一つ失うもの無きこの身。」

儒の社会では家の祭祀を絶やしちゃまずいそうですが…。
跡継ぎはないし、本人も重症だし、今さら実子はもちろん養子の手配(?)さえできるのかって状態ならば、たしかに「何一つ失うもの無い」のかもしれません。あとは主君のために先の短い命をささげたいって思いも伝わります。
…でもこの場面、劉備vs黄忠がお互いに駄々こねてるように見えて、感涙よりも微笑みがこぼれてしまいました…(-ー;


曹操の笑顔、悪夢。
あわれ法正(><)

>「股肱の臣を殺されたことに対する猛獣のごとき感情。」あるいは「宿敵との戦いにケリをつけようとする猛獣のごとき感情。」

ああ、なるほど。
大事な大事な夏侯淵をとられて大激怒……「この代償はどでかいぞ」の心中を表情に出したら、ああなるんですかね(怖)。
ふと「曹操が執着してる相手=法正」なのか?と思い浮かびましたが、まさかですよね(笑)。まさか欲っする人材にあんな表情しませんよね…たぶん。

法正の寝汗には、良からぬ予感がいたしましたよ。
だって、顔も頭もは全然汗かいてないのに、胸のあたりだけ冷や汗…。何か持病あるんでしょうか。
私心なく、戦に勝つことに集中してる法正。
やっぱり彼は“郭嘉のともがら”なのか…。

長々と失礼いたしました(久々)。

No.11477 - 2004/11/29(Mon) 03:11:57

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 文月 [近畿]
こんにちはです〜。

今回のお話で気になったこと。
一つ。賈ク殿が手に持っていた、「まごの手」みたいなものはなんですか?最初に見たときからどうも気になって気になって…。

二つ。法正殿が魏軍の陣を偵察してる時に例の、あのいかにも邪悪そうな表情を浮かべた曹操を見たところで夢(悪夢?)から覚める、というところの、偵察のシーンは、どこまで現実でどこから夢だったんでしょうか?

三つ。夢から覚めて、伝令の声で起き上がった法正殿の寝汗の掻き方がやけに「ヤラシイ」と思ったのは私だけでしょうか。(汗)
法正殿、胸元広げてるものだから、余計…;

と、どうでもいいようなことを書き連ねてきましたが、実は私も黄忠さんがこれからどう動き、どう戦うのか、どんな結末を迎えるのかが今から楽しみで仕方ありません。
定軍山では自分が止めを刺した夏侯淵に完全に主役を食われた形になってしまい、その夏侯淵に負わされた傷が(やはり、「王たる将」淵様はただでは斃されなかった!)どう影響するかも興味があります。
それと同時に法正のこれからの運命も気になります。何故なら、法正殿と黄忠殿は史実では(以下、ネタバレのため自主規制)。

No.11478 - 2004/11/29(Mon) 17:06:56

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 槍ですら [甲信越]
>自分を仕留める策を、楽し気に想定できる悪性に、脂汗(あぶらあせ)を流しただけじゃ!
 確かにわかりずらいですが、悪性の前に”殿の”を加えるといっぱつですね。蒼天で主語やらなにやら抜けているのはしょっちゅうなので慣れました。

>黄忠は軍規を無視して軍を進めます。この“戦場で死ぬことを本望とする老将”は、どんな行動にでるのでしょう?
 オリジナルな展開は先読みできないので単純にわくわくします。史実を折り曲げて、早めに死なすのもありなのでは!(漢升ファンの方々すいません)

>何か持病あるんでしょうか。
 郭嘉よりは前置きが早めだと言うことでしょう。郭嘉が血を吐いたのは突然すぎましたから。法正は予兆が早め、自分でも多少気づいており、劉備に行き急いでる風にみられているわけではないでしょうか。

しかし英英さんのレスの長さ、これぞ蒼天愛ですね。自分は長文書くの苦手なので見習いたい。

No.11479 - 2004/11/29(Mon) 17:23:10

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / Homicide
自分は、法正がびしばし戦場を駆け巡るシーンすべてが法正の夢であったように感じたのですが。超人的、超活動的な軍師だなあ、と思い、曹操の魔性の笑顔にゾクッとし、その後の法正の目覚めで、「夢オチかよ」と、カクッ、としてしまったのですが。
あと、夷陵の戦いでは「法正がいれば夷陵の大敗はなかった」というよりは、孔明が「法正がいれば、関羽の仇をとろうとする劉備を、諌めて止めてくれただろうに」と言っていた、のだと思ってました。

No.11480 - 2004/11/29(Mon) 18:20:55

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 5050 [東北]
>隠れた名軍師・法正にこんなにスポットがあたるなんて、蒼天ならではだと思います。
全く同感です。漫画に限らず、物語としての三国志って演義ばかりですしね。特に元来私は法正という人物が好き(というか天才的で早逝な軍師が好きなんです。他に郭嘉とかホウ統とか。)だったので非常に嬉しいです。

曹操陣営、朝…
>「劉備のにおいがどこからもしてこない」
これは劉備が劉表(厳密には劉?jですが)のもとでハン城を守っていた時の曹操侵攻に対する感想に似てますね。全てを法正に任せて「ずっしり重くていい感じ」に曹操を待ち受けるあたりに新生劉備の片鱗がうかがえます。

法正の「夢」…
私はこの夢を「実際にあったことが多少のデフォルメを含めつつ夢に出てきている」ものとして考察したいと思います。

【1】
法正の考えは「曹操の威とはすぐに馴れるもので、常に先手をとって形勢を握れば(つまり法正独特の"びしばしの策"ですね)勝てる」というものでした。しかし、その威に兵が馴れる間もなく陽平関が落とされ、形勢を握られました。

【2】
最後の曹操の笑みは曹操の顔そのままではなく(その顔に近い笑みはあったのでしょうが)曹操を風聞でしか知らない法正の潜在意識によって創られた、まさに「乱世の奸雄」としての顔だったのではないでしょうか。かなり初期になりますが北部尉の頃には人形劇で凄い事になってました。しかしそれらは似ていますが同じものではなく、何より法正自身も馴れきらないであろう"威"があります。そこが人形劇とあの顔の違いかと思われます。
(もともと"奸雄"とは"ずる賢い、狡猾な英雄"という意味らしいです。前に孔明も赤壁で「お前はそういう(狡猾を初めとした)悪辣な本性を美点のように天下にさらす!」と言ってました。)
それらの事から、やはりこの戦は新生蜀軍の独壇場みたいなことにはならず、ぎりぎりの戦の駆け引きが見られそうです。

次回からもどんどん加熱していきそうですね、漢中戦。

No.11481 - 2004/11/29(Mon) 21:04:08

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / ツァオツァオ [関東]
毎度ですがみなさんの様々な考察おもしろいですねえ。特に最近また盛り上がってきたのでひとしおです。

以前トップ絵に老将コンビをリクエストさせていただいた私としては、黄忠の展開が気になりました。
劉備とのやり取りのシーンですが、私は劉備の涙にいまいちグッときませんでした。おそらく、これまで黄忠との馴れ初め――いかにして主従の契りを結び、どれほどの関係を築いてきたかの描写が無かったからなのではないでしょうか。
そこで、次回あたり長沙の回想シーンはじめ、新生劉備軍誕生秘話のようなものを今一度挟んでくれるのではとちょっと期待してみたいと思います。。。
そしてまだまだ続くわけですよ、連載は!

No.11485 - 2004/12/01(Wed) 00:01:01

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / kazz [東北]
TATSU様、お疲れ様です。押忍!

>どうやらこの笑顔は、その後 法正の夢に現れ、大量の寝汗をかかせている模様ですが

この辺の考察については、私は最後の悪魔顔のコマだけが法正の夢と直接リンク、と見ました。
実際には曹操に気付かれることなく陣に帰れたんでしょうが、曹操の姿に深層心理で恐怖を感じていたのだと思われました。まぁそのことは法正自身も予想していたことのようですが。
相手は百戦錬磨、兵法の化物にして覇王の曹操ですからぁッ! 残念ッッ!

何気に思うこと。
関羽の威名ってなんでそんなに大きいの?
ってこと。
それまで負けっぱなしの軍の将。たしかに戦場では修羅のごとく見えるんでしょうが、所詮は負け戦。天下に鳴り響くほどに大きくなったのは何故なんでしょう?
やっぱり、
1.呂布と一騎討ちで互角に戦った男
2.民に声望があった劉備の隣にいつも侍っていた大男。
3.曹操に欲しがられた男
4.曹操に好待遇されたのに劉備の元にもどった男。
5.曹操陣営の中には関羽を裏切り者として目の敵にする将も多かったのでは? よりによって、反曹操に乗ったからこそ人気者でいられる劉備という男の配下にもどった、というのも大きかっただろう。中原の覇者である曹操軍が目の敵にするということは、つまり天下の半分の軍に目の敵にされているということと同意である。それが威名に繋がった。実質、孫権や馬超や張魯や劉璋たちにとっては「曹操軍が目の敵にしてる将らしい」という意味での威名でしかなかったのではないか。でも、やっぱりそれってスゴイこと。
番外.ずば抜けて容姿に威圧感がある。

1は時間軸的に蒼天の現時点まで影響しているとは考えにくい。まぁ張遼あたりは別でしょうが。
2は大したことじゃない。3もよくあること。
4は一理あるかと。風聞が風聞を呼び、ついでにキレイに脚色されれば威名にも美名にもなるでしょう。
正直、私は5あたりが一番の要因だと思ってます。+番外(笑。
こんな感じかなぁ。

いやダラダラと失礼しました。

No.11486 - 2004/12/01(Wed) 03:54:26

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 岳飛
関羽の威

・まずは、呂布との一騎討ち。
あの味方の陣すらも切り裂く軍神に、挑み引き分けた男。

・次に若き張遼との戦い。
現在の張遼を知るものなら彼の追撃を抑えたという事は驚嘆に値するはず。

・顔良を一刀で。
袁家の2枚看板の名将顔良を二合と切り結ばぬうちに倒した。

・100騎で1000騎を打ち倒す。
並大抵の武将にできる業ではありません。

・張飛の長坂の仁王立ち。
義弟の張飛の超人的な強さが関羽の異名に間接的に繋がったと予想。


と蒼天で描かれてる中でもこれほどの活躍をしています。
また、兵2万に相当する武と類稀な将器と評された事も関係してるはず。
軍神、関羽の動向を天下の人間全てが気にするのも納得というものです。

No.11487 - 2004/12/01(Wed) 19:06:47

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 黒助 [関東]
こんにちは。
今週の蒼天、一言で言うと魔王曹操の到着とともに戦の重みが静かにしかし、一気に跳ね上がった、といったところでしょうか。

> 「やはり、劉備の匂いがどこからもしてこない。」

これ、確かに興味深い台詞です。
一つは法正のすごさ。司令官として自身が真っ向から天下人と張り合おうする気概と才気を持ち合わせた軍師はそうはいません。蒼天法正熱いです。
ただ、今後法正は苦しみそうですね。曹操のことを研究しつくし、絶対後手には回らぬとの自身と集中力は本当にすごいですが、重々承知していたはずなのに直接見た瞬間に感じ取ってしまった凄み…
今後、彼には実際の戦況以上に曹操というとてつもないスケールの人間との人対人のきつい精神的な戦いが待っているんでしょう。そう、周瑜の病を進ませたあの天下人の重みが既に彼にも圧し掛かりつつあるように感じました。

こうなってくると上の台詞からのもう一つの深読み。
劉備の成長と存在感。如何に法正がすごいとはいえ、孫権が周瑜に全権を託した状況とは違います。賈翊の言葉にあるとおり法正には戦歴がないんですから。
こんないわばポッと出の将に宿命の対決の指揮権を与えるなんて中々出来ることじゃありません。曹操のあの台詞にはこんな起用を見事に的中させてくる劉備の成長、5050さんの言うところの「におわないが故の存在感」なんかも私は感じ取りました。

そして最後に気になる孔明の存在。赤壁でもそうだったように曹操の桁外れのスケールの与える重圧に真っ向から対峙できるのって、やはり、蜀軍では彼の本性を知り尽くしている劉備と孔明だと私は思うわけで、劉備のこの思い切った起用もまずは法正で切り込み、とっておきの孔明と自身の器で最後は決着をとの計算があるからなぁ、なんていうのはちょっと贔屓目ですかね。

ともあれ、最初に書いたとおり曹操到着後急速に重みを増しつつある戦において、法正、劉備、孔明そして魏・蜀の歴戦の将たちがどんな光を放ってくれるのか、今から楽しみです。

No.11488 - 2004/12/01(Wed) 20:20:24

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / つね [関東]
1.警戒する魏陣営
2.黄忠の懇願
3.法正の悪夢

>「領土より価値がある首と考えるかどうかわからん。」

多分、管理人さんの解説どおりだと思いますが、実はちょっと見には違う解釈でいました。荊州を失っても曹操の首(+漢中、うまくいくと長安まで)とれればお釣りが来ますよ。この時期、呉は視野の外に置かれている感があるので魏軍に荊州取られたと想定しても、曹操なき後、混乱した魏相手であれば取り返せるでしょうし。

で、私の解釈。

「領土(漢中)より価値がある首(法正)と考える(べき)かどうかわからん。だが、その軍師の手腕・・・充分鋭いじゃないか。」
魏王が今回の戦の目的を漢中防衛に置くか、法正の首に置くか迷い始めた、というところです。二者択一の選択肢というわけでもないので、無理がありますかね。

法正の悪夢は、昼間見た曹操の姿から来たイメージにうなされていた、というところでしょう。写真もなかった時代、一目でも直接、見てなければあれだけ正確な顔は描けません。

黄忠は困ったものですねえ。こういうのが一番、軍師の計算を狂わせます。演義だとよく諸葛亮の「ひっこめ、じーさん」という計算ずくの発言に黄忠が踊らされていますが。こういうところの黄忠は演義似ですね。諸葛亮は・・・こういうところは演義以上の感が。

No.11489 - 2004/12/01(Wed) 23:57:37

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / アベール
初めの賈翊が爆笑でした。
曹操の笑いは鋭利な知性と巨大な殺意がにじみ出ていてすごかったです。

No.11490 - 2004/12/02(Thu) 16:00:38

Re: 今週の蒼天<無名の軍師> / 侠客 [東北]
 自ら戦場の至る所を観察する法正。やっぱりフィールドワークは大切ですね(笑)。
 そんな法正の目に入った曹操――いやはや、あの時の曹操の顔、心臓に悪いですよね(笑)。夢に見て当然!(笑)

 黄忠は……もう見てられません。
 失うものは何もない――張飛もそうでしたが――「すべてを捨て去った」武人がべらぼうに強いのは確かですけど……。

No.11496 - 2004/12/05(Sun) 19:04:07
今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / TATSU@管理人 [関東]
今週は掲載してました。おかげで単行本派にならずに済みました(笑)。
というか、イイ感じに盛り上がって参りました蒼天航路。今週はいつになく名台詞も多かったような気がします。先週感じた違和感も無くなりました。

では、「今週の蒼天」読者の皆様、お待たせしました。恒例のレビュー、ご覧下さいませ。今週のレビューは名台詞が多かったせいか、かなり長いです。
皆さんの感想も頂ければ、とっても嬉しいです。

No.11442 - 2004/11/21(Sun) 20:44:05

今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

劉備軍本営。法正は幕舎に駆け込んだ。

すかさず筆を取り、法正は成都への伝令を記し始めた。更に4軍乃至5軍を投入・天蕩山に二砦を追加・斥候を倍に増員。...法正の脳裏には次々と策が溢れ出ていた。

          ***************

「なあ、曹操のやつ、すぐその辺まで来てやがんじゃろ?」
簡雍が前を歩く劉備に尋ねていた。簡雍は怖じ気づいていた。劉備も同様であったが、同時に期待も感じていた。すげえな大将、余裕か?と尋ねる簡雍に、余裕なんかある訳ねえだろ、と劉備は答えた。ただ、劉備は十何年ぶりの曹操が、どんな男となっているか期待があったのである。
「言うねえ〜、でけえね〜。」
簡雍が感心したように声をあげた。
「王になっちまった天敵も、大将の器にかかりゃ、古馴染みの同業者かよ〜。」
王...同業者...簡雍の台詞に何かを感じつつ、劉備は幕舎の中へと入っていった。

「よしッ、これを持って突っ走れい!」
机に向かったまま、背後を見もせず法正が書を突き出した。
巻物を手渡され、どこへ走りゃいいんだっけ? と、思わず尋ねる劉備。振り返った法正は、顔面を真っ赤にして無礼を詫びた。

          ***************

早馬が成都へと駆け出して行った。

幕舎では、劉備が法正に、自分を気にせず書き物を続けるように促していた。
床に散らばる無数の書物。それを見つつ、よくもこれだけ考え付くものだと簡雍は感想を漏らした。しかし、それは、「曹操の戦歴」と「曹操の手による兵書の写し」であった。“法正の策”は、その反対側に処狭しと積まれていたのである。それは劉備と簡雍が息を呑むような量であった。
「曹操の一手に十手を浮かべ、対する一手を百策より引き出す。」
書く手を止めず、法正は静かに告げた。
「あの軍事の大才と渡り合う態勢は、すでに仕上げの段階に入ってございまする。」

もしかして、こりゃ勝てんじゃねえか。簡雍が緊張した面持ちで劉備の裾を引っ張った。劉備は黙って自軍の軍師を見つめていた。法正は完璧であった。足りないものがあるとすれば、それは“自分のやるべきこと”ではないか。劉備はそう感じていた。

その時、早馬が劉備本営に飛び込んできた。曹操を南鄭の北40里の山道に確認。伝令はそう叫んだ。
−来たか!−
筆を止めて、法正は微かに微笑んだ。曹操は悠々と進軍としていた。だがその行程は予測を1日早まわっていた。

          **************

馬蹄の音を轟かせ、曹操本軍が南鄭に入城した。歓声を上げて迎える漢中駐屯軍。

馬上の魏王は、拱手する張郤の前に進み出た。魏王自らの出陣に頼らざるを得なくなったこの事態を“痛恨の至りである”と張郤は述べた。魏王は張郤に微笑みかけた。
「老けるどころか、歴戦の将の首は、見るたび太くなってゆくな。」
張郤は眉間に皺を寄せ答えた。
「重ねておるのは腑甲斐なき戦績。」
「敗北にこそ、才が必要だ。」
曹操は張郤の言葉を遮るように強く語り始めた。
「敗戦の中で、何をどれだけ見いだすことができるのか。 ”歴戦”の価値はその能力で決まる。」
その言葉に張郤は緊張した。お前こそ、その模範では無いか。そう告げると曹操は張郤を新司令官に任じた。曹操は続けた。
「おのれを、雄大な絵柄の緻密な織物と見なせ。その将器に一戦一戦を入念に織り込み、生涯をかけて仕上げるのだ。」
張郤は強く拱手した。


曹操は傍らの郭淮に視線を移した。
「戦いながらよくあれだけの文書を送ってきたな。」
郭淮のその行動は夏侯淵の遺命であった。曹操は更に、夏侯淵亡き後の、郭淮の見事なまでの軍の収拾ぶりを称えた。郭淮はその言葉を聞き、顔を歪めて平伏した。
「私がこの命を投げ出し、おとどめしておればーッ!」
「夏侯淵の死にお前の自責は必要ない!」
曹操は強く打ち消した。絶句する郭淮。曹操は続けた。
「己(おのれ)の全てを賭けて、劉備と相対す。」
夏侯淵のその行動は、“戦術を越えた断行”であり、“国にとっての莫大な損失”と言えた。だが、と曹操は天を見上げた。
「渾身の生が、惟惟(ただただ)眩(まぶ)しい。」
魏王のその言葉に張郤は目を見開き、郭淮も天を見上げた。

曹操はふいに敵陣の方角を睨み、呟いた。
−この代償は、どでかいぞ。劉備!−
曹操は馬首を巡らし、高らかに叫んだ。
「前線に案内せい!」
軍議は道すがら行なう。そう告げると、覇王は不敵に微笑んだ。



【REVIEW】

●扉の絵は良かったです。馬に乗り、天を仰ぐ曹操。夜空には無数の星が流れていました。
魏王におかれましては、漢中での戦いに想いを馳せているのでしょうか?それとも、亡き夏侯淵を偲んでいるのでしょうか?キャッチコピーは、
−乱世の空に流れた、ひときわ輝く星よ。−
でした。コピーから言うと後者のようでもあります。

タイトルの「星霜巡りて」っていうのも、この扉を現したタイトルのように感じました。でも【星霜(せいそう)】を辞書で調べてみましたら、【年月。歳月(さいげつ)】の事でした。言葉の由来は【星は一年に天を一周し、霜は毎年降るところから】きてるそうです。そー言えば「流れ流れて幾星霜(いくせいそう)」という言いまわしを聞いたことがあります。このタイトル、後述の劉備の言葉とも連動してたんですね。

“星霜巡りて”...。なかなか味わい深いタイトルです。

●さて、先週の話に続き、本営に到着した法正。シュダッとダッシュして幕舎に飛び込みます。成都へ4軍あるいは5軍の追加を要請してました。編成単位が不明なんで、5軍というのがどのくらいの数か分かりませんが、まだ成都には相当数の予備軍が待機してる模様です。成都で兵站を担当してるのかと思ってた孔明も前線に居るみたいですし、そんな余裕無いと思うんですが...もしかして蜀の兵力ありったけを投入しようとしてるんでしょうか?だとしたら、以前 曹操が“小国の渾身を振り絞り”って言ってましたが、まさにそうですね。

●簡雍が出てきましたね〜。かなり前、蜀と呉が一触即発状態になった時に「まさか雲長がぶち切れて、全面衝突なんてことになるんじゃねえよな?」なんて不安がってましたが、それ以来の登場です。今回も不安がってましたが。
この愛嬌あるおっさんも管理人の好きなキャラです。蜀軍漢中侵攻編に出てこなかったので、もう登場はしないかと思ってたんで、これまた嬉しいです。蜀もオールキャラ登場となりましたね。麋竺とかもう1回出て来てくれないでしょうか。

劉備軍が曹操と戦うのは最後となる訳ですから、漢中侵攻戦では比較的活躍の場が少なかった黄忠・魏延の他、馬岱や厳顔も、今回は大暴れして欲しいものです。もちろん趙雲も。

●曹操迫る。 劉備にとって、“ぞくぞくおっかねえ”が、“なんかわくわく”もするそうです。それは、十何年ぶりの曹操が、“どんなものになってやがんのか”っていう期待。まさに宿命のライバルならではの台詞でしょうか。

十何年ぶりっていつ以来でしょう?赤壁以来でしょうかね。そう言えば劉備って、孔明御付の老人に「曹操は、雲夢沢を通り華容道を経由して逃げるから、途中で待ち伏せしろ。」ってアドバイスされてましたが、そこらへんは描かれませんでした。待ち伏せしたものの、結局曹操とは会えなかったんでしょうか? だとすると、劉備が曹操と直接対面するのって、(蒼天上では)官渡戦の直前に小沛で曹操に追いかけられて以来じゃないでしょうか?そうなると、漢中戦が219年、小沛逃亡が200年ですから実に19年ぶりになります。

星霜(せいそう)巡りて、再び劉備・曹操邂逅。確かにわくわくですね。
「なんでえ曹操!その白髪はあ〜!?」とか驚いたりして(笑)

●−王になった天敵も、所詮、古馴染みの同業者。−
簡雍のその発言に「王...同業者か...」って劉備は呟いてました。「だったら、同業者のおいらだって、王となってもおかしくねえよな。」という結論に至ったりして...。
そう言うかは別として、管理人的には、この劉備の反応は、この後に漢中王となることの布石のような気がしました。

●法正の幕舎。机の左側には、法正の集めた「曹操に関する無数の資料」。右側には、法正の考案した「曹操に処する膨大な策」が在りました。 まさに“敵を知り、己を知れば、百戦危うからず”状態です。そして法正の呟いた台詞は、
「曹操の一手に十手を浮かべ、対する一手を百策より引き出す。」

なかなか常勝軍師らしい台詞で良いです。曹操を研究しつくした法正は、曹操の最初の一手を見ただけで、次に来る十手を思い浮かべるのでしょうか?そして曹操の一手に対処する一手を、練りに練った100策から1策だけ選び出すんでしょうかね。まさに将棋の名人戦のようです。簡雍が、「こりゃ、勝てんじゃねえか。」って言ってたのも頷けるような気がします。

それに対して、劉備の反応は「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」でした。これはどーいう意味なんでしょう?法正の策には劉備の行動は考慮されてないと思ったのでしょうか?もしかして、また定軍山の時のように、法正の策を中止して何かやったりして。そうなるとちょっと法正が不憫のような気が...。

●魏王軍、張郤守備する南鄭に到着。ここでの、張郤や郭淮と会話するシーンは圧巻でした。まさに「覇王の貫禄と凄み」。これでこそ曹操。
先週の「躁鬱性の夢遊病」状態より、今回のほうが全然いいです(笑)。名台詞も満載でした。以下、魏王の台詞を中心に、じ〜っくり考察させて頂きます。

●「老けるどころか、歴戦の将の首は見るたび太くなってゆくな。」
魏王自らの出兵を仰がねばならなくなった事態を“痛恨の至り”と述べる張郤に、曹操はこう告げます。
“首が太くなる”の意味が難解ですが、戦での敗北は“首を獲られること”ですから、“ますます獲られにくい首となっている”というニュアンスでしょうかね。「老けるどころか、戦を重ねて更にしぶとい将となっているな。」って意味でしょうか。
それに対して張郤は、「(そうは言って下さっても)重ねているのは、不甲斐ない戦いばかり。」と答えます。この 『 趙雲曰く、袁紹幕下の頃から著名だった武将 』 も、蜀軍に陽平関・定軍山を奪われ、司令官さえも失うという屈辱的敗北に、ちょっと自信を無くしてる模様です。

●「敗北にこそ才が必要だ」
曹操は張郤の言葉を遮るように告げます。
「敗北の中で、何をどれだけ見いだすことができるのか!? “歴戦”の価値はその能力で決まる!」
この言葉に張郤は、思わず背筋を伸ばします。管理人も思わず背筋を伸ばしてしまいました。

そうですね。“歴戦の将”の呼称は、勝ち続ける将軍、常勝将軍に与えられるものでしょうか?違いますよね。長年に亘りあらゆる戦いを重ね、勝利や敗北を十二分に経験した将がそう呼ばれるのだと思います。勝利できる戦いは確実に勝利し、敗北する戦いは影響を最小限に留め、敗因を学びとり、次の勝利への布石とする...。言わば、勝ち敗け全ての戦いに精通し、どんな戦闘にも対処でき、鍛え上げられた不屈の闘志を持つ将が“歴戦の将”と呼ばれるのではないでしょうか。

赤壁で敗北した曹操の求める“歴戦”とはまさにそのような状態を指すのだと思います。そしてその才を有しているのは、曹操軍に身を置き十数年を経ても「戦場を重ねる度に、自分に授かったものが少しずつ見えてくる。」と呟き、「天賦の才は全て掘り起こし得る。(自分には)いったいまだどれほど眠っておるのだ?」と自問する将軍なのではないでしょうか?

お前こそ、その範ではないか。と曹操は告げます。 “歴戦”とは何かを曹操軍兵士に示す将。お前こそその見本ではないか。曹操はそう告げ、張郤を新司令官、即ち「夏侯淵の後継者」に任じます。

●「おのれを雄大な絵柄の緻密な織物と見なせ!その将器に一戦一戦を入念に織り込み、生涯をかけて仕上げるのだ!」
なんという叙述巧みに叙情を織り込んだ台詞でしょう! 自分を「緻密に作成する織物」だと考えろ。と曹操は告げます。「雄大な絵柄を織り込む織物」だと考えろと...。そして、そこ(自分の将器)に織り込むのは、張郤が経験する数限りない戦い。それを一戦一戦、丹念に織り込むのだ。魏王はそう命じます。そしてその織物を生涯かけて仕上げろ、と。
つまり、それが完成する時、張儁乂という武人の生涯は、百戦を織り込んで煌(きら)びやかに輝くのではないでしょうか?雄大な絵柄を緻密に織り込んだ織物ように。

「半世紀の武人」張郤に、魏王が与えた言葉。これは張郤にとって、まさに生涯の主題・人生の命題となったような気がします。

●「夏侯淵の死にお前の自責は必要ない!」
軍師である自分が、身を呈して夏侯淵を止めていれば。命を投げ出してでも夏侯淵の行動を阻止していれば。と、郭淮は悔恨の涙を流します。それに対して曹操が告げたのがこの台詞でした。
では、“夏侯淵の死”とはどのようなものだったのでしょうか?以下、曹操は郭淮に語りかけます。

夏侯淵が最期に行なったこと。それは“己(おのれ)の全てを賭けて、劉備と相対する”ことでした。その行動は『 戦術というものを越えてしまった断行 』であり、夏侯淵の死は『 魏王国にとって莫大な損失 』を与えてしまう結果ともなった。と曹操は述べます。だが。と魏王は天を見上げます。
「渾身の生が、惟惟(ただただ)眩(まぶ)しい。」

力の限り生きたその生涯は、渾身の力を振り絞って敵将に立ち向かったその最期は、ひたすら眩しいものだ。そう曹操は言いたかったのではないでしょうか?つまり夏侯淵の死は、戦術を越えてしまった行動や国に与える損害などという要素とは別に、眩しいばかりの死に様であった。と。
故にその死に対し、お前の自責など必要ない、お前が責任を感じることなど何も無いのだ。
曹操はそう告げようとした気がします。

先週は、曹操の言動に“夏侯淵の死”に対する要素が含まれていない。と不満を述べましたが、今週早くも払拭されました。

●“痛恨の至り”を感じる張郤には“人生の主題”を。“凄まじい自責”を感じる郭淮には“夏侯淵の死の意義”を。おもむろに告げる曹操。まさに“歴戦の王”曹操が告げるからこそ重みがあるような感じがしました。そして魏王のこの発言は、司令官の死に悔恨を感じる将軍や軍師に、新たな活力を与えるに十分なものだったのではないでしょうか?いや、少なくとも管理人は元気でました(笑)。

●−この代償はどでかいぞ。劉備!−
この時の表情。一族郎党 皆殺しにしそうな顔してます。まさに覇王の凄み。
将の将として、王たる気概を持つ将として育成しようとしていた男を。旗揚げ以来行動を共にして、兄弟同然の同志であった男を。その男を殺した劉備。『 ただで済むと思うなよ。劉備。』 そんな感じではないでしょうか。
配下の将が落ち込んでいれば、それが間違っていることを指摘するような良き王であっても、股肱の臣を殺されれば、凄まじいまでの償いをさせようとする修羅の王。ここらへんが蒼天曹操の真骨頂ではないでしょうか?

●「前線に案内せい!軍議は途上だ!」
一刻も早く前線に出たい覇王。軍議する時間も勿体無いみたいです。
曹操の逸(はや)る心。それは宿敵との再開。そして敵に代償を支払わせたい一心からきているのではないでしょうか。

...おっかないです。

No.11443 - 2004/11/21(Sun) 21:25:10

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / あお
「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」

「どうやらこれで軍師(戦術)も互角になったようだ。あとは曹操と自分の大将としての器の差が勝負を決めることになるな。」
と物凄い仕事をする法正を見ながら劉備は感じたのだと読みましたがいかがでしょうか。

先週感じた軽い感じが今週は無くなっていました。色々リズムを考えて書かれているのだと思いますが、文庫本で通しで読んだ時にどうなるのかが今から楽しみです。

No.11444 - 2004/11/22(Mon) 00:32:13

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 黒助 [関東]
今週の蒼天、大ボリュームでの更新お疲れ様です。
今週の曹操、迫力ありました!まさに覇王でしたね。
先週の純粋な武人、敵見方問わずの生粋の求才者としての側面と今週の凄み溢れる覇王としての側面、その両方が蒼天曹操なのだと一人納得してしまいました。

> 「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」これはどーいう意味なんでしょう?

曹操は戦において準備万端の策だけでなくその場で即興の芸術のような策を繰り出します。その全てに真っ向から対するためには最善の事前策だけでなく、その場その場でのぎりぎりの決断が必要でしょう。
これには瞬間的な判断力と何より全てを左右しかねない決断を迷わず下す胆力が必要です。
この最後の決断は天下人たる劉備にしか出来ないものであり、そこまでの必要な全てを最善でやってのけた法正のためにもここで過つまいとの劉備の決意なんではないでしょうか。
一瞬にして物事の根幹のみを捉え「要は…」と言ってのけ、氷の刃すら平気で飲み込む蒼天劉備なら出来る気がします。今後に期待!!
そういえば軍師に足りないものを天下人にしかない嗅覚で補って曹操と対峙するって構図、どうしても赤壁を思い出しますよね。これって今の法正はあのときの周瑜に迫るってことなんでしょうか。ああ、周瑜…。

> “戦術を越えた断行”

実は私はここは「超えてしまった」とは捉えませんでした。というのは曹操は夏候淵にはまさに戦術を超えた王にしかできない領域の決断をこそ求めていたと思うからです。
だから私には曹操は「夏候淵の一騎がけは戦術を越えた王としての決断であり、そこには軍師の責の入る余地はなく、自分すら口を挟むことはできない。確かに淵の決断は結果的には魏にとっては莫大の損失となった。けれどもあれが彼の王としての迷うことなき決断であったことは明白であり、だからこそ今は、その損失以上に彼の渾身の生が唯唯眩しい」と言ったような気がしました。

にしても
「この代償はどでかいぞ」
かつて戦で立派に死んでいったにも関わらず、曹操にここまで言わしめた将がいたでしょうか?
先週の「曹操は夏候淵の王たる死に関して悼むよりは敬意を表す」との予想が誤っていたことを素直に謝罪する(両方でした!)と同時に改めて私も彼を偲びたいと思います。

No.11445 - 2004/11/22(Mon) 01:04:35

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / しん [地球外]
今週はかなり読み応えがありました!「今週の蒼天」おつかれさまです!
赤壁の前哨戦のときに、曹操の事を評して「種が入った」、という台詞
があったと思います。その時は、良く意味が解らんかったのですが、今回の曹操と張コウ・カク准を見てなんとなくそのニュアンスを感じました。夏候淵を失った事によるその動揺を、曹操が与えた言葉により「ビッ」となってます。曹操、コーチング巧いです。

逆に劉備は法正をみて感心している感じがほほえましいです。さすがにその後の、「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」という台詞とその表情には天下人の覚悟を感じます。

主君が示した「大法螺」、その実現への戦略遂行の1から9までを配下に任せ、最後残る1の決断・遂行をその主君の器・胆力で行う劉備陣営。
超有能な主君が周りの配下に影響を与え、その潜在力を十二分に引き出す曹操陣営。
そんな両陣営の性質の違いが解る今回の蒼天でしたね。

No.11446 - 2004/11/22(Mon) 02:46:25

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / MARQUES
次回は劉備がその器を魅せるのでしょう。
「おいらのやるべき事」とはどんな事なのでしょうか?
久々に劉備の心の奥底を揺さぶられる大徳をみたいです。。

No.11447 - 2004/11/22(Mon) 05:55:42

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 槍ですら [甲信越]
 先週大はしゃぎの後に夏侯淵の死に憤る。
 魏王の心の揺れ様はそれと示されずともこういうものではないでしょうか。実際、荀?ケを死に追いやった後位からは曹操の賢才ぶりは鈍っていたことは三国志関係の書物全般から見て取れますからね。まあ蒼天ではそんなくだりは皆無ですから、ゴン太先生の力の入れ加減で雰囲気が変わったといったところでしょう。
 それはさておき、楊脩はやっぱりでてきませんね。演義よりの内容もふんだんにある蒼天ですから期待していましたが…厳顔出すくらいなら楊脩出てきてもおかしくないのですが、まだ望みはありますが。数少ない曹植派の有名人、ぜひとも登場してほしい。

>麋竺とかもう1回出て来てくれないでしょうか
 出てくるとしたら麋芳がらみで出てきそうですね。病死するのは、魏王の死後ですから微妙なところですが。

No.11448 - 2004/11/22(Mon) 15:27:05

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 岳飛
>「老けるどころか、歴戦の将の首は見るたび太くなってゆくな。」

これは蜀の張飛や趙雲の事だと思ったのですが。

No.11449 - 2004/11/22(Mon) 17:05:07

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / ブ王 [関東]
張郤と郭淮に対する曹操の立派な姿を見て、なんか遺言っぽいな、いよいよ終わりも近づいているんだな、なんて思い、感慨深かったです。

>−この代償はどでかいぞ。劉備!−
此処では、僕は無条件で、関羽を思い浮かべてしまいました。

No.11450 - 2004/11/22(Mon) 17:31:30

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 文月 [近畿]
こんにちは。今週(もう先週?)も載っててよかったですね。

まず簡雍さん、久々の出番ですね。相変わらず「大将」劉備どんとのやりとりはいい味出してます。
それで、簡雍さんの「大将の器にかかりゃ古馴染みの同業者」という言葉が出ましたね。
これは、「黄巾の乱」から30年余、中華の地の大半を巻き込んだ乱世の中で数多の群雄という”事業者”が割拠しては淘汰され、今生き残っているのは簡雍が「大将」と仰ぐ劉備と、その「天敵」曹操だけになってしまった(孫権は三代目なので除外)という感慨から出た言葉なのでしょうね…。

法正さん、頑張ってます!
傍目からは定軍山では諸葛亮に手柄をさらわれた分を今から取り返そうと躍起になっているようにも見えます。
ほっぺたが膨らむのも健在です。(笑)
曹操に対抗する策を練るのもいいけれど、あんまりお体に負担をかけるようなことは控えてくださいね…。なにしろあなたのお命はあと(以下、自主規制)

さて、曹操が張コウと対面しての第一声、「老けるどころか歴戦の将の首は見るたび太くなってゆくな。」という台詞は、私は
「張コウの首が太くなってゆくのは首に筋肉が付いていったせいだ!!」
と勝手に解釈してしまいました。(爆)
やっぱ張コウも武人ですから、きっと脱いだら凄いんでしょうね、筋肉が。
と、茶々をいれるのはここまでにして、「重ねておるのは腑甲斐なき戦績」と自嘲の言葉をこぼす張コウに対しての曹操の「敗北にこそ才が必要だ。」「敗戦の中で何をどれだけ見いだすことができるのか!?」「”歴戦”の価値はその能力で決まる!」という台詞はいろいろと考えさせるものがありました。
「負けて覚える相撲かな」という言葉があるように、およそ勝負事と名の付く事では(なにも勝負事に限ったことでは無いですが)勝戦から学べることよりも敗戦から学べる事の方が多いと言います。
しかし、敗戦(失敗)から学んだことを次に活かせることの出来る人と活かしきれない人がいる。
蒼天の張コウはおそらく前者なのでしょう。
つまり、曹操はその「敗北から学ぶ才」を張コウに見いだし、前任者・夏侯淵亡き後の新司令官として任命したのでしょう。

また、曹操は夏侯淵の軍を引き継いで指揮していた郭淮のことを「なによりの功は、夏侯淵亡き後の見事な収拾だ」と褒め、すぐ近くにいながら夏侯淵を押しとどめられなかった自分を責める郭淮に対して「お前の自責は必要ない!」と言いました。
たしかに夏侯淵の一連の行動は曹操の言うとおり、「戦術をこえた断行」であり、結果的に夏侯淵自身の命を失い、定軍山をも失うという魏軍にとって大きな痛手を負わせることになりました。
それでも、当の夏侯淵は本望だったのでしょう。
魏の将としては倒さねばならぬ敵の大将である劉備の心胆を寒からしめそして「漢中の王」と言わしめ、主君であり兄弟同然の友人である曹操に「渾身の生が、惟惟(ただただ)眩しい。」と言わしめたのですから…。

さて、その曹操の「この代償はどでかいぞ劉備!」という独白は、私はどちらかというとこれからの漢中戦よりもむしろこの後の荊州戦の伏線のように思えました。
曹操の「兄弟同然の将」夏侯淵を殺した蜀軍に対しては、劉備の「一方面をまかせられる兄弟同然の将・関羽」をCENSOREDことでその恨みを晴らしてくれようぞ、というように…。

No.11451 - 2004/11/22(Mon) 18:12:07

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 5050 [東北]
TATSUさん、いつもレビューお疲れ様です。ほんとによかったです、今週も載ってて。

劉備陣中…
まず初めに法正の「溢れて止まらん」発言に背筋が凍りました。これはあの郭嘉の最期の名言に酷似してるじゃないですかっ…(泣)!そして新たな戦に笑みを浮かべる仕草…あぁ、やっぱりそうなんですね…これ以上はネタバレになるので一応言いませんが。しかしその直後のユーモアも蒼天ならではですよね。コンビニで立ち読みしていたので笑いをこらえるのに必死でした。

曹操陣中…
なんか…恐いですね。曹操。「ただでは済まんぞ。」って。でも私が考えるにそれは劉備と殺しあってただCENSOREDということではなく、むしろ死よりももっと苦しく、屈辱的な負けをさせて再起不可能な状態に追い込む、かつて袁術を返り討ちにしたときのようにすると思うんです。そこらへんの軍略の衝突がとても楽しみです。今後の蒼天航路。個人的には孫権との時みたいに直接語り合って欲しいです。劉備も曹操に遭いたいようですし。

では、次回も連載される事を祈りましょう。

No.11452 - 2004/11/22(Mon) 21:08:43

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / kazz [東北]
前回TATSU様の感じた違和感、見事解消されていましたね。

>「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」

コレの受け取り方は様々だと思われますが。
“一種の責任感” 私はそう感じました。
「有能な将軍たちがこれ以上ないほどに互いを高め合い、力を発揮し始めた。優秀な軍師が全てを最良の状態でコントロールし、尚且つ能力以上のものをひり出すまでに気を高めている。蜀の内部にも問題はない。問題が無いどころか充実しまくってる。
全てが理想的なほどに万全に機能している。」
それを踏まえた上で、
「この状態でもし負けたら、それは他の誰のせいでもない。自分に足りないものがあるということだ。」
曹操と対峙する大将として避けて通れない境地なのだと思います。
あの周瑜がそうであったように。黒助様は法正を周瑜に、劉備を孫権に例えてらっしゃいますが。私は今の劉備こそ周瑜の境地なのだと感じました。

一方の曹操は実に曹操らしい感じ。
覇気があっていいですね。
やっぱりしめてくれるところはきっちりしめてくれますね。
個人的には

>この代償は、どでかいぞ。劉備!

この独白は、意趣返しとかそういうみみっちいノリではなくて、戦闘モードになった曹操の猛りをそのまま言葉にしただけかと。
「やってくれやがったな、この野郎」的な(笑。
奪われたから奪ってやる、っていう次元の戦はしないでしょ、曹操は。

なにはともあれ次回が待ち遠しいです。

No.11453 - 2004/11/23(Tue) 10:25:51

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 趙繍 [九州]
劉備、だんだん天下人になって行きますね。法正もすばらしいですね。確実に諸葛の亮さんよりもいい軍師です。しかしね・・・・。

 
曹操の言葉、「この代償は、どでかいぞ。劉備!」、「ただでは済まんぞ。」はやる気満々な言葉ですね。次にすぐ休載に入ったら「ただでは済まん」のは読者ですかね(笑)次回も楽しみです。

No.11454 - 2004/11/23(Tue) 12:31:58

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / アベール
「足りねえもんがあるとすりゃそれはおいらのやるべき事だ」
いくら曹操を研究し尽くしてもプレッシャーには勝てないので同業者たる劉備の出番でしょうね。
関羽抹殺が入蜀以来、絶好調の劉備をくじくための曹操の策略なら面白いんですがね。
「敗戦の中で何をどれだけ見いだすことができるのか!?歴戦の価値はその能力で決まる」
きめこまやかに戦う張郤にとって失敗こそ大きな飛躍のチャンスでしょう。最後のページの曹操がイカス!!

No.11455 - 2004/11/23(Tue) 22:20:28

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / つね [関東]
遅くなりました。

1.待ち受ける法正
2.待ちかねる曹操

どうも法正v.s.曹操っぽくなってきたような気がしましたねえ。
正史だと、漢中戦で曹操は法正の名前をしっかり刻みつけることになるのですが。そういえば、現状では魏軍陣営は法正の名前はまだ明らかになってないですよね(多分)。
最近の法正が郭嘉じみてきたなというのは5050さんと同じ。もっと言えば、劉備の「おいらがやることがない」というのも、郭嘉が曹操に向かって「引っ込んでてください」みたいなことを言ったのに通じるか、とも思いましたが、少し違うかな。法正の場合、劉備が眼中になさそうだから。(郭嘉は計算に入れた上でのこと。)戦略に組み込むには、劉備の存在は大きすぎるのかも。

「この代償は、どでかいぞ。」発言については、kazzさんの意見に私も賛成です。「夏候淵の代償に、関羽を失わせて同じ悲しみを味あわせてやる」というのは蒼天曹操らしくないので。

No.11456 - 2004/11/23(Tue) 23:30:53

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 英英 [北海道]
またしてもギリギリですがお邪魔します(^^;
管理人様が単行本派にならなくてよかった〜(笑)

今週の法正!馬から降りて“シュタ”って…すごい運動能力ですよ。甲冑姿なのに、全力疾走して階段も駆け上がって。彼は肉体派軍師とみました。普通に武将のようだし。

>どうも法正v.s.曹操っぽくなってきたような気がしましたねえ。

これすごく同感です。
ラスボス曹操を相手に軍略を描き立ち向かう法正。
背後で簡擁あたりがすげえすげえと拍手してそうな(笑)場面を想像しちゃいました。で、劉備はどこだ!?
「どこへ走りゃいいんだっけ?」と真顔でたずねる劉備が可笑しいです。それでいいんですか、大将。
「邪魔しねえから続けてくんな」ってあたりも劉備らしい。曹操様ならきっと軍略に曹操らしさを出すと思うので。
う〜ん、この戦はおまえのものだ!法正!って感じかな。

>「足りねえもんがあるとすりゃ、それはおいらのやるべき事だ。」

上司のこういう考え方って、部下の能力を最大限に引き出すのかな〜と思いました。その後の曹操の発言とも合わせて、今週は部下と上司について色々考えさせられた内容でした。

No.11458 - 2004/11/24(Wed) 20:05:21

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / Hexing[遼寧省]
こんにちは。

現在、中国在住で生の蒼天を見ることはできないのですが、管理人様はじめ皆さんの投稿を読んでいて思ったことがあるので、一言。

> そうですね。“歴戦の将”の呼称は、勝ち続ける将軍、常勝将軍に与えられるものでしょうか?違いますよね。長年に亘りあらゆる戦いを重ね、勝利や敗北を十二分に経験した将がそう呼ばれるのだと思います。

じゃ、負けずの徐晃はどうなるの…?

No.11466 - 2004/11/27(Sat) 02:02:50

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / shin [九州]
皆様こんにちは。はじめてカキコさせていただきます。まずは、管理人様今週の蒼天お疲れ様です。とても深い考察、いろいろと考えさせていtだきました。さて、
> じゃ、負けずの徐晃はどうなるの…?
とのことですが、管理人様も「勝利できる戦いは確実に勝利し、敗北する戦いは影響を最小限に留め、敗因を学びとり、次の勝利への布石とする。」とおっしゃっているように、徐晃の敗けずの戦いというのも、同じことなのではないかと思います。たとえ、今行っている戦が不利だとしても、被害を最小限にするため考えを巡らせ、色々なことを試してみる。その結果が「敗けずの徐晃」につながっているのではないでしょうか?そのことを一番表しているのが、コミック14巻その百六十の「敗けずの徐晃」の、裸で逃げているシーンなのではないかなと思います。(徐晃ファンの皆様、勝手なこと言ってすみません)戦で一二を争うほど難しい、「逃げる」という行為を、裸でやってのける徐晃。やはり、彼もただものではありません(笑)

No.11469 - 2004/11/27(Sat) 07:43:47

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / ゆ〜や
皆さんはじめまして。こんにちわ。友達から教えてもらい、きてみました。これからもちょこちょここさせてもらいます!!
皆さんものすごい考察ですね〜刮目させられました(笑)

Shinさんという方が、敗けずの徐晃について書かれていますが、なるほどと思いました。確かに、徐晃の敗けずというのはそういうことなのかなと思います。逆に、袁紹は関羽が『負けを負けと思わせない収拾力がある』と言っていたように、(極論ですが)言わば負けをなかったことのようにしてしまう。つまり、負けから何かを学ぶことができない。このことも、官渡での敗因の一つではないかと思います。(袁紹ファンの方すみません)

某バスケットマンガの監督が『負けたことがある』というのがいつか財産になる(だったかな?)と言っていたように、負けることで得るものもまた多いのでしょう。負けることで自分の弱点や相手の得意なことなどを知り、次につなげることで、兵法にもある『彼を知り己を知れば百戦危うからず』というのも実践することができるのではないでしょうか?

No.11470 - 2004/11/27(Sat) 14:30:16

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / ギルガメッシュ [関東]
遅れに遅れましたが、書き込みします。張郃は新司令官としてどんな戦絵図を描いてくれるのでしょうか?曹操の求める司令官の姿はハードルが高いと思いますが、張郃ならば夏候淵とは一味違うものを見せてくれると思います。

 曹操の夏候淵への言葉は、公と私、二つの感情を吐露したものだと思います。公的には戦略的にも、一方面の経略を任せうる武将の死は曹操にとっては痛恨事。しかし、曹操の個人的な心情としては夏候淵が夏候淵たることを貫いたうえでの死に煌きを感じえたのかもしれません。

 そして、法正が一種の「祭り」状態になってきました。三国志を扱った作品でこんなに法正が生き生きと戦略・戦術のタクトをふるう作品は蒼天航路だけだと思います。

 これからの蒼天、面白くなってきました。年内完結の話もどこかへ去り、先生にはじっくりと腰を据えて頑張ってもらいたいものです。

No.11482 - 2004/11/30(Tue) 20:12:59

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / 侠客 [東北]
 曹操、いよいよ漢中到着。

 張コウにかけた言葉が素敵でした。
 この曹孟徳の言を要約すれば、己の敗北を知り、挫折を味わい、それでも戦い抜く将たれ――どこかニーチェに似てますね。
“半世紀の武人”の残り10年は、さぞ煌びやかなものになることでしょう。

No.11495 - 2004/12/05(Sun) 19:03:30

Re: 今週の蒼天<星霜(せいそう)巡りて> / RYU [東海]
いつもおつかれ樣です。
言い訳になりませんが、年末という時期的にも、仕事的にも大変忙しく、
非常に遅い書き込みですが、失礼致します。
「星霜巡りて」は読んだ瞬間から思う所少なからずでした・・。

一個人の進化・終焉、生き様・死に様と、
魏という大国の勝利・敗北、国益・損失という全く相反する要素が
垣間見る事もできるシーンだと思いました。

リーダーや統率者であれば当然抱くであろう冷徹な視線―それを
「唯々眩しい」ー深い愛情と哀悼の想いで胸を焦がす人間曹操。
こうゆう所が蒼天の「王」たる彼に見られる魅力なんでしょう。

>「その将器に一戦一戦を入念に織り込み、生涯をかけて仕上げるの
だ!」
これに対して、何をか言わん―言う事ができようか、です。
最も印象深いメッセージでもありました。

彼ら蒼天人にとって「生きる」「死ぬ」は表裏なんですね。
夏候淵は、輝ける生き方をしたからこそ、生きた証は勿論の事、
死に様すらも曹操・劉備らの心を捉え「王」と言わしめたのでしょう。
淵に対するに、張儁乂にとってはこれからがさらに大きな証を輝かすべく
歴戦の生涯となるのでしょう。
「爾今生涯」という言葉もあり、人生においては自分で区切りを
付けた所が始まりに成り得る、という解釈もあるそうです。
淵の「王」に向かうべく始まりは、曹操との「王問答」からであった
かも知れません。そして儁乂にとってはここからなんだ、と。

自らに使命を課す事は、大変な生き様であるには違いないでしょう、
しかし輝かしくもある、と思いました。

No.11508 - 2004/12/07(Tue) 02:51:40
蒼天航路 / すっきり
つくづく、蒼天航路は他の三国志漫画とレベルが違いすぎる。
他のどれと比べてもダントツに思える。
今週の蒼天航路にも鳥肌が出た。
たまらなかった。

No.11463 - 2004/11/26(Fri) 02:41:40
蒼天、この後どうなるかな? / 子孝
こんにちは。
漢中戦がヒートアップして来ましたが、荊州戦や魏フウの乱はやると思いますか?関羽がかなり出てきているから、私はやると思ってますが。

No.11441 - 2004/11/21(Sun) 11:22:16

Re: 蒼天、この後どうなるかな? / 文月 [近畿]
あれだけ伏線が出てきているのですから、きっと絶対描かれるのでしょう。
そう信じたいです。
年内完結?そんなの嘘よ!嘘に決まってるわ!!

No.11457 - 2004/11/24(Wed) 16:36:35
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