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クロニクル☆エディションについて / 競輪王 [近畿]
 今朝方、ふと気付いたことなのですが……

「次のクロニクルエディション、単行本を抜かしちゃうじゃん!!
 どうする!? モーニング編集部!! あと2週間しかないぞ!」

 本当にどうでもいいことで済みません……。

>管理人様
 目障りだったら削除して下さい……。

No.11896 - 2005/05/03(Tue) 14:29:49

Re: クロニクル☆エディションについて / YOUSUKE [九州]
  文庫版も今、発売されたら単行本を抜きますね。        単行本の地位が危ないかも・・・ (笑)                                               後、話題から外れるようですけど文庫版蒼天の17巻の発売日知りませんか?(知る術がないもので)        
No.11897 - 2005/05/03(Tue) 15:13:23

Re: クロニクル☆エディションについて / なるみ
残念ながら・・・

> 「次のクロニクルエディション、単行本を抜かしちゃうじゃん!!
>  どうする!? モーニング編集部!! あと2週間しかないぞ!」

次のクロニクル10巻、発売秋ですから!
(9巻の巻末参照)

でも、1000P超で最終回まで載る予定です。
それまでに終わっちゃうんだな〜、蒼天(寂)

No.11898 - 2005/05/03(Tue) 17:00:53

Re: クロニクル☆エディションについて / 競輪王 [近畿]
>次のクロニクル10巻、発売秋ですから!
(9巻の巻末参照)

あ! そうだったんですか。
あちゃ〜、お恥ずかしい限りでございます。

でも……

>でも、1000P超で最終回まで載る予定です。

って、本当にそんなことが可能なんだろうか……?
今度こそ、「どうする? モーニング編集部!?(←ひつこい)」

No.11902 - 2005/05/04(Wed) 07:22:46

Re: クロニクル☆エディションについて / 繍 [九州]
どうも、ご無沙汰しております。

自分は最初は文庫本版、21巻から単行本で買っておりますが、

クロニクルがそんなに出ていたとは!(笑)

最初から買う気なかったんでノーチェックでしたが、ほんとに大変なことになってますね。モーニング編集部もよくやる・・・といった感じでしょうか。

しかし1000P越えってコンビニで見たらすごくありませんか?色々と・・・。

No.11903 - 2005/05/04(Wed) 21:09:46

Re: クロニクル☆エディションについて / つね [関東]
 結局のところ、編集部はゴンタ先生と意思疎通とれているのか、というところです。去年の「年内完結」宣言をもとにクロニクルエディション構想ももってきたのでしょうが(そのころの管理人さんの考察にもそうあったような気がします)。
 「年内終わり」とゴンタ先生が言い出したのか、「クロニクルエディション構想があるので年内で終わらせてください」と編集部が言い出したのか。

 前者なら芸術家の気まぐれはよくあること、構想変更はファンとして歓迎すべきことだし、後者ならざまーみろ、というところです。

 クロニクルエディション無理せず11巻にしてもいいんじゃないかな。きりのいいところで終わらせたければ20巻構想で(笑)。

No.11911 - 2005/05/07(Sat) 12:56:42

Re: クロニクル☆エディションについて / 競輪王 [近畿]
>きりのいいところで終わらせたければ20巻構想

あ、それ賛成!!

でも、20巻(と言うことは単行本で70巻足らず分……)だと、あの「あおいきば」の子孫が天下を取るところまで行けるかも知れませんね。

No.11914 - 2005/05/07(Sat) 13:44:39
(No Subject) / 競輪王 [近畿]
>きりのいいところで終わらせたければ20巻構想

あ、それ賛成!!

でも、20巻(と言うことは単行本で70巻足らず分……)だと、あの「あおいきば」の子孫が天下を取るところまで行けるかも知れませんね。

No.11912 - 2005/05/07(Sat) 13:25:06

Re: 管理人様、ごめんなさい! / 競輪王 [近畿]
 つなぎミスです。すみません……。
No.11913 - 2005/05/07(Sat) 13:43:41
今週の蒼天<関羽の立つ世界> / TATSU@管理人 [関東]
こんばんは〜。今回は月曜にUPできました。

職場が変わる前は木曜か金曜にUPしていた蒼天レビューも、翌週 月〜水のUPが恒例になってきました。 木・金は仕事が忙しく、とても自宅でパソに向かう元気は無いので、土・日の空いた時間に少しづつ書いてるんですが、最近、休日も色々と忙しいんですよね〜。
で結局、休日も7〜8割書いたところで挫折して、あとは月〜水の間で気力を振り絞って完成させております。 どうです?涙ぐましい努力をしてるんです!管理人も!

少しでも同情して下さる方いれば、2〜3行でもいいんでレス付けて頂ければ幸いです。
色々感想を書き込んで頂くと、やっぱり沢山の人が来てくれてるんだな〜と、結構励みになるんです。これが。

No.11865 - 2005/04/25(Mon) 23:47:02

今週の蒼天<関羽の立つ世界> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

「降(くだ)れ。若武者。」
関羽は告げた。

関羽は成何を、座礁した艦の船腹に抑えつけていた。
成何は降伏を拒んだ。なぜなら、成何の主君である韓遂は既に亡く、成何の拠るべき徳目は“孝悌”しかなかった。それは、兄の友人であるホウ悳に従うことであり、即ち“涼州の武”を貫くことであった。
「その意気やよし。」
関羽はそう告げると、振り下ろす成何の剣より早く、青龍刀を旋回させた。
鮮血を上げた若武者は、天を仰いだ。

***************

ホウ悳と成何の亡骸(なきがら)は、舟に横たえられた。
流れ往く舟を見送り、関羽は呟いた。
−さらば、義の烈士たちよ。−

***************

長安に于禁軍潰滅の報が届いた。
3万の軍の消失に賈翊・司馬懿・蒋済ら謀臣達は声を失った。
「水を入れろ。」
曹操は、眼前に作った樊城付近の模型に水を入れさせた。

***************

樊城城壁の一部が決壊し、奔流が城内に流れ込んでいた。
食糧を高所へ運び上げる城兵達。それを見ながら満寵が豪語していた。
「こんな戦(いくさ)は前代未聞。どんな兵法家の頭脳でも追っつかんでしょう。」
豪雨に打たれ城壁上の満寵は楽しげであった。
まったくだ。と傍らにいた曹仁は笑みを浮かべて同意した。曹仁は満寵に、その気焔を城郭の全兵に焚き付けるよう命じていた。

しかし、曹仁の篭城兵4千に対し、関羽軍は2万の兵力を有していた。更に救援に来るはずの徐晃軍は宛城で足止めを食らっており、樊城陥落は目前に迫っていた。

***************

「やってくれ。」
自ら傷口に酒を注ぎ、関羽は廖化を促した。
緊張した面持ちで、廖化が関羽の額の縫合を開始した。
「葛仙公と言う人物がいる。」
関羽は碁盤を見つめ呟いた。
「その男。豪雨の度に孫権に招かれ、大酒を飲み、水の上を歩いておるらしい。」
治療を受けながら、関羽は碁を打っていた。

***************

曹操と謀臣たちは、水に浸かった樊城模型を見つめていた。

暴れる川を遡行してきた水軍といい、僅かの間隙をつき城を包囲した騎馬軍といい、関羽軍は強兵の集団であった。名のある将は全て益州に移っていることからして、関羽軍の将兵は、この一戦に備えて養成したものと推測された。関羽が荊州を統治して7年を経ており、関羽自らが7年に亘り練兵すれば、新兵が蜀の将兵以上になっている可能性は十分にあった。しかも、樊城はもともと劉備軍の根城であり、天候・地形を知り尽くし地の利は、むしろ関羽の側にあった。
于禁殿は敵を甘く見過ぎたか。と、司馬懿は考えていた。

「于禁投降。 ホウ悳斬死。」
ふいに曹操が声を上げた。
「こんな平穏の宮城におるから、二人の結末を通り一遍に並べてしまうのだ。」
曹操は、憤怒の表情を浮かべた。于禁がいかに降ったか、ホウ悳がいかに死んだか。そして、尋常ならぬ悪天に、桁はずれの関羽...。
「なぜ俺がそこにおらん。」
曹操は悔しげに呟いた。
曹操は、夏侯惇、次いで張遼を荊州に送り込むことを決意した。

***************

伝令が魏諷の隠屋(アジト)に飛び込んだ。
曹操援軍は潰滅。樊城は水没し孤立無援。関羽の荊州制圧は時間の問題。と伝令は告げた。
武装した集団を従え、甲冑姿の魏諷は静かに微笑んだ。

***************

升州の国境地帯に軍勢が出現していた。
「きこえる。」
先頭の将が呟いた。
「かんうどのの、よぶこえだ。」

それは嘗て関羽が許に招いた男。モンゴルの蒼い牙であった。



【REVIEW】

■「その心意気やよし。」

成何も武神・関羽の前に散りました。一瞬の登場でしたが、結構印象深い死に様でした。
主君・韓遂を失った成何は、“忠義”は発揮できません。拠るべきものは“孝悌”だけである、と発言します。それは、“兄の友人に従うこと”でした。そしてホウ悳の遺志に従うこととは、“涼州の武を貫く”ことに他なりません。ゆえに関羽の降伏勧告に従う訳にはいかないのです。

“忠義” “孝悌”を回復させろと言ったのは関羽ですから、そう言われてしまえば反論できません。いや寧ろその覚悟は好ましいものに思えたのでしょう。それが「その意気や良し。」という発言に現れたのだと思います。

若武者は天を仰いで絶命しました。
韓遂という主君を失った成何は、兄や兄の友人に従うことによって、“涼州の武”を発揮する機会を窺がっていたのではないでしょうか。管理人的には、成何もホウ悳と同じく、生き続けることによって“死に場”を求めていたような気がしてなりません。
涼州残党の人々は何て哀しくも義に篤いんでしょう。 曹操も涼州・隴関で言ってました。

「孝だ。道義だ。忠節だ。 中央の臣が喚きたてる言葉は、皮肉にも乱を重ねた辺境の餓狼たちの方にしっくりくる。」

■−さらば、義の烈士たちよ。−

二人の遺骸は舟に乗せられ、流されてゆきました。夏侯淵の時と一緒の葬り方です。これが侠客の集まりである劉備軍の慣習なんでしょうか?

「これが涼州10万軍の戦場か!ここまで強いか曹操は!」と嘆いていた韓遂。「伝え聞く結果は耳を疑うばかりの力量の差」と呟いていた馬騰。涼州人の心意気が荊州の地で存分に発揮され、あの世で微笑んでいるんじゃないでしょうか。
ところで馬超は、二人の死を聞いてどう思うのでしょう? 成功英はこの時どこにいて、この先どう生きるのでしょう? 色々想像は尽きません。

“義の烈士たちの死”は、色々想像をかき立ててくれました。よって、成公英は二字姓っぽいのに、何ゆえ弟が一字姓?とかいう疑問は不問に付す事とします(笑)。

■関羽の額の矢。

いつ抜くのかと非常に気になってたんですが、成何が抜きましたね。いや、そのコマを良くみると、成何は矢を掴んだだけで、関羽が頭部を後ろに引き、自ら矢を抜いたようです。細かい話ですが、ちょっと二人の動きについて考えてみます。

成何の右腕の付け根を、関羽は右腕の肘で抑えつけています。これは、降伏を促す為に、関羽は相手の右手を封じたんですね。同時に関羽も右手は使えない状態にあります。で、成何は「涼州の武を貫く」と叫び、自由がきく左手で関羽の頭部の矢を掴みました。成何の意図は不明ですが、もしかしたら、もっと深く突き刺そうとしたのかもしれません。その時、相手が降伏しない事を認識した関羽は、決着を付ける為に、体を引き(抑え付けるのをやめて)、青龍刀を振り下ろしたものと思われます。結果として、矢が抜けたんじゃないでしょうか?
体が自由になった成何も右手の剣を振り下ろしてますが、武神・関羽の青龍刀の旋回スピードには、かないませんでした。

で、関羽の額から全然血が出ないのは何ででしょう?
っていうか、抜いたら出血多量で絶命しそうなんで抜けないのかと思ってました。
もっと凄いのは、矢を抜いたら声も元に戻ったことです。どーいう構造になってるんでしょう?関羽の体は...。

■「こんな戦は前代未聞!どんな兵法家の頭脳も追っかんでしょう!」

満寵が、嬉しそうに叫んでいました。これは『城郭の回りを艦隊が囲む』という異常事態を指してるんでしょうか? 濡須の戦いで“獰猛かつ堅実に攻め入る”と記されていた満寵は、窮地にあって尚意気盛んの模様です。
ところで、以前関羽が城内に突入した時は、満寵はどうしてたんでしょう? “獰猛”なら関羽をみすみす城外に出さずに、討ち取ろうとしそうですが...、“堅実”のほうが発揮され、「ここは一旦様子を見よう。」とでもなったんでしょうか。

いずれにせよ、樊城篭城軍は副将が秒殺され、曹仁独りで大丈夫かな、とか思ってたんですが、もう一人、頼り甲斐ありそうな将がいて良かったです。

■「やってくれ。」

でました!関羽の『 碁を打ちながら傷の治療を受ける 』之図! ここ、解説させて下さい。

正史「関羽伝」には、 『 関羽は流れ矢に当たって肘を貫通された事があったが、傷が癒っても骨が疼き痛んだ。医者が「矢じりに毒が塗ってあったので、手術の必要がある。」と言うので、関羽はさっそく手術させた。ちょうどその時、関羽は諸将を招いて宴(うたげ)を催している最中であったが、肘の血が流れ出て皿いっぱいになっても、関羽は泰然として談笑していた。』 という凄まじいエピソードがあるのです。

それに目を付けた羅貫中が「演義」において、「樊城攻防戦の時に、曹仁の矢が関羽の肘に当たった。招聘に応じて陣屋に現れた華佗が、矢じりに毒が塗ってあったので至急手術の必要有り。と診断し、別室にて執刀する。と告げます。すると関羽は、この場で構わないと命じ、手術の間、馬良と碁を打っていた。」というストーリーに作り変えました。つまり、“時期不明”である矢傷のエピソードを、“樊城の戦いの時”と決め、当時は既に処刑されていた神医・華佗を登場させ、“宴(うたげ)”を戦時中に行なっていては変ですから、“碁の最中”に置き換えたんですね。

で、蒼天ではどう描いたか、といいますと、まず正史ホウ悳伝の“樊城の戦いにて、ホウ悳は関羽を射て額に命中させた”というエピソードに目を付け、だったら、「額の傷の治療は当然するであろう」ということから、上記の「正史をベースにした演義のエピソード」を一部引用して、“碁を打ちながら治療した”を採用したと思われます。ただ華佗を登場させたら異常ですから、廖化にその役割を担わせた訳です。
つまり、“矢傷の治療の時に泰然としていた。” “額に矢を受けた。”という正史の材料と、“樊城の戦いの時に治療した。” “泰然と碁を打っていた。”という演義の材料を、それぞれミックスさせ、最後は“廖化の縫合” “葛仙公を語る”という蒼天風味で仕上げるという実に巧みなストーリーを作り上げました。 欣太先生、見事な演出でございます。

ちなみに「葛仙公」の件ですが、何か意味があるのかと思い調べてみましたら、呉書の「趙達伝」にその名がありました。でも、記述されている事はごく僅かで、蒼天関羽が述べているエピソードと大差無く、今後のストーリーとは関係無さそうです。

■「水を入れろ。」

曹操は賈翊・司馬懿・蒋済と一緒に、水を流し込んだ樊城のミニチュアに見入ってました。

あれっ?いつの間にか司馬懿が長安にいますね〜。「気兼ねはするな。魏王の大喝を浴びる時間もあと何十年とある訳ではないのだ。」って曹丕に言われてましたが、本当に気兼ねしないで来ちゃったみたいです(笑)。司馬懿、慎み深いようで結構 やりたい放題なんでしょうか?

しかし樊城のミニチュア、いや樊城一帯のジオラマというべきでしょうか、すんごい精巧にできてましたねー。 『 細部に至るまで再生した1/1000スケール 』 とでも申しましょうか。あそこまで精巧に作る必要はあったんでしょうか?というか、当時の技術であそこまで精巧にできるんでしょうか?

そもそも、あのジオラマに水を入れて、何を実験しようとしてたんでしょう?どこまで水を入れれば樊城が完全に水没するか実験してたんでしょうか? う〜ん...。それを知ったとして、どう対処するつもりだったんでしょう? ちょっとばかり疑問です。

■「なぜ俺がそこにおらん。」

曹操、焦れております。「こんな、平穏の宮城におるから、二人の結末を通り一篇に並べてしまうのだ。」って憤慨してました。魏王におかれましては、現場で、于禁とホウ悳の戦いぶりを見たかったんでしょうか?そして関羽と自ら対峙したかったのでしょうか? そう言えば張遼も言ってました。
「この方は、王となってもつくづく武人(もののふ)。」

だったら長安でジオラマ作らせて水を入れさせてないで、荊州に向かい早く進発すればいいような気もするんですが...。 漢中への牽制もあり、長安を動けないんでしょうかね。

「続きは濡須だ!」と進撃し、孫権に迎撃の罠を仕掛けていたら降伏され、「劉備と天の理をかけて殺しあうのだ!」と宣言して漢中入りしたら篭城され、荊州の攻防戦にも参戦できず...。なんか曹操、フラストレーション溜まりそうであります。

■「夏侯惇、次いで張遼を送り込むぞ。」

おおっ! 合肥で呉に備える二将を荊州に送り込むんですか!?
曹操、自分が行けないもんだから、変わりに配下の猛将をガンガン送り込んで憂さを晴らしてるんでしょうか(笑)? そりゃ、FANとすれば、魏の猛将が次々と集結するのは、盛り上がりまくりですが、実際そんなことしたら、孫権が千載一遇の好機とばかり、合肥に攻め込んでくるような気がします。 温恢が孤軍奮闘するんでしょうか? 温恢、相変わらず苦労が耐えません。

■さて、業では魏諷が準備万端、挙兵の手筈は整った模様です。アジトには崇息派というよりは、以前述べていた“調練中の傭兵”らしき集団が立っていました。もうクーデター勃発寸前というところでしょうか。

そしてなんと升州の国境付近には、あの「あおいきば」が!
これには驚きました。関羽の北上は、思わぬ波及効果を生じさせております。それとも、モンゴル部族の南下も関羽の作戦、あるいは、魏諷クーデターと同じく孔明が裏で糸を引いているんでしょうか?
なんか凄い展開になってきました、蒼天航路。要らぬ心配かもしれませんが、話に収拾はつくんでしょうか?

■でも嬉しいことが一つあります。すでに単行本34巻収録予定分の話が10話になります。あと1話で蒼天が終わることは有り得ないですから、34巻で完結することは無いと思われます。

つまり、蒼天は35巻収録分に突入することは確実。増してや無名の陸遜に加え、超有名な夏侯惇や張遼が荊州争奪戦に参戦し、北からは蒼い牙が南下し、更には魏諷も挙兵するとなれば、35巻でも収録しきれない可能性もあります。

それでOKです! ここはじーっくりストーリーを練り上げ、36巻ぐらいまでかけるつもりで、グランドフィナーレにもっていって欲しいです。

クロニクルの10巻は、百科辞典なみの厚さということで(笑)!!

No.11866 - 2005/04/25(Mon) 23:48:05

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 公孫樹 [近畿]
管理人様、本当に頭がさがります。忙しい中、このような場を非営利で設け、高い質を保ち続ける努力に拱手したいと思います。

今回もっとも注目を集めそうなのは「あおいきば」の再登場でしょう。私も驚きました。初登場時はただの読者サービスと思いましたが、あのときから伏線が貼られていたのだとしたら見事ですよね。
おそらく孔明の「おもてなし」の内実である曹操包囲網は随分大規模なようです。

関羽の治療のエピソード、うまく描かれましたね。管理人様の解説の通り、正史と演義の双方から材を採って巧みに仕上げられてました。
さて、この場面でちょっと気になったのが、治療するのが寥化だということ。
それがおかしいというのではなくて、このことは暗に、この陣中で近侍する側近の中に「関平がいない」ことを示しているからですね。
つまり関平は別行動をとっている。
となると、かなり前に放置されたままの「孟達とともに闘う若き猛将」が彼である蓋然性ががぜん高くなってくると思いませんか?
当時の連載考でみなさんが予測したように、孟達といえば劉封ですが、蒼天では未だ登場しない劉封、やはり描かれないんでしょうか。そのかわりに長坂で張飛に救われ「関羽以上の武人になれ!」と言われた関平の成長ぶりが描かれる!?
マイナーキャラをしっかり描く蒼天ならではの関平に期待大です。

No.11871 - 2005/04/26(Tue) 06:29:12

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 競輪王 [近畿]
>管理人様

 しょっちゅう閲覧、時々書き込みしております。

>管理人様、本当に頭がさがります。忙しい中、このような場を非営利で設け、高い質を保ち続ける努力に拱手したいと思います。

 私も公孫樹様と全く同感でございます。三国志ファン、蒼天ファンにとって、最高のHPだと思います。

 さて、今週も読了後「うおぉぉぉ〜」とうなりたくなる名シーン続出でしたが、特に印象的だったのは、「ホウ悳・成何剣を胸に船に横たえられるの図」です。

 漢中と荊州、離れていても、劉備も関さんもあっぱれな敵の遇し方は同じ。やっぱり、「粋な計らい」というのが蒼天劉備軍団の特徴であり、魅力なのですね。

>もっと凄いのは、矢を抜いたら声も元に戻ったことです。どーいう構造になってるんでしょう?関羽の体は...。

 ほ、ほんとですか!? あたくし、全く気付きませんでした……。

No.11872 - 2005/04/26(Tue) 07:45:43

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / GT! [東海]
毎回毎回、質の高いプレビューをありがとうございます。

最近は下手したら、モーニングの本編読むよりもレビュー読むほうが楽しみになっていたりしてますw。蒼天の終了とともにこのすばらしいレビューも終わってしまうと残念でなりません。

さて、
「なぜ俺がそこにおらん」と怒りをあらわにする魏王でありますが、その背景にはかつて華陀が七情の激変をいさめた時の表現が使用されていました・・・これ、曹操の死のエピソードに繋がっていくような気がしてなりません。
あ”〜!気になってしょうがない!!!

No.11873 - 2005/04/26(Tue) 13:40:49

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 陳孫 [関東]
TATSUさん、今週もお疲れ様でした。
龐悳は捕われて処刑ではなく、討死だったんですね。
それなら、もうチョット関羽と激闘する姿を描いて欲しかったです(汗
于禁の降伏ですが、史実とはいえ、やはり大した活躍もなくあっさり敗れてしまうのは残念でしたね(悲
決して、演義で描かれてるような無様な敗北でも、情けない愚将でも無かったと思いますが?

>あの「あおいきば」が!
>これには驚きました。

私も驚きました。
まさかまた出てくるとは!
初登場の時は、天下の名だたる侠客たちに囲まれてオドオドしてましたね?
あのモンゴル族の伝説の始祖も、実はこんなザマだったのかも?なんて思ってしまいました(w
しかしこの当時は、まだ「モンゴル(蒙古)」という名前は歴史に登場しません。
そもそも「モンゴル」という部族が既にあったのかどうかも疑問なんですよね。
まあ蒼天では、あったということにしてるんでしょうが、ただこの当時の騎馬民族は匈奴・鮮卑・烏丸などでしたが、その中で「あおいきば」率いるモンゴル族がどういう位置づけだったのか?興味をそそられます♪

No.11874 - 2005/04/26(Tue) 17:23:50

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 鳳卵 [東北]
 管理人さん、お忙しいなか、詳細なレビューお疲れさまです。本当に頭が下がる思いです。なんとかあともう一踏ん張り、最終回まで頑張ってください!

 さて、ホウ悳はヤケに簡単に殺されてしまいましたね。まぁ、セリフがとてつもなくカッコ良かったし、桁外れの関羽が相手ですから、仕方がないのかもしれませんが。
 成何についてですが、レビューを見て初めて、関羽の方が身を引いたんだと気づきました。そうか、あの矢は押し込もうと思ってつかんだという解釈の方が良さそうですね。

 あと、関羽の声が戻ったことにも、初めて気づきました(笑)

 しかしまぁ、なんと言ってもラストのあの人物こそが今回の眼目ですね。
 三国志の後の中華世界は、魏晋南北朝とか、五胡十六国とか言われる時代に突入するわけですが、その先駆けとなるのが、この“あおいきば”なんでしょうか。

>話に収拾はつくんでしょうか?
 というより、この後の中国大陸は300年に及ぶ混乱時代に突入するわけですから、収拾がつかない方が歴史に忠実なのかもしれません。
 中原に流入する異民族たちが、曹操たちの残した遺産をどのように消化していくのか、できれば別の作品ででも、描いて欲しいものですが…ムリだろうなぁ(笑)

No.11876 - 2005/04/26(Tue) 19:05:23

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / おかゆライス [東北]
満寵は虚勢を張ってるだけだと思うのは自分だけでしょうか。
「どんな兵法家の〜」の裏を返せば、どう戦えばいいか見当がつかないとも取れるかと。
曹仁は「だが・・・」の後を満寵や城兵も同じ様に感じているだろうから、満寵のカラ元気を撒き散らして士気を保とうとしてる様に見えたのですが・・・
しかし、「だが・・・」のシーンは腹話術に見えなくもないよなぁ。

出ましたね「あおいきば」
20年前より顔立ちが精悍になっております。
最初は、あのドレッド具合から、まさか呂布の子?とも思いましたが。
彼はどんな動きを見せてくれるのでしょうか。こちらも楽しみです。

近々「あおいきば」のアイコンができるんじゃないかと勝手に思っております。

No.11877 - 2005/04/26(Tue) 23:14:27

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 黒助 [関東]
> 桁外れの関羽

まさに!圧倒的な個の武といい、高邁ですがすがしい侠の精神いい、7年で新兵を歴戦の将兵以上にしてしまう練兵いい、騎馬軍・水軍の指揮といい、およそ武に関する全てにおいてもはや絶人の域です。
三国志の武将中最も有名ともいえるさすがの関羽もここまで最強に描かれたことはないのではないでしょうか。
もちろん蒼天関羽はこれまでも随所でその強さを見せてくれてはいたのですが、ここにきてのこの圧倒的な描き方は、思うにこれほどの関羽がいかに敗れるかをよりドラマティックに描くための伏線である気がします。
様々な人物の連動も含めて既にこれまで見たことが無いものとなりつつある蒼天関羽の戦がどう描きつくされるのか本当に楽しみです。

前にGuest Bookにも書きましたが私は蒼天航路ほど読んだあとに人と語り合いたくなる漫画が無いと思います。そしてここ蒼天考はその蒼天航路を語り合う場として本当に最高の場所だと思います。TATSU様、応援してます!

ちなみに正史等の基礎知識が全く無い私のここの楽しみ方はこうです。
まず荀?ケばり?にまっさら頭で純粋に「蒼天航路」という物語を楽しむ。
そしてその後この蒼天考で知識豊富な皆さんの意見や正史や演義との対比を学びながらもう一度自分なりに解釈してより深く楽しむ。
まさにこのサイトがある可能な、このサイトに頼り切ったあまちゃんの、でも無知識だからこそできるある意味贅沢な楽しみ方です。皆さんに日々感謝。

> もっと凄いのは、矢を抜いたら声も元に戻ったことです。

声質が変わったのは何かの暗示かとも思ったんですが単純に矢がささっている間のみでしたね。発声の際におでこから矢に空気の震えが伝わって響いていたんでしょうか。よく中学時代の合唱で「声を頭から出す感覚で」と指導されましたが、もしや関羽は発声も頭から抜けるいい声だった?

No.11878 - 2005/04/26(Tue) 23:38:20

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 鳳卵 [東北]
 夜中にふと思いついてしまったんで、書き込みです。
 関羽が治療中に語った葛仙公の話、何でこんなことを話してるのか気になったんですが、もしかしてこの話の眼目は、孫権の方なんでしょうか?
 つまり、大酒ばかり飲んでいる(というウワサの)孫権を侮り始めている? これがひいては、呉軍に対する侮りとなって現れてくるという、伏線なのでしょうか?
 もしかしたら、呉の“関羽に呉を侮らせて警戒を解かせる”という策略の一環として流された噂を、関羽が信じはじめているということなのだとしたら…考えすぎかなぁ?

No.11879 - 2005/04/27(Wed) 04:00:15

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 文月 [近畿]
こんにちは。今週号を読んでからの書き込みになりました。(汗)

前回で、于禁の降服シーンが演義のようなカッコ悪いものでなくてちょっと安心…と思ってたら、ホウ悳と成何君がぁ〜〜〜!!(号泣)
私も二人のご冥福をお祈りいたします…。

曹仁と満寵は、私も、カラ元気の様に見えました。
まあ、大将たちが敵の猛攻に怯えて震えているよりは、カラ元気であっても堂々と振舞ってくれている方がまだ配下の兵たちは安心して戦っていられるでしょうが…。

関羽の額の傷の縫合シーンは、医療に関しては素人と思われる廖化が傷の縫合を担当させられているという事もあって、見ていて痛そうです。(汗)素人にそんなことさせんなよ、って言いたいです。

それと、当時の技術であの精巧なジオラマ模型を作った職人さんに拍手!(笑)

No.11881 - 2005/04/27(Wed) 17:39:12

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 公孫樹 [近畿]
私も葛仙公の話のところ、気になってました。
TATSU様のレヴューによれば本筋とは無関係な余談に過ぎず、だとすると、干禁・ホウ徳の活躍をもう少し描いてほしかった一読者としては、貴重な誌面を使うなら呂蒙とか陸遜の話題をふればいいのに…とちょっと不満だったのです。
しかし、鳳卵さんのおっしゃるように考えれば、錯綜する情報戦を表現したものということになりますね〜。なるほど!

No.11883 - 2005/04/27(Wed) 17:52:17

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 英英 [北海道]
こんにちは。今回の関羽の立つ世界は驚きの連続でした。

>葛仙公の話

そうそう、ここだけ唐突で「あれ?」と思ったんですよね。
それで?その話の続きは??(廖化、つっこんでください)
ストーリーに関係ないのかもしれませんが、あえて妄想してみました。

葛仙公は神仙家で孫権に大事にされたことくらいしか知らないのですが……この不可思議さから発想して……蒼天航路にはすでに妖しいことこの上ない登場人物がいます。
はい、諸葛亮です。
『諸葛』という姓がもともと『葛』だったことは諸葛瑾伝に書かれてます。葛仙公と同じ一族とは限りませんが、蒼天孔明も神仙妖怪の類なので何か関係ありそうな気がしました。
少年孔明や銭申は、漢中戦後半以後のストーリーを裏で動かしてます。関羽の北上とそれに同調する天下の動きと神仙家がからんでくるのを示してるような印象を受けた場面でした。

でも蒼いきばの行動は孔明と関係なさそうに思います。
「かんうどののよぶこえがきこえる」と言って動き出してるので。

No.11884 - 2005/04/27(Wed) 20:03:49

神となった男 Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 千折 [九州]
 三国志の人物は、現在に至るまで後世に大きな影響を与えているが、その中でも関羽は別格であろう。なにしろ神になってしまったのだから。世界中に関帝廟があり人々の信仰を集めている。
 何故関羽が神になったか?いろいろ言われるが、蒼天航路は神となるにふさわしい存在としての関羽を描こうとしているように思える。
 では、神が何故人に敗れたのか。そこに作者はこの作品のテーマを感じているのではないかと、最近ふと思った。

No.11885 - 2005/04/28(Thu) 21:57:12

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 黒助 [関東]
>  何故関羽が神になったか?いろいろ言われるが、蒼天航路は神となるにふさわしい存在としての関羽を描こうとしているように思える。

千折さんの意見に私も賛同です。蒼天では関羽は油断とかではなく桁外れの関羽ゆえに戦にやぶれるのではないなぁと思えてなりません。
曹操の理外の戦をなすことで結果的に戦に負け、命を落とすとしても何か別次元で圧倒的に勝つ(それこそ神になるような)、そんな描かれ方がなされる気がします。
蒼天ではどんな武将も死に際でこそその武将らしさを発揮してくれるので。

No.11886 - 2005/04/28(Thu) 22:28:16

Re: 神となった男 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 千折 [九州]
 関羽はたしか清の時代に正式に中国の守護神・軍神となっていますね。その前は太公望、その前は「しゆう」であったそうです。
 太公望が軍神というのはよく判りますし、しゆうも判ります。しかし、処刑された敗軍の将である関羽が何故そうなったのか、いろいろ理由は言われはしますがいまひとつピンとこなかったのですね。
 しかしやはり生前の関羽には神となるだけのモノがあったのではないか。蒼天航路はそういう観点で関羽を描くように思えます。
 思えば劉備も孔明も神にはなっていない。そう考えると、中国人にもっとも高く評価されたのは関羽なんでしょう。劉備の世評が高いのも、神である関羽が生涯忠節を尽くしたからからのようにも思えます。

No.11887 - 2005/04/29(Fri) 06:55:42

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / ブ王 [関東]
関羽が宗教的に神格化されていく経緯について書かれている頁を見つけました。
http://webclub.kcom.ne.jp/ma/dimaoka/doukyouF/kamigamiF/kantei.html

義経やら真田親子みたいに判官贔屓も根底にはあるようですが、どうやって現在絶好調である彼の武威がふと途切れるのかが気になり、毎週目が離せません。

末筆ですみませんが、管理人様、お忙しい中いつも詳しいレヴューを読ませて頂きありがとうございます。

No.11888 - 2005/04/29(Fri) 21:58:11

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 英英 [北海道]
管理人様〜、毎度毎度お疲れさまです。
気力を振り絞っての<今週の蒼天>ありがとうございます。
周囲に三国志ファンはいるものの蒼天ファンは皆無なので、他の方々の感想が聞ける蒼天考はとっても貴重なんです♪

上のカキコ、なんだか意味不明まま終わってすみません。
その後『葛仙公が蒼天に登場!その人物とは、孫呉の会堂に「曹丞相より書状でございます」と連呼しながら現れた、孔明の仲間のじーさんだった』という夢を見てしまいました。
「豪雨の度に孫権に招かれ…」
豪雨つながりで、関羽は葛仙公の話を始めたのかなあ…。豪雨の中で葛仙公らしき人物に出会ったとか言い出さないよね。
(というか、どうせ蒼天の夢を見るなら、郭嘉の創る新しい国とか、周瑜の征蜀戦とかを見たかったです…)

今回の蒼天はインパクトが強すぎて(特に扉絵が!(><))、コンビニで叫びそうでした。“義の烈士たち”について管理人様の考察を読むと泣きそうになります。
「降れ。若武者」「その意気や良し」この場面の成何に対する関羽から、関平君への父親ぶりもこんな感じなのかなあと想像します。
関平君はてっきり関羽の側にいると思っていたのですが、もしも公孫樹さんの想像通りの展開だったらすごく楽しみです。

>樊城一帯のジオラマ

管理人さまが書かれてるように、これほどの精密模型がどんな役に立つかは疑問です。
ただ戦場に行けない魏王のために造られたっぽい(笑)
おもちゃじゃないんだから〜殿(^^;
三国一の精密さは『唯才令』の賜物でしょうか?(笑)
模型を作る才あらばこれを挙げよ!ラブ唯才!


>「夏侯惇、次いで張遼を送り込むぞ」
>孫権が千載一遇の好機とばかり、合肥に攻め込んでくるような気がします

なるほど。そして司馬懿や呂蒙&陸遜の出番なんですね。
司馬懿が曹操の側にいるってことは魏呉同盟の前振りって感じがします。揚州方面の緊張を解かないと、夏侯惇や張遼は動けないし。
そして呂蒙の「徐州は攻めるに易いが守るのは困難。荊州を獲るべし」という進言……すでに陸遜は荊州に向かってるようだし……着々と終わりに向かって進んでますね。(><)


司馬懿の関羽軍分析は興味深かったです。
7年とは、劉備が蜀に軍を進めてから7年。
諸葛亮の天下三分の計は関羽も当然知ってるはずですから、劉備の本隊が漢中を制圧した今こそ、襄陽から中原に進出する好機とみているのでしょう。
漢中の劉備軍は長安に向かうか漢水を下って荊州方面から現れるかわからないため、おそらく曹操は長安から動けない。
(ひょっとして郭淮の少数部隊はそれを探るためでしょうか。)

ホウ統戦死のあと、張飛も趙雲も孔明も益州に向かってしまった。
関羽は荊州軍は己が新たに育成しなければならないと覚悟したのかもしれません。水軍も陸軍も。兵も将も。
中原進出の際は益州から趙雲か魏延を呼び戻す…そんな余裕はないと始めから考えてたのかもしれません。
関羽の率いる荊州軍は、蜀軍とか新生劉備軍というより“関羽軍”と呼んだ方がしっくりきます。

今でこそ桁違いの関羽ですが、この7年間まさに“小国の渾身を振り絞り”(呂蒙のことも警戒しながら)荊州運営をしてきたのではないかと思いました。

ふと思ったのですが、下弁に散った呉蘭も、廖化のように関羽に育てられた部将なのかも……ただのサポーターじゃなく(笑)。
いつか廖化に関羽が荊州統治した7年について語ってほしいです。

No.11889 - 2005/04/29(Fri) 23:16:05

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / つね [関東]
すっかり遅くなってしまいました。

1.涼州の武
2.樊城の危機
3.更なる危機への序曲

関羽の軍神ぶりがここのところ際立っていますが、もともと蒼天は敗者の側に光を当てて描いているようなところがあるように見えます。それも蒼天の蒼天たるゆえんなのでしょう。

呂布、袁紹、馬超、夏候淵、そして・・・
(袁術はそうでもないか・・・)

関羽が人間離れしているのは表情に変化(驚きなり苦痛なり)が全くないからかも、と思ったり。

それにしても廖化はかわいそう。「私でよろしいのですか?」というセリフには「嘘だと言って下さい。そんな役目は嫌です。」と言っているようにしか聞こえません。

>「夏侯惇、次いで張遼を送り込むぞ。」

これは逆に対呉戦線が既に落ち着いているか、その見込みがあるということを示しているのではないでしょうか。

No.11890 - 2005/04/30(Sat) 02:43:26

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 小龍
なかなかレスかけずにすいません。
いつも楽しみにしていますよ。がんばってください。

関さんにかかればみんな瞬殺ですね。
逆に瞬殺されなかった曹仁は強かったっという印象を持ちます。
本当に蒼天の死に行く人物はキャラが立ってますね。
ホウトクが一瞬でやられたのは残念ですが、十分印象に残りました。
続きが楽しみですね。

No.11893 - 2005/05/01(Sun) 08:23:47

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 左平(仮名) [中国]
随分とお久しぶりになります。

今回の最後にでてきた「あおいきば」(許で登場した時には、確かひらがな表記だったかと)ですが…史書を見る限り、個人的には、次の二人のどちらかではないかな、と思ってます。

1 軻比能(かひのう)
後に北魏王朝をたてることになる鮮卑族の大人(族長)の一人。
もとの地位は低かったが、勇敢で賞罰が公平、財物を貪らなかった為に人望を得、かつての檀石槐(霊帝の頃、若くして大人となり、一代で漢朝に匹敵する領土を持つ一大国家を建設)には及ばなかったが、かなりの勢力を築いた。
蜀と連携して魏に挑んだこともあるという。西暦235年、魏の放った刺客によって暗殺される。
2 劉豹(りゅうひょう)
南匈奴単于・羌渠(きょうきょ)の孫、於夫羅(おふら)の子。あの才媛・蔡文姫を妾にしていた人物ともいわれます(陳舜臣氏の『秘本三国志』では、十二歳差という設定。姉さん女房の文姫とはなかなかうまくやってます)。
劉氏を名乗っているのは、匈奴は漢の婿だから、という理由から(前漢の元帝の時、呼韓邪単于が、漢の後宮にいた王昭君という女性を娶っています)。
彼の息子は劉淵といい、後に、三国時代を終わらせた晋王朝を滅ぼし、「漢(のちに趙)」国をうちたてます。

キャラ的には軻比能っぽいのですが、一概にそうとも言い切れないというのが何とも悩ましいところ。
?@軻比能は漢からみると東北にいる様子。しかし、あおいきばがいたのは并州付近で、むしろ西北。
?A劉豹は、南匈奴の単于一族。となると、非漢民族としてはトップレベルの名門なのですが、彼は、実は於夫羅の子ではない(→単于の一族ではない)のではないか?という話もあるらしく、新興のもんごる部族に属するあおいきばがその名をかたった…という線もありそうな気もします。
?Bもちろん、それ以外の線もあり…。

No.11899 - 2005/05/03(Tue) 23:38:33

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 左平(仮名) [中国]
失礼しました。
あおいきば=軻比能?というのは既出でしたね。

過去ログ、きちんと読んできます。

No.11900 - 2005/05/03(Tue) 23:49:13

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 通りすがり
確か正史では張遼が到着する前に決着がついたはず。
っていうか、登場する度に主役になっちゃう張遼&惇が来ちゃったら
曹仁や徐晃が目立てなそうだから個人的には来ないで欲しい(笑)

No.11901 - 2005/05/04(Wed) 00:53:42

Re: 今週の蒼天<関羽の立つ世界> / 佗華 [北海道]
はじめての投稿になりますが、
数カ月前から毎週楽しんで読ませていただいております。

>少しでも同情して下さる方いれば、2〜3行でもいいんでレス付けて頂ければ幸いです。

との管理人の心情をきき、遅ればせながらレスさせていただきました。
「関羽の額の矢」
の件で、解剖学的なコメントがないのでちょっとだけコメントさせてもらえればと思います。額を貫いた矢がぎりぎりとどまったのは「前頭洞」という、骨にかこまれた空洞と思考えます。人間は「鼻腔」に対して、4つの「副鼻腔」というものを発達させており、それぞれ「上顎洞」、「前頭洞」、「篩骨洞」、「蝶形骨洞」といいます。これら4つの空洞は基本的に左右一対のため、計8箇所の空洞が存在することになります。更に注目すべきは、前頭洞、蝶形骨洞を左右にわける仕切り(中隔)は全くの正中にあるものではなく、どちらか一方に突出していたり、弯曲していたり、左右の空洞の大きさが違うことがよくあります。

>で、関羽の額から全然血が出ないのは何ででしょう?
っていうか、抜いたら出血多量で絶命しそうなんで抜けないのかと思ってました。

と、いう管理人さんの疑問はもっともですが、蒼天関羽の前頭洞は左右どちらかが正中を超えてよく発達しており骨の頑丈さも手伝って、矢が洞内にとどまったと解釈したいと思います。ちなみに前頭洞を中心に副鼻腔炎をおこすと、それこそ目の上が重い、痛いといった症状が出ます。薬で治癒困難な場合は手術ですが、近年は外切開ではなく、内視鏡を使った鼻内手術が主流です。
以上、蒼天好きの耳鼻咽喉科専門医でした。

No.11904 - 2005/05/04(Wed) 22:42:22
今週の蒼天<于禁とホウ悳> / TATSU@管理人 [関東]
またまた遅れてしまいました。でも、遅れるのが普通になってきた感じもします。
しかし、最近蒼天は休載が無いですね〜。つい数ヶ月前までは隔週連載決定かと思うほどだったのに...。大変嬉しいんですが、レビューがちと大変です(笑)。

さて今週は、タイトル通り「魏の二将」の対称的な生きざまが描かれましたね。従来の三国志ものでは「降伏したほうの将」はかなり屈辱的に描かれていましたが、そこは蒼天、二人の将の行動は、どちらか一方を悪とするようなものではありませんでした。

では、今週は関羽に相対した「魏の二将」について、じっくり考察させて頂きます。

No.11847 - 2005/04/19(Tue) 23:26:21

今週の蒼天<于禁とホウ悳> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

この俺の命令に殉じることを“犬死”と断定する気か、と于禁は関羽を罵った。

「お前たちは、まだ敗れてはおらぬ。」
関羽はそう回答した。その言葉に于禁は沈黙した。天変地異によって勝敗が決することは有り得ない。それが関羽の考えであり、それは馬鹿馬鹿しいほど高邁な武の信条とも言えた。
「于禁、兵とともに降(くだ)り、生きよ。」
関羽は続けた。降伏は敗北では無いと告げる関羽。その言葉は、嘗て曹操に降りながら未だ生きて戦い続ける関羽の生き方を反映していた。

于禁は目を閉じた。関羽の言葉は不合理であった。しかし、まぎれも無く“侠”であり、于禁の心はそれに共鳴していた。決意した于禁は刮目した。
「貴様同様、われらはニ君を戴かぬ。我らを抱えるということは、身中に毒を孕むという事だと心得よ。」
于禁の言葉に対し、毒であろうと七軍の将であり相応に遇する、と関羽は約した。
では、全軍に飯を供してもらおう。と于禁は要求した。怖じることないその態度に、関羽は思わず微笑んだ。

***************

艦上では成何が剣を振るっていた。

関羽軍兵士を次々と斬り裂く成何。だが成何は、高みに逃れた自軍の兵が次々と投降してゆくのに気付いていた。
同じく艦上で戦うホウ悳が、成何に対して船尾に走るように叫んでいた。ホウ悳は舟艇を奪おうと画策していた。
しかし、強くなった。とホウ悳は成何に向かって叫んだ。成何は、成公英の弟であった。

その時、艦が轟音を上げて座礁した。座礁した艦の傍らには、馬上の関羽が佇んでいた。
「すでに大将は降伏した。」
関羽が艦に向かって告げた。甲板から地上に飛び降り、ホウ悳は答えた。
「だから、どうした?」

関羽は、ホウ悳に対し、蜀に馬超と、従兄のホウ柔が居る事を告げた。
「貴様に、忠義と孝悌を回復する機を与える。」
青龍刀を掲げ、関羽は宣告した。だが、ホウ悳は蜀に降ることが、忠義と孝悌を回復する機とは思っていなかった。生まれついた地の主(あるじ)が主君ではなく、一族の所在で生涯の主君が決まる分けではない、とホウ悳は告げた。
「我は 自らの意志で主君を戴き、我は 自ら選び取った運命を生きる!」
ホウ悳は叫んだ。自分の忠義・節義は、劉備を選び取ったお前に分からぬ筈はない、とホウ悳は関羽を指差した。

「降(くだ)らぬか。」
関羽が笑みを浮かべた。ホウ悳も静かに微笑んだ。
「ならば、ホウ悳。」
下馬しながら関羽は告げた。
「この矢を抜きに来い。」
青龍刀を手にして突き進む関羽。ホウ悳も関羽めがけ疾走を開始した。
「介錯(かいしゃく)、承る!」
ホウ悳は叫んだ。それは、首ごと抜けば苦しむことはない、という寓意であった。

ホウ悳の渾身の一撃は、関羽の青龍刀と激突、火花を散らした。
すかさず二の太刀を振り下ろすホウ悳。だが、それより早く、青龍刀はホウ悳の胴を斬り裂いていた。

次ぎの瞬間、関羽の頭上から一人の将が現れた。
成何であった。 成何は関羽の名を叫びつつ、剣を振り下ろした。


【REVIEW】

■今週も欄外の「コピー」や「あらすじ」で、「曹操軍7万」とか「于禁将軍率いる7万の大軍」と書かれていましたね。モーニングの担当は于禁軍は7万だと信じきっている模様です。なんか管理人もコピーのほうが正しくて、「于禁7軍・3万」のほうが誤植だったような気がしてきました。


■「お前たちは、まだ敗れてはおらぬ。」

関羽が、于禁軍残兵に告げた言葉がこれでした。この台詞を聞いて于禁は沈黙しました。
関羽が「于禁軍は敗れた訳ではない。」というのは、「まだ勝敗が決した訳でない」ということで、それは「天変地異では真の勝敗は決しない。」という関羽理論に基づくものでした。これは先週の「天災地変は勝利の障り!」と同義ですね。関羽の中では「自然災害に因る勝利は、勝利として認めない。」という掟があり、逆に言えば「自然災害による敗北は、敗北として認めなくてよい。」ということにもなります。これは、関さん独自のルールであり、于禁も「馬鹿馬鹿しいほど高邁な、関羽の“武の信条”」だと判定してました。
【高邁(こうまい)】 志などがたかく、衆に抜きん出ていること。

■「于禁、兵とともに降(くだ)り、生きよ。」

更に関羽は于禁に対してこう告げました。この言葉についても于禁は黙考します。
関羽は、単に戦闘の早期終了の為に降伏を勧告したのでしょうか?違いました。関羽は同時に“己の信条・生き方”も述べていたのです。それは、『 かつて曹操に降伏しながらも、未だ生きて戦い続ける 』 という己の生き方でした。つまり、全ての降伏は敗北に繋がる訳ではなく、自分や于禁のような場合(敗北ではない降伏の場合)は、生き抜き、戦い続けることが可能である。という信念でした。
関羽は、降伏は敗北ではないと信じ、「高邁な武の信条さえ持ち続ければ、戦い続けることは可能である。」ことを身をもって立証してきたのではないでしょうか。それを歴戦の将・于禁は感じ取ったのではないでしょうか。

...なるほど。さすが蒼天航路。于禁への降伏勧告に際し、関羽の「曹操への降伏エピソード」を持ってきた訳ですね。従来の三国志ものとは一味違います。確かに関羽も曹操に対して降伏をした訳ですが、それは何ら恥じる事の無い降伏でした。いや、その降伏は、その高邁な武侠の精神ゆえに後世では美談にさえ昇華しています。
その関羽が敵に対して“降伏は敗北では無い。故に投降せよ。”と述べれば、確かに説得力あるような気もします。

■「貴様同様、われらはニ君を戴かぬ。我らを抱えるということは、身中に毒を孕むということだと心得い。」

関羽の言葉は“不合理”ではあるが、同時に“侠”でもある。それに共鳴した于禁は降伏を決意しました。但し、主君はあくまで曹操である。(蜀の為に戦闘したりはしない)という条件付きで...。そして投降した于禁が真っ先に要求したことは、生き残った兵卒に対して食糧を与えろということでした。
投降者の身でありながら不遜とも言えるその態度に、思わず関羽は笑みを浮かべました。于禁の態度に侠を感じたからでしょうか?あるいは、嘗ての自分の姿を思い浮かべたのかもしれません。

こうして“于禁投降”のエピソードは終了しました。この樊城郊外での降伏ゆえ、ホウ悳と対比され、後世では“凡将” “愚将”呼ばわりされた于禁でしたが、蒼天においてみごと汚名返上と成りました。
実際のところは、正史における「曹操、嘆息の台詞」や「曹丕の描かせた壁画」の件もあり、于禁の投降は意見の分かれるところだとは思いますが、演義において、蜀将が優遇され魏将は貶められている以上、蒼天は蒼天なりの解釈があって然るべきだと思います。いや、むしろその方が面白いと思います。

この「正史と演義の于禁」については「五将軍普及委員会」委員長の水瀬さんが、なかなか秀逸な文章を残されてますので、興味ある方は是非お読み下さい。
http://kumamoto.cool.ne.jp/setuyou/gosyougun/katari/ukin1.html

■「まだまだ!習得した技は兄の半分!」

何と成何なる将は、成公英の弟でした。登場した時はコマの端っこに小さく描かれてたので、気にも留めていませんでした。涼州兵みたいな“ファーが付いた兜”をしてるな、とは思いましたが、まさか成公英の弟がホウ悳と共に従軍していたとは...。
気になった管理人は正史を調べてみました。そうしたら、成何なる将は、魏書の「ホウ悳伝」にたった一文だけ登場してました。抜粋しますと、

関羽の攻撃は いよいよ激しく、矢が尽きて、刀や剣で白兵戦を行なった。ホウ悳は督将の成何に向かって言った。「良将は死を畏れていい加減に生き延びようとはせず、烈士は節義を失ってまで生を求めないとわしは聞いている。今日はわしの死ぬ日じゃ。」

これだけでした。これ以外に成何の名はありません。つまり、欣太先生が「元涼州兵であるホウ悳と共に戦っていること」「姓が“成”であること」に着目し、イマジネーションを働かせたものと思われます。

■「だから どうした?」

すでに大将は降伏した。と告げる関羽に、ホウ悳が答えた台詞がこれでした。短いですが堅い意志を感じさせる台詞。そしてこの台詞を告げる時のホウ悳のクールな表情。管理人はぐっときました。漢(おとこ)です。ホウ悳。

嘗て、曹操軍に降伏したホウ悳は成公英とこんな会話を交わしていました。
「降るという選択はよどみなくできたか?」
「生き方を曲げる訳ではありませぬゆえ。」
「おのれが、どんな生き物であるか。主君を失おうとそれは変わらんからな。」
「涼州の武。」
「ああ、ひたすら生き存えて戦うだけだ。」

「生き方を曲げず」「生き存えて戦い続け」「涼州の武を発揮する」ことを誓ったホウ悳は、司令官が降伏した、しない、などは思慮の埒外なんでしょうね。以下、関羽とホウ悳の会話を逐次考察してみます。

■「馬超と従兄(いとこ)のホウ柔が、蜀にいることを知っているか。」

一瞬、「馬超の従兄のホウ柔」が蜀にいるのかと思いました。これは「馬超」と「お前の従兄のホウ柔」が、って意味だったのですね。句読点付けて下さい(笑)。
つまり、「お前の元主君の馬超」と「お前の従兄弟のホウ柔」が、蜀に居るのを知ってるかと関羽は確認した訳ですね。ホウ悳は「むろん。(知っている)」と答えました。なぜ関羽はそんな確認を行なったのでしょう?それは関羽が下記宣告を行なう為でした。

■「貴様に、忠義と孝悌を回復する場を与える。」

ホウ悳の答えを聞いて、関羽はこう宣告しました。「貴様に、(馬超に対する)忠義と、(ホウ柔に対する)孝悌を回復する場を与えてやる。」ということと思われます。早い話が「降伏する機会を与えてやる。」つまりは「蜀に降(くだ)れ。」ということですね。

【孝悌(こうてい)】父母に孝行をつくし、兄など年長者によくつかえること。


「忠義と孝悌を回復する機を与える。」なんて、相変わらず関羽は、合戦における裁判官か判事のような立場にあります。于禁の時に続き、関羽は「馬鹿馬鹿しいほど高邁」な立場から物を言ってます。とにかくこの樊城の戦いにおいて、関羽は圧倒的なまでに“自分のルール”にて全てを処断してる感じします。これぞ“戦(いくさ)の主(あるじ)”でしょうか。

■「生まれついた地の主(あるじ)が主君か? 一族の所在で、生涯の主君が決まってしまうのか?」
関羽の「忠義と孝悌を回復する機を与えてやる」という宣告に対して、ホウ悳はこう答えました。これは、『 蜀に降ることが、忠義や孝悌を回復することではない。』 という反論ですね。つまり、自分の主君は蜀に居ないのだから、忠義の回復も何も無い、ってことと思われます。

「生まれついた地の主が主君か?」っていうのは、馬超が主君か?という意味でしょう。「一族の所在で、生涯の主君が決まってしまうのか?」っていうのは馬超もしくは劉備の事でしょうか。いずれにせよ、そんなことで主君を決めはしない。というのがホウ悳の信念でした。

ホウ悳の真の主君は馬超ではなく曹操なのです。もとより馬超は主君ではなかったというのが正しい表現でしょうか?そこらへんは、ホウ悳が降伏した時に曹操が述べた言葉と一致します。以前、そのシーンを管理人が解説しておりますので、以下に転記します。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

「馬氏2代に仕え、漢朝に叛いたこの身の覚悟はできております。」
襟を広げ、ぐっと首を突き出すホウ悳。
「ただ、心に主君を失った兵の生き場を求める為に、生き延びておりました!」

おお!自分の命と引き換えに、涼州残党の助命を嘆願している訳ですね!! この義に篤い将は、次々と掃討され、追い詰められ、殺されてゆく兵士達を見るにつけ、漢中が陥落した今となっては、曹操の庇護を受けるしか兵士達の生き場は無い、と判断したのではないでしょうか?自分の命と引き換えに。
馬超と袂を分かち、兵を委ねられたホウ悳は、ずっと同胞達の生き長らえる方法を模索していたのでは無いでしょうか?自分の命は顧みることなく...。 お、漢だ。ホウ悳。 

「運命は性格の中にある。」
カッ、カッとホウ悳のほうへ馬を進めながら、ふいに曹操がそう口にします。
「あまたの運命も、その性格で背負わなければならぬのが、主君というやつだが、」
呆然と曹操の発言に聞き入るホウ悳。
「主君が自分の主(あるじ)を必要とするか?」
と、問う曹操。続けてホウ悳の脳裏にこだまする曹操の声。

−おまえたちの主君など、もとより存在せぬ!−

愕然とするホウ悳!

この一連の台詞の意味、管理人は暫し沈思してしまいました。ちょっと考察させて下さい。
『主君が自分の主を必要とするか?』 この問いがポイントですね。つまりこれは 『 劉備を主として仰いだ馬超 』 を指しているのではないでしょうか。
馬超に対し、兵士を自分に委ねよ!と要求したホウ悳。 結果、「心に主君を失った兵士たち」に責任を感じ、その生き場を求め、自らの命を犠牲にしようとホウ悳は考えます。そのホウ悳に曹操は、

「あらゆる運命を己(の性格)で対処するのが主君であり、他人を主として仰ぐような奴は主君では無い。"心に主君を失った" とお前は嘆き、責任を感じているようだが、もとより馬超はお前らの主君では無かったのだ。」

曹操はこう告げているのではないでしょうか?
そう考えると深いです、この台詞。 ここに股肱の臣を失った主君がいます。その性格ゆえ世間からは、「主君が追い詰めたから自害した。」と言われようとも、言い訳ひとつしようともしない男。あらゆる悪評を受けようとも己一身で処する男。決して他のものに頼らず、只一人覇道を往く男。その男が語るからこそ、この「主君」発言に重みがあるのでは無いでしょうか?

「ホウ悳。その首で負わなければならぬものは何ひとつない。」
曹操はホウ悳の眼前でそう告げます。
曹操からすれば、もともと指導者が存在しない兵士達が投降してきたので、俺が指導者となるだけだ。お前が、存在もしなかった指導者の代わりに責任を負う必要なぞ全く無い。って感じではないでしょうか?
「曹操に敗れた将が、曹操に何かを求めるなら、」
ホウ悳の横を、騎馬のまま通り過ぎながら曹操は告げます。
「おのれの武をつくして果たす、命令を求めよ。」

去ってゆく曹操を、目を見開き、呆然と見つめるホウ悳。
劉備に出会った馬超もある意味カルチャーショックを受けた訳ですが、曹操と接したホウ悳についても、それとは一味違った衝撃を受けたような気がします。


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「われは 自らの意志で主君を戴き、われは 自ら選び取った運命を生きる!」
ホウ悳は関羽に叫びました。自らの意志で主君と仰いだのは曹操ですが、自ら選び取った運命とは何でしょう? 管理人的には「おのれの武をつくして果たす命令」に殉じることのように思えてなりません。それが“涼州の武”を満天下に示す事になるからではないでしょうか?
そして、ホウ悳は、自らの意志で主君を選び、自ら選び取った運命を生きるという点においては、劉備を選び取り、選び取った運命に殉じようとする関羽に分からぬ筈はない。と断じました。

■「降(くだ)らぬか。」と関羽は笑みを浮かべます。ホウ悳の頑なにして不遜な態度は、侠者の関羽にとっては、小賢しくもあり、同時に好ましいものに映ったのではないでしょうか?

「ならばホウ悳。この矢を抜きに来い。」関羽は挑発します。おおっ!そう言えば関羽の額の矢はホウ悳が射たものでしたね。「貴様の矢だから、ここまで取りに来い。」っていう報復もあるんでしょうか。それに対してホウ悳は「介錯、承(うけたまわ)る!」と、挑発には挑発で返しました。これは、そんなに矢を抜いて欲しいのなら、苦しまぬように首ごと抜いてやろう。という事を“介錯の要望、了承した。”という言葉で表現したようです。
関羽は「できぬことを口走るな。」と答えました。ちょっとムッとしたんでしょうか(笑)。

■ホウ悳の初太刀は、関羽ルールに則り受けとめられ、二の太刀は空しく宙を斬りました。同時に関羽の青龍刀は、ホウ悳の胴を裂き、鮮血が迸(ほとばし)りました。

こうして、ホウ悳は戦場に散りました。
ホウ悳は志なかばにして、無念の死を遂げたのでしょうか? 管理人には、そうは思えません。大将が降伏しようが、全軍が投降し最後の一人となろうが、ホウ悳は戦い続けたような気がします。
曹操に投降し、曹操を真の主君と仰ぎ、曹操から「おのれの武を尽くして果たす」命(めい)を受けたホウ悳は、「この時」が来るのを待っていたのではないでしょうか?
涼州の武を存分に発揮して、戦場に散る時を。

管理人の勝手な想像ではありますが、曹操に投降したその時から、ホウ悳は、生き存えて戦い続けることによって、自分の“死に場”を探していたような気がします。曹操の命令のもと、涼州の武を最も発揮できる死に場を...。

涼州の孤高の戦士・ホウ悳の冥福を祈りたいと思います。


...于禁とホウ悳。二人の魏将は、武神を前に、己(おのれ)の信じる道を選択しました。


■関羽の頭上から成何が現れました。これは、座礁した艦の甲板から飛び降りて来たのでしょうか? 
さて、成公英の弟は、関羽に一矢報いることができるのでしょうか?なんか青龍刀に寸断されそうな気もしますが、雪辱の剣が青龍刀と火花を散らすことを期待します。

No.11848 - 2005/04/19(Tue) 23:31:37

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 槍ですら [甲信越]
お久しぶりです。
まさしく私のイメージどおりの于禁の投降でした。
それまでの活躍が曹操軍内でも一級品の武将が投降だけでさげすまれるのはかわいそうでしかたありませんでしたから。
龐悳って処刑されるんじゃなかったでしたっけ?
まだ生きていて関羽にもう一矢報いることに期待です。

No.11849 - 2005/04/20(Wed) 18:14:10

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / よーこ [北陸]
管理人様、皆様、はじめまして。よーこといいます。※年前、主人に薦められて蒼天航路にはまりました。今までは見るだけ専門でしたが今後参加させていただきたいと思います。
于禁の投降はいさぎよかったですね。今まで言われてきた降将としてのイメージが吹き飛ばされました。龐悳、すっごく格好良かったです。「われは 自ら選び取った運命を生きる!」ジーンときてしまいました。斬られた時は泣きそうになりました。淵といい、龐悳といい、蒼天のキャラは素晴らしいです!
・・文才なくてすみません。これからもお邪魔できればと思います。よろしくお願いします。

No.11850 - 2005/04/20(Wed) 19:42:27

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 胡音 [関東]
二週間程日本を離れていたのですがすごい事になっているので
久々に書き込みさせて頂きます。
ホウ悳伝確かめずにはいられませんでした。
額に矢が突き刺さったまま魏軍に理外の理を説きホウ悳と真っ向勝負の関さん、碁を打ちながら腕の骨をゴリゴリ削って治療したというエピソードを凌ぐ衝撃。人外化度高し。魏軍には関羽の言葉を高邁な武の信条云々と噛み砕く前に気圧されて降伏してしまう兵も多いのでは。
今号ですが、従来のイメージでは于禁の侠、ホウ悳の義いずれも関羽の武勇伝に吸収されてしまう感があったのに個々の生き様がひしと伝わってきます。
ホウ悳の”われは・・・”の件、これまでも西涼の武人達は時として
哀しいくらい真っ直ぐで潔くて美しく描かれていましたが、一方で
それは成就しない乱を繰り返し画策する反骨であったり、どうしようもない敗北感の中での義憤だったりと無念さがつきまとうものでした。
しかし自らの意思、自ら選び取った運命に殉するホウ悳には敗北感や
無念さは微塵も無く、涼州の武を生き抜くという達成感の様なものすら
感じました。(この一瞬だけ額の矢を忘れた・・・)
前号でホウ悳の傍らにいた成公英と瓜二つの美形、気にしつつ読み進んでいたら弟だったとは。ん・・・成公は複姓だったのでは?
たぶん管理人さんのおっしゃる様にイマジネーションによる設定と
思われますが成公英の意外な登場は嬉しいおまけ。
卵割ってる英だけでなく”武人”成公英も見てみたかった。
果敢に関羽に挑む成可ですが、次号では路招、牛金と同様一刀のもとに斬殺される副将の性を負ってしまうのかな?(・・・もったいない)

矢はどうなるんだろう??やはりこれが一番の気掛かり。
この存在感、結局のところ関さんのひとり勝ちかも。

No.11851 - 2005/04/20(Wed) 23:42:57

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 英英 [北海道]
TATSU様、毎週の蒼天レビューありがとうございます(^^)

ホウ悳さん、関さんに斬られはしたけど、まだ死んでないと思います。(そう思いたいです。)
成何との背中合わせに、ときめいてました♪
その瞬間は私も関さんの額の矢を忘れてました(笑)
甲板から岩場へ、あの高さを飛び降りた勇気にもビックリ!
涼州の武。
ひたすら生き存えて戦うその武、最後の相手が天下の関羽ならば最高の運命かもしれません。私は今までホウ悳の死を、志し半ばで散ったように感じてましたが今回の蒼天でイメージが変わりました。胡音さんの書かれてることに同感します。
<その性のままに>を思い出しながら読みました。

関羽もホウ悳も于禁も見事!!


于禁将軍。
黙祷そして刮目。
対張繍戦の時と変わらぬかっこよさに安心しました。
侠の精神って、400年の儒教国家でも以外と普遍性あるのかな?と不思議な気もしましたが…。腐れ儒者以外には三国共通の思いなんでしょうか。

>「貴様に、忠義と孝悌を回復する場を与える。」

一方的な物言いをするなあ〜、関さん(-ー
降伏勧告ならば普通こんな感じになるのかもしれませんけど、とっても偉そうに聞こえます。が、ホウ悳の回答を聞いて関羽は微笑んでましたから相通ずるんでしょうね。総攻撃をかければホウ悳を討ち取れるでしょうに、自ら一騎討ちにもち込むとは相当に敬意を払ってるとみました。しかも馬上の優位を捨てて!あくまで対等な条件で戦うのですね……ホントに「愚直なまでの義理堅さ」「頑迷なまでの潔癖さ」です。
自分の額に矢が刺さってることはハンデじゃないのですね。
ああ、この額の矢を抜くシーンが戦勝の宴席で骨を削って治療…となりませんように。(そんな宴席にいる人々が気の毒です)


…後の関羽も孫呉に降りませんでしたが、この時のホウ悳のことが頭にあったのかな…とふと思います。

No.11853 - 2005/04/21(Thu) 03:21:29

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / つね [関東]
今回の注目点の一つは欄外の関羽(笑)
額から血がだらだら・・・に見える。実際、豪雨でなければそんな痛々しい姿になったでしょう。

1.于禁の埋服の毒
2.ホウ悳の奮戦

于禁は信念の降伏を貫いたかのように見えますが、リベンジあっての汚名返上。ネタばれ・・・て蒼天では描かれないような気もしますが、「再起」の場がなかったのが史実での彼の悲劇だったように思います。

No.11854 - 2005/04/21(Thu) 03:31:43

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / AGITO [関東]
魏書によると成公英は成公・英であり、成・公英ではない。
蒼天でもカンスイとの会話で自分の事を『英は…』と言っている。
よって成何が弟であると言う設定は明らかにありえない事であり、
GONTAさんの致命的かつ重大なミスである事は間違いない。
いい設定ではあったが、こういうミスをされると困る。

No.11855 - 2005/04/21(Thu) 18:44:32

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 鳳卵 [東北]
 従来の三国志ものだと、于禁が降伏した際に他の将兵がどうなったのかはハッキリ描かれていないものですが、確かに3万の兵が一斉に飯を要求したら、関羽も大変ですね(笑)
 全軍2万の関羽軍が3万の降兵を受け入れるわけですから、“毒”どころではないかも…これが後の伏線になるのでしょうか。
 しかし、なぜ于禁は“侠”の論理に共感できるんでしょう? 彼も元々、侠なんでしょうか? しかし、これまで曹操の“合理”に傾倒してきたハズなのに、なんだか唐突のような気がしました。

 いずれにせよ、于禁の降伏にかつての関羽の降伏場面を重ねてくるとは、なんというか物語の層の厚さを物語るもので、正直「やられた!」と思いましたね。

 そして、こちらもまたカッコいいホウ悳! 魏への降伏からこっちへの状況が今イチ不明なのは残念ですが、その間にあれだけ、曹操の人物に心服していたのでしょうね。

>「この矢を抜きに来い。」
 良かった、関羽、自分の額に立った矢に気づいてないのかと思ってた(汗)
 気づいててそのまま戦ってたんですから、大した豪胆さです。これだけでも神と呼ばれるにふさわしい(笑)

>「貴様に、忠義と孝悌を回復する場を与える。」
 このセリフ、自分の行動に一点の曇りもないホウ悳にとっては、笑止の限りといったところでしょう。自分は今まさに忠義を貫こうとしているのに、何を言ってやがるって感じでしょうか。

 それにしても、関羽の様子がどうにも人間ばなれしてるみたいで、なんだか心配なんですけど…蒼天キャラって死期が近づくと人格や容姿が激変することが多いのですが、あんまり変わらないで欲しいなぁと思う、今日この頃です。



 ところで、AGITOさんへ。
>成公英は成公・英であり、成・公英ではない
 いやぁ、わかりませんよ? もしかしたら、成・公・英かもしれない。いや、わかりませんけどね。
 少なくとも三国志には、成という姓は登場しますが(涼州軍に一人いましたね)、成公という姓を持つ人は、彼しかいない。
 もしかしたら、公というのは尊称で、その下に名の英をつけた形かもしれません。魏書等には常に“成公英”と一まとまりで出てくるし、彼の親や子供も出てこないので、なんとも判断つかないのですが。
 いずれにしろ、“明らかにありえない”とか“致命的かつ重大なミス”というほどのことではないと、個人的には思いますね。

No.11859 - 2005/04/23(Sat) 20:33:34

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / アベール
>しかし、なぜ于禁は“侠”の論理に共感できるんでしょう? 彼も元々、侠なんでしょうか?

私も気になって正史を調べてみたら、于禁の「侠の精神」をあらわす話が一箇所だけありました。
「道中で傷を受け裸で逃げる十余人の兵士に出あった。于禁がその理由を尋ねると、「青州兵に略奪を受けました」といった。それより以前、黄巾の賊が降伏し、青州兵と呼ばれた。太祖(曹操)は彼らを寛大に扱ったため、それにつけこんで平気で略奪を行なったのである。于禁は腹を立て、部下たちに命令した、「青州兵は同じ曹公の部下でありながらまた悪事を働くのか」そこで彼らを討伐し、彼らの罪を責めたてた。」(于禁伝)

節義深く曹操から非常に信頼されていたようです。 

No.11863 - 2005/04/24(Sun) 12:10:36

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / AGITO [関東]

鳳卵さんへ。

>  いやぁ、わかりませんよ? もしかしたら、成・公・英かもしれない。いや、わかりませんけどね。

「成公」は複姓《張既伝集解・後漢書載就伝集解》。
ちゃんと書いてあります!

No.11864 - 2005/04/24(Sun) 15:03:41

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 公孫樹 [近畿]
干禁の投降、蒼天ならば新たな解釈で描かれるはず…と期待していたら、想像以上にしっくりくる見事な描き方でしたね。
そしてホウトクの見事な散り様。同郷の先輩である魔人様にも恥じない「武」へのこだわりでした。
この二人の最期はかねてより対比されてきたわけですが、それぞれの性格や立場が大きな要因であるとともに、関羽の二人への呼び掛けの質の違いにも注目したいと思います。

干禁への降伏勧告は、かつての自分と同じように真っ向の戦ではない状況から、降っても「曹操の臣」として遇することを明言しました。
これに対してホウトクへは「忠義と孝悌の回復の機会を与える」という名目で、要するに「帰順」を勧めているのですね。

この呼び掛けの質の違いを描くことで、応答の違いを巧く導きだしているように感じられました。


AGITOさんへ。たしかにミスなんでしょう。しかし涼州人の気質を描くための技工として巧い設定だと思います。
あなたも疑問考でやらかしてることですし、まぁここは落ち着きましょう。額に矢が刺さっても平然としろ、とまでは言いませんから。

No.11869 - 2005/04/26(Tue) 05:52:38

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 鳳卵 [東北]
★AGITO さんへ
>「成公」は複姓《張既伝集解・後漢書載就伝集解》。
>ちゃんと書いてあります!
 おお! 正史って、三国志じゃなくて後漢書の方に書いてあったんですね! 大変失礼いたしました。
 後漢書集解という書物についても、初めてその存在を知りました(汗)
 書名からすると、後漢書の説明書とか注釈書みたいなものでしょうか? これは、正史のうちと考えてもいいものなんでしょうか?

 いずれにしろ、このようにハッキリした出典がある以上、成公・英であることはほぼ間違いないですね。

 では、蒼天の成何の位置付けはどうなるのでしょうか?
 恐らく、公孫樹 さんのおっしゃる通り、ミスであると考えるのが自然なのでしょうけれど、それだと面白くないので、いろいろ解釈を考えてみました。

1.成何は、本来は成公何という名前だったけど、何かの理由(養子になったとか)で“成”という姓に変わった。ただし、成公英はそのままだった。
2.成公英は、本来は成英という名前だったけど、何かの理由(養子になったとか、新しく一家を起こしたとか)で“成公”という姓に変わった。ただし、成何はそのままだった。
3.ホウ悳も成何も、“兄”と言ってるだけで、それが成公英のことであるとは、言っていません。実は、『ホウ悳の友であり、成何の兄である人物』とは、成公英ではなく、成宜のことだった。

 え〜〜〜…3番目は、ぶっちゃけありえないですね(笑)

 ではでは、また何かありましたら、お教えいただきたいと思います。


★アベール さんへ
 于禁伝に関するご説明、ありがとうございます。
 確かに彼は、節義を重んじる人物だったみたいですね。それが、侠の精神というものなんでしょうか。
 蒼天では、侠の精神というのがハッキリ定義されていない…というより、定義できないのが侠だといわれていますから、現代人の目からすると、唐突さがぬぐえないところも、あるのかもしれませんね。

No.11875 - 2005/04/26(Tue) 18:55:35

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 公孫樹 [近畿]
鳳卵さん、3番の考察に1票(笑)
まさに思考の死角を突かれた感じです。お見事!
まぁ、ぶっちゃけありえないんでしょうが、ありえんが故に蒼天考の愉しみの一つですね。

No.11880 - 2005/04/27(Wed) 17:12:57

Re: 今週の蒼天<于禁とホウ悳> / 小龍
お久しぶりです。
成公英と成何ですが、
ここは顔のそっくりさんの義兄弟ってことでいかがでしょうか?
これなら無理が一番無理がないと思うんですが、どうでしょう?

No.11892 - 2005/05/01(Sun) 08:14:07
関羽の額の矢 / 慎 [関東]
こんにちは。私も毎週レビューの更新を楽しみにしている一人です。
関羽の額の矢と声色の解釈について、私も一言。
やはり神懸かりの象徴だったのでは?私には矢が刺さったというより、何か憑きものが降りてきて、とうとう「角」が生えたとの描写にも取れました。「角」を抜けば憑き物も落ち、声色も戻るというものです。
後の世のひとから神と讃えられる人は、ある日を境に神になるのではなく、このように、人と神の間を往復する期間が有り、頭からつま先までドップリと「神」に取り込まれた時に
「昇天」するのかなとも考えるこの頃です。

No.11891 - 2005/04/30(Sat) 13:27:15
わがなはあおいきば / きむらん
再登場しましたね。びっくりでした。やっぱり彼は孫狼なのでしょうか?でも孫狼はモンゴル人じゃないしなぁ。ふーむ。今後の展開に期待です。
No.11856 - 2005/04/22(Fri) 11:46:04

Re: わがなはあおいきば / 梢統 [関東]
今週号私も、驚きました〜!なんと彼が再登場するとはっ!今後もますます、見逃せませんね〜
No.11858 - 2005/04/22(Fri) 20:33:56

Re: わがなはあおいきば / 夏樹
こんばんは、初めておじゃまさせていただきます。
最近ここの存在を知り、楽しませていただいております。
正史の細かい記述や、離れて書かれた記述を基に組み立てられるストーリーは最高ですね。
モンゴルを名乗った彼ですが、タイミングといい場所といい、元ネタは軻比能と思われます。
軻比能は鮮卑の一部族出身(原文「軻比能本小種鮮卑」)ですが、部族連合体である遊牧民の族(国家?)名はイニシアチブをとった部族名で呼ばれているだけですから、彼がモンゴル族でも矛盾はないわけですね(実際、地域的に見て当時の後のモンゴル族の一部は鮮卑の影響下におけれていたはずですから)。もっとも、軻比能がこれ以前に漢に臣従していたのは閻柔を通してですので、自身が都まで来たわけではありませんから、正史では関羽と出会うチャンスは無いので、蒼天航路中では軻比能とはしないかもしれません。タイミングも★★伝(ネタばれにつき伏せ字)の裴松之引く魏略とは少しずれるのですが、このくらいはストーリー運びの範囲内でしょう。
ということは、★★君の活躍もまだまだ見られるということですね。
さすが蒼天航路、やはり曹でなくては!
あわよくば烏丸兵がらみで郭嘉への言及も入るかも??(←期待しすぎ)
気になる方は『魏書』烏丸鮮卑東夷伝をどうぞ。
最後のクライマックスを多方面から盛り上げてくれてます。
これがどう収束していくのか、目が離せませんね。
ところで、すみませんが、孫狼ってどなたでしょうか?
もともとそれが気になっていろいろ調べてみたんですけども、正史・演義の登場人物じゃないですよね?

No.11867 - 2005/04/26(Tue) 01:39:51

Re: わがなはあおいきば / 夏樹
自問自答で失礼いたします。
孫狼分かりました。
侯音の他にもこんな攪乱策をとっていたんですね。知りませんでした。
ただ、孫狼が乱を起こした陸渾は弘農郡ですからモンゴルの彼とは場所がちょっとちがうかもしれませんね。
いずれにせよ、関羽と具体的にどうつなげるのか、注目です。

No.11868 - 2005/04/26(Tue) 04:54:29
名前 / ぱぱ☆ [関東]
こんにちは。はじめまして。
半年後に産まれる子供の名前を考えております。
ジュンイクのような子供が欲しいなって思ってます。
だから名前は『文若』にしたいんですが、なかなか妻に
言い出せないです。。。

みなさん三国志好きな方々と思いますが、三国志にちなんだ
名を子供につけた方っていらっしゃいますか?

個人的な話で申し訳ありません。失礼致しました。

No.11843 - 2005/04/18(Mon) 23:21:46

Re: 名前 / みっしぇる [外国]
こんにちは。はじめまして。
お子さんですか。それはおめでとうございます!

「文若」くんですか。(仮に男の子とさせて頂きます)
いいですね。ジュンイクの様に清くまっすぐな子になってくれそうですね。読み仮名はどのようにあてられるのでしょうか。
感嘆詞は「あいやっ」で返事は「あいっ」となるようぜひ小さい時から教育してくださいね(笑)

ぼくは子供はいませんが・・・もし三国志から名前をつけるならば・・

・「元譲」もしくは「譲」くん
  →意思が強く面倒見のいい子になるのでは

・「公達」くん
  →(仮に)見た目は地味でも中身は熱い!!

・「文謙」もしくは「謙」くん
  →寡黙で物怖じせず、集中力のある男らしい子

・「公瑾」くん
  →美しく知恵に富み、教養も抜群!子供はプレッシャーか?

(おまけ)これはちょっと・・・的な名前↓

・「奉孝」くん、「子建」くん
  →生活がかなり乱れそうです

・「本初」くん
  →やたらプライドが高くて自意識過剰になりそう

・「公路」くん
  →猿ですから・・・しかも可愛げのない・・・

・「仲頴」くん、「奉先」くん
  →いったい自分の子供をどうしたいんですか?


といった所でしょうか。
人格設定はもちろん蒼天航路のものになっています。

お読みになる方の誤解のないよう述べておきますが ユーモア ですからね。
やたら真面目な対応で批判などしないでくださいね。


名前はとても大事なものですからね。
じっくり考えて良い名前をつけてあげてください。
奥様もいたわってあげてくださいね。
ではぱぱさんもお体には気を付けて。

No.11844 - 2005/04/19(Tue) 00:33:27

Re: 名前 / だまされジョニー [沖縄]
半年後が楽しみですね。
実は3年前に長男が生まれたときに第一候補に「文若」でしたが、三国志を知らない両家からのバッシングがあり断念しました。三国志の内容を説明する時間が足りなかったかもしれません。頑張って説得してみてください。

No.11845 - 2005/04/19(Tue) 12:10:29

Re: 名前 / AGITO [関東]
確か以前に、去年だったと思うんですけど、よくこのサイトに来ている方で楽進好きの方がいらっしゃいまして、生まれた男の子の赤ちゃんに進という名前つけたそうです。
No.11846 - 2005/04/19(Tue) 18:06:54

Re: 名前 / ぱぱ☆ [関東]
みなさま、どうもありがとうございます。。

「仲頴」くん、「奉先」くんでも、蒼天ベースなら魅力たっぷりですよね。でも、蒼天知らない人から見たら。。『?!』て反応でしょう。。

だまされジョニー さん、やっぱり『文若』ってよいですよね。説得すれば一選択肢には入るかな。楽進で進、も素敵。

蒼天主要キャラはみんな(袁術以外)魅力にあふれていて、自分もこうなりたい、こうありたい、と感じることが多いです。千年を経て輝く轍、まぶしいですよね。

ありがとうございました。

No.11852 - 2005/04/21(Thu) 02:38:02

Re: 名前 / 鳳卵 [東北]
 魯粛ファンがわが子に“敬子”と名づけた話を、以前読んだことがあります。
恐らく、名前の真の由来を知るのはお母さんのみなのでしょう(笑)

No.11860 - 2005/04/23(Sat) 20:36:14

Re: 名前 / 慎 [関東]
ちょっと遅いレスですが....
そういえば、私の同級生に「元徳」っていうのがいました。(1966年生まれです。)
「もとのり」さんですが、中学生に上がった際、担任の先生が「ゲントク」と呼び習わして以来、「ゲントク」が通り名になりました。その当時三国志は今程メジャーでは無く、多分アノ劉備さんの字であることを知っていたヒトは小数派だったと思います。
親父様と担任の先生は熱烈なファンだったようですね。今にして思えば...

No.11861 - 2005/04/23(Sat) 23:44:54

Re: 名前 / 紅いキバ [東海]
「彼」の再登場記念という訳ではないですが、便乗して...(笑)

私の妹の知人に、息子さんに「孟徳(たけのり)」と命名した方がいました。
カッコイイですね。

No.11862 - 2005/04/24(Sun) 02:55:21
Re.今週の蒼天 / 青乃かすみ
 お久しぶりです。約半年くらい前から、無言の通読でしたが、関羽の最後まで思うと、やはり蒼天も三国志本編!曹操がより生きているかの様にも見えたりします。音無しの講談を味わっています。サイコーです。
No.11857 - 2005/04/22(Fri) 15:49:19
今週の蒼天<絶対的原則> / TATSU@管理人 [関東]
こんばんは。
前回のレビュー、次のモーニング発売の前日にUPしたんで、ほとんどレスつかないかと思ってたんですが、結構書き込み頂きましたね。嬉しいです。この場を借りて御礼申し上げます。

管理人多忙のあまり週1回しか投稿できないのにもかかわらず、カウンターも1,000前後で回っていて感激でございます。管理不行届きなサイトではございますが、これからも宜しくお願いします。


さて、今週は関さんワールド全開でしたね。絶対的原則に基づき行動する関さんは、于禁軍相手にどう戦うのでしょう? 
では、今週の蒼天、UPさせて頂きます。

No.11828 - 2005/04/11(Mon) 23:44:05

今週の蒼天<絶対的原則> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

豪雨の中、于禁を迎え打つ関羽。しかし関羽の耳には異音が聞こえていた。
「全軍、高所へ上がれ!」
ふいに関羽が叫んだ。続けて関羽は、曹操軍兵士に対しても同様にするよう叫んだ。
その言葉を聞いた于禁は激昂した。何様のつもりじゃ、と叫ぶ于禁。関羽は答えた。
「天災地変は勝利の障(さわ)り!逃げい!于禁!」
笑止。と叫びつつ于禁は関羽に向かって矛を振り下ろした。

次の瞬間、津波の如き奔流が戦場を覆った。
押し流される于禁。だが波間から関羽を狙う一人の将がいた。ホウ悳であった。
「理外の理か。関羽!」
激流に流されつつ、ホウ悳は叫んだ。
「猿真似王のもとに、いかなる理もありはせぬぞ!」
ホウ悳は関羽めがけ必殺の矢を放った。

***************

樊城。
豪雨は紅水と筑水を決壊させていた。さらに支流が決壊すれば漢水自体も危険であった。
その時、水没した樊城城外に船団が姿を現していた。それを見た曹仁は、既に漢水も氾濫していることを知った。

***************

于禁7軍は大半が水没していた。
高所に避難した残兵達が呆然と激流を眺める中、于禁が「山の水は引くのも早い」と激励していた。于禁将軍!と兵士の一人が叫んだ。関羽軍の船団が現れ、于禁軍のもとへ進んできていた。

一方、波間からは馬上の関羽が姿を現していた。水流の中を往く関羽。その額(ひたい)にはホウ悳の矢が突き刺さっていた。

***************

船団の出現に于禁軍は迎撃態勢をとった。出水が引くまで耐え凌ぐぞ、と号令を発する于禁。だが、内心では全滅を覚悟していた。

「耐えるな。于禁。」
于禁軍の後方から声がした。
関羽であった。馬上の関羽が、波間から出現していたのである。
「戦場の兵にとり、受難による死は徒死(むだじ)にだ。」
そう告げる関羽は、水流の中を悠々と進んだ。
「将たる者において、」
額に矢を突き立てたまま武神は告げた。
「犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対。」


【REVIEW】

■ 扉のコピーは、『 魏国将軍・于禁率いる7万の大軍に対し、関羽、真正面より突入す!』 でした。違いますよね。于禁が率いているのは「7軍」で、兵数は「3万」ですよね。
こういうコピーってモーニングの担当が考えてるんでしょうか。ちゃんと読んでるのかなぁ...。

■于禁を迎え撃つ関羽。その時、異音が耳に飛び込み、ふいに全軍に、高所へ上がれ!と叫びました。この後、津波の如き激流が戦場を覆うので、関羽はその気配を感じ取っていたんですね。最初は耳鳴りがしてるのかと思いました(笑)。

さて、驚くべきは次の関羽の台詞。
「曹操軍!お前たちもゆけい!」
でした。またまた関羽は敵軍にまで指示を発しました!
それを聞いた于禁は、何!と目を見開き「何様じゃ、関羽!」と怒ってました。そりゃそうですよね。俺の軍の指揮は俺がとる、舐めんな。って感じでしょう。この時点では、于禁はあれほどの大波が来るとは気付いて無いのかもしれませんが、気付いてたとしても敵将からあんな指示を出されちゃ立場ないですもんね。

■「天災地変は勝利の障り!逃げい!于禁!」
関羽はこう叫びました。これはどう解釈すればいいのでしょう?

天災地変は勝利の障害だ。つまり、天変地異のお陰で勝利してもそれは勝利ではない。平たく言えば、自然災害で勝っても嬉しくない。ってとこでしょうか。
『津波で勝ってもしょうがないから、逃げろ于禁。』 関羽はこう言いたかったのかもしれません。

これは曹仁に対して告げた「八分の力となった者を斬り殺せば、武が廃(すた)る。」に通じるところがあるのかもしれません。“義に篤い”と言えばそうですが、相手からすれば“舐めるな”って感じでしょう。特に曹仁や于禁は百戦錬磨の猛将です。はい、そうですか、と逃げる訳にはいきません。
案の定、于禁は「笑止」と一蹴し、矛を振り下ろしました。
 【笑止(しょうし)】ばかばかしいこと。おかしいこと。また、そのさま

一撃目は必ず受ける、の関さんは お約束通り受け止めてました。

■「理外の理か。関羽!猿真似王のもとに、いかなる理もありはせぬぞ!」

于禁は激流に押し流されましたが、ホウ悳は波間から現れこう叫びました。この台詞も難解でした。
“猿真似王”とは、劉邦の猿真似をして漢中王を名乗った劉備を指しているんでしょうね。つまり後半の台詞は『猿真似してるような男の下に仕えても、何の理屈も通らぬぞ!』って言いたかったんだと思います。
分からないのは前半の台詞です。“理外の理か、関羽” って何を言わんとしてるんでしょう?
関羽の 『 天災地変は勝利の障り 』 なんて台詞を、「理論外の理論を言うか。(理論とも言えない理論を言うのか)関羽!」って罵ってるんでしょうかね?

う〜ん。蒼天の登場人物は、合戦の最中であろうが、激流に揉まれようが、台詞が難しいです。

■于禁軍の残兵の目の前に、関羽軍船団が現れた頃、関羽自身も波間から現れました。額(ひたい)にホウ悳の矢を刺したまま...。
関羽。目がいっちゃってましたね。何で矢を抜かないんでしょう?

この後、曹操が「何だと?」と驚いているシーンが1コマ挿入されてました。ターバン巻いた伝令が自分の額(ひたい)を指し示してましたから、曹操は“関羽の額の矢”の報告を受けてたと思われます。
ん?考えてみれば、やけに情報が早いですね。ほぼリアルタイムで情報が伝わってます。インターネットなみのスピードです(笑)。
これは、関羽の報はずっと後に届いているが、多少シーンが前後してるってことでしょうか。

さて、正史の記載が述べられている時に、関羽の頭部断面図が描かれてましたが、矢は結構深く刺さっていました。関羽は“額当て”をしていたので、それほど深くは刺さってないのかと思ってましたが、図を見る限りでは結構深刻です。もしかしてこれが死因に繋がるんでしょうか?

結構深く刺さってるんで、抜くに抜けないんでしょうかね?

■「耐えるな、于禁。」
船団に囲まれ、全滅を覚悟して戦おうとする于禁に、関羽が波間から告げます。言わば降伏勧告ですね。ただ、関羽の台詞の“字体”が今までと違ってました。普段とは違った声になってるって事でしょうか?これは、額に刺さった矢の影響なんでしょうかね。声色(こわいろ)が変わるなんて、かなりヤバイです。

しかし、関羽はずーっと額に矢を刺したままなんですが、何かこれが非常に気にかかります。“奇異”というか“痛々しい”というか...。
管理人は関羽のほうにこそ言いたいです。「耐えるな、関さん。」

■「戦場の兵にとり、受難による死は、徒死(むだじ)にだ! 将たる者において、犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対!」

またまた出ました。関さん理論!!
これは「受難」を「天災」に置き換え、最後に「実行しろ」と入れれば、分かりやすいと思います。多少言葉を変えるとこうなります。

「戦場の兵にとって、天災が原因の死は、徒死(むだじ)にだ! 将たる者は、犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対に実行せねばならん。」

だから、このまま戦って死ぬより、降伏しろ、って事でしょうね。于禁は今度は笑止!とは言わずに呆然と関羽を見つめています。その義侠ぶりに感銘を受けたんでしょうか?あるいは、関羽の異様な姿に声を失ったんでしょうか?(笑)

関羽は、兵卒を無駄に死なせてはいけない、と将たる者の信念を語っている訳ですから、まさに義の精神が発揚されてます。増してや瀕死の状態の筈なのに、泰然自若と馬を進め、敵兵を気遣う姿は軍神の様です。
でも何か変なんですよね〜。それは、ずーっとオデコに矢を突き立てたまま語ってるから...。これ、ギャグじゃないですよね...。

義侠の積乱雲・関羽。その義侠っぷりが発揮されればされるほど、不自然になり、奇異になり、ある種の滑稽感まで漂ってるように感じるのは、管理人だけでしょうか。

■さあ、気を取り直して次号予告を見てみましょう。
−正に戦神!関羽の前に、于禁軍7万壊滅!−
だから、3万だ つーの!

No.11829 - 2005/04/11(Mon) 23:46:24

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 刑道栄
 毎週毎週レビューお疲れさまです。しかしこれだけの分量のレビューを毎週欠かさずとは・・管理人さんのPCの前で文章を作る姿はまさに憤死寸前の法正の様にでもなってそうですね。

 さてここんとこ関羽メインの話が続いていますが、少し気になっていることが・・最近の曹操なんですが、あのお洒落で早起き曹操殿がここんとこいつも寝間着ですよね、今週の間諜らしき者からの報告も寝所で受けていますし、時期的にもずいぶんと前から伏線を張ってきた「体の具合」がここにきて形になりだしたのかなと思いまして。
 もちろんストーリー上、曹操の死期が近い事は周知の事実なんですが蒼天の最後はどう飾ってくれるのか楽しみでもあるし寂しくもあります。 

No.11830 - 2005/04/12(Tue) 14:02:25

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 競輪王
 管理人様、今週もレヴューお世話様です。
 私もここ2、3週の関さんは「異様」だと思います。なんか目がイッちゃってるような……。

 さて、

>関羽の台詞の“字体”が今までと違ってました

 私は見た瞬間、変なカラス人間「トウトツ」を思いだしてしまいました。 「まさに戦神」とあったように、関さん、本当に「神」になっちゃったんでしょうか……。

No.11831 - 2005/04/12(Tue) 18:32:24

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 文月 [近畿]
こんばんは。

関羽、刺さってる、刺さってるよ!!ヒーーーーー!!?煤i゜□゜‖;
頭蓋骨貫通してますよ!!脳もやばそう!!声変わってるし!(何かの伏線?)
于禁に降服勧告するのは後にして、まず医者に診てもらいなさいって!!
このままの状態で戦い続けたら、あんた、死ぬわよ!!

それはさておき、曹操様が伝令を聞くシーンは、「関羽が額に矢を受けた」という情報が曹操のもとに伝えられた、というのはこの時代の主な情報通達手段がどんなものであったかを考えるとちょっと違うのでは、と思います。たぶん、孫呉がどう動いたか、という情報が曹操に伝えられた、そんなシーンだったのではと、現時点での私の解釈はこうです。

ともあれ、次号での、関羽からの降服勧告を受けた于禁とホウ悳のそれぞれの反応が、楽しみでもあり、怖くもあります。

No.11832 - 2005/04/12(Tue) 18:39:09

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / M.A [近畿]
以前、TVの「世界まる見え!テレビ特捜部」で、脳に何かの棒が串刺し状態になったが、“奇跡的”に何事もなく、少し頭痛がするぐらいで、頭痛薬のみの治療で済んだという、実際の話がありました。きっと今週の関羽の矢も“奇跡的”に何ともないのでしょう。
あと、関羽の馬は泳いでいるのでしょうか?それなら赤兎馬よりスゴイですね。(蒼天の赤兎馬は呂布と一緒に最後を迎えましたから)

No.11834 - 2005/04/12(Tue) 22:35:24

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / つね [関東]
思わずホウ悳伝をネット上で探してしまいました。こんなところで嘘つくとは最初から思っていませんが、確かに書いてありますね。「関羽の額に矢を射当てた。」・・・あっさりと。さすが神様になる人は常人と違う。

1.漢水氾濫
2.于禁七軍水没
3.将の絶対的原則

曹操の受けていた伝令はやはり関羽の超人的行動を伝えていたのでしょう。樊城攻防戦そのものが描写されているのではなく、伝令が伝えている樊城攻防戦が描かれているという見方(読者も曹操と一緒に報告を聞いている)に立てば、そう違和感もないと思います。

関羽の愛馬、黒捷でなくて良かったですな。その前に豪雨の時点でダウンするか。

No.11835 - 2005/04/13(Wed) 02:04:27

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / おかゆライス [東北]
あっはっは、確かに前号には「于禁7軍3万」って載ってます。

>将たる者において、犬死にの恥辱から〜
劉備が??水関で言った「異常の敵を避けて兄弟を守るのは〜(以下略)」に通じるものがあると思われ。
劉備軍に共通する考え方でしょうか。
でも、張飛だけは絶対に違うような・・・(根拠なし。ただ何となく)

ところで、あの船団はどこに待機してたんでしょう?
漢水にいて、氾濫したところを流れに乗ってきた?
氾濫したという事は、川や湖沼でないところに水が流れ込んでいる訳で、そこをあれだけ大きな船が通るとなると結構な深さが必要となります。
あくまでも計算の上ならば、氾濫したのではなく、堰を切ったのでは?と深読みしたりして。
揚げ足取り失敬。

No.11838 - 2005/04/13(Wed) 23:57:26

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 黒助 [関東]
こんにちは。多忙な中のレビュー、本当にお疲れ様です。

>「理外の理か。関羽!猿真似王の下に、いかなる理もありはせぬぞ!」
松本清張の短編小説に「理外の理」(りがいのり)いうタイトルのものがあります(こちらがこの表現のオリジナル?それとも中国の兵法関係にもあるんでしょうか?)
この松本清張の短編のテーマ、タイトルに関して私の大好きな作家宮部みゆきは「(理屈ではない)人を動かす心のことわり」と評しています。
劉備は理屈で考えると何をなすでもない。それでも人の心をとらえてやまない。魏軍の将から見るといまいましくてたまらないこの現象はまさに「理外の理、心のことわり」といえるのではないでしょうか。そして敵対将から見れば侮辱されているに等しい関羽の貫く行動原理、その関羽の人気もまた「理外の理」でしょう。

ちなみに松本清張の短編は時代遅れとなってしまった作家の心に働くダークな「理外の理」を描いたものです。

No.11839 - 2005/04/14(Thu) 00:21:13

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 英英 [北海道]
関さんの額の矢が!…気になって気になって(><)
あの豪雨&洪水のなか見事ヒットさせたホウ悳さんカッコイイ。
関羽の馬の見事な泳ぎっぷりとか、矢の刺さったご主人を気遣うように振り返ってるとこはツボ。
成何は成公英に似て美人さんだなー(親戚?)…
とか他の場面を思いつつも、でもっ矢がっ!!
すごく妙だよ、関さん。

>理外の理
「普通の道理では推定することのできない不思議な道理」by広辞苑
ホウ悳の言葉、よくわからなくて調べてました。
もし相手が張飛だったら意味伝わらなかったりして(笑)
蒼天でいわれてる“侠”は、理で割りきれなかったり、文章で表現できなかったりする。「(理屈ではない)人を動かす心のことわり」とは上手い表現ですね。
確かにこの樊城戦の関さん理論は“理外の理”です。
しかし、額の矢は………

No.11840 - 2005/04/14(Thu) 10:57:26

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 鳳卵 [東北]
 曹操を主君と仰いだ者は、その理由をハッキリ言えるんだろうけど、劉備を主君と仰いだ者は、うまく理由を言えない人の方が多いんだろうなぁ。

 片山まさゆきの『SWEET三国志』で関羽が劉備のことを
「確かにあいつはバカだけどなんかこう…裏切れん!」
と言ってたのを、なんとなく思い出しました。(この漫画、ギャグに徹してるだけにかえって人物描写が鋭いとこもあって面白いです)

 ここらへんの、なんとなく人気がある人ってのは、それに惚れた人も敵に回した人もやっかいですよね。
 日本で言えば、長嶋茂雄とか、西郷隆盛とかかな?


 ま、それはそれとして、やっぱあの矢なわけですよ。
 まさか、あれを抜き取るために碁を打ちながら麻酔なしの手術を!? ヒェ〜〜〜(笑)

No.11841 - 2005/04/16(Sat) 08:27:16

Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 医療関係者
関羽の矢は、たぶん前頭洞で止まっていると思われるため、脳には影響ないと思います。
見た目よりも軽症です。

No.11842 - 2005/04/18(Mon) 00:19:26
今週の蒼天<漢の世界> / TATSU@管理人 [関東]
いや〜、サイト開設して4年余り。ついに「今週の蒼天」を落とす時がきたのかと思いました。

期が変わって、部下が増え益々仕事が忙しくなったのと、プライベートでも色々ハプニングがありまして、レビュー書く時間が寸断されておりました。モーニング発売を明日に控えてやっと完成しました。滑り込みセーフというところでしょうか。でもこれを読む方は次のストーリーを読んでしまってるかもしれませんね。ごめんなさい!


さて、今週(正しくは先週)は面白かったです。
合肥の孫権・業の魏諷が漢中王宣言を受けて策動を開始しました。孫権の“隠し玉”、そして魏諷への“密書”。これは、新たな展開を予想させてくれてドキドキです。
そして暴風吹き荒れる樊城郊外には、于禁・ホウ悳が到着! まさに風雲急を告げております。“乱世の分水嶺”荊州!

では、ほぼ1週間遅れで誠に恐縮ですが、レビュー開始させて頂きます。

No.11815 - 2005/04/06(Wed) 23:09:41

今週の蒼天<漢の世界> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

合肥。
馬上の孫権が楼台に佇んでいた。夜空を睨み、孫権は黙考した。
一見動かぬように見える天を動かしているのは、“無数の法則”と言われている。それならば天下を動かす力もまた無数にあるのではないか。そう考える孫権は、漢中王という言葉に思いを巡らし、「王か。」と思わず呟いた。

「お望みならば、呉王にでも推戴いたしましょうか。」
ふいに階下から声がした。張昭が顧雍を連れ、楼台へ昇って来ていた。張昭は、孫権が呉王就任など望んでないことを知っていた。“呉王”や“蜀王”などを称しても、魏に比べ領土が貧弱であることを喧伝するようなものであるからである。しかし、“漢中王”となれば話は別であった。まったく、えげつないやり方じゃ、と張昭は憎々しげに呟いた。
「このままでは、二人の王の争いに呑み込まれますぞ。」
張昭がそう諫言した。曹操と劉備の争い。それは項羽と劉邦の戦いへと擬される可能性があった。即ち“漢中王”宣言は、荊州を荒らす関羽より厄介であると言えた。

張昭は献策した。直ちに合肥の陣を解き、どちらの勢力にも加担しないことを表明するべきである、と。張昭は、呉は中立に徹し傍観すべきであると考えていた。顧雍も進言した。二人に比べ、孫権一人がまだ若い、と。それは、二人の老人が死ぬのを待つという政略を意味していた。

孫権は再び天を見つめた。孫権の脳裏に浮かんだのは、周瑜と結んだ約束であった。孫権は二人を見つめ宣言した。
「決して歩みを止めはせん。孫仲謀は、王を望むものではなく、天下に挑むものじゃ。」
皆で、わしを支えてくれい。と孫権は二人を見つめ、明るく微笑んだ。

孫権の言葉に感銘しつつも、張昭は孫権にしつこく確認を迫った。『 ここに陣を敷いたまま、曹操に臣下の礼をとりつつ合肥を攻め、劉備と同盟を結びつつ荊州を窺がう 』ことでいいのかと。難儀じゃわい、と張昭は毒づいた。

しかし、孫権は既に次の一手を画策していた。それは、呂蒙が病を理由に荊州から帰任するに際し、荊州に“隠し玉”を送り込むというものであった。
それは、未だ無名の男・陸遜であった。

***************

業。
魏諷が、地下室で沈思していた。
天下制覇とは、つまるところ領土の争奪であった。しかし、“漢中王”の一語はその概念を打ち壊すものである、と魏諷は考えていた。微々たる地の主であるにもかかわらず、漢の領土を包み込み、帝国の原初に立ちかえらせる一語。それは、曹操も天子も遥かに凌駕する巨大な王の像を、心に浮かばせるものであった。

“漢”という響き。
それは、朝臣であれば誰もが、澄明な美しさを見出し心震わせ、民草は、高祖・劉邦が農民の出身で、漢は民の国であったことを呼び起こすものであった。“漢”という響きには“永遠”があり、今、瀕死の漢は、劉備に乗り移り完全に甦(よみがえ)ろうとしていた。
「これは戦略か?」
思わず魏諷は呟いた。戦略であれば、劉備が生きている間に結果を出さねばならなかった。
−いや、劉備は隠せばよいのだ!−
魏諷は思考した。

その時、猿(ましら)の銭申が、巻物を手に魏諷の前に現れた。
巻物には“漢”と押印されていた。慌てて巻物を開く魏諷。そこには、恐るべき言葉が記されていた。
−関羽の攻勢に呼応し、許を制圧すべし。−
魏諷は驚愕した。“漢”の押印は漢中王の押印であり、許都を制圧するとは、天子が狙いであり、一気に禅譲を迫ることを暗示しているように思えた。
その凄まじい謀略に魏諷は呆然とした。だが、なぜ漢中王が、自分と銭申を知ってるのか。それが魏諷には謎であった。

銭申−。初平4年の徐州大虐殺に、一人の若者と伴に現れた猿。漢中王が銭申を知っているのではなかった。銭申が知っているのであった。漢中王の謀臣を...。

***************

樊城の北10里。
于禁率いる増援軍3万が到着していた。斥候が于禁に関羽軍の来襲を告げた。

関羽軍は悪天をものともせず、城攻めと野戦を繰り返していた。しかし、その士気も統率も、関羽一人が御しているのに過ぎない、と于禁は判断していた。于禁は、董衡と董超を左右に展開させ、ホウ悳と成何には自分に付き従うように命じた。

豪雨の中、于禁軍は、関羽軍へ突撃を開始した。先頭を駆けながら豪語する于禁。
−関羽!この暴雨一陣に、黒血を洗えい!−


【REVIEW】

■扉絵は、“漢”の旗を掲げる大軍勢の前に佇む漢中王が描かれていました。天を舞う龍、その龍は“漢”と印された玉(ぎょく)を咥えようとしていました。そして、キャッチコピーは、

−中国の人民は、21世紀の今も、みずからを漢民族と称している。−

これ、今回のタイトル「漢の世界」や、今回の「孫権及び魏諷の独白」を考える上で、結構参考になるように思えました。今週のストーリーを読み解くに際し、役立つコピーだと感じますが、単行本や文庫本になる時に消えちゃうのは惜しいですね。

■冒頭では、孫権が「漢中王」宣言に思いを巡らしていました。
−天を動かす法則が無数にあるならば、天下を動かす力も無数にあるのではないのか。−
孫権は天を睨んでそう考えてました。これは、『天下を動かす力は、一人の覇者によってだけ発せられるものではない。』ということでしょうか。あるいは、この後の魏諷の台詞、「天下制覇とは、言わば領土の争奪であるが、漢中王宣言は、その概念を打ち壊す。」ということから鑑みれば、『 膨大な領土を獲得する事だけが、天下を動かす要因になる訳ではない。』 ということかもしれません。

■呉王や蜀王などを称しても、かえって領土の小ささを喧伝するようなものだが、“漢中王”とはやってくれる。と張昭は忌々(いまいま)しげに言ってました。これは、“呉王”や“蜀王”と違い“漢中王”は、『 義を損なうこと無く、今の天子を超越する王となる。by孔明 』からですね。
顧雍曰く、この漢中王宣言は呉の家臣にさえ動揺を齎(もたら)したようです。なんと孔明の秘策は、曹操や魏国だけでなく、遥か江南の地にまで影響を及ぼしてたんですね〜。

そして張昭は、「このままでは、二人の王の争いに呑み込まれてしまう」事を危惧します。二人の王とは言わずもがな“曹操と劉備”ですが、「流浪の大器・劉備と漢王朝の始祖・劉邦を、天下の心は一つに結び、覇王・曹操は項羽に擬(なぞら)える。by孔明」のであれば、“曹操と劉備”は“項羽と劉邦”、即ち“天下を競った二人の英雄”の戦いに成り得る。張昭の危惧とは、その“二人の大王の戦い”に、一君主である孫権が呑み込まれてしまう、ということでした。

であれば、荊州で兵を動かしている関羽よりも、漢中王宣言のほうが遥かに厄介というのも分かります。

■さて、上記の状況に処する方法を張紹と顧雍は進言します。それは、“完全中立主義”とも言えるものでした。合肥の陣を撤収し、曹操・劉備のどちらとも戦わないこと、言葉を変えれば、曹操・劉備のどちらにも荷担しないことを表明すること...。言わば、世界大戦勃発において永世中立国を宣言するようなもんでしょうか。

そして、この完全中立を行ない、傍観に徹するという政略の奥には、魏呉蜀の君主のうち、孫権ひとりだけダントツに若い、という要素が含まれていました。つまり曹操・劉備は高齢であり、余命もそれほど長くは無い。故に、当分の間は中立に徹し、二人の死を待ってから行動を起こしても遅くは無い。 それが張昭と顧雍の献策でした。

■その献策に対し、孫権は再び天を仰いで考えます。
−公瑾、お前と約束したわのう。−
その約束とは、死期迫る周瑜が、翻陽の湖畔で孫権に告げた言葉でした。再掲します。

−挑む者ならば、一瞬たりとてその歩みを止めてはならぬ!−

その台詞を思い起こし、孫権は、中立・傍観を建言した張昭と顧雍にこう告げます。「決して歩みを止めはせん。孫仲謀は、王を望む者ではなく、天下に挑む者じゃ。」

じ〜ん...。なんか感動しました。蒼天周瑜に一際(ひときわ)思い入れの深い管理人は、こーいう「孫権は未だ周瑜の諫言を憶えていた。」みたいなシーンに弱いんです!! え?何を唐突に感動してるんだって?そう思われた方は是非、当サイトの小説「周瑜の死」を読んでみて下さい!

■「二人の王の戦い」に巻き込まれないように撤退しろ、そして完全中立を貫き傍観に徹しろ、という張昭の献策に対し、孫権は「挑む者なら、その歩みを止めてはいけない」という信念のもと、「二人の王の戦い」に積極的に介入していくことを誓います。

張昭は「では、現状のままいくのですな。」と念をおす訳ですが、張昭の認識する“現状のまま”とは、
1.臣下の礼をとりつつ曹操を攻める。
2.劉備と同盟を結びつつ荊州を窺がう。
という非常に複雑なものでした。張昭も「難儀じゃわい!」と不満気でしたが、そこは、孫仲謀、既に次の手をうってました。それは、帰任する呂蒙の替わりに“隠し玉”を荊州に送り込むことでした。
しかし、「本当に病かどうかはわからんが」と孫権は言ってましたが、顧雍が思い浮かべた病の呂蒙は鼻血だしてました。あの、何かあるとすぐ鼻血噴き出すのは、病気だったからでしょうか!? てっきり興奮し易いタイプなのかと思ってました。

さあ、今週登場の新キャラ!蒼天航路終盤を彩る最後の大物キャラとも言えるでしょうか、陸伯言が登場しました。一時は、孫権と首脳陣の打ち合わせの時にいたフランケンが陸遜ではないか、という噂もありましたが、違ってましたね。若き日の劉備をさらにスマートにしたようなタイプでした。髪の束ね方が独特でしたね。

■一方、魏では、魏諷が漢中王宣言に思いを巡らしてました。魏諷、また髪型変わってます。なんか今回の変化は極端です。口髭も無くなったので一瞬誰かと思いました。今までは登場する度に、貫禄と妖しさが増してましたが、今回はなんだか若くなっちゃいましたね。

魏諷が居たのは、前回、皆が崇息を行なっていた地下部屋のようですが、良く見ると部屋の中がかなり荒れてました。額縁は切られ、床には何かの破片が散らばってましたが、何ででしょう?魏諷は抜き身の剣を持ってましたから、それでやったんでしょうかね。

さて、魏諷も孫権と同じく「漢中王」について熟考します。「漢中王」の一語は、
1.「天下制覇=領土争奪」という従来の概念をぶち壊す。
もので、なぜならその一語は
2.小さな領土の主であるにも拘わらず、漢の領土を包み込み、帝国の原初に立ち返らせる。
からで、結果、
3.「曹操も天子も遥かに凌駕する巨大な王」というイメージを心に屹立させる。
という事になるからだそうです。

魏諷は、「やられた」と呟きます。なんで「やられた」って思うんでしょう?じゃ、魏諷の画策するクーデターについて考えてみましょう。
『曹操不在の業を制圧し、同時に許都にて帝に上奏。孫権と劉備に詔勅をつきつけ、停戦を命じ彼らの自立を認める。そして魏・呉・蜀三国により漢帝国を奉戴する国家体制に移行。ついでに曹操は逆賊として誅殺。』

魏諷は、「今の天子を、三つの国が奉戴する国家体制に移行する」のが基本でしたが、漢中王宣言は、「その天子さえ凌駕する」もので、「漢の領土を包み込み、帝国の原初に立ち返らせる」という意味において、「クーデター後の構想(三国が現天子を奉戴するという構想)が崩れた」とでも思ったのでしょうか?だから怒りのあまり部屋の内部を破壊しちゃったんでしょうかね?

でも魏諷の目的って、曹操を誅CENSOREDることじゃなかったんでしょうか?それでしたらどちらの策でもいいような気もするのですが...。自分が主導じゃないと気に入らないんでしょうか。

■更に魏諷の思考は進行し、今度は「漢」という単語の響きに及びます。この響きは、貴賎両方に影響を与えるもので、
1.朝臣=あらためてこの響きに澄明な美しさを見出し、身を震わせる
2.民草=高祖・劉邦が農民の生まれであったことを呼び起こし、漢は民の国であったことを思い出し、跪(ひざまづ)く。
と予想します。つまり、魏諷曰く「瀕死の漢は、劉備に乗り移り完全に甦った」状態になったそうです。言わば原点回帰による完全再生とでもいいましょうか。
う〜ん。「漢中王の一語」「漢という響き」にはそんな凄い効果があったんですね。
だから曹操は「漢中王」という言葉に胸を貫かれ、青筋浮かべてたんでしょうか?

■「これは戦略か?」
剣を見つめて魏諷は独白します。当然、孔明の戦略と言えるでしょうね。「ならば、劉備が生きている間に結果を出さねばならない。」と魏諷は考えますが「いや!劉備は隠せばよいのだ!」と突然閃きます。

ここが管理人は分かりませんでした。“劉備を隠す”って何を云わんとしてるんでしょう?
これは、もしかして魏諷は、戦略をたてた者(孔明)の立場にたって、「劉備を敢えて隠し、漢中王の噂やイメージを膨らませるべく画策すればいいのだ!」って気付いたってことでしょうか? それが孔明の“天蕩山立て篭もり”に現れてるんでしょうかね。

■そして銭申が齎(もたら)した「漢中王からの密書」。そこには「関羽の攻勢に呼応し、許都を制圧すべし。」とありました。魏諷は「三つの国が今の天子を奉戴する国家体制」と考えてましたが、漢中王の密書は、それを飛び越えて「今の天子から漢中王への政権移動(禅譲)」を促すものでした。

やはり、“魏諷の乱”は「孔明が大昔に仕込んでいたいた秘策」っぽい展開になってきました。但し、魏諷は今の今まで知らなかったようですが。
銭申は、初平4年に孔明が魏諷と一緒に兵士に預けたメッセンジャーでもあった訳ですね。

さて、孔明の秘策は「漢中王宣言」「関羽攻勢」「魏諷内乱」の3本立てになってた模様です。そう考えると実に面白い展開です。
「おもてなしの用意が調いましたよ」って言ってた割に、曹操と戦おうともしないで篭城してた孔明。曹操が撤退した時は「全然もてなしてないじゃん!」と思いましたが、「おもてなし」とは、この3策を言ってたんでしょうか?そうであれば辻褄があいますし、今後曹操がその孔明の秘策にどう立ち向かうか。という点において非常に楽しみです。

孔明の宣言していた「曹操の首より大きい勝利」というのもこの「天子から漢中王への禅譲」と繋げればいいんでしょうか。願わくば、「曹操を殺さずに曹操を倒すこと」「死より激烈な責め苦・無力感を味わわせること」あたりも、納得できるシーンを見せて欲しいです。

■さて、暴風雨の樊城の北郊外に、魏軍増援部隊が到着しました。
率いるは、「黙祷&刮目」「報仇雪恨、敵を皆CENSORED死者を弔う」の于禁。そして、「涼州の武を、ひたすら生き存えて戦うことによって証明」する将、ホウ悳も登場です。迎え撃つは、「荊州に立ち昇る義侠の積乱雲」関羽!


もう明日ではございますが、これまた楽しみでございます!!

No.11816 - 2005/04/06(Wed) 23:24:30

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / 英英 [北海道]
待っておりました〜!<今週の蒼天>
本当にいつもいつもありがとうございます。
『漢の世界』、キャッチコピー、そして【REVIEW】。今とっても中国に行きたいです。

今回は、謎のままに終わっていた数回分の解説編のようでした。
漢中戦終末以降の出来事をあちこちの立場から語っていただきました。解説っぽいとはいえ、理解難しいところもあったのですが…時間+【REVIEW】のおかげでなんとか消化(^^;

孫権が周瑜の言を覚えていたこと。
周瑜の忠言どおりに今も生きようとしていること。
(魏王!あなたも郭嘉を思い出してよぉー!)
陸遜が某フランケンじゃなく、まっとうに格好良かったこと。
「遼来来」を聞いてじーさんがスタコラ逃げ出したこと(笑)

でも嬉しい場面だけじゃなく、本当に終わりが近づいてきた感じがして寂しく思います(><)

呂蒙に代わって陸遜が荊州方面に来るのか…。
于禁とホウ悳が、もう関羽に接触するのね…。

そして興味深かったのは、「悪天をものともせず、城攻めと野戦を繰り返し…」以下の于禁による関羽評(&関羽軍分析)です。

初体験の城攻めで(←実は“衝撃の新事実”でした。60過ぎた魏王の記名力が脅威)、よくまあ士気を下げずに戦いつづけてるなあ。曹仁との一騎討ち&「吶喊」&落雷&単騎駆けは、配下の士気と統率に効果ありだったのでしょう。
悪条件をものともせぬほど鍛え上げられた関羽軍の兵卒。
ただしそれが関羽個人によるものだという点!

 「関羽を殺せばおまえたちの勝ちと定める」

于禁の分析を信じるなら、関羽の宣告は「将を討たれたら兵は崩れる」という自軍の弱点を理解していることになります。そして「曹仁の生死」を条件に加えなかったのは、魏国は将を討っても兵は崩れないと認めてることになります。于禁の目を通してみると、前回の蒼天を読んだ時よりも関羽の戦は理路整然としてみえます。

今後の樊城戦、理が出るか侠が出るか。
そして南郡や陸口の動きも(陸遜の髪型がどうなっているのかも含めて)気になります。

No.11817 - 2005/04/07(Thu) 00:44:05

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / つね [関東]
ついに陸遜が出てきました。実に凛々しく大満足です。結局、あのフランケンは誰? 軍議の席にいるのだから無名氏でもないだろうし。董襲?

1.孫権の野望
2.魏諷の戸惑い
3.于禁の判断

陸遜は演義のように「内外から軽んじられる」ではなく、内部では既に声望高いようです。張昭や顧雍の表情を見ると「切り札」とも言えそうです。

魏諷の計画は火の目を見ないものとなり、これまで魏諷が劉備を利用しようとする位置にあったものが、逆になってしまいました。このままでは、「魏諷」の乱を起こしても、孔明の操り人形みたいで興ざめです。
がんばれ! 魏諷。

于禁も演義と違ってかっこいい。ホウ悳もしっかり掌握しているし。もっとも彼は、史実でも生涯の最後の5%で評価が定められるかわいそうな人なので油断がなりませんが。

No.11818 - 2005/04/07(Thu) 03:14:54

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / DAI [関東]
孫堅の遺志を継いだ孫策。
孫策との約束を果たした周喩。
孫家三代に心を包まれた周喩の諫言。
周喩との約束に思いを馳せる孫権。
孫権の表情に王の再来を感じる張昭。
周喩の死を見届けた呂蒙。
呂蒙の推戴した陸遜。


時は移り、時代は変わる。
変わり行くものを傍観し、移ろう季節に身を委ねる。
何もかも時代のせいにする。
そんな生き方だってあるだろう。
そういう生き方は楽かもしれない。

否。

時は移り、時代は変わる。
それでも変わらぬ想いがある。
何もかも時代のせいにはできない「問い」がある。
そんな生き方だってあるだろう。
そういう生き方は難儀かもしれない。

紡がれゆく孫家の物語。
それは、挑む者達の物語。
それは、とても裕福な天命。

心を燃やすは帝王の軍略。
心を包むは孫家三代。

No.11819 - 2005/04/07(Thu) 04:16:17

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / ひよし [関東]
自分も魏諷の「劉備を隠す」はさっぱりです。
分かりません。気になります。

No.11821 - 2005/04/08(Fri) 12:05:37

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / 文月 [近畿]
こんにちは。
「なんか今週、レビューのUPが遅いな〜。」と思ってましたが、管理人様も色々とお忙しいのですね…。

孫権の、「皆でわしを支えてくれい。」発言。
くさい、クッサイよ!!
蒼天を読み始めて6年以上にもなりますが、蒼天人の口から放たれる台詞がこれほど「クッサイ!!」と感じられたのはこれが初めてです。
聞く方が赤面しますよ、この言葉は!!

それはさておき、ついに、とうとう、来ましたね!!
「蒼天航路」最後のビッグネーム、陸遜、字は伯言!!
ぱっと見、ちょっと若めのお髭の紳士で、コーエーのゲームに比べると随分と大人の男、という印象を受けました。私もフランケンさんじゃなくて良かったと思っています。(笑)
陸遜の髪型は結い方(みずら?)がなんだか日本神話に出てきそうな感じですね。すぐ解けそう…。
ところで呂蒙はいつ出てくるのかな…。年相応に老けているのか、それともカワイイ童顔のまま(笑)なのか、気になります。

ああ、ついに于禁殿とホウ悳殿が…。
史実での結末が判ってると、この先の展開を見るのが正直怖いです…。
(関羽や呂蒙のことも含めて。)

No.11822 - 2005/04/08(Fri) 17:25:37

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / アベール
陸遜の容貌が少し曹操に似ているように感じました。
彼は優れた人格者で並外れた知略の持ち主ですが、何の罪もない民衆を殺戮したりするなど残忍な性格もあったようです。
その後、その民衆を保護したり衣服食料を給したりしてますが、ハイ松之が注釈で「林を切り倒し鳥の巣をひっくり返しながら、生き残った雛を手厚く育ててやるのと変わるところがない。理由の通らぬお恵みやちっぽけな仁でもって、どうして大きな残虐行為を帳消しに出来よう」と矛盾を指摘しています。

結果的に陸遜一族は彼の孫の代で滅んでしまいますが、そういうところは曹操一族の結末と似てなくもありません。
長い目で見れば悪い行為には悪い行為なりの、善い行為には善い行為なりの報復があるのでしょう。

No.11823 - 2005/04/09(Sat) 17:17:34

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / 鳳卵 [東北]
 お忙しい中でのレビューアップ、お疲れさまです。

 さて、陸遜が1コマ限りですが大アップで登場しましたね。
 彼は山越との戦いでたびたび大きな手柄を立てているため、呉国内部では評価が高いのに、外部には知られていないという状況になってるようですね。

 山越は呉に接する地域に住む異民族ですが、たびたび呉国内を騒乱するため、常に彼らとの臨戦態勢をとっていなければならないのが、呉という国のアキレス腱でもありました。
 魏と蜀との対応しか蒼天では描かれていませんが、実は呉が最も手を焼いたのは、この山越たちだったとも言われています。この脅威さえなければ、もう少し積極的に中原をうかがえるのに…というのが、呉の悩みどころだったらしいですね。

 しかし、“隠し玉”って野球用語じゃないのかなぁ…なんか、昔あった夏侯惇の“ボス猿”発言を彷彿とさせるものがあるなぁと思うのは、僕だけでしょうか?(笑)

 あと、呉王とか称しても…とか言いながら、後に名乗っちゃうんだから、孫権もなかなか食えない人です。

>−いや、劉備は隠せばよいのだ!−
 あんまり人前に出すと、ポカをやらかしそうだから…とかいう理由じゃないですよね(笑)
 劉備を隠しちゃえば、例え本人が死んでも、生きてることにしておけるから、“漢中王”を名乗る策も半永久的に有効となる…という意味なんでしょうか?
 もはや“漢中王”の名前さえあれば劉備本人は用済みみたいな感じで、なかなか凄まじい思いつきですね。


 さて、関羽最後の戦いがいかに描かれるのか、非常に楽しみになってきました。

No.11824 - 2005/04/09(Sat) 20:18:17

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / 陳孫 [関東]
TATSUさん、今週もお疲れ様でした。

>“呉王”や“蜀王”などを称しても、魏に比べ領土が貧弱であることを喧伝するようなものであるからである。


この当時の「魏王国」はまだ冀州十郡だけでしたよね?
曹操の支配領域が全て「魏」となるのは、曹丕が禅譲を受けて魏王朝を開いてからでしょう。
魏諷が考えているシーンで魏・呉・蜀の領域が大雑把に描かれた地図が出ましたが、それを見ても呉や蜀は魏王国に較べてそんなに小さいとは思えませんが・・・?

陸遜が出てきましたね〜♪
やはりイケメン顔でしたな(w
あのフランケンシュタインが陸遜でないとなると・・・、やはり丁奉?(w
まあ、蒋欽だって初登場から名前が判明するまでだいぶかかりましたからね。
フランケンもいずれまた出てくるでしょう。
あ、でもそろそろタイムリミットが・・・(汗

そして孔明の密書が魏諷に届いたところですが、確かに彼の名前は孔明が名づけたわけですが、「魏」という姓まで知っていたのでしょうか?
孔明が魏諷の義父となる敗残兵に赤子を預けた時、その兵の姓まで知ってたんでしょうかね?

于禁ですが、やはり無様な惨敗はなさそうです。
チョット安心しました。
演義で伝えられているような情けない男なら、曹操が重臣として登用するはずがありませんからね。
彼は後に魏に帰還すると、曹操の墓に描かれた自分の無様な姿を見て屈辱のあまり発病して死んだことになってますが、正史にもその記述はあるのでしょうか?
もしあるとすれば、それは単純に曹丕に嫌われていて、残酷な仕打ちをされただけとか?

龐悳は好きなキャラですので、彼が登場した時は嬉しかったのです♪
でももう少し彼の活躍が見たかったのですが、どうもこの後すぐに最期を迎えてしまいそうですね(悲

No.11827 - 2005/04/11(Mon) 14:45:03

Re: 今週の蒼天<漢の世界> / 崇正 [外国]
こんにちは。初めて書き込みます。

現在海外在住でモーニングは手に入らないんですが、管理人さんのReviewが充実しているので、まるで直に毎週連載を読んでいるような感じです。ご多忙とのことですが、御身体には気をつけて、これからも頑張って下さい。毎週楽しみにしています。

陸遜、ついに出てきたんですか。
やっぱり白面の美青年として描かれてるんですねー。

ふと疑問に思ったのですが、彼の父親の陸康は、たしか史実では孫策に殺されたはずですよね?蒼天では仁に頭をかじられてましたが・・・・

父親の仇である孫家に奉公する陸遜の胸中も、できれば蒼天で描かれて欲しいです。やっぱり無理かな・・・

No.11837 - 2005/04/13(Wed) 14:52:46
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