| こんばんは。 前回のレビュー、次のモーニング発売の前日にUPしたんで、ほとんどレスつかないかと思ってたんですが、結構書き込み頂きましたね。嬉しいです。この場を借りて御礼申し上げます。
管理人多忙のあまり週1回しか投稿できないのにもかかわらず、カウンターも1,000前後で回っていて感激でございます。管理不行届きなサイトではございますが、これからも宜しくお願いします。
さて、今週は関さんワールド全開でしたね。絶対的原則に基づき行動する関さんは、于禁軍相手にどう戦うのでしょう? では、今週の蒼天、UPさせて頂きます。
|
No.11828 - 2005/04/11(Mon) 23:44:05
| ☆ 今週の蒼天<絶対的原則> / TATSU@管理人 [関東] | | | | 【STORY】
豪雨の中、于禁を迎え打つ関羽。しかし関羽の耳には異音が聞こえていた。 「全軍、高所へ上がれ!」 ふいに関羽が叫んだ。続けて関羽は、曹操軍兵士に対しても同様にするよう叫んだ。 その言葉を聞いた于禁は激昂した。何様のつもりじゃ、と叫ぶ于禁。関羽は答えた。 「天災地変は勝利の障(さわ)り!逃げい!于禁!」 笑止。と叫びつつ于禁は関羽に向かって矛を振り下ろした。
次の瞬間、津波の如き奔流が戦場を覆った。 押し流される于禁。だが波間から関羽を狙う一人の将がいた。ホウ悳であった。 「理外の理か。関羽!」 激流に流されつつ、ホウ悳は叫んだ。 「猿真似王のもとに、いかなる理もありはせぬぞ!」 ホウ悳は関羽めがけ必殺の矢を放った。
***************
樊城。 豪雨は紅水と筑水を決壊させていた。さらに支流が決壊すれば漢水自体も危険であった。 その時、水没した樊城城外に船団が姿を現していた。それを見た曹仁は、既に漢水も氾濫していることを知った。
***************
于禁7軍は大半が水没していた。 高所に避難した残兵達が呆然と激流を眺める中、于禁が「山の水は引くのも早い」と激励していた。于禁将軍!と兵士の一人が叫んだ。関羽軍の船団が現れ、于禁軍のもとへ進んできていた。
一方、波間からは馬上の関羽が姿を現していた。水流の中を往く関羽。その額(ひたい)にはホウ悳の矢が突き刺さっていた。
***************
船団の出現に于禁軍は迎撃態勢をとった。出水が引くまで耐え凌ぐぞ、と号令を発する于禁。だが、内心では全滅を覚悟していた。
「耐えるな。于禁。」 于禁軍の後方から声がした。 関羽であった。馬上の関羽が、波間から出現していたのである。 「戦場の兵にとり、受難による死は徒死(むだじ)にだ。」 そう告げる関羽は、水流の中を悠々と進んだ。 「将たる者において、」 額に矢を突き立てたまま武神は告げた。 「犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対。」
【REVIEW】
■ 扉のコピーは、『 魏国将軍・于禁率いる7万の大軍に対し、関羽、真正面より突入す!』 でした。違いますよね。于禁が率いているのは「7軍」で、兵数は「3万」ですよね。 こういうコピーってモーニングの担当が考えてるんでしょうか。ちゃんと読んでるのかなぁ...。
■于禁を迎え撃つ関羽。その時、異音が耳に飛び込み、ふいに全軍に、高所へ上がれ!と叫びました。この後、津波の如き激流が戦場を覆うので、関羽はその気配を感じ取っていたんですね。最初は耳鳴りがしてるのかと思いました(笑)。
さて、驚くべきは次の関羽の台詞。 「曹操軍!お前たちもゆけい!」 でした。またまた関羽は敵軍にまで指示を発しました! それを聞いた于禁は、何!と目を見開き「何様じゃ、関羽!」と怒ってました。そりゃそうですよね。俺の軍の指揮は俺がとる、舐めんな。って感じでしょう。この時点では、于禁はあれほどの大波が来るとは気付いて無いのかもしれませんが、気付いてたとしても敵将からあんな指示を出されちゃ立場ないですもんね。
■「天災地変は勝利の障り!逃げい!于禁!」 関羽はこう叫びました。これはどう解釈すればいいのでしょう?
天災地変は勝利の障害だ。つまり、天変地異のお陰で勝利してもそれは勝利ではない。平たく言えば、自然災害で勝っても嬉しくない。ってとこでしょうか。 『津波で勝ってもしょうがないから、逃げろ于禁。』 関羽はこう言いたかったのかもしれません。
これは曹仁に対して告げた「八分の力となった者を斬り殺せば、武が廃(すた)る。」に通じるところがあるのかもしれません。“義に篤い”と言えばそうですが、相手からすれば“舐めるな”って感じでしょう。特に曹仁や于禁は百戦錬磨の猛将です。はい、そうですか、と逃げる訳にはいきません。 案の定、于禁は「笑止」と一蹴し、矛を振り下ろしました。 【笑止(しょうし)】ばかばかしいこと。おかしいこと。また、そのさま
一撃目は必ず受ける、の関さんは お約束通り受け止めてました。
■「理外の理か。関羽!猿真似王のもとに、いかなる理もありはせぬぞ!」
于禁は激流に押し流されましたが、ホウ悳は波間から現れこう叫びました。この台詞も難解でした。 “猿真似王”とは、劉邦の猿真似をして漢中王を名乗った劉備を指しているんでしょうね。つまり後半の台詞は『猿真似してるような男の下に仕えても、何の理屈も通らぬぞ!』って言いたかったんだと思います。 分からないのは前半の台詞です。“理外の理か、関羽” って何を言わんとしてるんでしょう? 関羽の 『 天災地変は勝利の障り 』 なんて台詞を、「理論外の理論を言うか。(理論とも言えない理論を言うのか)関羽!」って罵ってるんでしょうかね?
う〜ん。蒼天の登場人物は、合戦の最中であろうが、激流に揉まれようが、台詞が難しいです。
■于禁軍の残兵の目の前に、関羽軍船団が現れた頃、関羽自身も波間から現れました。額(ひたい)にホウ悳の矢を刺したまま...。 関羽。目がいっちゃってましたね。何で矢を抜かないんでしょう?
この後、曹操が「何だと?」と驚いているシーンが1コマ挿入されてました。ターバン巻いた伝令が自分の額(ひたい)を指し示してましたから、曹操は“関羽の額の矢”の報告を受けてたと思われます。 ん?考えてみれば、やけに情報が早いですね。ほぼリアルタイムで情報が伝わってます。インターネットなみのスピードです(笑)。 これは、関羽の報はずっと後に届いているが、多少シーンが前後してるってことでしょうか。
さて、正史の記載が述べられている時に、関羽の頭部断面図が描かれてましたが、矢は結構深く刺さっていました。関羽は“額当て”をしていたので、それほど深くは刺さってないのかと思ってましたが、図を見る限りでは結構深刻です。もしかしてこれが死因に繋がるんでしょうか?
結構深く刺さってるんで、抜くに抜けないんでしょうかね?
■「耐えるな、于禁。」 船団に囲まれ、全滅を覚悟して戦おうとする于禁に、関羽が波間から告げます。言わば降伏勧告ですね。ただ、関羽の台詞の“字体”が今までと違ってました。普段とは違った声になってるって事でしょうか?これは、額に刺さった矢の影響なんでしょうかね。声色(こわいろ)が変わるなんて、かなりヤバイです。
しかし、関羽はずーっと額に矢を刺したままなんですが、何かこれが非常に気にかかります。“奇異”というか“痛々しい”というか...。 管理人は関羽のほうにこそ言いたいです。「耐えるな、関さん。」
■「戦場の兵にとり、受難による死は、徒死(むだじ)にだ! 将たる者において、犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対!」
またまた出ました。関さん理論!! これは「受難」を「天災」に置き換え、最後に「実行しろ」と入れれば、分かりやすいと思います。多少言葉を変えるとこうなります。
「戦場の兵にとって、天災が原因の死は、徒死(むだじ)にだ! 将たる者は、犬死にの恥辱から、おのれの兵を救うことは絶対に実行せねばならん。」
だから、このまま戦って死ぬより、降伏しろ、って事でしょうね。于禁は今度は笑止!とは言わずに呆然と関羽を見つめています。その義侠ぶりに感銘を受けたんでしょうか?あるいは、関羽の異様な姿に声を失ったんでしょうか?(笑)
関羽は、兵卒を無駄に死なせてはいけない、と将たる者の信念を語っている訳ですから、まさに義の精神が発揚されてます。増してや瀕死の状態の筈なのに、泰然自若と馬を進め、敵兵を気遣う姿は軍神の様です。 でも何か変なんですよね〜。それは、ずーっとオデコに矢を突き立てたまま語ってるから...。これ、ギャグじゃないですよね...。
義侠の積乱雲・関羽。その義侠っぷりが発揮されればされるほど、不自然になり、奇異になり、ある種の滑稽感まで漂ってるように感じるのは、管理人だけでしょうか。
■さあ、気を取り直して次号予告を見てみましょう。 −正に戦神!関羽の前に、于禁軍7万壊滅!− だから、3万だ つーの!
|
No.11829 - 2005/04/11(Mon) 23:46:24 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 刑道栄 | | | | 毎週毎週レビューお疲れさまです。しかしこれだけの分量のレビューを毎週欠かさずとは・・管理人さんのPCの前で文章を作る姿はまさに憤死寸前の法正の様にでもなってそうですね。
さてここんとこ関羽メインの話が続いていますが、少し気になっていることが・・最近の曹操なんですが、あのお洒落で早起き曹操殿がここんとこいつも寝間着ですよね、今週の間諜らしき者からの報告も寝所で受けていますし、時期的にもずいぶんと前から伏線を張ってきた「体の具合」がここにきて形になりだしたのかなと思いまして。 もちろんストーリー上、曹操の死期が近い事は周知の事実なんですが蒼天の最後はどう飾ってくれるのか楽しみでもあるし寂しくもあります。
|
No.11830 - 2005/04/12(Tue) 14:02:25 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 競輪王 | | | | 管理人様、今週もレヴューお世話様です。 私もここ2、3週の関さんは「異様」だと思います。なんか目がイッちゃってるような……。
さて、
>関羽の台詞の“字体”が今までと違ってました
私は見た瞬間、変なカラス人間「トウトツ」を思いだしてしまいました。 「まさに戦神」とあったように、関さん、本当に「神」になっちゃったんでしょうか……。
|
No.11831 - 2005/04/12(Tue) 18:32:24 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 文月 [近畿] | | | | こんばんは。
関羽、刺さってる、刺さってるよ!!ヒーーーーー!!?煤i゜□゜‖; 頭蓋骨貫通してますよ!!脳もやばそう!!声変わってるし!(何かの伏線?) 于禁に降服勧告するのは後にして、まず医者に診てもらいなさいって!! このままの状態で戦い続けたら、あんた、死ぬわよ!!
それはさておき、曹操様が伝令を聞くシーンは、「関羽が額に矢を受けた」という情報が曹操のもとに伝えられた、というのはこの時代の主な情報通達手段がどんなものであったかを考えるとちょっと違うのでは、と思います。たぶん、孫呉がどう動いたか、という情報が曹操に伝えられた、そんなシーンだったのではと、現時点での私の解釈はこうです。
ともあれ、次号での、関羽からの降服勧告を受けた于禁とホウ悳のそれぞれの反応が、楽しみでもあり、怖くもあります。
|
No.11832 - 2005/04/12(Tue) 18:39:09 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / M.A [近畿] | | | | 以前、TVの「世界まる見え!テレビ特捜部」で、脳に何かの棒が串刺し状態になったが、“奇跡的”に何事もなく、少し頭痛がするぐらいで、頭痛薬のみの治療で済んだという、実際の話がありました。きっと今週の関羽の矢も“奇跡的”に何ともないのでしょう。 あと、関羽の馬は泳いでいるのでしょうか?それなら赤兎馬よりスゴイですね。(蒼天の赤兎馬は呂布と一緒に最後を迎えましたから)
|
No.11834 - 2005/04/12(Tue) 22:35:24 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / つね [関東] | | | | 思わずホウ悳伝をネット上で探してしまいました。こんなところで嘘つくとは最初から思っていませんが、確かに書いてありますね。「関羽の額に矢を射当てた。」・・・あっさりと。さすが神様になる人は常人と違う。
1.漢水氾濫 2.于禁七軍水没 3.将の絶対的原則
曹操の受けていた伝令はやはり関羽の超人的行動を伝えていたのでしょう。樊城攻防戦そのものが描写されているのではなく、伝令が伝えている樊城攻防戦が描かれているという見方(読者も曹操と一緒に報告を聞いている)に立てば、そう違和感もないと思います。
関羽の愛馬、黒捷でなくて良かったですな。その前に豪雨の時点でダウンするか。
|
No.11835 - 2005/04/13(Wed) 02:04:27 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / おかゆライス [東北] | | | | あっはっは、確かに前号には「于禁7軍3万」って載ってます。
>将たる者において、犬死にの恥辱から〜 劉備が??水関で言った「異常の敵を避けて兄弟を守るのは〜(以下略)」に通じるものがあると思われ。 劉備軍に共通する考え方でしょうか。 でも、張飛だけは絶対に違うような・・・(根拠なし。ただ何となく)
ところで、あの船団はどこに待機してたんでしょう? 漢水にいて、氾濫したところを流れに乗ってきた? 氾濫したという事は、川や湖沼でないところに水が流れ込んでいる訳で、そこをあれだけ大きな船が通るとなると結構な深さが必要となります。 あくまでも計算の上ならば、氾濫したのではなく、堰を切ったのでは?と深読みしたりして。 揚げ足取り失敬。
|
No.11838 - 2005/04/13(Wed) 23:57:26 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 黒助 [関東] | | | | こんにちは。多忙な中のレビュー、本当にお疲れ様です。
>「理外の理か。関羽!猿真似王の下に、いかなる理もありはせぬぞ!」 松本清張の短編小説に「理外の理」(りがいのり)いうタイトルのものがあります(こちらがこの表現のオリジナル?それとも中国の兵法関係にもあるんでしょうか?) この松本清張の短編のテーマ、タイトルに関して私の大好きな作家宮部みゆきは「(理屈ではない)人を動かす心のことわり」と評しています。 劉備は理屈で考えると何をなすでもない。それでも人の心をとらえてやまない。魏軍の将から見るといまいましくてたまらないこの現象はまさに「理外の理、心のことわり」といえるのではないでしょうか。そして敵対将から見れば侮辱されているに等しい関羽の貫く行動原理、その関羽の人気もまた「理外の理」でしょう。
ちなみに松本清張の短編は時代遅れとなってしまった作家の心に働くダークな「理外の理」を描いたものです。
|
No.11839 - 2005/04/14(Thu) 00:21:13 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 英英 [北海道] | | | | 関さんの額の矢が!…気になって気になって(><) あの豪雨&洪水のなか見事ヒットさせたホウ悳さんカッコイイ。 関羽の馬の見事な泳ぎっぷりとか、矢の刺さったご主人を気遣うように振り返ってるとこはツボ。 成何は成公英に似て美人さんだなー(親戚?)… とか他の場面を思いつつも、でもっ矢がっ!! すごく妙だよ、関さん。
>理外の理 「普通の道理では推定することのできない不思議な道理」by広辞苑 ホウ悳の言葉、よくわからなくて調べてました。 もし相手が張飛だったら意味伝わらなかったりして(笑) 蒼天でいわれてる“侠”は、理で割りきれなかったり、文章で表現できなかったりする。「(理屈ではない)人を動かす心のことわり」とは上手い表現ですね。 確かにこの樊城戦の関さん理論は“理外の理”です。 しかし、額の矢は………
|
No.11840 - 2005/04/14(Thu) 10:57:26 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 鳳卵 [東北] | | | | 曹操を主君と仰いだ者は、その理由をハッキリ言えるんだろうけど、劉備を主君と仰いだ者は、うまく理由を言えない人の方が多いんだろうなぁ。
片山まさゆきの『SWEET三国志』で関羽が劉備のことを 「確かにあいつはバカだけどなんかこう…裏切れん!」 と言ってたのを、なんとなく思い出しました。(この漫画、ギャグに徹してるだけにかえって人物描写が鋭いとこもあって面白いです)
ここらへんの、なんとなく人気がある人ってのは、それに惚れた人も敵に回した人もやっかいですよね。 日本で言えば、長嶋茂雄とか、西郷隆盛とかかな?
ま、それはそれとして、やっぱあの矢なわけですよ。 まさか、あれを抜き取るために碁を打ちながら麻酔なしの手術を!? ヒェ〜〜〜(笑)
|
No.11841 - 2005/04/16(Sat) 08:27:16 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<絶対的原則> / 医療関係者 | | | | 関羽の矢は、たぶん前頭洞で止まっていると思われるため、脳には影響ないと思います。 見た目よりも軽症です。
|
No.11842 - 2005/04/18(Mon) 00:19:26 |
|