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(No Subject) / 隻眼 [関東]
初めて書き込みます。
8月5日のドラゴン桜というドラマで蒼天航路が歴史教科書(?)のような形で出ていました!!それがどうしたですが、蒼天ファンとして大変喜ばしい事だと思いましたので書き込みしました!!
蒼天万歳!!!!

No.12176 - 2005/08/05(Fri) 22:20:16

Re: (No Subject) / RYU [東海]
おお、それは凄いですね。
蒼天みたいな教科書があったら、1日で読破するくらいの意気込みで勉強できそうですよね♪教科書といえば、歴史上の人物の肖像画にみんな落書きしたりしますけど、ヒゲを描いたりとかが多いけど、
関さんは取り付くヒゲも無い (爆
カクの禿頭をふさふさにしてあげたいですね(笑

No.12183 - 2005/08/08(Mon) 01:43:19

Re: (No Subject) / 鳳卵 [東北]
 鄒氏のシーンを重点的に勉強してみた…い、いや、なんでもないですじょ?
No.12189 - 2005/08/09(Tue) 20:08:51

Re: (No Subject) / 疾風 [関東]
初めて書き込みます。

好きなシーンは・・、
「好みが分かれるところであろうか」

僕は「氾水関の戦い」「官渡決戦」あたりが好きですね。
今やってる「荊州争奪戦」も後から読み返して面白いシリーズになりそうな
予感がしてます♪

いろんな意味で大人向けの教科書ですねw。

No.12192 - 2005/08/10(Wed) 01:27:08
今週の蒼天<目隠し鬼> / TATSU@管理人 [関東]
Milkageさんが別スレで話題にしてますが、先週ここで書いた話題と連動してるんで、管理人も書かせて頂きます。 
モーニング末尾の「モーニングフォーラム」。 言わば“作者近況”的コーナーですが、今週のテーマは『 日本の夏もいよいよ本番!海に山に花火にと、イベント三昧のこの季節。皆さまどんな計画を立ててますでしょうか?』 でした。なんとそれに珍しくも欣太先生が登場していました。以下、先生の回答です。

「なにーッ! 人がこれから関さん殺そ思て必死こいてネーム考えとる時になに悠長なこと言うとる! そんなん決まっとるやろ! 『蒼天航路』 終わらせたい! 何年描いてると思とるねん! 11年やぞ11年! 去年も終わらそう思てたけどまだ終わってないわ! こんな長いもん描いても誰も読まんやろ! オレかて3時間超える映画は観とないし! だいたい三国志やるために漫画家なったんとちゃうわ! 終わったらもう一生中国もんは描かんぞ! 昔の話も描かん! 今年こそ、ぜえったい終わらしたるー!」

34巻の巻末では、どちらかと言うと弱気というか控え目な口調で語ってましたが、こちらではむしろ吼えてましたね。担当者も「すごい意気込みですね。言葉とは裏腹に作品への熱い想いが伝わってきます。」なんてフォロー入れてました。
考えてみればここ半年、1回も休載がありません。過去から比較すればこれは驚異です。先生、まさに必死こいて連載続けてるんじゃないでしょうか。そんなとこに“海に山に花火にと、イベント三昧のこの季節に、どんな計画立ててますか?”とか言われちゃ腹たつのかもしれません。テーマが悪かったのかもしれませんね。 でもサイン会の時の先生の雰囲気は、34巻巻末よりモーニングフォーラムのほうが近いです(笑)。

さて、欣太先生。蒼天が終了したら、中国もんは勿論、歴史もんも一切描かないそうです。非常に残念です。ですが、そうなると この蒼天航路が漫画史上唯一無ニ、珠玉の歴史漫画となるんじゃないでしょうか? 管理人はそう信じます。

ただ、先生の発言で、一箇所だけ賛同しかねるところがありました。
“こんな長いもん描いても誰も読まんやろ!”
...管理人は、毎週の連載はもとより、毎日寝る前に単行本読んだりしてるんですが。

No.12160 - 2005/08/02(Tue) 23:33:14

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

暗闇に鈴の音が響いていた。
目隠しをした怪童は、鈴の音のする方向へ歩んだ。子供たちが囃し立てた。
「こっち、こっち、こっちだよ。阿撞。」
怪童は笑みを浮かべ、巨大な腕(かいな)を差し延べた。

***************

廖化は追手から逃れ、山中を疾走していた。
呂蒙が南郡を占拠−。廖化はその報せを一刻も早く関羽に伝えたかった。

「褒めたるわ。」
ふいに廖化の前に独りの将が現れ、そう告げた。三日三晩 何も食わんと、ようここまで逃げてきたな、と将は廖化を見つめ不敵に笑った。。
廖化は将に向かって剣を突き出した。将は恐るべき速度で身をかわすと、廖化の首筋に拳を叩き付けた。次の瞬間、将の強烈な蹴りが、廖化の体を弾き飛ばしていた。

将の名は孫皎。孫権の従兄弟にして、南郡占領軍の副将であった。

***************

馬上の夏侯惇・徐晃・趙儼が、轡(くつわ)を並べて樊城郊外を進んでいた。

関羽軍は躊躇(ためら)うことなく軍を襄陽まで下げていた。それは関羽が南に向かった事を示しており、今、魏軍が追撃すれば関羽を敗ることも可能と言えた。
「孫権のやり方には怒りを禁じえん。」
徐晃が呟いた。それを聞いて夏侯惇は苦笑した。追撃どころか 徐晃は関羽の加勢に飛び出して行きそうな勢いであった。趙儼は徐晃を誡めた。孫呉にすれば、合肥を攻め続ければ漢中王宣言を手助けするような形となり、南郡に侵攻するしかなかったのだ。趙儼は徐晃にそう告げた。

「魏王(との)はご無事でおられますか。」
ふいに徐晃は夏侯惇に尋ねた。一瞬躊躇(ちゅうちょ)した後、夏侯惇は、頭痛には悩まされてはいるが健勝であると返答した。夏侯惇は続けた。だが魏王は、関羽を討つと出兵してきたものの 孫呉と共闘する筈もなく、もう荊州には入らないかもしれない、と。

頭痛はひどいのですか?と尚も深刻に問いかける徐晃に対し、夏侯惇は微笑んだ。
「心配いらんよ。 俺がここにいるということは、そういうことだ。」

***************

襄陽城壁上で趙累が南方を見つめていた。
南郡が陥落したという事態が未だ趙累は信じられなかった。江陵・公安の兵は何をしているのか。廖化はどうなったのか。何の情報も無いまま関羽は千の兵を率いて出兵しており、趙累は不安に拳を握り締めた。
「ただちに出立なさいませ。」
趙累の背後から王甫が告げた。江陵・公安を失うということは、蜀の裏口を奪われたも同然であり、上庸の孟達にも至急南郡を救援するよう王甫は要請していた。尚も躊躇する趙累に、関羽殿にはあなたが必要、と王甫は促した。この襄陽は残る者が心を一つに死守する、と王甫は約した。
「さあ、趙累殿!関平殿と精兵4千が待ち侘びてますぞ!」
王甫の言葉に、必ずや本拠を確保し戻って参る、と趙累は固く誓った。

***************

「おまえが阿撞か?」
怪童の前に一人の兵士が現れていた。
「丁奉殿がお呼びだ。」
そう告げると兵士は、阿撞に馬の生首を差し出した。
阿撞はそれを鷲掴みにすると、貪(むさぼ)るように食べ始めた。

***************

地図に血が滴(したた)り落ちた。
呂蒙は筆を止め、鼻から溢れ出る血を受けとめようとしていた。

「関羽。 早く出てきてくれよ。」
血塗れの手を眺め、呂蒙は呟いた。
「でないと、俺...。 間に合わんぞ。」


【REVIEW】

■扉は幻想的な雰囲気から開始しました。鬼ごっこに興じる不気味な巨人。この謎の大男は蒼天オリジナルですね。なんとこの時期になってオリキャラ登場です。何か孔明の桃源郷にいそうなキャラですが、物語も終盤になってこんな異形キャラを登場させる意図は何でしょう? 今後のストーリーにどう絡むのでしょう? でも、この時期に新たな伏線が張られるってことは、蒼天はまだまだ続きそうではあります。そこらへんは嬉しいです。

■<兵家必争の地>で登場していた謎の呉将。今回、その正体が判明しました。孫権の従兄弟(いとこ)の孫皎なる人物でした。当時のスレで管理人は、“関羽の死に絡む将といえば馬忠?”なんて間抜けなこと言ってましたが、何人かの方が“孫皎だろう”って的確に予測してましたね。お見事でした。管理人は孫皎なる人物の存在さえ知りませんでした(恥)。

拳法の使い手にして関西弁...。かなり濃ゆいキャラでした。孫皎の鎧について、初登場の時に管理人はこう書きました。『 いわゆる“へそだしルック” (死語?)ってやつでしょうか。でも、あれじゃ鎧の役目を為さないような気も...。』 今回、剣を持って突進してくる廖化に対し、「ほれ、刺してみい。」と自分の腹を指差してましたね。拳法の達人ゆえ、腹部の防御など必要ないと自負してるんでしょうか。かなり個性的なキャラです。

しかし、三日三晩なにも食べないで逃げ回った廖化の行動を褒めたり、その廖化が突進してくるのを見て「ええ根性や。」と微笑んだり、虎燕拳で倒した後も「静かで烈しい ええ突きや。」と称えたり、孫皎は基本的に根性ある人間を意気に感じるタイプみたいです。
昏倒した廖化を眺めながら「こういう奴を、侠っちゅうんかな。」と呟いてましたが、呉では“侠”という概念はないんでしょうかね。孫皎こそ侠客っぽいんですが...。
しかし、廖化は“昏倒した”と書きましたが、虎燕拳の二発がヒットした様子を見る限り、“昏倒した”というより“死亡した”ようにも見えます。生きてるんでしょうか?廖化。

■孫皎と甘寧のエピソードがでてきましたね。酒席で甘寧に絡んで大喧嘩になったそうです。しかし、その時の孫皎の台詞が凄かったです。「こら、おっさん!耳遠いんかい。ああ?」に始まり、「ええ齢こいて、たらたら気侭に働いとったら 目障りやて言うとるんじゃ。」とまで言ってました。甘寧にそんな台詞を吐ける人物が呉にいたんですね。宴席の人々は蒼白となってましたが、管理人もその場にいたらチビリそうです。“孫権の従兄弟”という立場と“虎燕拳の達人”という自負が為せる行動なんでしょうか。甘寧は無言でしたが、右手の裾から仕込みナイフみたいのが飛び出てました。もうこうなると、“大喧嘩”どころじゃ済まないような気もするんですが...。

という訳で、「孫皎とはどういう人物か」という点と「甘寧との大喧嘩の経緯」について猛烈に興味が湧いた管理人は、正史を紐解いてみました。以下、記載します。

■呉書「孫静伝」に、孫皎について記載がありました。まず人物について。

兄・孫瑜と黄蓋の軍を引き継いだ後、孫皎は、沙羨・雲杜・南新市・竟陵を領地として与えられ、それぞれの地に代官を派遣して経営に当たらせます。孫皎は財貨を惜しまず人々に施し与え、広く交友関係を結び、特にあの諸葛瑾とは親密な間柄だったそうです。また各地の代官にも、情勢判断・事務・軍事等 各々得意とするところを任せ、親身になって待遇したので、皆、全力を上げて職務を遂行しました。

孫皎がある時、偵察の兵士を魏方面に出すと、兵士たちは魏の辺境守備の武将や軍吏のもとにいた美女を捕らえて孫皎のもとに差し出します。孫皎はそれを見て、彼女達の衣服を新しい物に取り替えて送り還すとともに、こう命じました。「今、誅伐を加えようとしているのは曹氏である。民衆達に何の罪があろう。これより後、老人や幼い者にも危害を加えることがあってはならぬ。」
この事があってから、長江や淮水にかけての一帯には、彼のもとに身を寄せて来るものが多かった。とありました。

『 俺らが相手にすんのは、曹操や。女・子供や爺さんに手ぇ出してどうすんねん!』

■次に甘寧とのエピソードについて。

残念ながら正史には、「ある時、小さい事から甘寧と大喧嘩したことがあった。」としか記載がなく、大喧嘩の理由や喧嘩の内容は書かれていませんでした。しかし、その後の甘寧の台詞と孫権の手紙が興味深かったので記載しておきます。

喧嘩を諌めた者に甘寧はこう告げています。「臣下も公子も同列だ。孫皎は公子であるとはいえ、彼ばかりが他人を侮辱していいという事にはならない。私は盟主と出会うことができた以上、ひたすら力を尽くし命を投げ出して、主君にご恩報じをすべきであって、世間の慣(なら)わしに従って身を屈することなど絶対できぬ。」

『 報恩と報復。我が道に屈服という文字は無し。』

さて一方、孫権は孫皎にこんな手紙を送りました。「(前略) お前に精鋭の兵を授け、お前に大任を委ねて、千里も遠隔の地において武将たちの総指揮に当たらせたのは、信任に応えて武威を輝かせて欲しいと願ってのことであって、何もお前に勝手気侭な振舞いをさせようと思ってではない。 聞くところによれば、お前は甘寧と一緒に酒を飲み、酔って自制心を失い、彼を侮辱したという。甘寧はお前のもとを離れ、呂蒙の指揮下に入りたいと願い出てきている。彼は繊細さを欠いて向かい気が強く、人の気持ちを損ねることもあるが、大きく見れば立派な人物である。私が彼に肩入れをするのは個人的な感情からではない。私が親しくする人物を、お前は疎んじ憎むが、お前のやることが、いつも私の考えに逆らうといったことで、この先うまくいくと思うのか。 (中略) お前もゆくゆくは年長者となり、特に重い任務を授けられることになろうが、上からは遠方から注がれる視線があり、下からは部曲がお前の命令に従おうと待っている時期に、心のままに怒りを猛らしてどうするのか。 過ちのないものなど何処にもおらぬ。重要なのは過ちを改められることであって、さきの間違いを反省し、深く自らを顧みることである。(後略)」

この叱責の手紙を読み、孫皎は上疏して陳謝し、以後、甘寧とは厚い交わりを結んだ。とありました。

『 おっさん、この前は俺が言い過ぎた。ほんま悪かったわ。この通りや!』

■樊城郊外を夏侯惇・徐晃・趙儼の三将が歩いてました。
もう樊城を包囲する蜀軍は1兵もいなくなった模様です。水も引いたようですし、樊城防衛は完全に成功したんですね。この後、臭気に耐えかねた満寵が「ぶはッ。作戦完遂ご苦労でござったぁー!」とか言いながら城から出て来たりして(笑)。

孫権のやり方に怒気を発する徐晃。まるで追撃どころか関羽の加勢に飛び出しそうな勢いの徐晃に対し、趙儼はこう誡めていました。
「落ち着け、徐晃。孫呉にすれば南郡に出張るしかないのだ。合肥を攻め続ければ、漢中王宣言を手助けする劉備の手先みたいなもんだからな。」
なるほどねぇ、という台詞です。趙儼の台詞に、管理人は孔明の秘策の“負の効果”を感じました。

中華全土に吹き上がる叛乱の火柱。その火柱は、司馬懿曰く「“漢中王”の反響と関羽の影響力の相乗!全ては漢中を捨てた結果!まさかこれほど壮大な秘策が劉備にあったとは!」というものでした。
反曹の火柱は、漢中・天蕩山に篭った孔明の秘策であり、それは漢中王宣言と関羽の影響力の相乗を狙うものでした。ところが、漢中王宣言には思わぬ“逆相乗効果”つまり“反作用”とも言うべきものがあったのではないでしょうか。それが、孫軍の荊州侵攻−。 合肥攻略が“漢中王宣言を手助けする劉備の手先”のようになってしまう孫権。その孫権のとった行動が、南郡攻略でした。

孔明は、予想外の勢力まで関羽に呼応したことを、そもそも関羽自体が未知数で、期待はするが、わからぬものは想定できないと論じていました。関羽北上による呼応勢力が“想定できない”正の効果とすれば、漢中王宣言による孫呉参戦は“想定できない”負の効果ではないでしょうか。

■曹操の安否を気遣う徐晃に「ちょこっと例の頭痛に悩まされておられるが、うん!なんにもないぞ。」と夏侯惇は答えていました。天蓋車の中を除き込み「おーい、孟徳よー。」なんて小声で呼びかけてましたが、曹操は反応したんでしょうかね。尚も、頭痛はひどいのかと問いかける徐晃に「俺がここにいるということは、心配いらんということだ。」と肩に手をかけ微笑んでました。これは、単に徐晃に心配かけない為にそう言ったんでしょうか?それとも夏侯惇なりに何か信じるところがあるのでしょうか? 

更に言えば「曹操は、自ら関羽を討つと出てこられたものの、もう荊州には入らないであろう。曹操が孫呉と共闘するはずがないから。」という夏侯惇の台詞は、曹操が昏倒しておそらく荊州には来られないというのを誤魔化す為に言ったのでしょうか?それとも本当に共闘しそうもないからそう言ったのでしょうか?自力の人・曹操は孫権と共闘するのは嫌うでしょうが、覚醒した時に「樊城へ向かえ。関羽と会見する。」って司馬懿に言ってましたから、荊州に入る気は満々でした。前者かもしれませんね。

■関羽は1,000の騎馬隊を連れて襄陽から南へ出立しました。先週、関羽が「南へ向かう」宣言をしていたので、王甫の襄陽籠城作戦は捨て、全軍で本拠奪還に向かうのかと思ってましたが、違ってました。
その関羽を見送った趙累は、こう感想を述べてました。「今、いかなる状況なのか!?江陵・公安3万の兵はどうしている!?廖化は!? 何ひとつ分からぬというのに、わずか千騎で向かわれた。 最悪の場合は、千騎で奪還!?いくら関羽殿でも...無茶だ!」

この台詞から察するに、関羽は南郡がどうなっているのか確かめに行った模様です。ただし江陵・公安が本当に呉軍に占領されていたら、奪還に動く覚悟でいるんですね。つまり、王甫の籠城策は捨てずに、軍の大半(及び趙累・関平ら諸将)を襄陽に残し、1部の兵だけを連れ威力偵察(場合によっては本拠奪還)に行ったみたいです。これ、事実確認(偵察行為)に向かったのはいいとして、本拠奪還も視野に入れているなら、兵1,000というのは、趙累のいう通り、あまりにも無茶ですよね。関羽としては、王甫の策を不採用とするには偲びなく、籠城に影響を与えない範囲の兵数だけ連れて、(あくまで自己の責任範囲内で)南に向かったということでしょうか。義理堅いと言えば義理堅いですが、無謀と言えば無謀かも。

■上記の出来事に対し王甫は「ただちに出立なさいませ。」と趙累を促してました。江陵・公安を失うという事は、蜀の裏口を奪われたも同然で、あってはならないことだからでそうです。江陵・公安が蜀の裏口なら、表口は漢中ということになるんでしょうか。いずれにせよ、蜀にとって出入口の一つを奪われたら大問題ですし、先週あれこれ推測しましたが、やはり本拠地あっての樊城・襄陽侵攻なんでしょうかね。

王甫は、「この襄陽は残った者が死守する。」という発言と共に、趙累と関平を精兵4,000と共に送り出しました。先に向かった関羽騎馬隊1,000と併せて5,000の兵が南郡へと向かった訳です。なんかまだ本拠奪還するには少ないような気がしますが、もともと樊城に現れた関羽軍は2万ですもんね。樊城攻防の激戦で1万5,000ぐらいにはなってそうですから、襄陽死守を鑑みれば、送り出せるのは5,000ぐらいが限度なのかもしれません。いや、むしろ籠城兵のほうも、膨れ上がる魏軍から襄陽を守るには1万じゃ全然足りないのかも...。

■阿撞のもとに兵士が現れ、「丁奉殿がお呼びだ。」と告げていました。
つまりこの怪童は、呉軍に召抱えられることになりそうです。そうなると、必然的に関羽戦に投入される可能性が高まってきました。丁奉のもとで打倒関羽の秘密兵器として使用されるんでしょうか?
神懸り的強さになってきた関羽には、人外のような怪童をぶつけるしかなくなってきたんでしょうかね。個人的には、普通に『 呉の将たちと関羽の正統な戦い 』を見たいんですが...

■地図に滴(したた)り落ちる鮮血。なんと呂蒙の鼻からは嘗て無いほどの多量の血が流れ落ちていました。そして、手のひらの血をみた呂蒙の台詞は、“関羽。早く出てきてくれ。そうでないと、俺は間に合わない”でした。
な、なんと呂蒙も余命幾許(いくばく)も無い模様です!前回登場した時は、そんな気配は全くありませんでしたが、急転直下の展開です。以前 孫権が「本当に病かどうか わしには分からんが。」って言ってましたが本当に病でした。今までの呂蒙の鼻血は、単に『 興奮し易い体質 』を表現しているのかと思ってましたが、違ってました。こんな布石となっていたとは... 。

悲壮な決意で関羽を迎え撃つ呂蒙。これはこれで盛り上がって参りました。決死の覚悟の呂蒙は、果たして神と成りつつある関羽を討ち取ることができるのか!?

これまた南郡争奪戦も見逃せません!!

No.12161 - 2005/08/02(Tue) 23:39:15

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / faby [近畿]
はじめまして。
fabyと申します。いつもROMさせてもらってました。

今回出てきた『阿獞』ですが、やはり馬忠ではないでしょうか。
いまさら新しいオリジナルキャラはでてこないでしょうし(というより出てほしくない)
かくれんぼが得意そうなので関さんを捕まえれそうです。
馬が好きということで馬つながりでw。

ちなみに『阿獞』の『獞』は現在の中国西南部にいる民族をさす言葉です。
容姿からみても漢民族ではなさそうですし、だから丁奉の使いの兵がいっていたように『言ってもわからん』のでしょう。
それに中華の枠にはまらないキャラじゃないと、徐晃のように関さんワールドに巻き込まれて脱がされてしまいそうですw。
丁奉とともに潘璋の下で活躍するのを見てみたい。

拙い考察(ですらないけど…)で長々と失礼しました。

No.12162 - 2005/08/03(Wed) 00:11:13

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / あお
管理人さんは毎晩寝る前に単行本を読んでいるとのことですが、
僕も毎日欠かさずちょっとだけでも蒼天航路を読むのが日課です。
 
何度読んでも新鮮な発見と、新たな解釈がそこにあるからです。
 
小さな会社を経営しているのですが、
大学の生協で、水晶ちゃんの美しさに惹かれ、ふと手に取り、
以降11年間、僕のバイブルとしてこの漫画を読み続けなければ、
こういう人生には決してなっていなかった気がします。
 
欣太さんありがとう! ラストスパート頑張ってください。
 

No.12163 - 2005/08/03(Wed) 00:38:11

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / なるみ
どうも、こんばんは。いつもながら管理人さんの考察には感心しっぱなしです。

ところで、ものすごく久々に、甘寧が出て、うれしい限りです。
喧嘩の場に隠し武器は・・・彼らしいといえば彼らしいですが。
あの喧嘩、誰が止めた(仲裁した)んだろう・・・とてつもない勇気が必要そうです。

更に孫皎。カッコいい!惚れそうです。
でも、関羽討伐の後に・・・(涙)

なんか、どーでもいいレスですね。失礼しました。

No.12164 - 2005/08/03(Wed) 02:07:29

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 英英 [関東]
最初の数ページ、こわいです…(><)
追いかけられるのは苦手なんですよ。廖化ーっ!
三日三晩で無精ひげが生えてる。
胸元のあざのようなのは、傷跡でしょうか、刺青でしょうか?
孫皎の技、いやだな〜(^^;
わざとお腹だして、敵にその部分を狙わせて、虎燕拳を放つ!という感じに見えます。で、廖化の方も「ほれ、刺してみい」と言われて正直に狙って玉砕。侠の廖化にしてみれば、追われ続けて疲労困憊してて、まったく勝ち目がなかろうと、投降という選択肢はありえないんでしょうね。
孫皎は廖化をCENSORED気ならば剣で斬ったと思いますが…、肘と膝で首を挟んだら死んじゃいそう…(><)。あまり手加減してるように見えませんし。でも廖化はまだまだ生きてるはず…

>「こういう奴を、侠っちゅうんかな。」と呟いてましたが、呉では“侠”という概念はないんでしょうかね。

たとえば、4年半荊州に住んでいた?Y夏ちゃんが、“侠”の文化を呉に伝えてたり…ってことはないでしょうかね(*^-^*)
孫皎と?Y夏ちゃんは年近いのかな?
いとこ同士だし、関西弁で話すくらい仲良しだといいな〜。

>「ええ齢こいて、たらたら気侭に働いとったら 目障りやて言うとるんじゃ」

これ↑、濡須戦の軍議で、孫権が「あの斑気(むらけ)の多い武は、要所で使うに限る」と言ってたことですね。孫権は無頼を上手に飼いならしてましたが、こころよく思わないものもいたようです。私は孫皎の言ってることは、とてもマトモに聞こえました(笑)。
呂蒙の指揮下に入りたいという甘寧が、ちょっとかわいくみえたり。
あと、叱責の手紙は、喧嘩両成敗ではなく、孫皎が一方的に叱られてるようで気の毒な感じもします。


>この後、臭気に耐えかねた満寵が「ぶはッ。作戦完遂ご苦労でござったぁー!」とか言いながら城から出て来たりして(笑)。

「徐晃ーっ!貴様この俺になんの恨みがあるーっ!」なんてことになりませんように(笑)。

>「おーい、孟徳よー」

「ちゃんと仕事はしてるよ、マー」とか言いながら、額の目だけを開けたら、惇兄は地面に落下するんだろうなあ。
…くだらないことばかりすみません。


>「関羽!早く出てきてくれよ〜〜」「でないと、おれ……間に合わんぞ!」

“おれ”って平仮名なんだ…
着物の模様がかわいらしい…
文字は上達したんだね…
…なんて言ってる場合じゃないですねっ。
命が尽きる前に荊州制圧を完遂させたいんでしょうね。
関羽と戦いたがってるようにもとれますが。

丁奉の布陣場所は、潘璋の近くで、しかも西側(山奥?)のようですね。
fabyさん(はじめまして)の考察に、なるほど〜と思いました。
彼が中国西南部に住む異民族というのはありそうです。
ところで、馬忠って異民族なんですか?

No.12166 - 2005/08/03(Wed) 03:26:46

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / RYU [東海]
>三日三晩 何も食わんと、ようここまで逃げてきたな、と将は廖化を見つめ不敵に笑った。

うーん、何で廖化の一挙一動にそこまで詳しいのでしょうか?
孫皎も三日三晩かけて廖化を追いかけて来たとか(笑

呉の執拗な追跡を見た時に、関羽本隊と蜀本拠を繋ぐ不特定多数の使者・斥候を捕縛する
ラインが張られているという事かと思いましたが、そうではなくて廖化個人に向けられた
追手なんでしょうか。

>酒席で甘寧に絡んで大喧嘩になったそうです。しかし、その時の孫皎の台詞が凄かった

その場にいたら、不覚にもウケてしまいそうです(爆

>甘寧との大喧嘩
>「孫皎とはどういう人物か」

管理人さんの正史のご解説を見てふと思ったんですけど、
弱者に寛容で優しいけど、言動に棘があるとことか関さんに似ているような気がしました。
魏という強敵とは徹底的に戦いながらも、その支配下にある民草に対しては
寛容に接し、紳士的姿勢を保つ事を部下に呼び掛ける態度は立派だと思います。

孫権の手紙を読んで、甘寧と仲直りできちゃうとことか、性格がカラっとしていて
好感が持てました。最初から喧嘩しない方がベターなんでしょうけど(笑

>追撃どころか 徐晃は関羽の加勢に飛び出して行きそうな勢いであった。

面白いタッグになりそうな気がします(笑
「いよっ 兄貴! 鎧じゃなくて、逃げる時は軽さ!軽さ!!」

>江陵・公安が蜀の裏口なら、表口は漢中ということになるんでしょうか。

なるほど、おっしゃる通りだと思います。
そうしますと、上庸は勝手口という所になりますね。
その重要性からして、孟達が劉封の出撃要請を許可できなかった事も
正確な情勢判断であったと考えれますよね。

もし、上庸が陥落すれば魏が蜀本拠を突く事が可能になりますし、長安の部隊と
連動させて漢中の劉備軍を挟み撃ちにする作戦を立てる事もできます。
蜀本軍と関羽軍が呼応して魏を挟撃していたつもりが、いつの間にか立場を
逆転されていたなんて事も有り得ますよね。

>『 呉の将たちと関羽の正統な戦い 』を見たい

何なんでしょう、あの怪童は?
イメージで存在価値を判断したくはないですけど、ラストに絡むべきキャラなんでしょうか。
はっきり言ってどうなるか心配です。

>悲壮な決意で関羽を迎え撃つ呂蒙

呂蒙の体調を見る限り、関羽との一騎討ちは無理そうですね。
色んな意味で心配が多いので、南郡争奪戦からは目が離せません!!(爆

No.12167 - 2005/08/03(Wed) 09:14:34

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 刑道栄
> 個人的には、普通に『 呉の将たちと関羽の正統な戦い 』を見たいんですが...

物語の顛末を待たずにこんなこと書くのはあまり良くないのは分かってはいるのですが、やはりここまで壮大な物語で、その中核をなす登場人物の最後がどこの馬の骨か分からんような(馬の骨食べてましたけどね)奴が絡んでくるだけでも悲しいです・・・。
 ここは管理人さんと同じく呉の将たちと関さんの壮絶な戦いを見たいものです!あんなのに関さんが一騎打ちをされた日にゃこれまで関さんと武人として対峙し敗れていった将たちが浮かばれないです。

 しかし、あんな化け物を使う「丁奉」確かまだ未登場ですよね?その
采配も今後楽しみですしキャラ設定も楽しみですね〜!

No.12168 - 2005/08/03(Wed) 11:46:06

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 文月 [近畿]
こんにちは。

さっそくですが、問題の怪童・阿トウは、fabyさんの言うように中国南西部の非漢民族ではないでしょうか。こう考えればあの異様にでかい手足も漢人の言葉が通じてなさそうなのも納得できます。
いずれにせよ、今回の件に関しては、諸葛亮はあまり関係が無さそうで、その点だけはちょっと安心(笑)。
この件の怪童が関羽の死とどう絡んでくるのかは、明日のモーニングを実際に見なければ分かりませんが…(今週も載ってますように!)。
でも、阿トウを呼び出した丁奉にしてからが実は、阿トウ以上の妖怪系キャラであった、というオチだったらどうしよう…すいません、冗談です。

呉のへそ出しさんは孫皎だったのか〜!!
確かに、顔立ちは堅パパを、言葉遣い(関西弁)はヨウ夏を彷彿とさせます。
あの甘寧に喧嘩売って、よく殺されなかったね…(冷汗)。

ああ、呂蒙、君ってば本当に病気だったのね…!!(涙)
果たして呂蒙は関羽の死に立ち会うことが出来るのか、これも大変気になります。
ただ、呂蒙が書いた字は、私個人的には、そんなに汚いとは思いません。読みやすければそれで良し!!(笑)

No.12169 - 2005/08/03(Wed) 17:12:20

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / Homicide
馬忠が異民族かどうかはわからないんですが、この期に及んでオリキャラはないだろうということと、呉で働くということから、私も阿撞=馬忠あたりかな、と思ってます。近いうちに明白となることでしょうけれど。
どうでもいいんですが、手塚治虫の「ブッダ」に出てきた巨人キャラ…名前失念して申し訳ないんですが、ポタラ、とかいったっけな? 阿撞とキャラが似てるような気がしました。

ヘソ出し孫皎の、甘寧との喧嘩での「ええ齢こいて、たらたら気侭に働いとったら 目障りやて言うとるんじゃ」なる言葉、正直、自分としては、「これ以上の正論は無い」と思ってしまいました。
君主の孫権ですら、甘寧のキャラを理解した上で(正論を貫くことはせず)「あのムラッ気のある武は要所で使うに限る」って言ってるわけですからね。
まあ、正直、世の中、正論だけを貫いたところで、すべての道理が通じる、というものでもないですが。
あと、これもどうでもいいんですが、呉=関西弁という地方色の図式を最初に確立したのは、片山まさゆきの「スイート三国志」だったような気がするんですが、蒼天でもそれが採用されて、自分の中では、すっかり、呉=中華大陸でいうところの関西、というイメージが固まりました。

個人的に、今回、凄く衝撃的だったのが、呂蒙の鼻血⇒死期が近い、との描写でした。話はちょっと飛躍するんですが、橋本真也なるプロレスラーがいたんですが、この7月に亡くなりました。40歳の早すぎる死で、死因は脳幹出血でした。
で、橋本という選手は、試合中、凄く、鼻血を出すことが多かったんです。同じデブキャラの、極楽とんぼの山本が、橋本の真似をする時は、血糊で鼻血を出していたものでした。
その橋本が、試合中に鼻血をよく出していたのは、今回の死因である、脳幹出血と、関連性のある症状だったそうなんです。
それを知ったとき、「そうか、橋本のあの鼻血は、そういうサインだったのか…。鼻血といえば、蒼天の呂蒙だけど…」と思っていたんですよ。
そしたら、今回の蒼天で、もろにそのまま、鼻血が「死期が近い」というサインに使われていたので、とてもビックリしました。
まさかとは思いますが、ゴンタ先生が、橋本の死をヒントに、このコマを描いた、ということはないだろうとは思いますが…。
しかし、呂蒙にしろ、法正にしろ、郭カ、周ユ…軍師(司令官)って、武将以上に、身を削って戦っているんだなあ、と実感します。

No.12170 - 2005/08/03(Wed) 21:31:56

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 鳳卵 [東北]
 う〜む…阿トウってやっぱり、呉の南方にいる異民族という設定なんですかね。しかし、蹋頓のときもそうでしたが、中華以外の土地に住んでる人、まともな人間に描かれないなぁ…なんか問題になったりしないんだろうか?
 まぁ、中華の人でも時々トンデモない容姿の人もいますけどね、この漫画。

 ここで丁奉の名前が出てきたのは、ちょっと意外でしたね。彼が活躍するのは、もうちょっと後のことになるハズですが。
 あと、中国西南部の異民族たちは、どっちかというと劉備に味方してる人が多いみたいなんですが、そこんとこどうなんでしょうねぇ? 呉は山越などの異民族とは敵対関係にあるので、呉軍に異民族が協力しているというのは、ちょっと考えにくいですが。

 とにかく、この阿トウの存在はすごく不安に思えますね。

 さて、関羽は1000騎を率いて南に帰ったそうですが、この1000騎ってのは、なんだか半端な感じですね。
 片腕たる廖化が捉えられてしまったんだから、例え偵察としても関羽自身が出向かなければというのは分かるんですが、1000騎というのは物見にしては多いし、呉軍と一戦を交えるつもりなら少なすぎるし…

 本来であれば、襄陽に捨て兵を残して全軍南下すべきのような気もしますが…偵察して、あわよくば本拠地奪還というのは、ちょっと虫のいい考え方じゃないでしょうか。

 果たして関羽は、いかに戦うつもりなのか? 三つ目の曹操と一緒に見守りましょう。

No.12171 - 2005/08/03(Wed) 22:31:58

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 鳳卵 [東北]
★Homicide さんへ
 『ブッダ』に出てきた巨人キャラというと、“ヤタラ”ですね。
 彼は両親の復讐のために薬を飲んで巨大な身体に成長した人ですが、後にブッダの重要な弟子となった人ですね。
 果たして阿トウの方は、関羽と出会って心を取り戻したりするんでしょうか…

No.12172 - 2005/08/03(Wed) 22:35:20

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 焔 [近畿]
阿獞…関羽あるいは関平と戦うのでしょうか?
頭に阿がつくということは本名ではなさそうですね。
阿瞞・阿蒙のように愛称なのかもしれません。
獣に適当な呼び名をつけた可能性も有りますが…

話は変わりますが呉の怪奇と言えば呉将朱桓の女中が飛頭蛮なる妖怪だったという話を読んだ憶えがあります。
夜な夜な首が伸びて這い回るので他の使用人が気味悪がって朱桓に訴え出たがそこは豪胆な呉の将。
害が無いのであれば問題無いと全く気にせず雇い続けたそうです。
最終的には使用人が怯えて仕方無いので解雇したという結びですが。(特にオチ無し
関係無い話ですいません。

No.12173 - 2005/08/04(Thu) 00:16:26

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / 夏樹 [関東]
 こんばんは、夏樹です。
 新たな展開が始まりましたね。

 阿獞という、ここにきて全く想定外の新キャラの登場は、個人的には期待しております。
 なにより、あの不気味な雰囲気。久々に出てきた異形のものたち、英英さん、同感です、私も怖かったです。廖化の逃げ回る心理と重ねる演出も最高。

 阿獞の集落の人は阿獞以外もみな、大きな手足にのっぺりとした顔でしたね。山越・南蛮諸族ほか荊州以南の諸民族は、史実でも演義でも呉蜀の争いに翻弄されます。それぞれの民族が自ら判断して参加する場合もあれば、強制的に従わされる場合もあります(諸葛亮の南征の発端となった雍闓の乱も、裏で呉が糸を引いていたようです)。
 子供達の兵士に対する表情から察するに、とりあえず、呉に服従を余儀なくされている少数民族の一つということでよいのではないでしょうか。ただ遊び相手を取られそうなので、にらんでいるだけかもしれませんが。

 こういう、呉蜀の間で揺れ動く少数民族を参加させたというストーリー展開に巧みさを感じます。
 かつて「あおいきば」に対し民族の壁を取り去った関羽は、しかし、呉に利用された漢民族ならぬ異形の才に阻まれるのでしょうか。


 廖化は死んでいないと思いますよ。生き死にについて正史にはっきりとした記述がある場合は、いまのところ欣太先生は守っていますから。
 もっとも、呉に捕まる以前は廖化は廖淳と名乗っていて、呉から脱走する際に改名したそうですが。

 生き死にで言うと、孫皎は建安二十四年で死んでいます。その死は正史には審かではありませんが、ストーリーにからんでくることになるのでしょうか。注目されます。


 孫呉の宴会。
 立ち読みして思わず笑ってしまいました。
 孫呉の宴会の過激さは、正史でもたびたび取り上げられていますね。
 うしろの文官が、「殿おっ」って助けを求めていましたが、管理人さんが調べて下さった孫権の手紙からすると、この場に孫権はいなかったようですね。
 もっとも、孫権本人の酒乱ぶりが有名ですから、ここで殿にお出ましいただくと、もっとすごいことになりそうです。


 話がぜんぜんずれましたが、関羽の最期に向けて、今回は赤壁とは違って、あくまで正史の展開の土台の上で脚色や架空のキャラクターが動き回っているようです。その点、あまりに突飛な展開というのは私はあまり心配していません。毎回たたみかけるような展開にますます目が離せません。

No.12174 - 2005/08/04(Thu) 01:07:21

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / てら [近畿]
お邪魔いたします。
阿トウなる人物(?)が出てきましたが、怖ッ!と思いましたね^^;
私もこの辺でオリキャラは出てこない気がするので阿トウには誰かモデルとかがいるのかな〜と思っております。

「ああ〜・・・」と思ったのがやはり呂蒙の鼻血ですね…
「でないとおれ・・・間に合わんぞ」の台詞に何か寂しくなりました。
今まで呂蒙の鼻血は「呂蒙らしさ」の描写くらいにしか思ってなかったんですが、そうか、呂蒙ももうすぐ…とか思ってしまいました。
蒼天人は皆魅力的だからこういう描写がある度寂しくなります。

今週のモーニングフォーラムにゴン太先生登場したの驚きでしたね。
そしてやりたい事は「蒼天航路を終わらせたい」^^; …まあまあそう言わずに!!
管理人様の「一箇所だけ賛同しかねる」の意見に激しく同意です(笑)
ほぼ毎日見てますよ先生。

>焔様
飛頭蛮て朱桓の女中の話だったのですか!!
昔「地獄先生ぬ〜べ〜」という漫画で飛頭蛮の話を読んだ事があるのですがその時は「中国の妖怪なんやーふーん」位にしか思ってませんでした…もう一度読み直してみよう。
あっ、ぬ〜べ〜売ってしまったかも;;
・・・何でこんなに興奮してるのか自分でも解りませんがすごい感激しました。

No.12175 - 2005/08/05(Fri) 14:38:15

Re: 今週の蒼天<目隠し鬼> / つね [関東]
今日はこの後、仕事なので、時間に追われながら書いています。

1.追いかけっこ
2.一息つく魏軍
3.挽回図る関羽軍
4.待ち受ける呂蒙

阿撞と子どもたちとの場面では、子どもにまとわりつかれているという共通項から「人呼んで寒貧」石徳林を思い起こしました。あっちは殺されかけそうになっていましたが・・・。こちらは純粋に遊ばれているようです。もっともガキどもが束になってかかってもかないそうにありませんが。

関羽は15万を超える魏軍から襄陽を確保しつつ本拠地奪還を狙っているようですが私も「虫のいい考え」に思えます。「二兎を追うもの・・・」が頭に浮かびます。

樊城攻防の魏蜀の死闘から、呉蜀の戦いへ、スムーズな場面転換です。またしばらく魏王の出番なさそうですが。

No.12179 - 2005/08/06(Sat) 19:56:15
曹操・・ / なむたけ [北陸]
やっぱり、時期としても、曹操の扱われ方から見ても、もう曹操は死んでしまっているんでしょうか。
No.12177 - 2005/08/06(Sat) 12:40:54

Re: 曹操・・ / なむたけ [北陸]
蒼天航路は曹操の話でしたが、死んでしまっているものはやむなし。曹操ばかりを引きずらずに、きっぱり重点を孔明と後継者たちに移して、司馬一族の晋の天下統一まで、お願いだからライフワークとして書き上げていただきたい。
No.12178 - 2005/08/06(Sat) 12:47:04
今週の蒼天<関羽へ> / TATSU@管理人 [関東]
こんばんは。
単行本35巻が11話で終わるとすれば、今週の話が11話めに当たるので、『 7月21日がXデイだ。』 とコメントしたことがありました。 全然そんなことありませんでしたね(笑)。

こうなると、『 35巻は11話で終わらず、分厚くなる 』もしくは『 36巻まで突入し、連載はまだ11話ぐらいは続く 』のどちらかですが、今週の終わり方からすれば、関羽の戦闘はまだまだ続きそうです。ゆえに後者となりそうな気配が濃厚です。これは嬉しい限りです。こうなったら じっくり取り組んで欲しいものです。

単行本34巻の巻末で欣太先生は、こうおっしゃっていました。
『 しかしですねー、もう34巻ですよ。三国志マンガ家というレッテルがついたら困るんで、何度もむりやり終わらせようと試みたんですがねー。とうとうここまで来ちまいやがりましたよー。』
先生は、「三国志マンガ家」なんて思いもよらないレッテル貼られちゃ困るんで、なんとか終わらせようとチャレンジしてた模様です。確かに赤壁あたりはそんな感じを受けました。そう言えば単行本24巻の折り込みのところでも、先生はこう述べてました。
『 エンディングのアイデアが閃き、これで終われるぞー、と盛り上がったのはすでに4回目。おまけにマンガ嫌いが直った訳でもないから、マンガの次はこの稼業じゃー、と言って狭斜の巷に繰り出すのは年中行事だ。』
...先生の狙い通りにならなくて何よりでした。

管理人が思うに、サイン会で接した雰囲気も考え合わせると、どうも欣太先生は“マンガ家マンガ家”していない作者のように思えます。いわゆる漫画マニア的なものとか、オタク系の雰囲気は全くありませんでした。“いかにも漫画家”っていうタイプとは程遠い感じでした。
翻って考えれば、それがこの作品を面白くしているのではないでしょうか? 漫画嫌いの作者が描く漫画だからこそ、この蒼天航路という作品は、一種独特の、他の漫画と一線を隔すものとなっているような気がします。そこらへんが管理人には堪らない訳です。

という訳で、いつになくオープニングが長くなってしまいました。お待たせしました。今週のレビュー、開始させて頂きます。

No.12143 - 2005/07/26(Tue) 20:21:17

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

徐商と呂建の二千は、兵糧を携え東門を強行突破。徐晃の策は成功を収めた。

しかし、魏軍は殷署と朱蓋の二将を失っていた。樊城脱出軍の9割が生還できたのは、千を越す敵を討ち倒して西門包囲陣を粉砕した両将軍の奮闘によるものであった。
幕舎で傷の手当を受ける曹仁は、二将の戦功を賛え追贈するよう手配していた。

***************

幕営内を巡視する徐晃。
関羽に対する圧倒的な敗北感を感じると同時に、徐晃の胸の底には涼やかな響きのようなものが残っていた。それは、武と武が共鳴し、更に武を突き抜けてゆく、そんな清々(すがすが)しさであった。そして徐晃の体には、今すぐにでも相対し、再び戦いたいという衝動が走っていた。

堪らず徐晃は、夜空に向かって咆哮した。

***************

曹仁の幕舎に隻眼の将が現れていた。
夏侯惇は、傷の手当をする曹仁の横に座ると、関羽の本拠が既に陥落している事を告げた。その報せに曹仁と趙儼は驚愕した。 
関羽に呼応し合肥を突くかに見せて、関羽の裏をとる−。孫呉の戦略は、同盟などお構いなし、問答無用・電光石火であった。夏侯惇は憎々しげに笑った。
「孫呉の坊(ぼん)め。全くやっかいなもんに育ちやがったわ。」

ふいに幕舎に徐晃が現れた。
関羽は拠点を奪われたことをまだ知りませんな、徐晃はそう尋ねた。夏侯惇の知らせは合肥経由の速報であり、未だ樊城を包囲しているということ自体、関羽がそれを知らぬ証拠であった。微かに震えながら徐晃は告げた。
「関羽に、知らせてやっても よろしいか。」

***************

樊城の南、襄陽城。

軍議の席で、関平は敵兵の入城を許してしまった事を詫びていた。頭(こうべ)を上げよ、と趙累は告げた。敵に奇策を許したとは言え、樊城を数十日延命させただけの事であり、敗戦とは言えないと趙累は考えていた。

王甫が発言した。一軍だけで天下の震源地になろうというのであるから、大変な戦となるのは覚悟の上である。思惑通り魏は次々と大軍を動員し、曹操までも出てきそうな勢いとなっている。劉備の進軍を支援する為に、魏の大軍を更に釘付けにするという作戦は成功しており、次なる作戦として、樊城の包囲を解き、襄陽城に陣営を敷くことを、王甫は関羽に進言した。

漢水を前に抱く襄陽城。これほど攻め難い城もなく、水軍を巧く使えば、関羽軍は遊軍としてどこからでも敵に斬り込める筈であった。“籠城は漢中王の勝利の為に。” 王甫はそう告げた。

その時、陣営にまた大矢が射込まれたという知らせが、評定に齎(もたら)された。

***************

−江陵・公安 陥落−

大矢にはそう記されていた。その報せに軍議は凍りついた。
両城とも難攻不落であり、一瞬にして陥落することなど有り得なかった。敵の撹乱(かくらん)ではないのか、という叫び声もあがったが、関平は、廖化がまだ戻らないという事実を示唆した。

「わが目を疑う文言だが、」
関羽は大矢を握った。
「これは徐晃からの知らせ。」
関羽は立ちあがり、南方を見つめた。
「あの男が私に、ただちに南に往けと叫んでいる。」


【REVIEW】

■扉は、風を受けて佇む魏の面々が描かれていました。キャッチコピーが、このシーンを巧みに表現しているように思えましたので、転記しておきます。

−関羽の風、遍(あまね)く吹き渡り、兵(つわもの)の心、騒ぎ躍る。−

確かに、最近のストーリーを鑑みるに、関羽の起こす風が、魏の諸将を煽ってる感じします。

■「うぐッ、なんだこの臭いは。」

徐商・呂建を迎え入れ、案の定、満寵はこう呟いてました。先週、徐商は乱戦の中、首から多量の出血をしていましたので、戦死したのかと思ってましたが、無事だったようです。樊城は蘇生しましたが、臭う城と変貌しました(笑)。 曹仁は脱出しましたので、今後この城の指揮をとるのは満寵なんでしょうか? ほとんどの樊城メンバーが入れ替わったのに、満寵は居残り組なんですね。おまけにこの仕打ち...ちょっとかわいそうな気も。

■「戦功を賛え、追贈するよう上表する。」

殷署に続き、朱蓋も戦死していました。先週、趙累に胸当ての部分を斬り裂かれ、鮮血を吹き上げてましたが、やはり致命傷だったようです。
趙儼によると、樊城脱出軍が生還できたのは、千を超える敵を討ち倒した殷署・朱蓋のお陰なんだそうです。 二将とも趙累に呆気なく斬られていたように見えましたが、実は脱出作戦に大きく寄与していたんですね。殷署・朱蓋軍は、“露払い”という表現をされていましたが、夏侯惇と張遼に“偽装”して敵を恫喝すると同時に、趙累軍を引き付ける“囮”的な要素もあった気がします。見事使命を果たしました。

この二将ってそもそも司馬懿の作戦(孫権の書状)を持って徐晃軍に現れたんですよね。釈然とせんとか、気の進まん策だとか言われて、書面を手にしたまま困ってました。
故にこの二将は、当初予想していた作戦とは違う作戦に急遽、組み入れられたことになります。その作戦を不服に思うことなく(むしろ嬉々として)完遂し、殉死しました。

マイナーながらも天晴れな死に様。故人に追悼の意を表したいと思います。

■−今すぐにでも相対し、再び戦いたいという衝動。−

関羽に“圧倒的な敗北感”を植えつけられたのにも拘らず、徐晃の胸の底には“涼やかな響き”が残っていました。その響きとは、武と武が共鳴し、さらに武を突き抜けてゆくような、清々(すがすが)しい響き...。.これは、嘗て関羽と刃を交えた呂布や張遼、顔良やホウ悳も感じたんでしょうかね。

以前、馬超と相対した徐晃は「人を顧みぬ刃(やいば)は武にあらず。」と、戦いを回避してました。それで言うと、関羽の武は「人を顧みる刃」なのかもしれません。

そして、徐晃は“再び戦いたい”という衝動に駆られて咆哮していました。関羽との“戦いの小宇宙”に魅せられちゃったんでしょうか。 最強の武人と、己の全身全霊をかけて戦うという充実感に魅せられたのかもしれません。今まではあまり“真顔で思考に耽るシーン”など無かった徐晃ですが、武神・関羽との一騎討ちを経験し、さすがに考える処は多かった模様です。

■「ぃよッ。」

出ました、惇兄!何か神出鬼没って感じです。合肥から樊城に向かったのかと思いきや、摩陵に向かう魏王軍に顔を出し、今度は突然曹仁本営に現れました。もしかして惇将軍におかれましては、単騎であちこち行動なさってるんでしょうか。
この飄々とした雰囲気が管理人には堪りません。どんなに深刻で、どんなに悲惨な状況にある戦場でも、この隻眼将軍が現れると魏軍は励まされるんじゃないでしょうか。少なくとも管理人は癒されました(笑)。

そして、魏軍のどんな猛将に対しても、気軽に減らず口たたけるのもこの隻眼将軍だけのような気がします。 猛将となった曹仁も、昔の“ヘボ将”時代を知るこの従兄弟の前では、形無しって感じでした。かなり動揺してましたよね。傷の治療してるところを目撃され、「一番見られたくない男に見られた。」って慌ててました。
後で惇兄は曹操に「俺が樊城に着いた時は、奴は裸で寝転んどったよ。」とか話しちゃうんでしょうかね〜。

ところで、先週も書きましたが、夏侯惇は、昏睡中の曹操を見てどんな反応したんでしょうか? で、曹操が目覚める前に惇兄は去った訳ですね。
「死んどる訳じゃなかろう? この男は簡単には死なんよ。じゃ、俺は先に樊城に向かうわ。」

■「参戦は聞いていたが、なんという!」

関羽本拠・陥落。呂蒙が商人に化けて潜入し、無血開城に成功−。夏侯惇の報せを聞いて、趙儼は上記の台詞を叫びました。参戦宣言するや否や「問答無用・電光石火」の行動をとった呉軍に驚愕した模様です。

でも、ちょっとこの驚愕はおかしいんですよね。なぜなら趙儼は、司馬懿の“呉・参戦”の報せを聞いた時に、すかさず「孫権は関羽の本拠を突くであろう。」って予測してるんですよね。今さら動揺する筈は無いんですが...。
「呂蒙が商人に化けた。」ってやり方と「無血開城させた。」という素早さに驚いたんでしょうか?

■「関羽に 知らせてやってもよろしいか。」

徐晃は、関羽の本拠陥落の報せを聞き、こう尋ねました。つまり、まだ自分の本拠の陥落を知らない関羽に、それを教えてあげようという配慮ですね。所謂“敵に塩を送る”という行為だと思います。戦った相手に対する敬意からくる行動なのかもしれません。そしてこの後、「孫呉侵攻 江陵 公安 陥落」と大書した李典弩が襄陽に射込まれました。 美しいと言えば美しい行為なのですが、でもこれもまた、少し変ではあるのです。

揚げ足をとるようで恐縮ですが、徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。
司馬懿が殷署・朱蓋を通じて「孫呉参戦の書面を敵陣に射込む」という策を提案した時に、前述の通り徐晃と趙儼は「釈然とせん。」「気乗りがしない。」と発言、結局無視していました。で、そんな狡い作戦は捨て置き、徐晃は戦闘行為を選択した訳ですが、結局 司馬懿作戦を実行した事になります。『 敵を動揺させる 』というのと『 敵に本拠が陥ちたことを教えてやる 』という理由こそ違え、『 樊城の包囲を解かせ、南に向かわせる。』という効果は同じです。

今回の一連の経緯を司馬懿が知ったら、ムッとするんじゃないでしょうか(笑)

■「樊城を数十日延命させただけのこと。敗戦とは言えん。」

2,000の新兵と数十日分の兵糧の入城を許してしまった事を詫びる関平。その関平に対し、趙累はこう述べていました。樊城は蘇生してしまった訳ですから、容易には陥とせない事は明らかであり、趙累は負け惜しみ言ってる感じも受けました。でも次の王甫の発言を聞いて、なるほど敗戦とまではいかないんだなっ、て認識を改めました。以下、この新キャラの老人の献策を考察してみます。

■「籠城は漢中王の勝利のために。」

王甫によれば、たった一軍で“天下の震源地”になろうと言う作戦だから、苦戦するのは覚悟の上なんだそうです。魏が大軍を結集し、曹操まで出てきそうな勢いであるのは、正に狙い通り。なぜなら、関羽軍は劉備の進軍を支援すべく、魏の大軍を釘付けにしているのだから...。
更に王甫は進言します。急ぎ樊城の包囲を解き、襄陽に籠城すべきである、と。

なるほど〜。魏の大軍を釘付けにするのを目的とすれば、別に樊城奪取に拘(こだわ)る必要は無い。樊城が蘇生してしまったのなら、今度は守備に適した襄陽に篭って魏軍を引き付ければ良い。と、王甫は進言してる訳ですね。
仮に、関羽軍の目的は荊州の各拠点奪取では無く、あくまで魏軍を引き付けることだけが目的であれば、正鵠を射た発言です。 極論を言えば、襄陽が陥ちても、今度は中華各地をゲリラ的に転戦して廻っても構わない訳です。そうだとすれば、樊城が蘇生されようと、全体的な作戦には何ら影響を与えないと言えます。趙累は、「樊城を延命させただけで敗戦とは言わない」って言ってましたが、王甫理論で言えば、「樊城が延命しても、勝敗には関係無い。」ってことになります。

その王甫の献策に対して、関羽は「われらの戦いに一点の迷いもないぞ。」と非常に抽象的な返答をしてました。一瞬、関羽は同意したのか反対したのか分かりませんでしたが、その発言を聞いた趙累が「さて、兵糧を掻き集めるか!」と呟いてたんで、同意したものと分かりました。
軍師的な人物は関羽軍にはいないのかと思ってましたが、なかなか老獪そうな参謀がブレーンとして存在していました。侮れません、関羽軍。
但し、関羽の目的は、劉備軍の北進を容易にする為に魏軍を引き付けること「だけ」かというと、そうとも言えないような気がするのです。そこらへんは後述します。

ところで、関羽は優雅にお茶飲んでましたが、背中の傷は大丈夫なんでしょうか?李典棍はかなり深く刺さっていたように見えましたが...。っていうか、関羽が手にした椀にわざわざ「茶」って注釈が付いたのは、何か意味があるんでしょうか? 傷が痛くてアルコールは受け付けないって意味でしょうか(笑)。

■「わが目を疑う文言だが、これは徐晃からの報せ。
  あの男が私に、ただちに南へ往けと叫んでいる。」

江陵・公安陥落の報せ。難攻不落を誇る両城が簡単に陥ちるとは思えず、敵の偽情報による撹乱ではないのか、という叫び声も上がりました。それに対し、関羽は上記の通り宣言しました。
−敵の撹乱ではない。戦友である徐晃が教えてくれているのだ。本拠に向かえと。−
こうして、関羽は襄陽籠城は止め、南に向かうことを選択しました。おそらく本拠奪還に動くものと思われます。 蒼天関羽は「おのれ、士仁、麋芳め!」とか言いつつ慌てて撤退したりしないんですね。

さて、ここで前述の関羽の目的について考えてみます。劉備軍の北進を容易にする為に、魏軍を引き付けること「だけ」が目的であれば、関羽は、王甫の策“襄陽籠城”を選択するのではないでしょうか? しかし関羽は本拠奪還に動きました。 思うに関羽は、劉備の“北進支援”と同時に、“荊州制覇”も目論んでいたように思えます。
孤高の武神・関羽であれば、そのくらいの高い目標を持っていても不思議ではないと思います。天下を震わす震源地と成り、魏の大軍を次々と誘き寄せ、同時に、荊州の各拠点も手中にする。劉備の為に魏軍を引き付けると同時に、劉備の為に必争の地・荊州を制圧する。関羽は壮大な志(こころざし)のもと、軍を動かしたのではないでしょうか?

いずれにせよ、本拠である江陵・公安が第三勢力に奪われ、関羽の目標は儚(はかな)いものとなりつつあります。でも、関羽は最期まで、その目的を捨てずに邁進しそうな気がするんですよね。黙々と、愚直に、ひたすら劉備の天下を信じて...。

■『 作品が冗長になるのは好ましいことではないんで、テキパキ終わらそうとしてるんですが、関さんがプロットを潰しにかかってきはるんですよ。』
34巻の巻末で、欣太先生はこう書いていました。

なんとなく分かります。関羽の風は作者にも吹き渡っている模様です。でも、荊州の争奪戦は魏・呉・蜀の三つ巴の戦いです。ましてやその中心に居るのがこの関羽です。テキパキ終わらせる必要はないと思うんですよね。
先生、どうかここは じ〜っくり描いて下さいませ〜。

No.12144 - 2005/07/26(Tue) 20:58:01

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 文月 [近畿]
こんばんは。いつもご苦労様です。

> 樊城は蘇生しましたが、臭う城と変貌しました 

なんだか兵糧にまで二将軍の臭いが移って臭そうです(汗)。
呂建・徐商のお二人とその兵たちには、ゆっくりお風呂に入って垢と臭いを洗い流して欲しいです(笑)。

> 趙儼によると、樊城脱出軍が生還できたのは、千を超える敵を討ち倒した殷署・朱蓋のお陰なんだそうです。 

夏侯惇・張遼という、魏軍でのトップクラスの名将二人の姿を借りながらでありましたが、殷署・朱蓋の二人は、自分たちに与えられた役目を立派に果たし、散っていきました。彼らの戦いぶりは、他の魏の名将たちにも決して負けてはいなかったと思います。
その点では、おなじコスプレ武将(笑)でも、諸葛亮に捨て駒として使われてしまった蜀の呉蘭・雷銅よりもはるかに武将として幸せだったように思います。
殷・朱の二将軍に、合掌…。

> 猛将となった曹仁も、昔の“ヘボ将”時代を知るこの従兄弟の前では、形無しって感じでした。

「最近格好よくなった」と言われることの多くなった蒼天曹仁ですが、まだまだ惇兄には敵わないのですね(笑)。たぶんこれからも、ずっと。

> 「呂蒙が商人に化けた。」ってやり方と「無血開城させた。」という素早さに驚いたんでしょうか?

これって実際は「呂蒙が商人に化けて潜り込んだけど即座に見破られてキレて関羽方の守将・士仁の腕をへし折って陸遜に宥められて無血開城させた」ですよね?(笑)

> 今回の一連の経緯を司馬懿が知ったら、ムッとするんじゃないでしょうか

確かに…。
「結局そうなるのだったら最初からそうしてください!!(怒)」って言いそうな気がします。(笑)

> 関羽は優雅にお茶飲んでましたが、背中の傷は大丈夫なんでしょうか?李典棍はかなり深く刺さっていたように見えましたが...。っていうか、関羽が手にした椀にわざわざ「茶」って注釈が付いたのは、何か意味があるんでしょうか?  

この李典棍による傷とホウ悳の矢による傷が今後の関羽の運命にかかわる伏線になるのでしょうか。
三国志で茶、とくると吉川三国志の冒頭シーンをを思い出すのは私だけじゃないですよね?

> 「わが目を疑う文言だが、これは徐晃からの報せ。
>  あの男が私に、ただちに南へ往けと叫んでいる。」

ああ、とうとうここまで来ましたね…。
次回からは関羽対呉軍に話の焦点が移るのでしょう。
また呂蒙や陸遜やその他呉軍の面々に会えるといいな。

No.12145 - 2005/07/26(Tue) 21:51:00

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 岳飛
>関羽の目的について
単純に兵量の問題ではないでしょうか?
ただでさえかき集めるか!と言っていたので現在篭城するほどの兵量は無いのでしょう。そのかきあつめる役割を担う本拠が落ちていては篭城などできないのではないでしょうか

>「参戦は聞いていたが、なんという!」
無血開城、という結果ではないでしょうか。難攻不落の城2つをあっという間に無血開城など信じられなかったのだと思います。

>茶
当時の茶は薬の一種だったような……もしかしたら傷の治癒もかねてるのかもしれませんね

No.12146 - 2005/07/26(Tue) 22:32:29

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / cdc [九州]
はじめまして。
近頃の蒼天での関羽の豪勇ぶりに感化され、
レビューに参加させていただくことにした。

まず、「負けず徐晃」が味わった敗北感が、
あのマジメな表情にでてましたね。
飄々と裸で馬に乗って逃げ、敗北を避けた事もある男が、
関さんの武侠の異界に立ち入って、戦闘の中であのように変化した
ことが印象的でした。
一皮むけたというか、一段上ったというか、まぁ、そんな感じでした。

んで、曹仁の成長振りを台無しにするような
夏侯惇の登場ですけど、前線に赴いてる感が全くないですね(笑)
飄々とお知らせ係をやってるようにしか見えませんでした。
なんていい役どころなんでしょうか。

>■「関羽に 知らせてやってもよろしいか。」

この心境は完全に関さんの「味方以上の親愛を感じる時がある。」
という言葉を連想させました。
徐晃は関さんと刃を交えて、敵に親愛の情を感じる域に
達したってことなんでしょうね。
前に破った于禁もそうでしたが、関さんの
闘いにおける心情や侠の精神が魏の将軍達に感化、浸透していってますね。
文の人間ならともかく、武を重んじる人間は
侠という不合理にして意気に感じるものに共鳴してしまうんですね。
これホントの関化というものなんですね。うそです。


>一軍だけで天下の震源地になろうというのであるから、大変な戦となるのは覚悟の上である。

すごい作戦だと思いました。
一軍だけで、というよりは、関さんの武名一つで
中華を揺さぶっている感さえあります。
この作戦は関さん以外に遂行できるものはないでしょうね。
それと自分も関平同様、関さんの負けか?と
思っていたのですが、どうやらそういうことでもないのですね。
関さんの軍がどうこうというよりは、
劉備の進軍が全体の勝敗を決めるという感じを受けました。

>■「わが目を疑う文言だが、これは徐晃からの報せ。
  あの男が私に、ただちに南へ往けと叫んでいる。」

戦場で心が通じあった徐晃からの知らせに
何の疑いも持たない関さん、やはり侠です。
謀略とか偽報とか、そんなものは侠には関係なく、
徐晃からの知らせには、一も二もなく動く。

これで江陵に行くということは、正史的にはそういうことになりますが、魏王ご所望の関さんとの会見はどうなるんでしょうかね。

No.12147 - 2005/07/27(Wed) 12:34:51

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / NHN [近畿]
>揚げ足をとるようで恐縮ですが、徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。

>司馬懿が殷署・朱蓋を通じて「孫呉参戦の書面を敵陣に射込む」という策を提案した時に、前述の通り徐晃と趙儼は「釈然とせん。」「気乗りがしない。」と発言、結局無視していました。で、そんな狡い作戦は捨て置き、徐晃は戦闘行為を選択した訳ですが、結局 司馬懿作戦を実行した事になります。『 敵を動揺させる 』というのと『 敵に本拠が陥ちたことを教えてやる 』という理由こそ違え、『 樊城の包囲を解かせ、南に向かわせる。』という効果は同じです。

――――――――――――――――――――

効果こそ同じですが、自力で樊城を蘇生させたか、それとも他力であったか、というプロセスは異なるわけですよね。徐晃たちは孫呉なんぞの助けは受けずに、樊城を自力で蘇生させることに成功したわけです。

ここで、「自力で蘇生させた」ということは、「殷署・朱蓋を含む、魏の将兵が多数死傷した」ということと同値なわけです。

だったら、司馬懿の、管理人様いわく、狡い作戦を実行し、同じ効果をより少ないコストで(我ながら、冷えた言葉ですねー)得た方がよかったのではないかと、そう思われるわけですが…。

もっとも、心を通わせた徐晃からの報せだからこそ、関さんはただちに受け入れたわけで、一連の戦闘なしに、司馬懿の作戦通り大矢を射込んでいたとしても、それに関さんが従ったかどうかは「未知数」といえます(厄介な男だ)。

そういう意味で、司馬懿作戦によって、少ないコストで同じ効果が得られたかどうかもまた、未知数といえるわけです。司馬懿は侠の関さんとは対極のような人物ですからね。

No.12148 - 2005/07/27(Wed) 17:19:46

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 黒助 [関東]
随分と暑くなりました。
久しぶりに戦闘シーンがありませんでしたが、惇兄と曹仁のやりとり、関平の律儀さなど各将の個性の光るシーンを随所にちりばめつつ、魏蜀それぞれの陣営における先の熱い激闘の余韻と呉の予想以上の強襲が与えた衝撃とのそれぞれを巧みに描いてみせた、非常に見せ方がうまいと感じる週でした。

岳飛さんの意見、賛成です。
関羽軍にとってこれまで樊城包囲戦を続けられた背後には本拠地江陵からの支援物資の充実(実情は江陵側からしたら関羽の毎回の急な要請に必死で応えるというものでしたが)とその本拠の難攻不落への絶対的な安心感があったはずです。
その認識はおそらく魏側においても同じであり、参戦を認識していたとしてもこの電光石火には度肝を抜かれたんじゃないでしょうか。

そして関羽の側の作戦変更に関しても、“魏からの情報が正しいとしたら”戦の基盤となっていた本拠地が落ちた以上もはや樊城包囲戦の続行も襄陽篭城作戦の実行も不可能であり致し方ないことだと思います。
すなわち私はこのシーン、関羽による襄陽篭城と江陵奪還の選択というよりはむしろ、関羽が魏からの、徐晃からの言葉を信じたということの方に力点を置いて見てしまいました。
これってこれまで全く己のルールで動いてきた関羽が素直に敵に従っていることですよね。
私にはどうもあの一騎打ちとあの時の問いは徐晃だけでなく関羽の側も変える契機になっているような気がするんですが、さて?

>揚げ足をとるようで恐縮ですが、徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。

結果は同じですが、自力でなく呉の利用という観点からはどうでしょう?
確かに樊城が陥落寸前で逆に江陵はたとえ呉に攻められてもすぐには落ちまいと考えられていた当初では呉参戦を蜀に伝えることは最も効率的に呉を利用する策でした。
しかし、樊城が蘇生し逆に江陵が既に落ちていると知った段階では、むしろ呉を利用するのなら関羽にそれを気付かせないことこそ最も効率的な策ではないでしょうか?
本拠地の陥落に気付かずに戦を続けていればいずれの関羽軍の壊滅は必至でしょう。
もちろん司馬懿の策を退けた時にはなかった感情に突き動かされた部分が大いにあるということは明らかですが、その意味では徐晃は今回もあくまで自力での関羽との対峙を選んだといえなくもないんじゃないでしょうか。

もっと言うと関羽への思いに突き動かされていることに躊躇しながらも提案ができたのはそこの矜持があったからかなぁと…さすがに曲解ですね。
なんにしろ今回の経緯を司馬懿が知ったらムッとするどころか「二重に愚かな…」とあきれる気がします。

でも個人的に今回で最もエキサイティングだったのは襄陽篭城策でした。
蒼天関羽の目的が樊城の制圧にないことは樊城戦開始当時から巧みに書かれており最近では言葉でもその意図が明らかにされていますが、ここで包囲から一転篭城に入ろうとはまさに思考の死角をつかれました。
樊城が蘇生し続々と魏援軍も集まりつつあり、このままでは魏の大攻勢が始まるのは必至であることを思えば、さらに多くの魏軍を引き付けその上で対等に戦うためには管理人様もおっしゃっている通り確かにいい策です。

この作戦、実現していたらとても面白い展開になっていたんではないでしょうか?
蜀の側からしたら襄陽に合流し篭城すれば、大量の魏軍に対する体勢が整うのと同時に江陵陥落とともにもう一つの誤算である襄陽からの援軍の中止の問題が解消します。
魏側としても樊城の包囲が解かれれば援軍と本隊を合流させ体勢の建て直しができるし、伏兵として影でめざましい活躍をしている郭淮とも正式に連携がとれるでしょう。
そしてなによりその堂々たる布陣の中で関羽と曹操との会見が行われたと思うんですよね。
う〜ん…この展開見てみたかった…

まあ、逆に言うと呉はまさに絶妙のタイミングで割って入ったって事ですよね。
あの孫堅や孫策が挑みたくても挑めなかった曹操、そしてもはや押しも押されぬ勢いの漢中王劉備のその急所をいとも簡単に見抜き衝いてくる孫権…

「孫家は、わが孫家は、代を重ねる度に豪壮になってゆくのだ!」

ちなみに王甫が篭城策を提案した等の史実があるのでしょうか?それとも欣太先生のオリジナルでしょうか?
どちらにしろ脱帽です!

No.12149 - 2005/07/28(Thu) 05:11:47

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 鳳卵 [東北]
>関さんがプロットを潰しにかかってきはるんですよ
 コレ、なるほどなぁと思いましたね。話がながくなるのもさりながら、関羽が絡むとやたらコマが大きくなるし、裸にもなるし…(笑) そりゃ、なかなか終われませんよ。

 今回、おやっと思ったのが、曹仁があのまま脱出しちゃってたコトですね。樊城の主将なんだから、あの状況で樊城を出ちゃダメだろうと思うんですが…もし、樊城包囲戦がまだ続くようだったら、満寵が主将というコトになったんでしょうか。

 塀の中でクサい飯を食うことになってしまった彼らが気の毒で…

 どう考えても、徐商・呂建コンビと殷署・朱蓋コンビの使い方が逆だよなと思うんですが…徐商・呂建コンビなら、わざわざコスプレしなくてもあの臭いだけで敵は引いただろうし、殷署・朱蓋コンビだったら、兵糧も臭くならなかっただろうし。

 さて、個人的にすごく好きな王甫が出てきて嬉しいです。でも、老人キャラなのは、ちょっとイメージが違うなぁ…
 演義の方では、関羽に、烽火台の建設を進言し、それを見た呂蒙が荊州侵攻を一時あきらめるというシーンがありました。正史では、伝もなくてただ単に「いい人だった」と書かれてるだけなんですが(笑)

 襄陽篭城は、後の時代に南宋がモンゴル軍を防ぐ際に最も有効な戦略でしたから、この時点で行っていれば曹操軍もかなり手を焼いたでしょう。

 しかし考えてみると、蒼天の設定ではこの時点で劉備の本拠地である益州もカラッポになってるんですよね。万が一江陵から成都にまで攻め込まれたら、防ぐ軍がいないことになります。関羽としては、帰らざるを得ないのでしょうね。

 やっぱり、関羽と曹操の会談は実現しないのかなぁ…

No.12150 - 2005/07/28(Thu) 06:54:18

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 夏樹 [関東]
 こんばんは、夏樹です。

 関羽への、呉の侵攻情報の伝達は、管理人さんのおっしゃるように結果的には司馬懿の作戦通りですね。
 ただ、それを実行した徐晃からすれば、黒助さんもおっしゃっているように、タイミングにしても意図にしても全く異なる性格のものでしょう。ましてやあの「裸の会合」があった上では。
 具体的には、司馬懿のたてた策は関羽の撤退をもくろむというよりは関羽軍を混乱させ戦闘能力の低下を狙うもので、その点において呉が攻めてきたかどうかというのは嘘でもかまわないわけです。一方、徐晃の場合は関羽軍の混乱や戦闘能力の低下といったことは望んでおらず、そしてその意図はしっかり関羽に伝わったようです。
 司馬懿のこの策は正史にもしっかり載っていますので、この策が出てきた時点でその実行は決まっていたことともいえます(もちろん、実行しなかったというフィクションを作ってもかまわないのですが)。それをこのような展開で描きるとは、個人的にはあらためて欣太先生の演出に感服した次第です。

 趙儼はたしかに、知っていたくせにそこまで驚かなくても、という感じは受けました。孫呉の侵攻の速度と事態の展開が趙儼の予想をはるかに上回っていたということでしょうか。


 一方で、王甫の策は全くのフィクションですね。
 そもそも、正史をみると襄陽は、どの段階でどうとははっきりとは書かれていないのですが、曹仁・徐晃・趙儼伝を総合すると、どうも呂常という将(演義では曹仁と共に樊城に籠もっている)ががんばっていて、関羽に包囲されて連絡が絶たれているものの陥落まではしていないようですから。
 全くの白紙から王甫の作戦のようなエピソードを作り出して、ストーリーにぴりりと味付けをする。これもまた、蒼天航路の魅力です。
 撤退の理由は岳飛さん黒助さんおっしゃるとおり、軍需物資の問題でしょうね。麋芳・傅士仁は軍需物資補給担当だったようですから。


 趙儼は殷署・朱蓋の軍功を高く評価していましたが、正史では殷署はずっと趙儼の下で働いていた武将のようですね。二人の勇姿を中に描いたのは、その辺の思いもあるのかと想像させてくれます。


 最後に、
 惇兄、素敵ですね。一言で樊城戦の雰囲気ががらっと変わりました。関羽に呑まれていた魏の諸将が、一瞬で自らの依って立つべき場所を思い出したかの如くです。

 次回の展開が待ちどおしいかぎりです。

No.12151 - 2005/07/28(Thu) 23:06:40

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / Homicide
思い切り出遅れてしまいましたが、鳳卵様、樊城と摩陵の位置関係について教えていただき、ありがとうございました。

出遅れたので、少しだけ。確か、現時点ですでに、王平は蜀に下っているんですよね? 演義では、確か、その原因が、徐晃の度量の狭さにあるような描かれ方をしていた憶えがあるのですが。
蒼天の徐晃は豪快にして繊細な部分も持ち合わせていて、度量が大きいように感じます。関羽との触れ合い(?)を経て、さらにそのような印象が強くなりました。
正史のことは正直、詳しく知らないんですが、王平が徐晃と仲違いして蜀に下るシーンが、蒼天にて、描かれなかったのは正解だと思います。

No.12153 - 2005/07/29(Fri) 12:23:02

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 夏樹 [関東]
 こんばんは、Homicideさん。

 王平は正史でも、確かにはじめ曹操(というか漢王朝)に仕え、漢中戦に従軍した際に劉備に降っていますが、徐晃とのからみは全く演義のフィクションです。ご安心下さい。
 正史では降った際のエピソードは審かではありませんが、もともと蜀の人だったそうなので、その辺の事情があるのかと想像されます。

 徐晃は正史と演義では死に方も全く違いますね。
 正史では明帝の時代まで対蜀・呉相手に奮闘した後、病死していますが、演義では孟達が再び魏から蜀への鞍替えを狙った際、孟達に射殺されます。
 徐晃は主人公級の関羽を破った人物ですから、演義では、王平とのエピソードといい、むりやりにでも悪役にせざるを得ないのでしょうね。


 誤解なきよう付け加えますと、私は個人的には、演義の講談としての語り口と、あの複雑な時代を分かりやすくまとめた体裁は、演義は演義として好きです。演義のおもしろさと、蒼天航路の魅力、正史の事実としての重み・学問的意義、これらの評価を比較すべきではないと考えておりますので。

 以上、話が今週の蒼天からずれてしまいました。
 すでに次の話が世に出ているということで、ご寛恕いただければと思います。

No.12154 - 2005/07/30(Sat) 01:46:24

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / つね [関東]
あいかわらず最高に出遅れてしまいました。
でも臆面もなく感想を書きます。

1.作戦の後
2.魏陣営での速報
3.関羽への知らせ

みなさん高評価の襄陽籠城策。たしかにそうなのですが、最初に樊城との位置関係を見たとき、「そんなに近くにあったのか」と思いました。確かに「隣」という表現は出てたものの、お互い目視できそうな距離とは。別に関羽に教えてもらわなくても曹仁も襄陽失陥は分かりそうです。

>揚げ足をとるようで恐縮ですが、徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。

司馬懿の策の目的は多分二つ
?@魏軍の損害を最小にして樊城を救う
?A関羽と呉をつぶし合わせる。

?@はみなさんご指摘のとおり。?Aについては、江陵・公安陥落と徐晃が大矢で宣戦布告かつ樊城への連絡をしたときが同じなので司馬懿からの指示があったときに直ちに実行してもあまり変わらないのかもしれません。(関羽が江陵・公安陥落に間に合うように撤兵して呉と全面激突、というのが最良だったと思われます。)司馬懿にしてみれば、これからの関羽に期待、なのかもしれません。徐晃より黒い意図を感じますが。

>文月さん
>三国志で茶、とくると吉川三国志の冒頭シーンをを思い出すのは私だけじゃないですよね?

たしか貧乏青年の玄徳が苦労してお金をため、黄巾賊に命を狙われるなど艱難辛苦をなめる長旅をして母親のために手に入れた茶を、鬼のような母親に川に捨てられるという筆舌に尽くしがたい悲劇的な幕開けだったかと記憶しています。

>惇兄

勇将でも智将でもないが、敵味方通じて一番慕われている将。いい味出してます。

No.12155 - 2005/07/30(Sat) 19:21:57

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 英英 [関東]
遅ればせながら参上です。
−江陵・公安 陥落− この時が来るのが怖かったんですが、思ったよりは冷静に読むことができました。あの軍議の場面、一瞬にして場の空気が変わりましたね。どうでもいいことですが、新キャラの王甫の髪型が気になりました…(^^;


>「参戦は聞いていたが、なんという!」
>今さら動揺する筈は無いんですが...。

宣戦布告もなしに急襲したことに驚愕してるんじゃないでしょうか?
「問答無用・電光石火」という言葉からは、今まで同盟を結んでいた相手を攻めるのに、ためらいや遠慮がなさすぎ、節操がないっとでも思ってるように感じます。「そこまでやるこたねーだろ!」という類の驚きかと思いました。
もっとも孫呉側にしてみれば、おまえ達の考えが甘いって感じなのかもしれません。

また、食料強奪事件を魏軍は知らないせいかも…とも思いました。まあ知ってたとしても、「国境付近の食料庫を略奪されたから、相手の本拠地を奪い取った」という仕返しは、納得できるものではないのかな。
昼の弁当を勝手に食べられたので、その食べた同僚を部署から追い出す…みたいな?
(次元の低い例えですみません)

…降伏だ臣下の礼だと言いながら、しっかり合肥に出張ってる孫権。
人を食ったような外交を、魏はよく認めてますね。
孫呉の外交官はよっぽど優秀なんでしょうか。


>「呂蒙が商人に化けて潜り込み、無血開城させおったらしい」
>これって実際は「呂蒙が商人に化けて潜り込んだけど即座に見破られてキレて関羽方の守将・士仁の腕をへし折って陸遜に宥められて無血開城させた」ですよね?(笑)

文月さんに同様(笑)
合肥経由の急報ってことは、情報の流れは「呂蒙⇒孫権⇒合肥魏軍」ってことですよね?
呂蒙ってば、ご主君にどんな報告をしたんでしょう。
情報は正確に!(笑)

>揚げ足をとるようで恐縮ですが、徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。

そういえばそうですねー。
結果論ですが、司馬懿の策をとって(呉を利用して)樊城を蘇生させたら、孫呉に借りができてしまいます。孫呉に借りを作ると、あとあと外交カードとして利用されそうです。215年の荊州争奪戦のように…
なので、徐晃の策でよかったんじゃないかな〜と思いました。
司馬懿は呆れそうですが…(さすがに蒼天司馬懿は「馬鹿め」「凡愚め」とは言わないでしょうけど(笑))

No.12156 - 2005/07/30(Sat) 22:51:01

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / RYU [東海]
>『 作品が冗長になるのは好ましいことではないんで、テキパキ終わらそうとしてるんですが、
関さんがプロットを潰しにかかってきはるんですよ。』
34巻の巻末で、欣太先生はこう書いていました。

作者に勝てるキャラは中々有り得ないと思いますが、関さんはさすがですね。
関さんでも、殿や孫権でもいいからプロットを潰してくれと思ってしまいましたw。

「あの人は御しきれんで」
僕的には、ゴンタさんのこのセリフと倒れている孔明がヒットでした(笑

「孫呉ってなにか工業高校みたい」「あのメンツで学園漫画を描いたら面白いかも」
このセリフを見て「魁!!男塾」を思い出したのは僕だけでしょうか(爆
やはり、番長は孫家3代でしょうか?
かなりくだらないですけど、学園体制を考えてみました。

3号生 番長・孫堅、韓当、黄蓋、程普、祖茂
2号生    孫策、周瑜、呂範、(魯粛、太史慈)
1号生    孫権

孫堅はもはや男塾の伝説と化し、彼のスピリッツは歴代番長や2,3号生にも
強く受け継がれる。そのカリスマ性は、大豪院邪鬼をも遥かに凌駕。

太史慈は2代目番長となった孫策とのタイマンを経て仲間になり、
魯粛は近隣の学園から子分を引き連れて転校して来た。
小覇王と言われた孫策の、流血と薔薇の武闘派時代を経て今に至るというバイオレンスもありますけど、喬姉妹やヨウ夏さんも居るからロマンもありーでしょうか?すると共学校になりますね。

3号生    韓当、黄蓋、程普、周瑜、魯粛、呂範
2号生 番長・孫権、呂蒙、甘寧(裏番)、蒋欽、凌統、周泰、
        陳武、徐盛、潘璋、吾粲、董襲
1号生    陸遜、孫皎、朱然、丁奉ら

教官 張昭(校長先生なのに徒名はジイ)、張紘、顧雍、諸葛キン(理系教師っぽい)

蒼天の登場順で大体振ってしまいましたが、正確さは自信ないですw
特に8頭の獣とかは参陣した年代がバラついてそうですね。

赤壁にも参加してるんですが、韓当、黄蓋、程普は留年扱いでOKでしょうか?(爆)
周瑜先輩がやたらモテそうですけど、孫権はじめ後輩からも慕われる。
一番怖そうなのは裏番張ってる親分なんですけど・・。
総評「孫家は、わが孫家は、代を重ねる度に豪壮になってゆくのだ!」

そういえば、8頭の獣達の名前を探して連載考を読んでたら、
DAIさんが孫呉学園ドラマとか書いてるのを見かけました(笑
今は取り敢えずこんなとこで。

No.12157 - 2005/07/31(Sun) 04:28:56

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 英英 [関東]
次を読んだ後で恐縮ですが、続けての書き込み、失礼いたします。
私の今回のツボは、趙累と関平でした(*^-^*)
「わたくしの力及ばず……」と自責する関平に声をかける趙累が、とっても父性を感じさせてくれちゃって大好きですっ♪
いいなあ…(*^-^*)

城兵入れ替え作戦は成功してますが、兵の数は4000から2000に減ってるんですよね〜。
疲れてない兵達だから、戦力としては増強したことになるのかな。
でも趙累や王甫のいうように、あんまり気にすることないよ。(…というのは甘やかしでしょうか)
軍議の場面を見てると、関平って良い環境で育ってるな〜と思いました。母上と弟達が早くに死んでしまったのは不憫ですが、張飛との会話を思い返しても、周りに親みたいな人がたくさんいたんだろうと想像します。

で、親父殿は息子に声をかけてはやらんのですな。
関さんって王甫や趙累とは普通に会話してるのに、関平とはあまり言葉を交わさないのですね。家庭ではそうでもないのかな。でもこの親子、どちらも雑談とは縁遠そうだし。直接的な会話がなくても、ちゃんとお互いの意思は伝わってそうな雰囲気が良いです。
といっても、関平が物語中で最も話した相手が、味方じゃなくて敵将の満寵というのは……(笑)

>「しかし廖化殿もまだ戻られぬ」

関平の言葉に、隣にいた士仁似の部将が反応してましたが、廖化が江陵に向かってから、そんなに時が経ってますか?
廖化が出発したのが、大矢が最初に撃ち込まれた夜半だとして…(同夜、公安・江陵が陥落)

翌朝、援軍の悪臭部隊が到着。
徐晃、陽動作戦を開始。
その夜、徐晃宛に司馬懿からのお手紙が届く。
 <一日経過>
惇兄、摩陵行きの魏王&司馬懿に追いつく。
 <二日経過>
徐晃、関羽に正攻法で攻撃。裸の一騎討ち。城兵入れ替え作戦。
その夜、惇兄が徐晃の陣に到着(早っ)
関羽陣営に本拠陥落の報が届く。
 <三夜目?>

もし陽動作戦が何日か続いてたら、もっと日数は経ってるんでしょうけど、…というか惇兄の移動がこんなに早くていいんだろうか。たった一日半?
廖化はおそらく江陵へは少人数で急行したでしょうから、三夜(以上?)経っても音沙汰なしというのは異常なのかな。だったら次の使者を送ってもよさそうなのに……

No.12158 - 2005/07/31(Sun) 11:43:45

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / RYU [東海]
さて、今週の蒼天へのレスという本題をやらねば(爆

>−今すぐにでも相対し、再び戦いたいという衝動。−

敵を倒す戦いを目的とする武人が、誇り高く強い敵に対して示す敬意や愛情とは一見相反する
不思議なもので、徐晃らの言葉には「倒すために戦う」のではなく「純粋に戦いたい」
という気持ちが籠っているような気がしました。楽しいから戦いたくなる、
というような感覚ですよね。
強力な刃や武力もそれをコントロールする人の意志や決定権次第と言いますか、
「人を顧みる刃」というのも、人間第一という事だと思います。

「人を顧みない刃」というと僕的には呂布を思い出しますけれども、
見ようによっては長坂の張飛もそんな感じです。双方ともインパクトが
強くて、強大な破壊力とか一見似たようなものだけど、何かが違う。
それは、呂布と張飛の意志の違いだろうと思いまして、
前者は破壊を目的とした「暴」であり、後者は劉備や民草の護衛を目的とした「武」であります。

それから、長坂において、武の応酬を通して相手を計ろうとした張飛VS夏候惇の
一騎討ちと、その意志を理解できなかった荀攸、
今回の関羽VS徐晃の一騎討ちと司馬懿のやり方とのギャップはよく似ている気がします。
武人は武人らしく、参謀は参謀らしくあれば良いのかも知れないですけど、
何とか意思疎通ができないものでしょうか。

>「関羽に 知らせてやってもよろしいか。」
>徐晃のこの行為は、奇しくも司馬懿の策と同じなんですよね。

(上文の続きとなります)ただ、結果的に不協和音となってしまった長坂とは違って、
今回の徐晃と司馬懿はコラボレーションが上手く行って良かったと思います。
結果的にとは言え、同じ狙いを達成できましたから。
ここはNHNさんの、「心を通わせた徐晃からの報せだからこそ」であって、
徐晃との信頼関係が成り立ったからこそ、関さんも涼やかな気持ちで
「あの男が私に、ただちに南へ往けと叫んでいる。」
「戦友である徐晃が教えてくれているのだ。」と受け止めれたのではないでしょうか。

>「一番見られたくない男に見られた。」

あれ、惇兄が一番で、殿は二番目なんですかね?
本来なら殿に見られる事が一番のプレッシャーとなるような気もしますが。
曹仁は惇兄に会えるのが実は嬉しいのに、照れ隠してるような気もしました。
素直じゃない(笑

>「敗戦とは言えん。」

樊城と襄陽の二拠点を制圧し強力な防衛拠点とするのが上策、王甫提案の
襄陽篭城が中策、江陵までの戦術的退却は苦肉の策のような気もします。
「あくまで魏軍を引き付けることだけが目的であれば」
襄陽篭城も無駄ではないですね。
ただ、それをするにしても、篭城の後には活路を作らなければなりませんから、
蜀本拠へ救援部隊を要請するか、もしくは自力での退却をするなら、
漢中の魏軍のような全軍規模の撤退も見越した退路の確保が重要になると思います。
魏水軍は漢水上流から来ましたから、上庸ルートは封鎖されているのかな。

そしてさらに、鳳卵さんが言われるように、呉の存在が厄介です。
劉備の本拠地に戦力の空白ができていて、呉が江陵から成都に奇襲をかける危険性も
考えられる訳ですから、相手が魏だけなら全軍挙げての篭城も可能だったかもしれないですが、
呉が参戦してしまったので状況はもっと切迫しており、
関さんの部隊だけではカバーしきれない形がすでにできてしまったのではないでしょうか。

>アルコールは受け付けない

張飛は酔うと強くなりそうですけどね。
曹植は詩が湧いて来て無双状態になります(爆 きっと。

黒助さん
>あの一騎打ちとあの時の問いは徐晃だけでなく関羽の側も変える契機になっているような気がするんですが、さて?

僕はむしろ、関平にとっての満寵との一騎討ちの経験が大きかったと思います。
実力があったから関平という若者にとっての影響力となれたんじゃないでしょうか。
関羽は完成している気がしますよね、だからこそ孤高の武神でもあるんでしょう。

>関羽と曹操との会見

見たいですよね〜。
でも次を読んで何か心配になってきました(爆

つねさん
>鬼のような母親

不覚にもウケてしまいました(爆
僕は、演義全体を否定するのではなくて、個々のキャラの言動が気になるという
程度なんですけど、母親が必死に子に義を説くというのも泣かせる話なんでしょうけど、
仁の観点ではどうなんでしょうか。
人が感じる気持ちとしてあのシチュエーションには、喜ぶのが自然だろう、
と僕は突っ込みたくなるんですよ。

英英さん
>でもこの親子、どちらも雑談とは縁遠そうだし。直接的な会話がなくても、ちゃんとお互いの意思は伝わってそうな雰囲気が良いです。

まあ、会話なしで以心伝心ができるのは信頼関係があるからなんでしょうけど、
子としては親とのコミュニケーションを欲すると思います。
関さん親子の表現方法は独特ではないかという事と、
それと、親父が凄いなら子が気を遣う、とか距離を置く事もあると思います。
殿親子なんかは特にそんな感じです。

もしそうでなかったら、関平や劉冀・曹昂はともかく、曹彰とかはグレてるんじゃないですかね。
曹植も飲んだくれてる気配あり(笑

No.12159 - 2005/08/01(Mon) 03:03:14

Re: 今週の蒼天<関羽へ> / 英英 [関東]
新しいレビューに書き込む前に、ちょっとこちらにお邪魔します。
RYUさん、レスありがとうございますっ!
ギリギリに書き込みしたのに、読んでいただけて嬉しいです。

>子としては親とのコミュニケーションを欲すると思います。
>関さん親子の表現方法は独特ではないかという事と、
>それと、親父が凄いなら子が気を遣う、とか距離を置く事もあると思います。

その独特な表現方法をゴンタ先生に描いてほしいなあ…(*^-^*)
関さん、この戦で2回も負傷してますが、めったにないことですよね。
たぶん息子としては心配だろうに……と思うのですが、なぜか誰も関さんの心配をしてなくて妙な感じがしますよ。ちゃんと手当てしてるんだろうか、とか。(廖化がいないから、今回は縫合しないとか言いませんよね?(笑))

孫呉学園ドラマ見たいですね〜♪
次号や35巻のおまけに、数ページでも載せてほしいです。

No.12165 - 2005/08/03(Wed) 02:31:08
今週のモーニングフォーラム / milkage [関東]
夏本番というこの季節、どんな計画を立ててますか?、という質問に我らが GONTA先生が答えています:
「なにーッ! 人がこれから関さん殺そ思て必死こいてネーム考えてる時になに悠長なこと言うとる! そんなん決まっとるやろ! 『蒼天航路』終わらせたい! 何年描いてると思とるねん! 11年やぞ11年! 去年も終わらそう思てたけどまだ終わってないわ! こんな長いもん描いても誰も読まんやろ! オレかて3時間超える映画は観とないし! だいたい三国志やるために漫画家なったんとちゃうわ! 終わったらもう一生中国もんは描かんぞ! 昔の話も描かん! 今年こそ、ぜえったい終わらしたるー!」

ここに登場するのは、何かで受賞した時以来の気がします。で、ムキになっている文章から、逆に年内には終わらないんじゃないかと変に期待してしまいました。それと34巻末見ても思ったんですが、なんかGONTA先生、性格変わってきてません?

初めまして、3年以上ROMしてました。

No.12152 - 2005/07/29(Fri) 02:04:45
今週の蒼天<遠雷> / TATSU@管理人 [関東]
どうもです。今週は、やや早めのUPです。

いや〜、先週は、“最後の2コマに危険なものを感じた” ってコメントしたら、予想以上に反論くらいました(笑)。でも結果的には管理人の杞憂だったみたいです。今週も最初の2ページだけ“やっぱヤバイかも”って思いましたが、後はそんな事ありませんでした。心配する程の事はありませんでしたね。失礼しました。

さて今週は、引き続き幻想的なシーンが随所に散りばめられていました。が、今回は違和感無く読むことができました。いや寧ろ関羽の随想から曹操の夢想へ移るシーンは巧いなーと思いました。 あっ、決して先週の"嫌な予感"が外れたから迎合してる訳じゃないすよ。

さて、今週で樊城攻防戦もほぼヤマを超え、物語は収束の方向に向かって進んでる感じを受けました。 関羽の今後の運命を憂いつつ、レビューを開始させて頂きます。

No.12117 - 2005/07/17(Sun) 22:33:41

今週の蒼天<遠雷> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

−何を問う?−

徐晃は迎撃の構えを取りながら驚愕した。関羽の問いは、あまりにも無意味であり、あまりにも高邁でもあった。

その時、曹仁の放った槍が関羽を襲った。城外に飛び出た曹仁は、全軍に“作戦の完遂”を号令し、徐晃に向かって叫んだ。既にお前の勝利である、と。

曹仁の槍を躱(かわ)した関羽は、徐晃に向かって青龍刀を振り下ろした。懸命に避ける徐晃。続けて二の太刀を振り下ろす関羽に向かって、馬上の曹仁が剣を突き出した。曹仁の剣を跳ね除ける関羽。その間隙を付いて徐晃は脱出し、曹仁もそのまま戦場を駆け抜けた。

戦線離脱に成功した曹仁と徐晃は、関羽を振り返った。予想していたとは言え、関羽は途轍(とてつ)もなく強かった。
振り返った二将が見たものは、静かに微笑む関羽の姿であった。

***************

−何ゆえ戦うか?−

関羽は天を見上げた。そのような事は、問うだけ無駄であった。だが関羽は思わず問うていた。関羽は天を仰いで独白した。

−なぜ問うた。−

樊城の攻防は続き、魏将と蜀将の死闘が至る所で繰り広げられていた。

***************

−兵家必争。−

曹操は考えていた。地には必ず争わなければならない所があり、それは其処彼処(そこかしこ)に存在していた。曹操の周りには“必争の地”が無数に出現し、曹操は何処(いずこ)に往くか考えていた。

遠雷が鳴っていた。
知らぬ間に曹操の頭上に積乱雲が立ち込め、雲間には関羽の姿があった。雲を見上げ曹操は微笑んだ。

−雲長よ。−

義侠の積乱雲に曹操は語りかけた。

−はたしてお前は、劉備のものか?−

***************

目覚めた曹操が見たものは、天蓋であった。
ここはどこだ?という曹操の問いに対し、司馬懿が慌てて答えた。曹操は昏睡しつつ“摩陵に陣を張れ”と告げていた事を。

「樊城に急行しろ。」

天蓋車に横たわったまま、魏王は命じた。

「関羽に会見する。」


【REVIEW】

■なにゆえ 我らは戦うか。

先週の関羽の問いが、今週の扉にも書かれていました。右端のキャッチコピーが良かったです。この“関羽の問い”とリンクしているように思えたので、転記しときますね。

−武に生きる者ども 
  今この世にありて、
  戦うより他に 相見(あいま)える理由もなし。−

『 誇り高き敵将と戦うとき、味方以上の親愛を感じることがある。』 関羽はそう徐晃に告げました。徐晃に対してだけでなく、曹仁や于禁やホウ悳や成可にも、関羽は親愛の情を抱いたのかもしれません。しかし、そこが戦場である限り、殺し合わねばならない。憎しみも恨みもないのに...。

それが、武に生きる者の宿命なのかもしれません。“武”という観念から見れば、戦いこそ武人が唯一自己を表現できる場であり、目の前に立ちはだかる敵を倒す事にこそ存在価値があるのかもしれません。武人にとって”宿敵”は”朋友”でもあり、誇り高き武人どうしが相見えるとすれば、それは戦場で戦う時しか有り得ない...。悲しく虚しい宿命であり、同時に、気高く孤高な宿命のような気がします。
では、“戦争”という観念からみればどうでしょう? なぜ、殺しあうのか...それは答えのでない究極の疑問という感じがしました。以下、この問いに対してもう少し考えてみます。

■なんと無意味で、高邁な問いかッ!

『 恨みも憎しみもない相手と殺しあう。なにゆえか。』
既に戦争を開始している当事者達にとって、これほど無意味な問いはありません。しかし、前述の通り、“戦争”という行為自体を考えるに当たり、確かにこれほど高邁で、答えのでない問いはないのかもしれません。

戦争を開始した指導者には、戦う理由について、それなりの答えがあるのかもしれません。しかし、実際に戦闘を行なう人達にとって、明確な答えはあるのでしょうか?
これって、戦地の兵士が抱く共通の疑問のような感じがしました。それは時代を超越したもののような気がします。 以前 管理人が見た戦争映画で、印象深い台詞がありました。ちょっと引用してみます。

場面は第一次世界大戦時、独仏戦争の最前線の戦地。次々と仲間を失った独軍兵士たちが、弾雨が降り注ぐ塹壕の中で、こんな罵り合いをしていました。(記憶が曖昧なので正確な引用ではありません。ご容赦下さい。)

「なぜ、殺し合わなければならないんだ。俺は奴らと会ったことさえないんだぞ。」
「戦争を始めた あいつらが悪いんだ。」
「あっちだってそう言うさ。いったい戦争の原因は何なんだ?」
「国と国との対立さ。」
「国と国! ドイツの山がフランスの平野に文句でも言ったのか!?」
「馬鹿! 国民同士の憎み合いだ。」
「なら俺には関係ない! 俺は誰も憎んではいねぇんだ!」

■「全軍、作戦完遂!!」

曹仁が関羽に槍を投げつけ、こう叫びました。この槍が、関羽と徐晃だけの“戦いの小宇宙”とも言える空間から、二人を戦場へと引き戻しました。一瞬にして二人とも裸体から鎧姿に戻ってましたね。先週の管理人の懸念は、曹仁の槍によって打ち払われました。良かったです。

さて、曹仁の目的は、“お前の流儀では戦わん”といいつつも知らぬ間に“関羽ワールド”に引き込まれてしまった徐晃を救うことにあった気がします。あのまま、あの小宇宙で剣を交わしていたら、徐晃は斬殺されていたのではないでしょうか。 そういう意味で、曹仁の上記の叫びは、『 個人の一騎討ちではなく、全軍の作戦完遂が我らの目的である。』 と告げたかったのかもしれません。

■「徐晃!すでにおまえの勝利だ。」

関羽と徐晃の戦いに割り込んだ形の曹仁は、続けて上記の台詞を叫びました。この台詞と先々週のラストシーンを考え合わせてみます。

「今、武を尽くすべきは、樊城の活路より、お前の活路だ。」
先々週、関羽はこう述べていました。 これに対して徐晃は、『 関羽は、全てを見抜いているのか 』 と呟いてましたが、つまり関羽は、『 徐晃は関羽を引きつける囮で、何か樊城を救う策が別にある 』 というのを見抜いた上で、あえて徐晃との戦いを選択したのではないでしょうか? ゆえに関羽は徐晃に向かって、『 今、お前は樊城の為に武を尽くしているのであろうが、俺と対峙した以上、あくまで自分の為に武を尽くせ。』 と告げたように思えてきました。

つまり、『今は、策を遂行することより、俺との戦いを優先せよ。』と、関羽は要請したのではないでしょうか。そしてそれが、関羽の“戦いの小宇宙”への誘(いざな)いだったような気がします。

それに対して、曹仁の上記の叫びは、徐晃を現実の世界に引き戻すものであり、『 徐晃の本来の目的は、関羽と戦うことではなく、樊城を蘇生させることであり、既にそれは成功しつつある 』ということを徐晃に知らせたかったのだと思います。
目を覚ませ徐晃!関羽を引き付けるというお前の役目は、既に成功しているのだ!すなわち、お前の勝利なのだ!というような...。

■「おうッ、皮一枚だ!心配ない。」

関羽が、徐晃に第2撃目を放った時、曹仁が関羽を剣で突き刺そうとしました。しかし、ガッという音がして、曹仁の剣は空を切りました。

これ、関羽が青龍刀で曹仁の剣を弾(はじ)いたのかと思いましたが、違ってたようです。関羽は曹仁の攻撃を避けると同時に、青龍刀の“柄の部分”で曹仁の脇腹を薙いだ模様です。(徐晃を攻撃していたので、刀身の部分で斬りつける余裕が無かったのですね。)

曹仁がそのまま駆け抜けたコマでは、関羽の青龍刀の柄の部分に、鎧の切れ端が付いてました。青龍刀の柄は、曹仁の脇腹を皮1枚分だけ斬り裂いたようです。もし関羽に刀身の部分で斬りつける余裕があれば、曹仁の胴は分断されていたのかもしれません。
それは下記台詞からも覗えます。

■やはり、途轍(とてつ)もなく強い!

戦線離脱に成功した二将が述懐していました。曹仁も徐晃も、勇猛果敢に関羽と一騎討ちを行なった訳ですが、戦闘を終了してみれば、関羽の途轍もない強さだけが印象に残ったのではないでしょうか。いざ冷静に振りかえってみれば、『よく生還できたものだ。』と怖気(おぞけ)が立つような思いがしたのかもしれず、一種の畏怖の念さえ持ったのかもしれません。もしかしたら、関羽が誇り高き武人に対して親愛の情を持つように、二将も関羽に対して崇拝の念さえ持ったのかも...。
なんたって後世にて“神”と崇められる男ですから。

そして、振りかえった二将は、関羽の顔に笑みが浮かんでいることに気付きました。二人は驚いていましたが、関羽は何ゆえ微笑んでいたのでしょう?

誇り高き武人と存分に剣を交えたことに対する「悔い無し」というような満足の笑みでしょうか?徐晃の作戦が成功しつつある事に対する「お見事!」というような称賛の笑みでしょうか。二将にまんまと戦線離脱されてしまったことに対する「やられた。」というような苦笑でしょうか。それとも、思わず“なにゆえ戦うか”などどいう問いを発してしまった事に対する失笑でしょうか?

■なにゆえ戦うか。そんなものは問うには及ばん。だが思わず問うた。なぜ問うた。

なぜ問うたのでしょう? 管理人も知りたいです。

関羽の心に何か変化が起きたのでしょうか? 鉄壁の武人に、何か迷いが生じたからでしょうか? それとも関羽が一段高みに昇った証拠なのでしょうか?

■兵家必争。 地には必ず争わなければならぬ所がある。

関羽の述懐に続き、曹操が登場しました。久々の登場です。上記の独白、関羽の問いに対する返答とまではいきませんが、微妙にリンクしてました。 関羽は“なぜ、戦わねばならないか”という疑問を抱いていたのに対し、曹操は“地には必ず争わなければならぬ所がある。”という前提から思考がスタートしてました。関羽のややネガティブとも言える思考に対し、曹操は思いっきりポジティブでした。

一連の曹操の思考の後に、曹操は天蓋車の中で目覚めてますから、ここ以降の幻想的シーンは昏倒中の曹操の脳内で繰り広げられたものと思われます。

■此処(ここ)、其処(そこ)、彼処(あそこ)、またあの彼方(かなた)もか。

“必ず争わなければならない地”は一箇所ではなく、あちこちにあるみたいです。そして馬上の曹操は、箱庭のように区切られた“必争の地”を眺めながら、「さて何処(いずこ)へ往くか。」と呟いていました。この箱庭みたいなやつは、<異界,増幅>の章で、長安にて魏臣が各地の叛乱を説明していたものと同じですね。

曹操が「さて、どこへ往くか。」と馬を進め、色々な箱庭を見下ろす訳ですが、そのシーンは“樊城ジオラマ”の時と同じく、実際の兵士たちを、曹操が俯瞰する形へと変化します。曹操は、桟道を進む蜀軍(張飛がいました)と、長江を進む呉軍(舳先に潘璋・蒋幹・謎武将がいました)を俯瞰してましたね。

そして馬上の曹操は、天から響く“遠雷”を耳にします。

■雲長よ。はたして お前は劉備のものか?

遠雷は彼方(かなた)の積乱雲からのものであり、そこには、義侠の武人・関雲長がいました。この、『 馬上の曹操が遠雷の音に振り返ると、入道雲が天高く聳え、そこに関羽の姿が。』ってシーン、なんとなく良かったです。

はたしてお前は、劉備のものか−。これは、“劉備のものではなく、この曹操のものではないのか”って意味でしょうか? あるいは“劉備のものではなく、完全に独立した一個の武人ではないのか”って意味なのでしょうか? 管理人的には後者のように思えました。

■「昏睡の中、摩陵に陣を張れと仰せられましたゆえ。」

覚醒した曹操に、司馬懿が慌てて答えていました。やはり天蓋車に乗っていたのは曹操でした。ちなみに摩陵というのは地名です。(正史には摩玻とありましたが。) 曹操は昏倒しながらも“摩陵に出陣しろ”と言ったので、天蓋車に乗せて進んでいた模様です。普通は昏倒したらそのまま洛陽で治療しそうなもんですが...。命令通りにしないと後が怖いので、とりあえず摩陵に進んだのでしょうか。

曹操が目覚めると、天蓋(傘)の裏側部分が見え、渡り鳥らしき姿が、その片隅に見えていましたが、何かを暗示させるような雰囲気でしたね。

■「樊城に急行しろ。 関羽に会見する。」

横たわったまま、魏王はそう命じました。自分の体のことより、とにかく関羽に会いたいみたいです。 ガバッと起きないところが、何か完全復調ではないような気もしますが、とりあえず意識が戻って何よりです。

ところで蒋済はどこ行ったんでしょう? っていうか「ありゃ、一体なんだ?」って言ってた夏侯惇御大はどこ行ったんでしょう?昏睡中の曹操を見て、どんな反応したのか、気になるところではあります。

No.12118 - 2005/07/17(Sun) 22:36:56

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 梢統 [関東]
雲長よ。はたして お前は劉備のものか?

これは、少し前にあった『関羽 神になる男』からでしょうか。
長坂の頃の、夏候惇が張飛を「天下 戦 武名はおろか主君すら無用のこの武」からも来ている気もしますが。
そろそろ陸遜達が、動いてもいいような…

No.12119 - 2005/07/18(Mon) 15:06:44

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 英英 [関東]
管理人様、今週もレビューありがとうございます!
今号はやっと殿が起きた〜ってことで大いに安心しましたが、戦闘・関さん・他の皆さんの場面もすごく好かったです。
心がざわめきます…

北門から出撃した曹仁軍(騎馬30)については、黒助さんの考察が大当たりでしたね!
関さんvs徐晃の2人の世界に、曹仁が槍を投げて割って入ったときの徐晃の驚きよう…「なぜ曹仁殿がここへ!?西門にいるはずでは!」と思っていそうです。
徐晃、よかったね。
生還できたのは、素晴らしい戦友たちのおかげだよ。将軍の危機に駆けつける兵のみんなにも感動。
それにしても曹仁の槍は、騎馬で水上を闊歩する関さんの術(?)を破ったこともあるし、とても頼もしいですね(笑)。


>関羽が誇り高き武人に対して親愛の情を持つように、二将も関羽に対して崇拝の念さえ持ったのかも...。

私も同感です。
たぶん、陸遜や司馬懿や曹丕ら新世代の人々は、侠など古臭いと冷やかに見るんでしょうけど…

ところで、曹仁のお馬さんが、微妙に関さんを怖がってるように見えたり(痛い思い出…チリチリ…)、「馬の足がなまった」とご主人に言われて憤慨してそうな感じが可愛いです。
一方関さんの馬は、今回はやけにおとなしい。


>「全軍!作戦完遂!!」

樊城蘇生大作戦の要:西門は成功でしょうね。
殷署に続いて朱蓋も斬られちゃいましたけど(おじさん!強いよ!)、樊城4000の歩兵はほぼ脱出に成功してるように見えます。曹泰が兵卒の退路を確保しつつ奮闘してるのが健気です。関羽軍の水軍は燃える船団に追われて、南門の方に撤退してますね。

もう一つの要:東門は、徐商が斬られちゃいましたよ。関羽軍って兵士も強いんだぁと感心しました。でも呂建・徐商どちらかでも樊城内に入らないと、作戦上まずい気がしますが…
馬上の満寵相手にがんばる歩兵の関平君、近づき過ぎて斬られないか心配です。味方の兵が加勢に来ないとこみると、大丈夫なのかな。前回に続いて2人ともカッコよすぎてずるいです。(特に満寵!)


>“劉備のものではなく、完全に独立した一個の武人ではないのか”

私もそんな気がします…。最後のコマの「会見する」って言い方が、一国の首長と対面するみたいに感じたので。
ただ、うん百人の関雲長の図は、武人というか神様のようです。
中華の版図を越え、時代を越えて、畏怖され崇拝される関帝聖君。
本物の関帝と、全国津々浦々の関帝廟で関帝の仕事を代行している神様'sの図みたい。
関さん自身は「我が大王命!」なのかもしれません。
けれど、関羽という存在はすでに劉備を超えて、万民のものであると表現されてるように感じました。

「雲長よ」と字で呼びかけてるのがツボでしたよ(*^-^*)
よかったね、殿。
起こしてくれたのが関さんで。
(孔明じゃなくて本当に良かったです〜)

蒼いキバ達はどうなったのかな…

No.12120 - 2005/07/18(Mon) 17:32:02

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 文月 [近畿]
ああ、なんと我ら女子供にとっては立ち読みするのが恥ずかしい冒頭2ページ…。
曹仁殿、ナイス横槍。

ついに、魏王・曹孟徳が8週ぶりに復活(?)ですね。
果たして、曹操は関羽に面会できるのか?
呂蒙や陸遜ら呉の諸将は今どうしているのか?
劉備軍本隊の動きは?
ついでに本物の夏侯惇と張遼の出番は?

樊城編もいよいよ大詰め、神になる男・関羽と魏・呉の武人達との戦いの結末が楽しみです。

しかし、関羽といい徐晃といい、蒼天での司州河東郡の出身者はなぜこうもすぐ脱ぎたがるのだろう…。

No.12121 - 2005/07/18(Mon) 17:36:16

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 楓林 [中国]
はじめまして。
蒼天航路は連載開始から読み続けていたのですが、このサイトのことを知ったのはつい最近です。
なんでもっと早くに見つけられなかったものでしょうか!

今週は戦場ジオラマを背景にした曹操と無数の関羽のコマが気になりました。
曹操があくまでも現世を舞台にした存在、地をゆくものであることを強調すると共に、関羽はすでに「理の内の存在」である曹操の中でさえ武神になりかけていることの暗示のような気もします。
曹操に額の目ができたのは、曹操の二つの目では見えないもの(孔明など)を見るための視力を獲得するためなのでしょうね。

みなさまの含蓄ある意見には比べるまでもない意見ですが、これにて。

No.12122 - 2005/07/18(Mon) 20:17:46

遠雷=遠来? / 悠月
はじめまして、三月程前からこのサイトを覗き見していた悠月という者です。
蒼天航路もいよいよ佳境という事で居ても立ってもいられなくなり書き込みをさせてもらった次第です。

「なぜ戦うか」

この台詞は問う意味もない、答えの無い問を自問する、関羽とは何者か。そんなシーンではないかと思います。劉備でもなく曹操でもなく、何故関羽が神として祭り上げられたかの答えなのでは?と私は思いました。
曹操が汎を称して「血の臭いの裏に大地の臭いが在る。」の様な事をと言っていた覚えがあります(思いっきり意訳ですが)。
青龍刀を振るう武の向うに本質を求めずにはいられない理がある。それが関羽なのかな?と思います。
戦いの中に理を求める関羽と、理を求めるが故に戦う曹操は似て非なるものなのかな、と。

さて関羽の問から曹操の幻視へと移るシーン、非常に巧いなぁと思いましたが曹操の「さて、、、何処へ往くか。」の台詞には「蒼天来週でもう終わり!?」との心配をしてしまいました(苦笑)

蒼天航路を読んでから三国志が好きになった私としては終わってほしくは無いのですが、、、、、、
一時期は情けない当て馬だった曹仁が気がついたら格好よくなっていたので、本編連載終了後、各武将のお話とかを描いてもらいたいです。

追記:管理人様、その映画の題名は覚えてらっしゃいますか?

No.12124 - 2005/07/19(Tue) 12:00:09

Re: 今週の蒼天<遠雷> / RYU [東海]
管理人さま、いつもありがとうございます。


 なにゆえ戦うか。
 そんなものは問うには及ばん。
 だが思わず問うた。
 なぜ問うた。


最近、回を追うごとに関羽が大きく成って行きますね。
「なにゆえ戦うのか。そんなものは問うには及ばん」という事は、
関羽は答えが分かっているのでしょうか?そんなニュアンスにも聞こえますよね。

しかし、それに対する答えが「人はいずれ死ぬ」から意味を問う必要がない=
「問うには及ばん」では重たすぎますよね。それゆえに、関羽はネガティブだ、
という管理人さまの言葉通りであるのでしょうけど、今までの関羽の視点では
それだけが唯一の答えであるのかも知れません。
思えば、最初の登場の時から若かりし頃から関羽はそんな言葉を発していました。
人が人である限り覆し難いこの言葉を、日常的に意識する人間が居るでしょうか?
関羽とは、膨大な問いがあるがままに自問自答され、自己完結した答えの在り処を
探究するため、天下で自己実現をするために戦いをしているのかも知れません。

>戦争を開始した指導者には、戦う理由について、それなりの答えがあるのかもしれません。しかし、実際に戦闘を行なう人達にとって、明確な答えはあるのでしょうか?
>これって、戦地の兵士が抱く共通の疑問のような感じがしました。それは時代を超越したもののような気がします。

答えは無いと思います。
誰か、戦争回避策なりシステムなりを提唱できる人でも居れば良いですが。

「政−領土・人民を統治すること。政治。政道」
しかし、将軍や参謀職にある家臣に対して、曹操が「政」の必要性を諭さんとしてきた事は正しいかな、とは思います。
やはり答えになっとりませんねw

>なんと無意味で、高邁な問いかッ!

面白そうな映画ですね。
「独仏戦争の最前線の戦地」の兵隊達の言葉も大局の中では無意味でしょう。
これは彼らの身分にある人間の本音でもあるのでしょうけど、
関羽のような司令官の立場から、こんな問いが出るのはどうなのでしょうか?
高邁とも言えるのでしょうし、義侠心だけでなく政の才があるからこそ出た言葉だとも言えますね。
張飛ならば「俺は一介の侠者だ」と言って、ただ敵を打ち砕く純粋な戦闘に集中しそうですからね。

今週の「なにゆえ戦うか」という言葉がどういう思慮から生まれたのか?
関羽とは、どんな視点に立っているのか分からない所もありますよね。
司令官・将軍・侠客のいずれとも断定できない。
その異彩ゆえに、「関帝聖君」蒼天の中では生ける神として描かれるのか。

しかし、関さんのネガティブさは、
全てを見通せるが故に強いというより、苦しみも伴うという感じですね。
しかし、「途轍(とてつ)もなく強い!」(笑

関さんが赤壁で龍を釣り上げた時にこのように言ってました。
「あの憤怒が発せられた源は 天下を我が身のように悶えのたうち想う
この人の心 ・・ すなわち 劉玄徳を 劉玄徳たらしめるものか」
これは、関羽にも当てはまると思うのですが・・。
だからこそ、今回の“戦いの小宇宙”問答があるのであり、官渡の百日に及ぶのたうち、
カクの戯れ言を見ての悶え(周瑜もそうでした)があるのではないでしょうか。
劉備は、「人はいずれ死ぬ」とかパクリでフォローしてましたけどw

>兵家必争。地には必ず争わなければならぬ所がある。

戦闘が起こる前は決戦回避を、
戦闘が起こった後は、勝利もしくは五分の勝ちで分けれれば良いと思いますね。
戦闘が始まる前に、勝てるだけの状況を作ってしまう戦略家も居たそうですが。

今回にしても、呉の外交戦略・魏の軍事戦略と政治的判断が勝因なのでしょうが、
それら軍事戦略上の勝利を呼び込むための大局的判断にも、
政の才は必要とされるのではないでしょうか。

“樊城蘇生作戦”見る限り、魏蜀の将らの個々の戦術も光りまくりですが(笑

>「関羽に会見する。」

曹操来ましたね。
やはり「王問答」でもするのでしょうか。
ポジティブな曹操は関さんを救えるのか。
これから楽しみです。

No.12126 - 2005/07/20(Wed) 04:53:27

Re: 今週の蒼天<遠雷> / Homicide
>関羽という存在はすでに劉備を超えて、万民のものであると表現されてるように感じました。

蒼天初期の頃から描かれていた「劉備が器、関羽が中身」というスタンスが、関羽の最期が近くなるに至るまで、一貫して描かれているように思います。
別の作品と比べるのもアレですが、関羽は中国では神でありながら、日本の既存の三国志作品では、関羽の存在は、あくまで劉備配下として描かれていたように、私見では感じます。
蒼天という作品は、日本で初めて、「何故、関羽が(劉備を超えて)中国で神にまで成り得たか」ということについて言及して描かれた劇画作品だと思います。

>張飛ならば「俺は一介の侠者だ」と言って、ただ敵を打ち砕く純粋な戦闘に集中しそうですからね。

徐晃の「わからんもんは考えんわ」もそうですが、彼らのこの姿勢、生き様も、曹操や関羽の「戦いと理を結びつけた問答」とはまた別の次元にて、崇高にして、リスペクトに値するものだと思います。
蒼天でのこういった「個々の描かれ方」は、本当に、読者を惹きつけて止まないものだと思います。

>曹仁殿、ナイス横槍

これまた従来の三国志作品では「負け役」「冷や飯食らい」のイメージが強い曹仁ですが、蒼天でも初期はそんな感じで、いわゆるダメキャラの部類だったと思うのですが、ここへ来て、素晴らしい味を出してきています。
今回の徐晃救出シーンは、蒼天という作品における曹仁の、最大の「ハイスポット(カッチョイイ場面)」ですね。つくづく、彼を成長させたとされる、周ユとの1年以上に亘る戦いを、観てみたかったものです。

ちなみに、勉強不足で申し訳ないのですが、樊城と摩陵の位置関係って、どうなってるのでしょう。今、曹操達は摩陵に向かっていたわけであり、樊城がそこから反対方向だったりしたら、司馬イも「そりゃないよ、キツイなぁ〜」ってところだと思うのですが。

No.12128 - 2005/07/20(Wed) 10:58:00

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 夏樹 [関東]
 こんにちは。
 管理人様の整理のおかげで、混沌とした戦局の中から理が浮かび上がってきますね。感謝です。

 今回の攻防で樊城戦、とりあえず一段落、そして新たな局面へ、と言ったところでしょうか。
 作戦上は徐晃の策はあたったようですが、4000の歩兵を救出するために5000の騎兵が窮地に陥ったり(いくら曹操軍は将がいなくとも動けると言っても)、将がばたばた斬られたり(今のところ関羽軍の将は誰もやられていませんし)、被害も甚大なようです。
 臭くなった樊城は、戦が終わった後でもう一度漢水に浸けて洗うとしますか。


 皆様おっしゃるような、関羽のとてつもない強さと純粋さ。これに接したとき、人は関羽の中に「神」を見たのかもしれません。

 曹操は問います、「雲長よ、はたしておまえは劉備のものか」。
 この台詞は、直接には劉備の「たまんねえ! あんたの名は、こうして聞くもんだったのか!」に対応しているように感じます。
また、かつて曹操が郭嘉に言った「めでたい話ではないか!俺の臣から王が誕生するのだ!」に通じるものも感じました。

 蒼天航路における「王」とは、すごく乱暴な言い方をすると「天下(人のみならず世のあり方そのもの)に規範を与える者」とも言えると思います。「王」が死ぬと「神」になると言うこともできるでしょう。もちろん、その規範のあり方は王それぞれなわけですが。
 上の台詞は、曹操・劉備ともに関羽を王として感じていることを表すものではないでしょうか。


 >鳳卵さん
 やはり魏王閣下の妄想の中での関羽は露出度高いですね。


 ところで、楓林さんしか触れていらっしゃらないのですが、個人的には魏王の三目にはかなり違和感を感じました。この表現は、今までの蒼天に何の伏線も無かったように思います。
 ここにきてこのようなものが出てきたということは、今後、曹操の死を描くキーとなるような重要な表現となるのでしょうか。
 とても気になるところです。

No.12129 - 2005/07/20(Wed) 15:18:19

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 黒助 [関東]
先週盛り上がった幻想的表現、管理人様が仰る通り行き過ぎることなく非常に巧い描写となりましたね。
関羽の純粋高潔な姿勢にとうとう徐晃がひきずりこまれ、作戦としての陽動を忘れて関羽流儀の本気の一騎打ちに真正面から挑みかけてしまう描写としても。
その徐晃を曹仁が必死で魏将としての現実、そして「生還の活路」へと引き戻す描写としても。

「全軍、作戦完遂!!」
「徐晃!すでにおまえの勝利だ。」

このセリフ簡潔ですが、個人的には非常に熱いものを感じました。
以前一騎打ちに挑む際の徐晃の決意を私は、
「この一騎打ちは(関羽を討ち取るためのものではなく)他の策との連動が成功するまで長引かせればわしの勝ちじゃ!」
といった具合に想像しましたが、管理人様の考察にある通り、上の戦場での短いセリフにはその決意に対する曹仁の
「徐晃!おまえの決意、全て分かっている!作戦は全てなり、そして俺が来た!そう、おまえの勝ちだ!だから無駄に命を懸けるな!生き延びよ!!」
という思いが溢れているような気がします。
武神関羽に対するこの二人の魏将の誇り高き戦いっぷり、その描写、とても良かったです。
関羽ならずとも親愛と敬意を強く感じます。

>さて関羽の問から曹操の幻視へと移るシーン、非常に巧いなぁと思いました

これ、私も思いました。
「なぜ問うた?」
「雲長よ、はたしておまえは劉備のものか?」
二人が発したこの二つの問い、悠月さんが仰る通り関羽の神化の契機になる気がします。

「なにゆえ戦うのか?」−実際に戦闘を行う一人の人間の立場からのこの問いに関する管理人様の考察、非常に面白かったです。
ただ、関羽は一戦闘員ではなく蜀の将であり、劉備の片腕です(色んな意見があると思いますが私の目にはここまでの関羽はあくまでこの立場に徹しきっていたように思います)。
その立場からしたら徐晃が感じ関羽自身も自問したとおり「問うに及ばん」はずです(RYUさんの仰る通りです)。
それでも思わず問うた…

完全に個人的な短絡的妄想ですが、劉備の嚢の中身として「侠の武」に徹し続け、敬意に値する強敵と戦い続ける中で、今まさに関羽はこれまでの自らの立場を超え、敵味方無く「いずれ死ぬ」までを誇り高く戦うものたち全てへ等しく親愛を注ぎ、彼らからは敬意を受ける境地、立場へと昇華しつつあるのではないでしょうか。
だからこそ関羽のこの問いに曹操の問いを続けさせた気がします。
この境地−まさに「武の神」です。

>ガバッと起きないところが、何か完全復調ではないような気も

そうなんですよね。関羽だけでなく曹操に関する幻想表現も非常に示唆を含んでいるような気もします。
あのジオラマと三目の世界、あれは曹操の心の世界でしょう。
澄み切った第三の目で全てを見通し、自在にどこへでも行くことが出来る曹操。ますます自由になっていく心…
その心とは対照に動かなくなりつつある体…

ああ、切ない。文月さんの危惧するとおり関羽との会見は間に合うのでしょうか?
それとも陸遜たちの動きが早いのか…

ところで以前曹操が倒れた回で不意に空に曹操の後ろ姿が天に映し出されたシーンに「もしやこのまま天に召される…?」と余計な危惧をしていましたが、あれは今回の曹操の心中への旅の示唆だったんですね。
安心するともに細かい描写に意味を持たせる妙技に脱帽です。

No.12131 - 2005/07/20(Wed) 22:29:43

Re: 今週の蒼天<遠雷> / 鳳卵 [東北]
 今回は随分早めのUPでしたね。僕は完全に出遅れてしまいました。

 関羽の問いに関してですが、なんだかこんなことを書くと怒られそうですが、「随分青臭い問いだな」という印象がありました。

 そのことは関羽自身もわかっていて、それが「そんなことは問うに及ばぬ」という言葉になったものと思います。

 こういう、ある意味青臭い問いを、還暦を過ぎたハズの歴戦の武将が口にするところが、なんともアンバランスというか、深い印象を与えるのでしょうね。

 赤壁前の孫権もそうでしたが、こういう“今更”なことを改めて真正面から問い直すことができるところが、蒼天の登場人物たちのスゴイところだと思います。

 徐晃にしても「我らはなぜ戦うのか」と聞かれて、「お前の方から攻めかかって来てるんだろ!?」というツッコミに走らず(笑)、「なんと無意味で高邁な問いか」なんて受けてしまっているところは、知らず知らず関羽の流儀に付き合ってしまっているようです。

 さて、ようやく曹操が目覚めましたが、作品の中で曹操と関羽の会見は実現するのでしょうか。正史に準じるとすれば、それはちょっと難しそうですが、でもそれくらいの融通はこれまでも利いてる部分もあるし…

 ぜひとも、この2人には生きているうちにもう一度出会って欲しいものと思います。

 しかし、曹操の方はもう、半分異世界の人になってしまっているような気もしますが…

 ところで、“摩陵”というのは、正史に出てくる“摩陂”と同じ場所なんでしょうかね。もしそうだとすると、樊城のすぐ手前のハズです。樊城の包囲が解けた後、魏王がここに駐留したと、正史にあります。

No.12132 - 2005/07/21(Thu) 00:17:15

Re: 今週の蒼天<遠雷> / つね [関東]
また今週号読んでしまってからの感想です。
どうもペースくずしてしまってます。

1.無意味で高邁な問い
2.空からの幻想
3.曹操の覚醒

幻想シーンと現実シーンが明確に分かれていれば問題ありません。赤壁のときは幻想シーンが実際に起こっていたように描かれてましたからね。今回は樊城戦に一段落をつけるのと、樊城戦から摩陵の曹操までの場面展開とに一役買っていました。

ところで曹操の三つ目ですが、手塚治虫先生の「三つ目がとおる」は読んだことがありませんが、中国ものではときどき異常能力の象徴として描かれているような気がします。「封神演義」の聞仲(ジャンプの漫画でもそうでしたが)やタイトル忘れましたが河惣マスミ先生の中国ものでも天帝が三つ目を持っていました。神眼だったような気もします。そうか曹操も天仙界の人になろうとしているんだ・・・。最後のシーンなんか荀攸の葬儀を思わせたし。縁起でもない。

そろそろ劉備の長安侵攻なんか見てみたいですね。正史では伝えられてないだけに興味あります。

No.12134 - 2005/07/22(Fri) 00:46:35

Re: 今週の蒼天<遠雷> / RYU [東海]
2回目の投稿すいません。

Homicideさん
>「個々の描かれ方」

説得力があると思います。

演義の劉備は、アドリブが上手いだけの善良な若者。
そんな人が天下を盗る話もそれはそれで面白いのでしょうけど、
関羽・張飛のような侠客の猛者達や趙雲・馬超のような武闘派の将軍達、
諸葛亮・ホウ統・法正のような強力なインテリ達が付いて来る理由が、
読者として見出せないです。

上手く言えなくてすいませんw

夏樹さん
>曹操・劉備ともに関羽を王として感じている

関羽は、その豪気さ・プライドの高さのために士大夫には不評(蒼天では、侠客の実力者達を集めるだけの人望を持ってますけど)ではありましたが、弱者に寛容で優しかったので兵卒らには尊敬されたそうですね。それは、夏樹さんの「天下(人のみならず世のあり方そのもの)に規範を与える者」と一致する所だと思います。

ですので、蒼天の「王」とは、民草から支持されるとか信頼関係が作れる、といった資質も見られる気がします。
劉備にとってはそれが原動力である訳ですし、
曹操の場合は、自身のコメント通り「人を治めつつ 人を顧みぬ者」というやり方ではありますが、青州兵との強い信頼関係もそんな気がします。やたらと目つきの鋭い民草ですけど(^^;

黒助さん
>誇り高く戦うものたち全てへ等しく親愛を注ぎ

誇りと実力を兼ね備えた相手だったからこそ、関羽が親愛の情を持ったのであり、対話があったのだと思います。
もしそうでなかったら、「ただ打ち砕く」方針に変えたんじゃないかと僕は勝手に思ってます。


まあ、「唯才」という観点もありますので、名分に強く固執する必要はないんでしょうけど。

>「武の神」
文月さん
>神になる男

関羽自身が、こんな破格のアイデンティティーを自覚しているとはちょっと考えれませんが、周囲からこんな評価をされるのも凄いですよねw

自称神の張角のコメントに対して「佞言 絶つべし」とやりましたし、関羽は武人としての頂点は自負していたとしても、神という自己認識は無い気がします。

鳳卵さん

>ある意味青臭い問い

若気の至りですよ(爆

いえ、失礼しましたw あの問いは青臭いという御意見も分かる気がします。

>「我らはなぜ戦うのか」と聞かれて、「お前の方から攻めかかって来てるんだろ!?」というツッコミに走らず

徐晃「脱がせといて、マジ話かよっ!!(兄貴・・)」
とか言って欲しかったですよね。
それに対して、雲長兄ィはどう答えるかw
「お、弟よ・・。お、おとうと・・の(以下自粛」

No.12135 - 2005/07/22(Fri) 03:14:56

Re: 今週の蒼天<遠雷> / いっちい
個人的には、正史にある?、曹操が絶賛したという、陽動し、関羽本隊を破り、そのまま包囲を突破する徐晃が見たかったような・・・

蒼天をよんで、うかつにも初めて、劉邦と劉備の驚くべき共通点にびっくりです。関羽北上、漢中からの出撃意図、全土争乱いずれも、劉邦が見事成功させた戦略を踏襲する非常に類似した戦略だったのですね。何故、失敗したんだろう。項羽より曹操の方が圧倒的に治世に優れていたから?孫呉の存在かな?なんていっても二項対立ではなく、中華初の三項対立ですからね。

それにしても蒼天関羽、もうひとりの主人公として相応しいかっこよさですね。

No.12141 - 2005/07/25(Mon) 06:07:08

Re: 今週の蒼天<遠雷> / TATSU@管理人 [関東]
>管理人様、その映画の題名は覚えてらっしゃいますか?

おっと、質問がでてたのですね。
「西部戦線異常なし」という洋画でした。かなり昔の作品ですよ。確かモノクロ映画だったような気が...。

No.12142 - 2005/07/26(Tue) 20:15:16
蒼天三十四巻!! / およそ7千の夜を経た信義五色 [近畿]
どうも。コミック派の信義五色です。
とうとう発売された34巻。このペースなら完結は37巻か8巻、もしかしたら40巻までいくのでしょうか?
この巻のうち、最もしびれたのが376話「万の夜に残る星」
の「万余の夜を経〜」のくだり。
最初見たときはちょっとサバ読んで大げさにいってるのだろうなぁ。と思ったのですが、フト考えてみれば、劉備と曹操は黄巾の乱に集ってからゆうに三十年を超えている。一万の夜なんて余裕で突破してるんですねぇ…改めて、三国志の壮大さを思い知らされたセリフです。

No.12136 - 2005/07/22(Fri) 20:57:49

Re: 蒼天三十四巻!! / 灌朗 [地球外]
なんか、34巻の207ページに誤植(?)がありますね。
集結が終結になってます。
まぁ、だからどうと言うことでもないんですが。。

それと、巻末のおまけ(?)は面白かったです。

No.12137 - 2005/07/23(Sat) 11:57:24

Re: 蒼天三十四巻!! / youkey [関東]
皆さんこんにちは。TATSUさんご無沙汰です。
長年単行本派を貫き、なおかつ最近に至ってはもっぱらROM派にもなってしまっているyoukeyです。

久々に出た新刊、思えば個人的な好みとしては、張遼以外で唯一ほれ込んでいる武人、関さんの晴れ舞台がいよいよ始まりました。

かつて曹操は、呂布を滅ぼした際に「これからは軍師の時代だ!」という言葉を残していましたが、最近の大きなヤマ場に向かう中で特に感じることがあります。
それは、“軍師の時代”の到来を示唆していた曹操自身が、他でもない“個の巨大な武”というものに対して、熱い想いを抱いているように感じるのです。
合肥にて、張遼も曹操の姿にまぎれもない“武人”の姿を重ねていましたが、あれ以降、よりいっそう曹操が“武”というものを熱望している姿勢が強くなっていると感じるのはわたしだけでしょうか?
もちろん、曹操という人がいう“武”というものには、さまざまな要素と意味が込められているとも思いますが、考えてみれば、20代そこそこだった頃の曹操の姿は、それこそまぎれもない純粋無垢なひとりの“武人”であったはずです。

そんな想いをたぎらせている曹操と、“最後の光”を強く放ち始めた関さんとで、直接“個の武”をもって語り合う姿が見てみたいと思いました。

No.12138 - 2005/07/23(Sat) 13:53:20

Re: 蒼天三十四巻!! / 競輪王 [近畿]
 かつてこのサイトで論争を巻き起こしていた「成何」問題は、単行本では「成公何」に改名するという、もっとも傷口が浅くて済む解決策をとったようですね。

 ただ、「セイコウカ」って語呂が悪い……。

No.12139 - 2005/07/23(Sat) 14:47:07

Re: 蒼天三十四巻!! / 閻魔の弟子 [関東]
昨日私も購入して参りました〜。

34巻といえば相当の長編ものになったもので、作者にはただただ感謝ですが、巻末のコメントには普段伺えない内情が垣間見えまして、定価以上に得をした気分です。

三国志漫画家ってレッテルをはられてしまうなんて事を気にしているとは、思いもかけぬ内情でした。
すばらしい作品を長く続けているのですから、もっと誇りを持っていつまでも続けて欲しいものです。

それでもフィナーレは、刻一刻と確実に近づいているようです。

No.12140 - 2005/07/23(Sat) 23:53:07
キリイラ、やっと完成 / TATSU@管理人 [関東]
Dr.Nさん、大変長らくお待たせしました。リクエストの陸遜、完成しましたのでUPさせて頂きます。 TOPと描画考MY GALlERYに飾ってありますのでお好きな方をお持ち帰り下さい。

という訳で、2ヶ月半の長きにわたりTOPを飾って頂いた曹仁将軍ともお別れです。ちょっと名残惜しいです。さて、残りのリクエストは、諸葛兄弟と太子・曹丕ですね。頑張ります。
蒼天が休載になれば、レビューの時間をキリイラに振り替える事ができるんで、一気に書けそうなんですがね〜(笑)。

No.12125 - 2005/07/19(Tue) 23:49:41

Re: キリイラ、やっと完成 / 英英 [関東]
こんにちはー!
TOPの陸遜すごくかっこいいですね♪♪
見下ろし角度がなんとも言えません(*^-^*)
私は、たぶん固まっているうちに斬られてしまうでしょう。

それになんとも目元が涼しげです。
いや、全体の雰囲気かな。
呂蒙じゃなくても、上品だ!二枚目だ!くそ〜…って思うでしょうね。

>さて、残りのリクエストは、諸葛兄弟と太子・曹丕ですね。

とっても楽しみです。実はちょっと怖くもあります。
…諸葛兄弟の怪談(笑)…いえ、会談が。
連日暑いですが、頑張ってくださいませ〜。

No.12133 - 2005/07/21(Thu) 15:26:04
董卓の人物考 / 名無しさん
人物考BBSに入れませんのでこちらで。ついでに既出かもしれませんが。

>董卓が張譲と洛陽郊外で会った時の台詞が凄いです。
>(中略)何で男根の傷跡を人目に晒す必要があるのでしょう?

張譲は宦官です。宦官になるには去勢されなければならず、去勢=恥辱と考える向きもあり、周辺からは「唾棄すべき不快な存在」として忌み嫌われていました。そう思われてでも宦官になる理由はコネが無くても栄達への可能性が開けるためであり、上手く立ち回って権力を手にした宦官のやる事は大抵「目に余る」行為であったことも社会的な評価を低くする原因でした。つまり、宦官である事=恥であり、去勢の痕を晒せば「この男は宦官であった事」を知らしめることになるわけです。

No.12130 - 2005/07/20(Wed) 18:15:44
今週の蒼天<戦イノムコウ> / TATSU@管理人 [関東]
なんと今週はモーニングの最後尾に載ってましたね。管理人の記憶にある範囲では、一番最後になったのは初めてです。ちょっとビックリです。 最終回が近づいてきて、あんま人気なくなってきちゃったんでしょうかね。それとも編集部のほうで、何か意図があってこのポジションになったんでしょうか? っていうか、そもそも掲載の位置って何によって決められるんでしょう?

以前書き込みがあったのですが、『蒼天航路はアンケートの時点ではそれほど人気は高くないが、単行本になると売れ行きは好調 』 なんだそうです。そうなると、あんまり掲載位置に一喜一憂してもしょうがないのかもしれません。

さて、今週の蒼天ですが、正直言いまして『 最後の2コマ 』 を除いては良かったです。というか、最後の2コマ見て、なんかこうヤバイものを感じました。単なる杞憂に終わればいいんですが...。 という訳で、一抹の不安を覚えつつ、今週のレビュー開始させて頂きます。

No.12099 - 2005/07/11(Mon) 22:44:12

今週の蒼天<戦イノムコウ> / TATSU@管理人 [関東]
【STORY】

西門包囲陣−。

夏侯惇と張遼に扮した殷署と朱蓋が包囲陣に突入した。著名な二将軍の出現に、蜀軍に戦慄が走った
趙累は、敵の狙いが西門にある事を確信したものの、夏侯惇と張遼ほどの将が、二枚並べて用兵されている事に疑問を抱いていた。

***************

漢水−。

魏艦隊が、陸地を駆ける殷署と朱蓋軍と併走。旗艦の趙儼は二軍を見つめ満足そうに微笑んだ。魏軍5千を率いるだけあって二将の突撃力は見事であった。
包囲陣を突き抜け、みるみる西門へ近づくニ軍。趙儼は徐晃の策を為遂(なしと)げるべく、艦隊を全速力で航行させ、同時に鼓を打ち鳴らすよう命じた。

***************

樊城内 西門−。

曹泰が、騎馬隊20騎と歩兵4千を待機させていた。曹泰は、先鋒の騎兵が楔を打ち込む形で突撃した所に、歩兵を錐行の連形にて突入させようとしていた。曹泰の率いる城兵は、包囲陣を打ち払いつつ、趙儼軍の船団まで突っ切ろうと画策していたのである。
その時、曹泰は城外から打ち鳴らされる鼓の音を聞いた。

***************

樊城内 東門−。

満寵も鼓の音を確認していた。満寵騎馬隊50騎は、『 樊城蘇生軍 』 を出迎えるべく東門から討って出ようとしていた。

***************

樊城内 北門−。

曹仁の耳にも鼓の音が届いていた。騎馬隊30騎を整列させ、曹仁は『 大矢の策 』 を反芻していた。
西門より樊城全兵を脱出させ、東門より新兵と兵糧を入場させる−。
鼓の連打は、“樊城を蘇らせる合図”でもあった。

* **************

西門包囲陣−。

殷署と朱蓋の2軍は、城兵脱出の露払いとなるべく敵陣を切り裂いていた。
夏侯惇に扮した殷署は、眼帯ひとつで己の武が何倍にも上乗せされたような気がしていた。また、朱蓋の軍も面白いように敵陣を崩していた。

ふいに趙累が殷署の前に立ち塞がった。
「虎の威を借る狐であろうが!」
そう叫ぶと趙累は殷署を一刀両断にした。
「見よ!こやつらは偽者じゃ!」
叫ぶ趙累。その時、蜀の兵卒が、樊城より敵兵が突出して来たことを叫んだ。

* **************

樊城西門−。

群がり出る城兵。曹泰は剣を翳(かざ)して叫んだ。
「生きのびよ。生還こそが勝利だ!」

***************

漢水−。

魏軍艦隊が一斉に接岸。弩を構える艦兵に趙儼は号令した。
「援護せい!」

***************

樊城東門−。

城門が開き、満寵軍も突撃を開始した。
立ちはだかる関平軍。その関平に対し、満寵は無言で剣を振り下ろした。

すかさず矛で受け止めた関平に、満寵はもう一方の手で攻撃を加えた。満寵は二刀を操っており、息もつかせぬ連打に関平は防戦一方となっていた。

その時、関平の背後に魏の二軍が出現していた。呂建と徐商の軍であり、二軍は関平軍を突っ切って城内へ突入するべく猛進を開始した。

満寵が関平に告げた。
「今日はお前が敗れる番だ。」

****************

北門包囲陣−。

関羽は馬に乗るよう徐晃に促していた。だが、関羽の流儀につき合うことを嫌う徐晃は、それを拒否した。

「誇り高き敵将と戦う時、」
そう告げながら関羽は下馬した。
「味方以上の親愛を感じる時がある。」
関羽は、徐晃に憎しみも恨みも感じてはいなかった。
「なにゆえ我らは戦うのであろうな。」

その問いと共に、関羽は徐晃に向かって突撃を開始した。


【REVIEW】

■戦イノムコウ

このタイトル... 「夜空ノムコウ」からきてるんでしょうか?  蒼天のタイトルって結構味わいがあって好きなんですが、これは如何なものでしょうか。 「夏侯淵☆妙才」の時以上に違和感を覚えました。マジでSMAP?

■やはり敵の目当てはこの西門!

炎上船団の火攻に続き、夏侯惇・張遼を名乗る軍団の出現に、趙累はこう確信してました。

しかし、殷署と朱蓋が大ゴマになるのは今回が初めてですが、実際のところ 夏侯惇と張遼に似てました。似てたどころじゃありません。殷署の最初の1コマなんか本物かと思いました。朱蓋は若い頃の張遼に似てました。合肥では、李典や温恢が無理矢理な変装してましたが、それに比べれば朱蓋の成りきりは見事です。呉蘭や雷銅にも勝ってます(笑)。

さて、西門に現れた夏侯惇と張遼。趙累は“二枚並べて使う武将ではあるまい!”と疑惑を感じていました。夏侯惇や張遼ぐらいの大物ですと、魏の方面司令官クラスですから、二人並んで敵軍に飛び込んでくるなんて不自然、という事でしょうか。鋭い読みです。でも、濡須では夏侯惇と曹仁が並んで使われていましたが...。

■徐晃の策を為遂(しと)げにかかるぞ!

こう独白した趙儼が、艦隊を全速で前進させ、同時に樊城に合図を送りました。それは“三鼓の連打”でした。

この連打がおそらく“李典弩に書かれた作戦の開始”を告げるものなんでしょうね。この後、場面は 西門(曹泰)→東門(満寵)→北門(曹仁)と目まぐるしく移る訳ですが、ここで大矢の策(一部は徐晃が不眠で考えた策)について、整理させて頂きます。

1.徐晃軍が北包囲陣を攻撃。包囲陣を北側に引き付ける。
2.趙儼艦隊が西包囲陣の艦隊を火攻。
3.夏侯惇・張遼軍に扮した殷署・朱蓋軍が西包囲陣に突入。
4.西門から曹泰軍(騎馬20・歩兵4,000)が脱出。接岸した趙儼艦隊が援護射撃。趙儼艦隊は、西包囲陣を突っ切って来る曹泰軍を収容。
5. 西門から満寵軍(騎馬50)が突出。西門包囲陣を引き付け、呂建・徐商軍を城内に迎え入れる。
6. 北門から曹仁軍(騎馬30)が出陣。

というものでした。6についてはまだ実行されていませんでしたが、既に突撃態勢に移ってました。
さて、この作戦の要(かなめ)は4と5ですね。曹仁が言ってましたが、本作戦は、『 西門から樊城全兵を脱出させ、東門から新兵と兵糧を入城 』 させるというものでした。簡単に言えば“城兵入れ替え作戦”ですね。三鼓の連打は“城兵収容”と“新兵入場”の準備が完了したことを知らせるものでした。

なるほど〜。面白い作戦です。 
徐晃・趙儼軍が到着した時点で、樊城が陥落するのは時間の問題でした。だが、簡単には包囲陣を潰滅させることはできない。しかし城兵を救出するだけでは城が敵の手中に陥ちてしまう。だったら樊城自体を強化してしまえ。というのがこの作戦の意図みたいです。言わば“樊城蘇生作戦”ですね。なかなか意表を付く作戦かもしれません。

■「見よ!こやつらは偽者じゃ!」

殷署を斬り捨て趙累が叫んでいました。
眼帯しただけで夏侯惇に成った気分になり盛りあがってたみたいですが、あっけなく殺られてしまいました。趙累が強いのか、殷署が弱いのか...。ちなみに趙累が殷署を偽者と断定したのは、あまりにも弱いから、ではなく 外れた眼帯の左目が開いていたからですね。
考えてみれば、趙累は殷署の左側から斬り付けていました。もし眼帯をしていなければ、もっと早く気付いて防戦できたかもしれません。殷署の武を何倍にも上乗せした眼帯は、同時に殷署の死を早めたとしたら、皮肉な結果と言えますね。

■「生きのびよ!各個の生還こそが勝利だ!」

西門から飛び出た曹泰が号令していました。関羽ルールによれば、『 兵の半分を殺せば蜀軍の勝ち。関羽を殺せば魏軍の勝ち。 』 でしたよね。そうなると、城兵が脱出してしまうとどうなるのでしょう? 全員逃亡して居なくなったので蜀軍の勝ち。という事にはならないでしょうね。でも、全員逃亡して生き延びたから魏軍の勝ち。とも言えないような気がします。やはり、関羽ルール的にはまだ判定はつかず、というのが妥当かもしれません。新しく入城した新兵を半分殺せば蜀軍の勝ち、ってとこでしょうか。ですが、活きのいい新兵を今から攻め直して半数にするのはもう不可能でしょうから、旧兵が脱出し新兵が入城した時点で、事実上の魏軍の勝ちなのかもしれません。

■ニ刀!

東門で、満寵と関平は再び相見(あいまみ)えました。
次回も名乗らんと宣言し、本腰の一撃が俺の挨拶と豪語していた満寵は、約束通り 無言で渾身の一撃を放ちました。すかさず関平は受けとめていましたが。
でも百戦錬磨の満寵の攻撃は、本腰の一撃を放つだけで終わることはありませんでした。右手で一撃を加えた満寵は、続けて左手で第二撃。更に三撃、四撃と両腕で絶え間ない打撃を繰り出しました。満寵、なんと二刀使いだったのですね。前回はのっけから矛を叩き折られ、およよよ なんて呟き、防戦一方でしたが、今回は違いました。まさに真剣そのものでしたね。まあ、前回は子供呼ばわりされてた関平的にも、満寵の“渾身の連続攻撃”は嬉しそうでしたが。

■「突入―ッ!」

満寵軍(軍というより隊ですが)を迎え撃つ関平軍の背後から、呂建・徐商軍が突っ込んできました。荷駄隊もいましたから、このまま関平軍を突っ切り、城内になだれ込む模様です。これが成功すれば、城兵の入れ替えが完了する訳ですね。で、兵糧も万全となる訳です。お見事です。
ただ難点を言えば、樊城が臭くなりそうな事です(笑)

■「なにゆえ われらは戦うのであろうな。」

誇り高き敵将と戦う時、関羽は味方以上の親愛を感じることがあるそうです。そこには、憎しみも恨みもなく、敬愛の念があるのみ。−なのになぜ、俺達は戦うのであろうか。−
関羽は、疑問とも感想とも、嘆きとも喜びともつかぬ台詞を口にして、歩を進めました。

ふいに、その鎧は乱戦を掻い潜ってきたかのようにボロボロになります。いや、実際、関羽は曹仁や于禁やホウ悳や徐晃との猛戦を経てきたのですから、鎧がこれくらいになっていても不思議はありません。むしろ今までの瑕ひとつない鎧姿が不自然だったのかもしれません。今まで関羽の凄まじいまでの“気”が、平然とした姿を保っていたのかもしれず、もしくは、その神の如き“気”が、廻りの人をして関羽を平然とした姿に見せていたのかもしれません。
それが、今回、何かがきっかけとなり、関羽の“真の姿”が現れたのではないでしょうか?

■「徐晃よ。」

関羽がこう語りかけ突撃を開始し、徐晃が立ち尽くしていました。

....正直言って、この2コマ、軽く引きました。 その前の関羽の鎧が突然ボロボロになるのは、“象徴的且つ幻想的”ということで、それなりに良かったのですが、この、『 関羽の鎧が肉体に吸収され裸体となり、徐晃まで鎧が引き千切られ半裸になる 』 っていうのは、如何なものでしょう? っていうか、訳わかりませんでした。
管理人の頭をよぎったのは、赤壁のラストの孔明の姿です。あの時も、突然、感極まった孔明の肉体が膨張し、服が千切れ、全裸もどきになってましたよね。 今回も、話の収拾がつけにくくなり“捨て鉢の描写”になっちゃった訳じゃないですよねー。

もう少し言わせて頂ければ、今週のストーリー、管理人の好きな “戦術を交えた戦闘シーン”が展開され非常に満足だったのですが、一方、あまりにも気忙(きぜわ)しく場面が切り替わり、コマ割も全体的に小さく、折角の“徐晃の策”が無理矢理1話に詰め込まれた感じも受けました。 今回の戦闘は2話ぐらいかけてやったほうが、作戦の流れも分かり易く、戦闘も迫力あるものになったような気がします。 前哨戦が詳細だった割に、本戦が駆け足で進んでいる感が否めません。

大きなお世話を承知の上で、敢えて言わせて頂きます。 ここらへんでちょっと休載入れて、じっくり構想を練り直し、リフレッシュして再開したほうが、より良いフィナーレに繋がるような気もするのですが...。

No.12100 - 2005/07/11(Mon) 22:53:21

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / ブ王 [関東]
いつも詳しいレヴュー有り難うございます。
さて、毎度中身の無い書き込みしか出来ませんので、一つだけ。

関平の馬を斬った満寵は、そのまま関平に向かいましたが、親父さんは馬を捨てた徐晃と同じ立場に立って馬から降りて対峙しました。此の対比が魏(合理的)と蜀(というより侠=理外)の武将の違いという感じで面白かったです。関羽の死に直結する行動なんでしょうか?

No.12101 - 2005/07/11(Mon) 23:51:02

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / hubble
管理人さん、いつもいつも楽しみにしております。
僕は、今週の最後の2ページ、めちゃくちゃカッコよかったデス。
蒼天のすばらしさは、リアリスティックで多角的な、文献のサンプリングによる物語の重厚な構成方法と、一方で、ゴンタ先生の、リアルを超越し、正攻法の物語の枠組みから暴力的にハミ出る芸術性にあると、思っております。
関さんの鎧=肉体化は、ゴンタさんの感受性の遊びだと思います。
ところどころ、蒼天はこうした美的遊びがありますよね。さすがに関さんは妖術は発動させないでしょうし(笑)

No.12102 - 2005/07/12(Tue) 00:12:55

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 黒助 [関東]
>さて、この作戦の要(かなめ)は4と5ですね。

まさに。敵主力を陽動で引き付けておいて城内の兵の脱出を図り、同時に反対方向からは伏兵を城内へ−これ程の多方面同時多発的連動にさすがに敵は対応しきれないでしょう。
とくに散々陽動させて後、城内兵が総脱出し始めれば「これか!本作戦の意図は!」と私なら絶対思う気がします。その隙に関羽への怖れの無い兵を城内に入れてしまおうとは…。
よく考えられてます。徐晃さすが!

>「見よ!こやつらは偽者じゃ!」

関羽の信頼を受けている趙累、さすがに偽者による陽動を見抜き最も効率よく偽者であることを証明して見せましたね。
ただ、魏の側からすると二人の陽動は単に蜀兵をびびらせるのみでなく、偽者に敵将を引き付けるところまでも含まれていたんではないでしょうか。
趙累が偽者を証明して見せるため西門と水軍を結ぶ線から外れたと同時に脱出作戦が発動してました。う〜ん、相変わらず魏の策は二重三重です。

>6についてはまだ実行されていませんでしたが、既に突撃態勢に移ってました。

この動きは曹仁の独断である気がします。
というのも管理人様ご指摘の通り作戦の要は4と5で、本来なら当然そのどちらかを曹仁が指揮することになるはずだと思うからです。
思うに前号で自ら曹泰に任せた西門が曹仁本来の担当だったんではないでしょうか。
そもそも矢が城内に打ち込まれた時点では関羽の陽動を徐晃自らの一騎打ちによってなす予定はなかったわけで、徐晃の作戦の内、北門での行動は矢には記されていないはず。
城内にいながらその辺りの徐晃の呼吸の際を見事に読み切り、北門徐晃の支援も必要であると自ら兵を一部北門にさくという曹仁の判断がこの作戦6なんではないでしょうか。
だとすると、さすが歴戦の二人の魏将らしい柔軟性に満ち、かつ連動した動きです。
その場その場での絶妙な連動が各人の独断でなされる−魏の強さの真髄を見た思いです。
この曹仁の動き、関羽との一騎打ちがのっぴきならぬ状況になっている徐晃にとって生還の「活路」となってくれるように思います。

>蒼天のすばらしさは、リアリスティックで多角的な、文献のサンプリングによる物語の重厚な構成方法と、一方で、ゴンタ先生の、リアルを超越し、正攻法の物語の枠組みから暴力的にハミ出る芸術性にあると、思っております。

hubbleさんのこの意見、非常に鋭いと思います。
蒼天は重要な決戦の最終局面において必ずといっていい程描写がそれまでの現実的なものから離れ、抽象的なものへと移行する傾向があります。
思うに蒼天の決戦には毎回史実以上に伝えたい「テーマ(主題)」みたいなのがあってクライマックスではそちらをより端的に象徴するような幻想的表現を用いているという気がします。
これは蒼天が三国志を語る上で漫画という最も自由が許される表現方法を用いているからこその非常に挑戦的な試みだと思うんですが、他方で袁紹の肥大化しかり、孔明の魔術師化、夏候淵の一騎駆けしかり、正史中心の思慮に富んだ史実解釈、重厚で迫力ある戦闘シーン等リアル部分が好きなファンを大戦のごとに失う結果になっていることも厳然とした事実なんですよね。
だからこそ逆にこの一貫した傾向には「たとえファンを失う結果となっても」と引かない欣太先生の姿勢のようなものも感じられるんですが…。個人的には時々蒼天が史実そのものを超え、作者個人の伝えたい何かが見え隠れする瞬間は好きです。

今週のラストはこれまで重装備に重装備を重ねあくまで関羽の流儀に付き合おうとしなかった徐晃の「誇り」に共鳴し自ら馬を下りた関羽のこの身ひとつの「武」に徹し、戦の勝ち負けを超えた境地にある侠の精神にとうとう徐晃が共鳴し、魂と魂の語らいに入りかけた所を描いているように見えました。

この二人にどう割って入るのか、来週は曹仁に注目です!

No.12103 - 2005/07/12(Tue) 02:09:14

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / RYU [東海]
>朱蓋の成りきりは見事です。呉蘭や雷銅にも勝ってます(笑)

コスプレなりに、「信は力なり!」という所でしょうか(笑

蒼天人達の独特の師弟関係が好きです。

曹操は将軍・参謀たちを厳しく指導しながらも、
夏候淵のように敢えて突き放したり、張郤・郭淮らにはフォローを与えたり。
参謀には教えるというより、文句や本音をぶつけたりしてますね(笑
参謀という人種とは、ものを言い易いタイプなのでしょうか。

しかし、荀?ケには、いつも本音をさらけ出していましたので、
最期の手紙も、曹操なりの親密さの表現だったような気もしますが・・。

独自の意志で自立した郭嘉の凄さが、異彩を放ちますね。
曹仁はただの問題児だったのでしょう(爆
いわば曹操は、聡明なスパルタ教師という所でしょうか?
鳳卵さんが漢中王即位のあたりで、
>曹操は人に自立を求め、劉備は人に頼ることを求めます。
と書かれていた通りかと思います。

劉備も、人に頼りながらも、何だかんだ言って、
関さん・張飛・趙雲・馬超に教えた面もあり、メンタル的で救って来たと思います。
これをメンタ−と言うのでしょうか?DAIさん(爆
劉備なりの度量・リーダーシップですね。
ただ、劉備は関さん・益徳とは、助け合いの関係を築いて来ましたから、
その特殊な絆が、義兄弟というものの強みなのでしょうか。

孫家は凄いです。親父が息子達だけでなく、家臣団の精神的支柱にも
なってますから。孫家三代の凄さに今気付きました(爆
孫権と張昭は漫才的ですが、孫堅・孫策・周瑜・孫権・呂蒙らは本当にいい関係ですね。

今思えば、臨終の淵が若き日の曹操に見えたというのも、
曹操の教えを忠実に受け継いだ、という描写であったのかも知れません。

しかし、関羽・張飛ほどの武人を模範としながらも、
呉蘭・雷銅のようなのはいかがなものかとw。
古い話ですが、李烈なんて言うのも始皇帝を目指してたそうだし。
人によっては李烈がインテリジェントで剛胆にも見えるのでしょうね。
ロールモデルの高さによって所感も変わると思います・・。
俺的には、李烈と呉・雷は同列ですw

No.12104 - 2005/07/12(Tue) 04:12:41

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / Homicide
私も、hubbleさん同様、最後の2コマ、凄く良かったです。

勿論、黒助さんの言われる、抽象性、芸術性も、あるかと思います。関さんはその身体と精神そのものが鎧のように揺ぎないもの、というイメージの表れでしょう。

一方、徐晃については、ボロボロになった鎧が、激戦・苦戦の表れだと思うんですが、これを観て、かの徐晃の名言「逃げるときは身軽、身軽」を思い出したのは、私だけでしょうか?

鎧が割れて身軽になった、今こそ、逃げる絶好の機会。ましてや、関さんは馬から下りている。関さんが、己の流儀がゆえに、わざわざ馬を下りてきているのだから、徐晃には、ここぞと馬に乗って、逃げて欲しい。そうすることで「関羽の流儀にはつき合わない」という信念を貫いて欲しい。後の活路は、6の策で、曹仁がなんとかしてくれる(かもしれない)。

卑怯な行為かもしれないけど、そうするからゆえの「負けずの徐晃」の本領発揮だと思うんですよねえ。確かに、馬からわざわざ下りた関さんの心意気は、崇高なものではあるんだけど、大局からすれば、「そんなことやってる場合じゃないでしょ?」って感じがします。相手に対する敬意もいいけど、早く、馬上から一刀に断して、次の行動に動くべきなんじゃないかな、と。だから、徐晃には、そこを突いて、活路を見出して欲しいと思った次第です。

まあ、だからこそ、関さんが後に「神になる」ってのは、言うに及ばないことなんですけれどもね。作品自体は、モーニング内の掲載位置に関わらず、どんどんいい方向に濃縮されてきていると思うので、今後も楽しみです。

No.12105 - 2005/07/12(Tue) 14:14:42

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / NHN [近畿]
長くて、暴言になることをお断りいたします。
私、Nearly Headless Nickと申します。

>管理人様
>大きなお世話を承知の上で、敢えて言わせて頂きます。 ここらへんでちょっと休載入れて、じっくり構想を練り直し、リフレッシュして再開したほうが、より良いフィナーレに繋がるような気もするのですが...。

それは、もちろん、この掲示板の読者や欣太師でなく、モーニング編集部に言うべきことですよね。声を大にして、編集部に叩き付けたいものです。

『カバチタレ』の終盤も唐突なものでしたよ。史上最強の敵・提携弁護士が出てきたと思ったら、およよ?って感じで終わってしまいました。
古くは、雑誌が変わりますが、『タッチ』や『魁!男塾』『スラムダンク』『幽遊白書』の終盤も唐突でした。

日本のマンガ雑誌の悪しき慣行、といえるのではないでしょうか。これ以上続けるとスレ違いになってしまうので、自重します。

>hubble様
>蒼天のすばらしさは、リアリスティックで多角的な、文献のサンプリングによる物語の重厚な構成方法と、一方で、ゴンタ先生の、リアルを超越し、正攻法の物語の枠組みから暴力的にハミ出る芸術性にあると、思っております。

サンプリングって表現は面白いですね。音楽以外でサンプリングって聞くの初めてですが、言われてみれば、なるほどという表現ですね。

>黒助様
>正史中心の思慮に富んだ史実解釈、重厚で迫力ある戦闘シーン等リアル部分が好きなファンを大戦のごとに失う結果になっていることも厳然とした事実なんですよね。

蒼天って、かつてない、リアルな三国志マンガですからね。

でも、よく考えると、司馬懿や何晏の茶髪は、決してリアルではないですよね。史実考証するなら、おそらくひっかかるでしょう。
それにも関わらず、それを我々は、新世代の若さを表す「記号」として許容しているわけです。
「やばい」を正反対の「いい」「かっこいい」の意味で使う、何晏の言葉づかいも、彼の若い感覚を表していますよね。

あるいは、呂布の虎牢関での登場シーン(血のドームを割って出てきたシーン)も、おそらくありえないでしょう。
そもそも、彼が出したビームの正体が、静電気なのかプラズマなのか、大槻教授に聞かなければわかりませんが、でも、それらは「異常を数倍した」強さを表す「記号」として許容されるわけです。

であるなら、黒助さんがおっしゃるように、

>今週のラストはこれまで重装備に重装備を重ねあくまで関羽の流儀に付き合おうとしなかった徐晃の「誇り」に共鳴し自ら馬を下りた関羽のこの身ひとつの「武」に徹し、戦の勝ち負けを超えた境地にある侠の精神にとうとう徐晃が共鳴し、魂と魂の語らいに入りかけた所を描いているように見えました。

今週のラストシーンは、徐晃の心境の変化(共鳴)を表す「記号」であると考えれば、許容できる範囲だったのかなーと思います。

対戦者(命を奪い合う相手)をそのような気持ちにさせてしまう関さん、まさに畏敬されるにふさわしい存在だと思います。
(でも、「やっぱり裸にさせられた」徐晃が少し笑えます。なんだか、最初から最後まで裸でしたね。)

No.12106 - 2005/07/12(Tue) 15:01:53

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 文月
どうも、久々のカキコです。

今回の、問題のラスト2ページの関羽と徐晃を見て、一瞬思ったこと。
「『北斗の拳』のケンシロウ!?」
もしくは、「キューティーハニー!?」
すみません、このシーンについては皆さんが真面目に考察なさっているというのに…。

…あほな戯言はさて置き、ここ最近、樊城攻防編に入ってからの関羽は、曹仁をはじめとして、于禁、ホウ悳、徐晃など魏将に対する、一見相手を重んじているように見えて、実は相手を上から見下ろしている様な態度が目立ってきているような気がしてなりません。
これもまた、「尊大」「傲慢」と評される、関羽のマイナス面と、それが史実での半ば自滅と言える結末を招いてしまった(蒼天ではどうなるか現時点ではわかりませんが)事に対する、ゴンタ先生流の皮肉なのかもしれませんが。

No.12107 - 2005/07/12(Tue) 18:10:41

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 夏樹 [関東]
 こんばんは、やはり今週の見所は二人のぬぎっぷりですね。

 私はこのくらいの表現は、むしろ久しぶりに蒼天航路っぽくて大歓迎です。hubbleさんの表現はまさに言い得て妙ですね。そこが単なる戦記物にとどまらない蒼天航路の魅力ではないでしょうか。
 張角の吐いた血が龍になったりとか、文醜が石化したりとか、NHNさんも例示していらっしゃる呂布のプラズマとか、こういう表現こそ蒼天航路の面目躍如といえるでしょう。
 しかしたしかに、管理人さんのおっしゃるように赤壁孔明は私もやりすぎだと思います。絶妙なバランスは保って欲しいところです。今回はその点は心配しなくてもよさそうな展開だと思っているのですが。

 さて、あのぬぎっぷりが象徴することについてですが、疑問考でも書いたのですが、私は秩序に対する、強大なものに身一つで立ち向かっていく「侠」の表現であると考えています。
 鳳卵さんが疑問考[1065]で
「露出度アップは、理屈や効率よりも本能のままに生きる、という表現なのかもしれませんね。」
とおっしゃっておられましたが同感です。

 従って徐晃もぬいだことの意味は、私も黒助さんのおっしゃるように、徐晃も関羽の侠に共鳴した、と読みました。ただ、これまでの徐晃の姿勢からすればひたすら関羽のペースにはまることを避けて、そのためか敢えて奇抜な独自のやり方をとっているわけですから、共鳴したと言うよりは、戦全体の進行を度外視した関羽の行動によって、結局無理矢理関羽の流儀に引き込まれた、という印象です。
 言うならば、「ぬがされ徐晃」!?

 いそげ曹仁!
 徐晃の操(みさお)を守るんだ!!



 ・・・失礼いたしました。

No.12108 - 2005/07/12(Tue) 19:44:20

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 鳳卵 [東北]
 聞くところによると、雑誌の一番最後に掲載されるのは、“大トリを飾る”という意味合いもあって、割と人気のある作品が当てられるものなんだそうです。むしろ一番人気のない作品は、最後から2番目か3番目なんだとか。
 ただ、これまでこんな扱いを受けたことのない蒼天なので、ビックリしたのは確かですね。パラパラとめくってて「今回は休載かぁ」と思ったりしましたし。

 それにしても、呂建と徐商は使いどころの難しい部隊ですなぁ(笑) こんなの城の中に入れたら、内から自滅しちまいそうなんですが…あ! 関羽はそこまで見抜いていて、あえて徐晃の策に乗ったのか!? それで、前回ラストの徐晃が焦ってたとか…ンなわきゃない(笑)

 今回印象に残ったのは、満寵と趙累の強さでしたね。2人とも、これまでの三国志ものでは文官というイメージが強くて、剣を振るってるところなんか蒼天でしか見られないと思うんですが。
 自分がいかに固定的なイメージで三国志を見ていたかを思い知らされた感じがします。

 さてさて、ラストの全裸関羽(笑)
 タイトル通り、関羽は戦の勝敗とは別の次元を見据えているのでしょうか。「誇り高き敵将と戦う時、味方以上の親愛を感じる時がある」というのは、関羽の偽らざる本心なんでしょうね。ある意味、曹操にも通じるものがあると思います。
 曹操があくまでも“自立の人”であり、戦が大好きなのは、好敵手と戦っているときこそ、自分と人との心の繋がりを確信できるからなのかもしれません。
 関羽がなぜ戦うのかと言えば、それだけが相手を真に理解しうるただ一つの方法だと思っているからなのでしょうか。

 ラストで関羽と徐晃が裸になっていくシーンは、2人が真に分かり合える存在となったことの現われなのでしょうか。
(前言ってたことと違うじゃんよ(汗) 夏樹さん、ゴメンなさい!)

No.12109 - 2005/07/12(Tue) 20:34:45

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / てら [近畿]
殷署と朱蓋、本物の惇兄と張遼にけっこうよく似ていましたよね。
蒼天探してパラパラっとめくってたら最初の殷署のコマが一瞬目に入って「あれ、ホンマの惇兄?」と思ってしまいました。横顔とかそっくりです。
朱蓋も張遼に似た雰囲気でしたよね。
しかし本物は二人とももう年取ってしまってて、割と若い感じの二人に偽者を演じさせるのはちとキツイ気もしたのですが…
まあ当時は有名な武将といえども、写真もテレビも無かったわけだから詳しい見た目は敵には解らなかったのでしょうか。
それに、夏侯惇と張遼という名を聞いただけで大概の兵はビビリきっちゃってしまったのでしょうね。司令官の趙累は気づいちゃってましたが。

今回描かれたハン城蘇生作戦、なかなか勢いがありましたね。
しかし確かに管理人様が仰ってるようにちょっと駆け足気味の気も…
何か最近蒼天の展開が楽しみであると同時に、その楽しみって気持ちとは別の意味でハラハラします。
もう夏だと思うと…ああ、そんなに急がんと進んでくれ!とか思ってしまって^^;
テンポよく、しかしゆっくり進んでくれとかいうむちゃくちゃわがままな願望が…!

さて、今回話題にあがってるラストのシーンですが、私も一瞬「あれ?鎧は?」とか思ったんですが、「ああ、ゴン太先生の表現か」と思った後はすんなり受け止めれました。
皆さんも仰ってますが、hubbleさんの表現はナイスですね。
特に最初の頃の蒼天って、わりと不思議な表現というか、あり得ない表現多かったですよね。実は蒼天読み始めて間もない頃はそういう表現が出てくる度笑ってました。「濃い漫画やなあ」とか言って。もちろん悪い意味ではなくいい意味でですが。
でも最近は何というか、その蒼天独特の表現がクセになったというか…
上手く表現できませんが奥が深いし、味わい深いですよね。
今回のラストシーンに対する解釈や感想も色々とあると思いますが、私はなかなか良いと思いました。
「なにゆえ我らは戦うのであろうな」と関羽が言うシーンがありますが、あの瞬間、敵・味方を超え、そして戦いを超え、徐晃と関羽の心は完全に通じ合ったのではないでしょうか。
私には、今回のラストの裸の描写は、敵・味方の関係や、戦いをも超えてありのままの姿に戻る二人の姿に見えました。

長々と駄文を失礼いたしました。

No.12110 - 2005/07/12(Tue) 23:28:45

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / RYU [東海]
>最後の2コマ見て、なんかこうヤバイものを感じました。

近所のモーニングが売り切れるの速すぎっ!
「今週の蒼天」で抑えた感じなんですが、ヤバいというのに同意です。

>タイトル

普通に考えればダサイと思います(笑
編集が付けたんじゃないでしょうか。
単行本で改善される事を願います。

>袁紹の肥大化

対袁紹戦に関しては、相反する二大勢力の軍事的対決が主題という感じもします。
その決定的要素が、部隊レベルの戦術・軍団規模の戦略だったり、
リーダーの度量・意志、組織のシステムにあったりして、
リアルスティックでもありますね。
物量が重要な決定的要素でないかどうかというと、意見の別れ所かと思いますが、
強大な軍団を生かすもCENSOREDも王やリーダー次第という描写は好きです。

袁紹の肥大化に関しては、黒助さんが言われるように幻想的要素であると思います、
袁紹のキャラ変遷が何を意味するのか、を考えるのも面白いと思います。

>“樊城蘇生作戦”

凄い奇策だと思います。
関さん・趙累・関平ら蜀将の対応も見事ですが、
徐晃・趙儼・曹仁・満寵ら魏将の個々の戦術的判断や、司令官の統率も素晴らしいですし、
参謀集団や司馬イらの策の戦略的勝利とも言えるでしょう。
「魏軍との決戦回避→漢中制圧→漢中王即位」という大義を武器にした
蜀の外交戦略も秀逸だと思いましたが、
軍事では魏という所でしょうか?

法正は大したものだったのですね。

しかし、樊城攻略に水軍の果たす役割が大きいならば、魏蜀の戦闘が終わり、
魏の防衛体制が整った後でも、呉が樊城攻略に着手する際に優勢に立てそうなものですが、そんな単純な話ではないでしょうか?
襄陽の地理的配置も気になりますし、僕個人が漢津の占有権の推移を知らないので、
魏が漢津を抑えているようなら元も子もない話ですが。
その場合は漢津攻略にシフトチェンジすればよし!(爆

おおまかな地図を見ますと、襄陽が漢水の対岸に位置するようですので、
夏口あたりから上って来た呉水軍は樊城・襄陽双方の拠点と部隊から挟撃されつつ、
攻勢に転じる形になりますから、正攻法での樊城攻略は非常に困難そうですね。
妄想が過ぎましたかね(笑

>鳳卵さんの疑問考[1065]

夏樹さん共々、お二方の御意見、興味深いし面白かったです(笑
確かに、曹操も若い頃はよく脱いでますよね。
剣舞をした時は女装もしてたし、実は孔明と似てる所もあったりして。
(殿ファンの方、本当にごめんなさい 爆)

>相手を真に理解しうるただ一つの方法

やはり、関さんは生粋の武人だという気がしてきました。

武侠に己の身の置きどころを定めながら、偽装軍や徐晃の真意を察知したりと
司令官としての判断もできる関羽は凄いです。
敵の参謀クラスが立てた二重三重の策を看破できなかったのは、
蜀の参謀不在に原因があったのでしょう。

No.12111 - 2005/07/13(Wed) 00:46:40

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 崇息
とうとう 書き込みをさせていただきます。
もう何年もROMさせていただいてました崇息(仮)と申します。
今回 書き込みをしようと思ったのは
やはり物議を醸している最後の2コマについてです。

僕は今週号を一読して、最後の2コマに震えた輩です。
孔明の妖魔化も違和感なく、否むしろ格好いい表現だと
捉えていたので、管理人様からすれば抵抗勢力かもしれません。
「ゴンタ先生の、リアルを超越し、正攻法の物語の枠組みから暴力的にハミ出る芸術性」という意見に僕も賛成です。このようなリアリズムから乖離した表現方法がハマれば、そのシーンは非常に印象的なものに
なる上にテーマを適切に伝える手法となりえると考えます。もともと
GONTA先生はそういった手法を得意としている作家だと僕は思っています(「地獄の家」などはその極地でした)。もちろんこれは先生の持つ圧倒的な画力からなるリアリズムを前提としたものですが。
これまで管理人様や皆様のレビューを興味深く読ませて頂いていて、
あまり表現論を見かけなかったものですからこういった議論は非常に楽しいです。なんだか結局当たり前のことしか書いてないような気もしますが、それは気のせいです。
で、最後の2コマに関して最終的な僕の意見を下に述べますと、

関羽の鎧と肉体の一体化は、徐晃から見た軍神としての彼の姿です。
つまり関羽の言動が徐晃にこういった姿を見せているのではと考えます。そして、徐晃の鎧が剥ぎ取られていくように見えているのは、武神に対峙したときの生身の人間を表しているようにも見えます。

長々と愚論をぶち上げましたが、野にいる卑小な者たちの想いも救い上げるが王者の治世だと、ここはひとつ寛大なる処置を管理人様にお願いしつつ筆を置きたいと思います。失礼いたします。

No.12112 - 2005/07/13(Wed) 05:54:51

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / アベール
自分は最後の2ページはゴンタさんらしい奇抜でユーモアな表現だな、と思いつつ納得しました。

たとえ不利な状況になろうとも、命を懸けて死線をくぐりぬけてきた武人としての誇りを守る通す徐晃。
「死んでも譲らんぞ!!!」
その誇り高い武人への賞賛のおもいが関羽の武に火をつけ、「身を守る余計なものなどいらない!!己の力(筋肉)だけで全ての決着をつけよぜ!!!」と気炎を上げさせてるんだと思います。

最後のコマの徐晃は関羽の武色に染まった、というよりは関羽の覚悟と気概に徐晃の内なる武の心が戦慄し、燃え上がったと見ました。

「蒼天赤壁」ですが、自分はあれは一つの詩だと感じました。
何故曹操があそこで戦い負けたのか?その経緯がほとんど不明にもかかわらず、あの戦いがなければ三国鼎立は成り立たない。
その不可思議な思いを無理やり結論づけず、孔明という謎の人物を通して表現したんだと思います。

今週は確かに戦いの向こうの「男の世界」でした。
いや「オスの世界」がぴったしですね。

No.12113 - 2005/07/13(Wed) 20:46:18

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / 英英 [関東]
徐晃、やっぱり脱ぐキャラ付けなのね。
関さん!あなたもついに仲間入りか!?
(裸ブーツに、胸当オンリー、三度目の正直ですね)

こんな感想ですみません。
でも私だけじゃなくてよかったです(笑)
実はちょっと引いたんですけど、すぐ見慣れました(爆)


>趙累は“二枚並べて使う武将ではあるまい!”と疑惑を感じていました。

圧倒的に数で勝る魏軍が、惇将軍と魔人様を並べるのは変ですよ。
趙累の率いる兵なんて5000もいるかどうか…ですよねえ。
関羽軍2万といっても、水軍・陸軍に分かれてるだし。
西門の荊州軍は、殷署&朱蓋+曹泰+趙儼と、三方を囲まれてるわけですね。
そんな状況で、趙累が陣頭指揮を離れて偽惇に向かうのはやばいと思いますが、兵がビビッてる状況では、仕方がなかったのかな〜という気もします。将の頭数が少ないのは痛いです。ここに廖化がいれば…劉封でもいいから…(><)


>ただ難点を言えば、樊城が臭くなりそうな事です(笑)

まったく同感です(笑)
漢水がそこにあるのに、二軍とも水浴びはしなかったのね。
こいつらの運んだ兵糧はいただきたくないなあ……彼ら二軍だけ本体と別になるように仕組んだのは、わざと?魏軍内部でこの二軍が不評だったから?
さらに、この二軍が樊城内に篭ることで、関羽軍の樊城包囲網がゆるくなり、樊城攻撃軍の士気がやや下がる可能性がありますね。風向きによっては、攻城側のある部隊が非常に苦痛をともなうかもしれません。
徐晃ってば、そこまで見越してこの作戦を立てたんでしょうか?(笑)


ちょっと思ったこと。

>「虎の威を借る狐であろうが!」

無茶だよー!おじさんっっ!!

もし…もしも本物の惇将軍だったら、ど〜するんですか〜!
関さんは、趙累が都督だから“武”に専念できるっていうのに!
“与太者”出身、「豪気」で「こわいもの知らず」な都督。
ちゃんと左から攻撃してたので、安心しましたけど。
「魏軍5000を率いる将」は決して雑魚じゃないですよね。一刀で斬り捨てた趙累は強いんだろうなあ。


今週号を読む前は、関平と趙累の心配をしてましたが、殷署にくるとは思いませんでした。いつも蒼天は、微妙に安心ラインを超えるんですよねえ…

No.12114 - 2005/07/13(Wed) 22:33:50

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / フー
はじめまして。

関羽のヌード(笑)についてですが、僕もやはり蒼天の「理知」と表裏一体となった「過剰さ」に惹かれるものであるので、まったく違和感なく受け入れることができました。
まあ、あそこの表現として「裸」が果たして妥当だったのかという事は微妙なとこですが。虚飾もてらいもない、武人同士の魂の交感であったのだってことで・・・・

それから「なぜ巻末に?」というお話がありましたが、実際にとある週刊誌を作っている者としてご説明すると、これは中綴じ(ジャンプ等のように背表紙があるものではなく、真ん中をホチキスでとめているスタイル)週刊誌の作り方の特性として「遅い原稿は前か後ろのほう」というものがあるからなんです。
週刊誌は毎週同じ曜日に発売するため、何日かに分けて決まったスケジュールで印刷所に原稿を入稿しないといけないのですが、多くの雑誌の場合、ホチキスのある真ん中のページから入稿していき、雑誌の外側に近づくほど遅い日程で入稿するのです。全原稿が揃った時点でいっせいに入稿、なんてことをしたら印刷所も混乱しますからね。
で、この日程に間に合わないと雑誌が出ないわけですが、そうもいかないので、遅れた連載のほうがお休みになってしまいます。そんなことのないよう、編集者は「締め切り!」「原稿よこせ!」と、日々作家先生たちのお尻を叩いているわけです。
なので、早めにできる原稿・もしくは完成時間が読みやすい原稿(活字週刊誌の場合は、レギュラーの連載等)を真ん中近くに配し、時間がかかったり、なるべく最新の情報を掲載すべく時間を引っ張りたい原稿(スクープ記事など)を外側に配するわけです。なので、特別な巻頭カラーとかでもない限りは、巻頭近くと巻末近くの原稿が最後の最後に上がってきた原稿だということができます。
つまり、巻末に掲載されていたということは、単純にゴンタ大兄の原稿が遅かったためではないかと・・・

No.12115 - 2005/07/14(Thu) 04:41:00

Re: 今週の蒼天<戦イノムコウ> / つね [関東]
発売日になってしまった。
今日は会社振り休なのでのんびり。これを書き終えたらコンビニに立ち読みに行く予定。(せっかくの休日なのにもっとましな予定ないのか!)

さてラストの2コマですが男の裸に興味はないのでパス。というのは冗談。私は違和感を覚えるほうです。幻想なら幻想でいいのですが、それが分かる表現にしていただけたらと思います。

1.西門からの脱出
2.東門からの突入
3.戦いの理由

さて、今回のテンポの速さは、事態の急展開や切迫感も伝えられて良かったのではないでしょうか。多分、関羽軍はわけの分からぬまま翻弄されているような状態でしょう。

>やはり敵の目当てはこの西門!
このとき趙累は、魏軍の目的は西門から援軍を突入させることだと思っていたはずです。その意味でも虚を衝かれました。

>ただ難点を言えば、樊城が臭くなりそうな事です(笑)
考えてみれば脱出したのは城兵だけなので、民間人はこれから悪臭との戦いにはいるわけですね。食事も臭い。絶句!
徐晃、もしかして厄介払いしませんでした?

しかし2重3重の策はお見事ですが、最初から力押しでもなんとかなったような気もします。于禁は3万の兵で戦おうとしてたんだし。

No.12116 - 2005/07/14(Thu) 12:42:21
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