| 今週は場面を転じて、関羽を待ちうける孫軍の面々が描かれました。
背後を衝かれ、南下する関羽。通常 呉軍は「関羽を迎え撃つ狡猾な軍団」として描かれそうですが、蒼天はそんな事ありません。関羽軍には関羽軍なりの、呉軍には呉軍なりの、“正義”があり、“信じるところ”があるという描かれ方でした。 一方を善とし、他方を悪とする。そんな単一な描き方をしないところが、蒼天航路の魅力の一つですよね。
さあ、孫呉の武将たちはどんな想いを胸に、武神・関羽を迎え討つのでしょう? では、今週のレビュー 開始させて頂きます。
|
No.12180 - 2005/08/07(Sun) 22:14:54
| ☆ 今週の蒼天<孫呉包囲網> / TATSU@管理人 [関東] | | | | 【STORY】
漢水−。 呉の水軍1万が遡上していた。
艦の舳先に蒋欽と吾粲が座っていた。吾粲は樊城の戦いの様子を聞けば聞くほど、関羽という人間が分からなくなっていた。関羽は、ただ強いというだけではなかったのである。
蒋欽は艫先で巨大な矛を振った。関羽の武は張遼より上と言われており、聞こえてくるのはそれを遥かに上回る武であった。だが、蒋欽はまず“張遼の武”に追いつこうとしていた。 「吾粲、足らん分はおまえの智力で補え。」 そう告げると蒋欽は笑った。無論だ。と吾粲は頷(うなづ)いた。 −それぞれが、それぞれの高みを目指し、昨日より今日、今日より明日と日々鍛え、そしてその力を一つに合わせ戦いに臨む−。それが天下に挑む孫呉の戦(いくさ)であった。
望楼の兵士が、斥候艦が帰還してきた事を叫んだ。 それ聞いた吾粲は、関羽の出現を悟った。
********************
江陵の北・呉軍本営−。 整列した軍勢の先頭で、馬上の呂蒙と孫皎が轡(くつわ)を並べていた。
呂蒙は、孫皎は公子ゆえ、自分が先陣に向かうと告げた。孫皎はそれを拒んだ。商人に化け江陵を抑えるという面白い役を呂蒙に譲った以上、今度は派手にやらせてもらいたい、と孫皎は要請した。更に孫皎は呂蒙の顔を覗き込み、本当に病気ではないのか?と尋ねた。最近、呂蒙の顔色が優れなかったのである。慌てて否定する呂蒙。そこに漢水の水軍からの急報が齎(もたら)された。
関羽の兵1,000騎が早朝に長坂を通過し、その後方に数千騎が続いていた。 そのあまりの少なさに、孫皎は呆(あき)れた。だが、それは関羽が北への侵攻を諦めていないことを示唆していた。
既に兵数にして十倍以上の包囲網が敷かれ、更に孫権自身が1万の兵を率いて現れる筈であった。なにか大仰(おおぎょう)過ぎて格好悪い、と呟く孫皎に呂蒙は告げた。 「例え、関羽一騎に対し、10万で囲おうとも大仰とは思わない。」 更に此度の布陣は、ただ関羽と戦うことだけを目的としてはいなかった。 「この陣立ては、」 呂蒙は遥か彼方を見つめ告げた。 「まだまだ先の勝利を求め、孫呉の戦を積上げる為の布陣だ。」
********************
夷陵−。 幕舎で陸遜は書を認(したた)めていた。
陸遜は呂蒙と別れた後、宜都を攻め落とすや枝江・夷道・秡帰を次々と占領。夷陵に駐屯し、蜀の侵攻に備えるべく三峡の出口を固めていた。 「私は三千を割いて関羽の包囲に加わるが、」 陸遜は、夷陵駐屯軍の新編成を記した書面を、眼前の男に手渡した。 「駱統。後は頼んだよ。」 そう告げると陸遜は幕舎を出、長江の辺(ほとり)に佇んだ。
蜀が如何に斥候を張り巡らせていても、呉軍の侵攻を知るまではもう少し時間がかかる筈であった。それは劉備があまりにも長く関羽を孤立させていた結果と言えた。 陸遜は背後の駱統に告げた。 「もうすぐここが天下の局面を握る戦場となる。」 陸遜は大河を見つめ、静かに続けた。 「長江の機嫌を損ねぬよう、軍を波浪と峡谷に馴らしておけよ。」
* *******************
臨沮・潘璋軍屯営−。 高台に座り、潘璋と朱然は兵糧を食していた。
関羽を仕留めれば最上級の褒賞が見込め、兵士の士気は上がっていた。それは孫軍一の“悪たれ軍団”と呼称される潘璋軍の本領発揮の場とも言え、潘璋は朱然軍に後詰めをするよう要請した。
朱然には、一つだけ疑念があった。潘璋ほどの将が何故かずっと3千の兵しか率いていないのである。それを口にすると、潘璋はそれが“悪たれの法則”であると笑った。 −“悪たれ”はたいてい貧乏で金に釣られてすぐ集まる。そして褒美目当てでよく戦うが、蛮勇ゆえにまたよく死ぬ。しかも軍規を嫌うからよく逃げるし処分も頻繁。人間は入れ替わっても、なぜか自然に3千あたりが手元にいる−。潘璋はそう告げた。 3倍強の働きをさせれば1万の軍に匹敵し、一人分の褒賞は3倍以上...理に叶っている、と朱然は感心していた。
*
潘璋軍屯営の片隅に、飯を掻き込む集団がいた。丁奉の部隊であった。 その部隊の中に、背中を丸め 手にした鈴を見つめる巨漢がいた。 食用の馬が手に入らず、丁奉は阿撞にそれを詫びた。無言の阿撞に丁奉は告げた。 「よしッ。阿撞!久しぶりに あれやるか!?」
夜の臨沮に鼓(つづみ)が鳴り、丁奉の笛の音(ね)が朗々と響き渡った。 阿撞は鈴を微かに鳴らし、立ち上がった。
建安二十四年十ニ月の空に、獣の音(ね)が谺(こだま)した。
【REVIEW】
■今週のタイトルは「孫呉包囲網」。ちょっと変な気がしました。まるで孫呉が包囲されているような....それを言うなら「関羽包囲網」じゃないでしょうか? ○○包囲網っていう場合、○○には包囲する側じゃなくて、される側が入ると思うんですが。
とはいえ、扉の孫権は良かったです。鎧のデザインがニューバージョンになってましたね。虎皮の着物を羽織ってましたが、これは仁でしょうか?んな訳ないですね。
「蒼天航路」のタイトルで隠れてましたが、孫権の頭上には「孫」の一文字が大書されてました。“孫家の名にかけて関羽を討つ”といったところでしょうか。キャッチコピーは、こうでした。
−関羽が往く先は、孫呉が虎口(ここう)!−
■「だが、俺はまず張遼の武に追いつかねばならん。」
関羽の武は張遼の上であり、聞こえてくる戦いぶりは、遥かに上である−。巨大な矛をビュンビュン素振りしながら蒋欽が考えてました。でも、とりあえず蒋欽は目標を “張遼の武”に置いてました。蒋欽は合肥の張遼の姿を思い浮かべてましたね。確かに合肥の張遼も凄かったですから目標としては十分だと思います。樊城の関羽の鬼神ぶりも凄まじいものでしたが、合肥の張遼もそれに負けていなかったように思えます。管理人的には“張遼の武”に追いつけば、関羽とは互角の勝負になりそうな気もするんですが...。
でも、関羽の樊城の戦いぶりは『 ただ強いわけではない。』と吾粲は評してましたから、関羽の武は色んな要素も絡んで凄いのかもしれませんね。例えば“戦いの小宇宙”で裸体で対決したりするのは関羽にしかできない技ではないかと(笑)。
■「それぞれが それぞれの高みを目指し、昨日より今日、今日より明日と日々鍛え、そしてその力を一つに合わせ戦いに臨む。」
「足らん分は、お前の智力で補え。」と笑う蒋欽に告げたのが、吾粲の上記の台詞です。 いいです!この台詞!不覚にもジワ〜ッときてしまいました。ラグビー経験者の管理人は、こういう台詞に弱いんです。これって“チームワーク”の基本なんじゃないでしょうか。 チームとして強敵を倒そうとする時の重要な要素がここにあると思います。こういう要素があるから、チームプレーのスポーツって面白いんですよね。
例えば、無名のチームが優勝候補の古豪チームを破ったり、スタープレーヤーのいないチームが強豪メンバーを有するチームに勝ったりする時がありますよね。 それがまさに吾粲の言うところの『 昨日より今日、今日より明日と日々鍛え、そしてその力を一つに合わせ戦いに臨んだ 』結果だと思うんです。だからチームプレイのスポーツって、見てもやっても面白いんですよね〜。 はっ、話が脇に逸れた!
■「孫家の公子は、ええ働きをしてなんぼ。」
孫皎が呂蒙に告げていました。孫家の場合、公子だからといって後方で安穏としていてはいられないんでしょうか。孫家って厳しいんですね。先週話題にした“孫権からの叱責の手紙”を読んでも孫皎は孫権に目をつけられているみたいですしね、ここが頑張りどころなのかもしれません。
それから“商人に化ける あのおもろい役”は、孫皎もやりたかったみたいです。それを聞いて呂蒙は、ちょっと苦い記憶を呼び起こしつつ、孫皎なら貧乏臭くはないが...と考えてました。貧乏臭くはないですが、孫皎の変装もばれそうな気はします。関西弁は良いとして凄く横柄な商人になりそうな気が。
士仁:「商人の物言いではない!」
■「ということは、やはり関羽はまだ北への侵攻をあきらめていない。」
南下して来る関羽軍が数千しかいないことを知り、呂蒙はこう考えていました。関羽軍が全軍で南下してこないというのは、やはりそういう事になるんでしょうか。全軍で南下しないのは『 北への侵攻を諦めていない 』というより、『 魏の大軍を引き付けておくことを諦めていない 』のではないかという気もしますが...。でも、以前 管理人は<関羽へ>のレビューでこう書きました。
劉備軍の北進を容易にする為に、魏軍を引き付けること「だけ」が目的であれば、関羽は、王甫の策“襄陽籠城”を選択するのではないでしょうか? しかし関羽は本拠奪還に動きました。 思うに関羽は、劉備の“北進支援”と同時に、“荊州制覇”も目論んでいたように思えます。 孤高の武神・関羽であれば、そのくらいの高い目標を持っていても不思議ではないと思います。天下を震わす震源地と成り、魏の大軍を次々と誘き寄せ、同時に、荊州の各拠点も手中にする。劉備の為に魏軍を引き付けると同時に、劉備の為に必争の地・荊州を制圧する。関羽は壮大な志(こころざし)のもと、軍を動かしたのではないでしょうか?
思うに、関羽って志(ここざし)が高過ぎて、時に現実的でない行動を選択するんじゃないでしょうか。それが今回の1,000の騎兵を率いての南下に現れているような気がします。でも関羽の廻りの侠客たちにとっては、そこらへんの義侠っぷりが堪らないのかもしれません。
■「なんか大仰(おおぎょう)過ぎて格好悪いでんな。」
孫皎の台詞です。南下する関羽軍は、関羽隊1,000に趙累・関平軍の4,000、計5,000でした。 では、それに対し“大仰過ぎる”という呉の包囲網はどういうものでしょうか?孫皎が「すでに10倍以上の包囲網」って呟いてるシーンに“呉の布陣図”が出てますので、それ見ながら分析してみましょう。
漢水を蒋欽の水軍10,000が北上。臨沮には潘璋・朱然の軍5,000が駐屯。江陵には20,000の守備兵がおり、江陵北郊に呂蒙・孫皎が10,000の兵を率いて布陣しています。更に江陵以西の長江沿いには、陸遜軍10,000が展開し、孫皎の発言によると孫権自身も10,000の兵を率いて参戦する模様です。 合計すると65,000。 確かに5,000の兵に対し10倍以上の包囲網を形勢しており、大仰と言えば大仰です。(その他、呉軍は公安にも兵を留めているでしょうから、侵攻した呉軍は70,000を超える兵力なんでしょうね。)
ただ、陸遜が「3,000を率いて関羽の包囲に加わる。」と言っているように、侵攻した呉全軍が一斉に関羽軍に襲い掛かる訳にはいかないでしょうから、直接関羽軍と衝突するのは、潘璋・朱然軍の5,000と呂蒙・孫皎軍の10,000、そして夷陵から駆け付ける陸遜軍3,000あたりでしょうか。(漢水水軍から歩兵が数千、参戦するかもしれません。) そうなると、当面の戦いは関羽軍5,000と呉軍 約20,000の激突となります。それでも関羽は約4倍の兵力を相手にしなければなりません。でもそのくらいの差なら武神・関羽は撃破できそうではあります。 しかしながら致命的なことに 呉軍はいくらでも兵力を増強できるのに対し、関羽軍は5,000のまま戦い続けなければならないんですよね...。
なんとなく関羽軍の悲壮な戦いが浮かんできそうではあります。
■「この陣立ては、まだまだ先の勝利を求め、孫呉の戦を積上げる為の布陣だ。」
呂蒙は「これは、ただ関羽との戦いであるというだけではない。」という台詞に続けて上記の台詞を口にしました。“まだまだ先の勝利”とは何でしょう? このシーンの後、場面は長江沿いの拠点を次々と制圧する陸遜軍に移りました。故に管理人は、呂蒙が上記の台詞を口にした時、その目は西の彼方を見つめていたように思えます。
関羽戦に勝利した後には何がくるのか。それは、蜀の“猛烈な報復”がくるのではないか。関羽を討つという事は、劉備の凄まじい恨みを買うことになるのだから...。それを呂蒙は理解しているのではないでしょうか。それ故、今からその蜀との“熾烈な戦い”に勝つ備えをしておく必要がある。呂蒙はそう考えているように思えます。荊州侵攻に続く“大仰な布陣”は、『 関羽を討つ 』ことと同時に『 蜀からの侵攻軍に打ち勝つ 』ことも視野に入れているのではないでしょうか。管理人にはそんな気がします。
妄想ですが、荊州侵攻前に、呂蒙と陸遜は膝を付き合せて色々戦略を練ったのではないでしょうか。いかに関羽軍を油断させるか、江陵・公安をどう陥とすか、関羽をどう迎え討つか、そしてその後の蜀の反撃にどう備えるか...お互いの役割分担を決めたりしたんじゃないでしょうかね。
ただ、その“蜀からの侵攻軍”を迎え撃つ頃、呂蒙は既に...。
■「劉備は、あまりに長く関羽を孤立させたな。」
蜀の侵攻に備えるため、三峡の出口を固めた陸遜。その陸遜が、蜀が我々の侵攻を知るまではまだ時間がかかる、と予測した後に上記の台詞を口にしました。 なんたって7年ですからね。つまりは7年もの間、“兵家必争の地”であり“乱世の分水嶺”である荊州を、劉備は関羽一人に任せっきりでした。それも名だたる将や軍師は皆、蜀の平定に呼び寄せちゃったんですよね。
孫呉としては、それ故、荊州に侵攻するやいなや一気に長江沿いの各拠点を制圧できたのかもしれません。あまりに長く関羽を孤立させた。−それは関羽が偉大過ぎたゆえの弊害でしょうか。
■「もうすぐここが天下の局面を握る戦場となる。」
陸遜は予言してました。陸遜も呂蒙と同じく 既に関羽討伐後も視野に入れている模様です。上記の台詞は『 もうすぐ復讐に燃える劉備自身が蜀兵を率いて殺到してくる。』って意味でしょうね。 あ、ネタバレ?でも、その戦いは蒼天では描かれないからいいですよね。 でも蒼天における“夷陵の戦い”も見て見たい気がします。やっぱ続編やってくれないかな〜(笑)
ところで北上して長安を目指す劉備軍が全く出て来ないんですが、何してるんでしょう?もう長安には到着し城攻めを開始してるんでしょうか? それとも魏軍に阻まれ北上途中なんでしょうか?
■「孫軍一の悪たれ軍団 本領発揮だ。」
潘璋って、呂蒙を庇って進言する他は目立ったシーンがほとんど無く、戦場では活躍の場が全然無かったですよね。 ここにきてキャラが立ってきました。なんと潘璋は孫軍一の“悪たれ軍団”3,000を率い、自身も貧困の境遇から一攫千金を狙って100人のゴロツキを集めて旗揚げしたという強者(つわもの)でした。
赤壁の頃からの発言を通じ、“八頭の獣”の中では唯一の穏健派の武将なのかと思ってましたが、そんなことありませんでした。朱然に向かって「うちの奴らは危険だから、君の軍は後詰ね。」なんてウィンクしてましたが、手柄は独占したいみたいです。正史読んでみましたら、若い頃はもちろん、偉くなってからも強盗まがいの事をしたりして、相当のワルだったみたいです。
ちなみに朱然は合肥戦の時に2コマだけ登場してましたので、今回で2回目の登場です。潘璋とは対照的な境遇の将として描かれてましたね。
■「いや、言わば悪たれの法則だな。」
なぜ潘璋のほどの将が3千の兵しか率いていないのか。それは“悪たれの法則”によるものでした。 悪たれは金に釣られてすぐ集まって来るが、様々な要因で減ってゆく、よって人間は入れ替わっても何故か自然に3千あたりが手元にいるそうです。しかしながら、3千の兵は3倍強の褒賞を得るべく戦うので、潘璋軍は1万の兵に匹敵するそうです。スゴイです。悪たれ軍団の強欲ぶり(笑)。
そう言えば、馬超討伐に向かう際、賈翊も似たような“無頼の中軍”を率いてましたよね。賈翊が「もめごとが起これば必ず死人が出るわ、それを捌く楊沛が足を折るわで、ついには三分のニに減ってしまいました。」と愚痴ると、曹操は「そして戦闘でさらに人が絞り込まれれば、この関中むけの厳格な督軍がひとつ仕上がる。」と言って笑っていました。“無頼の中軍”は行軍中でしたから、募兵はできませんでしたが、それをしてたら“悪たれ軍団”と同じように人数を減らさずに厳格な軍が出来あがっていたかもしれませんね。
■「今日は 馬、手に入んなかったんだって。ごめんな。」
丁奉が阿撞に詫びていました。他の兵士は飯を食べてたのに阿撞だけ鈴を見てました。ってことは、阿撞って馬しか食べないんでしょうか! でも「馬が手に入らなかった」って、潘璋軍は全軍歩兵って訳はないですから、馬はある筈ですよね。でも騎馬隊の馬をいちいち阿撞に食べさせてたら、騎馬隊自体が役に立たなくなっちゃいますし...。病気とかで役に立たなくなった馬が出たら、阿撞に食わすんでしょうか? なんか厄介です。 別に馬じゃなくて鶏か豚とかじゃダメなんでしょうかね。
■「よしッ、阿撞!久しぶりにあれやるか!?」
丁奉は阿撞を慰めるべく、仲間の演奏にあわせ笛を奏でていました。 しかし管理人的には丁奉が“男装の女性兵”に見えて仕方ありません。潘璋が“孫軍一の悪たれ軍団”と豪語した割に、最初に登場した潘璋軍の将が“男装の麗人”みたいなキャラってのは如何なものでしょう。そもそも丁奉をこんな女みたいなキャラに設定した理由は何かあるんでしょうか。
“女性のような将”が率いる“悪たれ軍団”。そしてそこに所属する“獣のような怪童”。 なんか関羽を倒すのは、際物(きわもの)部隊なんですね...。
|
No.12181 - 2005/08/07(Sun) 22:48:05 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 黄色い弾丸 | | | | いつも楽しく読ませていただいてます。 千の兵で万の敵に向かう関羽…しびれますねぇ。無謀ですが男ですね。 率いる将が呂布だったら何の違和感も無いんですけどねw かなーり不評の、獣のような阿撞ですが今週号でやけに綺麗な瞳をする化け物だなぁと思いました。もし関羽との一騎打ちがあるとすれば、技量じゃなく精神戦になりそうな予感…。関羽の小宇宙での阿撞は見たくないですけどね。蒼天での夷稜の戦いは是非見たいです!作者が早く連載終了させたいみたいなので、無理でしょうけど。せめてエピローグで亀の回想シーンのような形で曹操死後のエピソードも見たいですね。
|
No.12182 - 2005/08/08(Mon) 01:01:46 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / RYU [東海] | | | | 管理人さん、いつもありがとうございます。
>関羽軍には関羽軍なりの、呉軍には呉軍なりの、“正義”があり、“信じるところ”がある >単一な描き方をしないところが、蒼天航路の魅力の一つ
魏・呉・蜀ファンのいずれにとっても、読み易いスタイルは大好きです。 僕自身、「蒼天航路」に出会わなかったら、三国志をそれほど好きになっていないと思ってます。
>関羽の武は色んな要素も絡んで凄いのかも
蜀の将士はもとより、張遼・徐晃・曹仁や敗れた顔良・寵悳らといった名だたる将軍達の方寸を掴み、猛将達をまとめ上げる才において傑出しているのかも知れませんね。
>「足らん分は、お前の智力で補え。」 >これって“チームワーク”の基本なんじゃないでしょうか
呂蒙というと、かつて「武」に身を置いていたキャリアから参謀へと転身した将帥というイメージがありますが、吾粲も「陳武、昔よく行っていた虎刈りを思い出すな」というセリフを見るあたり「武」を理解する参謀であるのかも知れません。 「武」と「知」を両道するアイデンティティーを持つ者の強みというか、諸葛亮や司馬懿らとはまた違うタイプであるような気がします。勿論、彼ら両名も能力の高い参謀であり、大変な政治家である事は言うまでもありませんが。
ちなみに僕なんかは今以上に“チームワーク”が苦手でしたがw
>関羽は『 魏の大軍を引き付けておくことを諦めていない 』
やはり、江陵・公安が陥落した時点で、重大な決断をするべきだったと思います。 魏に対抗するための襄陽籠城も、呉による蜀本拠奇襲の可能性を鑑みると困難な選択肢で、かといって呉から江陵・公安を奪還する事も兵力的に不可能であるので、臨沮経由で全軍規模の撤退を行うべきではないでしょうか? 関羽全軍(15,000強?)を以ってすれば潘璋・朱然の軍5,000も労せずに踏破できたように思えますが、総勢70,000を超える呉の包囲網を打ち破るのは、陣容の厚さ(孫権・呂蒙・孫皎・陸遜・蒋欽・吾粲・潘璋・朱然・丁奉ら)を見てみても困難だと思います。
>「劉備は、あまりに長く関羽を孤立させたな。」
(上述続き)ただ、関羽の壮大な志と義理に篤い気質からしてみても、荊州を放棄するという決断は無理だったと思いますので、これはすなわち、蜀軍の人材不足を直接的原因とする関羽軍における参謀不在に敗因があり、間接的原因としては劉備の情勢判断にミスがあったとも言えてしまうと思います。
>呂蒙は既に...。
呂蒙の顔グラが使いにくくなりますね(爆
>丁奉をこんな女みたいなキャラに設定した理由は何かあるんでしょうか
“戦いの小宇宙”攻撃を封じるためとか(爆
>率いる将が呂布だったら何の違和感も無い
いやいや、まだ勝敗がどうなるか分かりませんよ。 何しろ、関さんは呂布と互角の戦いを繰り広げましたから、「陽平関」の惇兄みたいに次号の扉絵で落城させてるかもしれませんよW
>亀の回想シーン
そのネタ、いただきます(爆
|
No.12184 - 2005/08/08(Mon) 06:49:10 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 白 | | | | 初カキコです。 今回は丁奉について気になっています。 彼(彼女?)は男か?女か? 顔のパーツやら鎧の形からしてまず女なのでしょう。
ところで丁奉の顔に見覚えありませんか? 別の蒼天航路を扱うサイトでも取り上げられていましたが、 24巻・赤壁戦で曹操が厄介になっていた村にいた少女に似てません? 孔明が「多少の才があるが(曹操の)傍らに侍らす程ではない」と評した、あの少女です。 赤壁が確か208年ですから、ギリギリ在り得そうな年齢ですね。
|
No.12185 - 2005/08/08(Mon) 11:04:08 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 英英 [関東] | | | | 丁奉を見たときは、ええっ!?と思いました。 お、女の子!?そんなはずは…! 白さん(初めまして)同様、赤壁前哨戦で弱った曹操をじーっと見つめてた少女に似ていてビックリです。でもあれは少女だしな〜。まさか、最近発売された34巻の終わりで、GONTA先生が言ってた「女の子描きたい」発言が丁奉に表れてるんでしょうか? 男装の麗人…そんなことないはず…と思いつつ、じーっと丁奉を眺めると、手つきや指先がゴツイのでやはり男性なのかな〜と思えるようになってきました。 線が細いのはまだ少年だから、髪型と服装は彼の主義ってことで(笑)
>「今日は 馬、手に入んなかったんだって。ごめんな。」
阿撞が食べる馬は、戦死した馬や負傷した馬を餌にしてるのでは? 孫呉にとって軍馬はかなり貴重だと思うのです。 管理人様のおっしゃるように、私も他の動物あげればいいのにと思いました。民家から牛でも犬でも買ってきたらいいのに…。 「阿撞=馬忠」説が前回からでておりますが、馬さえ食わせておけば忠実だから“馬忠”と名づけられたのかな…とくだらないことを考えて気をそらそうとしてます(^^;
「後はたのんだよ」「はい。駐屯軍の新編成」「夜が冷たくなったね」などなど、陸遜のしゃべり方が妙に新鮮に感じました。書き終えて、トンって勢いをつけて、コロコロ巻物を戻すような、そんなかわいらしい(?)ところがあったのですね!なんか、自分がモテることを熟知した人間のさりげない動作を垣間見た感じです。(呂蒙すねないで) 例の“おもろい役”取り合い場面では、「もう、好きにして…」とか思っていそうです(笑)。 そして、心の中では自分が一番ピッタリなのにとため息をつく。
夜が冷たい季節なのに、孫呉の公子は半そで&腹だし。 「建安24年12月」 いよいよ、その時がきてしまいましたーっ(><) 最後の一文が一番ショックでした。
|
No.12186 - 2005/08/08(Mon) 21:40:34 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 鳳卵 [東北] | | | | 潘璋のセリフを見て、ふと、懐かしの堅パパ(この呼び名は…)の初登場シーンを思い出してしまいました。 「この地での我が武功を、位ではなく金子で見立ててもらえんですか」 と、孫堅は言ってましたが、今回の潘璋も、まさにそんな感じでしたね。 虚名より実利を求める気風は、脈々と受け継がれているようです。
孫呉に仕える人々って、身分の差が激しいのですよね。朱・陸・顧あたりの名家だと孫家より上の家格だったりするのですが、その他になると、そこらのゴロツキとえらく違わなかったりする人も… そういう環境だと、孫家に生まれたからと言って安穏とはしていられないんでしょうね。以前、孫堅が周瑜に家を乗っ取られることを心配してましたが、スキを見せると自分の地位を乗っ取られてしまうという危惧が、孫家の人々にはあるのではないかと思います。
さて、それぞれがそれぞれの知恵と力を磨いてそれを一つにまとめ上げる孫呉と、1人高みに関羽がいて、周りの人がそれに寄り添う形の関羽軍。色んな意味で関羽軍は“後がない”状況になってます。悲壮感漂いますね…
陸遜の「関羽をあまりに長く孤立させた」というセリフは、地理的な条件だけでなく、関羽と伍していける人材を配置しておかなかった、という意味も含んでいるように思えました。
ここに来て、また新しい登場人物が…まぁ、前回名前が出てたので登場は順当なところですが、まさかこんな美少年とは思いませんでしたね、丁奉。…いや、女の子じゃないと思うけど…どっちかというと、成公英に似てなくもないような…狙いは『美女と野獣』なんですかねぇ。
|
No.12187 - 2005/08/08(Mon) 23:34:25 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / あのつ [関東] | | | | 管理人さん、いつもありがとうございます。
>今週のタイトルは「孫呉包囲網」。ちょっと変な気がしました。まるで孫呉が包囲されているような....それを言うなら「関羽包囲網」じゃないでしょうか? ○○包囲網っていう場合、○○には包囲する側じゃなくて、される側が入ると思うんですが。
一瞬、確かに。と思ったんですけど、そんな事もないと思います。
確かに例えば、日本でも戦国時代に「信長包囲網」というのがありました。足利義昭が発破をかけてあちこちの群雄達や本願寺門徒衆が織田信長を苦しめたあれの事です。ここでは、される側ですが、 一方、第二次世界大戦中に日本が経済面でも軍事面でも制裁をうける「ABCD包囲網(陣)」。こっちではされる側じゃなくて、する側だったりしますので、たぶんどっちでもOKなんでしょう。 どうでもいいですね、すいません。自分的に引っかかるものがあったんで。
白さん、英英さん、丁奉は絶対赤壁の時の女の子ですよね!
|
No.12188 - 2005/08/09(Tue) 02:57:59 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 夏樹 [関東] | | | | こんばんは、夏樹です。
管理人さんがチームプレイの話を、鳳卵さんが堅パパの精神の話をなさっておりましたが、孫呉の多様なキャラがより細かく描かれてまいりましたね。 フロンティアの過酷な環境は、布告を出したり儒者と対決するまでもなく、「唯才」であることが求められるのでしょうか。 中央では有能な治臣たる王朗や華歆が、江南においては「時流に乗る才能がない」などと評されて孫策にこてんぱんにやられるのも、江南という地域の特殊性のあらわれなのでしょう。
丁奉、やっぱり女性に見えますよね。あの髪型は女性のものだと思うのですが。 もっとも、江南では蒋欽みたいな髪型もアリのようですので、やっぱり男性なんでしょうが。
ちなみに、私、成何(成公何)が「兄」というまで、ずっと蒼天の成公英は女だと思っていました。だって韓遂の侍女にまぎれて出てくるんだもん。
|
No.12190 - 2005/08/09(Tue) 21:47:29 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / ごんた | | | | クライマックスに近づく中、GONTA先生には悪いのですが、本当に曹操の死で終わって欲しくない気持ちでいっぱいです。 個人的には三国志は280年(せめて諸葛亮の死まで)まで描いて欲しく、番外編で項羽と劉邦(しかも項籍が主人公。GONTA版亜父に期待)を描いて欲しいです。賛同してくださる方署名運動とかしましょう!!!
|
No.12191 - 2005/08/09(Tue) 22:40:00 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / つね [関東] | | | | 今週は陸遜の挙動に魅せられてモーニングを買ってしまいました。
1.孫呉の戦ぶり 2.将来のための布陣 3.夷陵の貴公子 4.臨沮の悪たれ
>「夜が冷たくなったね」
蒼天人多しと言えどもこのセリフ、この口調が似合うのは陸遜(と微妙にタイプは違いますが荀イク)くらいしかいなさそう。大人としての風格と余裕がただよっています。
丁奉は本当に男か女か迷いました。英英さん同様に手つきから男と判定しました。あと?Y夏さんの女性兵と比べると胸がないんですよね。(セクハラ? ご勘弁を)
それにしてもこの布陣に甘寧がいないのがなんとも残念です。
>建安二十四年十ニ月の空
旧暦なので月の形から日付まで推定できてしまいますね。大体10日くらいでしょうか。魏王の逝去日まであと・・・
|
No.12193 - 2005/08/10(Wed) 01:52:01 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 文月 [近畿] | | | | こんにちは。
丁奉は、私も英英さんやつねさんと同様、男の子ではないかと(というか史実ではそうなのですが)思います。 そもそも、こういう「女顔の美少年」というキャラ自体が、今までの蒼天にはいなかったために、今回のように「丁奉の性別論争」があちこちで沸き起こることになってしまったのではないかと(笑)。
今回のスレでは今のところ触れられていないようなので今後の展開について、ネタバレに触れると思われるような事柄を少々…。 孫皎だけでなく蒋欽も、史実での没年は呂蒙と同じく219年なんですよね。 彼らの命が今から心配でなりません…。
商人に扮した孫皎…。 「貧乏臭くは無くとも、余計に怪しまれる」というのは私だけでなく管理人様もそう思っていらっしゃったのですね。良かったv(笑)
|
No.12194 - 2005/08/10(Wed) 17:01:28 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / アベール | | | | 自分は丁奉は女と読みました。丁奉は大将軍の位まで昇進してます。 「女だろうが強靭な野郎どもを集めてのしあがってやるぜ!!!」そういう熱いキャラだと想像しました。 殷王朝の時代に戦陣に立った女武人がいた、という話を聞いたことがあります。三国志演義のチョウ蝉も魔王に喧嘩売ってますし、戦乱時代なので女、子どもが弓矢をとらざるを得ない状況もあったでしょう。 あながちありえなくもないかな、と思います。 女なら力ではなく技のキレで敵を圧倒する必要があります。それゆえに「身には大小の傷を受けた」(正史・丁奉伝)のかなと勝手に想像しています。
「平穏な徳川時代に比べて、戦国時代のほうが明るい時代に感じるのは立身出世の風通しがよかったからだ」と司馬遼太郎氏が書いておりました。 今週の丁奉は、そういう「三国志時代の風」を感じさせてくれました。
>成何(成公何)が「兄」というまで、ずっと蒼天の成公英は女だと思っていました。
成公英は韓遂の恋人なのでは?!とおもってます。 叛の人・韓遂なのでそういう乱れた欲望もあるのかなと。 馬騰に忠節を尽くしたホウトクも髪の毛に苦労の後がうかがえます。やっぱり乱の連続なので、不安定で心配事が絶えない立場だったのだと思います。 違ってたらすみません。
|
No.12195 - 2005/08/10(Wed) 20:32:43 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / RYU [東海] | | | | 自分の意見の追加で恐縮です・・。
>呉から江陵・公安を奪還する事も兵力的に不可能
襄陽を放棄して関羽全軍で孫呉包囲網に当たるという投機的作戦も考えられますが、自軍後方からは襄陽に進出した魏軍の追撃を受けるリスクを抱え、前面には孫呉の大布陣が展開、蜀への退路には伏兵の陣が敷かれた状態に自らを追い込む形となり、さらには、魏と呉が共闘する事にでもなれば、魏呉包囲網を張られる危険性すら出てきます。 だから、不可能と言う事で。 自 演 乙 (爆
>臨沮経由で全軍規模の撤退を行うべき
関羽全軍で、潘璋・朱然の軍5,000を叩いた直後に、その足で対呉前線を張る事も可能です。 蜀前線(シ帰・永安あたり?)から孫呉陣営を見れば、潘璋・朱然らは 侵攻軍の先鋒に当たりますから、孫呉の前線を叩いた有利な状態で、防衛戦に臨める事になり、蜀将兵のモラルも高揚します。 つまり、荊州放棄により下がるであろう関羽軍のモラルを挽回し、戦勝に浮かれる孫呉の鋭峰を挫き、本隊との連絡も回復し連携をとれるようになる訳です。
|
No.12196 - 2005/08/12(Fri) 02:59:36 |
| ☆ Re: 今週の蒼天<孫呉包囲網> / 曹沖 | | | | こんばんは 丁奉は男なんですかね?やっぱり女なのかな? そして、もし女なら赤壁時に曹操に驚いていた女の子なのでしょうか? 謎は尽きませんね・・・。 まあ俺的には男であると信じたいです。 演義上とはいえ男のなかの男の張遼が女の丁奉に敗れたなんて少し情けないような・・・。
|
No.12272 - 2005/09/10(Sat) 18:13:53 |
|