■2005.11.16(Wed) 激小話 -いくさば-(らこ)

術師視点


激小話:いくさば



俺には理解できない光景だった。


町は二つに分けられていた。

狩る者と、狩られる者と。

逃げ惑う人々。
そのうちの一人が足を縺れさせ通りに倒れた。
狩るもの達が一斉に押し寄せる。
ある者は手に持った凶器を彼に投げつけ、ある者はそれを振り下ろす。
立ち上がりかけていた獲物は再び地面に倒れ伏す。
神の名を叫びながら。
それはそれは、幸せそうに。

昨日俺がこの町に来たときは静かだった町が、
今は罵声とも叫びとも聞き取れぬ声と、神の名と祈りの言葉で溢れていた。


本当に理解できなかった。


何故、鯖なんだ。



どうせ地方の行事なんだろうが、不気味なことこの上ない。
こんな方法で祭られる神様も正直異論はないのだろうか。


狩られる者と定められた俺にはただ逃げるしかできなかった。
鯖のフルスウィング役も正直やりたくは無かったが。
でも、鯖って結構痛いし。

先ほどから、俺だけを狙ってひたすら真顔で鯖を振りかざしてくる知人の剣士と僧侶の事も理解に苦しんでいるところだ。
今もヤツらは俺を探して鯖を片手に彷徨い歩いていることだろう。
アンタら、そんなに暇なのか。



叫びと祈りと神の名と、
鯖と鯖と鯖に満ち溢れた町の大通りを、俺は祭りが終わる夕刻まで逃げ続けた。
『隣町? ああ、鯖が名物かなぁ。』
そう、あまりにもインパクトの強い事実を極限まで柔らかく伝えてくれた隣町の酒場の主人を八つ当たり気味に恨みながら。



//思いついたときは茄子でした。
//タイトルを『戦場』から『いくさば』とひらがなに直した瞬間こう……鯖が…げふ…ヤッチャッター
...φ(´゚д゚` )



■2005.11.16(Wed) 乗じてみますよ

剣士の場合

・まず貴方のお名前を答えてみてください。

剣:どれにする?
術:答える気ないだろ


終了。
キタ━φ(゚∀゚)━!!



■2005.11.14(Mon) 思いつき小ネタ(らこ)

無糖小話のヤツらにいくつか質問を試みる

・まず貴方のお名前を答えてみてください。
☆術師さんに
術「匿名希望で。
  数日前から横にいるコレが、妙なひょうたん片手に俺の名前を尋ね続けてくるんだ。」
剣「吸い込まない、吸い込まない。」
術「…答えないとこう言うんだ。
  良くわからんが、教えたら吸い込まれるんだと思うから。匿名希望。」
★剣士さんに
剣「最近何かと個人情報個人情報と煩くてな。
  うっかり本名を名乗ることもできない。いや残念。」
術「そういって偽名大量に捏造しまくるそのポジティブさを他に活かせよ…」

・出身地なら答えてくれますか。
☆術師さんに
剣「出身地だそうだが。」
術「アンタが手に持ってるメモとペン捨てるまでは答える気ないからな。」
剣「お歳暮の季節なのに。」
術「…送る気だったのか…?」
剣「丁度良い物がが手に入ってな。今年のものは新鮮で活きが良いらしい。」
術「…肉か? 魚とか?」
剣「男。
術「誰っ!?
剣「脂の乗りも良くてさらに今なら30%増量中。」
術「箱詰めの力士とか郵送されても需要ねぇぞ…?」
★剣士さんに
術「アンタって日の当たらない木の根元とかから生えたんじゃないのか。」
剣「残念ながら菌茸類と同じ苗床で育まれた覚えはないな。」



//僧侶が答えていませんヨ…
//僧侶も混ぜて書き直すかもしれません(;´▽`)
...φ(゚∀゚ )



■2005.11.11(Fri) 激小話 -追う者と、追われる者と。- (らこ)

剣士視点


激小話:追う者と、追われる者と。


唐突だが。
私が最も恐れている『敵』について、
今私が知り得る限りの情報を整理してみようと思い立った。


『敵』は個体ではなく複数の、しかもかなり多数の仲間をもつ集団のようだ。
ヤツらは日常に溶け込み、普段はあまりにも穏やかにただ敵を探し歩いている。
そして敵と定めたものにだけ、その牙をむき襲い掛かる。
一度狙った獲物を捕らえるまでは、決して諦める事は無い。

あるひとつの個体から逃げ切ったとしても、その先にまた別の個体が待ち伏せていたりする。
どういった手段でかは知らないが、ヤツらは敵に関する情報を共有しているらしい。
私はまったく知らない個体と出会ったとしても、当然のように襲い掛かってくる。

どれだけ遠くの地に逃げたとしても、逃れられはしない。
その『敵』は、あまりに広い地域に存在していた。

さらに、単独で存在することは無い様だった。
必ず集団で存在し、獲物を見つけると即座に仲間を呼ぶ。

獲物を探す術にも長けている。
ヤツらのテリトリーにいる以上、町の中や屋内でさえ安息の地にはなり得なかった。

差し伸べられる救いの手を望むことすらできはしない。
何故ならヤツらの狩りを邪魔することは誰もできないからだ。

私は、一人でただ逃げ続けるしかできなかった。



考えれば考えるほどに、私は恐ろしくなった。
これほどに強大な敵から逃げ延びる術などあるというのだろうか。





このようなレポートを作ってみたくなるほどに、
私は今とても反省しています。


だからもう、追ってこないでおまわりさん。







こう書いたレポートを、思いつきで警察署の郵便受けにそっと差し入れてきた。

今日もまた、怒声を上げつつ迫り来るおまわりさんとの鬼ごっこを堪能している。
こんなにお世話になっているのだから、次手紙を送る際には粗品なんかも添えてみよう。
走りながらもそんなお気遣い。義に厚い自分に感動すら覚えてしまう。


追う者より、追われる者はより楽しいものだと私は思う。
だというのに、日々飽きもせずおまわりさんはこんな楽しい時間を提供してくれる。
仕事熱心な彼らに、私はいつも心の中だけでそっと礼を述べることにしていた。



//でも日課。ひたすら迷惑です。
...φ(´д` )



■2005.10.29(Sat) がんばってみましたよ

『ファンタジーな町で思いつくだけ箇条書き』

カテゴリ[その他]


・景色のいい場所


なんていい風の吹く場所なんだろう。
この街に偶然辿りついた青年はこの町でおそらく一番景色のいい場所に立ちそう考えた。

遮るものは何もなくただひたすらに空に向かって吹いて行く風。その風を背中で感じながら青年はゆっくりと景色を見渡す。
空気は少し砂っぽかったが、静かな、とても静かな空間を感じながら青年は「こんな場所もあったのか」と呟いた。
今はまだ日の入りだがもう少しもすればすっかりと日も暮れるだろう。晴れていればその時ここから見上げる空はまた格別に綺麗だろうかとも考えた。


そうしているうちに、誰かに声をかけられた。青年は声の場所を振り返る。
振り返った先、青年の立つ位置から十数メートル離れた場所に居たのは青年にとって不肖の連れ合いだった。
彼はこの街について二手に分かれた時の姿と変わりなく腰には職業を感じさせる剣、物腰も「一応」隙なくしている。少し違ったのはその手に先程まではなかった麻袋を持っていたことだけだろう。
しかし青年はそれを当然の者として剣士、彼に届くように声を張り上げた。

「そっちの収穫はどうだったーーー」


「財産辺りはみんな持って行ったようだ、あったのは干し肉くらいだった」

剣士が淡々と淀みなく言い返す。青年と違い別段声を張り上げている様子もないがその声はすんなりと青年の下へ届いた。
青年も別段驚かず手に持っていた古めかしい一冊の本を剣士に見えるように持ち上げる。

「こっちもだ、あったといえばこの役に立たない本くらいだなー」

その本はこの街の歴史に大きく関わり、始まり、繁栄、人々が幸せに暮らす日常をながきに渡って記してきたものであったが、青年にとってその本は、どこにでもありふれた子供の為の絵本より価値のないものであった。

「ただ寝場所は確保した、本によるとこの先に遺跡があるらしい
お宝の類はないらしいけど雨風凌ぐには充分だろ」

話しながら近づいていた剣士もそれを聞いて是非もなく承諾する。
同伴者の頷く姿を確認すると青年は勢いをつけて着地した。
青年は今まで立っていた階段に視線をやる。自分が立って辺りを見渡していたのが中二階程の高さ。そしてそこから先はすっぱりと建物の存在自体が消えていた。


ここがこの街で一番見晴らしのよい場所。


街の中心地にあったのであろう教会は信仰が厚かったのか金に物を言わせていたのか流石に他よりはよいつくりをしていたらしい。
それでもこの街に訪れた何かには耐え切れず残ったのはこの二階にも満たない高さだけ。

青年は本を元あった場所に戻そうか悩んで、いや悩まずに、その場に置いて行くことに決めた。
どこに置いても関係ないだろう。
どれだけこの街の成り立ち、繁栄の歴史なんてもがあったとして、どこをめくっても現状を引き起こした理由のない本などに意味はないのだ。


こうして、術師と剣士旅人二人は崩れ去った瓦礫の町を後にした。




書いた人:はるとりょう


// ?何か真面目くさった話になったぞ・・?


最初の予定


「いい景色だなあ」
とにかく遠くを見つめながら剣士が呟く。
「景色というか・・こう見晴らしがなあ」
同じくとにかく遠くを見つめながら術師が返事をする。
数時間同じ会話を繰り返している二人はそろそろ諦めを覚え始めていた。
「正直に言えよ?お前の地図本当は太古の遺産みたいなもんなんだろ?」
「言いがかりはやめてもらおうか、由緒正しいれっきとした年代物の」
「誰が宝の地図持ってこいっていったよ!お前は何時の時代の旅をするつもりだ?」

地図を取り出した剣士とその地図の古さに気付けなかった術師、二人もう一度遠くを見てまた同じ会話を始めた。

「いい景色だなあ」
「景色というかこう・・見晴らしがなあ」



結局その後1刻その場に立ち尽くした二人は、ようやくたった5段の高さだけ「景色のいい場所」から降りると、諦めてその段他には何もない廃墟の街を後にした。


これだけの話の予定だったはずなのになあ・・

後別で剣士と術師が酷い目にあっているのを遠巻きから楽しめる
とても「景色のよい場所」にいる僧侶の話とかも考えた。
( ´,_ゝ`)φ...



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