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記事No.5387に関するスレッドです


フルームのサルブタモール陽性事件について書いた
フルームの件。
無駄に長いです。

アレな状況にある仕事の合間にちょっとずつ考えてて
その内容ほぼそのまんまの箇条書きであります。

ちなみに仕事は半年以上遅延することが決定的となり
来年の世界選を見に行く計画は霧散しました>某様


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・喘息薬検出でアウトになった至近の事例はウリッシ(2014年)で
 検出濃度も高いし参考になるだろうと過去ニュースを当たっていたところ、
 その少し前に起こったロジャースのジャパンカップサンプル陽性事件に
 ヒットいたしました。
  >シクロワイアード記事(時系列準)
    CWの事件第一報:http://www.cyclowired.jp/news/node/123569
    辻さん解説:http://www.cyclowired.jp/news/node/123668
    ロジャース声明発表:http://www.cyclowired.jp/news/node/123569
    UCI処分解除を発表:http://www.cyclowired.jp/news/node/132786

・伝説的な悪天候の中行われた2013年のジャパンカップ。
 激しい雨の中で劇的な独走勝利を決めたロジャースから
 規定値以上の禁止薬物(クレンブテロール)が検出される。
 後に、薬物は故意に摂取したものではなく
 直前の中国のレースの際に食べた肉由来によるものと認められ、
 暫定的な出場停止措置はここで解除になるが、
 ジャパンカップの優勝は無効となった。
 ……という事件であります。

・「故意の摂取ではないのになぜ優勝がはく奪されなくてはならないのか」
 と当初は非常に悔しい思いをしたものですが。
 「パフォーマンスを向上させる薬物の影響下でレースを走ったのだから、
  その摂取が故意であろうとなかろうと、彼が出した成績はアンフェアなもの」
 というアンチドーピングの考えに沿うものと解釈し、
 一ファンとして涙を飲んだのでした。

・「しかし、ロジャースの体内にあった薬物は
  レースに影響を与えるほどだったのか?」
 という疑問もあるわけですが、これについても辛い前例があり。
 同じ薬物が極微量にしか検出されなかったにもかかわらず
 2年間の出場停止、2010年のツールおよび2011年のジロの優勝をはく奪されたのが
 誰あろうコンタドールであります。
 
・未だにこの件は疑問だらけで要約できないので
 知らない人は Wikiで概要を読んだ後に
 気になるキーワードをググって把握してほしいのですが。

・要するに、故意ではなくても、実際にパフォーマンスに影響がなくても、
 自転車競技がドーピング行為を排除しクリーンなレースを行うために、
 疑わしいと考えられるものは無慈悲に罰せられて来た、ということです。
 業界内に、ファンに、そして世界に対して自転車競技がフェアであることを示すために、
 疑わしい事例に対して厳正に対処をしてきたわけです。

・競技の健全性を保つために行われている努力というのは本当に涙ぐましいもので。
 本来なら不正なレースから守られる側であるはずのクリーンな選手も
 本人の不注意から罰せられる事例は↑の2例以外にも数知れず。
 サンプルがひっかからなくても、日常生活では
 時には人権無視すれすれでやってくるドーピング検査には粛々と応じ。
 UCIやWADAとは別の流れで更に厳しいルールを定めている団体やチームもあるし。

・業界をあげて「ステイクリーン(だっけか?)」「アンチドーピング」に取り組んでおり、
 そのために多大な犠牲を払ってきたし、現在進行形でそうしているのです。
 
=====

・というバックグラウンドがあるところに来て今回のフルームの事件ですよ。

・規定やルールがいろいろ複雑ですが、
 私が腹が立って仕方がないのは、この一件が

 「自転車競技の健全性を保つために払われてきた努力と犠牲を
  全て踏みにじるような状況になっている」

 からであります。

・トニー・マルティンがFaceBookで<I am totally angry>で始まる声明を出したのは
 そういう意味なのだと理解しています。私は彼に100%共感します。
  >https://www.facebook.com/tonymartin.procyclist/posts/1751736028234766

・シクロワイアードのマルティンの声明について紹介する記事に
  >http://www.cyclowired.jp/news/node/252349
 フルームの陽性判明以後の経緯がルールから外れてないことが言及されてますが、
 そうではないのです。ルールに沿っているからいいというわけではないのです。
 前例と比べるとどう見てもアンフェアだろうっていうところが納得いかないのです。
 だったらそれはルールが糾弾されるべきという話もあるだろうけれど、
 他の事例では、ルールの適用外であっても傍から見てフェアであるように
 処分なりなんなりを行い対処しているわけです。競技の健全性のために。

・これまでにコンタドールやロジャースが犠牲になっておらず、
 また<どこよりもクリーン>を標榜してきたスカイが起こした事件でなければ、
 ここまで腹も立たなかったかもしれませんが、よくわかりません。

・前の記事に
 「納得いかない理由でフルームが無罪放免になった場合、
  今後フルームが出場するレースは絶対に見ない」
 と書きましたが訂正します。
 これでブエルタのタイトルがはく奪にならなかったら、
 もうフルームが出場するレースは見ません。

・喘息なのは気の毒ですが、
 体内薬物が規定以上に検出されてもOK、かつ、たとえ故意ではなくても、
 そのことでパフォーマンスが向上してるかもしれない選手が無双のレースを見て
 いったい何が楽しいのでしょう。
 そんな選手と推しが勝負しなくてはならないとか、
 そんな選手を推しがアシストしなくてはならないとか、
 どっちも辛すぎる。

・でもたぶん、フルームのタイトルはく奪はないだろうし、
 私は来年のグランツールを棒に振ることになると予想してます。
 もし誰かがフルームを打ち負かして
 リーダージャージを着るような展開になったら
 観戦復帰したいと思います。
 (もしもの時のために録画はしておく<それなりに未練ある)

=====

・なんて書いてるうちにMPCCがフルームの即時出場停止を要求してるとのニュースが
 >http://www.afpbb.com/articles/-/3155875

・スカイはMPCCに加入してないのでお門違いも程がある、というのは
 当のMCPP側にも分かってることだと思うのですが、
 あえてこういう主張をする気持ちはよーーーーーーくわかります。
 ルール云々の話じゃないんですよ。

・ルールとして明文化されてないのだけれど全体のためにフェアな行動をする、
 というのは、自転車競技でいうところの「紳士協定」にあたるものです。
 スカイはレース中の紳士協定にこだわらないチームではありますが
 今回は、せめてフルームの即時出場停止は表明してもらい
 (どうせ今はレース期間外でほぼ影響ないはずだし)
 これまでの努力と犠牲に少しでも敬意を示してくれたらいいな、
 なんてこともちょっとは思ったりしますがまあ無いでしょうね…<おい
 


No.5387 - 2017/12/19
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