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(No Subject) - Name: イケダチカ No.681 - 2004/01/07(Wed) 01:43:52
こんにちは。ここには初めて書き込ませてもらいます。
カナメさん、皆様、お久しぶりです。といっても覚えてくださってるかしら。子育てに忙しくて、久し振りにウルコムをのぞいてみたら・・・
もう大分前の話題ですが。あまりのショックに書き込まずにはいられませんでした・・・。なんだか異世界に変わっていました。
皆さんみたいになにがどうだからってうまく言葉にできないけど、
なんだか違うよー。どうなっちゃってるのー。これからどうなるのー!


「昔はたのしかった」 - Name: 奈津 No.680 - 2004/01/06(Tue) 23:48:35
>カナメさん

>冒頭のシーンが印象的です。「異星の不定形生物」って、平井作品にはお馴染みなんですが、それ
>が産院の赤ん坊に取りつくところが、スリリングなんですよ。新生児室には居眠りをした看護婦が
>いて、そして、その作業には1時間はかかる。成功するか否かは、彼女の居眠り次第。
>その賭けへの緊張感。不安、焦り。そして、雌雄にそれぞれ取りつくために、自らを分裂させる痛
>み。思わず不定形生物に感情移入し、応援してしまいました。

私は新生児を襲うエイリアンが来た〜、看護婦さん、早く目を覚ますんだ!!と思っていました。まさか不定形生物のほうに感情移入されている方がいらっしゃるとは思ってもみませんでした。でも、確かに不定形生物も必死だったんですね。「生木を裂かれる恋人たちの別離」のように苦しんで分裂したのですから、砧佐知と出会って一目で恋に落ちたように結びついてしまったのは仕方なかったのだと今なら思えます。勝手に人間の意識を剥奪してひどい奴だと誤解していたわ・・・。

>しかし、この不定形生物の「人間味」を描いているからこそ、ケイに別れを告げる中田(の身体を乗っ取った不定形生物)が、
>「昔はたのしかった」と口にすることに説得力を帯びる。もっと、ひどい言葉を浴びせてもよかったはずです。
>機械的に、求められた言葉を口にしただけかもしれません。でもワタシは、ここに不定形生物の「情」を感じてしまいます。
>片割れと引き裂かれる辛さを不定形生物は知っていたのではないか。知っていたって、不思議はないのですから。
>といっては、深読みが過ぎるでしょうか。

中田浩本人なら決していうはずのない「昔はたのしかった」という言葉。
私はケイの視点でこの言葉の残酷さを感じていたのですが、それを見ている彼はまさに悪夢だったでしょうね。

ケイにしてみたら彼の裏切りが信じられない。だから本当は「昔は・・・」じゃなくて「今も楽しい。」と言って欲しかったはず。過去形なんかで言って欲しくなかった・・・。
その反面はっきりと彼の口から砧佐知を愛していると聞いたからにはせめても自分と過ごした日々は嘘偽りなく真実の愛にあふれて幸せだったと肯定してほしい、複雑な胸中だったと思います。言って欲しいけど打ち消してほしい・・・。彼の口からはっきりとその言葉を聞いたとき、この悪夢のような事態は事実なのだとケイは思い知らされたのではないでしょうか。
「昔はたのしかった」って言葉は残酷だなあと思いました。

この上に不定形生物の「情」まで重ねて考えるとこのシーンて深いですね。
この上なく幸せに暮らしていた一心同体のような二人を自分が引き裂いた・・・。引き裂かれる苦しさはよく知っている・・・。せめてもケイに温情を・・・と思ってかけた言葉だったなんて考えると、すごいお話になりますね。

>あめんほてっぷさん

>となれば、小松左京さんが本格的に「女」に取り組んだ「湖畔の女」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419577506X/qid%3D1073306496/249-2006547-4656330)もお勧めかもしれません。

と聞けば、もうこれは読むしかないでしょう。注文してしまいました(^^)。


そういう意味で言いますと(我田引水版) - Name: あめんほてっぷ No.679 - 2004/01/05(Mon) 21:44:11
 >カナメさん

>平井の作品はSFではない、というフレーズは、主に「幻魔大戦」の頃から言われだした言葉だと思いますが、この頃すでにSFのスタンダードから逸脱してますよねえ。

 私などはプロパーなSFファンではない自覚があるものですから(新作SFにはほとんど興味がなく、大学時代SF研に所属していた頃「人間以上」「高い城の男」「ソラリスの陽のもとに」「発狂した宇宙」「虚空の眼」などのスタンダード作品を読んだだけ)、平井作品は例外的に熱中したカッコつきの「SF」なわけです。

 当時SFアドベンチャーの書評欄で「今すぐ本屋に走れ!」と書いてあった「時の果てのフェブラリー」(山本弘)など、その発想には「へぇ」だったのだけれど、感銘度合いというと「並」でしかなく。あぁやっぱり私はSF向きではないのだな〜と思ったものだ。

 と、いうわけで、ヒライストになる以前の原点に立ち戻り、ホームズとリュパンのページをつくっちゃったのでした。
 このふたつのシリーズこそ、平井作品以前にもっともその著しい「キャラ立ち」ぶりで私を夢中にさせた作品群だったのですから。

 >奈津さん

 楽しまれた由、なによりです。「痩せがまんの系譜」は私も好きな作品です。となれば、小松左京さんが本格的に「女」に取り組んだ「湖畔の女」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419577506X/qid%3D1073306496/249-2006547-4656330)もお勧めかもしれません。

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