サロン・ド・ぼへみ庵

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クッキーを食す / 呪文

【平井和正秘話有り】森優(南山宏)インタビュー SFマガジン二代目編集長が今だから話せる、あんなこと、こんなこと、−1960年代〜70年代の日本SF裏話 - Name: marikotani Mail - Home No.1674 - 2019/08/19(Mon) 22:37:29
はじめまして、カナメさん
噂であなたが『SFファンジンNo63復刊9号』の「森優(南山宏)インタビュー」特集をお読みになりたがっているとう噂を聞きました。
そこで、お試し読みいただくために少しテキストでご提供させていただきます。
とはいえ、ちゃんと同人誌ブースに足を運んでいただき、1000円でご購入くださいね。
あと、もしかすると森優さんの発言をカナメさんがお読みになって、異論があるかもしれません。
しかし、これは森優さんが2017年1月22日にお語りになった「れっきとした事実」です。
カナメさんが勝手に自分の都合の良いように妄想した妄言や邪推等ではありません。
どうしても、異論があるなら、ご自分で森優さんにインタビューなさって真偽をご確認ください。
自力で森優さん独占インタビューを実現する能力をカナメさんがお持ちだとは考えにくいですが・・・

あと、指摘が2つ。
1つめ:
2019年04月30日(火) の『東丈の「別れの曲」〜幻魔大戦(14)「幻魔との接触」』というブログで
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12457725303.html
「(1)某教団とは完全に関与を断っていた。」の周知の事実と仰っていますが、
それは事実ではなく、誤謬かカナメさんが勘違いしたことを思い込んでいるだけです。
こちらのリンク先に書かれていることで反証できるからです。
https://ameblo.jp/miyaoka-gakkushi/entry-12458784507.html

2つめ:
2019年08月15日(木)に新規追加された
笑ってはいけない大反省会〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12506531820.html
2019年06月16日(日) の「JKカリスマ郁姫の“反省のすゝめ”〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」(試公開版)」の改訂版ではありませんか?
そういう時は、「JKカリスマ郁姫の“反省のすゝめ”〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」(試公開版)」のentry-12481144557.htmlのタイトルを「JKカリスマ郁姫の“反省のすゝめ”〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」(試公開版)」から『笑ってはいけない大反省会〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」』に変更して、内容を正式版のものに変更して保存するのですよ(っていうか、この2か月間何されてたんですか?www: どっかの匿名掲示板で支離滅裂な駄文でも書き散らしていらしたのですか?二次創作爺とかあだ名をつけられてもwwwwww)。
同じような内容をあちこちに書き散らされると、読む人が見づらくなって、人が寄り付かなくなりますよ。
(※emailという個人情報を漏らしてまで、この掲示板に書き込みをしたい人がそもそもいるとは考えにくいですが)
それでは、森優インタビューをお楽しみください。


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東伏見稲荷ご利益の真実

前日譚(→前振り)
ことの発端は、小谷が二○一五年の日本SF大賞授賞式後
の二次会で席をご一緒した森優さんから、「すごい話」を小耳
に挟んだことだった。その話とは、故・平井和正氏が日に数
枚しか書けないスランプに苦しんでいた時、半村良氏に東伏
見稲荷に連れて行かれてお祓いをしたら、急にものすごく書
けるようになった、というものだった。半村さんが他界後し
ばらくしてから、今度は執筆のピッチが上がらないとぼやい
ていた森優さんが平井さんからその話を聞かされてわざわざ
東伏見稲荷まで連れていかれ、「この歳になっても筆力がさほ
ど衰えないのは、そのおかげかも」と言えるぐらいの、驚く
べきご利益があったという。たしかに世の東西を問わず物書
きにとってスランプほどオソロシイものはない。その打開策
がこんなところに転がっていたとは。小谷が興奮したのも無
理はない。が、相当酔っていたので、翌日になって「すごい
こと間いちゃった」感動は記憶にあったものの、何稲荷だっ
たかさっぱり思い出せなかった。だがそこは物書き宴会、同
じテーブルについていた荻野目悠樹氏が、その場にあった紙
ナプキンにメモっていたのだった。スランプUコワイ、皆、
同じ。その後いつしか仲間内で自然と「みんなで行ってみた
らどうだろうか」という流れになった。

そして、ついに二○一七年一月二二日、森優さんに引き連
れられたSF作家有志は、東伏見稲荷詣でに繰り出したのだ
った。お祓い希望メンバーは、井上雅彦、荻野目悠樹、日下
三蔵、霜島ケイ、巽孝之、日暮雅通、森岡浩之、小谷真理十
当日は諸般の事情で行けなかったため、巽先生にお祓い代理
を頼んだYoUCHANである。巽先生はクリスチャンなの
でYOUCHAN氏を口実にまんまとお祓いに参加してしま
ったのだ。
こうして無事聖地巡礼を果たしたメンバーは二次会で盛り
上がり、その時聴き損ねた森御大による貴重な昔話を、再び
お聞きしようという話になって、今回のインタビューになっ
たわけである。(インタビュー参加者は日下三蔵、小谷真理、
嶋田: 洋一、日暮雅通、森岡浩之)
(小谷記)

森: 平井和正さんは、日に一、二枚しか書けないとぼやいて
いた時代がたしかにありましたね。
小谷: ご当人もエッセイに書いてらっしやいましたよね。書
けない、耆けないと。
森: そうですね。それが急に日に数十枚も書けるようになっ
た理由として、最初わたしに説明してくれたのは、今だから
言えるんですが、あの〃GLA〃……。
小谷: 〃GLA″?

森: あの新興宗教のね。〃ゴッド・ライト・アソシエーショ
ン〃・教祖の父親から引き継いだ高橋キョウコさん、だった
かな。あの人が教祖の団体です。
小谷: げっ、そlなんですか。
森: 平井和正が書けなかった時代に、頼まれたのか進んで志
願したのか知りませんけど、〃GLA〃の教祖さんの、正確
に言うと娘にあたる二代目教祖になるのかな、その高橋キョ
ウコさんの一種の自伝みたいなものを、ゴーストライティン
グしたんです、平井さんが。
で、高橋キョウコ名義にはなってますけど、実際に聞き書
きしたのは平井さん。それで、あれを書いたおかげで自分が
急に書けるようになったと、ある時期言ってましたね。平井7
和正流の言い方だと、「言霊が降りてくるようになってどんど
ん書けるようになった」というわけです。平井さんは当初漫
画の原案として書いた『幻魔大戦』をあとで小説化しました
が、この『幻魔大戦』がのちのち、ほら、オウム真理教の教
科書っていうか、聖典扱いされたという話があったでしょ
声つ一つ.
小谷: えっ、オウムとも付き合っていたんですか。
森: もちろん平井さん自身はまったく関係ありませんよ。勝
手に聖典扱いされていたわけです。まだオウムが例の犯罪事
件を起こす前のことです。それがあんな事件を起こしたため
に平井和正がものすごく怒って。そんなね、インチキ宗教団

体の教科書とか聖典扱いされるのは御免だ、こんりんざい嫌
だというんで、理由付けをがらりと変えちゃったんです。実
際は、たくさん書けるようになったのは東伏見稲荷のせいじ
ゃなくて(笑)。あれは一緒にお参りした半村良からもらった
わけでもなくて。ただ、平井和正という人はとても思い込み
の激しい人でしたからね。
小谷: われわれもそれを信じて(汗)。
森: 実はこの裏話が本当なんです。
小谷: えええええ?じゃあ、ご利益ってのはI
ここで森岡さん、登場。
森岡: こんにちは。日下さんはまだですか。
小谷: 日下さんを待っているんですが、いま雑談していたら
突然話が核心に入ったので慌ててボイスレコーダーを入れた
の。束伏見稲荷のご利益があるかという話をしていたら、実
はあれ、裏があったという。エー、いまさら、というすごい
話で。
森: 実際は、だから〃GLA〃の高橋キョウコさんの自伝を
代筆したら、彼が言うには、「急に書けるようになった」と。
嶋田: 高橋佳子(ケイ三さんですね。
小谷: あっ、そうそう、女優さんと同じ名前のような気がし
てました。
森岡: ケイという字が違う。佳子(力コ)様と同じ字で、佳
子(ケイコ)さん。

嶋田: ふつう佳(ケイ)と読まないですよね。
小谷: この高橋佳子という人は、今どこにいますか(笑)。ど
こにご利益の元がいるんだっ。(小谷註Webページがあり
ました。今も教祖様らしいです)
森: 結局、この〃GLA〃ではなくて、『幻魔大戦』が教科言
代わりにされたのはオウム信者の問でだったというので激怒
して、それで、それ以後パッタリやめてしまって、自分の世
界から邪教色をぜんぷ抜いちゃった。それで、東伏見で半村
良からもらったと言いだしたんです。別の理由付けに変えた
わけね。といってもウソをついてるわけではなく、ご本人は
思い込みを変えただけなんです。いかにも思い込みの激しい
彼らしくて。平井さんはいつもそういう人だったから。8
小谷: うわ1.われわれは見事にはめられて(笑)。それを信
じてしまったんですね(笑)
森: たしかこれ、話したのは今が初めてです。今まで誰にも
話したことがなかったんですよ、少なくとも公けの席では。
平井和正との交友録の面白いエピソードとしてはね。
小谷: いつか御利益があると思って、私はわざわざ小さい神
棚を自分で作って。
森: そうなの。
小谷: 作りましたよI。やっぱ不思議な話は嫌いでないし。
森: ありがとうございます。そういう人がいてくれて、わた
しの仕事のジャンルも大事にしていただいて(笑)。

小谷: 昨日の日経夕刊で、「呪われた土地の物語』(河出書房
新社)の本もつい書評してしまいました。不思議話、ロマン
があっていいじゃないですか。あの本もムーとか王家の谷と
かバミューダトライアングルとか。ありきたりと言ったらあ
りきたりなんですけれど、四○個呪われた土地が選び抜かれ
ておりました。
森: 日本の?
小谷: 翻訳です。日本も青木ヶ原とか入ってたかな。死体が
多すぎる青木ヶ原って。だけど三分の一くらいは、現代の呪
われた土地を扱っていて、超常現象だけじゃなくて、最近は
サイクロンが生まれる海域とかね。あのすごい被害を与える
サイクロンは実は静かな海で生まれている、とかそういうノ
リ。あとはソビエト時代に造っちゃった原発の廃棄物を始末
に困って北極のそばの町に溜め込んだんで人が住めなくなっ
た、とか。河口にある町が毎年岸壁が削られていって町がど
んどん消滅に向かっている、とか。最近は呪いは環境問題方
面にあるみたいね。
嶋田: 人が住みにくい場所みたいな。
小谷: そうそう。
森: 呪われていると言っちゃうと、住んでる人が怒るんじゃ
ない。
小谷: ちょっとかわいそうになりました。海抜8メートルで
沈みそうな島とか。

嶋田: 南太平洋の.…:。
小谷: 南太平洋の呪われた土地だとか。もうあと百年後には
ないって。
森岡: 書けなくなった作家も呪われているんじゃない?
小谷: 我々はすでに呪われている、ってシャレにならないん
ですけどぉ。
嶋田: じゃあ、東伏見稲荷に行ったから、『星界の紋章』の続
きが出るわけじゃないんですね。ご利益は?
森岡: 全然ない(笑)。申し訳ないけど、あまりご利益なかっ
た。
嶋田: やっぱり。
小谷: わたしはいつあるかいつあるかと思って、待ってたん9
だけど。
森岡: 星雲賞でもらったお盆にお札を収めて。収めてという
のも変だけれど。
小谷: なにか祈り方もあるんでは?あのお札、机の前に置
いておいたんだけれど、それだとありがたみがあまり感じら
れないので、スイーッのかわいい箱があったので、それを壁
に画鋲で留めて簡易聖域を作って、そこに安置しました。
森: 今もですか?
小谷: 今もですよ−。なんか来たらいいなと思って。
森: わたしもあの時にいただいたお札は、神棚においてあり
ますけどね。

小谷: 神棚、あるんですね?
森: 一応、神棚を作りました。年取ってくるにつれてだんだ
ん日本主義的な考え方に回帰しちゃいまして。こう見えても
昔はバリバリの、一時期だけですけど学生運動やってたくら
いで、心情的には左翼のつもりでいたんですけど、すぐそこ
から抜け出して。それはSFにあるどこまでも自由な発想や
ものの見方、考え方に心を惹かれたおかげだと、自分では信
じてるんですけどね。わたしのSF好きは中学・高校時代か
ら始まってるんですけれど、大学のドイツ語科一年の時に一
年間だけ学生運動にハマってしまって。中野にあった学生寮
(東外大日新寮)に入っていたんですが、当時の大学の寮は
国立私立を問わずたいていは活動家の巣窟でね、砂川闘争と
か六○年安保の時代ですから。もっとも学生運動と言っても
われわれ下っ端はデモや立て看書きなんかに駆り出されるだ
けでしたがそのトップダウン的なやり方に嫌気がさして
ね、こんな連中がもし体制側になったらどうせロクなことは
ないと。あとあと内ゲバなんかで実際に証明されましたよね、
それでさっさと足を洗ったんですが、そんなわたしの救いに
なったのが欧米産のSFでした。寮の自分の部屋に山積みに
したSF本Iといっても大半は当時の米軍基地図書館から
放出された古本ばかりですけど、それを目に留めた先輩の活
動家が「そんなアメ帝(アメリカ帝国主義)の産物など読む
のをやめろ」と。そういう上から目線の言い方にカチンとき
まして。
小谷: 全然左っぽくないじやないですかつ!
森: 要するにSF的な物の見方・考え方でいちばん大切なの
は、制約のないどこまでも自由な発想なんですね。わたしは
SFのそんなところに惹かれたんです。誰だったかな、SF
作家の誰かが言ってましたけれど、健全なSF的発想にはど
こまでも自由で公平で客観的な相対主義が大切で、絶対主義
や全体主義や管理主義はなじまないんだと。日本SFの草創
期、わたしは編集者でしたが、小松さんや星さんなど年長者
たちに対してもくつに敬語は使わなかったし、「先生」なんて
呼んだことさえなかった。同じSF仲間だという同志感や連
帯感のほうがはるかに強かったからなんです。

SFと超常現象
小谷: ところで、森さんはUFOとか超常現象にお詳しいで
すが、もちろんSFにはそちらから入ってきたんですよね?
森: よく誤解されますが、その逆です。
小谷: 超常現象が先ではなかったんですか。
森: 先ではないです。もっとも普通はそのようですね。あと
でわかったんだけど、豊田有恒とか平井和正とか、同世代の
SF作家たちはみんな怪しげなアダムスキーの『円盤同乗記』
のたぐいを読んで、そこからフィクションの世界に入ってき


たと言ってましたけど、わたしはまったくその正反対で、ま
ずSF小説に夢中になり、そこによく描かれる世界が完全に
空想の世界とは限らず現実にも存在することに気がついて、
超常現象にも興味を持つようになったんです。〃事実は小説
より奇なり″ということで。
小谷: そういえば、SFファンだと名乗ると、よくSFノン
ケの人から、空飛ぶ円盤とか信じているかとか訊かれますね
溝え。
森: SFをよく知らないファンダム外の人たちの認識は今で
もそんなもんでしようね。でも、わたしはフィクションのほ
うが先で、あとから超常現象に開眼したんです。学生時代は
めったやたらと乱読していたんですよ、アメリカやイギリス
のSF本を集めまくってね。それがのちのち企画を立てる時
にも役にたちました。
小谷: それは全部英語だったんですか?
森: わたしの場合はほとんど英語であとはちょっとドイツ語
ドイツ語は早川書房に入ってからペリー・ローダンを出すさ
いに役立ってます。ところがあの頃は、福島正実さん(「SF
マガジン」初代編集長)が、ああいうス・へlスオペラチック
なものをあんまりお好きじゃなくて。せっかくエージェンシ
ー(版権代理店)から取り寄せたんですけど、お蔵入りにな
っちゃったんです。普通はエージェンシー、この場合はタト
ル商会ですけど、返却しなければいけないところをわたしが

こっそり自宅に持ち帰って。それが結果的によかった、返さ
ないで。とどのつまり、わたしの時代になってからペリー・
ローダンは新しく始めた文庫企画の目玉のひとつになり、今
でもドル箱シリーズとして続いています。ついでにいうと生
前の平井和正のウルフガイ(アダルト/少年両シリーズ)も、
日本人作家陣の目玉的存在としてよく売れましたね。当時の
早川はまだ文庫を持ってない時代で、わたしがSFの文庫企
画を立ち上げた時、最初は編集部内でも大反対されて孤立し
たんですが、さいわい社外ではス。ヘースオ・へラ好きの野田さ
ん、社内では創立者社長の早川清さんが強くバックアップし
てくれて、無事に日の目を見ました。「森優がやると言うんだ
からやらせてみようじゃないか」と信頼してくれた早川社長
には今でも心から感謝しています。
小谷: 今ここに、その恩恵を被った方が。
嶋田: ペリー・ローダンを訳しています。
森: そうでしたか。それで、わたしがまだいる時代に担当者
は別ですけどNV文庫もスタートしたし、辞めた後ではミス
テリを含めていろんな形の文庫シリーズを出すようになりま
したね。
日下: ミステリよりSFのほうがだいぶ先ですからね。
森: たしか四、五年は先行したと思います。それに当時はミ
ステリが売れ行き低調な時代で、たとえばあのクリステイー
でさえ初版が六千部止まりでそれっきりだったほど。そこへ

SF文庫の創刊が大成功して、SFが初の王座に着いたとい
うわけです。
小谷: そうなんだ。よかった。ここで、力強い書誌学の人の
ご登場です。そういえば、あの当時は東京創元社のSFはも
う出てたんですよね。『火星のプリンセス』とか。
森: 出てました。だからライバル関係の早川としてもなんと
か文庫を出したいと。早川社長がわたしの新文庫企画を一発
承諾してくれたのも、いちばんの理由はそこにあったんだと
思います。最初は一万五千部という比較的おとなしい部数で
とにかく五点揃えて出したんですが、それがうれしいことに
まさに飛ぶように売れはじめ11圭冒店さんからは「早川のS
F文庫は上限なしでいい。何部でもいいからありったけ寄こ
せ」式の注文が殺到して、まさに早川書房始まって以来の爆
発的な売れ行きになりました。もちろん、ただちに大増刷が
かかったし、翌月に出した次の五作品からはいきなりどれも
が五万部スタートになったんです。
小谷: 上限なし、うわI。
日下: なんと良い時代。
森: 当時はミステリのほうがさっぱり売れないご時勢でミス
テリ暗黒時代だった。でも代わりにSFが売れるようになっ
たおかげで、早川は持ち直したんです。
小谷: 今はクリスティー文庫やクリスティー賞までが出来て
いるくらいのクリスティー様にもそんな時代があったんです
ね。
日下: そのころまだ、ハヤカワミステリ文庫が出る前でポケ
ミスしかなかった。
森: SF文庫が成功したおかげで、のちにミステリも文庫に
するようになった。
日暮: そうでしたか、逆だったように誤解していました。
森: ハヤカワSF文庫が大ヒットした大きな理由は、もちろ
んスタート当時、宇宙ヒーローものやスペースオペラ、ヒロ
イック・ファンタジーといった、純真素朴でコアなSFファ
ンの人たちが待ち望んでいた奇想天外・荒唐無稽な原初エネ
ルギー溢れる作品を主力にしたおかげでしょう。
日暮: 確かにそれはあると思いますね。
森: 大ヒットしたもう一因に、文庫の表紙と口絵・挿絵に思
いきって売れっ子の漫画家たち(松本零士、藤子不二雄Uた
だしFのほう、山上たつひこ、水野良太郎ほか)を起用した
新機軸がうまく当たったと思います。漫画家のみなさんは、
当時も今もSFがとくにお好きだから、他社に比べてマンガ
出版はシロウトの早川でもオーケーしてくれたんだと思いま
すね。画稿料だってかなり安かったはずなんですが、苦情は
一度も言われませんでした。あとになってから他社の編集者
に指摘されたんですけど、文庫のイラストレーター役に人気
漫画家を起用したのは、ウチが出版の歴史上初めてだったそ
うで。
日暮: そうなんですか。今は普通になってしまいましたね。
森: たまたま営業部の同期のやっと飲んでいる時に、「打ち明
けるけど、社長がお前のこと下へも置かないぞ」と言ってく
れたのを憶えています。わたしにとってはこれは名誉勲章の
ようなものでした。
小谷: えっ、社長様がWすごい。
森: 初代社長がね。まだジ三一ア(現社長)はコロンビア大
留学中でしたから。社の内外でいろいろ言われる社長さんで
したけれどね、わたしにとっては本当にいい社長でした。大
学中退組のわたしを「(福島さんのSF編集を)引き継いでく
れるなら、大卒者と同等の待遇にする」と励ましてくれたん
です。わたしを信頼して自由に企画を実現させてくれた恩人
ですしね。
小谷: 日下さんがいらしたので、まずはショックなお知らせ
が。東伏見稲荷の真相が明かされて、皆でえええええlつと。
日下: ご利益なかったですか。
小谷: 残念ながらそうらしいです。

「SFマガジン」第二代編集長
小谷: 一九七○年代の「SFマガジン」って、わたしにとっ
てはいちばん面白い時代で、たしかマイケル・ムアコックも
このときだったんじやあないかな。あれで、はまりました、
はめられたというか。
森: 福島さんはSFの文芸路線をとられて、海外の質の高い
SF作品の輸入を目指しました。たとえていえば、SFの富
士山の高みをできるだけ高めようとなさったわけですね。一
方、わたしはその裾野をできるだけ広げようと、大衆路線的
な編集方針をとったわけです。
小谷: この時代はすごく面白いんですね。
森: でもムアコックなんかはニュー・ウェーブ的なほうも、
わたし実は大好きなもんで。でもそれは自分が好きな分野、
本当言うとスペース・オペラやヒロイック・ファンタジーよ
りもそっち系の方が好きだったんですけれどね。でも自分の
趣味をそのまま出したらまずいので、あくまでも大衆路線で、
できるだけヒロイック・ファンタジーやスペース・オ・へラを
出そうと。その頃は野田さんがお元気だった時代ですからす
ごく頑張ってくれて、ス。へlス・オペラの方面を張り切って
やってくれました。
小谷: そうですよね。文庫も一番最初にお目見えしたのがコ
ナンとスターウルフ。
森: 文芸的なほうは浅倉さんと伊藤典夫がね、主力ですから。
あとス・ヘースオ・へラの野田さん。この三人が一番わたしのブ
レーンとしてやってくれましたね。
小谷: だって山野さんの『烏はいまどこを飛ぶか』も七一年
だもんね。ちょうどあの時期に、だからすごいですよ。大衆

路線ととんがり系。ヒロイック・ファンタジーとス・へキュレ
イテイヴ・フィクション。両方出てる。
日暮: 山野さんをSFマガジンで読んだときは衝撃的でした
ね。高校生のころです。
森: 日本ではあまりいないようで、山野さんもこのとき登用
しましたですね。
日下: 〃ニュー・ウェーブ″もこのころですよね。
森: ええ、〃ニュー・ウェーブ〃の特集もやりましたね。
小谷: 華やかですね。
森: 現在のSFマガジンとはまったく無縁のようですけど、
わたし自身の好きな超常現象の分野もときどき入れさせても
らったり、あとホラーや怪奇もの、超自然ものなどもやりま
したね。
小谷: ひとりウィアード・テールズみたいになってましたね。
すごいな。
日下: 六九年、七○年あたりには、巻頭カラーページにショ
ートショートの連載があって、いちばんはじめに日本作家の
ショートショートを載せてました。平井和正の「星新一の内
的宇宙(インナー・ス・へlス)」もこのシリーズですね。あれ
は傑作ですね。

今だから言える半村良秘録
小谷: じゃあ、またもとに戻りますが、〃伝奇ロマン〃は最
初は半村さんのために森さんが用意した宣伝キャッチで、そ
れで『石の血脈』は原アイディア的には半村さん自身による
ものだったと。そのあとの半村さんの伝奇的な、超常現象っ
ぽい「ムー」っぽいトンデモネタっていうのは、あれは森さ
んと半村さんのあいだでいろんなお話をしているうちに半村
さんが思いついて書いたんですか。
森: たしかにかなり、いろいろとその方面のヨタ話をしまし
たね。わたし自身も当時から、南山宏名義でヤングや児童向
けの雑誌にそっち系の記事を書きはじめてましたから。本人
もそういうの結構好きだったようで、まだ『石の血脈」を書
くだいぶ以前ですけれど、SFマガジン巻頭のカラーページ
で、たとえばナマケモノは実は知能が高いのだが、だからこ
そそれを隠して楽に生きてる云々、といったたぐいのウソ話
をi
日下: わざわざ偽の書影まで作ったエッセイ「私のタネ本」
ですね。
森: そうなの。そんなウソ話をいくつも書いてくれて、そこ
らへんから半村良が意外なほどそっち系でやれるって分かっ
たんですね。それでいろいろ話し合ったら、これは平井和正
も同じなんですが、けつこうUFOとか超常現象一般に興味
があるわけ。わたしの代になって『赤い酒場を訪れたまえ』
から『石の血脈」という傑作を実らせてくれたのは、そんな
背景があったからなんです。
小谷: そのすぐ次の『産霊山秘録』は完壁に〃伝奇ロマン〃
の王道ですね。
森: 『石の血脈』でうまくいったんで、こんどは彼のほうか
ら次のあれって持ってきてくれたんですね。それで連載にし
てもらって。最後は月にまで行っちゃう話になっているでし
よ声フ。
小谷: そうですね、月の裏側に.…・土−つ!と。時代小説っ
ぽい話かなと思っていたら、宇宙SFですものね。
森: それでそれが泉鏡花賞。
日下: 第一回のですね。
森: あとさ、あのときは、もう一人とのダブル受賞でしょう。
日下: 泉鏡花賞も直木賞も、半村さんいつもダブル受賞なん
です。
森: ダブルになっちゃうのね。「俺の名前が〃半村″だからか
な」と笑ってました。仕事場の名前も〃半分庫″でした。い
や、〃半文庫″だったつけかな
日下: SFマガジン・コンテストは小松さんの『お茶漬けの
味』とダブルだし、泉鏡花賞はもうひとりはよく知らない人
です。で、直木賞も日本SF大賞もそうなんです。
森: ひょっとして新田次郎?山岳ものだった気がするけど。
日下: 森内俊雄という人です。泉鏡花賞は出来たばっかりだ
から、半村さんも勿論知らないんで、金沢の方から電話があ
って、教科書の会社から電話来て、俺のを教科書に載せてく
れるのかなと思ったと。(笑)
森: 思い出しました。あれ金沢でしたよね。半村良が授賞式
に出るというので、わたしも一緒にいくはずでした。ところ
が副業として南山宏の仕事を抱えていて、それもほかの出版
社で。忙しすぎて行けなくてゴメンと。そしたら彼は一人で
行って出席したんだけど、編集者が同行して書いたようなふ
りをしてレポートを耆いてくれた(大笑)。当時のSFマガジ
ンに載ってますよ。だからあれ、同行した編集者が書いたよ
うな見せかけですけど、じつはわたしじゃないんです。
日下: 受賞者が自分で自分の受賞レポートを書いた。
森: そう。半村良の直筆のあれなので、調べてみてください。
日下: わかりました、はい。
小谷: そうだったんですか。
森: まあ今だから、何でもしゃべれます。
小谷: どんどん言っちゃってください(笑)。
日下: 半村さん、『石の血脈』のアイデアは福島さんが採用し
てくれないので、捨てるつもりで短編に変えて、もういいや
ということになったんですけれど、森さんが「長編にできる」
と言ってくれたんで、よろこんで善くって。何枚まで耆いて
いいかと聞いたら、森さんが千枚でもいいと言ったとびっく
りしてました。
森: そんなこと俺言ったかなあ?
日下: 千枚までいいと。
森: 覚えてないな。
日下: 千枚というのは新人の書き下ろしでないですよ、当時。
筒井さんもびっくりしてましたよ。自分の「脱走と追跡のサ
ンバ』に続いて出た次の作品が、半村さんの長編で、あんな
分厚いので、エーッと。
森: 長編化を頼んでから半年かそこらで書き上げてきました
ね。じつは『脱走と追跡〜」の連載が終わるよりだいぶ以前、
半年前にはもう出来上がってたんですよ。ただその頃の半村
良はまだ鳴かず飛ばずの状態で、SFマガジンの読者以外に
はまったくの無名でしたから、わたしの独断でしばらく寝か
させてもらった。『脱走と〜」の連載が終了して単行本企画の
第一弾として耆店に並ぶまではね。
小谷: 「石の血脈』はたしかにすごく分厚かったけれど、あ
っという間に読めましたね。面白すぎますよね。もうあの
〃香織さま信仰″にはまりまして。あのサンジェルマンって
いったい何者だろうとか。覚えるくらい読みましたね.押し
入れの中に入って赤い電球を点ける、とかね(笑)。
日下: ぼくは逆に『石の血脈』を読んでから、銀背で『赤い
酒場を訪れたまえ』を読んだので驚きました。「赤い酒場を訪
れたまえ』は『およれ平吉時穴道行』に入ってるんですけれ
ど、文庫化のときは落とされているんです、『石の血脈』と同
じ話なので。
森: それはわたしの意図でした。わざわざ外したんです。だ
って長編がもう出てるんだもの。その元になったやつなんで
短編集から外したんです。でも今から見ると余計なお世話だ
ったかもしれませんね。
日下: 今度のやつ(註『日本SF傑作選6半村良わがふる
さとは黄泉の国/戦国自衛隊」ハヤカワ文庫JA)には入れ
てます。「収穫」と『虚空の男』と『およれ平吉時穴道行』と
『赤い酒場を訪れたまえ』が第一部。第二部が『わがふるさ
とは黄泉の国」をそのまま入れました。
森: それで思い出した。「虚空の男』だったな。あの例の、な
んて言いましたつけ、アメリカの女流作家で、カナダへ行っ
ちやった人。
小谷: ジュディス・メリルですか。
森: そうジュディス・メリル。あの人が二度目に日本に来た
時は、いちばんの目的がアメリカで日本のSF作家の英訳短
篇集を出そうという企画でした。それで、メリルを安普請だ
ったわたしの粗末な家に一晩だけですけど泊めたんです。そ
の後新築し直して今も住んでる千葉の家ですけど。『虚空の男』
の英訳ということで、半村良もいっしょに泊まったと記憶し
ています。こんな内容だと作者の意図を理解してもらう目的
でしたね。その後の日本滞在中は、たしか中野かそのあたり
の狭苦しいアパートを借りて住んでましたれ。費用はすべて
早川持ちになるように算段したんだから、もう少しこっちに
も感謝してくれてよかったとは思うけど。とにかく良くも悪
くもあの人の思い出はとても印象的でした。
小谷: ああ、なんか相当楽しかったみたいです。わたし九六
年にアメリカでメリルに会ったんですね。そのときはもう車
椅子だったんですが、彼女の場合は電動なので、暴走族みた
いに飛ばすんですよ(笑)。晩年だからすごく怖いお婆さんみ
たいな風貌になっていて、白い髪をなびかせながら、坂みた
いなところをビューと下りてくるのがすごかった。結構可愛
いんです。
森: その頃は、メリルはどこに住んでいました?
小谷: あのときはカナダだったと思います。

森: やっぱりカナダですか。たしかアメリカであの人、積極
的な反戦活動家だったんで、いろいろ障りがでてきて、それ
で国を変えてしまったらしいですね。
小谷: なるほど、そういうことだったんですね。で、日本の
思い出話を談話でくださいとお願いしたら、なぜか野田さん
のことは全くおつしやらない。野田さんのエッセイではメリ
ルが土下座した話とか、ずいぶん面白おかしぐ書いてあった
ので、野田さんの話も出てくるかと思ったら、出てきたのは
もっぱら浅倉さんの話。
森: ああそうでしょうね、浅倉さん。優しいお人柄は勿論だ
けど、阪大英米科のご出身で話すほうもご堪能なんで、メリ
ルの世話係をむりやり押しつけちゃつた感がある。
小谷: しかもですね、〃ミスター・アサクラ・マイ・スイー
ト″なんて仰るんですよ(笑)。あまりに衝撃だったので、テ
ープにメリルさんの声を録音して浅倉さんに送ったら、浅倉
さんは、「俺たちその頃はメリルのことをメリル婆さんと呼ん
でいた」って(笑)。
日下: ギャップが大きい。
小谷: というか。野田さんの話があんまり出なかったと報告
したら、「むしろ野田さんとのつきあいはメリルがアメリカに
帰ってからのほうがあったかもしれないね」とおっしゃって
おられました。浅倉さんのことは本当に大好きだったみたい
です。
森: 浅倉さん、とても人当たりの柔らかい方で、悪く言う人
は誰一人いませんでしたね。そのうえ本当に名訳者だったな。
小谷: あと、男性翻訳者がひとりずつメリルの家に呼ばれて
マン・ツウ・マンで教えを一晩受けなきゃいけないっていう
局面に立たされて、でも「呼びつけられたから、こわごわ行
った思い出とかあるんだよ」と、なんか相当楽しそうに語っ
ておられました。

SFマガジンの女性読者たち
小谷: そもそもインタビューの話が始まったきっかけは二つ
です。
まず一つ目ですね。わたし、女性誌研究会というところに
入っているんですが、昨年そこでコスプレの起源の発表をし
たんですよ。コスプレの歴史を調べて、SF界に海外からコ
スプレがいつ導入されて始まったのか、だいたい情報の流れ
が全部突き止められました。そのリサーチの前段階として、
当時のSFマガジンのお便り欄(テレポート欄)を調べてい
たんですね。で、投稿者数の男女比では、女性が結構多いと
いうことに気がついたんです。当時は住所とか女性とか自分
で告白しているんですが、男女比を見ていただくと、もちろ
ん圧倒的に男性が多いんですけれど、女性も結構いるんです
よ。だいたい三分の一・
森: 意外なほど多いですね。
小谷: もちろん〃不明″というのもありまして。〃宇宙人″
とか〃タイムトラベラー″とか(笑)、お前何者なんだよとい
う方もいましたが、でも基本「人間」が圧倒的多数で、女性
が結構いた。たまたま研究発表した場所が女性誌研究会だっ
たので、コスプレに引っ掛けて、「SFマガジンを女性誌とし
て読む」という発表になったんです。女子がSFマガジンを
どう読んだかっていう。
森: もうびっくりですね。わたし自身が編集していた当時こ
ういう統計を出したことなんか勿論なかったし、テレポート
欄などろくすっぽ意識してなかったんですけどね、申し訳な
いですけれど。しかし、全くの先入観で読者の男女比はおそ岨
らく女性がせいぜい二割か三割と思ってました。完全に感覚
的な思い込みだけでね。しかも当時のSFファンの女性は、
付き合ってみると、わるいけどこの人とは結婚したくないな
と思わせる人ばっかりだったんです(笑)。わたしの完全に主
観的印象ですけど。
小谷: お会いになったんですか?
森: わたしは柴野(拓美)さんの科学創作クラブ(宇宙塵)
の同人会員でしたが、あの会には女性会員も何人かいて、例
会に積極的に出席なさってたんです。いや、たしかに女性は
いたんですけれど、わたしから見ると、申し訳ないですけど、
結婚するならこういう人じゃないほうがいいかなって感じの。
今から見れば差別的な見方だと叱られそうですけれど。
小谷: というか、差別的も何も、わたしSF界って圧倒的に
男が多いと思っていたんで、まさかSFマガジンというど真
ん中に女性がこんなにいるとは思わなかったのね。
日下: それは何年くらいですか?
小谷: 六八年から八三年までの間でテレポート欄に投稿して
いる人ですけど。
森: その後、もっと多くなっている可能性はありますね。
小谷: そうですね。ある時期からSFマガジンって読者の投
稿が減って、おもに二大巨頭みたいな人が。
日下: 常連さん。
小谷: そうそう。その独壇場になっていくんです。で、ひょ
っとして女性の投稿って編集部で提造したのかなって疑った
んです。たとえば筒井さんみたいに女性の。ヘンネームを使っ
たり。たとえば男のファンを釣るために、そういう細工みた
いなことがあるのかな、と。本当はどうなんだろうと。
森: 意識的な細工というのは、わたしの知るかぎりではなか
ったと思いますが。
日下: テレポート欄はどなたが担当されてたんですか。
森: わたしの頃はSF編集部には四、五人いましたので、い
ちばん若い人が当然テレポート欄の担当でした。わたしが福
島さんの下に付いていた時はわたしだけなので(校正部から
も数人は時間を割いてくれましたが)、わたしが読んで面白い
やつを、というより来たやつを文章に多少手を入れただけで
そのまま載せていた記憶があるんですけどね。そんなにたく
さんは来ないから。あんまりひどいのはボッにしただけで。
小谷: なるほどね。じやあ、これはほとんど〃まんま″・
森: ええ、〃まんま″だと思いますよ。
小谷: あるとき、テレポート欄全員女性という号があるんで
す。で翌月にですね。男性読者が「先月のSFマガジンのお
便り欄はなんだ」みたいな、突っ込みを入れてる。先月のS
Fマガジンのテレポート欄は女性ばっかり。何で女ばっかり
なのか、そんなに女性がいるのかみたいな、なんかそういう
手紙がSFマガジンに出ていた。自分の周りには全然女性S
Fファンはいないのに、なぜここにこんなにいるんだみたい
なお便りがあったりとかですね。
森: すいません。今さらわたしの立場からいうのも変ですけ
ど、男女差なんて気にもしなかった。どうせSF読者は男性
が圧倒的多数という先入観に捉われてましたから。
小谷: わたしもね、女性読者の存在に興味が湧いた。どのく
らいいたのかなというのと、あと、明らかにある時期から女
性の読者の意識が変わってきてて、楚々とした上品な奥様系
から、明らかにリブの闘士みたいなタイプが六八年ぐらいか
ら出現していることですね。それを目の当たりにして、すご
く面白かったんですね。そのへんのことなどをうかがいたか
ったんですが。
森: ごめんなさい。テレポート欄の女性、ほとんど記憶にな
いです。
小谷: 記憶にないんですか。
森: 憶えているかぎりでは、当時の編集部に女性ファンが訪
ねてきたことも一度もなかった。男性のほうなら、まだ翻訳
家として半人前だった学生時代の伊藤典夫君が押しかけてき
たことがよくありましたが。
小谷: このテレポート欄の女性ファンが具体的に訪ねてくる
ことはなかったんですね。
森: そう思いますけどね。
小谷: 印象に残っている女の子の手紙とかつてありました?
何でこんなに手紙来るのかとか。
森: いや、その頃わたしが知ってる女性のSFファンという
のは、ほら主として宇宙塵に入っている女性なんで、なんか
はっきり言って、ちょっと風変わりな、普通の人じゃないっ
ていう感じの人ばっかりだったんで(笑)。申し訳ないんです
が。有名な朝香宮のお嬢さん、何て言ったつけ?
日下: 美苑ふうさん。
森: そう美苑ふうさん、色が黒くて活発な感じの。
小谷: うちに美苑さんの描いた「火星年代記」の絵がまだ残
っていて、巽先生が「これはぼくの大事な朝香宮當久子さま
の絵だから」とか言って大切にしてます。あのかた、サイボ
ーグSFを書いてらっしやったんですよね。今読んでも結構
斬新なSF短編だと思うんですけれど・亡くなられちゃって。
森: もう亡くなられたの?
小谷: はい、確か。二○○九年の二月十九日に心不全で亡く
なられたと、「週刊新潮」で報道されました。
日下: 数年前に光波さんが亡くなられたと。
森: ああ、光波耀子さんね。光波さんはずっと九州?
日下: そうです。梶尾真治さんがデビュー前からお世話にな
っておられたと言ってました。

伝奇ロマンの生みの親

小谷: もう一つおうかがいしたいのは〃伝奇ロマン〃につい卯
てです。初期の荒巻義雄さんの伝奇シリーズについて調べて
ましたら、『白魔伝』がSFマガジンで連載されていたんです
けれど、あれ中途でやめちゃってて。
森: 連載は何年から何年くらいだったのかな。
小谷: 一九七三年の暮れから七四年の夏まで七回だったかな。
森: わたしが早川を辞めたのが七四年四月ぐらいだから、そ
れも多少は関係あるかもしれないな。仕事の催促がなくなっ
たんでやめちゃったのかも。
小谷: その〃伝奇ロマン〃という言葉は、森さんの発案だっ
たっていう。
森: まあ、そうですね。帯にね、伝奇小説とかそのまま入れ
たんじゃ、中国の「珈斎志異』とか日本の角田喜久雄になっ
ちゃうから、もっとSFらしくモダンな表現にしたいなと思
って。ほんの思いつきで〃伝奇ロマン〃にしたんです。そし
たら半村良から「ロマンはもともと小説のことだろ。〃伝奇
ロマン〃じゃ小説小説か伝奇伝奇になっちゃうんじゃないの」
とまぜっ返された。いいんだ、これは日本人作家の日本人読
者向けの小説のキャッチコピーなんだから、これでいいんだ
って押し通しましたがね。
小谷: それは半村さんのどの系統に対して?
日下: 『産霊山秘録』。
小谷: 「石の血脈』ではなく、『産霊山秘録』の方で〃伝奇ロ
マン〃というのを初めて使用した、とり
森: わたしの記憶違い?それはおかしいな。帯にいちばん
最初に〃伝奇ロマン〃を入れたのは『石の血脈』だったはず
だけど。
日下: 『石の血脈』の帯にはないですよ。ぼく、初版探した
んですけれど。
森: 分かりました。わが家の書庫のどこか奥のほうに、整理
して箱詰めにした半村本があるんで、今度この目で確かめて
みることにしましょう。持っているのは当然、正真正銘の初
版本ですから。
日下: 「産霊山秘録』…。:。『石の血脈』の画像を取り込んだ
んです。
小谷: う−.すご’い・なんて人だ。日下さん生き字引みた
いね。
日下: 来月、半村さんの短編集が出るんで。新編集の。
小谷: ちょうどお書きになってたのか。
日下: 解説書き上がったばかりなので、メチャメチャ調べた
んで。
森: どこで出るの?
日下: ハヤカワ文庫です。
森: ああ、また文庫でね。あのものすごく分厚い特別版のや
つでしよ。
小谷: 半村さんが〃伝奇ロマン〃を書くきっかけになったと
いうのは、森さんの影響だったんですか、やっぱり。
森: まあ、そうでしょうね。耆き上がってきた『石の血脈』
の原稿をわたし自身が一読者に戻って一気に読み終えた時、
半村良のこの新路線はきっと当たるだろうと強く予感しまし
た。後づけみたいですけど、ほんとです。だからすぐ続編で
はないけど延長線上に乗つかれそうな新連載の依頼を決めた
んです。それが『産霊山秘録』です。そうそう余談ですけど、
半村は書き下ろした原稿のタイトルに、『吸血鬼』というしょ
うもないタイトルをつけてきたんです。世の中にはもう、そ
んなタイトルの出版物がごまんとあるんで、あまりに陳腐じ
ゃないですか。そんなタイトルじゃ編集者としてのプライド
も許さない。内容にはたしかに合ってるとは思いましたがね。
なので、わたしが勝手に『石の血脈」とつけてしまいました。
けちみやく
「落語の〃お血脈〃みたいだなあ」なんてちょっと文句言
ってましたけどれ。
森: ある時必要があって数えたことがあるんだけれど、半村
良はデビュー以来それまでの九年間で、ショートショートも
入れてたった七本の短編しか書いていなかった、九年間でね。
忘れもしませんが、一九六九年の八月号からわたしが二代目
の編集長になり、その翌年の七○年後半、はからずも大阪万
博の年から、〃日本SFノヴェルズ〃と銘打って新企画の単
行本シリーズを出しはじめたわけです。早川書房としては、
少なくともSFの分野では初めてのハードカバー本シリーズ
で、これはわたしが辞めた後もしばらくは続いていました。
たしか全部で二十四巻かそこら刊行されたはずです。
日下: 筒井さんの『脱走と追跡のサンバ』?
森: そうです。一年がかりの連載をしてもらっていた『脱走
と追跡のサンバ』が日本SFノヴェルズの第一弾でした。筒
井さんは名前がちょうど売れはじめていましたし、やっぱり
トップバッターにはそういう売れっ子作家を持ってきたかっ
たんで。実を言うと、『石の血脈』はそれより半年も前にも
う書き上がっていたんです。ところが、当時の半村良は売れ
っ子作家ではなかった、名前が売れていなかった。さっきも
言いましたけど、九年間で七本しか書いてない。しかもみん
な短い。それだけで食ってはいけないから、ほかの仕事をし
てた。そうあの人、水商売あがりの人ですから。バーテンダ
ーとか。
小谷: そうですよね、のちに銀座のバーのお話を善いておら
れましたね。
森: だから、のちのち女の小説を書いても小松さんよりどこ
か奥深かった。半村良は水商売時代の経験から現実的・情緒
的に女を書けたけど、小松さんはかなり頭で技巧で女を耆い
たと思います。
小谷: 『昭和悪女伝』とか、戦後の凄い証言が結構入ってま
すよね。
森: それはのちのち直木賞を取ってからの話ですけど。それ
まではSF一本で、しかも書くSFは、彼の場合はいい意味
での〃風俗SF〃・でも、それが福島さんには気に入らなか
った。それでわたしの代になってすぐ翌年(一九七○年)の
二月特集号ISFマガジンの場合、創刊記念の特大号です
ね、毎年この号では日本作家特集をやる決まりだったんでl
書いてくれたのが短編の「赤い酒場を訪れたまえ』.のちの
『石の血脈』の土台となる短編です。一読してすぐに分かっ
た。これは大きな構想のいわば氷山の一角が見えているにす
ぎないと。すぐさま本人に会って、「これはこれで二月号にも
らうけど、次は水面下に隠れた氷山の全体像を書いてくれな
いか」って頼んだんです。半村良はすごく感激したようで、
ちょっと涙ぐんでました。「これは森優が編集長になったお祝
いに、はなむけのつもりで書いたんだ。自分には作家の才能
がなさそうだから、これを最後に物書きから足を洗って、元
の水商売に戻るつもりだった」って。
日下: 福島さんにもうボッにされているんです、『石の血脈』
が。それでもうしょうがないからと。
森: 正確に言えば、善く前に構想を話したが、ボッにされた
わけ。「お前のはSFじゃない」って言われたと。強いて言え
ば〃風俗SF〃だって言われたそうで。今どきのフーゾクと
はちょっと意味合いが違いますがね。
小谷: ええ、たしかにエロエロしいですけどね。
森: エロエロですよね。実はわたしも結構そこが気に入って
いて。
小谷: いやぁ、わたしもエロエロが好きでしたI。子供だっ
たけれど(笑)。
森: わたしも健全な男なんで、これはいいやと思って(笑)。
半村良はほんとに涙ぐんで、「じゃあ、これはあんたのために
書く」とまで言ってくれた。正直、それまではたんなるSF
仲間の一人というだけの知り合いにすぎなかったんですが、
それからは互いにすっかり意気投合した親しい付き合いにな
り、ちょっとアルコールが入った時なんかには、「お前と二人
でSFマガジンを百万部雑誌にするぞお〜」なんて勝手なオ
ダを上げてたもんです。まあ、実際には百万部なんて夢のま
た夢の話でしたがね。
日暮: わかりますねえ。僕も若いころ、飲むとそういうこと
言いあってました。
森: もっとも、のちのち直木賞(といっても本来のSFでは
なく得意の女もので)をとってからの半村さんは、生き方や
考え方がわたしと合わなくなってだんだん離れていきました。
いや、仲がよかったはずの平井和正ともです。前にもお話し
したように、早川のハードカバー本や文庫本で、それぞれ伝
奇ロマンとウルフガイで売れ出した頃は、三人ともすっかり
意気投合して、しばらくは〃心友の会″を名乗ったりしたも
んです。他愛もない理由なんですがね、わたしは生まれつき
心臓の弁膜に異常があって、母親の話では日赤(日本赤十字
病院)で生まれた時、「十日生きられたらよかったと思ってく
ださい」と医者から言われたそうで。それから八十二年もこ
うして元気に生きてますけどね、何の発作も苦痛もなくね。
あの時も「心臓に雑音があるんだ」そう打ち明けたら、半村
も平井も「俺もだ、俺もだ」って。ほんとはご両人とも血圧
のほうが問題だったんですがね。
小谷: それで親友、ならぬ心友・…:。
森: でも直木賞以後は時がたつにつれて、半村良は平井和正
やわたしと話が合わなくなってきます。「あいつの生き方はけ
しからん」と平井さんが憤撤やるかたない表情でなじったほ
どです。今だから話せるけど、半村さんは愛人をつくっては
飽きると捨てるを繰り返してたんです。「でも別れる時は必ず
相手に、住んでた家やマンションの部屋をプレゼントして後
腐れなくやったよ」と当人は悪びれもせず言ってましたがね。
彼が壮年時代から晩年にかけて苫小牧や鹿沼や前橋などに転
居を繰り返していたのはそのせいなんです。亡くなる前年に
ようやく東京の調布にある自宅に戻ったんですが、「けつきよ
く女房のところがいちばん心が安らぐ」としんみり洩らした
と、日航のパーサーだった半村良の弟さんから聞かされまし
た。「落ち着いたら生前の兄の話を聞かせてください」と言っ
ていたその弟さんも、約束が実現しないうちにそれからまも
なく他界してしまいましたが‐
小谷: さてさて、話は少し逆戻りしますが、その後の半村さ
んの伝奇ロマン路線というのは、これは森さんが結構強力に
押されたということなんでしょうか。
森: ええ、まあそうですね。
小谷: 面白いからもっと書け書けみたいな感じですか。行っ
ちゃえ、行っちゃえと。
森: たしかに『石の血脈』が成功したおかげで、すっかり自
分の物書きとしての才能に自信を持つようになりましたね。
その頃仕事場を訪ねたら、半紙がたくさんぶら下がっていて、
そこに作品のタイトルや出版社の注文事項が達筆に筆書きさ
れていました。
日下: 半村さんは、『産霊山秘録』の連載中にノンノベルで『黄
金伝説』を出していますね。単行本としては、「黄金伝説』、
「産霊山秘録』、『英雄伝説』の順で出しています。
森: 『石の血脈』や「産霊山秘録』で人気が出て売れ出した
のはいいんですが、そのあとすぐ祥伝社さんが事実上囲っち
ゃたんです。
小谷: そうなんですね。で、同じ時期に荒巻さんがおられて
「白魔伝』を、何年だつけ?
日下: 七二年ですね。
小谷: 七二年、ちょっとあとになるのかな、始められたんで
すよね。
森: これも今だから真相をお話ししますけれど、はじめね、
荒巻さんに連載をお願いした時には、わたしのほうからヤマ
トタケルはどうかと持ちかけたんです。そしたら「いやぁ、
自分はヤマトタケルを書く自信がない」と断られ、代わりに
『白魔伝』なら書けると構想をちょっぴり聞かされて、もち
ろん渡りに船とばかりにすぐお願いしたんです。それで次に
ヤマトタケルをどこへ持っていったかというと、豊田有恒さ
んです。
小谷: なるほどそれで豊田さんがヤマトタケルを。
森: 本当はね。でも、ご本人に悪いと思ってずっと黙ってま
したけれど、今だからもういいでしょう。豊田さんはあとが
きで、自分がヤマトタケルをやりたくて、森優に話したら実
現したと書いてるんですが、どっちかというと逆なんです。
三番手として同じように歴史に強い豊田さんに振り向けかえ
たわけなんです。
小谷: 二冊出ましたよね、文庫でね。
森: 本当はもっと売れてくれれば、もちろん出しつづけたか
ったんですけどね。
日下: 三冊目の取材旅行に行ったのに出させてもらえなかっ
たと言って、豊田さん、エッセイで怒っていました(笑)。
森: すみません。でも、現実に完成原稿をこちらに渡してく
れていたら、わたしも必ず出していたはずですよ。シリーズ
作品なんだし、宇宙塵時代からの、しかも同世代の大事なS
F仲間なんだから。ですから早川を辞めてからも、ひと頃は
いっしょにフィリピンや韓国などに家族旅行したり、豊田邸
で開かれる正月の麻雀大会に呼ばれたり。さすがに近年はお
互いにもう後期高齢者組なんで、そんな機会もなくなりまし
たけどね。今でも盆暮れぐらいのお付き合いは続けてます。
小谷: じゃあ荒巻さんのほうは、『白魔伝』は自らおっしゃっ
てお書きになったと。
森: そうですね。とにかく荒巻さんには前から〃伝奇ロマ
ン〃的なものをぜひお願いしたかったんで、結局はその願い
が『白魔伝』で叶ったわけです。
小谷: それで書かれた作品なんですね。

平井和正秘話
森: 一方、平井和正なんですが(笑)、わたしが平井さんをす
ぐ持ち出そうとするのはそれなりの理由があるんです。なに
しろ平井さんは自分の本を出してくれたどの出版社とも最後
はいつも喧嘩別れして、晩年は徹底的な人嫌い、出版社嫌い、
マスコミ嫌いになってしまった人なんです。だから亡くなっ
た時にも、葬儀場に花ひとつ届ける出版社もマスコミもなか
ったぐらい。びっくりしたのはたしか朝日新聞だったかな、
その時わたしに最近の情報を聞きにきた。計報を出すのに古
い情報しかなくて困ったらしいのね。だからせめてわたし一
人ぐらいは最後まで味方で通してやりたかったんです。とに
かく気が合うというのかウマが合うというのか、どういうわ
けかわたしだけは最後まで受け入れてくれました。性格はど
ちらもワガママで自己チューで尊大で怖がり屋で痛がり屋で
泣き虫なところがそっくりなどと、お互いに自分の欠点を挙
げあったら、あんまりソックリなんで笑い転げたものです。
政治や思想関連では右も左も最極端はイヤだが、日本人とし
て天皇制尊重は当然という考え方も同じで、そんなところも
相性がよかったのかもしれない。たしか市ヶ谷あたりをふた
りで散歩していて書店の前を通りかかったら、やにわに店内
に引っ張り込んで、小林よしのりの『天皇論」を買いこむや、
わたしに読めと押しつけたくらいですから。
小谷: そこまで息がぴったりあってたんですね。
森: もともと平井さんは柴野さんの宇宙塵時代からの付き合
いでしたが、とくに親しくなったのはハヤカワSF文庫を立
ち上げてからですね。その前に『狼男だよ』を立風書房から
出してたんですが、SF文庫をスタートさせるにあたって、
あれをそこに貰えないかと言ったら、平井さんはとても喜ん
で。なぜかというとちょっと事情があって、あれを立風の編
集者が作者に断りもなく無断で改寅したと烈火のように怒っ
ていて。例えば、,人死【ひとじ】に‐をただの,死人‐にさ
れたとかね。
小谷: 母国語が得意ではない編集者に勝手に改寅されたって
エッセイで怒りをぶちまけておられましたね。
日下: 裁判沙汰にまでなってましたよね。
森: それがあの人の気性だから。とにかく絶版ということに
なったわけ。そこで、だったら渡りに船ということでウチが
出版権を譲り受けてハヤカワSF文庫で出し直したら、これ
が爆発的によく売れまして。しめたというんであのシリーズ、
平井さんがたしか「小説宝石」(光文社)に中篇で何本か書い
ていたのを貰い受け、シリーズ化して続けたんですね、SF
文庫版として。
小谷: いやあ、あれは本当に素晴らしい。『悪徳学園』も好き
だったんですけど、「女狼リッコ」とかね、当時のウルフガイ
は、もうすごくのめり込んだ一人なんで。
森: とにかく最初からとてもよく売れましたね。平井和正っ
て人は生来わがままで気分屋なんで、たとえばこれはわたし
が辞めたあとだったと思いますが、せっかく熱烈な,ヒライ
ストーたちがファンクラブを作って活発に活動してたのに、
何がカンに障ったのか絶交宣言しちゃったそうで、それも二
度か三度か。葬儀の時に知り合ったヒライストで平井さんと
の間に立つメッセンジャー役だった人から直接聞いた話です。
小谷: 情念は作品からも伝わってきましたけど、激しい方だ
ったんですね。
森: 気分屋だったいい証拠が、最初は「俺は。ヘーパーバック配
ライターだ」とか言って胸を張ってたはずなのに、売れるよ
うになると突然なんかハードカバーもいいようなことを言い
だして(笑)、「それじゃあ、今売れてるから作ってあげられ
るよ」って、あれをハードカバーの合本にして。
日下: 「狼の紋章」と『狼の怨歌』を。
森: 売れるかどうかは度外視でした。ハードカバーのいい造
本にして、まあ平井和正先生のご機嫌をとってやれと。それ
ができたのもSF文庫の企画が当たったおかげで、こういう
と何ですけど、事実上わたしの思いのままに企画を通せるよ
うになったわけ。で、ハードカバー版を出してやったら「俺
はペーパーバックライターだ」という主張を、それからピタ
リと止めましたね(笑)・やはりハードカバー版はうれしかっ
たんでしょう。
小谷: かわいいですね。

森: 平井和正のワガママに手を焼いた思い出がもうひとつあ
ります。わたしはあくまでも■■■■■■で職を辞したつも
りなんですが、彼は何かウラがあると感ぐったらしい。まあ、
ありていに言えば■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■なったわけで。それともうひとつ、■■
■■■■■■■■■■■■■■■■ことも大きな理由ですが
ね。それで思いきって早川耆房を辞めたら、■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■。あれにはほとほと参りました。
日暮: でもそれは、編集者冥利に尽きるとも言えるような……。

小説とイラストの組み合わせ

小谷: 話を元に戻して、あの表紙や挿絵の生頼範義さんとい
うのは、どういうふうに決められたんですか。
森: わたしの記憶に間違いなければ、こっちがまだSF文庫
を立ち上げるだいぶ以前に、平井さんがウルフガイのアダル
トのほうを中編ぐらいの長さで小説宝石に耆いて、それが生
頼さんの挿絵だったのを見ていたんで。と思いますけど違い
ます?
日下: 小説宝石だと「狼よ、故郷を見よ」のイラストが生頼
さんですが、これはハヤカワ文庫より後ですね。「ウルフガイ」
のマンガ版が乗っていたくぼくらマガジン〉の表紙を描かれ
ているから、そちらでは?
森: この組み合わせがいいなと、あの暗い暴力的な内容にぴ
ったりのイラストレーターじゃないかなと思ったんですそ
れであの組み合わせをそのままいただいたわけで。
小谷: それまではハヤカワ文庫で仕事されていたんですか、
生頼さんは?
森: ありませんでした。
小谷: じゃあ、平井さんと一緒にセットで入ってきたってい
う感じですか。
森: 絵を重視するというのはSFマガジンの創刊当時からの
特長で、福島さんの時代には抽象画とかシュールなイラスト、
あるいは真鍋博さんなどモダンな画風のイラストレーターに
お願いしてましたね。わたしの時代になってからは大衆路線
ということもあってもっと具象的だが超現実的な、たとえば
エッシャーとかクリムト的な画風を多用するよう心がけまし
た・生頼さんは具象的でいながら超現実的でもありますよね。
日下: 油絵みたいな感じの絵でしたね。
小谷: そうそう、ものすごく情熱的でギラギラした感じでし
ょう。映画とかテレビドラマみたいな感じ。
森: ちょっと年少者たちに買ってもらうにはどぎつすぎる感
じもあったと思いますけど、とにかくすごくロマンチックで、
読者はなんか映画のシーンみたいな感じに捉えていたんだと
思いますね。
日下: 小説の要素が全部入れこんであるんですね、生頼さん
の絵は。ボスターみたいな感じです。このまえ復刊された小
松さんの日本SFノヴェルズ版『復活の日』、もともとは〃日
本SFシリーズ〃で出ていたのを森さんの時代にハードカバ
ーで出し直したものですが、生頼さんが小松さんの表紙を描
いたのは、あれが初めてだったんです。あまりに徴密な絵に
驚いて、小松さんは「本当に日本の画家なのか?」とおっし
ゃってたそうです。
森: それで思い出したんですが、福島さんの時代には早川の
出すSFはす霧へてソフトカバーでした。〃日本SFシリー
ズ〃という単行本シリーズもソフトカバーで小B6というち
ょっと小さ目サイズの。で、わたしの代になってから、ハー
ドカバーで四六版という、サイズがちょっと大きめのを出し
はじめました。最初のころの、たとえば二点目の『石の血脈』
の場合、全然SFっていう表紙じゃなくて。あの絵描きさん
なんて言いましたつけ、すごく細密に実物そのままに描く画
風の。
日下: 野田弘志さんです。
森: そうそう野田弘志さん。わたしの企画意図をよく汲んで
くれて、半村良自身が知り合いの画家を紹介してくれたんで
す。これが写真みたいに本物そのままの硬質な感じの絵で、
全然SFっぽさがなくてむしろ古典派の名画みたいな。文学
書に見える表紙にしたいというこちらの願いにぴったりなも
のでした。
日下: たしかに〃日本SFノヴェルズ〃は表紙にはSFと書
いてないですね。
森: 扉にはSFとはっきり入れてますけれど、本を開くまで
はわからない。これは普通の文学書とまぎらわしいように装
丁を工夫させたんです、制作部に頼んでね。また、それに合
うような絵描きさんに表紙画を描いてもらった。すべてが狙
いどおりでした。書店にこっそり見に行ったら、店員が普通
の文学書の棚に並べてくれていたんです。それまではSFは
SFの棚、ミステリはミステリの棚といつも置き場所が決ま
ってましたから。わたしとしてはもっと一般の読者にSFを
手に取ってもらう工夫が出来ないかと、意図的にそんな本造
りを心がけた。そしたら狙いどおりで、営業部が耆店に持っ
ていくと、一般書の中に並べてくれたんです。これ申し訳な
いんですが、書店の店主も店員も当時はSFのことなんかよ
く分かっていなかった時代ですから。表紙見ただけで文学書
だと思って、そういうところに並べてくれて、こちらの狙い
どおりになりましたね。
小谷: そういう本全体のパッケージのことまで全部コントロ
ールして本を作っておられたんですね。
森: はい。自分で自分のことを褒めるのはおかしいかもしれ
ないけれど、ほんとによくやったなと、今の自分は思います。
小谷: わたしが買った最初のSF文庫は、コナンですが、武
部本一郎さんの絵で買った人間なので、やっぱり子供目線だ
と、物語的なところが表紙に現れているっていうのがよかっ
たんですよね。平井さんのウルフガイのときもやっぱり生頼
さんの絵で、結構イメージもある程度決まつちやったという
感じて、ずっと続いていたような気がします。
森: その当時は生頼さん一点張りでしたけど、わたしが辞め
たあとになって、平井さん自身が気に入った女性の画家がい
たようですね。わたしにはあまりピンと来ませんでしたけど。
小谷: わたしは生頼さん以外は考えられなくて。「悪霊の女王」
なんて、書店で見たときには、ギャー、きたI。これぞわた
しが読みたかったものだ、と快哉叫んで買った覚えがありま
すね。
日下: 女性が買うというと、C・L・ムーアとか。
森: ああ、表紙で思い出した。零士さんを使った。
小谷: 松本零士。アンドレ・ノートンとかC・L・ムーアと
か、あとマイケル・ムアコックの『火星の戦士』とか。
森: 前にも言いましたが、漫画家の方はみなそうですけど、
昔も今もSF好きで、例外はまずないようですね。耆籍の印
税は別ですが、はっきり申し上げて当時の早川書房は原稿料
も画稿料も安かったし、とくに表紙とかイラストは買い切り
でしたからね。
日下: 印税じゃないんですか。
森: 作者のほうは印税です。訳者もね。原則的には。
小谷: 表紙のほかに中に挿絵が入っているじやないですか。
あれもよかったです。
森: それも買い切りだったんです、わたしのときはね。とこ
ろが漫画家の皆さん、それでもSFがお好きなだけに、みん
な二つ返事で引き受けてくれました。
日下: どんな条件でも書いてくれたんですか。
森: 条件も間かずにです。で、「実は条件的には他社の三分の
一くらいになつちやうんですけれど」とおそるおそる切り出
しても「全然かまわない」と。マネージャーらしい人がそば
で苦い顔をしてることもありましたけどね。
日下: 当時は藤子不二雄とか石ノ森章太郎とか、みんな描い
ていましたね。
森: 漫画家のみなさん、みんな喜んで描いてくれて。
小谷: キース・ローマーの作品も漫画家さんだったと思う。
日下: モンキー・パンチ。
小谷: 彼は『テクニカラー・タイムマシン』が素晴らしかっ
たですね。
森: 手塚さんも本当は(笑)、表紙だけでもよかったんですけ
ど。
小谷: 手塚さんは他社の編集者がとても許してくれないんじ
ゃないですか。でもSFマガジンに「鳥人大系』描いてまし
たし。
森: 『鳥人大系』はね、ほんとに喜んで描いてくれましたよ。
福島さんの時代も「あの忙しい手塚さんから取れるならやっ
てもいいよ」とわたしの企画を採用してくれて原稿取りから
何から全ての責任をまんまと押しつけられちゃった。それが
「SFファンシー・フリー』。こっちももともと漫画大好き人
間で、SF漫画育ちだし、とりわけ手塚治虫漫画の世代です
からね。「前世紀」や「ジャングル大帝」、いやそれ以前にた
しか毎日小学生新聞連載の4コマ漫画「マアチャンの日記帳」
の頃からですから。新聞配達のバイトをしていた時、歩きな
がら新聞をそっと抜き出しては読んでた(笑)。
小谷: 商品なのに、見ちゃう。
森: それ以来のもう熱烈な手塚漫画ファンです。今だから言
いますけれど、自分でも漫画家になろうと思ったことがあっ
たんです。「漫画少年」という雑誌があったでしよ。あそこに
4コマ漫画を読者欄に投稿して、載ったこともあるんです。
日下: みんな載っている。筒井さんも載ってるし。
森: そう、ところがそのとき毎月のように載るやつがいて、
小野寺章太郎という。
日下: 石森章太郎ですね。
森: ああ、こりゃ負けたと思って。もしそのまま漫画に取り
態かれていたら、あの伝説のトキワ荘に転がり込んでいたか
もしれない(笑)。まあ、それはパラレルワールドの話になり
ますけど。
小谷: どなたかお描きにならないかな、『亜空間要塞」の別バ
ージョンで(笑)
SFファンダム出身の編集長の手腕は?

小谷: さて、ここで日下さんの方からお聞きになりたいこと
があるとのことですが。
日下: 福島さんのころに、冷や飯じゃないですけどなかなか
採用されなくて、森さんの代になってから採用された人が結
構いると思うんですね。半村さん、荒巻さんもそうですけれ
ど、今日泊亜藺さんもいます。
小谷: あ、そうなんだ。
森: いやぁ、あの人の「光の塔」が大好きで、もう〃宇宙
塵″に連載された頃からゼヒゼヒと思ってたんですけど、あ
の気性の人でしょう。福島さんとは絶対に合わなかった。
日下: エッセイに書いてましたね。福島さんにはえらく嫌わ
れたって。
森岡: なんでか知らないけれど嫌われたと。
森: そう書いてましたね。でもあれ素晴らしいですね、なに
より独特の硬質な文体で。なんで警官が〃イッケビー″なの
と思ったら、検非違使から来てるとか、地球を覆う謎の〃絶
電″現象だとか、とにかく発想が古風にして斬新。硬派にし
て軟派(笑)。とてつもないセンス・オブ・ワンダーに満ちた
すごい発想でした。本当はもっと書いてほしい人だった。も
っとわたしの時代に書いてもらうべき人だったですね。
日下: なかなか書いてくれないんですよ。「今ほかの方で忙し
いから」とか言って。森さんが取り上げてくれたおかげで、
ハヤカワ文庫から三冊出たので、本当にありがたかったです。
『海王星市から来た男』で初登場ですけれども…:囲み記事
のコラムの紹介は「オールドファンならこの人を絶対知って
いるだろう、光の塔の作者」。『光の塔』はその時に〃SFシ
リーズ〃の銀背に入ったんです。福島さんが辞めて、今日泊
さんがSFマガジンに初登場して、銀背に『光の塔」が入っ
た。
小谷: そう考えると、やはりガラッと変わったんですね。福
島さん時代から森さん時代へは。
森: 不肖の直弟子がこう申し上げると申し訳ないんですけれ
ど、福島さんはSFファン上がりではないんですよね。SF
のプロの人はほとんどみなSFファン上がりだけど、福島さ
んはアマチュア経験のないいわば最初からプロだった人です
SFが英米で受けているから日本でもというプロらしい発想
で始めた。もちろんSF大好き人間という点ではわれわれと
少しも変わりないけどね。福島さんの妹さんが、当時のタト
ルで仕事をしていた宮田昇さんの奥さんで、その縁で英米で
流行っているSFを日本でもと、もっぱら出版企画として日
本に輸入した最大の功労者こそ、まさに福島さんなんですね。
小谷: そうですよね。だから初期はアメリカのモダンな香り
が結構強いですね。
森: ぽくらのようなSFファン上がりとは、ちょっと違うん
です、感覚が。福島さんはいつもSFのプロダムとファンダ
ムをはっきり峻別していた。だから柴野さんとはなんとなく
折り合いがよくなかった。
小谷: (我が身を振り返ると)SFファンは確かにウザイか
もしれない。
森: で、もっぱらわたしが今でいう〃パシリ″みたいなもの
で、福島さんのお使いとして柴野さんや矢野徹さんのもとへ・
小谷: ということは、森さんはSFファンダムにおられたん
ですか。
森: もちろんですよ、学生時代からね。忘れもしません、ス
プートニクが打ち上がった一九五七年、あれを栃木の田舎で、
あっ、栃木の田舎じゃない、もう一年目だ。大学に入るため
に東京に出てきて、それでガーンと来て。あれは「週刊実話」
だったかな、とにかく大判の宇宙時代特集号が出たんですね。
日下: 「実話」という月刊誌です。
森: 「実話」だったか、ただの。その中にたとえば渡辺啓助
さんとか、矢野徹さんとか、今日泊さんも入っていたかな。
日下: 今日泊さんも入っていました。
森: 短篇ですね、当時の日本の代表的作家のSF小説。
日下: 円盤特集みたいな。
森: 当時はSFとは言わなかった。〃空想科学小説″と呼ん
でいた時代ですね。特集号を出して、それを買って読んで、
なかの記事に宇宙塵、科学創作クラブ、今はそう言わなくな
っちゃいましたけど、科学創作クラブと言っていた時代の宇
宙塵の電話番号が載っていた。それで、電話をかけて宇宙塵
に入らせてもらった。初めて例会に出席したら、すごい独特
の個性的なお顔をしたガタイのいい人がいて、これが野田宏
一郎さんだった。なぜすぐ分かったかというと、神田の古本
屋街でもSF本をたくさん置いてる店、たしか泰文社とかい
ったと思いますが、そこの店主さんから「あんたのように空
想科学小説好きの学生さんがいますよ」と教えられた。どん
な人って訊いたら、当時の六代目柳橘さんみたいな、太い眉
毛が八の字で(笑)、そういう顔の人だって教えてくれたんで
す。
日下: 古本屋さんが……。
小谷: SFファンダムではある意味、典型的な出会い方かも。
森: いちばん奥の番台に座ってるおじさんがそう教えてくれ
た。それからしばらくして宇宙塵の例会に初めて出席したら、
その描写どおりの人がいたんです(笑)。すぐにわかりました。
それが野田宏一郎さんだった。あとで柴野さんから教えても
らったんですが、あのバカヤロー解散の吉田茂首相のお孫さ
んで、今の麻生太郎副総理とはいとこ同士だったとか。とに
かくその頃SFを集めていたのは、その野田さんとわたしと
伊藤典夫ぐらいですね。野田さんや伊藤典夫といっしょに〃
コレクター三羽烏″なんて呼ばれたりして。三人とも主とし
て神田の古本屋街なんかでよく買い漁ってましたね。
あの当時、主として神田の古本屋街でSF雑誌やSFポケ
ットブックですけど、ハードカバーも進駐軍から放出された、
必ず白ペンキで背表紙の一番下のほうに〃SF〃と書いてあ
ってほとんど表紙がないやつが棚にずらりと並んでいて、当
時だと十円、二十円、三十円の値段だったので、わたしたち
三人やちょっとあとになると、浅倉久志さんなどが買い漁っ
て収集に熱を上げるという古き良き時代でした。浅倉さんは
静岡のほうでお勤めで、その後東京に出てきて、やっぱり同
じようにSF本を集めはじめたんですね。
小谷: あl、熾烈な戦いが目に浮かびます。
戦後の英米SFコレクター第一号は矢野徹さんですよね?
森: そのとおりです。われわれ三人とも矢野徹さんからはす
ごく恩恵を蒙ってました。とても気前のいい先輩で、向こう
へ行ってフォレスト・アッカーマン(アメリカ版の矢野さん
みたいな人)からもらった雑誌や単行本をわれわれに分けて
くれた。お宅にまで押しかけてずいぶんと頂戴した覚えが
あります。
日下: 取り合いをしたりして。
森: そういえばあのとき矢野さんがいろいろ分けてくれたS
F本はほとんど全部雑誌でしたね、あちらの。おなじみの・へ
lパーバック本が現われるのはたしか戦後(太平洋戦争の)
だったはずだから。アメージング・ストーリーズとかスター
トリング・ストーリーズとか。タイトルそのものが通俗感プ
ンプンで、中味もその通りで。向こうの一九三○年代や四○
年代前半のスペースオ・ヘラ全盛期のやつね。アッカーマンに
会いに行ってたくさんもらったらしいんですね。それをまた
われわれに気前よく分けてくれた。とてもありがたかったで
すね。
小谷: 本当にファンダムのコミュニティにも最初から接触し
ていたんですね。
日下: だから、宇宙塵の例会にずっと出ていた。早川に入っ
たのは柴野さんの紹介ですか?
森: ええ、そうです。紹介というか、本当は止められたんで
す。「今までSFを出した出版社はみんな潰れてるよ、それで
もいいの」ってね。就職難の時代だし、まだ若かったから怖
いもの知らずで、「SFでメシが食えれば、潰れても本望です」
とカッコよく言っちゃった。生意気というか向こう見ずです
ね。そしたら紹介の電話を福島さんにかけてくれて、約束の
日時にのこのこ出かけて行って、初対面で福島さんからいき
なり「SFが好きか」と訊かれたんで、「集めてます、いっぱ
し研究家のつもりです」と胸張って答えたら、そのまま就職
試験もなしに入社が決まつちやった。ただし、福島さんを手
伝うアルバイト社員としてですがね。
日下: それは何年のことですか?
森: 一九六○年?六○年二月号が創刊号だから、その十か
月ぐらいあとですね。
日下: 創刊号が出たのは一九五九年の年末ですね。
森: ですよね。月号としては六○年二月号。あの頃はどの雑
誌も、月号の二か月前に出してましたからね。今は前月か一
緒ぐらいですけど。
日下: ほぼ創刊と同時に入社されたんですか?
森: 創刊の時はまだ完全に読者でした。四年をダブって大学
五年生ですから(笑)。
森岡: 最初はバイトだったんですか?
森: バイトです。
森岡: それで一年くらいバイトして?
森: それで一年くらいバイトしながら卒論を出すか、中退し
て入社しちまうか。
日下: 選ぶみたいな。
小谷: 大学では、たとえば卒論テーマっていうのは?
森: まだ出る気がなかったんで決めないままでした。もし決
めるとしたら、無難なところで〃文学のSF性″あたりを狙
ったかも。向こうの話だけど、もう少しあとの時代にはUF
Oを卒論テーマにした勇敢な心理学者がいた、アメリカ初と
いうことで。それよりはずっと無難でしょう(笑)。あとで学
生課のほうから「休学届を出しなさい。除籍扱いはもったい
ないよ」って言われました。一応、受験した年の合格率は二
○倍ちょっとだったんで。
小谷: 専門は英米科だったんですか?
森: いいえドイツ科です。それでちょっと。ヘリー・ローダン
を。
小谷: ペリー・ローダン。なるほど。
森: 宇宙英雄●ヘリー・ローダンは二人の作家が最初のうち書
いてましたね。K・H・シェールとクラーク・ダールトン。
ダールトンのほうは本名がヴァルター・エルンスティング、
これが本名らしいけど。・ヘンネームがクラーク・ダールトン
といういかにも英米系の名前なのは、主人公のペリー・ロー
ダンがドイツ語で書かれているのに主人公はアメリカ人だか
らだと思うんです。
嶋田: アメリカの小説に見せたかったみたいですね。ドイツ
人と話をしていて、「ドイツ語からペリー・ローダンを訳して
いる」と言うと、「何でわざわざドイツ語から訳すんだ。原文
の英語から訳せばいいんじゃないか」と言われたって話もあ
ります。
日下: もとが英語だと思ってるんだ。

トンデモ系繋がりでは―

森: それでね、ちょっと不思議な縁がありまして。〃太古宇
宙飛行士仮説″というUF○学とも縁続きの研究ジャンルが
あって。宇宙人が地球に来て人類とか文明を作った可能性を
論議するというトンデモ理論ですね。例のエーリッヒ・フォ
ン・デニケンが言い出しっぺということになってますが、ほ
んとはデニケンじゃない。ただいちばん有名なだけで。ただ
そのデニケンが作った〃太古宇宙飛行士協会″の中心メンバ
ーのひとりがダールトンだったんです。デニケンとは親友ら
しくてね。当時はその国際会議が毎年のように先進諸国のど
こかで開催されていたんです。
小谷: 国際会議?
森: ええ。SFコンベンションみたいなものですね、参加費
も取りますし。わたしはユーゴスラビアのベオグラードとス
イスのチューリッヒでの会議を一応取材を兼ねて覗いてみま
した。そしたらあちらが勝手にわたしを日本代表にしちゃっ
て、ヒナ段に並ばされて形だけのマスコミインタビューを受
けましたね。逆にこっちがデニケンやダールトンをインタビ
ューしたこともあります。心臓英語とヘタクソなドイツ語の
チャンポンで。まあ、実際は彼らが本に書いてた内容の念押
しをしただけにすぎませんがね。
小谷: すごいですね。それはこちらの雑誌に載ったんです
か?
森: ええ、「ムー」ではちょっと書きましたけれどね。あとは
自分が出したその方面の著書や訳書のあとがきなんかに。そ
の頃はお世話になった早川書房とはほとんど無縁になって仕
事もしない状態で、その後三○年ぐらい早川ピルには顔を出
すこともなくなりました。いや別に喧嘩したわけじゃないで
すよ、円満退社だし、退社後もしばらくは嘱託だったし。た
だ、フリーになってからは、ちょっとやる仕事の分野がちが
うし、あまり縁がなくなってね。でも、わたしもSFマガジ
ン時代に手がけたSFコンテストがニューバージョンで復活
して、ミステリのクリスティー賞とともに早川文学賞として
スタートしてからは招待状を送ってもらえるようになり、そ
れ以来また何かと縁ができて出席するようになりましたが。
小谷: 「ムー」の創刊には関係してたんですか?
森: はい、実は企画の段階からかんでまして。今もまだ企画
顧問料をちょっといただいてます。
小谷: やっぱり。
森: あの名前も受け身的で「これはどうか」と言われてちよ
つと無責任に「まあ、いいんじゃないの」って。でも、カタ
カナたった二語のタイトルってかえってインパクトあるなと
も思いましたね。ほかの候補に何があったか忘れましたけれ
ど、これが一番いいんじゃないですかって。
小谷: お勤めしてたときですか?
森: いや、創刊されたときはもちろんもう勤めてなかったで
すね。
小谷: あの頃はたしか「UFOと宇宙」とかいう雑誌があり
ましたけれど、あれは関係ないんですか?
森: 直接は関係ないです。ただ記事を書いたこと、たしか一
度だけありましたね。
小谷: 結構買ってたんです。宇宙人がいるとか、本当かみた
いな話が出てて、眉唾だろ−と思いながらも密かにワクワク
しました。
森: どこの雑誌でも南山宏で仕事をするのが原則なんですが、
同じ号で複数の仕事をする時はやむをえず複数のペンネーム
を使います。三つか四つ使ってますが、ここでわざわざ挙げ
るのはやめにしときます。翻訳するときも同じ号に複数同じ
名前が並ぶのは、わたしだけかもしれませんがなんとなく気
恥ずかしいので、別のペンネームを使うようにしてましたね。
小谷: それは「ムー」で?
森: 「ムー」でも。
小谷: SFマガジンでも?
森: そうです。マガジンでもたまには複数の名義で翻訳をや
ったことがありましたが。親戚の名前を弱ったり。恥ずかし
い。
森岡: 大山優…・・かな?
森: いや、いろいろ。もともとは大山姓だったんですが、両
親が離婚して母方の姓になったんです。大学生の頃でしたが。
嶋田: 〃イオンド大学″との関係はなかったんですか?
森: とんでもない。ありませんよ。ああいうインチキくさい
大学というのは。矢追純一がやってたやつでしょう。通信教
育だけで卒業証書を出すという。
嶋田: まあ、ディプロマ・ミルみたいな。
森: 矢追純一と呼び捨てにしてたんですが、あるときに知っ
たんですけれど、わたしより年上の人だったんです。それか
らは〃さん″にしました(笑)。UFOのテレビ番組でお世話
になったこともありますんで。
小谷: わたし、超常現象系のノンフィクションというか実話
ネタとSFの関係ってどういうもんなのかなって、興味を持
ってたんですけど、それは?
森: 日本ではほとんど関係していないでしょうね.読者は別
として。何々さんだつけ、今のSFマガジンの編集長?
小谷: 塩澤快浩君。
森: 塩澤君に言われたことがあるんです。「現在のウチのSF
はトンデモ系はお断りしています」って。
小谷: えっ、そうなんだ。入れたほうが面白いんじゃないか
と、わたしなどは思っちゃうけど。
森: いや、わたしもそう思ったけれど。昔の〈SFマガジン〉
より読者数を減らしたのは、それが理由の一部だと思うんで
すがね。入れないから、そっち系をね。もうちょっと大衆的
にオープンにしてもいいんじやないかと思いますがね。ただ、
今の編集部の方針がそれらしいんで。〃トンデモ系″とわた
し自身が言われましたから、あの塩澤君に(笑)。
小谷: ビリーバーが嫌なのかな。そういえば、アメリカの作
家で黒丸尚さんが訳してた人で、ニューヨークに住んでいる
『ヒーザーン」とか『テラプレーン』とかの作者のジャック・
ウオマック。すごいカッコいい小説を書いているポストサイ
バーパンクの作家なんですけど、これがトンデモ系で。
森: ポストサイバーlパンクのトンデモ系?
小谷: ポストサイバーパンクのトンデモ系です。たまたま、
巽と一緒にニューョークにいたときに、『SFエンサイクロ・ヘ
ディア』というこんな厚い事典を書いたジョン・クルートが
英国から渡米してきたんでウェルカムパーティやるからお前
らも来いとか言われて、ウオマックのアパートに遊びに行っ
たんです。彼、ニューョークの歴史を改変したカッコいい系
の作品書いてるから、これはすごいインテリのサイバーパン
ク系で頭よくて高級趣味なんだろうと思っていたら、書棚の
壁面が全部フライングソーサー、つまり空飛ぶ円盤の怪しい
本で埋め尽くされててびっくりしました。トンデモ本のコレ
クターだったんですね。あとでアイリーン・ガンからそうう
かがいました。昔からそういう本ばっかり集めているのでは
有名な人だったんです。それで、どうしてこんな本ばかり集
めているのと聞いたら、「SFファンなら当然じゃないか、お
前、何言ってんだ」「お前のほうがおかしい」と言われました。
森: 会ってみたかったなあ。
小谷: まだ元気ですよ。わりともう中高年。その頃はまだ若
くて未婚でした。今は娘がいたかな。
日下: ウィキ。ヘディアに書いてあります。「日本の〃トンデモ
本″の概念に近い内容の本のコレクターとして知られ、ネッ
ト上で紹介してもいる」と。
小谷: わたし的には、アメリカの山本弘さんかなと。あ、で
も山本さんはサイバーパンクじゃないか。
森: 何ていう名前のかたでしたつけ?
小谷: ジャック・ウオマック。
森: あ−、名前だけは。最近のSF勉強してないんで。すい
ません。
小谷: ツイッターやってるから、フォローすればすぐ返事く
れるんじゃないかと思います。
森: はい、ありがとうございます。
小谷: 若い時は牧野修さんみたいな顔してました。空飛ぶ円
盤の研究、というか好きなんでしょうね、そういう本ばっか
り集めていて。あ、ビリーバーじゃないですよ。でもそのロ
マンに心惹かれているって感じですか。
森: なんか話が合うかもしれない。
小谷: わたし的には、山本弘さんのような日本のトンデモ本
を面白おかしぐ批評的に紹介しているお姿とちょっと重なる
ところがあって。だからそういうトンデモ系とSFの小説の
スタイルがリンクしててもいいなと思ってます。で、そうい
うネタがたっぷり入っていた半村さんの伝奇ものとか荒巻さ
んの伝奇ものとか、あと一九七○年前後のSFを見ていると、
何か森さん的な影響を濃厚に感じるんですね。もしかして、
もしかしてあれかな、みたいな。
森: 山本弘さんですね、今お話に出た。お会いしたことある
んですけど、何度か。というより同じように、こういうイン
タビューされたことがあるんです、ほんの去年のことですけ
どね。もう一回やりましょうと言われてて、それ、実現しな
いままなんですけれど、今まで。今日お話したようなことを
たぶん第二回目に予定していたんじゃないかと。
小谷: あ、じゃあ、やっぱり彼も興味持っているんですね。
森: あのかたちょっと歩きづらそうな。腰とか足とか悪くな
ったみたいで。そのときにちょっと心配になりました、わた
しよりお若いのに。
小谷: なんかSF嫁貰って幸せに暮らしているっていう話を、
山本さんのファンジンで読んだような。
森: たしか名古屋かなんかにお住まいでしょう。
小谷: そうです。
森: インタビュー全般でというつもりで、もう一回のはずな
んですけど、実現していないんです。
小谷: ぜひ実現していただきたいですね。すいません。日下
さんの話の腰を降りっぱなしになってしまって。
日下: 第一世代の作家だとですね、森さんになってから、荒
巻さんもそうですし、山野浩一さんも、書きはじめられてい
る印象があるんですけど、そのへんは?
森: 山野浩一さんもそうですし、あと荒巻義雄さんも。
小谷: 荒巻さんそうなんですか。
森: それから田中光二さん。
日下: 田中さんは七○年代のデビューですね。
森: もちろんわたしの時代です。
日下: 河野典生さんもですね。彼は「宝石」のデビューです
よね。ハードボイルドの人だったんですが、銀背からも出て
るんで不思議だと思ったんですが。堀晃さんも。皆さん、兼
業でお仕事されていたというのもあると思うんですけど、福
島さんのときはあまり馴染みのない方だったのが、森さんに
なってからコンスタントに登場されているんですね。そのあ
たり福島さんと森さんの編集方針のちがいというか。
小谷: かなり違うんじやないかな。やっぱり小説が圧倒的に
面白いです、森さんのときって。
日下: 荒巻さんは、初期の結構難解な思弁的なSFがいっぱ
い載ってましたね。『大いなる正午』とか。
森: あの、荒巻さんの場合は正直言って、伝奇ものよりもそ
っち系のほうがわたしは好きで、ほんとに自由に好き勝手に
書いてもらったんですね。
日下: 銀背も最初は『白壁の文字は夕日に映える」で。
小谷: あれは持ち込みだったんですか、紹介だったんですか。
森: 最初に宇宙塵に載って、それでSF論争してましたね。
柴野さん、荒巻さん、山野さん。非常に面白いと思ってSF
マガジンにも登場してもらいました。
小谷: 荒巻さんは、いつも仲裁役でしたか。
森: いえ、ご自分なりのSF論をお持ちでしたね。それで言
く小説がすごく哲学的というか、思弁的なんで、そこらへん
がわたし好みで、それで執筆をお願いするようになったんで
す。最初の頃はひと月置きぐらいに中編を書いてもらいまし
たね。
日下: SFマガジンじゃないと載せられなかったんじゃない
かと思うんです。
森: あの頃は、わたしの時代に売り出した、というか後押し
させてもらった作家のみなさん、たいていはできれば中篇を
隔月ぐらいにお願いしました。そうすると後が何かとうまく
いくもんですから、だいたいその方式でやりましたね。もっ
ともこれは福島さんが小松左京さんにひと月置きぐらいで中
篇を書かせていたのと同じ方式でして、それを遠慮なく踏襲
さもらったんです。もちろん、そうでない短編の作家もせてもらったんです。もちろん、
たくさんお願いしましたけど。
日下: 七一年に横田順彌さんと
梶尾真治さんが同じ号でデビュ
ーしているんですね。
小谷: エー、そうなの。
森: ヨコジュンはわたしのとき
は、善くやつ書くやつ純情SF
的ばっかりで、それはそれでい
いんですがわたしとしては今ひ
とつ物足りなかった。あの〃ハ
チャハチャ〃はたしか平井和正
がそう呼んだんでしたかねI
残念ながらわたしが辞めたあと
なんですよ、ョコジュンがハチャハチャもので本領を発揮し
たのは。ただわたしの時代に『日本SFこてん古典』を連載
してもらって、それがとてもよかったですね。あとあと彼の
財産にもなった。
小谷: あの〃ハチャハチャ″っていうSF用語は、東大SF
研の方から発生したらしくて、その語源を一の日会の人たち
が調べたそうです。
森: 〃ハチャハチャ〃は平井和正の命名じゃないの?

小谷: 
段階で
平井さんが一の日会ではやらせたんですが、その前の
で、〃ハチャハチヤ″ということばがどこから発生した
のか一の日会の方々に訊ねたら、東大SF研のオリ
ジナル・メンバーだった小谷善行さんが言いだした
言葉だということでした。東大将棋部の会員でもあ
ったことから、将棋の盤面が美しいのを華麗ダメ
なのをハチャハチャと呼んでいたのを転用したんだ
とか。
森: なあるほど。そういえば、今もまだ迷宮入りし
ていると思いますが、たしか東大SF研の会長だっ
たかと思うけれど、世田谷の一家惨殺事件、あれの
被害者は東大SF研の宮なんとかさんだったとか。
小谷: 一家全員殺された未解決事件の?え1つ!
森: だからSFつながりのセンで追ったらなんか手
がかりを掴めたんじゃないかと勝手に思ってたこと
があります。
小谷: ポルターガイストか、宇宙人か、
森: なんかあるかもしれない。警察はSFの線なんか全然ノ
ーチェックでしょうけどね。
小谷: これでは終われない、というかなんか最後にとんでも
ない話が出ましたよ・う’ん。それはまた次回ということで。
本日は長時間ありがとうございました。

森優インタビューを終えて



森岡浩之
森さんがSFマガジンの編集長をなさっていた時期に、わ
たしはSFに目覚めました。貴重なお話をうかがっているう
ち、納屋に籠もってそこに収納されていたマガジンのバック
ナンバーを読み耽っていた小学生時代を思い出しました。

嶋田洋一
とりたてて実のある話もせず、主に茶々を入れていただけ
ということを満天下に知らしめているような:.:.それにして
も森さんの話はたいそうおもしろく、同席できたのは幸いで
した。やはり生き証人による実録秘話は聞き応えがあります。

日暮雅通
大学時代に森さんの仕事(超常現象関係の記事)のお手伝
いを始めたので、四十数年のお付き合いになります。しかし
それ以前に関しては断片的に聞くくらいで、伝説のようにな
っていたことも多かったため、今回のインタビューは実に興
味深いものでした。先日亡くなった宮田昇さんから戦後翻訳
界の話を聞いたときにも感じましたが、やはり当事者に直接
聞くのが一番。もちろん、きちんとした記憶をお持ちの人に
限りますが。僕自身はいま、福島正実さんの長男と交流があ
りますが、彼もとうに還暦を過ぎました。時代はどんどん変
わりますね……。

日下三蔵
福島さんが第一世代、森さんが第二世代の担当と何となく
思い込んでいましたが、今回お話をうかがって、森さんが思
った以上にガッッリと第一世代の方たちのサポートをしてお
られたと分かりました。貴重な裏話をお聞きできて楽しかっ
たです。

小谷真理

東伏見稲荷の件では、よくぞ担いでくださいました、と自
作神棚の前で脱力しましたが、同時に、さすが第一世代は違
うぜ、と笑いがこみ上げてきましたね。
平井和正・半村良両氏の黄金期は、我が読書遍歴でも輝か
しい時代でしたが、狂ったように読みまくりながらもあれこ
れ不思議に思っていた謎の数々が、ようやく解けました。ま
すます両作家の作品が好きになりました。ありがとうござい
ます!名編集者は時代を作る、という意味では森さんこそ
やっぱりすごいクリエーターなんだと再認識しました。

------------------------------end--------------------------

ではでは。


Re: 幻魔大戦Rebirth - Name: カナメ Mail - Home No.1673 - 2019/08/17(Sat) 15:49:31
おかもとさんには、半月越しの……って、もういいか。
平井和正ロスの渇きをいやす、貴重なオアシスだったのですが……。
『幻魔大戦Rebirth』という物語の完結が、幻魔大戦という戦いの終わりになるとは思いませんし、また望んでもいませんが(>少数派?)、七月鏡一の平井和正補完計画(?)は、何かしら続けていってほしいなと望んでいます。
ツイッターでは『8マン インフィニティ』電子書籍化のつぶやき※が聞こえていますが、もしかして、リバースの次はインフィニティの続き……? というのは、希望的妄想が過ぎるでしょうか?
※ https://twitter.com/JULY_MIRROR/status/1154976873962545153

七月先生だけではなく、情熱あふれるもっと多くのひとに平井和正補完計画に乗り出してほしいと思います。幻魔大戦だけでも、やれることはいくらでもあります。(前にも云いましたが)漫画幻魔大戦の「軌道を外さないノベライズ」(笑)とかね。そして、それを映像化! まさに角川映画アニメ・幻魔大戦のリブートです。題してシン・幻魔大戦。そのまんま過ぎるか。

NNさんという方が、小説幻魔大戦のGENKENパートをなんと漫画化し、電子書籍で配信※しておられます。この情熱、恐るべしです。クリエイティブな才は無いワタシも、見習いたいと思います。「作品」に対する評は様々にあろうかとは思います。ワタシは作品の創り手に対して、まず作品を創造する営為、御苦労に対して、感謝とリスペクトを抱いていたい。それがあった上での文句なりツッコミを発したい。作品を読み、語ることしかできない者として、「反省」したことのひとつです。
※ https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07PDDWCWH


Re: 間が空きましたが、ブログに触発されまして - Name: カナメ Mail - Home No.1672 - 2019/08/17(Sat) 15:44:07
DONDENさんには、ひと月越しの返信になります。こちらこそ、間が空いてしまいまして。
ブログへのリアクションは、励みになります。ありがとうございます。
ワタシもイメージがモヤモヤしたままで文章にならないときは、キーワードや着想の断片を列挙して書いていきます。すると不思議なもので、なんか文章ができてゆくのですね。頭の中だけで考えていたのではダメなんですよ。
こういう形式の投稿も、もちろん大歓迎です。自分だけでなく、それを読む誰かの何かのヒントになることもありますし。

『地球樹の女神』、『犬神 明』、惹かれるなあ。大作にあっちもこっちも手を出すと、結果どれも進まないということになりかねず、自制しております。早く「平井和正・平成の大海原」に挑むためにも、第二次幻魔大戦の航海を急がねば。

『悪夢を作る男』って、一度、電子書籍化されてるんですよね。ミュージック・シーオー・ジェーピー配信の電子書籍って、ワタシが平井和正をセミリタイヤ(苦笑)してたこともあって、けっこう貴重なのを買い逃してます。BLUEシリーズと並んで、是非いまのフォーマットの電子書籍にしてほしい幻のタイトルのひとつですね。次に里帰りしたら、スキャナーで「自炊」してやろう。これは独り言。
[参考]ヒライストライブラリー http://hiraist.fan.coocan.jp/index.html
 http://hiraist.fan.coocan.jp/mokuroku/cat/cat2_aa.html#AA02001


Re: 幻魔大戦(15)「幻魔の標的」の読書日記を公開しました。 - Name: カナメ Mail - Home No.1671 - 2019/08/17(Sat) 15:38:13
こんさん、どうもです。ふた月越しの返信で失礼します。
こころを不健康にする原因を取り除き、快癒を目指す。その処方箋って、それこそ人によるし、病状によると思うのですよ。
たとえば、白水美晴さんに郁江式反省をすすめるかと云えば、ワタシなら止めますね。彼女のケースは田崎宏のような立派な男と出逢い、添い遂げていただき、愛する男との幸福によって過去の傷を癒やしてもらうほかはない、それを祈るのみです。こうなると反省とは何の関係もないですが、そういうものだと思います。

わたしなりの反省についてお話ししただけで、他の人たちにとってもあてはまるかどうかわからないんです。反省にも他にいろいろなやり方、方法論があるんじゃないかと思います。

井沢郁江もこのように云ってはいます。これを云ったのは15巻の11節で、例の内村君がやらかし発言をしてしまう前にあたります。なので、あまり印象には残らないかもですね。


幻魔大戦(15)「幻魔の標的」の読書日記を公開しました。パート2 - Name: カナメ Mail - Home No.1670 - 2019/08/15(Thu) 22:57:35
試公開版から実に二カ月、ようやく「正式版」がアップできました。
こんなに時間がかかった理由は明瞭。ダイジェストが億劫なんですよね。ちっとも気乗りしない(笑)。そのくせ、けっこうこれが難しい。杉村由紀がティッシュであそこを拭いただけでむっちゃ気持ちよくなってしまうなんて、どない書きゃええのかと(笑)。でも省略したら、まるで久保陽子と高鳥慶輔が矢継ぎ早に執務室に訪れたみたいになってしまうし。自分の文筆の下手さを思い知らされます。
でも、やっぱりこれは必要だよなと、書き上げてみればそう思います。不都合は、それを書くのが自分であるということだけ。こんな漫画原稿のベタ塗りやスクリーントーン貼りみたいな作業は、アシスタントにまかせたい。そんな経済力があれば。まあ、文章のトレーニングだと思ってがんばります。
本文も大幅に手を加えました。試公開版をしばらくそのままにしておきますので、お暇な方は読み比べてみてください。

笑ってはいけない大反省会〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12506531820.html

妥協はしないが、サボるときゃサボる。締切なんて守らない(そんなものはないが)。その精神で、これからもがんばってまいります。励ましの声などいただければ、怠けがちなワタシの精神にも、鞭が入るかもしれません。どうぞよろしく。


ご無沙汰してます。 - Name: カナメ Mail - Home No.1669 - 2019/07/31(Wed) 21:55:25
あら、どうしましょ。なにもしないうちに、七月の終わりを迎えてしまいました。
全52回「1,300分de幻魔大戦」とか、Eテレあたりでやってくれないかなぁ。来週は『真幻魔大戦』9巻「犬神一族」をお送りします。お楽しみにッ。……公共放送にそこまでマニアックな番組は望むべくもありませんし、自分でやるしかしょうがないんですけどね。がんばります。

お休みしている間の報告をひとつ。6月、世田谷文学館の石ノ森章太郎展に行ってきました。この掲示板的には、存在すら知らなかった『幻魔大戦』=東丈のイメージイラスト原画を観られたのは収穫でした。
マイアニメに連載されたイラストで「ジュン 4: 石ノ森章太郎のFANTASY JUN」(978-4780801682)に収録されているようです。

主がなまけている間、投稿もいただきまして、ありがとうございます。
お返事はまたあらためてさせていただきます。とりあえず、そんなところで。


幻魔大戦Rebirth - Name: おかもと Mail - Home No.1668 - 2019/07/30(Tue) 09:32:33
幻魔大戦Rebirthが、もうすぐ完結するという。

そのことは、作者の七月鏡一氏や早瀬マサト氏がツィッターでつぶやいていたし、今月「サンデーうぇぶり」で公開された第61話の題名が「ハルマゲドン」、つまり最終戦争であることからもわかる。まずは5年にわたる長期連載に対して、「おつかれさま」「もう少しがんばってね」という、感謝と激励のことばを贈りたい。

とはいえ、幻魔大戦という物語の性格からいって、大多数の読者が望むような大団円の結末にはならないような気がする。それは、「狼のレクイエム 改訂版」で平井和正が示したような「物語の死」だし、七月氏や七月氏の元を訪れている言霊様も望んでいないと思う。

では、どんな結末をむかえるのか。

これまでの平井作品では、女神様が重要な鍵を握っていた。幻魔大戦Rebirthでいうと、ステラやクロノが女神になるのだろうか。いや、ここは一つ、さるとびエッちゃんにがんばってもらおう。
エッちゃんが、愛犬ブク(実はフロイ)とともに、幻魔司政官シグを「テヘ」といってやりこめる。それを唖然として見守る、東丈ら登場メンバー。そのメンバーの上に、突如、巨大な月が落ちてくる。「月が……」
最終シーン、くるりと裏返った月には、巨大なドクロではなく、巨大な「オチ」の2字が書かれていた。これぞ本当の「落ち」。へい、おあとがよろしいようで。


間が空きましたが、ブログに触発されまして - Name: DONDEN Mail - Home No.1666 - 2019/07/13(Sat) 18:59:17
『メガロポリスの虎』を少々掘り下げてみようと思います。俯瞰してみる、といった方が適切かもしれませんが…。
どうもうまく長文でまとまらず、かといってネタを抱え込んだままなのもしょうがないので、箇条書きにて失礼します。
(幻魔大戦のブログの方でも、読んで思うことはちらほらとあったりしますが、文章化するにはとりとめなかったり、ネタ的にフライング気味だったりなので、まあ機会があれば…)

・“守護天使”ヴェスパの設定の骨子を「主人公が間接的に死に追いやった実母そっくりの、人に非ざる身体、そこに宿る超越的存在」と考えると、『地球樹の女神』の御子神真名が同様のモチーフのキャラクターとして挙げられる。

・そこを起点に『地球樹の女神』を考えると四騎忍とその“影”の関係性は、系譜として大村トオルと土屋ジョウに連なっているのではないか。

・原型作品のタイトル『悪夢を作る男』からすると、大村トオルは後の作品で言うところの“夢使い”に分類できる。

・土屋ジョウの姓・名は他作品でも使われ、その容姿も平井作品で頻出するモチーフと言える。土屋ジョウの結末とともに、『地球樹の女神』に限らず平井作品全体を考察する上でもそれぞれ重要なファクターだろう。

・ウルフガイシリーズ『犬神 明』のアリゾナ砂漠での犬神明もまた、「土屋ジョウの系譜」に連なる気がする。そういえば『地球樹の女神』は『犬神 明』執筆の途中で移行し、書き上げられた。テーマ的には連続性があったと言えるのかもしれない。

・また、イノ・サクジロ議員も“年寄り”に対応している気がする。『地球樹の女神』では“年寄り”は正体不明だが、人類を抑圧し封じる者という象徴的存在として、作中の推測の一つ「サタン」は共通項を見い出せるように思う。

・また『地球樹の女神』は構造としていわゆる“セカイ系”に分類可能と思うが、『メガロポリスの虎』もカナメさんが「時代遅れの腕白中年の職場のトラブルは、世界の命運と直結していた!?」と書くように、共通する“セカイ系”的要素がある。
と言うより、処女作長編としての『メガロポリスの虎』で描かれたテーマ・モチーフ、あるいはこんさんがNo.1664で書いた“文学的治療行為”が、時を経て完成型として『地球樹の女神』に結実したと見るべきかもしれない。


幻魔大戦(15)「幻魔の標的」の読書日記を公開しました。 - Name: カナメ Mail - Home No.1662 - 2019/06/16(Sun) 17:36:03
> 雑誌「奇想天外」で1978年4月〜1979年6月にかけて中島梓名義で連載し(中略)平井和正を論じた「SF作家ノート」
って、「狼の肖像」だったのかあ。『狼の肖像 平井和正論』に収録されてるやつじゃん。掲載誌と掲載号は載ってんだから、慌てずによく確かめておけば、こんな失敗は避けられた。ワタシと同じようなうっかりさんも、いるかもしれませんので、失敗談として上げておきます。本自体は買い揃えてもいいぐらいなんで、このままキャンセルはせず所持しておきますが……いつになったら読めることやら。

■栗本薫・中島梓傑作電子全集24 [SF III] Kindle版
 https://www.amazon.co.jp/dp/B07SSW4LZ9/
■狼の肖像 平井和正論 Kindle版
 https://www.amazon.co.jp/dp/B01M117L0W/

例によって【この巻の主な出来事ダイジェスト】のない「試公開版」ですが、読書日記を公開しました。小説『幻魔大戦』の凄味みたいなものに触れることができたと思います。

JKカリスマ郁姫の“反省のすゝめ”〜幻魔大戦(15)「幻魔の標的」(試公開版)」
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12481144557.html


Re: 幻魔大戦(15)「幻魔の標的」の読書日記を公開しました。 - Name: こん Mail - Home No.1663 - 2019/06/22(Sat) 13:54:09
>講演内容については、あれはあくまでも「井沢郁江のケース」であって、あのよう
>に“偽我”と呼ぶ心のしこりのようなものを明確に人格化し、対話し、そして説得
>するというのは、そのまま真似をすることはワタシにはちょっとできません。

これはメンタル改善のために行う認知行動療法の「ロールプレイ技法」に似たものですね。

某宗教家が実際に使用した技法ではないかと推察されますが、この当時、このような精神分析学的療法は広くは流布されていなかったのではないでしょうか。
某宗教家が独自に開発した療法だったとすれば、良い悪いは別として、やはり彼女は一目置くべきところのあった天才的な少女だったのかもしれません。
もちろんそれに着目した平井和正も、たいしたものです。自分で考えたとしたら、ますますたいしたものです。
技法のルーツは仏教あたりにありそうな気もしますが……。

傾聴すべき記述ですが、ただやはり療法としてはワン・オブ・ゼムでしかないのであって、カナメさんのおっしゃる通り人を選ぶ技法でしょうね。
「偽我(というよりトラウマか)」を癒すにはこの方法しかない、と書かれているようにも読めると感じるのは、ぼくの誤読でしょうかね?


Re: 幻魔大戦(15)「幻魔の標的」の読書日記を公開しました。 - Name: こん Mail - Home No.1664 - 2019/06/22(Sat) 19:33:06
思いついたので、追記。

「黄金の少女」でもキンケイドと父親が、心の中で対話する場面があります。ここにも認知行動療法に近いものを見ることができます(大人のキンケイドが矮小化した父親に語りかける=記憶の書き換え技法)。
こうした自己省察的・精神分析学的療法によって、平井和正は自己治療を成したのかもしれません。

いや、やはり平井和正の場合、認知行動療法的治療というより、それはオーソドックスな文学的治療行為だった、と言った方が正しいかもしれませんが。


大切なお知らせ 令和版 - Name: カナメ Mail - Home No.1659 - 2019/05/06(Mon) 13:34:56
改元を機にというわけでもありませんが、当掲示板の書き込み制限を解除しました。自由に投稿いただくことが可能になっております。No.1658の前に書いておくべきでしたね。

ただし、一点だけルールを設けさせていただきます。
初めて当掲示板に投稿される方は、事前にメールをください。ワタシから承認の返信をしますので、それから投稿をいただくようお願いします。
http://www3.to/t-kaname/mail.html
メールの送信方法ですが、こちらのページのリンクをクリックしていただければ、フォームが開きますので、そちらをお使いください。あいさつ程度にひと言でもいただければ結構です。ご面倒ですが、よろしくお願いいたします。
これで、ここに書きたいという真っ当に初めましてな方が、もしいらしたとしても、安心してご参加いただけるでしょう。

事前にメールのなかった覚えのない記名による投稿や、削除した覚えのある記名による投稿、もしくは承認の返信をしていない方の記名による投稿は、適切かつすみやかに処理させていただきます。読みもしませんので、あしからず。
以前は親切過ぎました。削除する投稿も、きちんと読んでましたからね。これが精神衛生にすこぶる良くありませんでした。それで投稿前にメール寄こせなんてルールにしたのですけどね。お陰であれ以来、歓迎せざる投稿はシャットアウトできたものの、ほかの方からの投稿もバッタリ絶えました。そりゃそうですよ。

すでにお馴染みの方は、何の手続きもご不要です。以前と同じように投稿していただければ幸いです。
第二次幻魔大戦再読の旅も、無印幻魔が郁江GENKENの六巻、真幻魔が上代編に突入する第二部雑誌掲載六回分。これをなんとか年内中に、というのが目標です。なかなかのハードスケジュールです。ネットのトラブルも人生の経験ですが、わざわざ手招きするほど、こちらもヒマではありません。
令和時代も変わらぬご贔屓の程、よろしくお願いいたします。


Re: 「鬼平」犯科帳〜『“ガチャ文”考』を考える。(No.1607) - Name: カナメ Mail - Home No.1658 - 2019/05/05(Sun) 10:52:18
アメブロでやっているスキャン大作戦、その番外編です。
『“ガチャ文”考』のきっかけになった、(新)ウルフ会会報に掲載された問題の投稿がこれ。うっすら『“ガチャ文”考』が透けて写っております。


Re: 「鬼平」犯科帳〜『“ガチャ文”考』を考える。(No.1607) - Name: カナメ Mail - Home No.1657 - 2019/05/05(Sun) 10:37:55
二重投稿につき、こちらは削除します。


幻魔大戦(14)「幻魔との接触」の読書日記を公開しました。 - Name: カナメ Mail - Home No.1656 - 2019/04/30(Tue) 20:06:23
まだ【この巻の主な出来事ダイジェスト】のない「アメブロ試公開版」ですが、読書日記を公開しました。

東丈の「別れの曲」〜幻魔大戦(14)「幻魔との接触」
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12457725303.html

平成最後の読書日記ということになりますが、ダイジェストまで加えた正式版の発表は、改元後ということになりそうです。「平成最後に書き始めた」ということで、なにとぞご寛恕の程を。
ダイジェストは、あれでなかなか大変なんですよ。どこを取り上げ、どこを端折るかという判断が悩みどころで。でも、あれがあることで本文から冗長な説明が省けたり、やっぱり必要でやめられないんですよね。あと、本文では取り上げられなかった、小ネタをそっちで拾えたりもしますし。
今回も、忘れた頃に話に出てくる岩田邦子とか、天耳の井上は9巻で紹介されてたとか、金沢なんて5巻で登場してたとか(笑)、あと木下くんの初登場とか、いろいろあります。ここで云っちゃってどうする。



■大切なお知らせ 投稿には手続きが必要です。手順についてはNo.1648をご覧ください。


フリースタイル42 筒井康隆インタビュー by 矢作俊彦 - Name: カナメ Mail - Home No.1655 - 2019/04/25(Thu) 08:25:37
電子書籍『メガロポリスの虎』の販売が始まりました。配信は26日からですが。初めて予約注文をしましたよ。令和最初の読書日記はこれかな。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07QZ3P9PC/
『幻魔大戦』14巻「幻魔との接触」の読書日記が平成最後に間に合えばの話ですがね。これもまた長くなりそうで……。

ところで、「フリースタイル」という雑誌、お読みになりました?
インタビューというより、大型対談という感じですが、平井和正のこともちょこっと触れられています。ただ、そのちょこっとが、超レア情報でして。公表された情報としては初めてじゃないかと。ワタシは知りませんでした。
矢作俊彦が平井和正に会ったことがあるというんですよ。「ウルフガイ」(かなにか)のテレビドラマ化の企画で、その会社の社員として。それは断られてしまうのですが、その理由というのが……(笑)。
販売中の雑誌なので、ここまでにしておきますが、あらためて相当な入れ込みようだったのだなと。さすが一度信じたら、有り金全部突っ込むトンデモギャンブラーですよ。お二人の平井和正に対する評価は、まあこのお二人はそうだろうなと(苦笑)。
https://www.amazon.co.jp/dp/493913895X/

「幻魔との接触」の読書日記は、ちょっとその辺の微妙なところにも踏み込むことになりそうでして。いいタイミングで貴重な記事を読ませてもらいました。



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『真幻魔大戦』「預言教団」「超霊媒」の読書日記を公開しました。 - Name: カナメ Mail - Home No.1654 - 2019/04/06(Sat) 14:32:46
まだ細かい修正は入れるかもしれず、SNSへの告知は打っていませんが、読書日記を公開しました。

アダルト無印幻魔大戦!?〜「預言教団」「超霊媒」真幻魔大戦(8)
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12452203879.html

『真幻魔大戦』では、これが平成最後の読書日記ということになりそうです。
それはそうと「平成3x年....まで有効」の運転免許証って、なんだか存在しないはずの時代に紛れ込んでしまった多次元SF感がありますね。

前にも云ったことがあると思いますが、テキストを書くことで、それまで考えてもいなかった思いつき、発見をすることがよくあります。今回の『真幻魔大戦』のこのあとの展開にまつわる「真相」も、自分で書いてて「そうだったのか」と納得しました(笑)。
やっぱり『真幻魔大戦』という作品だけ単体で眺めていても、なぜああいう舵を切らねばならなかったかは見えてこない。ペアの『幻魔大戦』とあわせて考えないと、いったいどうした言霊使い、気でも狂ったか? ということになってしまう。
まあ、ワタシの妄想ですけどね。


■大切なお知らせ 投稿には手続きが必要です。手順についてはNo.1648をご覧ください。


Re: 幻魔大戦 《オリジナル完全版》1 〜感謝とちょっぴり不満 - Name: カナメ Mail - Home No.1653 - 2019/03/27(Wed) 23:45:17
『幻魔大戦』13巻の読書日記を公開しました。なんとか3月中に漕ぎ着けることができました。これで『真幻魔大戦』「預言教団」「超霊媒」に取りかかれます。しかし、まさかこれが≪現代編≫のラストになろうとは。無印幻魔の世界とリンクを果たし、さあこれからというところで、その同じ巻で誰も予想もしない、まさかの展開。なにもかも知った目線で見れば、確かにあの方らしいですけどね。まあ、その辺は読書日記で。
真幻魔では≪現代編≫のラスト「預言教団」「超霊媒」、無印ではさよなら東丈!の14巻、ここまでを平成最後の読書日記として、間に合わせたいところです。

光の戦士の社会的戦い〜幻魔大戦(13)「魔王の誕生」
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12449091877.html

『幻魔大戦 《オリジナル完全版》』に関して、さらに訂正しておきたいことがあります。
「生まれる子どもはどんな子だと思います……?」の表記ですが、2009年に出た秋田文庫版ですでにこうなっていました。それを踏襲しただけなんですね。
電子書籍のオリジナル表記を見慣れているもので、てっきりわざわざこう変えたものと勘違いしておりました。この点はお詫びしておきたいと思います。
欲を云えば、過去の改変を踏襲するだけなく、1巻ラストのコマのような、より適切なアレンジを施していただきたかったところではありますが。


■大切なお知らせ 投稿には手続きが必要です。手順についてはNo.1648をご覧ください。


幻魔大戦 《オリジナル完全版》1 〜感謝とちょっぴり不満 - Name: カナメ Mail - Home No.1651 - 2019/03/20(Wed) 00:49:10
https://www.amazon.co.jp/dp/4835456564/
平井和正読者界隈のいまの話題と云えばこれですね。
まさか通販予約者にはひと足早く届くとは思わなくて、受け取り先を職場にしたのは失敗でした。おかげで土日はツイッターのタイムラインを指をくわえて眺めながら、幻魔大戦13巻「魔王の誕生」の読書日記を黙々と書いてましたよ。
B5判、扉頁をはじめ、広告掲載箇所も白抜きにするなど、雑誌掲載を再現。少々値は張りますが、通常価格のコミックはすでにあり、資料として、当時の雑誌を読む気分を追体験する書物して、充分に見合う価値はあると思います。古書店を探し回って、雑誌を買い揃える労力と金銭を思えば安いもんです。
キャラがまだ定まっていなかった(?)、初登場のカッコいいドク=タイガーなんて必見です。

ちょっぴり不満があるとすれば、例によって差別表現改変ですね。
「きちがいだ!」の箇所はいいんですよ。歴代の「精神障害者だ!」「おかしなやつだ!」――まだ、なんかなかったかな? スキッツォイドマン……そりゃキング・クリムゾンか。――に比べれば、一番まともな表現になっていると思います。
でも、「生まれる子どもは黒白のしまになりますか? それともまだらに‥‥」の科白がこうなっちゃうのは、ちょっとないんじゃないのと。言葉の変更を超えて、意味が変わってしまってる。そもそも差別表現として問題なのかも疑問ですし、これは地球外の知性(ベガ)から観た、地球人類の皮膚の色の違いで起こる差別のバカバカしさの批評という、作品的にも大事なシーンですからねえ。いまも平井和正が生きているぐらいの気持ちで、この辺は熟慮していただきたいと思います。
電子書籍ではいまもオリジナルの表現を見ることができ、脳内変換すりゃいいという話ではありますが、読者がそんな真似をしなくていい、その名に恥じない《オリジナル完全版》を「2巻」では期待しています。
電子書籍も、ある日突然フキダシの中身が変わってたりしてね……。スクショ撮っとくか?


■大切なお知らせ 投稿には手続きが必要です。手順についてはNo.1648をご覧ください。


Re: 幻魔大戦 《オリジナル完全版》1 〜感謝とちょっぴり不満 - Name: カナメ Mail - Home No.1652 - 2019/03/21(Thu) 18:14:33
ある方から「精神障害者」であるとのご指摘をいただきました。ありがとうございます。修正しておきました。
うかつでした。「精神異常者」だとすっかり思い込んでおりました。キング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」(のちに「21世紀のスキッツォイド・マン」に改題)に引きずられたのたかなあ(笑)。
なんか扉を開ける面倒な手続きができてしまいましたが、投稿の際はお気軽にメールしてください。


『真幻魔大戦』の読書日記、公開しました。プラス大切なお知らせ - Name: カナメ Mail - Home No.1648 - 2019/03/05(Tue) 23:46:48
もう3月ですよ。前章「時を継ぐ者」の読書日記から三月(みつき)も経ってしまいました。「お雪」とか寄り道もありましたが、しょうもない雑事に時間を浪費してしまいました。今年中の無印全巻、真・第二部の語り尽くしを目指し、ペースアップしていきたいと思います。

月影参上!〜「炎える不死蝶」「播種プロジェクト」「秘密預言書」 真幻魔大戦(7)
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12444158525.html

それと、大事なお知らせがあります。
これより当掲示板の投稿を制限させていただき、これまでのように自由な投稿ができなくなります。そうせざるを得ない事情については、ご説明は不要かと思います(苦笑)。

今後の投稿の手順については末尾にご案内します。このような手間は、ただでさえ少ない投稿の意欲をさらに削ぐことになるのはわかっていますが、ここに至ってはやむを得ません。
なにしろ削除したって、同じ内容をすかさず再投稿してきやがるのですから。とてもじゃないが、やってられません。「来るな」「書くな」とはっきり申し渡しているにも関わらず、投稿してくるその神経だけでも信じ難いですが、こうなると怒りより寒気を覚えますよ。モノホンのサイコ野郎です。
スズメバチみたいに業者に駆除してもらえるなら頼みたいですよ。数万円の出費で済むなら払いますよ。もうちょっとお金があれば、デューク東郷さんに駆除をお願いするのですがねえ。

人間の異常性なんて生得的なもので、宗教嫌いにも「野放し」はいる。いい勉強になりましたが、もう充分です。完全ブロックさせていただきます。清々するとはこのことですよ。
皆さまにおかれましては、少々ご面倒をおかけすることになってしまいますが、引き続きご贔屓、お付き合いの程をお願いいたします。

■投稿したいときの手順

(1)カナメにメールを送る
投稿したい旨をワタシにメールでご一報ください。「カナメ」の名前の横の「Mail」のリンクをクリックしていただければ、メール送信のフォームが開きますので、そちらをお使いください。

(2)カナメからメールが届く
メールをもらったら投稿をできる状態にして、その旨をワタシがメールで返信します。

(3)投稿する
投稿をおこなってください。やり方は以前と変わりません。投稿後のご連絡は不要です。システムからワタシに通知が入りますので。投稿を確認したら、こちらで投稿ができない状態にします。


没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1644 - 2019/03/05(Tue) 23:13:29
二度と繰り返したくなかったこの催し。仏のカナメさんが、残念ながら掲載をお断りせざるを得なかった没投稿を慈悲の心で再掲し弔う「没供養ミュージアム」。早くもシーズン2に突入してしまいました。
シーズン1は主に「没供養ミュージアム」が始まる以前の投稿。そしてシーズン2は、それ以後の投稿になります。こうなることがわかっていて、それでも投稿を繰り返す、その無謀な挑戦の軌跡をどうぞご鑑賞ください。ただし、もの好きに限る。


Re: 没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1645 - 2019/03/05(Tue) 23:18:31
さて、その一発目の小さく細長く映っている画像は、くっそ長い投稿です。この長さがすでに立派な嫌がらせです。これ読まされんのかよ、バイト料ほしいわと思って読み始めましたが、一読して、やっぱりバイト料よこせと思いました。
むろん、くっそ長いのと同程度にくっそつまらないという理由で没にしたわけではありません。「粘着X氏」が書いて寄こしたものだとワタシが判断したからです。繰り返しますが、よしんばその投稿内容が、鋭く面白い論考だろうと、貴重な役立つ情報だろうと、ひらがな一文字、この人物の参加を許すつもりはありません。話が通じる相手でないのはわかっているので、おととい来やがれなんて無駄でむなしいことは云いません。引き続き、痰を吐かれたら、粛々と痰壺に入れていきます。面倒臭い話ですがね。ほんま、バイト料ほしいわ。

No.1638


Re: 没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1646 - 2019/03/05(Tue) 23:35:03
なにを血迷ったのか、林石隆の名前のモデルになった人物だと称しています。ワタシがそれを真に受けて、大喜びで歓迎するとでも思ったのでしょうか。バカか? バカなのか? それとも、ワタシがそれほどのバカであるとバカにされているのでしょうか。
レポートそれ自体はごくまともであって、No.1638の投稿もそうですが、ご自分のブログにでも発表なさればよろしいのに思うのですがね。こうなってしまったら、これを自分の書いた文章として発表することもできないじゃありませんか。まあ、自分がカナメ氏の掲示板にストーカー的迷惑投稿を繰り返す「粘着X氏」であると公表する気さえあれば、何の支障もないわけですが。
「初出 サロン・ド・ぼへみ庵」なんて明記していただけると、たいへん男らしいと思います。そんな男らしいブログを見かけたら、ぜひワタシに教えてください。

No.1639


Re: 没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1647 - 2019/03/05(Tue) 23:39:06
前述の投稿を削除すると、また同じ内容を投稿する。そんな応酬が3度繰り返されました。これはその3度目の投稿です。禁止ワードを設定しブロックしましたが、さらに投稿をおこなおうとしていた形跡も記録に残っています。一見、静かで凪いだこの掲示板に、そんな攻防が繰り広げられていたのです(笑)。

文句なし、掛け値なし、真正の異常者です。林石隆の名前のモデルなど、ウソの皮。「横田順彌君」なんて、よくもまあ書けたものですよ。虫唾が走るわ。ワタシがこの人物をまるで気持ち悪い上に猛毒をもつ多足類のように嫌悪し忌避する、その理由もおわかりいただけると思います。わずかばかり知識に長けていたところで、そんなものは糞便にキャビアが乗っかってる程度のものです。
うちのリニューアル前の常連参加者で、ワタシとは互いに顔見知りなんですよ? 情けない話ですよ。ワタシはこの人物に、二度と近付くな的なことを云って縁を切りました。一度は終了を決めたこの掲示板が、リニューアルして継続することになったのは、そんな事情によります。そのことは前にも話しました。ワタシとこの人物との間に何があったかは、プライベートな事柄であって詳しいコメントは控えますが、縁を切って大正解じゃありませんか。さすがおれ、ひとを見る目あるわ。底抜けにデリカシーがないだけでなく、モラルや恥じらいの持ち合わせまでなかったとは、さすがに見抜けませんでしたが。

没にした投稿をわざわざ再公開するのは、なにも平井和正の云う「野放し」の生きたサンプルをご覧くださいという悪趣味的サービスの提供ばかりではありません。平井和正読者の中には、こんな危険人物もいるのだという注意喚起でもあります。ワタシはいいのですよ。こんな活動をしている以上、それも覚悟の折り込み済みのリスクですから。でも、SNSでつぶやくのがせいぜいの普通の平井和正ファンが、こんなのに関わった挙げ句、つきまとわれた日にゃ、たまったもんじゃないでしょう。同じ作家を好きだからといって、安易に気を許してはいけません。あらかじめ、こうした情報を頭に入れておくことで、不幸にもこの人物と接する機会が生じたとき、「ピン」と来ることもあるでしょう。こんなものが役に立つ日の来ないことを祈っていますが、備えにしていただければ幸いです。

No.1641


Re: 没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1649 - 2019/03/09(Sat) 20:44:21
ハイ。「妬魅詫鹿目(ねたひわしかもく)」=「林石隆」の動かぬ証拠、いただきましたァ。これはNo.1638の再投稿ですが、[Name]欄に前回投稿時の名前がそのまま残ってたんでしょうねえ。悪いことはするもんじゃありませんねえ。何度も繰り返し、数を重ねていれば、こういうチョンボもやらかしてしまうものです。

No.1642


Re: 没供養ミュージアム シーズン2 - Name: カナメ Mail - Home No.1650 - 2019/03/09(Sat) 20:48:12
これぐらい短いとありがたいわぁ、って危うく感謝しそうになったわ。もはやストックホルム症候群。
「粘着X氏」の行動と発言を記録するデータとして、これも再公開しておきましょう。内容的には別にどうでもいいので、削除するだけでもよかったのですが。まあ、これが最後なので、せっかくですからね。

No.1643


『アンドロイドお雪』の読書日記、公開しました。 - Name: カナメ Mail - Home No.1636 - 2019/02/16(Sat) 20:23:37
ようやく発表に漕ぎ着けることができました。読書日記という言葉、いいですね。批評、論考、レビュー、感想、…どれも自分のやってることを云うにはイマイチしっくり来ない単語でしたので。
時間はかかりましたが、それだけ語り甲斐のある作品でした。本当に面白くて、一度は電車で乗り過ごしてしまったほどです。久しぶりにやらかしました。肝心な部分までキレイに忘れ去っていたのも幸運でした。記憶力が乏しいのも功徳ですね。
表紙からあとがきまで、キャラはサイボーグ犬・フォスに至るまで、さらに勝手に妄想した物語のその後まで、語り尽くしました。よろしければ、『アンドロイドお雪』をいま一度読み終えてからお読みください(笑)。

作家平井和正の“三つ子の魂”〜『アンドロイドお雪』
https://ameblo.jp/tkaname/entry-12439516898.html

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