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悲劇的から非・劇的へ - Name: カナメ No.933 - 2005/07/12(Tue) 00:35:39
これは好みの問題としか言いようがないのですが、雛崎みゆきさんが東丈に「相応しい」お相手だとは、とても思えないんですよ。物語が「素晴らしい女性」であることを声高に訴えれば訴えるほど、ナチュラルにそう実感できないこちらは白けてゆく。喩えるなら、主人公ほか男たちが劇中ではみんな夢中になっているが、画面を見る限りとてもそんないい女とは思えない、映画『スパイダーマン』のような。そいつでいいのか、ピーター!? みたいな。
雛崎みゆきさんは、日常的フレームで考えれば、とてもいいひとだと思います。見てくれも性格も悪い、映画スパイダーマンのヒロインを引き合いに出すのは失礼というものです。しかーしッ。「実生活で親しくお付き合いしたい」のと「物語のキャラとして魅力的」であるのとは、イコールでは結べませんでしょう。
これをイコールで結べるか否か。日常的フレームにおけるいいひとが織りなす、恙ないストーリーを「娯楽」として是認できるか否か。この辺が、近年のユル〜い平井和正作品を心から楽しめるか否かの分かれ目のような気がします。
というか、そんな非・劇的な、平凡な、ささやかな、家庭的幸福を描くことこそ、幻魔大戦のアンチテーゼにして幕引きたる、幻魔大戦deepの「意味」なのか? などと考えたりもしますが、そこまで結論するのはしばらく棚上げに。
それはそうと、ワタシがNo.927で「おかん」とゆーたのは、犬神明のおかん、ロイス・イヌカミのことなんですけどね(苦笑)。というか、関西人にとって「おかん」は、普通にMOTHERの意味なので、堪忍したってや、おかーん。
>よやまさん
書き込みありがとうございます。自分で物語を創ることをしていると、「あのシーンがなければ、もっとスッキリしたのに」とつい考えてしまうのですよね(笑)。初めから東丈が雛崎さん一筋だったら、よやまさんの感想ももう少し違ったものになっていたように思いますが、いかがでしょう。ワタシの場合、それでも不満はあっただろうというのは、上記のとおりですが。
不義理のギリギリの線 - Name: よやま No.932 - 2005/07/11(Mon) 19:51:09
東京丈さんこんにちは〜。
さて、ご質問の案件ですが(汗)
ジョナサンやナオヤについては、全然オッケーでした。
なぜなら、おそらく彼らの行動については、あまり不義理と私が感じていないのだと。
で、今回の丈さんの行為は、不義理なのですね。少なくとも、美叡さんとのコトを思い出して以降は。(本人の記憶がない半年間は、まあ、しょうがないですよね〜)
どこが違うのか??(いや、さて・・・・)
ジョナサンは、実は1回しかお会いしてないモノですから、正直よく覚えていないのですが(爆)、数回お会いしたナオヤ君について私の感性は、確かに、不義理をしているとはあまり感じていないようです。
ナオヤ君の周りの女性は、少なくともストーリーの中においては、格別不幸になっているわけでは無かったはずです。のっぴきならぬ事態に陥っているわけでもない。ナオヤ君とイイナカになった事は、シアワセ状態ではあるでしょうが、すんげえプラスアルファ状態であり。
まあ、ナオヤ君が突然居なくなったとしても、なんとか元気に生きていくに違いない。(勝手な思い込みですが)
女は、男と違って強いイキモノでございます(涙)
さて、一方、かの美叡さんは、訳のわからぬ性夢に悩まされ(結果として、小休止しているようですが、丈さんは知らぬこと)、人ならぬ者に嫁に攫われかけており、顔焼き男に追いかけられ、警視庁のドロドロとした諍いのなかに飲み込まれつつあり、清水の舞台から飛び降りるごときの決心で丈さんに求愛したばかりであり、まさにしゃれにならない状態。
そこの所で、のほほんとアットホームを楽しんで居られる点を、
『我許し難し!』
と感じたのですね。
美叡さんの、格好の良い乳をしこたまに楽しんだから、そこに『義理』を立てる必要があると思っているわけでは、ありません。
やっちまったコトで、他の誰かが不幸になるとしたら、そこはぐっと堪えて我慢しなきゃあナラナイですし、不覚にもやっちまっちゃった場合には、打開策を検討しなくてはならないでしょう(こうなると、もう十全の策とはいえないでしょうけど)。こいつをきちんと賄える人が、『義理堅い』人であります。
あ〜、ばれなきゃ良いやという安直な逃げを打つ奴は、ダメですよ〜。不可。
こんなところで、いかがなもんでしょうか?(汗)
補足と伺いたいところ(ネタバレ有り) - Name: 東京丈 No.931 - 2005/07/11(Mon) 12:37:57
よやまさん、こんにちは。
>美叡さんと良い仲になった直後に、みゆきさんに心惹かれ、そこに対して罪悪感がなさそうに思
>われるのは、なんとも許し難い!
ここはカナメさんもおっしゃっておられましたね。でもボクはなぜかオッケーだったのですよ。
理由は確か下の、何巻かの感想で書きましたので繰り返しませんけども。
で、あえてカナメさんとよやまさんに伺いたいのですが、主人公の不義理って今に始まったこと
ではありませんよね? たとえばジョナサンしかり、ナオヤしかり。あちらの作品には違和感なか
ったのですか? これは非常に興味があるので、可能な範囲でお答え頂けると助かります。
たとえば話が飛びますけど、「めぞん一刻」にて亡き夫への操を立てていた音無響子は、クライ
マックスへ向け五代へ心を開き始め、ラストでは五代と晴れて夫婦になるわけですが、そんな響子
の心変わりを責める者は劇中にも読者にも皆無でした。
それは管理人さんの、惣一郎さんと過ごした追憶の日々が次第に、今生きている五代との思い出
に置き換わっていく彼女の心の動きを克明に描くことによって、読者は響子の心の変遷を受け入
れることができるのだと思うのです。
ところが平井和正の最近作というのは、主人公は夢と現実をいとも簡単に行き来するために、こ
の「心の動き」というプロセスを書くことはあまり無い気がします。
夢で女性と致してしまったことを、あれは現実なのだから受け入れなければならない。最近の
平井キャラの基本的なスタンスはこれに尽きますよね。老境にさしかかった東丈は、この事実をス
マートに受け入れることができるが、若い他のキャラにはそれができないし、できたとしても読者
の共感は得られない。もしかしたらそういうことなのでしょうか? それとも、ボクはまだ六巻の
途中なので、美叡の再登場(?)によってボクも皆さんと同じ気持ちになるのか……
前回の補足をします。
平井和正って、外国の大富豪はミスタメインのようなステレオタイプのWASPとして登場させ
ますが、日本の影のフィクサーに目される人を描くとき、えてして戯画的な魅力あるキャラクター
を登場させますね。だからどうということではないのですが、ちょっと覚えておこうと思って。
補足その2
deepとは、制服マニアの為の小説である。巡査部長の制服ってどんなデザインなのか見てみ
たいし、秘書が着替えた「黒服」とはどんな服なのかみてみた〜い。それと、丈がアオキで買った
最高級のスーツ。これもさわってみたい〜(爆)
楽しく読んでます。 - Name: よやま No.930 - 2005/07/11(Mon) 00:20:28
よやまです。
ご無沙汰いたしておりますが、最近は皆様の感想を読むのが楽しくてちょこちょこ拝見いたしております。
docomoですので、まだ6巻(まだ最後までいってないです)なのですが、
私は、幻魔大戦シリーズの一つのストーリーとして、こういう東丈もありなのかな、と感じています。(多少の苦笑を交えつつ)
多分、幻魔大戦(無印)を最初に読んでいた中学生の頃だったら、とんでもねえ! こんな節操ない東丈あり得ない〜! もっと悩むだろ? 普通。と憤慨していたかもしれないですが。
たとえば、
美叡さんと良い仲になった直後に、みゆきさんに心惹かれ、そこに対して罪悪感がなさそうに思われるのは、なんとも許し難い!
納得のいかない所です。しかし、美叡さんと深い仲になって溺れたのが幻魔の仕掛けた陥穽であり、罠から、傷口が浅いうちに脱出できたのか? まあ、肉体関係出来たくらいで一生添い遂げる義務が生じると考える必要も無いわけで。。。(ああ中年の思考なのか、これは? と自問)
ただし、自分で意識的に乗り越えていったわけではないところが、ストーリー的には不満たらたら。なのですが、そこをきっちり乗り越えていくと、多分1巻じゃあ終わらなさそうだし、幻魔出てきて、どろどろ違った展開を迎えてしまいそう。
美叡&美恵との関係をどのように綴っていくのかが大変興味深く、あと2巻を待っています。(収集がついていない可能性も、重々心得ながら)
ああ、なんと取り留めのない。しかも重箱の隅の感想(苦笑)。
失礼いたしました。
幻魔大戦deep五巻読後感想(ネタバレ) - Name: 東京丈 No.929 - 2005/07/10(Sun) 08:19:34
あっとゆう間に五巻(上下)を読了してしまいました。いよいよ携帯読
書にも年季が入ってきたということですかね。
今回の五巻の場合、絶対にこれを書きたい! といった衝動は特に起き
ませんでした。ですから今回の感想は、そう長くないと思います。
こんさん、はじめまして東京丈と申します。こんさんやカナメさんはみ
ゆき――カナメさん、またおかんなんて言ったな。メッ(>_<)――が登場
するとカッタルくなったり引いてしまうということですが、ボクの場合は
むしろ娘のみちるですね。みちるが登場すると、如何にもいそうな小学生
の描写に食傷して、つい読み飛ばしてしまいます。確かに丈のみちるへの
小説指南には興味を惹かれないことは無いのですが、丈のみちるへの入れ
込み度数が上がるに反比例して、こちらの気持ちが醒めてゆくというか。
むしろキャラクター造形に成功しているのは北村泉巡査部長でしょう。
deepの収穫はこのキャラクターに尽きるといっても過言ではありませ
ん。泉の東丈への思慕は涙ぐましいほどだし、その感情が迸る独白のくだ
りは流石平井和正だっ!と膝を叩く巧みさです。
北村泉の丈への想いが、GENKENの弟子達のそれと完璧に重なるか
らなのかな。彼女に感情移入してしまう所為か、泉の届かぬ想いが切なく
てなりません。GENKENの元メンバーはまだ登場していませんが、北
村泉がいれば別にいいやと納得してしまう程の存在感を有したキャラクター
だと思っています。
みちるでガッカリしましたが、やっぱただ者じゃないです。ひらりん――
って当たり前か。
最後に五巻以降の予想ですけども、サンシャインボーイ(ルナか? ル
ナであって欲すい)との対話で東丈の敵は東丈本人ではないか、と指摘さ
れます。おいおいまた敵は主人公の影の人格かよ(^_^;) と脱力してしまい
そうですが、よく考えてみると東丈という人間は、数限りない輪廻転生を
通してアポロから魔人正雪など、天上界から地獄界を何度も往復すること
であらゆる人生を俯瞰してきた人間のいわば複合人格といえる存在だった
筈です。
かつて幻魔・真幻魔シリーズを通して、東丈に立ちふさがる存在として
「彼」「奴」と呼ばれる幻魔がいました。もう詳細は殆ど忘れてしまった
のですが、もしニュー東丈が幻魔と対決するとしたら、その相手は宿敵で
ある「彼」もしくは「奴」だった。実は「彼」もしくは「奴」とは、異な
る世界に於いて魔道へ堕ちたもう一人の東丈そのものだった、とかいうオ
チだってあり得ると思っています。
結局東丈は時空そのものですからね。敵だって自分の裡にあった、とい
うことは大いにあり得るわけです。できれば避けて貰いたい結末ですが……
超キモチイイ!(←古すぎだよ) - Name: こん No.928 - 2005/07/09(Sat) 01:19:16
いやあ、カナメさんのキップのいい批評は気持ちいいなあ。
>むろん平井和正は、そんなワタシでも考えつくような展開は書かない人だし、事実そんな展開はありませんでした。予想を裏切るのはいい。問題は、予想のほうがずっと面白いじゃん、と思えてならないことなんですよね...
第8巻まで読んだらまた感想を書くかもしれません。その節はよろしく(笑)
DEEPの東丈のキャラはあれはあれでぼくにはokですね。時折覗かせる禁欲的な人間性が、やはり東丈してるな、と。真幻魔でだって、写真家のねえちゃんと一夜のアドバンチュールをしてましたしね。そのくらいの人格のフレキシビリティがある方が、むしろ時空存在=東丈にはふさわしいのかな、と。
なんか精密なロジックを書くのが大変なんで、すっとんきょうなことを書きますけど、幻魔らしい幻魔が出ないのは、平井氏が、非トラウマ作家になったことに関係があるんですかね。幻魔=人の心の闇=トラウマ、というわけ?
ただ、幻魔大戦と名乗りつつ、ちまちま(失礼!)姪だのおばさんだの幼女だのにかまけてる超絶能力者東丈を見ると、「もったいね〜」とは思ってしまいます……。
予想は裏切り、期待は裏切らない――の定説を疑問視する。 - Name: カナメ No.927 - 2005/07/08(Fri) 23:32:29
■こんさん、いらっしゃいませ。ミクシでお話ししたことは、もちろん覚えておりますよ。
■平井和正は作品のフレームをあっさりハミ出して、続きを書いちゃう方ですからね。そのヤンチャぶりが魅力でもあるわけですが。ウルフガイの後日譚らしい『月光魔術團』ぐらいに、deepの幻魔大戦との関係は、捉えたほうがいいかもしれません。
■東丈が還ってきたといっても、それは美貌の少年カリスマ・東丈でも、長髪の青年作家・東丈でもない。これをヤング東丈、アダルト東丈と呼ぶとすると、シニア東丈という別人を主人公とする、別のシリーズができたようなもの。それはまあ、いいとしても。
■deepは決して「つまらない」小説ではありません。面白い。では何が面白いかというと、謎・伏線の散りばめ方に面白さを感じるわけです。
■ところが、この種の面白さはクセモノで、きちんとしたオチを示してくれないと、ガッカリどころか「夢中にさせた時間を返せ」ということになる。オチなき伏線とは「面白い」のではなく、「面白さの捏造(空手形、といってもよい)」でしかないからです。だから、「未完」は忌み嫌われるのでしょう。
■いかにも凄そうな伏線を散りばめたかと思えば、オチは大したことなかった。というのは、『犬神 明』以降の顕著な特徴ではあります。不死鳥結社なんて、チェンバーズを丸ごと消し去ってしまう恐ろしい怪物で、狼男のひとりやふたり立ち向かったところで、ビクともしなさそうだったのに、ドードーことジム・パットンが引っ掻き回して自壊させた挙げ句、最後は「おかんと口喧嘩」ですからね。
■余談ですが、シェイド(アブダクション第5部)で、ヤクザ登美野氏が再登場したときも、2ちゃんねる風に言うと「キタ――――(゜∀゜)――――!!!!!」と思ったものですが、これもそれっきり。
■deepにもそれは言えてて、斉天大聖って何者? なんだか凄そうだと期待させられるのですが、その正体を知ると「………」なのですね。風呂敷の広げ方は超一流、畳み方は二流以下。エンターテインメントとしての、ここ十年の平井和正作品は、そう評価せざるを得ません。
■もっともそれ以前は、風呂敷を畳まなかっただけなんだけどネ!
■オチがついてない(未完)のと、オチがショボい(不満足な完結)のと、どっちがマシであるかはさておき、こんさんの仰るように、17歳の身体を持つシニア東丈が、渋谷区道玄坂の(いや、港区虎ノ門のマリソル・オフィスか)GENKEN事務所に乗り込み、「こんな活動は間違いだ。やめちまえ。GENKEN解散!!!」とかやらかしたら、面白かったでしょうね。
■ついでに、久保陽子もエッチしちゃって救済!(……それはそれで、ちょっとイヤかも)
■むろん平井和正は、そんなワタシでも考えつくような展開は書かない人だし、事実そんな展開はありませんでした。予想を裏切るのはいい。問題は、予想のほうがずっと面白いじゃん、と思えてならないことなんですよね...
まとまりのない発言ですいません - Name: こん No.926 - 2005/07/07(Thu) 23:23:44
カナメさん、こんにちは。今までミクシイ他で一言二言会話を交わしたことがありますが、おわかりになるかな?
わたしも今ドコモでDEEP読んでるんですが、(現在6巻まで)みゆきが出てくると確かにかったるくて……(だから実は飛ばし飛ばし読んでるんです……ゴメンナサイ)。なんででししょう?
あと全然、幻魔と戦ってないんですが……。
それから美叡と美恵が会うとか面白い着想なんですが、一番おもろい展開は、次元すべりを起こした丈が、1960年代のGENKENや真幻魔の杉村とかに会う展開じゃないかと思うんですが……たぶん平井和正だから、この後、そうはならないんでしょうね……。
ああ、すいません、まとまりのない文章で。
DEEPのまともな感想が読めるサイトがここぐらいしかないようなので、つい書き込んでしまいました。
お目汚しお許しを。
なんとゆうことお(^_^;) - Name: 東京丈 No.925 - 2005/07/06(Wed) 21:51:01
毎度毎度長い書き込みも疲れるので、簡単に書きます。
おかんとは何ですか、おかんとわ(爆) 素敵なお母さんといいなさい(^^)
あのお母さんは、きっと鈴木京香みたいな素敵な女性に違いないのだ。東丈が夢中になるのだけのことはあるのだ。
でもね、もしかして美叡が後からひょっこり現れて、「この世界の丈さんは、みゆきさんアナタに譲るわ」なんて言いだしたら、さしものボクもきっとヒイてしまうでしょうね。
血の繋がりはないものの・・・ - Name: カナメ No.924 - 2005/07/06(Wed) 12:44:47
いいなあ。そんな風にdeepを素直に楽しめるなんて。
ワタシはダメだわ。東丈と雛崎(みゆき)さんのロマンスには、引いてしまうんですよ。
姪の次はおかんかよ、と。
おかんの次はないんで、ご安心いただいてよいと思いますが。