オリジナルビデオアニメ『ウルフガイ』は、1992年12月(かの伝説の実写映画『8マン すべての寂しい夜のために』が東京ドームで上映された時期ですね)から1993年6月にかけてリリースされました。何故いま、この話題なのか? それはこのアニメの生頼範義ジャケットが、「生頼範義画集〈狼男達〉」で画集初収録されたことがきっかけです。このジャケット、何気に生頼範義が描いた平井和正作品の最後の仕事なのですが、レンタル版に限られていたために、このアニメを観たひとでさえ、存在自体けっこう知られていないようです。■見開きA2サイズの破壊力!!!(オマケ付き)〜生?ョ範義画集〈狼男達〉https://ameblo.jp/tkaname/entry-12573970504.htmlこのアニメ、YouTubeで現在全編視ることができますので、興味のある方はご覧になってみてください。久しぶりに鑑賞して印象深かったのは、爽やかな歌に乗せたオープニングですね。白井コースケみたいな神明が、ガソリンスタンドのお姉さんのお尻を触って、ガソリンをぶっかけられる。……いまなら完全にアウトの描写ですね。「レディを口説きはするが、こんな真似はしない!」と原作から神明が飛び出して怒り出してきそうです。いや、とやかく文句をつけるつもりはないんですよ。しみじみ感じたのは、お尻にタッチという文句なしのセクハラ、痴漢行為の描写のこのライト感です。こういうのが時代の空気感というものなんでしょうね。■Anime OVA - WOLF GUY All 6 Episodes (eng-sub)そして、何度見ても笑えるのは、地下掘削シーンですよ(1時間44分頃)。原作では「手まわしドリル」と書かれているのですが、アニメでは電気ドリルを使用しております。「今度気分が荒れだしたら、早めに言ってくれ」GRRRRRRRRRRRRRRRR...虎4が暴れるより、よっぽど騒々しいです。まあ、このことそれ自体は、笑い飛ばしてお終いのご愛敬のツッコミどころでしかないのですが、やっばりこういう粗さ、雑さ――「手回し」なんて面倒臭い作画はやってられない。おかしいのはわかってるけど、これで行っちゃえという創り手のやっつけ具合――というのは、つまるところ原作への「愛の無さ」の表われであって、全体の出来を象徴していたように思われます。話の筋は原作にほぼほぼ忠実なのに、物語としてはまるでつまらないという、ワタシの目には残念な作品でした。 言霊を引用