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記事No.1444に関するスレッドです


道玄坂46 - Name: カナメ No.1444 - 2017/02/05(Sun) 20:21:17
長くなりますので、ぶら下がりませんが、No.1443 幻魔大戦ジプシーさんのコメントへの返信です。
にわかファン、大歓迎です。誰でも最初はにわかなんですから。20年以上も前に読み始めて、にわかもなかろうとは思いますが。ブランクがあったということなんでしょうけど、それはまあ人生いろいろということで。
何を隠そうこのワタシも、アニメ幻魔きっかけで入ったことに、いまだに引け目みたいなものはあります。平井和正がファンレターの返事を書きまくっていた時代に間に合わなかった新入り感というか、すみませんわたしヘビーローテーションからAKBのファンになりましたみたいな、気持ち的にはですね。

そもそもが生まれた時代が違い、読み始めた歳が違い、読んだ時期や順序も、思い入れの方向性も、その熱量も、それぞれがまるで違うのがワタシたち「同じ読者」です。どんなベストセラーであれ、読書は孤独な趣味です。同じ作家、同じ作品を読んでいても、何を見、何を感じているかは、それぞれ違う。驚くほどに違う。だから、物凄く好きな者同士が集まると、得てしてケンカになりがちです。お前のその好きになり方はおかしい、と(笑)。
ワタシなんかが云うと、どの口が云ってるんだとクレームが入りそうですが、過去にやらかしたことへの反省を踏まえて申し上げております。

ワタシにとり小説幻魔大戦は「宗教サークル小説」です。1〜3巻はむしろジャマ。読み返すときも、たいてい4巻から読み始める。
ワタシはこんな風に考えるんですよ。自分が青林高校の一生徒だったとして、あるいは「幻魔の標的」を読んだ一読者だとして、それでも東丈を信じられるだろうか、と。
幻魔とやらの脅威を訴えているけれども、そんなものが本当に存在するのか? なんか物凄いPKの持ち主らしいが、うまいこと云って決してそれを人前で披露し、証明することはしない。あまつさえは行方知れずになってしまう。無責任にも程がある。そんな東丈をそれでもあなたは信じ、ついてゆくことができますか?(余談ですが、それが現実に展開したのが、リアル犬神明事件であり、メガビタミンだと思ってます。まったく面白い方ですよ。ヒライストを三日やったらやめられまへん)
幻魔の実在も、東丈が超絶能力者であることも、読者は神の目線で知っています。それは1〜3巻があるからです。そのために必要とも云えますが、あれが無くて物語自体が完全にGENKEN会員目線だったら、また別の味わいがあるよな、と思います。というか、自分で勝手に別の味わいを味わってます。

ところで、泉谷あゆみ期の平井和正作品は、意図的に読者から神の目線を奪っている節があります。それが物語上の事実なのか、それともジョナサン・ルチアや雛崎みちるがそう思っているに過ぎないのか、そこのところが曖昧なんですね。「中国の危機」とか云ってるけど、それって何の確証もないよね? とこちらは思っているのに、登場人物は自分の思い込みでどんどん行動していき、物語もまるでそれが既成事実であるかのように展開していく。そういうのが前段でああ云っといてなんですが、居心地が悪いというか、正直しんどかったですね。

それらグランドライン後半(No.1436参照)の平井和正作品群の取っつきにくさ、掴みどころの無さ加減に比べれば、小説幻魔大戦なんてキャラ萌え要素たっぷりの普通のエンターテインメントですよ。当時としては異常な長尺と4巻以降のシフトの異様さが、カルト小説っぽく認識させているだけで。
GENKENストーリーを十代の美少女を集めて、実写ドラマ化してほしいと思います。そのためのアイドルユニットを結成してみるのも面白い、標題のような。そんな妄想も脳内に膨らみます。

『ハルマゲドン』の続きが読みたい。読み返し、そして読み終えるたびにそう思います。性質を同じくする「続き」です。『幻魔大戦deep』〜『トルテック』は、あれは続きではありません。
漫画『幻魔大戦』〜『新幻魔大戦』の第一次幻魔大戦と80年代の第二次幻魔大戦が話を継いだ別作品であったように、21世紀の第三次幻魔大戦もまた、性質を異にする別の作品でした。
なにしろ生まれ変わり続ける作家ですからね。仮にいまも元気でバリバリ執筆を続けていたとしても、こればかりは望むべくもなかったでしょうけど。

その点、『幻魔大戦Rebirth』は漫画『幻魔大戦』のまっとうな「続き」、少なくともそれを志して創られた作品であると思います。天才・平井和正の作品を秀才・七月鏡一が受け継ぐ。GENKENもトルテックも、あらゆる要素を盛り込みつつも、過度にそれら傾くことなく、かつてのSF活劇のテイストそのままに「ベガのいる幻魔大戦」を描く。近頃はたまに小ネタなどもつぶやいていますが、ワタシはこの作品、わりと愉しみにしております。

幻魔大戦ジプシーさんの読者としての道のり、面白く読ませていただきました。ツイッターでの発言も拝見していますが、流行りの時期に普通の読書家が云ってたような批判をなぜいまさらと、正直奇異に思っていました。ですが、こうしてジプシーさんご自身の事情や背景を伺い、成る程と思えた気がします。
幻魔大戦ジプシーさんとワタシとでは、幻魔大戦という作品に対する軸足の置き所が違う。だから、主張するところもまるで違うということになるのですが、その違いを「こういう読者もいるのか」と面白がってもらえたら嬉しいです。


Re: 道玄坂46 - Name: 何かと腹に落ちた幻魔大戦ジプシー No.1445 - 2017/02/05(Sun) 23:57:43
返信ありがとうございます。
>漫画『幻魔大戦』〜『新幻魔大戦』の第一次幻魔大戦と80年代の第二次幻魔大戦が話を継いだ別作品であったように、21世紀の第三次幻魔大戦もまた、性質を異にする別の作品でした。

なんか長らく疑問だったことの答えが見つかりました。
80年代の幻魔大戦と21世紀の作品は、繋がっているというより、接ぎ木で出来た別物なんですね。

私、リアルタイムに読んでないし、パソ通も全然やったことがないのですが、
そういう風に考えると、ああ、そういうことかと思います。

石ノ森章太郎のサイボーグ009も地下帝国ヨミで私の中で終わっていて、
その後の作品は接ぎ木だというのは何となく理解しながら読んではいました(仮面ライダーも似たような感じです)。

とても勉強になりました。

私の通った古本屋の親父の言葉ですが、「物語は所詮作り話だから答えは出せない。問題を提起することが物語の役割である」というのをなんか思い出しました。

>幻魔大戦ジプシーさんとワタシとでは、幻魔大戦という作品に対する軸足の置き所が違う。だから、主張するところもまるで違うということになるのですが、その違いを「こういう読者もいるのか」と面白がってもらえたら嬉しいです。

私はGガンダムは認めない派なのですが(昔Gガンダムが好きな人とケンカしましたね)、リアルタイムで食いついてしまった人とは、確かによくケンカしてしまいます。
変にこうだと思わずに、この時はこういうものなのだと思うことは大事ですね。


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