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記事No.1438に関するスレッドです


日下三蔵の昭和SF&ミステリ秘宝館 平井和正編 Part.1 - Name: カナメ No.1436 - 2017/01/16(Mon) 21:32:25
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寒風吹き荒ぶ1月15日、こちらのトークライブにお邪魔してきました。ミステリ・SF評論家の日下三蔵氏とご存じ七月鏡一氏が、フリートークでデビューから'80s幻魔大戦までを語る濃密な約2時間。どこにも公表されていない貴重なお話しも聞けて、楽しかったです。
東京国際アニメフェア2006で上映された『8マンインフィニティ』のアニメ版パイロットフィルムも鑑賞させていただきました。超高速戦闘の描写がいまの水準で視てもクールでカッコ良くって、ボツったのが惜しまれます。ついでにワタシのキーボードからは明かしませんが、1stを誰にするつもりだったのかは、いつか公表してください、七月先生。

来場者数はちょっとびっくりするほど少なくって、できたら皆さんとご挨拶してお話ししてみたったですね。懇親会にはほとんど参加せずに帰っちゃうし。それぞれに濃ゆい人達なんだろうなと思います。
日下さんも七月さんも年齢はワタシとほぼ同じで、読者としての道筋は通じるところが多かったですね。なにより七月さんも『黄金の少女』贔屓だと知って、大いに親近感を持ちました。前にも書いたと思うんですが、当のファンクラブである(新)ウルフ会でオンタイム連載中の最新作を語れなかったというのは、けっこうワタシのなかでトラウマなんですよ。
あの作品はウルフガイの続編として見ると、それこそ犬神明出る出るサギなんですけど、『サイボーグブルース』における『暗闇への間奏曲』的位置付けのインタルード、その大がかりな単体の作品として見れば、朝鮮戦争帰りの空虚な警察署長がセイタンズとの戦闘を通じて自らを回復する、シビれる大傑作なんですけどね。

「Part.1」と銘打っているように、'80s幻魔大戦以降を語る「Part.2」※も開催されます。すっごい楽しみで、ぜひ参加したいと思います。ワタシが勝手に「泉谷あゆみ期」と呼んでいる、グランドライン後半の平井作品(まさにワンピースの新世界のように、数多の読者がこの海で脱落してゆくという)が、まともに識者によって評論されたことがなかったので。それが歯がゆく、口惜しい。
ワタシなんかは、平井和正ひとりを偏愛して、そればっかり読んで、そればっかり語ってきた、ただのファンなんで、それじゃあダメなんですよ。
SF全般、サブカルチャー全般に精通し、なおかつ平井和正に理解と愛情がある。そんなちゃんとした識者に、『地球樹の女神』以降の平井和正の後半生を語ってほしい。平井和正がSF界、小説界にあって、いかに特異であるか。そして、いかに普遍的であるかを。

※Live Wire 17.2.12(日) 日下三蔵の昭和SF&ミステリ秘宝館 平井和正編 Part.2
 http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=112204602

(初出 Facebook 掲載にあたり改稿しました)


Re: 日下三蔵の昭和SF&ミステリ秘宝館 平井和正編 Part.1 - Name: 幻魔大戦Rebirth 新章のために徳間文庫の真幻魔大戦14〜18の第三部を復習した幻魔大戦ジプシー No.1438 - 2017/01/26(Thu) 09:00:17
>東京国際アニメフェア2006で上映された『8マンインフィニティ』のアニメ版パイロットフィルムも鑑賞させていただきました。
一瞬、新作か?と思いつつもシャドウの声がお亡くなりになった内海賢二さんだったので、お蔵入りした映像なんだなというのはすぐわかりました。

SF作家デビュー
エイトマンでのアニメシナリオライターとしての経済的な成功
早川書房 福島正実との確執
立風書房 改ざん事件とおよびその後の大手出版社から作家として干されたこと
森優とウマが合い早川書房での活躍
漫画原作者にも戻り少年犬神明ヤングウルフガイを見出し
SF小説家としての成功
森優退職に伴い、文庫を角川に移して、実は平井和正は早川書房に出入禁止になっていたこと
新興宗教団体GLAの傾倒とゴーストライター活動。だが途中で教祖や教団を信じられなくなって人狼天使を完結させられなくなったという裏話。
太陽風交点事件で小松左京も早川書房から出入り禁止になり、
平井和正も小松左京に同調したため、溝がさらに深くなったこと

というのがPart1のお話だったようですね。
さてPart2ではどんな話が飛び出すやら、私も考えただけで、いろいろと思い浮かびます(角川書店改ざん事件やリム出版や徳間から出た犬神明がいまいち面白くなかったこととか・・・)。
偲ぶ会は開催されなかったようですが、身近で見てきた人たちの証言を伺いに行きたいと思います。


Re: 日下三蔵の昭和SF&ミステリ秘宝館 平井和正編 Part.1 - Name: カナメ No.1439 - 2017/01/27(Fri) 02:32:47
幻魔大戦ジプシーさんもいらしてたんですね。
Part.2では、よろしかったらで声でもかけてください。Part.1と同じ、皮ジャンの小太りメガネがワタシの風体です。


私の平井和正の思い出 - Name: 1990年代の思春期に平井和正に興味を持ってしまった幻魔大戦ジプシー No.1443 - 2017/02/05(Sun) 00:53:31
平井和正という単語は何となく知っていた。
TBS系列でやっていたテレビ探偵団などの一昔前の番組を懐かしむ番組で
エイトマンが出てくると桑田次郎と一緒にクレジットされているからだ。

ただ、ウルフガイとか幻魔大戦は知らなかった。小学生か幼稚園の頃に日曜日夜7時のフジテレビでさすがの猿飛というアニメがやっていて、
それでなんかげんまん大戦というパロディみたいな番外編の回があって、私は何のパロディなのかを理解していなかった。

初めて幻魔大戦を知ったのは、私が中学2年か3年の正月の午前中に地元の地方局で角川映画の幻魔大戦が放送された。
私は石ノ森章太郎のファンだったこともあり、新聞のラテ蘭の石ノ森章太郎原作のクレジットをみてみてみた。
正直、違和感の連続。絵がアキラの大友克洋、最後はカフーというのと戦っていたのに、なんかラストボスの幻魔大王をやっつけたどうのこうのと
言っている。
意味が分からなかった。勝てるはずがないだろう。と率直に思った。

そこから半年ほど過ぎた梅雨の時期に、地元の駅前の古本屋で秋田書店サンデーコミックの幻魔大戦1巻を発見。
おこずかいで購入し、読んでみたら、あまり違和感がなかった。絵がちゃんと石森章太郎だ。
なんか面白いので、続きが気になった。でも、確か、梅田の阪急ファイブの5階の漫画専門店にも行ってみたけど
みつからなかったか、当時、こずかいがなくて買えなかったかのどちらかだと思う。

通っていた進学塾の別支店のT駅前教室に諸事情でたまたま行くことになり、
塾の下の本屋に立ち寄ってみると、角川文庫の幻魔大戦 作者平井平井和正 16巻〜20巻が置いてあり、
ちょっと違うところに石森章太郎の幻魔大戦(リュウ版と後に知る)が置いてあるのを見つけた。
私はその時、勘違いした。インターネットも普及していない、Wikipediaもない時期である。
「サンデーコミックスの幻魔大戦には実は20巻もある原作小説があって、それを書いたのはエイトマンの平井和正なんだ!。
でももう一個の戦闘服を着て髪を逆立てている戦士の絵の石森章太郎の幻魔大戦は平井和正とクレジットされていないけど、なんなんだろう。」

今から考えると、考えることが子供だなと思う。20巻もある大河小説をコミカライズしたのであれば、サンデーコミックス版の前書きとかに「大人気大河SF小説のコミカライズ化!」という御触れがかいてあるはずである。
ただ、なんか違和感は感じてはいた。

私は高校に上がり、高校1年生の春の遠足で京都に行き、そのついでに寄った本屋でたまたまサンデーコミック幻魔大戦の第二巻を発見し、購入。
ラストは月が落ちてきたところで終わる訳だが。私は、そのとき、多少腑に落ちた。「やっぱ勝てるわけないよな。」
そして「平井和正の原作小説でも最終巻でそんな悲惨な終わり方しているのかな?」なんとなーく疑問に感じた程度だった。

高校2年生の10月か11月ごろに駅前の古本屋で徳間アニメージュコミックの新幻魔大戦の2巻を見つけ、500円程度で購入したと思う。
よんでみてびっくりした。時代劇である。ところどころに、ベアトリスの釵、東丈、ルーナ、香川千波が20世紀にひどい目にあってどうのこうのみたいなことが書いてある。
「月が落ち着た後の話かな?集結したエスパー戦団の一員に香川千波というのがいて、お蝶というその時代に流れ着いたタイムリーパーに憑りついて、江戸時代にやってきたのかな?」と思った。

幻魔正雪との戦いの結末も気になった。

たまたま気晴らしに地元の図書館を歩いていると、リム出版の平井和正全集が入っていた。本棚に新幻魔大戦が置いてあって、さっそく借りて読んだ。
小説の最初から最後(2巻相当はかなり読み飛ばしたが)を読んで、合点が多少行った。月が落ちてきた後の話ではなく、むしろそのずっと前で東丈が存在しない世界から主人公が破滅した地球からタイムリープして、東丈を作り出そうとしている話だということを。
つまり、サンデーコミック版では東丈は偶発的に地球に存在した強い超能力者という感じだったが、
新幻魔大戦で、東丈は仕組まれた超能力者/ルーナの配偶者という設定が追加されたことを知った。

とても興味がわいた。小遣いをはたいて、3年たっても売れ残っている幻魔大戦の17巻と18巻を買った。まあ、3年たっても売れ残っている時点でなんか変だと気付くべきではあった。
買ってまたびっくりである。アクションというより、なんか議論をしている。「なんか変だ。なんか変だ。こんなシーンは、サンデーコミックになかったぞ」私はそうとしか思わなかった。

そして、隣の市のO屋という古本屋にリュウがおいてあって、絵が石森章太郎の黒い戦闘服を着た戦士の幻魔大戦である。
確か、連載第二回だったと思う。平井和正の幻魔大戦と全然関係がないなーと思った。

それから、図書館巡りや古本屋巡りや大手書店を回って、入手できるものや図書館で読んでしまえるものは読んでみた。大学に入学するまでには一周したと思う。
一番、コストパフォーマンスが低かったというか、高くついたのはアニメージュコミック新幻魔大戦の1巻目かな。どの古本屋を回ってもなかなか見つからない。
2巻はちょくちょく見かけたのだが。やっと見つけたのが古書専門店の籠目舎(梅田移転前の吹田にあった頃)。1巻と2巻合わせて3000円から5000円かけて買ったような気がする。
しかしながら、振り返って、私のこの趣味は非常に孤独だった。当時はTRFなどの小室ファミリーの人気が出始めていたり、
集英社はドラゴンボール・スラムダンク・幽遊白書でビルが建ったなんて噂が流れていた時期である。
私のクラスメートは犬神明だとか東丈なんて聞いたこともないという状態だった。
もはや若者にとって、平井和正は「昔の作家」というよりも「無名の作家」となってしまっていた。

この間に阪神大震災やオウム真理の地下鉄サリンが起きるわけだが、なんか私の頭ではテレビでああでもないこうでもないと議論を吹きかけたり就業に励む胡散臭いオウムが、幻魔大戦のGENKENと被った。
一周をしている間に、どうもGLAという宗教団体にハマってなんか痛い目にあったみたいだとか、
そして、噂で、3、4年くらい前のエイトマンの実写映画がとても駄目だったと聞いた。
ウルフガイの小説も図書館で断片的に読んだり、徳間ノベルの犬神明を立ち読みしたりもした。
ただ、犬神明の一巻当たりで、私は何となくラスボスは犬神明の母親じゃないか?と直感的に予想をした。
1年後犬神明の最終巻が出てどうも私の予想が当たっていたことを知った。
正直、「平井和正はもうアカンな」と呆れてしまった。

このころから、完全に平井和正を私は追わなくなっていた。新聞の広告とか書店に行って、月光魔術團とかみても、「胡散臭い、買うのやめとこ」
集英社から決定版と銘打たれた野生時代版が出ても、「どこが決定版なんだろう」と思ったりしていた。

社会人になり東京に来て、若干ブラック気味なIT企業に就職し、大晦日も正月もないような生活を9年か10年くらい続けた。
デスマーチの地獄のようなプロジェクトから解放され、会社が大手のSIerに買収されたという環境の変化もあり、私は2012年の12月に1か月の長期休暇を取った。
そして、「そういえば、幻魔大戦は続編が書かれたのかな?」とネットをググったのが良くなかった。私の心の奥底に眠っていた気懸りが目覚めてしまった。

もしかしたら体調不良でいけないかもしれないけど、来週の日曜日の新宿5丁目は懇親会も含めて参加しようと思います。
私は、にわかファンなので、お手柔らかにお願いします。

最後に私がなんとなく同意見だなぁと共感したネットのブログなどのリンクを張っておきます。
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平井和正は青春の作家だ。
 社会経験のない頃、
頭の中だけで世の中を想像している頃、
勉強のプレッシャーとそれに応えられない自分、
漠然とした将来への不安、
そういう時代に読むと、ものすごい魅力を発する。
 社会との敵対、孤高の美学、
ヒロイズム、平井作品のキーワードは・・・
 語彙が貧困なのでどう形容していいか分からない。
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/451.html

まあ、取りあえず平井和正さん素晴らしい感動と失望をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。
http://si-fikyoto.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-6c89.html

「週刊アスキー」でDOS/Vパソコン自作にハマる様子を報告するなどしていたことが妙に印象に残っている。一時期、スタパ齋藤の妙にテンションの高い文体にはまっていたことも言っていた。
その後、また幻魔の言霊が来て「幻魔大戦deep」は電子書籍、つづく「幻魔大戦deepトルテック」はCD-ROM出版を手がけた。
「幻魔大戦deepトルテック」は書籍版も刊行されたが、3巻で2万1千円という高額で手が出ない。
かつて、読者を思い、財布の負担が少ない文庫本刊行に力を入れたいというようなことを書いていた時期もあったことを思い出す。「文庫本の言霊」が憑いていたんだろうか。
https://wildwildfancy.blogspot.jp/2014/03/blog-post_10.html

感動的なまでに、無責任な終わり方。
最高だ。
平井先生、あんた最高だよ。
全然、ストーリーが完結してないじゃん。
最高だよ。
この、無茶苦茶で、読者をなめきった終わり方。
最高だよ。

確かに、『幻魔大戦』も風呂敷を広げるだけ広げといて、無責任に終了だったから、『真幻魔大戦』もそんなかんじだろうなとは予想してたさ。
しかし、オレの予想を上回り、さらに中途半端。
中途半端という形容詞を強調するのに、どのような言葉が適切かは分からない。
超中途半端。
絶妙に中途半端。
あらゆる角度から見て中途半端。

最高だ、平井さん、こんな舐めた小説を書くから、あんた最高だ。
全体のストーリーの起承転結はバランスが悪いし、ほのめかした数々の複線はなんの結論も得られないままだし、
単調な繰り返しのような話がだらだらと続くことも多いし。
だけど、じゃあ、なぜ面白いのか。
それは、この平井和正って人がこの作品にこめた熱意。
それ以外にありえない。
(略)
そして、あらためて思った。
小説の面白さはストーリーにはない。
無茶苦茶なストーリーでもオレは作者をせめたりしない。
作者が全身全霊の熱意をそそぎこんで、命をけずり書いた小説ならば、私はそれに敬意を表するほかない。
そう改めて感じた貴重な小説だった。

http://home.catv.ne.jp/nn/meta/p25.htm


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