シバケン様、こんばんは。
部品と違って装置では、品管が云々では製品の品質は良くなりませんですね。 複雑な構造故、製品が出来上がってからでは、出来ることは限られてまして。
最上流の設計時点で、品質のことをどれだけ織り込めるかが、製品の出来を決めるです。 工場の各工程の内容を承知してる設計者なら、「良い設計」が出来るです。 論文書いてるような研究者の設計(実力的に全設計は無理なので回路設計だけとか)では大抵、後工程でトラブル続出でして。0と1の論理回路の知識だけでは、パラメトリックマージン不足などの低信頼性の回路になるのがオチです。プリント基板上を流れる信号の波形乱れとか、発熱とか、基板回路設計だけでも、知識不足の人には任せられませんでして。 プリント基板の回路設計でさえそうですから、装置の設計には広範な知識が要求されるです。
自慢になりますが、私が設計した装置は、故障が少ないのでサービス部門から修理代で稼げないというクレームが来たです。 工場の現場に出向いて(生産技術と一緒に)、製造工程に口を挟むこともしばしば。工場の人は、どうせ机上の理論屋だろうと最初は本気になって聞かぬですが、イザ私が半田鏝を持って模範実技をやってみせると、(特に叩き上げの係長クラスの)眼の色が変わったです。イヤ、「半田鏝を持って」は言葉の綾でして、半田鏝を使わぬ工程でも、同様ですが。
装置に於いては、「信頼性は最上流工程から作り込むもの」でして。
某A庁に納める製品などでは、一部が故障しても動き続ける装置が必要ですが、下手な設計では故障時の切り替え回路が故障したりするです。 この辺、製品が影も形もない時点での構想設計での思考実験の力が問われますです。
例えば、私が設計した装置は、恒温槽に入れてクロック周波数を定格よりもかなり高くしても、動き続けたです。 例えば、故障検出回路は、通常は「検査」ではチェックできないです。私の設計では、「エラーを起こす回路」を組み込み、サービス・モードで自由にエラーを起こせるです。 例えば、信号出力端子は、相手を接続するとかオシロスコープを接続するとかしないと、動作確認できないです。私の設計では、出力を監視する回路を組み込み、サービス・モードで自己診断が出来たです。 例えば、(以下略) |
No.1888 - 2018/12/22(Sat) 05:11:17
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