| 「三国志 一 桃園の巻」 吉川英治著 新潮文庫 読破
吉川三国志を読むのも23回目くらいになりました。 劉備が張飛と関羽に出会い桃園で義兄弟の契りを結び、 黄巾賊を討伐していく所から吉川三国志は始まります。 弱小で雑軍呼ばわりされていた劉備たちが それにもくじけず勢力を徐々に拡大していく様子が シミュレーションゲームをしているようで面白いです。 解説を読むと三国志の主人公は曹操で 諸葛亮が出てくると彼が主人公となります。 私は人徳があり善人の劉備が主人公だと思っています。 悪人ぽい曹操が主人公ということに反発があります。 吉川三国志は1939年から1943年頃までに 新聞に連載されて書かれたものです。 なんと第二次世界大戦の真っ最中に書かれたものなんですね。 そのような激動期に書かれたため名作ができたのかもしれない。 平和な時代にはこのような名作はできないかもしれない。 また吉川三国志は14世紀の明の時代の三国志演義を モチーフにしていて、何作かの三国志のいいとこどりを しているみたいで面白く仕上がっているのだと思う。 三国志以外の吉川英治さんの作品はあまりおもしろくない。 演技ベースではなく正史の三国志をモチーフに書いている人もいるけど 北方謙三さんの三国志は面白いけど、その他の人のはイマイチかな。
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No.5391 - 2021/09/13(Mon) 16:57:59
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