詩の掲示板

詩を投稿したり、感想や返詩を書きあって遊ぶための掲示板です。
作品の投稿は一週間に一作くらいまででお願いします。

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目が覚めるときのかんじ / はいくん
川の中には
花が咲いている
ひとつ
ふたつ
と花びらをかぞえても
川上のほうの季節は変わらない

牛の模様のなかの国が
火柱を上げて爆ぜているのに
牛は反芻をやめない
草がいったりきたりしてるうちに
田中くんはけっきょく来なかった

鈴の音がして
ふりかえる
風が廊下を通り抜けるのを見た
No.23 - 2020/08/03(Mon) 22:38:11
猫を投げる / 新井光
「若すぎるね」
とささやいて
猫を とおくへ投げました
好きかもしれないか 
調べるために

わたしは賢くなんかなく
そのなかにあるすべてを見つけるまで
箒星が 逃げだすまで
考えていたことを

猫を
とおくに放り投げ
茶トラの猫は、もっと遠くへ投げ
すると猫はバラバラになり
ほこり
砂利
小石となって
線路に沿ってひろがり
いつまでも光り

すぐ始めることができなかった
No.22 - 2020/08/02(Sun) 17:45:48
(No Subject) / あしや
あじさいが咲いている
土の中では
終わりに近づくにつれ
猫の髭ほどの茎が
雨をうけとっている

 港の倉庫で
 覚せい剤を受け渡す
 ブラジル人のように

あくびをかみころして
君の手札からいちまいトランプを引く
最後まで揃わないのは
いつの間にか
行方不明になったものたち
No.21 - 2020/07/20(Mon) 09:21:11
砂の手紙 / FlygandeTrumman
そして こぼれそうになって
そっと 口をつけて すすった ガラスのコップは
潮の味がした だって そこは海だった
もし 海なら なにも言わないで
それなら目を閉じて 消えたこと わかる



ずっと うまく使えない手の 付け根からさわって
痛いから 見てもらったり あげたり
しかし レターの 封はとめないで
そのなかで音のなる 砂は
ルーペで見れば 魚のかたちして
この体も 閉じ込める 海への 集合を知らせる



よく冷えた 自販機を ながれる運河
冷え切って 冷えるほどに 足はすくんで
あんぱん 置きわすれたベンチに
じっと 灰色のかにが 動かないでいた
見ている それは 遠いだろう



人を かきわけ かきわけ 進んで
たどり着いた 息を切らして 見えない
窓だけが浮かんで 何もなく
その向こうに だれもいない 大きな
ひとりきりの 大きな時間 こまやかな波に かわり
青白く 浜に くだけ散る かがやく
No.20 - 2020/05/25(Mon) 05:55:49
せいかつ / 蓉蓉

ようやくうけとめたはじまりの
つまびらかになっていく
いきつくところ
ひとつ


かぞえきれないほどの碑も
いつか国のような草木にとりかこまれ


欠損からしょうじた抱擁
その水勢だけがとりのこされる
No.3 - 2019/11/29(Fri) 22:25:35
Re: せいかつ / 蓉蓉
詩の投稿掲示板を作ってみました。
自由で風通しのよい場所を作りたかったので、あまりルールを設けていません。至らぬてんばかりかと思いますがよろしくお願いします。
No.4 - 2019/11/29(Fri) 22:28:12
Re: せいかつ / flygande
 はじめまして。
 あちらでは、お気に留めてくださってありがとうございました。
 私も半生ほどインターネットで活動しているものですから、その間さまざまな出会いなどありました。きわめて深くこちらの心に触れてくださったのに、肉体としては一度もお会いしたことのない人も。けれども抱きしめる腕は確かにそこに存在しているような気がしたり。
 多分、私たちがすでに完成した生物であれば、そこには抱擁するという機能も、機構も、不要なのかもしれません。しかしながらきっと私たちは、現状としてここにある不完全さをそんなに嫌ってはいない……克服したいと願いながらも。
 「いつか国のような草木にとりかこまれ」というフレーズは、一瞬のうちにイメージを呼び寄せられる一方で、よくよく読めば微妙な意味の不安定さを残している、味わい深い詩句でとても好きです。しかし碑とはほんらい草木に取り囲まれるべきものなのかもしれません。私も碑になったあかつきには、ぜひそうであってほしいです。朽ちない材質で碑が作られるのは、碑の側からしてみれば、むしろちょっと寂しい話でもあると思うから。
 せいかつ、というタイトルにされたのは、この詩の字面的な内容と「せいかつ」の間に、蓉蓉さんの個人的なブリッジが存在しているからなのかな、とも思いました。その架け橋がどのようなものか、自作解題を聞いてみたいような気もしますし、ちょっとはしたない覗き屋として、まだあまり知らぬ蓉蓉さんのせいかつをここから想像してみたりするのも楽しいです。
 それでは、よい言葉と、よいお年を。
No.19 - 2019/12/28(Sat) 18:13:04
あふひ / 熱湯
わおん わおんと犬は鳴く
うわあ うわんと僕が泣く

僕はやる そう決めている
いざや、せむ これ実存の問題なり
そうして僕は足をすすめる
たすけてくれ たすけてくれ
こひねかはくは うちおきたまへ

あかず夜もすがら 泣きまどふ

遠い国では言葉が燃える
言葉を焼べてどこまでいくやろ

そうして僕は足をすすめる
潮満ちぬ 風も吹きぬべし
No.18 - 2019/12/18(Wed) 01:46:01
夜が認める / mos
どんなにも及ばない こんなにも敵わない
夜が窓から 覗きこんでいる
どこにも届かない 誰にも燃やせない
言葉をわたしに 与えるために

立ち止まらずに 進むあなたに
追いつく前に 立ち止まったの
暗い道なの わたしが求めた
あなたはどこかに 確かにまだいて

歩いた拍子に 躓き転んだ みじめな気持ちで
そのまま見上げた 夜が
こんなわたしを 静かに認めた
 
No.12 - 2019/12/05(Thu) 16:59:00
Re: 夜が認める / 蓉蓉
mosさん
はじめまして、こんにちは

この詩に登場する〈夜〉と〈あなた〉を同一のものとして読み、一連目では夜と呼ばれ、二連目ではあなた、そして三連目ではまた夜 と呼ばれるものと詩に登場する〈わたし〉について考えてみました。

一連目では夜が主体となり、強烈なパワーでもって〈わたし〉に影響を及ぼしているにもかかわらず、二連目では〈わたし〉が主体となっているのに〈わたし〉の行動があなた(夜)には響いていない、影響を与えていない、そのことをふまえて三連目を読んだとき、誤読という言葉が浮かんできました。
三連目でようやく〈わたし〉の行動へ夜が返事を返す、認めるわけですが、これは〈わたし〉による誤読なのではないかと思ったわけです。

>歩いた拍子に 躓き転んだ みじめな気持ちで
 そのまま見上げた 夜が

この躓き転ぶというのが言葉のとおり躓き転んだのか、人生の苦い経験などの比喩なのかはわかりませんが、どちらにしても不本意な経験をして落ち込んだとき、自身の内なるものにではなく外の世界にあるものに救いを見いだそうと、人は、雨上がりのにおいや、風にもっていかれる落ち葉、そういった風景の一部を誤読し、自分で自分自身を鎮静させながらようやく暮らしている。
この詩の〈わたし〉もそうやって夜を誤読することで生きながらえているのかなと思ったとき、一連目の窓から覗きこんでいるものの正体がもっとよくわからないものになるなーなんて思ったりしました。

投稿してくださり、ありがとう。
No.15 - 2019/12/15(Sun) 19:11:09
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