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クラシック映画BBS2

ハリウッドのクラシック映画を中心とした映画全般に関する掲示板です。
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『ノア約束の舟』『300帝国の進撃』『ポンペイ』 / Ismael
同一シネコンで3作品が上映されていたので3本みました。

『ノア』:ちょっと辛気臭い。最初はSFを見ているような感覚。神話を合理的(つじつまをあわせる)に描くのはやはり無理があります。
『300』:前作のほうが良く出来ていたと思います。エヴァ・グリーンの悪役はまずまず。
『ポンペイ』:(グラディエーター+ポンペイ最後の日+ボルケーノ)÷3、主演女優がイマイチ私のタイプではなかった。
       最後を引っ張りすぎ。もっとシンプルに終わって欲しかった。
No.276 - 2014/07/03(Thu) 20:54:11
3階の見知らぬ男(1940) / Ismael
最初期のフィルム・ノワールの一本と言われている作品。
吉田広明の『B級ノワール論』では、『三階の他人』という題名になっていました。

ブロードウェイの『3階の見知らぬ男』のDVDで鑑賞。
DVDの裏カバーに、監督のボリス・イングスターをドイツ出身と記されていますがIMDbによるとラトヴィア出身です。
IMDbでは、エイゼンシュタインと仕事をしたことが有るようですが、どういう経緯でアメリカに渡ったのかは不明。
晩年は、TVのナポレオン・ソロや劇場版『消えた相棒』などに関わっていたようです。

見終わっての感想は、確かにフィルムノワール要素は多々有りますが、サイコホラーでしょ、というもの。
手持ちのフランス語の資料によると、この映画の絵作りはローベルト・ウィーネの『罪と罰』の影響が大きいとか。
主人公の新聞記者が見る悪夢とか、極端に影を強調した撮影などを見ると単なるドイツ表現派のハリウッド板で、表現派的な技法をフィルム・ノワールの話法にまでは消化しきれていないとおもいます(後続作品に影響を与えたのは確かだとおもいますが)。
この作品をフィルム・ノワール第一作と主張する連中は1937年の『暗黒街の弾痕』をどう考えるのだろう、とおもいました。

ウィーネのこの作品を作るに当たり、多くのロシア系の映画人を雇用したということなのでひょっとしたらイングスターも参加していたのかもしれません。

撮影担当はニコラス・ムスラカ。
No.275 - 2014/07/02(Wed) 10:24:59
パンドラ(1951) / Ismael
大昔にNHK教育テレビで見て以来IVCのDVDで鑑賞。
画質はよく有りませんが、ところどころオリジナルの名手ジャック・カーディフによる見事な撮影を想像できる箇所があり、特にエヴァ・ガードナーの素晴らしいアップがあります。

大人になった今見ると、脚本の穴に気がついたりしますが、ガードナーの美しさを堪能すればそれで良いでしょう。

ジェームズ・メイソンは時々臭い演技をするのですがこの作品の演技は控えめで良いと思います。
原題はPandra and the Flying Dutchmanですが、あまりPandraを想起させません。
舞台になるスペインの漁師町の名前がスペイン語で希望を意味するEsperanzaであることくらいでしょうか。

冒頭のクレジットタイトルが終わった後出てくる字幕はペルシアの詩人オマール・カイヤムのるバイヤードの一遍。
この和訳がなんともわかりにくいのですが小川 亮作という人の訳のようで、青空文庫で読むことができます。
人の所業を書き入れる筆もくたびれて*、
さだめは太初からすっかりさだまっているのに、
何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて!

運命というものは、嘆いても泣いても変えられない、というところでしょうか。

ガードナーは、白人のわりには口が小さいですね。
この小さい口元が、やや獰猛な美貌を和らげていると思います。
No.274 - 2014/06/29(Sun) 14:15:09
天使の顔 (1953) / Ismael
みなさま

久しぶりにDVDで鑑賞。
以前、BBS1の方で「映画においてけぼりを食ったような気がした」と書きましたが今回は、あまりそう感じませんでした。

シモンズのヘアスタイルが奇妙だなあと思ったら、かつらなんですね。

シモンズの撮影の為の拘束期間が18日だったことなど、製作状況はB級作品のそれとよく似ていたようで、そんな状況がこの作品の息せき切ったリズムと雰囲気を生み出したのでしょうね。

プレミンジャーはこういうテーマが好きみたいで『悲しみよこんにちは』とストーリーの骨子はよく似ていますね。

シモンズがもう2歳若ければ、と思わないこともないですが、見事な悪女ぶりです。
特に、裁判あたりから顔つきが変わってきています。

画面転換に扉の開閉が頻繁に使われているのも今回見なおして気が付きました。
No.273 - 2014/06/24(Tue) 18:41:12
ルシル・ブレマー / ISMAEL
みなさま、

数十年前に映画館で見た日本未公開ミュージカル『ヨランダと泥棒』のDVD(ジュネス企画)を最近見ました。

製作の時期も関係しているでしょうがやはり日本公開は難しい内容であることを再確認。

ダリ風のセットでのダンスナンバー以外は、あまり見どころがあるとは思えません。

アステアと共演しているルシル・ブレマーは、ミュージカル女優としては、ロジャースの明るさも、チャリッスのグラマラスも、ガーランドの歌唱力も持ち合わせていないのが残念。
アステアの自伝でもブレマーについては殆ど触れていません。

でこのブレマーの主演作は全部日本未公開なんですね。
幸いにも?私は、助演を含めると、『若草の頃』、『雲流るるはてに』、『野望の果て』、BEYOND LOCKED DOORのDVDを持っています。

アーサー・フリードに発見されてMGM入りし、ミュージカルスターになることが有望視されていましたが『ヨランダ』の興行的失敗でその道は絶たれたようです。
その後は、PVERTY ROWに貸し出され、幸いにも?ウルマーとベティッカーの作品に主演することになります。

この2本のブレマーは、悪くないのです。
特にウルマーの『野望の果て』では、一種の悪女を演じていますが、ミュージカル時代の彼女より遥かに魅力的です。

Adventures of Casanova (1948) の撮影中に知り合った元メキシコ大統領の息子である金持ちと結婚し、映画界を引退。
No.266 - 2014/06/11(Wed) 14:20:22
Re: Secret Beyond the Doorと混ざっちゃってると思う / B&W
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ISMAEL様
大文字と小文字で中の人が違うのでしょうか?

ルシル・ブレマー(Lucille Bremer 1917-1996)は『若草の頃』(7.7 Meet Me in St. Louis ミネリ1944)、『野望の果て』(104分6.9 Ruthless ウルマー 1948)、『閉ざされた扉』(62分 6.6 Behind Locked Doors ベディカー 1948)を見ています。
確かに『野望の果て』『閉ざされた扉』の方がルシル・ブレマーの輪郭がはっきり印象に残りますね。

私はどうも『野望の果て』が響いてこなくて、何度か見たのですが、映画自体があまり印象に残りません。
比べて『閉ざされた扉』はTVムーヴィー並みのランタイムですが、よくできたスリラーになっているなと思います。ネットに落ちているようなのでそれを見直して、レビューも再読して書けばいいのですが、今落ち着いて映画が見れなくて、前に見た印象です。

ちょっとフラーの『ショック集団』(7.6 Shock Corridor 1963)を思わせる始まりですが、ずっとmodestです。なんといっても'The Champ' 役のトーア・ジョンソン(Tor Johnson 『プラン9・フロム・アウター・スペース』3.9 Plan 9 from Outer Space エド・ウッド 1959)が印象深かったです。

『閉ざされた扉』を見たとき、ルシル・ブレマーのことを、“この人も、戦後になるとsaltyな役を割り当てられる様になったんだなあ”と思ったものです。でも適役だと思います。彼女はベティ・デイビスに面影が似ていて、スクリーンテストも『愛の勝利』 (7.6 Dark Victory グールディング 1939)の役で受けたのですね。すこし貴族的な風貌で、ヒラリー・ブルック(Hillary Brooke 1914-1999)を思い出します。この2作品のような、裏があるかな?というような役が向いていますね。

ベティカーの小品ノワールとしては、『殺し屋は放たれた』(6.7 The Killer Is Loose 1956)がありますが、主演(助演?)のウェンデル・コーリーのよさもあって、こちらの方がもっといいかな?と思います。女装して後をつけるところなんかいいです。後のサイコパスの原型ですね。

『閉ざされた扉』の最初のシーンでルシル・ブレマーが着ている矢印のアップリケのあるスーツですが・・・どこかでこれを見たような気がするんですけど、思い出せない。勘違いかな?ジュディ・ガーランドが着ていたような記憶がある・・・???。

『ヨランダと泥棒』(6.2 Yolanda and the Thief ミネリ1945)を見ていなくて、かみ合わない話題になってしまいすみません。
No.270 - 2014/06/21(Sat) 19:16:07
Re: ルシル・ブレマー / Ismael
今晩は、

> 大文字と小文字で中の人が違うのでしょうか?
同じ人間です。

>
> 私はどうも『野望の果て』が響いてこなくて、何度か見たのですが、映画自体があまり印象に残りません。
> 比べて『閉ざされた扉』はTVムーヴィー並みのランタイムですが、よくできたスリラーになっているなと思います。ネットに落ちているようなのでそれを見直して、レビューも再読して書けばいいのですが、今落ち着いて映画が見れなくて、前に見た印象です。

会話が多すぎますね。
演出もしているのですが、あれだけ会話が多いと退屈します。
ご指摘の通り私も『ショック集団』を思い出しましたが、まあ比べるのはウルマーが気の毒というか・・・・。

> ちょっとフラーの『ショック集団』(7.6 Shock Corridor 1963)を思わせる始まりですが、ずっとmodestです。なんといっても'The Champ' 役のトーア・ジョンソン(Tor Johnson 『プラン9・フロム・アウター・スペース』3.9 Plan 9 from Outer Space エド・ウッド 1959)が印象深かったです。
>
> ベティカーの小品ノワールとしては、『殺し屋は放たれた』(6.7 The Killer Is Loose 1956)がありますが、主演(助演?)のウェンデル・コーリーのよさもあって、こちらの方がもっといいかな?と思います。女装して後をつけるところなんかいいです。後のサイコパスの原型ですね。

そうですね、こちらの方が話も面白いし、べティッカーの演出の「本気度」もこちらの方が上でしょう。
No.272 - 2014/06/21(Sat) 22:57:36
長命の女優さんたち / ピーター・ポッター
 先週土曜日(6月14日)のTBSテレビ番組の、世界ふしぎ発見「ウォルト・ディズニー魔法の秘密」を見ていたら、何とマージ・チャンピオンが登場して、「白雪姫」の動きのモデルを務めたことなどを話していました。

 私が彼女をスクリーンで見たのは「ショウ・ボート( '51年)」と「私の夫は二人いる( '55年)」の2本だけですが、当時の夫君のガウワー・チャンピオンとの共演で、見事なダンスを見せてくれました。

 それから半世紀以上経過後に図らずもテレビで元気な様子を見て、懐かしく思いました。まだまだ長生きされるよう望みます。

 欧州映画の名作「未完成交響楽」は1933年製作で、これも今では伝説的な作品でしょうが、主演女優のマルタ・エゲルト嬢は近年まで健在でした。最近気になってIMDbで確かめたところ、惜しくも昨年末の12月26日に亡くなっていました。残念ですが享年101才とのことであり、お年に不足はないでしょう。ご冥福をお祈り致します。

 だけど、1910年生まれのアカデミー主演女優賞受賞者でご存命、という凄い人もいますよ。
No.267 - 2014/06/18(Wed) 21:42:32
Re: 長命の女優さんたち / ISMAEL
こんにちは

>  だけど、1910年生まれのアカデミー主演女優賞受賞者でご存命、という凄い人もいますよ。
ルイーゼ・ライナーでしょうか?

最近『巨星ジーグフリード』を観ました。
一時クリフォード・オデッツと夫婦だったのをこのDVDの特典映像で知りました。
No.268 - 2014/06/19(Thu) 09:37:07
Re: 長命の女優さんたち / ピーター・ポッター
ISMAEL さん、今日は。

 おっしゃる通りルイーゼ・ライナーのことです。彼女出演の「巨星ジーグフェルド」、「大地」、「グレート・ワルツ」などは、いずれも1930年代の作品で、今日ではDVDがワン・コインで買える古典ですが、そのヒロインが今もご存命というのは、当方には関係ないけれど何となく嬉しいです。

 10年ほど前だったと思いますが、アカデミー賞式典に、彼女が歴代受賞者の一人として参列しているニュースを見た覚えがあります。

 彼女によれば、長命の秘訣は「決して医者を信用しないこと」 だそうで、参考になります。
No.269 - 2014/06/19(Thu) 11:52:32
Re: デュッセルドルフのマヤ / B&W
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皆様

「長命の女優さん」というタイトルで、真っ先にルイーゼ・ライナー(Luise Rainer 1910-)が頭に浮かびました。というのも、去年のRemembersの話題の時に、まだまだ存命の大女優って誰がいるかな、と調べたことがあったからです。

1910年生まれの女優では、ジョーン・ベネット、シルヴィア・シドニー、ポーレット・ゴダード、メエ・クラーク、アニタ・ペイジ、シモーヌ・シモン、ヴァージニア・ブルース、クレア・トレヴァーなどがいるのですね。男優ではロバート・カミングス、デビット・ニーヴン、リチャード・コンテ、ジャック・ホーキンス、ヴァン・ヘフリンなど。

ルイーゼ・ライナーの出演作では『巨星ジーグフェルド』(The Great Ziegfeld 6.9 ロバート・Z・レオナード1936)、“Dramatic School” (6.3 ロバート・シンクレア 1938)、“The Toy Wife ”(5.8 リチャート・ソープ 1938)を見ています。『大地』(7.9 The Good Earth シドニー・フランクリン 1937)を見てなくて・・・。

ルイーゼ・ライナーは何でオスカーの主演女優賞を2回も受賞できたんでしょうか?謎ですね〜。ガルボに与えたくないアカデミー会員たちが、ライナーに投票したと読んだことがありますが。“Dramatic School”はその疑問が益々深まるような映画です。ちょっと珍品なので機会があったらご覧あれ。実写版「ガラスの仮面」で、人生を無為に過ごしたい方にオススメの映画です。ポーレット・ゴダード、ラナ・ターナー、ゲイル・ソンダーガード、アン・ラザフォードが出ていますが、ルイーゼ・ライナーの美登利ならぬ、ジャンヌ・ダルクを前にしてまさに顔色なしでした。
No.271 - 2014/06/21(Sat) 19:19:10
スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
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皆様 どうもご無沙汰しまして、すみません。スーザン・ヘイワードについて考えていて、まとまらないままに諸事多忙になり、つい流れてしまいました。

あまり、まとまっていないし、芯がない雑感になるのですが、掲示板も停留しているし、調べたことだけでも残しておこうと、投稿することにしました。お目汚しですが。

最近の話題に全く関係のない「空気の読めない」内容になっていますことをご容赦くださいませ。

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皆様 
スーザン・ヘイワードが表象する「ハリウッド製女性像」について考えているんですが、寄り道ばかりで、なかなかまとまりません。このままではコメントも付けられなくなり、考えも流れ去ってしまいそうなので、個人の印象的な話の羅列になりますが、投稿させていただきます。

>>レビューを読んでみても皆がほめていますが、父親役のロバート・キースがとてもいいですね。
>私も彼のような親父になりたいです。(マグカップ様)


マグカップ様のお子さんはお幸せですね(笑)。ロバート・キースは『殺人走査線』(7.4 The Lineup 1958 シーゲル)でいいなあと思いましたが、他にあまり観ていないので、コメントできないんです…。

>この中では『悪の花園』だけ観ました。10年ぐらい前で、スーザン・ヘイワードなど知らなかったです。でも、クーパーの相手役に選ばれているので、大女優なのでしょう。(マグカップ様)

実は私にとってS・ヘイワードは、昔から時々思い出し、考えてきた女優さんです。同じように時々考える女優さんにスザンヌ・プレシェットがいます。どちらもファンというわけではありません。なんというか、「残念なスター」と言う感じです。
私が常々考えていたのは「S・ヘイワードはなぜ大スターになれなかったのだろう」というものです。でも今回検索してみて私の印象が間違いと知りました。S・ヘイワードは主演女優賞の受賞暦を見ても赫々たる経歴です。

1959 オスカー(『私は死にたくない』/I Want To Live! ワイズ)
1959 ゴールデングローブ(『私は死にたくない』/I Want To Live! ワイズ)
1953 ゴールデングローブ(『わが心に歌えば』/ With a Song in My Heart ウォルター・ラング)
1957 カンヌ(『明日泣く』/I'll Cry Tomorrow ダニエル・マン)
No.246 - 2014/04/29(Tue) 22:59:11
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
人気もありました。LB様が『スクリーン』読者投票の結果を上げてくださいましたので、私はPhotoplay紙の作品賞(Medal of Honor/Gold Medal)と一番人気のスター(MOST POPULAR MALE/FEMALE STAR)をご紹介します。
http://www.listal.com/list/photoplay-awards ←写真もあって見やすいです。

Medal of Honor/Gold Medal Winners 1920-1968
1920: Humoresque / ユーモレスク(フランク・ボーゼージ)
1921: Tol'able David / 乗合馬車(ヘンリー・キング)
1922: Robin Hood / ロビン・フッド(アラン・ドワン)
1923: The Covered Wagon / 幌馬車(ジェームズ・クルーズ)
1924: The Dramatic Life of Abraham Lincoln /  - (フィル・ローゼン)
1925: The Big Parade / ビッグ・パレード(キング・ヴィダー)
1926: Beau Geste / ボー・ジェスト(ハーバート・ブレノン)
1927: Seventh Heaven / 第七天国(フランク・ボーゼージ)
1928: Four Sons / 四人の息子(ジョン・フォード)
1929: Disraeli / ディズレーリ(アルフレッド・E・グリーン)
1930: All Quiet on the Western Front / 西部戦線異状なし(ルイス・マイルストン)
1931: Cimarron / シマロン(ウェズリー・ラッグルス)
1932: Smilin' Through / 永遠に微笑む(シドニー・フランクリン)
1933: Little Women / 若草物語(ジョージ・キューカー)
1934: The Barretts of Wimpole Street / 白い蘭(シドニー・フランクリン)
1935: Naughty Marietta / 浮かれ姫君(W・S・ヴァン・ダイク二世)
1936: San Francisco / 桑港(W・S・ヴァン・ダイク二世)
1937: Captains Courageous / 我は海の子(ヴィクター・フレミング)
1938: Sweethearts / - (W・S・ヴァン・ダイク二世)
1939: Gone With the Wind / 風と共に去りぬ(ヴィクター・フレミング)

*** ここまでは読者投票による作品賞のみ ***

1940-1943: awards not given /  -  - 
No.247 - 2014/04/29(Tue) 22:59:52
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
*** ここからは、作品賞、人気の男優、人気の女優 ***

ギャロップの調査によるそうです。名前の次の( )は受賞時の年齢です。人気の男優・女優は必ずしも演技力があるとか歌唱力があるとか、そういうことではなくその年にもっとも人気があるスターと言うことだそうです。

1944: Going My Way / 我が道を往く(レオ・マッケリー) | ビング・クロスビー (41) / グリア・ガーソン (40)
1945: The Valley of Decision / 愛の決断(テイ・ガーネット)  | ビング・クロスビー (42) / グリア・ガーソン (41)
1946: The Bells of St. Mary's / 聖(セント)メリーの鐘(レオ・マッケリー)  | ビング・クロスビー (43) / イングリッド・バーグマン (31)
1947: The Jolson Story / ジョルスン物語(アルフレッド・E・グリーン)  | ビング・クロスビー (44) / イングリッド・バーグマン (32)
1948: Sitting Pretty / 愉快な家族(ウォルター・ラング)  | ビング・クロスビー (45) / イングリッド・バーグマン (33)
1949: The Stratton Story / 甦る熱球(サム・ウッド)  | ジェイムズ・スチュワート (41) / ジェイン・ワイマン (32)
1950: Battleground / 戦場(ウィリアム・A・ウェルマン)  | ジョン・ウェイン (35) / べディ・ハットン (29)
1951: Showboat / ショウ・ボート(ジョージ・シドニー)  | マリオ・レンザ (30) / ドリス・デイ (27)
>1952: With A Song in My Heart / わが心に歌えば(ウォルター・ラング)  | ゲーリー・クーパー (51) / スーザン・ヘイワード (35) ※
1953: From Here to Eternity / 地上(ここ)より永遠に(フレッド・ジンネマン)  | アラン・ラッド (40) / マリリン・モンロー (27)
1954: Magnificent Obsession / 心のともしび(ダグラス・サーク)  | ウィリアム・ホールデン (36) / ジューン・アリソン (37)
1955: Love is a Many-Splendored Thing / 慕情(ヘンリー・キング)  | ウィリアム・ホールデン (37) / ジェニファー・ジョーンズ (38)
1956: Giant / ジャイアンツ(ジョージ・スティーヴンス)  | ロック・ハドソン (31) / キム・ノヴァク (23)
1957: An Affair to Remember / めぐり逢い(レオ・マッケリー)  | ロック・ハドソン (32) / デボラ・カー (36)
1958: Gigi / 恋の手ほどき(ヴィンセント・ミネリ)  | トニー・カーチス (33) / デビー・レイノルズ (26)
1959: Pillow Talk / 夜を楽しく(マイケル・ゴードン)  | ロック・ハドソン (34) / ドリス・デイ (35)
1960: no awards /  -  -   -  /  - 
1961: Splendor in the Grass / 草原の輝き(エリア・カザン)  | トロイ・ドナヒュー (25) / コニー・スティーブンス (23)
1962: The Miracle Worker / 奇跡の人(アーサー・ペン)  | リチャード・チェンバレン (28) / ベティ・デイビス (54)
1963: How The West Was Won / 西部開拓史(ヘンリー・ハサウェイ)  | リチャード・チェンバレン (29) / コニー・スティーブンス (25)
1964: The Unsinkable Molly Brown / 不沈のモリー・ブラウン(チャールズ・ウォルターズ)  | リチャード・チェンバレン (30) / アン・マーグレット (23)
1965: The Sound of Music / サウンド・オブ・ミュージック(ロバート・ワイズ)  | ロバート・ヴォーン (33) / ドロシー・マローン (40)
1966: The Russians are Coming, The Russians are Coming / アメリカ上陸作戦(ノーマン・ジュイソン)  | デビッド・ジャンセン (35) / バーバラ・スタンウィック (59)
1967: The Dirty Dozen / 特攻大作戦(ロバート・アルドリッチ)  | ポール・ニューマン (42) / バーバラ・スタンウィック (60)
1968: Rosemary's Baby / ローズマリーの赤ちゃん(ロマン・ポランスキー)  | スティーヴ・マックィーン (38) / デビー・レイノルズ (36)

※『わが心に唄えば』(With a Song in My Heart ウォルター・ラング 1952)が金賞の1952年にS・ヘイワードが女優賞を獲っていますね。
歌は世につれ…ということなのか、ミュージカルや音楽映画が人気が高く、その作品に出ているスターも人気が出ているような?60年代になるとTVで“スター”になるようですね。
No.248 - 2014/04/29(Tue) 23:00:47
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
S・ヘイワードについて、IMDbのレビューを読んでみても、ヘイワードはスターである、しかし現在は忘れられている、という印象が多いようです。スターではあるんですね、人気もあるし、オスカーも獲っている。でも、忘れられてしまった…。

http://www.youtube.com/watch?v=DU1I-1v0420 ←ウォルター・ウエンジャーに謝辞を述べています。

参考:第31回アカデミー主演女優賞(Awards for 1959)
●WINNER
『私は死にたくない』(7.5 I Want to Live! ワイズ): スーザン・ヘイワード Susan Hayward (1917-1975)
●NOMINEES
『旅路』(7.7 Separate Tables デルバート・マン): デボラ・カー Deborah Kerr (1921-2007)
『走り来る人々』(7.5 Some Came Running ビンセント・ミネリ): シャーリー・マクレーン Shirley MacLaine (1934-)
『メイム叔母さん』(8.0 Auntie Mame モートン・ダコスタ): ロザリンド・ラッセル Rosalind Russell (1907-1976)
『熱いトタン屋根の猫』(8.1 Cat on a Hot Tin Roof リチャード・ブルックス): エリザベス・テイラー Elizabeth Taylor (1932-2011)

デボラ・カー(ノミネート6回)もロザリンド・ラッセル(ノミネート4回)も、結局オスカーを獲っていませんからねぇ。それにこの年(1958年度)は、マイク・トッドを飛行機事故でなくして同情票が期待できるエリザベス・テーラーが候補に挙がっていましたし、激戦を勝ち抜いたと言う感じですね。

こうしてみると人気もあるし、実力もあるし、立派なスターですね。でも、私には「残念」感があるんだなぁ…。
では、何が「残念」なのかというと…S・ヘイワードには“神話性”が感じられないと言うことかしら?
No.249 - 2014/04/29(Tue) 23:01:59
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
本当に偶然なんですが、ちょうど私は『傷だらけの映画史』(蓮実重彦・山田宏一 中公文庫)をたまたま読んでいて、この本は裏テーマが「ウォルター・ウェンジャーを通してみた映画史―特に50年代」なんです。ウェンジャーが育てたスターとしてヘイワードにも触れられています。

***** 引用開始 *****
>山田:スーザン・ヘイワード。1950年代になるとスーザン・ヘイワードは良妻賢母の典型だったでしょう。それが、どうも違和感があったんですけど、『奥様は魔女』をあらためて見て納得しましたよ(笑)。ぴったりですもんね。どちらかというと、ふられるブスのタイプですよね、スーザン・ヘイワードって。
>蓮実:顔立ちは整っているのに、精神的にはブスなんです(笑)。
>山田:見放されるタイプの女ですよね(笑)。
>蓮実:ほかの映画でも皆あっさりのりかえちゃうでしょ。そして誰も心を痛めていない(笑)。
>山田:かわいそうって感じがしない。高慢ちきでバカな女で、男が逃げるのも当然だって納得させられちゃう(笑)。
>蓮実:それに反して、ヴェロニカ・レイクはパラマウントのカバーガールと言うだけあって魅力的だしね。

* **** 引用終了 ***** 

これは主に『奥様は魔女』(ルネ・クレール 1947)について語っている中の一部なので、作中の役柄に引っ張られている向きはあるかと思います。しかし、別の箇所で「映画史的には重要な神話的大女優に照明をあてたい」として、ツァラ・レンダー、キャロル・ロンバート、ヴェロニカ・レイク、ジーン・ティアニーについて語られていて、それなりに評価されています。ここまでくさされるのはS・ヘイワードだけですね。後光が差していないんですね、ヘイワードには。
No.250 - 2014/04/29(Tue) 23:02:50
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
S・ヘイワードは、--ヘイワードだけに限った話ではないとはいえ―モデルがある実在の人物を演じて当たりを取った事が多かったために、リアリティがある生々しい女性像のイメージが定着したようにも思います。そしてその人物もアル中の芸人とか元ハリウッドスターとか、死刑囚とか、娘に自分の愛人を殺されたスターとか、子役時代からハリウッドのみならず世界中のレジェンダリー・スターだが薬中の歌手とか、カラフルと言うか露悪趣味的な役柄が多いです。『明日泣く』、『私は死にたくない』も『哀愁の花びら』(5.8 Valley of the Dolls マーク・ロブスン1967)も、当時のベストセラーが原作で、宣伝効果ばっちり、興行収入が期待できる企画です。「神話」よりも「金」という感じ。

ヘイワードが狙って、神話性をかなぐり捨てて、リアルな生身を感じさせる女性像の形成へ向かったかというと、そうでもないような。役柄が必要としているし、リアリズムが時代を表わす流行のスタイルだし、時流に素直に反応して行っただけのようにも感じます。だから後光は背負わなかったけれども、神話的スター像に未練がなかったかというとそうでもないような。やはりどこか、『風と共に去りぬ』のスカーレットに源流=未練を持っていたようなところも感じるんです。そこが「古く」感じられて、「残念」なんですね。
No.251 - 2014/04/29(Tue) 23:03:43
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
W・ウェンジャーと共に『インディアン渓谷』(7.1 Canyon Passage ジャック・ターナー 1946)をとった後FOXに移ったということで、上記の私の印象はウェンジャーの影響なのかもしれません。ウェンジャープロでは『The Lost Moment』(1947)『タルサ』(1949)『私は死にたくない』(1958)に主演しています。『タルサ』は“スカーレット”的女の人生を舞台を変えてS・ヘイワードがやったという、念願の作品であったそうです。興行的にも批評的にも芳しくない結果に終わりましたが。ウェンジャーはイングリッド・バーグマンにも、彼女の宿願のジャンヌ・ダルクを演じさせたことを想起しました。


>スーザン・ヘイワードと言えば、(中略)スター女優というより、屈折して腹に一物秘めたような、得体のしれない役どころの印象が強いです。(44-40様)

>『狙われた駅馬車』も(中略)、これまたどこか正体不明の女を演じ、人間関係の緊張感を生むような役どころだったと思います。(44-40様)

>彼女はその低く鼻にかかった声と相まって、どこかしら暗く陰鬱なムードを醸し出せる女優だと思います。私がそう言った映画ばかり見ているからかもしれませんが、代表作が『私は死にたくない』ということからも、あながち間違っていないと思うのですが。(44-40様)

44-40様のご意見は、示唆に満ちていると思います。S・ヘイワードは「過去のある女」風なんですね。鬱屈していて、トラウマを抱えているような、何か胸の奥に秘めているような。私にとってはS・ヘイワードと言えば、『私は死にたくない』『明日泣く』『I Can Get It for You Wholesale』です。浮かんでくる印象は independent, tough, smart, ambitious, calculating, materialistic・・・と言うところでしょうか。
No.252 - 2014/04/29(Tue) 23:06:21
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
TCMの『Smash-Up』の評を読むとヘイワードについて、「これはヘイワードの初主演作品で、彼女独自のキャラクターを速やかに打ち立てた。すなわち、立ち直ろうともがく虐げられた女性像である。ヘイワードは、第二次世界大戦後のハリウッドにおいて、一連の力強く生き生きした演技ではじけ出た。それはともすれば傍若無人で田舎芝居めくと受け止められる事もあったが、しかし、苦しみながらも立ち上がるという彼女の銀幕上の個性を築くことに寄与した。」(This was Hayward's first major role, and it immediately established the actress in her hallmark character, that of the downtrodden woman struggling to make a comeback. Hayward burst forth in post-WWII Hollywood with a series of strong, vivid performances that some considered overbearing and histrionic, but which helped establish her suffering but resilient screen persona.)と評しています。50年代以降にヘイワードが表象した女性像に関して、概して適切な評ではないでしょうか。

『Red Hollywood』(Thom Andersen, Noël Burch 1996) ではS・ヘイワードは" Susan Hayward became an icon of Hollywood feminism. In Smash-Up, she suffered. And in I Can Get It for You Wholesale, she fought back.. "と評されています。
ヘイワードに対して冷笑的な意見はレビューやら色々読んでいると、散見されて、例えばこんな風。
“Three weeks ago I recommended vivacious roles for Susan Hayward. The word should have been vicious.”(James Agee)
No.253 - 2014/04/29(Tue) 23:08:24
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
ここまで書いて、途切れてしまったんですけどね・・・。

どういう風に持って行きたかったのか、今となっては思い出せないのですが、フェミニズム的女性像の生成?過渡期の女?・・思い出せません。

作品ではやっぱり『明日泣く』ですね、一番好きです。『愛しのシバよ帰れ』をちょっと思わせるけれど。『愛しの・・』も好きです。例えシャーリー・ブースの演技がクサかろうとなんであろうと。

『私は死にたくない』は『拳銃の報酬』と対を成す作品だなと思います。その割には『私は死にたくない』はあまり再評価されていないように感じています。もっと語られてもいい映画だと思うんですけどね。
No.254 - 2014/04/29(Tue) 23:24:55
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / マグカップ
B&Wさん、こんにちは。

>作品ではやっぱり『明日泣く』ですね、一番好きです。

『明日泣く』(1955)を観ました。アル・ジョルスンで有名な「When The Red Red Robin Comes」を歌うヘイワードが素敵でした。
でも、『わが心に歌えば』(1952)のようなカラーの明るいミュージカルではなく、白黒の暗いドラマでした。明るい路線を止めてしまったのは、私としては残念です。
恋人役エディ・アルバートが、実の奥さんマーゴとツーショットで出演しているのを見つけました。彼は99歳まで生きたのですね。

>『旅愁』(7.7 Separate Tables デルバート・マン): デボラ・カー Deborah Kerr (1921-2007)

『旅路』ですね。ややこしい題名でデボラ・カーの『悲愁』、ジョーン・フォンテインの『旅愁』があります。
たまたま、先月『悲愁』を観たのですが、デボラ・カーが大変美しかったです。彼女と比べると、ヘイワードが暗い役で勝負する理由も分かる気がします。
No.255 - 2014/05/01(Thu) 21:51:23
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / Ismael
こんにちは、

スーザン・ヘイワードは、嫌いなのでその理由を。

神話性がない・少ないということと関係があると思いますが:

安っぽい:ヘミングウェイの小説の人物も聖書上の人物も彼女演じるとソープ・オペラになる。
高慢で利己的な印象:夫のため、誰かの為に取る行為も実は自分のためであることが透けて見える。
誠意が感じられない。
美人だけれど今ひとつ華がない。
どことなく可愛げがない。
悪女が似合うのに逆の役を演じたがる。
彼女にはICONとなるイメージがない。
本来主演級の役者ではない(助演でいいからオードリー・トッター級の悪女を演じて欲しかった)。
一言で言うと虫が好かない、という甚だしく個人的な理由です。

『傷だらけの映画史』は、文庫本刊行時に読みました。
B&Wさんが引用した箇所を読んで、ああやっぱり、と思った記憶があります。

ただ、彼女の俳優としての役割というかハリウッドにおける機能のようなものは、'40年代ハリウッド映画という文脈に置いて考えなおす必要があるだろうな、とは思います。
No.256 - 2014/05/02(Fri) 09:49:34
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
マグカップ様、Ismael様 いつもご返答ありがとうございます。

■マグカップ様
>『旅路』ですね。
あらら・・・。ご指摘ありがとうございます。直しました。
allcinemaでIkeda様がほめていらして、DVD購入したんですが、好きな映画なんですよね。リタ・ヘイワースとデボラ・カーの絡みを見ていると、ヘイワースがいかにも素人演技で、でもそういうところも好きですね。

>『わが心に歌えば』(1952)のようなカラーの明るいミュージカルではなく
でも『わが心に歌えば』は傷病兵の問題を扱っていて、当時の戦争物としては、国全体が受けた精神的・物理的外傷からの再生、という視点を持った作品で、ただ明るいでもないと思います。名曲で気持ちよく見せる映画ですね。ヘイワードは自身が小学生?ぐらいのときに自動車事故で足を負傷して長期加療したそうで、そういう経験からもこの作品の主演を熱望したと記憶しています(間違っていたらご指摘くださいませ)。

>恋人役エディ・アルバートが、実の奥さんマーゴとツーショットで出演しているのを見つけました。彼は99歳まで生きたのですね。
そうでした。彼は長生きしたんですよね。私にとっては

黄昏(Carrie 1952 7.5 ワイラー)
オクラホマ!(Oklahoma! 1955 7.3 ジンネマン)
攻撃(Attack 1956 7.5 アルドリッチ)

ですね。こうしてみるとすごく幅広い役者ですね。キャリアの後半の作品をほとんど知りません・・・。

■Ismael様
本人にしてみれば

安っぽい→安くて結構
高慢で利己的な印象→お互い様だろ
誠意が感じられない→アンタに言われたくないよ
美人だけれど今ひとつ華がない→大きなお世話
どことなく可愛げがない→だーれがお前なんかに
悪女が似合うのに逆の役を演じたがる→あたしは主役級なの
彼女にはICONとなるイメージがない→おとといおいで
本来主演級の役者ではない→オードリー・トッター?舐めんじゃないよ
一言で言うと虫が好かない→あんたになんか好かれたくないよ

って言いそうです。墓石の下で寝返り打ってますね、きっと。

いちいちIsmael様のいうとおりだと思うんですけどね、私も。

ブログの“Self-Styled Siren”では筆者のThe SirenさんはS・ヘイワードのことを偏愛の対象だと言ってて、“The Siren has written before of her soft spot for Hayward, who isn't often trotted out these days when people discuss Great Stars of the Past.” her soft spot=弁慶の泣き所というニュアンスは、私の「残念な」と言う印象に通じるものがあるような気がしています。

40年代後半からのヘイズ・コードの瓦解、無力化ともあいまって、50年代になると、“スター”がビーフケーキやチーズケーキ的な、物象化されたピンナップアイドル化していくような気がするんですね。以前はスターは演技者として技術や品格を備えたものと扱われていたと思うんですが、50年代に入るとロック・ハドソンやロリー・カルホーン、トロイ・ドナヒュー、ラナ・ターナー、マリリン・モンローやジェーン・マンスフィールド見たいな、極端に非人格化したものになってしまって、そういう要素を持っていないとスターになれない時代に入る様に思うんです。その狭間を旧式スタイルで生き延びたというイメージがヘイワードにはありますね・・・わたしには。

どうでもいいことですが、『明日泣く』はリリアン・ロスの生涯を映画化したものですが、リリアン・ロスは『I Can Get It for You Wholesale』(1951 6.8 マイケル・ゴードン)の舞台版で母親役をしています。リリアン・ロスとスーザン・ヘイワードを比べてみると、リリアン・ロスのほうがずっと魅力的に感じます。人柄があったかいような感じがして・・・。

『Ain't She Sweet?』(1933―フライシャースタジオ) なんて、可愛いです。
http://www.youtube.com/watch?v=cFM5YHVMEZs

“Why Am I So Romantic?” “If I Could Be with You” “Sing You Sinners” “Come Up And See Me Some Time” いずれもいいですね。
ヘイワードにはない魅力があふれていて、それこそ“華”があります。
ヘイワードは、『明日泣く』の主演を射止めるために、まず、リリアン・ロスを味方につけたそうです。確かに打算的ですね。そしてそれが成功するから可愛げがないのね。
No.257 - 2014/05/02(Fri) 19:56:51
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / マグカップ
B&Wさん、こんにちは。

>私にとっては 黄昏(Carrie 1952 7.5 ワイラー)...

私は、やはり『ローマの休日』です。

>『明日泣く』はリリアン・ロスの生涯を映画化したものです

私は彼女の名を初めて知りました。1910年生まれですから、この映画が作られた時は45歳です。こんな若い彼女の伝記映画を作るとは、アメリカでは大変人気があったのでしょう。日本のウィキペディアには載ってませんけれど。
No.258 - 2014/05/02(Fri) 22:31:57
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / LB
1950〜61年のスーザン・ヘイワードと、同年齢(1917年生まれ)のジェーン・ワイマンとジューン・アリソンのドル箱スター順位の変遷を追ってみました。

50年 (ジューン・アリソン14位)
51年 19位
52年 9位(ジェーン・ワイマン15位)
53年 9位(ワイマン19位)
54年 14位(ワイマン9位 アリソン11位)
55年 19位(アリソン9位 ワイマン18位)
56年 13位(アリソン15位 ワイマン23位)
57年 (アリソン23位) 
59年 10位
61年 19位
No.259 - 2014/05/03(Sat) 00:29:02
『タイムリミット25時』など / 44-40
B&Wさん、皆さん、

スーザン・ヘイワードは、見た目が色白でほっぺたがふっくらしていてやわらかそうで、西洋人にしては童顔でかわいらしいが、よく見れば赤毛で、秘めたる気性の激しさという記号性を持っているので、フィルム・ノワールには向いていると思います。つぶらな瞳がかわいらしいジェーン・グリアもその系統ですが、彼女は赤毛ではありません。モノクロとカラーが交錯する時代のモノクロ映画では、赤毛は観客にどのように受け取られていたのでしょうね。

『タイムリミット25時』は原題をDeadline at Dawnといい、コーネル・ウールリッチの同名小説を原作としている1946年のRKO映画です。ハロルド・クルーアマンという聞いたことのない監督ですが、撮影はニコラス・ムースラカ、脚本はクリフォード・オーデッツなので、悪くない布陣です。

ここでのヘイワードはウールリッチお得意のダンスホールの女で、Ismaelさんの言うキャラを前面に押し出しますが、実はそれ表層的で、最後には主人公のビル・ウィリアムズを信じて彼のために力を尽くす、と言った役どころだったと思います。グッド・バッド・ガールという奴です。ほとんど棒読みだったという印象に近いウィリアムズとの共演のせいもありますが、結構うまくこなしていたと思います。

映画の方は何かにつけて、Statistics tells us...と言い始めるポール・ルーカスの印象が強く、「犯人の意外性」は類型的というか、取ってつけたようですが、舞台となったニューヨークの裏町に住む人たちの人間模様とウールリッチ独特の迷宮に迷い込んでゆくような焦燥感のようなものが結構出ていて、出色の作品になっていたと思います。

あるいはヘイワードは、フィルム・ノワールというより表も裏もある大都市を舞台にした作品によく似合う女優なのかもしれません。
No.260 - 2014/05/03(Sat) 16:15:20
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W
皆様 お返事ありがとうございます。

■マグカップ様
>こんな若い彼女の伝記映画を作るとは、アメリカでは大変人気があったのでしょう。

伝記本が先行してあって、ベストセラーだったそうです。当時としてはアル中を赤裸々に告白した女優本ということで、話題性に富んでいたのでしょう。

■LB様

ドル箱スターというのは、映画の収益のみでしょうか?TVも入っているのかな・・・。

なんとも微妙〜な表ですね・・・。微妙なのはピックアップされた3メンバーの顔ぶれもさることながら、1950〜1961年というレンジも微妙なんですね。TV台頭期でもあり、年齢で言えば33歳〜44歳という時期も微妙ですね。

思ったよりは3人とも凋落していないなという印象ですが、皆さんはどう思われましたか?

■44-40様
そうそう、その映画について取り上げていなかった!お話ししたいことは一杯あります。

>よく見れば赤毛で、秘めたる気性の激しさという記号性を持っている
>モノクロとカラーが交錯する時代のモノクロ映画では、赤毛は観客にどのように受け取られていたのでしょね。


そうそう、これも私も話題にしたいと思っていたことでした。段々思い出してきたぞ・・・(笑)。
もともと、投稿のタイトルも、“赤毛の女−スーザン・ヘイワード”なんてのを、考えてもいました。

>『タイムリミット25時』は原題をDeadline at Dawnといい、コーネル・ウールリッチの同名小説を原作としている1946年のRKO映画です。

発表時はウィリアム・アイリッシュ名義でした(『暁の死線』創元推理文庫ほか 稲葉明雄訳ほか)。ご存知ですか?ウールリッチは最晩年にW・アイリッシュに改名しているんですよ、本名を。

>ここでのヘイワードはウールリッチお得意のダンスホールの女

あだ名が“ブリッキー”って言って、理由は髪がブルックリンの町並み色のレンガ色だからなんです。職業はいわゆるタクシー・ダンサーですね。むかーし、ティナ・ターナーが“プライヴェート・ダンサー”って唄っていましたが、あれですね(トシがばれますなぁ)。

私が一番好きな(Ikeda様も好きな)ウールリッチ本です。初めて読んだのは多分12歳?ぐらいで、ポプラ社の『大時計は見ている』ジュヴナイル版でした。そこではブリッキーはウェイトレスということになってました。

スーザン・ヘイワードはやはり“ブルックリンの女”なんでしょうかね?色々読んでいて、ブルックリン訛りがあるとか・・・。『I Can Get It for You Wholesale』(1951 6.8 マイケル・ゴードン)も舞台はNYの“ガーメント・ジャングル”(マンハッタン区だけど)だし・・・。

『Red Hollywood (1996)』 1:10あたり・・・
ttp://www.youtube.com/watch?v=UYdIhtu9SGo

タクシー・ダンサーを扱った映画は色々あるんですが、結局売春婦なので、ヘイズ・コードが生きていた時代には、描写を制限されていました。扱った映画で印象的なのは『二秒間』(Two Seconds 1932 マービン・ルロイ 6.9)です。あばずれのヴィヴィアン・オズボーンが、すーごく良いんですよ。苦しいのは『They Drive by Night』 (1938 アーサー・B・ウッズ 7.6) で、わざわざ「売春婦ではない」という説明に、店が跳ねた後踊り子たちが帰宅するシーンを入れていました。そういえば『誘拐魔』(1947 ダグラス・サーク 7.0)もタクシー・ダンサーの話でしたね。

タクシー・ダンサーは44-40様がおっしゃるように「ウールリッチお得意」で、他に原作の映画化で『I Wouldn't Be in Your Shoes』(1948 ウィリアム・ナイ 6.9)もタクシー・ダンサーの話です。私はいい映画だと思います。リジス・トゥミーはこんな小品でも、きっちりいい仕事するなあ〜と感心しました。

この脚本を書いたのがスティーヴ・フィッシャーで、ウールリッチが晩年に足を切断した際に、20年ぶりに手紙を送りました。スティーヴ・フィッシャーはずっとハリウッドにとどまり、キャリアを続けて行った人で『I Wake Up Screaming』(1941 H・ブルース・ハンバーストン 6.9)の脚本家。その返答にウールリッチがフィッシャーにあてた手紙は、在りし日の“ウールリッチ節”炸裂で、これぞウールリッチという文体。全文を引用しますね。読みたい方もおられるでしょう。

“Hello Steve –

 It was good to hear from you. You’ve been in my thoughts so many times over the years. Still young, still dashing, the way we all always stay in our memories of each other. The Steve that wrote I Wake Up Screaming …
 I came in here at a fast 89 pounds, and with a week left to go. And pulled through minus a gam. I’ll be out as soon as my rehabilitation is complete, a little wary and a lot smarter. I’m returning to my father’s religion ( if they’ll have me ), the R.C. Not out of fear, but out of gratitude for being given a second time around. Everybody has to have somebody, and I have nobody.
 Lots of luck, Steve, and may everything you ever wanted come true. Cornell ” 
 ――― Cornell Woolrich : First You Dream, Then You Die / Francis M. Nevins, Jr

ところで私は『タイムリミット25時』をまだ見てないんですよね・・・。見てから言えよ!ってハナシですが。

>あるいはヘイワードは、フィルム・ノワールというより表も裏もある大都市を舞台にした作品によく似合う女優なのかもしれません

まさにおっしゃるとおり御明察。御あとがよろしいようで・・・。

※いくつか間違いを直しています。
No.261 - 2014/05/05(Mon) 00:16:53
Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / LB
> B&Wさま

各人ごとに年度内の公開映画の配給収入を合計して割り出したもののようです。テレビの存在は考慮されていませんね。(ベスト10リストはこちらにありますね http://www.geocities.jp/h2o_classic/box-office30.html

1954年度のジェーン・ワイマンのベスト10入りは『心のともしび』の影響が、59年度のヘイワードのベスト10復活は『私は死にたくない』の影響があると思われます。

> ピックアップされた3メンバー

たまたま同年齢だった3名に注目してみただけで、これといった深い意味はないんです。
No.262 - 2014/05/05(Mon) 02:16:33
スーザン・ヘイワードというよりアイリッシュについてについて / 44-40
B&Wさん、

毎回いろいろと教えていただき、誠にありがとうございます。いつも知らないことが多いので勉強になります。

> 発表時はウィリアム・アイリッシュ名義でした(『暁の死線』創元推理文庫ほか 稲葉明雄訳ほか)。ご存知ですか?ウールリッチは最晩年にW・アイリッシュに改名しているんですよ、本名を。
>


改名したのは知りませんでした。もっとも私も最初に知ったのはウィリアム・アイリッシュという名前の方でしたが。

> 私が一番好きな(Ikeda様も好きな)ウールリッチ本です。初めて読んだのは多分12歳?ぐらいで、ポプラ社の『大時計は見ている』ジュヴナイル版でした。そこではブリッキーはウェイトレスということになってました。
>

私も最初は子供用の本でした。確か『黒いカーテン』だったような。ポプラ社かどうかは忘れてしまいましたが、夕刊紙のエロマンガを描いていた人の挿絵が付いていたような気がします。

私の一番好きなアイリッシュ作品は『暗闇へのワルツ』ですね。彼独特の絶望の美学のようなものがたっぷりてんこ盛りで、通俗小説なのにこんな終わり方があるのか、と思ったものです。このような感想を持ったのは、ほかには大藪春彦の『復讐の弾道』を読んだ時ぐらいです。

2度の映画化は、ドヌーヴ版もジョリー版も一長一短ですが、ドヌーヴに免じて『暗くなるまでこの恋を』の方をひいきにしています。少なくともドヌーヴは適役だと思うのです。ジョリーの『ポワゾン』の方はエンディングが完全に台無しです。これがどうしても許せません(まあドヌーヴ版も妥協の産物ですが)。もし別パターンも撮影してあるのだったら、そっちのバージョンも出してほしいものです。

> タクシー・ダンサーを扱った映画は色々あるんですが、結局売春婦なので、ヘイズ・コードが生きていた時代には、描写を制限されていました。扱った映画で印象的なのは『二秒間』(Two Seconds 1932 マービン・ルロイ 6.9)です。あばずれのヴィヴィアン・オズボーンが、すーごく良いんですよ。苦しいのは『They Drive by Night』 (1938 アーサー・B・ウッズ 7.6) で、わざわざ「売春婦ではない」という説明に、店が跳ねた後踊り子たちが帰宅するシーンを入れていました。そういえば『誘拐魔』(1947 ダグラス・サーク 7.0)もタクシー・ダンサーの話でしたね。
>


『誘拐魔』は見ましたが、そう言えばそうでしたね。「そう言えばそうでした感」まで持っていかれていたのですから、大したものなのかもしれません。ルシル・ボールのキャラクターによるところも大きいのかも。

タクシー・ダンサーと言えば、ロバート・ミッチャムの『さらば愛しき女よ』の冒頭(プロローグ)でそういうダンスホールが出てきました。タクシー・ダンサーになってしまった金持ちの男狂いの娘を捜し出すシーンで、ミッチャムは彼女と踊りながら「一緒に歩いて出るか、踊りながら出るか、担ぎ出されるか、どれにする?」というようなセリフを言っていたと思います。ヘイズコードの時代の作品へのオマージュなのか、74年製作ながらこの程度のややコミカルな描写に抑えられていました。
そう言えば、ミッチャムとヘイワードは同じ1917年生まれのようですね。

> タクシー・ダンサーは44-40様がおっしゃるように「ウールリッチお得意」で、他に原作の映画化で『I Wouldn't Be in Your Shoes』(1948 ウィリアム・ナイ 6.9)もタクシー・ダンサーの話です。私はいい映画だと思います。リジス・トゥミーはこんな小品でも、きっちりいい仕事するなあ〜と感心しました。
>

これは残念ながら見ていません。是非見たいと思っている映画です。ウールリッチものは見ていないのも多いのですが、新井達夫が「フィルム・ノワールの時代」の中で褒めていたシオドマクの『幻の女』は私も好きです。私が意外と偏愛しているのは、『黒いアリバイ』を原作とする『レオパルドマン・豹男』です。ヴァル・リュートン制作のRKOの怪奇映画の一環として取られたものですが、『過去を逃れて』のジャック・ターナーの演出は、わずか66分しかない安もの映画の中に結構濃厚なムードを漂わせており、怪奇映画としては全く弱い(そもそも豹男などでてきません)ものの、ウールリッチものとしては私には結構楽しめました。IVCからDVDが出ていると思います。

> “Hello Steve –
>
>  It was good to hear from you. You’ve been in my thoughts so many times over the years. Still young, still dashing, the way we all always stay in our memories of each other. The Steve that wrote I Wake Up Screaming …
>  I came in here at a fast 89 pounds, and with a week left to go. And pulled through minus a gam. I’ll be out as soon as my rehabilitation is complete, a little wary and a lot smarter. I’m returning to my father’s religion ( if they’ll have me ), the R.C. Not out of fear, but out of gratitude for being given a second time around. Everybody has to have somebody, and I have nobody.
>  Lots of luck, Steve, and may everything you ever wanted come true. Cornell ” 
>  ――― Cornell Woolrich : First You Dream, Then You Die / Francis M. Nevins, Jr
>


ネヴィンズJrの「ウールリッチの生涯」は呼んでみたいと思っているのですが、ハードカバーで上・下巻というボリュームに阻まれて未読です。文庫待ちです。それから、すべてが美しい韻文詩のような晩年の短編『命ある限り(For the Rest of Her Life)』を原語で読みたいと思っています。

> ところで私は『タイムリミット25時』をまだ見てないんですよね・・・。見てから言えよ!ってハナシですが。

いつかブロードウェイあたりから出るでしょうか。私も昔ジェットというところから出ていたVHSで見ただけで、テレビ放送用の原盤らしく、数分短縮されていました。
No.263 - 2014/05/05(Mon) 21:20:06
Re: ウィリアム・アイリッシュについて雑感 / B&W
LB様、44-40様 お返事ありがとうございます。

■LB様
>各人ごとに年度内の公開映画の配給収入を合計して割り出したもののようです。テレビの存在は考慮されていませんね。

となると、収益性の実態とは、食い違いがあるかも知れませんね。でも、人気にせよ収益性にせよ、計測不可能な気もします。
「思った程、凋落してないなぁ」というのも、TVが入ってないからでしょうかね。

■44-40様

私が44-40様に教える・・・恐れ多い〜!です・・・。

●私の好きなアイリッシュ

>私の一番好きなアイリッシュ作品は『暗闇へのワルツ』ですね。彼独特の絶望の美学のようなものがたっぷりてんこ盛りで、通俗小説なのにこんな終わり方があるのか、と思ったものです。

私は新味がないですが、やはり『幻の女』か『暁の死線』ですね。色々見ていると、人気があるのもやはりこの2作で、ほかに、『暗闇へのワルツ』、『死者との結婚』『黒衣の花嫁』あたりが人気があると思います。

原作を主軸に映画化作品を表にしました。

発表年:邦題/原題|映画化年:映画原題/映画邦題 です。

1940:黒衣の花嫁/The Bride Wore Black| 1968:La mariée était en noir/黒衣の花嫁
1941:黒いカーテン/The Black Curtain| 1942:Street of Chance/
1942:黒いアリバイ/Black Alibi| 1943:The Leopard Man/レオパルドマン 豹男
1942:幻の女/Phantom Lady| 1944:Phantom Lady/幻の女
1943:黒い天使/Black Angel| 1946:Black Angel/黒い天使
1944:暁の死線/Deadline at Dawn| 1946:Deadline at Dawn/タイムリミット25時
1944:恐怖の冥路/The Black Path of Fear| 1946:The Chase/
1945:夜は千の目を持つ/Night Has a Thousand Eyes| 1948:Night Has a Thousand Eyes/夜は千の眼を持つ
1947:暗闇へのワルツ/Waltz into Darkness| 1969:La sirène du Mississipi/暗くなるまでこの恋を
1948:喪服のランデヴー/Rendezvous in Black| 1972:Sette orchidee macchiate di rosso/
1948:死者との結婚/I Married a Dead Man| 1950:No Man of Her Own/
1950:恐怖/Fright|-:-/-

他に映画化で知られているのは

1947:Fear in the Night
1948:I Wouldn't Be in Your Shoes
1949:The Window/窓
1954:Rear Window/裏窓

ですかね・・・。映画化作品では、一番人気は『裏窓』(ヒッチコック)でしょうね。私が見ているのは、黒衣の花嫁・幻の女・黒い天使・The Chase・夜は千の目を持つ・暗くなるまでこの恋を・No Man of Her Own・Fear in the Night・I Wouldn't Be in Your Shoes・裏窓です。

フランシス・ネヴィンズJrは、最高傑作を『黒い天使』にしていて、他の全ての映画化作品が失われても、これさえ残ればいいとか何とか書いていたような気がします・・・。『黒い天使』が、この度DVD化されたのもそういう背景があるのかなと思います。

新井達夫氏は「原作が傑作である場合、その映画化作品が評価されにくい傾向にあるのは困ったことだ」と述べていますが、原作に寄り添う形で評価すると、確かに『黒い天使』が一番いいかなと思います。ロイ・ウィリアム・ニールはホームズ物の一連の映画作品で有名ですが、なんとなくパルプフィクションの映画化というものに秀でていた様に思います。解かりやすく、テンポも適切で、後を引かない抑制があります。深刻になりすぎないところがいいのですね。

私は原作に寄り添う形では、やはり『幻の女』か『The Chase』が好きです。『幻の女』はジョーン・ハリソンの初製作映画だし、原作の世界観をよくよく理解して映画化されていると思います。ロバート・シオドマクが監督しておいてくれて、本当に良かったなあ、としみじみ思いますね。フランショー・トーンが主演してくれたのも良かったです。

>私も最初は子供用の本でした。確か『黒いカーテン』だったような。ポプラ社かどうかは忘れてしまいましたが、夕刊紙のエロマンガを描いていた人の挿絵が付いていたような気がします。
“多感”以前の幼い頃の記憶(トキメキ)って残りますよね〜。子供の頃にTVでよく『黒衣の花嫁』が放映されていたので、私はこの映画にもなじみが深いです。個人的に好きな映画、ということになると思います。

『ポワゾン』は・・・すみません、思い出せないので、多分見てないですね。

●ダンス・ダンス・ダンス

ウールリッチはコロンビア大学を出てから、漠然とタップ・ダンサーにでもなろうかと思っていたって、本の解説にあるでしょう?私は長らく「これは不況で困っていて、ダンサーになろうと思いつめるほど大変だったんだ」と勝手に想像していましたが、そうではなく、ウールリッチはダンスがうまかったらしいし、当時ダンスが流行ってもいたらしいんです。実際、細身でちょっとアステアっぽい風貌でもあります。

>『誘拐魔』は見ましたが、そう言えばそうでしたね。「そう言えばそうでした感」まで持っていかれていたのですから、大したものなのかもしれません。ルシル・ボールのキャラクターによるところも大きいのかも。

ルシル・ボールは普通のワーキングガールっぽい振る舞いでしたね。隠微なところがなくて。この明るさは戦中〜戦後の好景気を反映しているのかも。先にあげた1932年の映画『二秒間』では、ダンサーたちが、円形のホールのバーの向こう側にずらりと並んで、足踏みでリズムを取りながら作り笑いを浮かべてお客を誘うんですよ。「飾り窓の女」風です。煩くがなりたてるジャズが背景に流れて、焦燥感と切迫感・荒涼とした感じで、後の幾多の映画に描かれるような「健全な娯楽」風では全くないんです。ヘイズ・コード前なので、描写がやや生々しいですね。不況も反映していると思います。

>>『I Wouldn't Be in Your Shoes』
これもダンスに纏わる映画で、主人公の夫婦は仕事のないプロダンサーなんです。食い詰めて、妻はダンス教師(ということになってる)をしていて・・・夫が眠れない夏の夜に、裏窓から大事な靴を、鳴いてうるさい猫に投げつけてしまい・・・という始まりです。

晩年にウールリッチは壊疽で足を切断しますが、それも「合わない靴を延々と履き続けた」のが原因といわれています。そんなことで足が壊疽になるの?何でそんなことをするの?!と思いますが、なにかしら強迫観念のようなものがあったのかなと思います。

靴で言うと、“If I were in your shoes” という言い回しや、 "I have been in your shoes "という言い回しがあるんですね。

『I Wouldn't Be in Your Shoes』というタイトルもそのイディオムをもじっているんでしょうが、それを見たとき最初に思い出したのは『剃刀の刃』(The Razor's Edge 1946 E・グールディング 7.6)です。
タイロン・パワー演じる主人公は第1次大戦の帰還兵=サバイバーですが、ほとんど自分を出さない神秘的?逃避的?人物で、やっと搾り出すように言うせりふが、“I’ve been walking in another man's shoes.”なんですね。この作品はこちらの掲示板でもあまり評価されていなかったと思うんですが、このセリフは印象に残っています。

>タクシー・ダンサーと言えば、ロバート・ミッチャムの『さらば愛しき女よ』の冒頭(プロローグ)でそういうダンスホールが出てきました。
>ヘイズコードの時代の作品へのオマージュなのか、74年製作ながらこの程度のややコミカルな描写に抑えられていました。


ご指摘の部分を見てみました。色々忘れていたり、思い違いをしていましたが、取り急ぎ冒頭部分だけをあらためて見直してみて、この映画がハリウッド・クラッシックスへの哀悼に満ちているのに、今更ながら気がつきました。これはまさに、私みたいにせいぜい50年代までの映画しか見ないフリークのための映画ですね。
『レオパルドマン 豹男』も見たいと思います。ご紹介文を読んでいて、キャットウーマンっぽいのかな?と感じました。

>ネヴィンズJrの「ウールリッチの生涯」は呼んでみたいと思っているのですが、ハードカバーで上・下巻というボリュームに阻まれて未読です。文庫待ちです。
ウールリッチはちっとも不遇ではないですよね・・・こんな風に丁寧な自伝も書かれて、とても優秀な翻訳者がいて・・・門野集氏の訳はとてもいいと思いますね。訳本はチャプターにサブタイトルがつけてあるので、後で見直しのときに探しやすいです。TVや映画化の情報も正確丁寧です。生存中もジョーン・ハリソンのような意欲有る製作者が、代表作を映画化しているし。

>それから、すべてが美しい韻文詩のような晩年の短編『命ある限り(For the Rest of Her Life)』を原語で読みたいと思っています。
私も訳でしか読んでいません。残酷な話だと思います。ウールリッチが同性愛者だということを、私はずっと知らなくて、最近知りました。小説内の若く未経験で、ほとんど素手で人生の荒波に立ち向かっていかなければならない女性像は、ウールリッチの自己イメージを仮託したものだったのかなと最近思います。そして付き纏って離れない原罪のような意識・自己処罰的なところも、そういった背景を知ってやっと解かった気がします。

フランシス・ネヴィンズJrは生前のウールリッチに、会おうと思えば会える距離に住んでいたらしいです。でも会いに行かなかったと。死後遺産の管理人になって、自伝を書いていますが、最初からそれが目的で法学を勉強したのではないかなと思うぐらいです。とてもよく調べていて、ネットのない時代に、若きウールリッチがベンジャミン・クリステンセン(Benjamin Christensen)の映画に関わり、アイリッシュ名義で字幕製作をしていたことを突き止めています。今ではImdbで解かることですけどね。

アイリッシュ名義で字幕を製作した映画

1929 : House of Horror
1929 : Seven Footprints to Satan
1928 : The Haunted House

44-40様が『レオパルドマン 豹男』に感じておられるような怪奇映画の要素、人外のものへの感受性は、ウールリッチの源流にあったのかもしれません。

>そう言えば、ミッチャムとヘイワードは同じ1917年生まれのようですね。

すっかりヘイワードのことを忘れていました。この「見捨てられ感」は、まさにスーザン・ヘイワード・・・。
No.264 - 2014/05/06(Tue) 13:55:20
ヘイワードとミッチャム / LB
>そう言えば、ミッチャムとヘイワードは同じ1917年生まれのようですね。

ヘイワードとミッチャムは1952年の『The Lusty Men』(日本未公開)と53年の『蛮地の太陽』の2作で共演していますね。(強引につなげてみました)
No.265 - 2014/05/13(Tue) 03:11:36
米俳優ミッキー・ルーニー氏が死去 / マグカップ
ミッキー・ルーニー氏は、長いキャリアを持つ背の低い俳優だった。1939年に最多観客動員数を記録した映画に出演し、その後70年にわたってその頂点に再び登りつめようと試みた。それは首尾よくいったりいかなかったりした。
 AP通信によると、ロサンゼルス警察はルーニー氏が6日、93歳で亡くなったことを確認した。同氏は200本以上の映画に出演、アカデミー賞に4回ノミネートされた。サイレント映画時代にキャリアを開始し、2010年代まで多数の映画に出演した。この無類のキャリアの長さは、彼がよちよち歩きの幼少時にショービジネス界入りしたためでもある。
 ルーニー氏は短編映画シリーズ「Mickey McGuire」で、アイルランド系の賢い子役を演じて人気を得た。このとき、まだ7歳だった。その後、活発なティーンエージャーのアンディ・ハーディ役で名声を博した。アカデミー賞の選考委員会は子役特別賞に同氏を選出した理由として、「若さの体現と魂」をスクリーンで表現したことを挙げた。
 それは1939年だった。ルーニー氏が「青春一座」でジュディ・ガーランドとのコンビ役を演じた年だ。青春一座はその年、最も多くの興行収入を稼いだ。そのほか、「少年の町」、「緑園の天使」、「宿無しハックの冒険」などにも出演した。
 ルーニー氏の汚れなき若者のイメージは、同氏と米国が第2次世界大戦後の世界に移るにつれ、衰えていった。その後は、子役で人気を博したジャッキー・クーガンやシャーリー・テンプルなどと同じ運命をたどるかのように見えた。しかし1950年代にテレビスターとして復活を遂げ、端役で映画にも出続けた。
 同氏は時々、ディナーシアターで仕事をしながら1980年まで演技を続け、「シュガー・ベイビーズ」でブロードウェイデビューし、予想外にもトニー賞の主演男優賞を獲得した。
 同氏はそのときまでに8回結婚していた。破産や薬物依存を乗り越え、映画「ティファニーで朝食を」では、日系人のユニオシ役を演じた。
 ルーニー氏は当時、「私はいわゆるサバイバー(生き残った人)そのものだ」と話していた。

************************

以上、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版‎からのコピーです。私は「少年の町」が好きでした。
No.244 - 2014/04/09(Wed) 10:51:45
Re: 米俳優ミッキー・ルーニー氏が死去 / ピーター・ポッター
 私が同時代的に劇場で見た2本目のアメリカ映画が、ミッキー・ルーニーの「若い科学者」でした(最初に見たのは「新ロビンソン漂流記」)。

 それから長い年月が経ち、先年、「ナイト・ミュージアム」で再会して、懐かしかったです。秘宝を狙って博物館に忍び込み、魔法で命を得た展示物たちに取り押さえられるというヘマな泥棒一味でしたが。

 映画の黄金時代からの人であり、せめて100才まで生きて欲しかったですが、残念です。

 ご冥福をお祈り致します。
No.245 - 2014/04/09(Wed) 17:48:39
『破局』 / 44-40
みなさん、こんにちは。

結局DVDを手に入れて『破局』を見ました。

カーティーズをビジュアルと絡めて力説しておいてこんなことを言うのもなんですが、この作品からはそれほどビジュアル的なものを感じませんでした。むしろB&Wさんの言う、説話的な効率性のほうが強く感じられるかもしれません。DVDの映像もそれほどきれいではありませんでした。
もちろん随所(特にバーの内部や、ラストの黒人の子供のくだり)に、彼らしいビジュアルがたくさんありましたが。

この映画では、カーティーズのビジュアルよりジョン・ガーフィールドのほうが印象に残りました。'40年代中ごろまでの彼はまだ肩に余分な力が入っいるようで、やる気がみなぎる感じはいいものの、まだ少々未熟なところが見られましたが、この作品では十分リラックスしていて余裕があり、彼の役柄を演じる力量の高さを感じました。

そして何よりパトリシア・ニールです。私にとって彼女は同性も一目置くような「知的なイイ女」というイメージでしたが、この映画のようなわかりやすい「悪女」も、いやその方がむしろ魅力的に映りました。ゲーリー・クーパーとのスキャンダルともつながる印象です。

話の内容も全体としてホークスの『脱出』とは大いに異なり、この作品をフィルム・ノワールとする見方にも十分うなずけるものでした。
No.237 - 2014/03/21(Fri) 11:08:59
Re: 『破局』 / マグカップ
44-40さん、こんにちは。私も観ました。

>この映画では、カーティーズのビジュアルよりジョン・ガーフィールドのほうが印象に残りました。
ストーリーはあまり面白いとは思いませんが、途中で退屈しないのはジョン・ガーフィールドの魅力だと思います。

>'40年代中ごろまでの彼はまだ肩に余分な力が入っいるようで、
彼の作品では 「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946)「ユーモレスク」(1946)「紳士協定」(1947)など観ましたが、あまり印象に残っていません。

>そして何よりパトリシア・ニールです。
ガラガラ声の彼女は、「脱出」のローレン・バコールを意識して選ばれたのかなと思いました。

>話の内容も全体としてホークスの『脱出』とは大いに異なり
船が出てくるだけで、「脱出」のリメイクとは思えませんでした。
No.238 - 2014/03/25(Tue) 12:14:42
Re: 『破局』 / 44-40
マグカップさん、こんにちは。

> ストーリーはあまり面白いとは思いませんが、途中で退屈しないのはジョン・ガーフィールドの魅力だと思います。
>
> 彼の作品では 「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946)「ユーモレスク」(1946)「紳士協定」(1947)など観ましたが、あまり印象に残っていません。


ガーフィールドは、『悪の力』(Force of Evil)というフィルム・ノワールの小品が割と好きです。数少ないエイブラハム・ポロンスキー監督作品のためか、DVDも出ています。一般的には、ロバート・ロッセン監督の『ボディ・アンド・ソウル』のほうが評価は高いようですが、私はロッセンが少々苦手なので、『悪の力』のほうが気に入っています。
ジーン・ネグレスコが結構好きなので、『ユーモレスク』は見てみたいと思います。

ジュネス企画からは、『破局』と同時に『その男を逃がすな』も出たのですが、こちらはまだ未見です。ジュネスのHPのサンプル動画を見る限り、画質は良さそうなのですが、どうもPAL早回し盤のようです。でも作品はおもしろそうなのですが。

> ガラガラ声の彼女は、「脱出」のローレン・バコールを意識して選ばれたのかなと思いました。

そうですね。でもニールのほうが、不穏な感じに満ちていて(これは彼女の得意とするところかもしれませんが)、私には魅力的でした。

> 船が出てくるだけで、「脱出」のリメイクとは思えませんでした。

リメイクというよりも、同じ小説を原作としている、ということです。何よりムードがかなり違うと思います。少なくとも『破局』は敗者の物語になっています。原作の小説はヘミングウェイの「駄作」とされているそうです。
No.239 - 2014/03/25(Tue) 15:50:05
Re: 『破局』 / マグカップ
44-40さん、ガーフィールドの2作品を観ました。

「ボディ・アンド・ソウル」はボクサーの物語でした。彼のボクシングはあまり上手ではなく、登場人物が多すぎて整理できてないと思いました。ただ、ラストは気持ちよく感動したので、観て良かったと思います。

「悪の力」は賭博がらみの犯罪映画でした。しかし、この賭博の構造が分かりにくく、ストーリーがよく理解できませんでした。しかし、ラストの銃撃戦から明け方のニューヨークの郊外を歩くシーンは、何か新鮮で独特なものを感じます。悪女マリー・ウィンザーの出番が少ないのが残念でした。
No.240 - 2014/03/29(Sat) 09:37:35
Re: 『破局』 / 44-40
マグカップさん、こんにちは。

> 44-40さん、ガーフィールドの2作品を観ました。

相変わらず素早いですね。

>ただ、ラストは気持ちよく感動したので、観て良かったと思います。

『ボディ・アンド・ソウル』はまさにこのあたりが、フィルム・ノワールらしくないような気がします。ふつうに感動させる映画とは一味違い、ある種あっけなく、しばしば後味が悪く、一種の欲求不満と裏腹であるような「してやられた」感がダークに漂うような、そしてハッピーエンドだったとしても、どこか暗示的(あるいは取ってつけたよう)で、映画の中では幸福が完全には得られておらず、未だ一抹の不安定さが払しょくできていない様な終わり方が、フィルム・ノワールらしいと、ひそかに思っています。

> 「悪の力」は賭博がらみの犯罪映画でした。しかし、この賭博の構造が分かりにくく、ストーリーがよく理解できませんでした。しかし、ラストの銃撃戦から明け方のニューヨークの郊外を歩くシーンは、何か新鮮で独特なものを感じます。悪女マリー・ウィンザーの出番が少ないのが残念でした。

こちらは79分しかありませんし、何より低予算、そしておっしゃる通り不親切な説話で、一般的にはあまりほめられた映画ではないのでしょうが、随所に映画的な魅力が振り撒かれていると思います。
ガーフィールドがオフィスの外に立って、中の光を目にするシーンとか、まさにおっしゃるようなクライマックスの銃撃戦以降のシーンなど、映画の中身や話の筋が分かっていても、最後がどうなるかすでに知っていても、また見たくなるようなシーンに満ちているように思います。
もちろん『ボディ・アンド・ソウル』にもそのような要素はあると思うのですが、少々総花的な感じがして、『悪の力』のほうが私には強い印象を残しました。
No.241 - 2014/03/30(Sun) 09:32:18
Re: 『悪の力』 / マグカップ
44-40さん、こんにちは。

>ガーフィールドがオフィスの外に立って、中の光を目にするシーン

57分あたりのシーンでしょうか。この後、60分ぐらいのシーンで、ガーフィールドが誰もいない明け方のウォール街を歩き、トリニティ教会?がビルの間から見えるシーンも素敵でした。私はカメラワークには普段関心はないのですが、この映画のいくつかのショットにインパクトを感じました。

ついでに「その男を逃がすな」も観ました。これは普通のサスペンスで単純なストーリーでした。当時のガーフィールドはこのようなノワールもので人気があったのでしょう。
No.242 - 2014/03/31(Mon) 12:13:51
Re: 『破局』 / 44-40
マグカップさん、こんばんは。

> 私はカメラワークには普段関心はないのですが、この映画のいくつかのショットにインパクトを感じました。

DVDの画質もよかったと思います。白と黒のコントラストが効いていてメリハリと奥行きを感じました。『破局』よりずっと良い画質でしたね。

> ついでに「その男を逃がすな」も観ました。これは普通のサスペンスで単純なストーリーでした。当時のガーフィールドはこのようなノワールもので人気があったのでしょう。

ガーフィールドはやはり力量があると思います。'40年代はあまり余裕がなく未熟だった、というようなことを書きましたが、それにしたところで『破局』と比べてであって、演技者としての才能は当初から立派なものだと思います。
ハリウッドでいっぱしのスターになるには、年齢が必要だ、というようなことを誰かが言いましたが、ガーフィールドもこれからという時に命を落としてしまい、もう少し長生きしていたら、もっと幅の広い立派な役者になっていたことでしょう。
No.243 - 2014/04/01(Tue) 20:10:37
ユル・ブリンナー / 3103
ユル・ブリンナーの紹介ページ(http://www.geocities.co.jp/hollywood/5710/y-brynner.html)ですが、出生はサハリンでなく、浦塩。出身国はソ連(1922-91)ではなくロシア。母親はユダヤ系ロシア人とwikipediaにあったのですが、いかがでしょうか。因に、「ルーマニア系のジプシー」表記ではなく、「ルーマニア国籍のジプシー」というのが分かりやすいと思います。
No.236 - 2014/03/19(Wed) 06:04:57
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