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 皆様 どうもご無沙汰しまして、すみません。スーザン・ヘイワードについて考えていて、まとまらないままに諸事多忙になり、つい流れてしまいました。
 
 あまり、まとまっていないし、芯がない雑感になるのですが、掲示板も停留しているし、調べたことだけでも残しておこうと、投稿することにしました。お目汚しですが。
 
 最近の話題に全く関係のない「空気の読めない」内容になっていますことをご容赦くださいませ。
 
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 皆様
 スーザン・ヘイワードが表象する「ハリウッド製女性像」について考えているんですが、寄り道ばかりで、なかなかまとまりません。このままではコメントも付けられなくなり、考えも流れ去ってしまいそうなので、個人の印象的な話の羅列になりますが、投稿させていただきます。
 
 >>レビューを読んでみても皆がほめていますが、父親役のロバート・キースがとてもいいですね。
 >私も彼のような親父になりたいです。(マグカップ様)
 
 マグカップ様のお子さんはお幸せですね(笑)。ロバート・キースは『殺人走査線』(7.4 The Lineup 1958 シーゲル)でいいなあと思いましたが、他にあまり観ていないので、コメントできないんです…。
 
 >この中では『悪の花園』だけ観ました。10年ぐらい前で、スーザン・ヘイワードなど知らなかったです。でも、クーパーの相手役に選ばれているので、大女優なのでしょう。(マグカップ様)
 
 実は私にとってS・ヘイワードは、昔から時々思い出し、考えてきた女優さんです。同じように時々考える女優さんにスザンヌ・プレシェットがいます。どちらもファンというわけではありません。なんというか、「残念なスター」と言う感じです。
 私が常々考えていたのは「S・ヘイワードはなぜ大スターになれなかったのだろう」というものです。でも今回検索してみて私の印象が間違いと知りました。S・ヘイワードは主演女優賞の受賞暦を見ても赫々たる経歴です。
 
 1959 オスカー(『私は死にたくない』/I Want To Live! ワイズ)
 1959 ゴールデングローブ(『私は死にたくない』/I Want To Live! ワイズ)
 1953 ゴールデングローブ(『わが心に歌えば』/ With a Song in My Heart ウォルター・ラング)
 1957 カンヌ(『明日泣く』/I'll Cry Tomorrow ダニエル・マン)
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 No.246 - 2014/04/29(Tue) 22:59:11 | Re: スーザン・ヘイワードについて雑感 / B&W |  |  | | 皆様 お返事ありがとうございます。 
 ■マグカップ様
 >こんな若い彼女の伝記映画を作るとは、アメリカでは大変人気があったのでしょう。
 
 伝記本が先行してあって、ベストセラーだったそうです。当時としてはアル中を赤裸々に告白した女優本ということで、話題性に富んでいたのでしょう。
 
 ■LB様
 
 ドル箱スターというのは、映画の収益のみでしょうか?TVも入っているのかな・・・。
 
 なんとも微妙〜な表ですね・・・。微妙なのはピックアップされた3メンバーの顔ぶれもさることながら、1950〜1961年というレンジも微妙なんですね。TV台頭期でもあり、年齢で言えば33歳〜44歳という時期も微妙ですね。
 
 思ったよりは3人とも凋落していないなという印象ですが、皆さんはどう思われましたか?
 
 ■44-40様
 そうそう、その映画について取り上げていなかった!お話ししたいことは一杯あります。
 
 >よく見れば赤毛で、秘めたる気性の激しさという記号性を持っている
 >モノクロとカラーが交錯する時代のモノクロ映画では、赤毛は観客にどのように受け取られていたのでしょね。
 
 そうそう、これも私も話題にしたいと思っていたことでした。段々思い出してきたぞ・・・(笑)。
 もともと、投稿のタイトルも、“赤毛の女−スーザン・ヘイワード”なんてのを、考えてもいました。
 
 >『タイムリミット25時』は原題をDeadline at Dawnといい、コーネル・ウールリッチの同名小説を原作としている1946年のRKO映画です。
 
 発表時はウィリアム・アイリッシュ名義でした(『暁の死線』創元推理文庫ほか 稲葉明雄訳ほか)。ご存知ですか?ウールリッチは最晩年にW・アイリッシュに改名しているんですよ、本名を。
 
 >ここでのヘイワードはウールリッチお得意のダンスホールの女
 
 あだ名が“ブリッキー”って言って、理由は髪がブルックリンの町並み色のレンガ色だからなんです。職業はいわゆるタクシー・ダンサーですね。むかーし、ティナ・ターナーが“プライヴェート・ダンサー”って唄っていましたが、あれですね(トシがばれますなぁ)。
 
 私が一番好きな(Ikeda様も好きな)ウールリッチ本です。初めて読んだのは多分12歳?ぐらいで、ポプラ社の『大時計は見ている』ジュヴナイル版でした。そこではブリッキーはウェイトレスということになってました。
 
 スーザン・ヘイワードはやはり“ブルックリンの女”なんでしょうかね?色々読んでいて、ブルックリン訛りがあるとか・・・。『I Can Get It for You Wholesale』(1951 6.8 マイケル・ゴードン)も舞台はNYの“ガーメント・ジャングル”(マンハッタン区だけど)だし・・・。
 
 『Red Hollywood (1996)』 1:10あたり・・・
 ttp://www.youtube.com/watch?v=UYdIhtu9SGo
 
 タクシー・ダンサーを扱った映画は色々あるんですが、結局売春婦なので、ヘイズ・コードが生きていた時代には、描写を制限されていました。扱った映画で印象的なのは『二秒間』(Two Seconds 1932 マービン・ルロイ 6.9)です。あばずれのヴィヴィアン・オズボーンが、すーごく良いんですよ。苦しいのは『They Drive by Night』 (1938 アーサー・B・ウッズ 7.6) で、わざわざ「売春婦ではない」という説明に、店が跳ねた後踊り子たちが帰宅するシーンを入れていました。そういえば『誘拐魔』(1947 ダグラス・サーク 7.0)もタクシー・ダンサーの話でしたね。
 
 タクシー・ダンサーは44-40様がおっしゃるように「ウールリッチお得意」で、他に原作の映画化で『I Wouldn't Be in Your Shoes』(1948 ウィリアム・ナイ 6.9)もタクシー・ダンサーの話です。私はいい映画だと思います。リジス・トゥミーはこんな小品でも、きっちりいい仕事するなあ〜と感心しました。
 
 この脚本を書いたのがスティーヴ・フィッシャーで、ウールリッチが晩年に足を切断した際に、20年ぶりに手紙を送りました。スティーヴ・フィッシャーはずっとハリウッドにとどまり、キャリアを続けて行った人で『I Wake Up Screaming』(1941 H・ブルース・ハンバーストン 6.9)の脚本家。その返答にウールリッチがフィッシャーにあてた手紙は、在りし日の“ウールリッチ節”炸裂で、これぞウールリッチという文体。全文を引用しますね。読みたい方もおられるでしょう。
 
 “Hello Steve –
 
 It was good to hear from you. You’ve been in my thoughts so many times over the years. Still young, still dashing, the way we all always stay in our memories of each other. The Steve that wrote I Wake Up Screaming …
 I came in here at a fast 89 pounds, and with a week left to go. And pulled through minus a gam. I’ll be out as soon as my rehabilitation is complete, a little wary and a lot smarter. I’m returning to my father’s religion ( if they’ll have me ), the R.C. Not out of fear, but out of gratitude for being given a second time around. Everybody has to have somebody, and I have nobody.
 Lots of luck, Steve, and may everything you ever wanted come true.  Cornell ”
 ――― Cornell Woolrich : First You Dream, Then You Die / Francis M. Nevins, Jr
 
 ところで私は『タイムリミット25時』をまだ見てないんですよね・・・。見てから言えよ!ってハナシですが。
 
 >あるいはヘイワードは、フィルム・ノワールというより表も裏もある大都市を舞台にした作品によく似合う女優なのかもしれません
 
 まさにおっしゃるとおり御明察。御あとがよろしいようで・・・。
 
 ※いくつか間違いを直しています。
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 No.261 - 2014/05/05(Mon) 00:16:53 | 
| スーザン・ヘイワードというよりアイリッシュについてについて / 44-40 |  |  | | B&Wさん、 
 毎回いろいろと教えていただき、誠にありがとうございます。いつも知らないことが多いので勉強になります。
 
 > 発表時はウィリアム・アイリッシュ名義でした(『暁の死線』創元推理文庫ほか 稲葉明雄訳ほか)。ご存知ですか?ウールリッチは最晩年にW・アイリッシュに改名しているんですよ、本名を。
 >
 
 改名したのは知りませんでした。もっとも私も最初に知ったのはウィリアム・アイリッシュという名前の方でしたが。
 
 > 私が一番好きな(Ikeda様も好きな)ウールリッチ本です。初めて読んだのは多分12歳?ぐらいで、ポプラ社の『大時計は見ている』ジュヴナイル版でした。そこではブリッキーはウェイトレスということになってました。
 >
 私も最初は子供用の本でした。確か『黒いカーテン』だったような。ポプラ社かどうかは忘れてしまいましたが、夕刊紙のエロマンガを描いていた人の挿絵が付いていたような気がします。
 
 私の一番好きなアイリッシュ作品は『暗闇へのワルツ』ですね。彼独特の絶望の美学のようなものがたっぷりてんこ盛りで、通俗小説なのにこんな終わり方があるのか、と思ったものです。このような感想を持ったのは、ほかには大藪春彦の『復讐の弾道』を読んだ時ぐらいです。
 
 2度の映画化は、ドヌーヴ版もジョリー版も一長一短ですが、ドヌーヴに免じて『暗くなるまでこの恋を』の方をひいきにしています。少なくともドヌーヴは適役だと思うのです。ジョリーの『ポワゾン』の方はエンディングが完全に台無しです。これがどうしても許せません(まあドヌーヴ版も妥協の産物ですが)。もし別パターンも撮影してあるのだったら、そっちのバージョンも出してほしいものです。
 
 > タクシー・ダンサーを扱った映画は色々あるんですが、結局売春婦なので、ヘイズ・コードが生きていた時代には、描写を制限されていました。扱った映画で印象的なのは『二秒間』(Two Seconds 1932 マービン・ルロイ 6.9)です。あばずれのヴィヴィアン・オズボーンが、すーごく良いんですよ。苦しいのは『They Drive by Night』 (1938 アーサー・B・ウッズ 7.6) で、わざわざ「売春婦ではない」という説明に、店が跳ねた後踊り子たちが帰宅するシーンを入れていました。そういえば『誘拐魔』(1947 ダグラス・サーク 7.0)もタクシー・ダンサーの話でしたね。
 >
 
 『誘拐魔』は見ましたが、そう言えばそうでしたね。「そう言えばそうでした感」まで持っていかれていたのですから、大したものなのかもしれません。ルシル・ボールのキャラクターによるところも大きいのかも。
 
 タクシー・ダンサーと言えば、ロバート・ミッチャムの『さらば愛しき女よ』の冒頭(プロローグ)でそういうダンスホールが出てきました。タクシー・ダンサーになってしまった金持ちの男狂いの娘を捜し出すシーンで、ミッチャムは彼女と踊りながら「一緒に歩いて出るか、踊りながら出るか、担ぎ出されるか、どれにする?」というようなセリフを言っていたと思います。ヘイズコードの時代の作品へのオマージュなのか、74年製作ながらこの程度のややコミカルな描写に抑えられていました。
 そう言えば、ミッチャムとヘイワードは同じ1917年生まれのようですね。
 
 > タクシー・ダンサーは44-40様がおっしゃるように「ウールリッチお得意」で、他に原作の映画化で『I Wouldn't Be in Your Shoes』(1948 ウィリアム・ナイ 6.9)もタクシー・ダンサーの話です。私はいい映画だと思います。リジス・トゥミーはこんな小品でも、きっちりいい仕事するなあ〜と感心しました。
 >
 これは残念ながら見ていません。是非見たいと思っている映画です。ウールリッチものは見ていないのも多いのですが、新井達夫が「フィルム・ノワールの時代」の中で褒めていたシオドマクの『幻の女』は私も好きです。私が意外と偏愛しているのは、『黒いアリバイ』を原作とする『レオパルドマン・豹男』です。ヴァル・リュートン制作のRKOの怪奇映画の一環として取られたものですが、『過去を逃れて』のジャック・ターナーの演出は、わずか66分しかない安もの映画の中に結構濃厚なムードを漂わせており、怪奇映画としては全く弱い(そもそも豹男などでてきません)ものの、ウールリッチものとしては私には結構楽しめました。IVCからDVDが出ていると思います。
 
 > “Hello Steve –
 >
 >  It was good to hear from you. You’ve been in my thoughts so many times over the years. Still young, still dashing, the way we all always stay in our memories of each other. The Steve that wrote I Wake Up Screaming …
 >  I came in here at a fast 89 pounds, and with a week left to go. And pulled through minus a gam. I’ll be out as soon as my rehabilitation is complete, a little wary and a lot smarter. I’m returning to my father’s religion ( if they’ll have me ), the R.C. Not out of fear, but out of gratitude for being given a second time around. Everybody has to have somebody, and I have nobody.
 >  Lots of luck, Steve, and may everything you ever wanted come true. Cornell ”
 >  ――― Cornell Woolrich : First You Dream, Then You Die / Francis M. Nevins, Jr
 >
 
 ネヴィンズJrの「ウールリッチの生涯」は呼んでみたいと思っているのですが、ハードカバーで上・下巻というボリュームに阻まれて未読です。文庫待ちです。それから、すべてが美しい韻文詩のような晩年の短編『命ある限り(For the Rest of Her Life)』を原語で読みたいと思っています。
 
 > ところで私は『タイムリミット25時』をまだ見てないんですよね・・・。見てから言えよ!ってハナシですが。
 
 いつかブロードウェイあたりから出るでしょうか。私も昔ジェットというところから出ていたVHSで見ただけで、テレビ放送用の原盤らしく、数分短縮されていました。
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 No.263 - 2014/05/05(Mon) 21:20:06 | 
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