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クラシック映画BBS2

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『地獄と高潮』(1954) / Ismael
皆様、

これは「国際謀略もの」といえば良いんでしょうか?
単にアクション映画と呼べば良いのでしょうか?

フラー作品としては、傑作とは言えないような気がしました。

20世紀フォックスシネマスコープ第5作なのがちょっと意外。
第1作:聖衣(1953)、ヘンリー・コースター
第2作:百万長者と結婚する方法(1953)、ジーン・ネグレスコ
第3作:十二哩の暗礁の下に(1953)、ロバート・D・ウエッブ
第4作:壮烈カイバー銃隊(1953)、ヘンリー・キング
となっていますように第1作から第4作までの監督は全て戦前から映画に関わっていた監督ですが、第5作目の本作品は、いわば「戦後派」、しかも20世紀フォックス専属ではないフラーが監督というのが不思議です。
人材不足なのか、フラーの才能が評価されたのか?
前年に初めてフォックスで撮った『拾った女』の社内評価が高かったのでしょうか?

ザナック夫妻に見出された主演のベラ・ダーヴィ(あるいはダルヴィ)の映画的人生は、シンデレラストーリーで始まりCENSOREDで終わるというものだったようです。
ベラ・ダルヴィについては、『ザナック ハリウッド最後のタイクーン』(早川書房)にかなり詳しく書かれています。
No.369 - 2015/01/27(Tue) 11:01:22
「夢のひととき」 Her highness and the bell boy (1945) / マグカップ
別スレの「夢のひととき」(1945)を観ました。allcinemaには解説もコメントもない作品です。

王女ヘディ・ラマールがニューヨークの恋人を追いかけてきて、それがホテルのベルボーイ、ロバート・ウォーカーの友達というラブ・コメディです。この3人だけで、映画として面白く仕上がっているのですが、何故か足の悪いジューン・アリスンが中盤で歌って踊ります。というわけで、ヒロイン2人の映画という感じですが、この2人のツーショットはありませんでした。
この作品でのジューン・アリスンは大変可愛らしくて美しく、貴重なミュージカル・シーンだと思いました。でも、私としてはラスト付近でもう1度彼女に歌ってほしかったです。

尚、「ローマの休日」と似た映画といえば、私は真っ先に「ノッティングヒルの恋人」を思い出します。
No.357 - 2015/01/18(Sun) 17:14:00
Re: 「夢のひととき」 Her highness and the bell boy (1945) / 映画虫
マグカップさま

 今晩は。スレ違いだったらごめんなさい。

> ローマの休日」と似た映画

『三大怪獣 地球最大の決戦』('64)
 これは、封切りで見てから40年近く経ってから、本で読んだのですが、若林映子
がオードリー・ヘプバーン、夏木陽介がグレゴリー・ペックの役どころを意識して
ストーリーが構成されたそうで、言われてみると出だしのところと、結末が「らしい」
雰囲気でした。本を読まなければ一生気がつかなかったかもしれません。
No.358 - 2015/01/18(Sun) 23:31:26
Re: 「夢のひととき」 Her highness and the bell boy (1945) / B&W
マグカップ様 映画虫様

早々にご覧になったんですね!あんまり似ていませんでしたか(笑)。私は個人的には、居酒屋で大暴れするシーンに至って、「この映画が『ローマの休日』の原案になったのでは?」と思ったのですが。亡命した東欧系の役者がたくさん出ていたと思います。へディ・ラマール自身も亡命のようなものでしたね。

>何故か足の悪いジューン・アリスンが中盤で歌って踊ります。というわけで、ヒロイン2人の映画という感じですが、この2人のツーショットはありませんでした。

>この作品でのジューン・アリスンは大変可愛らしくて美しく、貴重なミュージカル・シーンだと思いました。でも、私としてはラスト付近でもう1度彼女に歌ってほしかったです。

そう、『グランドホテル』のジョーン・クロフォードとグレタ・ガルボのように、全然絡まないんですよ。ジューン・アリソンは“売出し中”な扱いでしたね、作品中では。筋に絡まなくて出番も少なかった様に記憶しています。踊りの要素を入れて華やかに、という感じで、別撮りして挟んでファンをひきつけたかったのかなと思いました。また、ロバート・ウォーカーと“ペア”な感じにしたかったのでしょうか。

ジューン・アリソンは、自分も子供の頃に怪我をしてリハビリしてるんですね。―8歳の時三輪車に乗っていて、木が倒れて頭蓋骨折と背骨を負傷したとか。ペットのテリアは亡くなって彼女は鉄のコルセットで首から腰まで固めたそうですね。リハビリで水泳をしたそうです。障害のある役には思い入れがあったかもしれません。

へディ・ラマールは美の頂点ですが、一方アグネス・ムーアヘッドは演技力の頂点という感じで、最初はムーアヘッドと気がつきませんでした。東欧風の訛りが上手すぎて(笑)。

>『三大怪獣 地球最大の決戦』('64)

怪獣が三つ出てくるアレかな?と思って調べたら、そうでした。これは私もTVで何度か見ています。怪獣が三つ出てくるのでオールスター豪華版な感じでワクワクしました。私はひっそりモスラの味方をしていましたが・・・。何となくモスラが一番弱そうな気がして。

・・・が、『ローマの休日』の翻案だったとは!っていうか、なぜ1964年に『ローマの休日』だったんだろう?時間が経っているからばれないと思ったのでしょうか(謎)。
No.359 - 2015/01/19(Mon) 01:16:48
『薔薇は何故紅い』と『支那の夜』と『東は東』 / Ismael
みなさま、

私は、『薔薇は何故紅い』という作品を『風』との関係とは別の文脈で知ったような記憶があったのでちょっと調べたところ、下記の記事を見つけました。


「キネマ旬報」昭和15年10月1号51pより〜
¨伏水修¨双葉十三郎
彼(伏水修)は、この映画でアメリカ映画の甘さや楽しさに対する憧れを満たしたのである。
それが、観客である僕たちにも共感されて、ともどもに面白かったわけである。〜中略〜
「支那の夜」の興行的な成功は、こうした彼の甘さが、徹底的に集中された部分が、観客の
心を惹いたからに他ならないであろう。〜中略〜
僕たちは、ラストの「薔薇は何故紅い」の無断借用をはじめとして、その甘さが、どのアメリカ映画
から来たかということを知っている。〜中略〜
伏水修に対してはこう云おう。時節柄二度と「支那の夜」はつくれないであろうが、この興行的成功を機会に、
一切、神がかり的なものは清算して、後指をさされないような明るい現代的感覚にみちた、
片輪でない作品を作ってほしい。
http://blog.livedoor.jp/yanagi470/archives/2013-09-22.html

『支那の夜』の監督伏水修は、この作品の後夭折しますが、生きていれば戦後の日本にミュージカル映画というジャンルを確立させたのではないかという意見があるほど音楽的センスがあったようです。

『支那の夜』の主演李香蘭は、その後シャーリー・山口名でヴィドアの『東は東』に出演することになるのも奇縁というべきでしょうか?
彼女がヴィドアとどんな話をしたのか興味深いです。
No.360 - 2015/01/19(Mon) 09:40:04
Re: 「夢のひととき」 Her highness and the bell boy (1945) / マグカップ
映画虫さん、B&Wさん、Ismaelさん、こんにちは。

>『三大怪獣 地球最大の決戦』('64)

Wikipediaに「本作のストーリーは『ローマの休日』から強く影響を受けている。」と書いてあります。これは驚きました。

>アグネス・ムーアヘッド

TVドラマ『奥さまは魔女』のサマンサの母親役ですね。これはノーマークでした。
No.361 - 2015/01/19(Mon) 12:12:43
Re: 「夢のひととき」 Her highness and the bell boy (1945) / 映画虫
マグカップさま

>アグネス・ムーアヘッド
> TVドラマ『奥さまは魔女』のサマンサの母親役ですね。これはノーマークでした。


 『市民ケーン』の、チャールズ・フォスター・ケーン(幼少時代)の母親役というのも
ありますね。オーソン・ウェルズの主催したマーキュリー劇団で一緒に活動していた
実力派のようです。
No.362 - 2015/01/19(Mon) 13:11:47
今年最初に見た映画 / Ismael
ブルーレイ版の『殺しの分前/ポイント・ブランク』を鑑賞。
DVDを持っているのですが中古屋でかなり安かったのと、ブアマンとソーダーバーグの音声解説に惹かれて購入。

音声解説の方はガッカリ。
興味深い話もいくつか有るのですが(マーヴィンとディキンソンの確執など)、総じてソーダーバーグの質問の切り込みが浅いので、私にとって作品の見方を変えるような話は出てきませんでした。
特にフィルム・ノワールに関してはもっと突っ込んだやりとりが聞きたかったですね。
二人共アントニオーニの『赤い砂漠』を評価しているのがちょっと意外。

画質はブルーレイだけあってかなり綺麗です。

ちょっと気になったのは、DVDもブルーレイも上映時間は92分で、IMDbのデータも同じですがネット上ではヤマダ電機のDVDは107分という記載を見かけます。
実際はヤマダ電気版も92分です。

メル・ギブソンの『ペイバック』は、この作品のリメイクですが、出来が悪くて窓から捨てた本作の最初の脚本は、「『ペイバック』みたいだった、若きギブソンはあれを拾ったのかなあ」などとずいぶんなことを言っておりますが『ペイバック』、私は結構楽しく見ました。
No.324 - 2015/01/04(Sun) 19:40:40
Re: 今年最初に見た映画 / B&W
こちらに書いても良いのかしら・・・

去年〜今年にかけては『First a Girl』(1935)を見ていました。そのあとで『Victor Victoria』(1982)を見たので、今年最初に見たのはこの1982年英版ということになるのでしょうか。見たくて見たのではなく、掲示板のネタ&自分なりのまとめにしようとして見たのです。面白い映画なので、楽しく鑑賞しましたが。

(1)『Viktor und Viktoria』(独 1933 シュンツェル)は元々はドイツ映画です。当時英語版・フランス語版が作られました。
(2)『Georges et Georgette』(仏1934 シュンツェル&ロジャー・ラ・ボン?Roger Le Bon)
(3)『First a Girl』(英 1935 サヴィル)
戦後2度リメイク。
(4)『Viktor und Viktoria』(独 1957 カール・アントン Karl Anton)
(5)『Victor Victoria』(英 1982 ブレイク・エドワース Blake Edwards)

(1)(3)(4)は動画がありますね。
1982年英版では同性愛がはっきりと描かれているし、異性装に対する評価というか対応?が1933年独版とは違うので、同じ土俵では語れないという印象があります。
この話の主眼は、男の振りをして女装芸人で当たりを取った女性が、恋に落ちたらどうなる?と言う話なんですね。出てくる人物は皆ストレート(異性愛者)です(当時の社会的規範からそれが当然とされている)。その上で、同性愛や異性装芸から派生する「きわどさ」「タブーをもてあそぶ危うさ」を、原作者ラインホルト・シュンツェル(Reinhold Schünzel 1886−1954)は意図したのだろうと思います。

1982年英版では、同性愛に対する社会的認知が進んでいるので、同性愛も異性装も笑うものではなくなっています。そのため原作の持つきわどい面白さは成立しないことになるんですね・・・表面上では。舞台は1934年のパリに設定されているので、歴史的背景としては同性愛は禁じられている時代です。なので、カミングアウトしているロバート・プレストン(Robert Preston)も描かれれば、クローゼットインのアレックス・カラス(Alex Karras)も描かれています。主役のジュリー・アンドリュース(Julie Andrews)は100%のストレートで、ジェームズ・ガーナー(James Garner)は・・・このタイクーンの性的志向が微妙な所で、それをガーナーは洒脱に飄々と演じていますね。

ゲイ・プロパガンダだという評もあるし・・・そう思わせるような、なにか“教育映画”っぽさは、確かにありますね。ジュリー・アンドリュースの歌声の持ち味でしょうか?全編にヒューマンな温かみがあって、グレイッシュピンクのタイトルロールから、寒い冬に家で篭って、暖かくしてみるには最適な映画という感じ。

>"As you can tell…I have a legitimate voice."
>"Yes. Well, you see, I am looking for something a little more illegitimate."


DVD Verdict(Barrie Maxwell)は、冒頭のこのせりふを挙げているのですが・・・確かにねぇ。例えば『キャバレー』(Cabaret /1972/7.9)なんかとはタイプの違う映画なんですね。ストレートがゲイの人権に配慮して、ゲイのセンスってこんなんだよねと確かめつつ撮った映画という感じなんですね。

好きか嫌いかで言うと、私は『Victor Victoria』(英 1982)>『Cabaret』(米 1972)なんです。それはジョエル・グレイ(Joel Grey)よりも、やっぱりロバート・プレストンのほうを評価するからですね。ロバート・プレストンは何か、ラインホルト・シュンツェルの精神を受け継いでいたように感じるのです。『死刑執行人もまた死す』(ラング Hangmen Also Die! /1943/7.6)で、卑しいゲシュタポのリッターがウインナーをべろべろ食べるシーンがあるでしょ。あの風刺・ナンセンスの精神ですね。そういうものが、ロバート・プレストンのラストの“Shady Dame From Seville”にはあったなーと・・・。
http://youtu.be/EV6-Fgfc7Lk

レスリー・アン・ウォーレン(Leslie Anne Warren)も良かった。助演女優賞にノミネートされましたが。
ttp://youtu.be/Om_fsyY3pc0
ロバート・プレストンよりこっちの方が閲覧数が多いですね(笑)。

本当は1933年独版と1935年英版のことを書きたかったのですが、1982年英版のことを頭においた上で考えているとややこしくなってきて、「何がなんだか解らん」と言う結果になってしまい(苦笑)、とりあえずは1982英版について。オリジナルの1933年独版についてはおいおい・・・第一ドイツ語で何を言っているのかワカラン状態なので、どこに漂着するか・・・。
No.328 - 2015/01/06(Tue) 00:39:29
Re: 今年最初に見た映画 / Ismael
B&Wさん

一点だけ。


> (2)『Georges et Georgette』(仏1934 シュンツェル&ロジャー・ラ・ボン?Roger Le Bon)
Roger Le Bonの発音は、ロジェ・ル・ボンだと思います。
No.329 - 2015/01/06(Tue) 09:38:28
Re: 今年最初に見た映画 / 映画虫
みなさま

 「昨年最後に見た映画」にも書かせていただきましたが、雑用に追いまくられた
身辺が少しずつ落ち着いてきたので、恥ずかしながら社会復帰させていただきます。

 今年最初に見た映画、劇場では池袋の新文芸坐でみた『ゴジラ』('54)。「デジタル・
リマスター版」ということですが、『キング・コング』のリストア版DVDとは違って
「その前の版とどこが違うの」というくらいぼくには大きな違いが感じられません
でした。まあ、2015年最初の映画が大スクリーンで『ゴジラ』の第1作というのは
幸せなことだったと思います。併映の『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』は
略称『GMK』として知られる平成ゴジラの中でもいちばん好きな作品なので、2本立て
を堪能しました。平成ゴジラ・シリーズの特撮でファンを楽しませてくれた川北紘一
さんが昨年12月に急逝されたのですが、特撮は担当されなかったものの『GMK』には
軍人役でカメオ出演されていて、大和田伸也の隣の席で醒めた表情を見せています。
ご冥福をお祈りします。

 ビデオはレンタルのBD版『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』。評判を
聞いて、ずっと見たかったのですが、機会がありませんでした。噂にたがわぬ力作で、
劇場公開時に3D版を見なかったのが悔やまれます。
No.340 - 2015/01/12(Mon) 16:20:20
Re: 今年最初に見た映画 / マグカップ
映画虫さん、こんにちは。

>ビデオはレンタルのBD版『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』。

私もこれは好きな作品で1昨年のベストテンに入れました。トラはどれが実写でどれがCGか分からず、見事な撮影だったと思います。また、カラーと映像が大変美しかったです。でもラストの長い説明は余計だと思いました。

私の今年最初に観た映画は「インターステラー」ですが、ノーコメントにしておきます。
No.341 - 2015/01/12(Mon) 19:36:49
Re: 今年最初に見た映画 / 映画虫
マグカップ さん、今晩は。

 ご無沙汰しました。

> 私の今年最初に観た映画は「インターステラー」

 去年、地元のユナイテッド・シネマのIMAX版と、丸の内ピカデリーの
35ミリ版を見ました。フィルム上映といっても、1回字幕を焼き込む日本版の
プリントは「暗めになる」と聞いたことがありますが、確かにIMAX版の
方が発色が良かったように思いました。
 ストーリー的には、途中から置いて行かれたような感じですが、見応えのある
作品だと思いました。A.C.クラークの『3001年終局への旅』を連想させる
ところもありました。

 また、よろしくお付き合い下さい。
No.342 - 2015/01/12(Mon) 20:52:36
Re: 今年最初に見た映画 / ママデューク
Ismaelさん、映画虫さん、マグカップさん、本年もよろしくお願いいたします。

正月早々、降雪で寝正月でありました。そんな訳で録画していた「ホワイトハウス・ダウン」「大脱出」「ロボコップ」なんてとこを見ましたが、いずれも満足出来ず。
某社が「最後の海底巨獣」のdvdを安く売っていたので、あわてて買いました。低予算に拘わらず、恐竜たちが映画の前半から活躍し多いに楽しみました。ティラノがバスを踏み潰すあたりは、なるほどスピルバーグはここからパクッたなと思うほどの出来栄えでしたね。主な役者たちは頑張って演技をするのですが、恐らくバックにいる人々は、安物なのでエキストラなのでしょう。恐竜の活躍にも我関せずというところが面白かったのです。

昨年は、これも低価格dvdのC社が「ターザン」ボックスを出してくれて、恐竜ファンとしてはかねてより是非とも見たかった「ターザン砂漠へ行く」を見ることが出来ました。恐竜は?でしたが、若き日のベン・ジョンソンの姿が見れて、こちらも非常に満足でありました。
No.343 - 2015/01/13(Tue) 11:46:51
Re: 『インターステラー』 / マグカップ
映画虫さん、こんにちは。

>去年、地元のユナイテッド・シネマのIMAX版と、丸の内ピカデリーの35ミリ版を見ました。
2回御覧になりましたか。お気に入りの作品の悪口は書きにくいです。

>ストーリー的には、途中から置いて行かれたような感じですが
時間の進行速度が遅い遠い宇宙空間と、地球の家族を強引に結びつけ、家族愛をテーマにすることに無理があったと思います。

>見応えのある作品だと思いました。
CGの映像はスケールも大きく豪華だと思いました。正月映画にはふさわしいです。

>A.C.クラークの『3001年終局への旅』
これは知りませんが、映画化されていませんね。『2001年宇宙の旅』で、ラストで主人公が地球に帰ってきて家族と再会したら、名作にはならなかったでしょう。
No.344 - 2015/01/13(Tue) 11:51:25
Re: 今年最初に見た映画 / マグカップ
ママデュークさん、こんにちは。

私も「ホワイトハウス・ダウン」は観ましたが、何とも迫力のないアクション映画でした。
「ロボコップ」を観たのは相当昔ですが、これぐらいいいかげんだと、私には楽しめた気がします。

ベン・ジョンソンは「軍用列車」を11月に観ました。ブロンソンとベン・ジョンソンの共演だけで十分満足できました。
No.345 - 2015/01/13(Tue) 17:03:21
Re: 今年最初に見た映画 / 映画虫
ママデュークさま

 コメント、ありがとうございます。今年もよろしくお付き合い下さい。

> 某社が「最後の海底巨獣」のdvdを安く売っていたので、あわてて買いました。
> 低予算に拘わらず、恐竜たちが映画の前半から活躍し多いに楽しみました。


 恐竜もさることながら、やたら棍棒を振り回す原始人のおじさんが楽しいんですよね。
何度も見た予告編の「ダイノソールス!」というナレーションも印象に残っています。

> 昨年は、これも低価格dvdのC社が「ターザン」ボックスを出してくれて、恐竜ファン
> としてはかねてより是非とも見たかった「ターザン砂漠へ行く」を見ることが出来ました。


 ぼくも2種類出ていた『ターザン』のボックスのうち、主にレックス・バーカーの主演作が
多く収録されていたものを買いました。もう一つの方は以前買った、ワーナー・ブラザーズの
ボックスの収録作とかぶるタイトルが多かったので買いませんでした。

マグカップさま

> 2回御覧になりましたか。お気に入りの作品の悪口は書きにくいです。

 そんなにお気に入りでもないのですが、久々の思索するSFだったので、特撮シーンの
再確認と、他の天体を描いたシーンが見たくて出かけたという感じです。『2001……』が
良く引き合いに出されますが、結局『2001年……』は比類の無い純粋な映画だったという
ことの証明にしかならなかった気がします。その昔、ディズニー映画がブラック・ホールを
描くということで期待して見に行ったら「ブラック・ホールの長いトンネルを抜けると
煉獄だった」みたいなトンデモな結末で子どもながら失望しました。『インターステラー』
に必要最小限で描かれた未知の惑星は、外宇宙の不毛さがよく描かれていたと思います。
火星へ有人ロケットを送ろうという昨今、航行方法はともかく、リアルなにおいを感じました。

> ロボコップ

 ママデュークさんのご覧になったのは、リメイクの方ですか? キャスティングをふくめ
細部の演出にも工夫を盛り込んでいることは分かりましたが、バーホーベンの力技的な映像
の方が勝っていると思いました。
No.349 - 2015/01/15(Thu) 00:28:50
Re: 今年最初に見た映画 / ママデューク

映画虫さま、おはようございます。

>  ぼくも2種類出ていた『ターザン』のボックスのうち、主にレックス・バーカーの主演作が
> 多く収録されていたものを買いました。もう一つの方は以前買った、ワーナー・ブラザーズの
> ボックスの収録作とかぶるタイトルが多かったので買いませんでした。


私はこのコスミックのボックス、ターザンはワイズミュラーもバーカーの方も買いました。さらにドラキュラもミイラもフランケンシュタインも狼男、そして西部劇も買いました。でもトム・タイラーのミイラ男が見られるなんて、ホント嬉しくて!未だ封を切ってないんですね。(苦笑)
さすが西部劇は見たいので封をあけましたが、以前のワンコインよりも遙かに画質は良かったですね。ただし冒頭の映画会社のロゴ・マークは切ってあり、RKOならあの電波塔のプププ・・という音だけが暗闇に聞こえるというのはご愛嬌でした。

> > ロボコップ
>
>  ママデュークさんのご覧になったのは、リメイクの方ですか? キャスティングをふくめ
> 細部の演出にも工夫を盛り込んでいることは分かりましたが、バーホーベンの力技的な映像
> の方が勝っていると思いました。


私の見たのは、お正月のwowowで放映していた新しいほうです。お情けと企業営利でロボットにされたマーフィーの苦悩が前作より強く全面に出ていて、正月早々、見ていて虚しくなりましたよ。やはり二番煎じというのはインパクトが無いです。仰る通り、あのバーホーベンの非情さとバイオレンスには勝てませんね。
No.351 - 2015/01/15(Thu) 09:43:31
Re: 今年最初に見た映画 / マグカップ
映画虫さん、ママデュークさん、こんにちは。

>『インターステラー』
おっしゃる通り、土星あたりのシーンは見応えがありました。マシュー・マコノヒーの家族のシーンを全て削って、2時間ぐらいにまとめたら、私の好きな作品になったでしょう。

>『ロボコップ』(2014)
これは知りませんでした。
No.353 - 2015/01/15(Thu) 12:51:07
小林修氏と増山江威子さんで、楽しませて戴きましたから・・・・・ / AlikiMyLove
こんにちは。

映画虫さんとママデュークさんの投稿中にある、”ターザンのボックス”は知りませんでしたので、検索しました。
価格の点からも、魅力的なコレクションでしょうね。唯、私としては我儘勝手な希望ですが、もう一工夫して欲しかったですね。

私にとって”RKO"のターザンは、”テレビ放映”で観たのです。”MGM”のターザンも多少はテレビで観ましたが、”RKO”の方が多かったですね。本数も違いますが、”放映権料”の違いが大きかった筈です。

小林修氏の吹き替えに依るターザン、増山江威子さんの吹き替えに依るジェーンが、私にとっての”ターザン映画”です。

ですから、「奥さまは魔女」のDVDコレクションと同様、通常の字幕版と、日本語吹き替え版、切り替え可で出して欲しかったですね。(尤も、吹き替え音声が残っていればですが)それなら多少価格が上がっても、私も即買いでしょう。まぁ、商売にならないでしょうから、絶対に不可能でしょうが・・・・・。

これは以前にも書きましたが、私はレックス・バーカー氏のターザン、ブレンダ・ジョイス嬢のジェーンが結構好きです。
大体、グレイストーク卿たるターザンは美男子で、最初に覚えた話し言葉はフランス語ですね。レックス・バーカー氏は結構美男ですので、役に合っているように思えたのです。

そして、ブレンダ・ジョイス嬢も、ジョニー・ワイズミュラー氏とレックス・バーカー氏の、”二人のターザン”の”ジェーン”だったのですから、こちらも役に合っていたのでしょう。
レックス・バーカー氏とブレンダ・ジョイス嬢が共演したのは「ターザンと魔法の泉」(1949)の一本だけなのが惜しまれます。

コスミック出版のDVDを見てみましたが、低価格で色々と出ているようで結構なことですね。
私としては、これも昔テレビで観た、アンリ・ドコアン監督、マルティーヌ・キャロル嬢主演の「ナタリー危機一髪(1959 日本未公開)や、アルフレッド・ショーネシー監督、バーバラ・シェリー嬢主演の「闇に狂う女豹」(1957 日本未公開)等を出してくれるとありがたいのですがね。前者は”女性諜報員もの”、後者は"Cat Girl"、変身ホラーとでもいいましょうか。

******************************************************************************************

余り関係はないでしょうが、やはり、声掛け、呼びかけがない投稿は、殆どの方は読み流しているか、読まないようで、私とは違いますね。。勿論人それぞれですから、一向に構わないのですが。

「薔薇は何故紅い」・・・私が初めてこの作品のことを知ったのは、中学生の頃でしたが、その時の表記は”紅い”を使った筈ですが、最近は違うのでしょうか・・・(1935)は以前、スーザン・ヘイワード嬢の話題で、私が『スーザン・ヘイワード嬢のことで書き足しです』として、「愛と血の大地」(1948)のことを書いた時に、この映画との対比として、
『キング・ヴィドア監督の「薔薇は何故紅い」(1935)は、「愛と血の大地」の109分に比べ、82分と短いですが、私は「薔薇は何故紅い」の持つ雰囲気が好きです。判る人は判るでしょう』
と書いているのですね。

私としては、当然好きな作品ですが、私は他人(ひと)に作品の鑑賞を勧めることはしません。観たければ観れば良いというスタンスですから。

あと、「夢のひととき」(1945)も、DVD-R纏め買いで、未見の内の一本として持っているので、機会があったら観てみようと思います。唯、いつになることやら・・・・・。

今回はこの辺りで失礼します。

Γεια σαζ(ヤーサス)
No.354 - 2015/01/16(Fri) 16:15:14
Re: 今年最初に見た映画 / 映画虫
AlikiMyLoveさま

 おはようございます。

> ターザンのボックス”は……価格の点からも、魅力的なコレクションでしょうね。
> 唯、私としては我儘勝手な希望ですが、もう一工夫して欲しかったですね。


 ママデュークさんも仰っているように、この種の廉価版で疑問に思うのは配給会社の
マークが出て来なかったり、クレジットの一部にマスクがかかっていたり、パブリック・
ドメインとして発売されているのにやましいことでもあるのでしょうか?

> 私にとって”RKO"のターザンは、”テレビ放映”で観たのです。
> 小林修氏の吹き替えに依るターザン、増山江威子さんの吹き替えに依るジェーン


 以下、以前も書いた気もするのですが……。既読の方は読み流してください。

 昭和40年代に、ターザン・ブームがありましたね。NET(現テレビ朝日)で、夜の
ゴールデンタイムにターザン映画を毎週オンエアしていたと記憶しています。小学生
だったぼくは、祖母と一緒に楽しみにしていました。その吹替版がAlikiMyLoveさんの
仰る“小林修氏の吹き替えに依るターザン、増山江威子さんの吹き替えに依るジェーン”
だったと思います。

> ですから、「奥さまは魔女」のDVDコレクションと同様、通常の字幕版と、日本語
> 吹き替え版、切り替え可で出して欲しかったですね。


 パブリック・ドメイン版をリリースする商売って、状態のいい有り物のプリントに
新しい字幕をつけるくらいがせいぜいという印象ですね。個人的には、プリントの状態
が少々悪くても、字幕がちゃんとした日本語になっていれば我慢できます。
 近年、「須賀田昭子」担当の字幕に見られるように、日本語として成立してないとか
1行に二人の人物の台詞が並んだりとか、男女の口調が逆転したり、幼児なのに大人の
ようにしゃべったりとか、日常的に日本語を喋る人がチェックせずに商品化したたものを
掴まされるということがありました。こうした欠陥字幕は廉価版に限らずメジャーな会社
から発売されている作品にも潜んでいるケースもあるので要注意です。

>(尤も、吹き替え音声が残っていればですが)

 日本語吹替版版のターザンで思いだすのは、「音楽」の問題です。NETのターザンでは
よく『戦場にかける橋』の劇音楽が引用されていました。一度、『007/ゴールド
ファインガー』の一節を聴いた覚えもあります。日本語吹替版の制作現場を取材した雑誌の
記事で、「外国映画の場合、音楽やSEの素材が来ないことがあるので、その場合、時前で
用意しなければならない」という話を読んだことがありますが、そういう事情で、昔の
吹替版版の中には字幕版にはない音楽が流れている場合があるようです。そうなると、
たとえ日本語の音源があっても音楽と分離できなかったら難しいかもしれませんね。

> これは以前にも書きましたが、私はレックス・バーカー氏のターザン、ブレンダ・ジョイス嬢の
> ジェーンが結構好きです。


 今回、廉価版ボックスで見直してみると、モーリン・オサリバンと比べた場合、より
都会の雰囲気を感じました。小学生時代は、放送期間中にターザンもジェーンも途中で
俳優が変わったことさえ意識してなかったんですね(笑)。

> レックス・バーカー氏とブレンダ・ジョイス嬢が共演したのは「ターザンと魔法の泉」(1949)

 ボックスの中で、特に見たかったのがこの作品でした。小学生時代いちばん印象に残って
いたのは、ターザンが日常のジャングルを離れ、「秘境」へ旅するお話でした。題名など
覚えてなかったのですが、ボックスのパッケージにあったあらすじを読んで、気になっていた
あの作品ではないかと思って衝動買いしたら「当たり」でした。マットペインティングで
描かれた秘境までの風景がミステリアスな雰囲気を醸し出しています。ちょっと『失はれた
地平線』を連想させるお話です。

> コスミック出版のDVDを見てみましたが、低価格で色々と出ているようで結構なことですね。

 日本でメジャーから発売されない作品が字幕付きで見られる点は、本当にありがたいです。
但し、注意したいのは画格/画角で古いプリントが多いせいか、原版がシネスコやビスタサイズ
でも、廉価版はほとんどがTVサイズです。TVの洋画劇場で育った世代なのでかつては
何でも4:3で(しかも短縮版)見てたので贅沢は言えませんが、選べるならオリジナルに
近い形がほしいと思います。

 さっきYAHOO! ニュースののヘッドラインに大塚周夫さんの訃報がありました。ブロンソンも
ぴったりでしたが、ねずみ男は貸本屋マンから抜け出してきたようなみごとな演技だったと
思います。合掌。

 とりとめもないことを書きましたが、今年もよろしくお付き合い下さい。
No.355 - 2015/01/17(Sat) 05:50:36
”日本流”の解釈で勝手に・・・・・ / AlikiMyLove
こんにちは。

映画虫さん。レス、ありがとうございます。

先ず、

>ママデュークさんも仰っているように、この種の廉価版で疑問に思うのは配給会社の
>マークが出て来なかったり、クレジットの一部にマスクがかかっていたり、パブリック・
>ドメインとして発売されているのにやましいことでもあるのでしょうか?


この件ですが、私は著作権については詳しくありませんが、”コスミック出版”さんが、”日本流の解釈”でパブリック・ドメインとして発売しているのであって、アメリカは認めていないのでしょう。
つまり、日本は著作権保護期間50年を主張して、パブリック・ドメインとして発売しても、アメリカは”ソニー・ボノ著作権延長法”という、保護期間95年などと言っているようですから。

事実、”RKO”の”ターザン”は”ワーナー・アーカイヴ・コレクション”で出ているでしょう。つまり、日本が勝手にパブリック・ドメインとして出しているだけだと思います。
まぁ、アメリカでも”被害額”が少なければ、それ程目くじらを立てないということですかね。

しかし、人間は勝手なもので、嘗ては映画を手元に置けるだけで、大感激したものです。
私の輸入ヴィデオ購入の初期は1ドル250円くらいでしたから、40ドルの非正規品のヴィデオでも一万円ですね。それが今では、”1ドルDVD-R”だの、ネットから拾うとか言っているのですから、罰が当たりますね。

尚、大塚周夫氏では、私は”ブラック魔王”の方が”ねずみ男”よりも好きでした。これも人それぞれですね。

私は天邪鬼ですから、「チキチキマシン猛レース」よりも「スカイキッドブラック魔王」の方が好きです。
何しろ、”大臣閣下”の吹き替えが上田吉二郎氏ということで、びっくりして観たものです。

兎も角、『安らかにお眠りください』を言わせてください。

今回はこの辺りで失礼します。

Γεια σαζ(ヤーサス)
No.356 - 2015/01/17(Sat) 15:46:42
ベストテン / マグカップ
あけましておめでとうございます。
皆様の2014年のベストテンを教えていただけると幸いです。
私のは、順不同のアイウエオ順です。

1) アナと雪の女王 (2013) 美しい曲と映像。
2) 永遠の0 (2013) 日本映画としては頑張った。
3) かぐや姫の物語 (2013) 日本らしい水彩画の映像。
4) キラー・エリート (2011) 3大スター共演のアクション
5) ゴーン・ガール (2014) デヴィット・フィンチャーらしいミステリー。
6) ゴーン・ベイビー・ゴーン (2007) 同じベン・アフレックだが、こちらの方が面白い。
7) スーパー・チューズデー (2011) ジョージ・クルーニーの監督主演。
8) そして父になる (2013) 俳優、福山雅治の好演。
9) ソリタリー・マン (2009) 助平親父マイケル・ダグラスのコメディ。
10) ダラス・バイヤーズクラブ (2013) マシュー・マコノヒーが主演男優賞。
No.331 - 2015/01/08(Thu) 13:50:02
Re: ベストテン / B&W
マグカップ様  明けましておめでとうございます(*^^*)

ろくに見ていないので、無理やり10本上げました。年代順です。☆の数が多いほど気にいっています。
調べて書くとなると色々時間がかかってしまい・・・。邦題は後ほど。

Merrily We Go to Hell(1932 6.8 ドロシー・アズナー)・・・☆☆
D: Dorothy Arzner//Sylvia Sidney, Fredric March
※ドロシー・アズナーに惹かれて見ました。“スキーツ”・ギャラガーが出ると一気にロストジェネレーションっぽく感じます。

Viktor und Viktoria(1933 6.9 ラインホルト・シュンツェル)・・・☆☆☆
D: Reinhold Schünzel//Renate Müller, Hermann Thimig, Hilde Hildebrand
むかーし(8年ほど前?)クリップを動画サイトで見て、ずっと見たかった映画。去年が初見ではありませんが、去年も見たので。

Evergreen (1934 7.0 ヴィクター・サヴィル)・・・☆☆
D: Victor Saville//Jessie Matthews, Sonnie Hale, Betty Balfour
サヴィルの自伝タイトルがEvergreenだと知ったのは2006年頃かな?エムリン・ウィリアムズが脚本参加しているし、ずっと見たかった映画。見るといかにも玄妙というか、浮世離れ・ファンタジーにあふれた作品。イギリス映画のある種の傾向なのでしょうか。

First a Girl (1935 7.1 ヴィクター・サヴィル)・・・☆☆☆
D: Victor Saville//Jessie Matthews, Sonnie Hale, Anna Lee
後のジュリー・アンドリュースの『ビクター・ビクトリア』(1982)よりも前に見ていると思います。その頃はインポートのVHSしかなかったが、DVD出たんですね。ジェシー・マシューズがすっかり好きになりました。

Next Time We Love(1936 6.8 エドワード・H・グリフィス)・・・☆
D: Edward H. Griffith//Margaret Sullavan, James Stewart, Ray Milland
なんてことない女性映画なんですが、こう言うの好きなんですよねぇ(苦笑)。マガーレット・サラヴァンが出ているだけでイイのです。

Repeat Performance(1947 7.0 アルフレッド・L・ワーカー)・・・☆☆☆
D: Alfred L. Werker//Louis Hayward, Joan Leslie, Virginia Field
これは面白い。ジョーン・レズリーはワーナーと喧嘩して干されてしまったんですね。物語の中で揉んでいる脚本が「Out of the Blue」。

M(1952 6.9 ロージー)・・・☆
D: Joseph Losey//David Wayne, Howard Da Silva, Martin Gabel
ルーサー・アドラーに惹かれて見ましたが、やっぱり変な役。最期は主役を喰ってしまうような。何でこんな改変をしたんだろう。

The Narrow Margin (1952 7.8 フライシャー)・・・☆☆☆☆☆
D: Richard Fleischer//Charles McGraw, Marie Windsor, Jacqueline White
文句なしの傑作。「北北西に進路を取れ」はこれをぱくったんですね〜。

Crashout(1955 7.5 ルイス・R・フォスター)・・・☆
D: Lewis R. Foster//William Bendix, Arthur Kennedy, Luther Adler
これもルーサー・アドラーとウィリアム・ベンディックスに惹かれてみました。役者は皆上手いが、今ひとつかみ合わなかった感じ。

I'll Cry Tomorrow(1955 7.4 ダニエル・マン)・・・☆☆☆☆
D: Daniel Mann//Susan Hayward, Richard Conte, Eddie Albert
これも傑作。ジョー・ヴァン・フリートがアカデミーのノミネートも受けていないのかと思ったら、「エデンの東」で既に受賞していたんですね。

The Garment Jungle(1957 6.6 ビンセント・シャーマン、ロバート・アルドリッチ)・・☆☆
D: Vincent Sherman, Robert Aldrich//Lee J. Cobb, Kerwin Mathews, Gia Scala
リー・J・コップが熱演だけれども・・・。ジョゼフ・ワイズマンに惹かれて見ました。
No.333 - 2015/01/08(Thu) 22:29:21
Re: ベストテン / Ismael
私の2014年ベスト10

順不同

天使の顔:まだ映画に追いついていません。後2回は見ないとこの映画には追いつけない。
女囚の掟:エレノア・パーカー!!!
マカオ:ジーン・ラッセルを初めて可愛いと思えた。
暴力の街:ゲール・ラッセル+ジョセフ・ロージー
僕の彼女はどこ:サークはやはり素晴らしい
幸福の設計:ジャック・ベッケル!!
にがい米:ビットリオ・ガスマン!
ピープル・ウィル・トーク:グラントでなければできない役かも
デッド・エンド:ワイラーとしては一級ではないかもしれませんが。脚本はリリアン・ヘルマン
聖処女:ジェニファー・ジョーンズに脱帽

新作もちょろちょろ見ていますが、上記作品にはとてもかなわない。
No.334 - 2015/01/08(Thu) 22:58:28
Re: ベストテン / マグカップ
B&Wさん、Ismaelさん、こんにちは。
私も「シェーン」や「北北西」を観ましたが、入れませんでした。

>The Narrow Margin (1952 7.8 フライシャー)・・・☆☆☆☆☆
>「北北西に進路を取れ」はこれをぱくったんですね〜。

この箇所が分かりませんでした。

別スレの「太秦ライムライト」はDVDが出てませんが、アマゾンのインスタント・ビデオで観ました。
標準画質で299円ですが、私はキャンペーン中で99円で観れました。
No.335 - 2015/01/09(Fri) 12:23:28
Re: ベストテン / Ismael
マグカップさん

比較的新しい映画でまあまあだったのは、
『欲望のバージニア』(2013年公開)DVDで鑑賞。ジェシカ・チャステインが良かった。
『LAギャング・ストーリー』(2013年公開)DVDで鑑賞。ジョシュ・ブローリンが良かった。ミッキー・コーエンを演じたショーン・ペンは、熱演ですが、作品には合っていなかったような。
『パーカー』(2013年公開)DVDで鑑賞。『ポイント・ブランク』と同じ原作ですね。
『ホワイトハウス・ダウン』(2013年公開)DVDで鑑賞。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013年公開)、DVDで鑑賞。
似たような題材の2本。アクション映画としては後者に軍配。
『ホワイトハウス・ダウン』は、ローランド・エメリッヒなのでやっぱりアメリカ万歳映画になってしまっています。

映画館で見たのは
『ポンペイ』
『300帝国の進撃』
『ノア 約束の舟』
一番ダメだったのが『ノア』で、『ブラック・スワン』でも感じましたが、ダーレン・アロノフスキーって自主映画の域を出られない人ではないでしょうか?
No.336 - 2015/01/09(Fri) 17:07:21
Re: ベストテン / B&W
マグカップ様

お返事遅くなって済みません・・・きちんと調べて、と思っているといつまでたってもレス出来ないので、ちょっといい加減ですが、個人的印象でお返事しますね。

最初に、アマゾンのインスタントビデオですが、こういうものが出来たんですね。タイトルもそこそこありますね。既に持っているものもあり、自分が見たいと思う古い作品は余りありませんが、便利になりましたね。
何となくパソコンがフリーズしたらどうしようとか、何か異変が起こっても、自分には直せないし・・・と思ってしまうのですが、YouTubeを見る環境なら、大丈夫なんでしょうかね。99円とは!・・日々チェックしていたらそういうのにめぐり合えるのでしょうか。

『その女を殺せ』の『北北西に進路を取れ』への、パクリというか、引用?は、ジャクリーン・ホワイトの佇まいに感じました。黒の短いケープを羽織っている所など、エヴァ・マリー・セイントのタイトな黒のスーツ姿を連想したのです。二人ともブロンドですしね。食堂車のやり取りや停車駅で歩く姿など・・・あと、エヴァ・マリー・セイントは結局のところ「愛国女性」で、勇気ある行動を取っているわけなんですが、前半はアイデンティティを偽っていますよね。『その女を殺せ』もアイデンティティのどんでん返しがあって、ジャクリーン・ホワイトの澄ましたクールビューティーぶりがその点で生きてくるわけです。そういう役者の生かし方に影響を受けたのかなと思いました。

これなどは“引用”ともいえない、影響を受けたのかな、と言う程度のことなのですが、他にもリメイクではないんですが、あまりに似た筋書きなので、どういうことなんだろう?と思う映画が有りますね。
例えば
パラマウント:『薔薇は何故紅い※』(D: キング・ヴィダーKing Vidor “So Red the Rose” 1935 6.9)と
セルズニック:『風とともに去りぬ』(D: ヴィクター・フレミングVictor Fleming “Gone with the Wind” 1939 8.2)
マーガレット・サラヴァン→ヴィヴィアン・リー
ランドルフ・スコット→クラーク・ゲイブルとレスリー・ハワードに分裂
オリヴィア・デ・ハビランドにあたる人物がいません。


MGM:『夢のひととき』(D: リチャード・ソープRichard Thorpe “Her Highness and the Bellboy” 1945 6.4)と
パラマウント:『ローマの休日』(ワイラー “Roman Holiday” 1953 8.1)
へディ・ラマール→オードリー・ヘプバーン
ロバート・ウォーカーとワーナー・アンダーソン→グレゴリー・ペックに統合?・・・ちょっと無理があるかな。

原作や脚本家もかぶっていないんですよね。いずれも後発が歴史的名作なので、先発作品は影が薄くなったというか、忘れ去られやすいのかもしれません。

前にも少しあげましたが、「ときにはハリウッドの陽を浴びて」/トム・ダーディス(サンリオ、研究社出版)を読んでいると、一つの脚本があっちへ行ったりこっちへ行ったり、色々な人の手を借りて、最終的に纏められるんだなーと思います。機会があればご覧あれ。古い映画が好きでないとキツイかもしれません。・・・『夢のひととき』は面白いです。へディ・ラマールはヴィダー監督の『H.M. Pulham, Esq.』(1941 7.1)が何時になく良かったと感じました。ヴィダー監督は女優のあしらいが上手かったのかなと思ったりします。『薔薇は何故紅い』では、マーガレット・サラヴァンが手当たり次第に共演者に手を出すので、困ったウィリアム・ワイラーがヴィダー監督に「ちゃんと主演女優を監督していてくれ」と頼んだそうです。が、ヴィダー監督は「私は役者の私生活は監督しない。それは夫であるあなたがすることだ」と言ったとか。

※ご指摘があったので漢字をなおしました。
No.350 - 2015/01/15(Thu) 00:55:49
Re: ベストテン / マグカップ
B&Wさん、

>アマゾンのインスタントビデオ
Youtubeと同じ感覚で観ることができました。私は299円のつもりでクリックしたら、99円で精算されました。

>『その女を殺せ』の『北北西に進路を取れ』
その類似性について、B&Wさんの考えが分かりました。実はたまたま12月に『北北西に進路を取れ』を観て感動したところでした。『その女を殺せ』も傑作だと思いますが、主演のチャールズ・マックグローに今ひとつ魅力がないのが、残念だと思います。

また、『薔薇は何故赤い』『夢のひととき』などは、全く知らないので、他の方のコメントを待ちましょう。
No.352 - 2015/01/15(Thu) 12:46:34
昨年最後に見た映画 / Ismael
みなさま
明けましておめでとうございます。

新年早々、ルイーゼ・ライナーの死亡記事で幕を開けた2015年ですが、本年もみなさまにとって映画的に豊かな年であるように!

昨年最後に見た作品は、フリッツ・ラング(どうぞご勘弁を)の遺作『怪人マブセ博士』(1960)です。

作品の出来はというと、アメリカ時代の『飾り窓の女』などに比べるとかなり劣ると思いますが、さすがラングという場面も幾つかあり、それなりに楽しめます。
当時のベルリンの街頭風景なども私には興味深いものでした。

DVDは、STUDIO CANAL/IVC。

俳優陣は、主演女優の英国俳優ドーン・アダムス以外はドイツ勢。
どちらかと言うと悪役のイメージが強いゲルト・フレーベは、刑事役です。

プロデューサーは若き映画ファン時代からラングのファンであったアルトゥール・ブラウナーで、前作の『大いなる神秘』2部作もプロデュースしています。
No.321 - 2015/01/02(Fri) 12:49:16
初書き込みに相応しい日付と言えるでしょうか / AlikiMyLove
明けましておめでとうございます。

こちらには初書き込みになります。
今までは、何となくタイミングを逸していました。

此処に書こうと思っていた時に、あちらの掲示板に映画虫さんが「奥さまは魔女」の話題を書かれていました。私も「奥さまは魔女」は大好きでしたし、その話題からずっとあちらで書き続けることになりました。

まぁ、いつも言うように、あちらの方が尚”勝手気まま”に書けるということも、私に合っていますし。

唯、此処に全く書かないのでは、折角この掲示板を用意してくださった" H2O2"さんに対して失礼にあたりますから・・・・・。

兎も角、この掲示板が賑わうことを願っています。現在に至るも、検索してもこの掲示板が出ないようですから・・・・・。

後は、例に依ってあちらの掲示板に書かせて戴きます。

Γεια σαζ(ヤーサス)
No.322 - 2015/01/02(Fri) 21:17:00
Re: 昨年最後に見た映画 / Ismael
AlikiMyLoveさん

書き込みありがとうございます。


> 兎も角、この掲示板が賑わうことを願っています。現在に至るも、検索してもこの掲示板が出ないようですから・・・・・。
>

Googleの窓にクラシック映画と打ち込むと候補としてこの掲示板名がリストアップされますが、クラシック映画BBS2まで入力してしまうと表示されませんね。
No.323 - 2015/01/02(Fri) 21:46:34
Re: 昨年最後に見た映画 / B&W
皆様
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

年末にルイーゼ・ライナー(Luise Rainer 1910–2014)の訃報があり、何か・・・と思いつつ流れてしまい。
今年見た映画ベスト10も3も書けず。
年末年始に見た映画、で書こうと思いつつ慌てて見ても、何となく落ち着かずに身が入らず・・・。

なんせ、映画を見ていないので、何も書けないわけです(汗)。
ともかく無理やり投稿します。

>昨年最後に見た作品は、フリッツ・ラング(どうぞご勘弁を)の遺作『怪人マブセ博士』(1960)です。
ドイツ語だしな〜と思ったら、日本で出たんでしたね、DVD。

この映画について、前々から考えていたことがあります。※ネタバレあり
テア・フォン・ハルボウ(Thea von Harbou 1888–1954)は1954年7月1日に『死滅の谷』(Der müde Tod/1921/7.7)のリバイバル上映後、墜落事故死しますよね。

この映画(Die 1000 Augen des Dr. Mabuse /1960/7.1)の冒頭、ドーン・アダムズ(Dawn Addams)が投身CENSORED企図したところを助けられます。この設定はテア・フォン・ハルボウへのオマージュなのかなと思ったりするのですが・・・。誰か書いていますか?

映画のラストも、ドーン・アダムズは亡くなりますよね。それまでの展開だとギリギリセーフで助かってもいい様に思うのですが――『スピオーネ』では助かってハッピーエンドですね――最期は死なせるんですよね。

マブゼ博士の朽ち果てた墓も出てくるし・・・監督の年齢を考えると、そして出国からの流れた月日を思うと当然かもしれないが、数多くの「死」に彩られた作品ですね。ただ、悲嘆というよりは枯淡という感じ・・・みんな死んでしまった、というような・・・超越して許している感じ?ドイツ語の解らない私が思い込みを語ってもしょうがないんですが。

フリッツ・ラング(Fritz Lang 1890−1976)にとっての「マブゼ」は1933年の『怪人マブゼ博士』(マブゼ博士の遺書 Le testament du Dr. Mabuse /1933/7.7)で終わっているんだと思うんです。だから1960年版はあそびというか、ラングが悠々と引用を楽しんでいる感じですね。あのシーン、このシーンと再現して見せて。

「目」が重要ですね。見ること――監視カメラ、ピーピング・トムするペーター・ヴァン・アイク(Peter van Eyck)、盲目の預言者。

『フリッツ・ラング または伯林=聖林/明石政紀 著: アルファベータ (2004) 』という本を以前に読んだのですが、ここで著者の明石氏はラングのことを「目の人」と呼んでいます。明石氏は音楽批評家で1990年代にベルリンへ移住した方なのだそうですが、その感性から言うと、ラングの映画は音楽のように流れるものがないそうです。あくまでも静止した視線であって、ムービング・ピクチャーじゃないそうです。確かにラングの「絵」には、「見得を切る瞬間」みたいなものがある様に感じています。

・・・で、この方が好きな監督が、ラインホルト・シュンツェル(Reinhold Schünzel)なんですが・・・私も好き・・というかあまり見てないのでなんともいえないんですが、『Viktor und Viktoria (1933/6.9)』が好きなわけで、去年最後に見た映画と今年最初に見た映画は『First a Girl (1935/7.1)』(ヴィクター・サヴィル Victor Saville)なわけです(年をまたいでしまいました)。


Rosen und Liebe ・・・ Renate Müller


多分この稿、続きます・・・スレは別に立てると思いますが。
No.325 - 2015/01/05(Mon) 00:34:26
Re: 昨年最後に見た映画 / Ismael
B&Wさん

> 映画のラストも、ドーン・アダムズは亡くなりますよね。それまでの展開だとギリギリセーフで助かってもいい様に思うのですが――『スピオーネ』では助かってハッピーエンドですね――最期は死なせるんですよね。
最後のシーンは、助けられて病院のベッドに横たわるアダムスにファン・アイクがキスしますのでアダムスが死ぬとは考えにくいですが?

> 「目」が重要ですね。見ること――監視カメラ、ピーピング・トムするペーター・ヴァン・アイク、盲目の預言者。
>
> フリッツ・ラング または伯林=聖林/明石政紀 著: アルファベータ (2004)という本を以前に読んだのですが、ここで著者の明石氏はラングのことを「目の人」と呼んでいます。明石氏は音楽批評家で1990年代にベルリンへ移住した方なのだそうですが、その感性から言うと、ラングの映画は音楽のように流れるものがないそうです。あくまでも静止した視線であって、ムービング・ピクチャーじゃないそうです。確かにラングの「絵」には、「見得を切る瞬間」みたいなものがある様に感じています。

この本は私も持っています。
日本で唯一の(私の知る限り)ラングのモノグラムが、ラングをあまり好きでない人物によるものしかないというのは、なんとも皮肉というか・・・・・。

この作品で「眼」「見ること」が重要なのは確かですね。原題は「マブセ博士の千の眼」ですし。
ただ、ラングが特に眼の人かというとどうなんでしょう。
優れた映画作家というのは多かれ少なかれ眼の人ではないでしょうか。

私はラングは枠の人というか、矩形と円形/球形の戦いを描き続けた人ですね。
彼の作品では矩形(絵画、手紙など)は、不幸を、円形球形(灰皿、コーヒーソーサーなど)は、幸福というよりは、救いや助けをもたらします。
No.326 - 2015/01/05(Mon) 10:36:48
Re: 昨年最後に見た映画 / B&W
Ismael様
>最後のシーンは、助けられて病院のベッドに横たわるアダムスにファン・アイクがキスしますのでアダムスが死ぬとは考えにくいですが?

そうなんですか。私は死んだとばかり思っていました。助けられてほっとして眠りに付くのですか?・・・。今見ると手のアップで終わっていて、ファン・アイクが脈を取っているような。

ドーン・アダムズの口が動いていて、何かを語っているように思えるのですが、音は入っていない。無音の世界ですね。口づけにも情熱が無くて儀礼のようだ。

昨日投稿後に思い出しましたが、ラングは最初の夫人が不審死しているんでしたね。私は吉田広明氏の『亡命者たちのハリウッド――歴史と映画史の結節点(作品社 2012)』で読んだだけなんですが。CENSOREDのような事故死のような?テア・フォン・ハルボウへ傾いていく夫を見て悲観してCENSORED?そんなような話でした。・・・これは、『恐怖省』(Ministry of Fear /1944/ 7.2)で、レイ・ミランド(Ray Milland)が精神病院へ措置入院する理由として、病苦の夫人のCENSORED幇助をしたためというエピソードで語られているように感じましたが、何の根拠もありません。

>日本で唯一の(私の知る限り)ラングのモノグラムが、ラングをあまり好きでない人物によるものしかないというのは、なんとも皮肉というか・・・・・。

その皮肉というかラングの(日本での)不遇は私も感じます(笑)。そんなことを言ったらパブスト(G・W・Pabst, 1885−1967)もムルナウ(F・W・Murnau, 1888−1931)も不遇ですけどね。明石氏はラングは素晴らしいと思うし高く評価するけれども、率直に言って音楽の昂揚がないので、音楽の世界にいる自分には合わないという意味のことを語っておられますね(借りて読んだ本で記憶頼りなので、間違っているかも)。これは企画が最初に有って、明石氏に連載で書いてくださいと依頼して編まれた本のようでしたが。

>ただ、ラングが特に眼の人かというとどうなんでしょう。
>優れた映画作家というのは多かれ少なかれ眼の人ではないでしょうか。


私がラングに特に感じるのは「凍りついた眼」(明石氏の言葉だったかも?)というか・・・映画的瞬間・見得を切る瞬間を感じますね。『メトロポリス』(Metropolis/1927/8.3)だと、彫像の死神が動き出すシーン。『スカーレット・ストリート』(Scarlet Street/1945/7.9)だと、エドワード・G・ロビンソン(Edward G. Robinson)が黒いコートの襟をすぼめてジョーン・ベネット(Joan Bennett)の寝室にぬっと入っていくシーン。『暗黒街の弾痕』(You Only Live Once/1937/7.5)だと、切り取られた窓のなかのシルヴィア・シドニー(Sylvia Sidney)の顔。『恐怖省』だと盲目の乗客が蒸気の中から現れて、レイ・ミランドと向かい合わせに座るシーン。カール・エズモンド(Carl Esmond)が「カーラ!」といって指を鳴らすシーンも。『M』(1931/8.5)だと、私刑法廷に警官隊が入って来て、ペーター・ローレ(Peter Lorre)の顔に扉からの灯りが差すシーン(※)。他にも一杯ありますが。他の映像作家ではあまり感じない“冴えた”絵の瞬間があります。

また、DVDボックスの絵柄にもなっているけれど、立ち上る炎や、爆発ですねー。マブゼにも出てくるし『復讐は俺に任せろ』(The Big Heat /1953/8.0)、『スピオーネ』(Spione/1928/7.7)『恐怖省』、『激怒』(Fury /1936/7.9)、『扉の影の秘密』(Secret Beyond the Door... /1947/6.9)も――これは『レベッカ』(Rebecca /1940/8.2)のマネなんでしょうが・・・。

>私はラングは枠の人というか、矩形と円形/球形の戦いを描き続けた人ですね。
>彼の作品では矩形(絵画、手紙など)は、不幸を、円形球形(灰皿、コーヒーソーサーなど)は、幸福というよりは、救いや助けをもたらします。


『メトロポリス』では、グスタフ・フレーリッヒ(Gustav Fröhlich)が円形の大時計の針を掴んで、苦役の時間を表しますが。
・・・コーヒーソーサーで思い出しましたが、ラングは成る程カフェ文化のウィーンっ子らしく、作品中で描かれるカフェや喫茶のサーヴが贅沢でおいしそうなんですよね(笑)。『ドクトル・マブゼ』(Dr. Mabuse, der Spieler - Ein Bild der Zeit /1922/7.9)ではフル(Paul Richter)のポットが沸騰して二人の恋人の情熱を表すでしょ(笑)。素朴ですけども。『スピオーネ』ではロシア風紅茶で、ジャムかなんか沈めて飲むタイプの背の高いガラスの器だった。『怪人マブゼ博士』(Das Testament des Dr. Mabuse /1933/7.9)ではリリ(Wera Liessem)とトーマス(Gustav Diessl)がカフェに入って、コーヒーとチョコレートシェイクを頼むのですが、綺麗な銀のお盆で出てきますね。・・・別にラングの指定ではないのかもしれませんが。小道具係りが当時として常識的なものを用意しただけなのかもしれません。

『青いガーディニア』(The Blue Gardenia /1953/6.9)でアン・バクスター(Anne Baxter)とリチャード・コンテ(Richard Conte)が、ダイナーであって話しをしますが、いかにも薄いアメリカンコーヒーが注がれているんだろうなと言うような、味気ないカップだった。何となくラングのことを気の毒に感じたのを覚えています。そのシークエンスは密告屋の店主が店のコーヒーを自らカップに注いで啜る所で終わっていました。

関係ないですが、『青いガーディニア』で、リチャード・コンテが(記事切抜き用の)大きなはさみを振り回しますね。『恐怖省』でダン・デュリエ(Dan Duryea)が振り回していた大きなはさみと一緒です。何か意味があるんでしょうかね?

==========
※後日改めて見たら、群集が入り口に向かってHold Up し、手がぬっと出てきてローレの左肩を掴むのでした。私が「見た」のはなんだったんだろう。他にもいくつか直しています。
No.327 - 2015/01/06(Tue) 00:31:10
Re: 昨年最後に見た映画 / Ismael
B$Wさん

仰ることはわかります。

明石氏はさらに「あたかも役者を図柄の中の彫像のように扱ったりするので・・・・」と述べていますね。

例外的なのはクリフォード・オデッツの戯曲を映画化したCLASH BY NIGHT (1952)でしょうか。
この作品では、明石氏の言う「凍結したような」画面はあまりないように記憶しています。

ここではラングは、ジャン・ルノワールにも通じるような「自然派」的な演出をしており、素材によって演出法を変える才能も持っていたことを証明しています。

私は、この作品をフィルム・ノワールとする意見には、反対です。
No.330 - 2015/01/06(Tue) 09:50:33
Re: 昨年最後に見た映画 / B&W
Ismael様

お返事ありがとうございます。ちょっと調べも行き届いていなくてグタグタなんですが・・・

CLASH BY NIGHT (1952)は前に引用させていただきました吉田広明氏の説を取ると、「2本立て興行消滅後のB級ノワール」のうちで“技巧が消滅して主題を深化させたタイプ”になるのではないですか(2014/1/25 ??181)。でも、「もはやノワールと呼ばなくてもいいのでは?」と言う印象はありますね。
ジャン・ルノワールの『獣人』(La bête humaine/1938/7.8)のラングによるリメイク『仕組まれた罠』(Human Desire /1954/7.2)は、あまり上手く行かなかったですね。対するに『スカーレット・ストリート』は素晴らしいですが。

***

DVD発売記念で、訳をつけた渋谷哲也氏と三氏のトークショーがあったんですね。動画が上がっています。

「怪人マブゼのDVD-BOX」発売記念トークショー!<1日目> 柳下毅一郎さん(映画評論家)×渋谷哲也さん(ドイツ映画研究)
ttp://youtu.be/c2IfDGPNLZM

「怪人マブゼのDVD-BOX」発売記念トークショー!<2日目>高橋洋さん(映画監督・脚本家)×渋谷哲也さん(ドイツ映画研究)
ttp://youtu.be/4VhS638G1O8

「怪人マブゼのDVD-BOX」発売記念トークショー!<3日目>中原昌也さん(ミュージシャン・作家)×渋谷哲也さん(ドイツ映画研究)
ttp://youtu.be/AFVYm2WttIw

ゲルト・フレーベ(Gert Fröbe)の警部が銃撃戦で部下の死体を盾にしているのを「ひどい〜」と言っているのだけれど、ラングは第一次大戦で従軍しているし、役者も従軍経験者が多いだろうし、戦時下の肉弾戦を経験した人としては当たり前の判断だと思いました。

北杜夫が、マブゼフリークと知ってはいましたが、ラングのマブゼを見てのことだと思っていました。手元にあった遠藤周作との対談本『狐狸庵VSマンボウ』を読むと、

【引用】
遠藤:うちへ来てくださったとき、正ちゃん帽をかぶっていらっしゃって、門前で「マブゼの歌」を歌いながら入っていらっしゃいました。
北:「マブゼの歌」が出てくるといよいよ危ないんです。
・・・
北:「マブゼ」といっても人はなんのことやらわからないでしょう。「怪人マブゼ博士」と言うドイツ映画があるんです。悪の化身で地球を滅亡させんとするような悪人で、それがしかも、あるマブゼものの一つに「恐るべき狂人」と言う副題がついていたんです。それがすっかりうれしくなっちゃいまして、「おれはおそるべき狂人だ」と称するようになったんです。
・・・
遠藤:あなたは怪盗ものを書いているね。
北:あれは「ジバコ」です。ずっと昔書きました。あれはちゃちな怪盗ぐらいです。マブゼの方が大物です。不気味なんです。彼は姿をあらわさないんです。部下に指令するのも影法師だけ写るんです。そこがもう身の毛がよだつところで
・・・

先に挙げている作品が『怪人マブゼ博士・恐るべき狂人』(Das Testament des Dr. Mabuse /1962/5.5)で、後のが『怪人マブゼ博士・姿なき恐怖』(Die unsichtbaren Krallen des Dr. Mabuse /1962/5.2 ボックス所収作)でしょうかね。

マブゼはただ世情騒乱が目的――と高橋洋氏は言うのだけれど、端的に言って、1922年のマブゼはアナーキストですよね。ノベルト・ジャックの原作をハヤカワブックスで読みましたが、マブゼの故郷はボーデン湖畔の大学都市コンスタンツ(Konstanz, Constance)で、マブゼはそこで共産主義青年団を操ろうとしています。マブゼ自身はコミュニストではありませんが。
http://www.harada.law.kyoto-u.ac.jp/hdg/konstanz.html

私は『怪人マブゼ博士』(1932)で、密偵のホフマンシュタールが歌うのを、“ババリアの郷土の歌”かなんかだと思っていて、ババリア地域の共産主義的政治的背景が・・・なんて想像していたのですが、“バタヴィアの娘さん・・・”みたいな唄だと知ってガッカリ。

DVDボックス所収の、『怪人マブゼの挑戦』(Im Stahlnetz des Dr. Mabuse /1961/5.6)を眺めていて、ルドルフ・フォルスター(Rudolf Forster)が出ているなあと思い・・・。『三文オペラ』(パブスト Die 3 Groschen-Oper /1931/7.4)で主役の“マック・ザ・ナイフ”を演じた人ですね。タイガー・ブラウンをやったラインホルト・シュンツェルも、看守“スミス”役のウラジミール・ソコロフ(Vladimir Sokoloff)も“乞食王”ピーチャムのフリッツ・ラスプ(Fritz Rasp)も、牧師のヘルマン・ティミッヒも(Hermann Thimig)生き生きしているんですが、主役のこの人が一人冴えません。
舞台を意識したのか、はたまた、トーキー初期でカメラの自由が制限された技術的問題なのか、この作品そのものに映像的昂揚も音楽的昂揚も感じませんでした。私がセリフの含意が理解できていないことによるのかもしれません。

同年製作のベスト3はIMDbによると
1、M (ラング 8.5)
2、City Lights(チャップリン 8.6)
3、Furankenshutain (ホエールJames Whale 8.0)

それ以前のサイレント作品に比べて、トーキー初期は音の収録のため?なのか一時映画の質が下がるように感じています。でもIMDbで調べると、『M』も『怪人マブゼ博士』も『三文オペラ』も同じ撮影監督なんですね。やはり監督の違いなのでしょうか。・・・私は何となく、ブレヒトとパブストは合わないような気がします・・・。パブストに時代批評はあるのだけれど、戦前の自然主義文学のようで、“サタイア”ではないなと。ブレヒトの関与した映画としては『死刑執行人もまた死す』(Hangmen Also Die! /1943/7.6)の方が良いと思います。『三文オペラ』こそ、ラインホルト・シュンツェルが監督したら良かったのに。ルビッチも向かない感じがするし、いっそのこと、チャップリンが監督したら痛快で面白いものになったかも。

テア・フォン・ハルボウもベルナルト・ブレヒト(Bertolt Brecht 1898–1956)も、ラングの芸術的生涯に大きな影響を与えた人物だと思うのですが、戦争によって、後の戦後レジームによって、散り散りバラバラになってしまいました。壁が出来る前のドイツで、1950年代半ばにハルボウもブレヒトも亡くなり・・・ラングが『千の眼』を作りにドイツへ戻ったのはそういう時期だったんですね。映画が完成して約1年後に壁が出来るんですね。後のマブゼシリーズはそういう“ベルリン”で作られ続けたんですね。
No.332 - 2015/01/08(Thu) 19:24:04
Re: 昨年最後に見た映画 / 映画虫
みなさま

 ご無沙汰しました。今年からまた復帰させていただきたいと思います。老母の
介護等でなかなか投稿できる気分ではなかったのですが、昨秋送り出すことが
できました。映画は現実逃避的によく見ていました。

 昨年最後に見た映画は、劇場が『ホビット 決戦のゆくえ』。前2作とも比較的
面白いと思いましたが、第3作は戦闘シーンの合間にチョボチョボとストーリーが
展開している感じで、凄すぎるシーンも緩急ないと退屈に見えてきますね。後で
ラジオの批評番組で、「もともと2部作の予定だった」と聞きました。第2部を
引き延ばして第3部を作ったんですかね???
 レンタルのDVDで最後に見たのが『ヤギと男と男と壁と』。ジェージ・クルーニー
演じる軍人と、ユアン・マクレガー演じる新聞記者が「ジェダイ計画」の秘密を
探っていくという、シノプシスを聞いても何のことやらサッパリ分からないへ〜んな
作品です。こういう題材は嫌いではないですが、作り損ない感がぬぐえません。

 それより、ぼくにとっての収穫は、TVシリーズ『世にも不思議な物語』のDVD
ボックスでした。『ワン・ステップ・ビヨンド』という原題をご記憶の方もいらっしゃる
のではないでしょうか? (ぼくは、存在すら知りませんでしたが)パチもんみたいな
10枚組¥1,886で20話収録。発売元はコズミック出版。ロッド・サーリングの『ミステリー・
ゾーン』と同じ年に放送が始まった番組で、開巻、俳優で監督のジョン・ニューランドが
前振りの解説を聞かせ、「実話」とされる不思議な事件のドラマタイズを見せます。
ぼくの知る限りボックスは3巻まで発売されていて、こういう話が好きなぼくは3巻
60話分買って、一晩に1話長編のビデオの前に見ています。見始めて間もなく、個性的
な若い役者と思って見ていたらそれが若き日のロバート・ロッジアだったなんてことが
ありました。脚本・演出は『ミステリー・ゾーン』より落ちる感じですが、それでも
超常現象・心霊現象・超能力・予知夢なんていうトンデモな内容で興味が尽きません。

 クラシック系の話題じゃなくてすみません。強いて言うなら、同じコズミック出版の
廉価版ボックスで『ミイラ再生』を見ました。子どもの頃トラウマになったミイラ怪人
でしたが、簡にして明なストーリー・テリングを楽しみました。復帰早々とりとめのない
内容になりましたが、本園もよろしくお願いいたします。

> AlikiMyLoveさま
みごと浄化が進行しているそちらへも言及できる話題があれば伺いたいと思います。
No.337 - 2015/01/12(Mon) 00:55:26
Re: 昨年最後に見た映画 / Ismael
映画虫さん

お帰りなさいませ!!

>  クラシック系の話題じゃなくてすみません。強いて言うなら、同じコズミック出版の
> 廉価版ボックスで『ミイラ再生』を見ました。子どもの頃トラウマになったミイラ怪人
> でしたが、簡にして明なストーリー・テリングを楽しみました。復帰早々とりとめのない
> 内容になりましたが、本園もよろしくお願いいたします。
>

あまり関係ないのですが、昨年シュートザックの『猟奇島』(1932)を見たことをこの記述で思い出しました。
『キング・コング』と同時並行して製作され、『キング・コング』用セットも使用した珍品です。
No.338 - 2015/01/12(Mon) 09:36:55
Re: 昨年最後に見た映画 / 映画虫
Ismaelさま

 こんにちは。
 いつもクールなIsmaelさんに、「!」を二つも戴き恐縮です。
 また、よろしくお願いいたします。

> あまり関係ないのですが、昨年シュートザックの『猟奇島』(1932)を見たことをこの記述で思い出しました。
> 『キング・コング』と同時並行して製作され、『キング・コング』用セットも使用した珍品です。


 見たかった作品です。雰囲気が似てたせいか間違えてKINO版の”SHE”('35)の輸入版を
買ったこともあります。この作品に『キング・コング』のセットが流用されていると思い
込んでいたんですね(笑)。これはこれで楽しめたので、ハマーフィルム製のリメイク『炎の女』と
その姉妹編みたいな『紀元前3万年の女』も見てしまいました。

 この作品、Amazonで廉価版が売られていますね。カミさんも映画ファンなのですが、
居間の一角に、棚に収まらないDVDの山脈があり「これ以上、山を増やしたくない」と
圧力をかけられているのですが、『猟奇島』は、こっそり買ってしまいそうです。
No.339 - 2015/01/12(Mon) 10:56:42
Re: Kill, then love・・ When you have known that, you have known ecstasy. / B&W
映画虫様 Ismael様

>映画虫様
お久しぶりです!
>老母の介護等でなかなか投稿できる気分ではなかったのですが、昨秋送り出すことができました。映画は現実逃避的によく見ていました。

そうだったんですね。ご冥福をお祈りします。2014年は大変な年だったのでしょうか。本年はご家族皆様ご健勝にお過ごし頂ければと思います。また負担にならない程度に、映画虫様ならではの話題を読ませていただければと思っています。

・・・で、早速ですが、『猟奇島』(The Most Dangerous Game 1932 7.3)を見ました!これはPDになっているんですね。綺麗な画質で堪能しました。

※以下ネタばれあり・・・面白い映画なので未見の方は見てから読むことをお奨めします。

開かれた窓から“Impossible・・・”とつぶやいて落下するレスリー・バンクス(Leslie Banks)、その向こうには主役二人の乗るボートの航跡・・・オフで猟犬の鳴き声・・・ストレートでタイトで、素晴らしい映画ですね。

DVDも綺麗なんでしょうか。BLでは『Gow the Killer』(D: Edward A. Salisbury 1931 6.6)も収録されているとか・・・これも上がっていますね。南太平洋の首狩族?カニバリズムの記録だそうで、カメラマンとしてクーパー&シュードサック(Merian C. Cooper & Ernest B. Schoedsack)が探検に同行しています。自らでは選んで見ないような映画ですので、刺激的でした。

ロバード・ワイズがリメイクしているんですね。『恐怖の島』(A Game of Death 1945 6.1)・・・『死体を売る男』を撮っていた頃ですね。
『太陽に向かって走れ』(Roy Boulting ロイ・ボールティング Run for the Sun 1956 6.5)と言うリメイクもあるんですね。コンセプトが古びないストーリーと言うことなのでしょうか。原作はO・ヘンリー賞を受賞したとなっていますね。

『地上』(Grass: A Nation's Battle for Life 1925 7.9)や『チャング』(Chang: A Drama of the Wilderness 1927 7.3)がクーパー&シュードサックの原点なんでしょうか。これもフッテージを見ましたが、非常にひきつけられる映像記録で、これも刺激的でした。全く今まで知らなかった映像です。知る機会をいただいてありがとうございます。こういう民俗学的ドキュメンタリーでキャリアを始めたからか、『猟奇島』での「文明」批評も相対化されているように感じました。

ひとつ・・・『猟奇島』のタイトルバックに野人が女性を手のひらに掴んでいるドアノッカーが出ますが、これは『キングコング』(King Kong 1933 8.0)の前の作品なんですよねー。この“手のひらに掴んだ女性”イメージは決定的な影響をその後のモンスター映画などに及ぼしていますよね。その手の映画のポスターには必ず使われているし。映画の中ではナイトガウンの女性が巨人(ロボットだったり怪物だったり)の手につかまれるシーンなんかカケラもないのに、ポスターでは描かれていたり(笑)。シュードサックは『Dr. Cyclops』(1940 6.4)も監督しているんですね。ほとんど監督のキャリアの末期の作品ですが、アルバート・デッカー(Albert Dekker)が牛乳瓶の底の眼鏡をかけて、博士なんて呼ばれていますが、これも形を変えたキングコングですね。自分以外の人間を縮めてしまうという・・・ポスターにはやっぱり手のひらに恐怖におののく女性が乗っています(笑)。

>クラシック系の話題じゃなくてすみません。強いて言うなら、同じコズミック出版の廉価版ボックスで『ミイラ再生』を見ました。子どもの頃トラウマになったミイラ怪人でしたが、簡にして明なストーリー・テリングを楽しみました。

子供の頃に見たモンスター映画でトラウマになったものと言うと、「ゴルゴン」の映画でしょうか。白黒映画でしたが、どの映画なのか今となってはわかりません。あと、切断された手が動いて襲ってくる映画。これはいくつか有るようですが、どの映画なのかわかりません。トラウマではないのですが、強く印象に残った映画はクロード・レインズ(Claude Rains)主演の『透明人間』(D: James Whale ジェームズ・ホエール The Invisible Man 1933 7.7)です。主人公に非常に同情して、クロード・レインズが好きになりました。でも相手は「透明」なんですけどね(笑)。いずれもストーリーなどは全然覚えていなくて、怖かったシーンとか、最後のシーンとかおぼろげに覚えているだけです。もう一度見たいような、見たくないような。

・・・でも「透明人間」のコンセプトって、一歩間違えたらお笑いになるんですよね〜。
Son of the invisible man
http://youtu.be/evx_Ps85yu8

で、透明人間が女性だったら・・・というコンセプトになると卑猥になるんですね〜。私の大好きな『The Invisible Woman』(1940 6.1)も監督はシュードサックでした(脚本はカート・シオドマクとヨーエ・マイも入っていますね)。IMDbの写真は間違っています。MANの方に上がっていますが、これはWOMANの写真ですね。他にもRETURNSがチラホラ混じっていて。
ttp://www.imdb.com/media/rm1101450752/tt0024184?ref_=ttmd_md_pv

ジョージ・ラフトは??『前科者』(Invisible Stripes 1939 6.7)のシーンでしょうか。
ttp://www.imdb.com/media/rm1319554560/tt0024184?ref_=ttmi_mi_all_sf_9
IMDbの写真は時々へンなのが入って、訳分かんない事になっちゃってますね。
No.346 - 2015/01/13(Tue) 20:10:12
Re: 昨年最後に見た映画 / Ismael
B&Wさん

> ・・・で、早速ですが、『猟奇島』(The Most Dangerous Game 1932 7.3)を見ました!これはPDになっているんですね。綺麗な画質で堪能しました。
>
> ロバード・ワイズがリメイクしているんですね。『恐怖の島』(A Game of Death 1945 6.1)・・・『死体を売る男』を撮っていた頃ですね。
> 『太陽に向かって走れ』(Roy Boulting ロイ・ボールティング Run for the Sun 1956 6.5)と言うリメイクもあるんですね。コンセプトが古びないストーリーと言うことなのでしょうか。原作はO・ヘンリー賞を受賞したとなっていますね。

村川透の『最も危険な遊戯』や清順の『殺しの烙印』の原典でもあるのではないでしょうか。

>
> 『地上』(Grass: A Nation's Battle for Life 1925 7.9)や『チャング』(Chang: A Drama of the Wilderness 1927 7.3)がクーパー&シュードサックの原点なんでしょうか。これもフッテージを見ましたが、非常にひきつけられる映像記録で、これも刺激的でした。全く今まで知らなかった映像です。知る機会をいただいてありがとうございます。こういう民俗学的ドキュメンタリーでキャリアを始めたからか、『猟奇島』での「文明」批評も相対化されているように感じました。
>

私は『チャング』を1965年に当時住んでいた地方都市の映画館で見ています。
インターネットでざっと調べたのですがそのころリバイバルされたという記述は見つかりませんでした。
パラマウントの倉庫にでも眠っていたのでしょうか?
かなり面白かった記憶があります。
当時映画館で配られていた資料によると『日本語版徳川夢声』とあります。
併映はヴィドアの『戦争と平和』とサンドラ・ディー+ピーター・フォンダの『タミーとドクター』でした。
No.347 - 2015/01/13(Tue) 21:27:58
Re: 昨年最後に見た映画 / 映画虫
B&Wさま

 暖かいメッセージ、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

Ismaelさま

 『猟奇島』、コメントいただいた日に注文して、翌日届いたので楽しみました。
オープニングの海難事故のシークエンスはスピード感にあふれパンチのきいた
演出でした。海上に浮かぶブイと、サメの襲撃は『ジョーズ』を連想させました。
No.348 - 2015/01/14(Wed) 23:47:46
『恐怖の土曜日』DVDとブルーレイ / Ismael
皆様、
ご存じの方もいらっしゃると思いますがフライシャーの『恐怖の土曜日』がDVDとブルーレイで来年の2月に発売されるようです。
ブルーレイは、『強迫/ロープ殺人事件』との2枚セット。
DVDは、単品です。
『強迫/ロープ殺人事件』は、日本未公開作品で『動機なき殺人』というタイトルでテレビ放映されたことがあるようです。

私はアメリカ版DVDを持っていますが、日本未公開もうなずけるモノクロの地味な作品です。
ヒチコックの『ロープ』などのネタとなった実話の映画化です。
弁護士役のオーソン・ウェルズの出演が目玉?

フライシャーは、陰惨な犯罪実話の映画化が好きだったのでしょうか、本作品、『絞殺魔』、『10番街の殺人』と3本もあります。
私としては『絞殺魔』が一番好きです。
No.320 - 2014/12/27(Sat) 10:05:02
高倉健死去 / Ismael
日本の映画スターですが、個人的に結構思い入れの有る俳優です。

1931年生まれの映画関係者(生死を問わない)としては
ロバート・デュバル
ジェームズ=アール=ジョーンズ
ジェームズ・ディーン
デビッド・ジャンセン
フランソワーズ・アルヌール
レスリー・キャロン
市川雷蔵
勝新太郎
宇津井健
アン・バンクロフト
アンジー・ディキンソン
モニカ・ヴィッティ
山田洋次
など

寺田ヒロオ
エリツィン
クライブ・カッスーラ
なども同年生まれ。

私にとっての高倉健のベスト1は、『昭和残侠伝 死んで貰います』。
内田吐夢の宮本武蔵シリーズの佐々木小次郎も忘れがたいですね。
No.313 - 2014/11/18(Tue) 18:49:51
大きな銀杏の樹の下で / 椿五十郎
『昭和残侠客伝 死んで貰います』(1970)

賭場でのいざこざで袋だたきに会った高倉健が
そぼ降る雨の中銀杏の樹の下で雨宿りしていると
芸者見習いの藤純子が酒壺を抱えながら通りかかる
樹の下の人影に驚き「きゃあ」と声をあげるが怪我をした姿を見て
「お兄ちゃん、喧嘩したの?」
「寄るなよ」
「だって、血が出てるよ(酒壺を差し出し)これで洗ってあげる
すぐ、治るんですって」
「すまねえ」酒壺を持ったその手を見て
「ひでえアカギレだな、おい、痛えだろう?」
「ううん、でも、修行ですもの」
「修行?!」
「うん、あたい、芸者さんの卵なの、十二の時に可愛いな、いい妓になる、って買われたの、お父っつぁん、たくさんお金もらったわ」
「おめぇさん、何て名前?」
「幾江っての」
「寒いでしょ」
「いや、寒かねえ」
「ウソ、お酒呑んでみない?みんなが、温まるっていうよ」
(ぐびぐびっと呑んだあと気がついて)
「これ、呑んでもよかったのか?」
「ああ」「どうした?」「叱られる……お兄ちゃん、お金、持ってる?」
(顔を伏せる健さんに)「今夜、どこで寝るの?」「オレは寝なくたっていいんだ、
それより、その酒は、どうする?」
「いいの、いいわ、もう慣れてる、ねえ、女将さんキセルでこつんとひとつ、ふたつかな、叩かれたらいいの」
「あ、女将さんに頼んでみる今夜ウチで泊りなさい」
「とんでもねえ、それこそキセルで十も二十も殴られちまうぞ」
「辛抱するわ、ねえ、女将さんに頼んでくる、お兄ちゃん、ここで待ってて」と傘を差し出し駆けて行く「おう」と健さんが呼び止めるが場面転換して
芸者置屋の女将(赤木春恵)に藤純子が頼み込んでいる
「お願いします、ひどく怪我してるんです」
「ダメダメ、ヤクザなんだろう」「あのー今晩だけお願いします、後生です」
「ダメったらダメ、お前はねえ前借のために年季奉公してるんだろう、どだい人の世話できる身分なんかじゃないんだよ」そのやりとりを陰から見ている健さんの姿
先輩芸者二人出てきたので「お姉さん、お母さんに頼んでください、お願いします」
「ホントにしょうがないねこの子ったら」と、キセルで叩く
「ありがとうございます!」と、飛び出して行く
「ちょっと幾江、物置、物置だよ!」
銀杏の樹の下に戻るが傘だけが開いたまま置かれている
あたりを探すがその姿は見当たらず名前を呼ぶが名前がわからず

「やくざの…やくざの、お兄ちゃ〜ん」

大きな銀杏の樹の下で、藤純子が、高倉健を、呼ぶのでした


高倉健さん

たくさんの、素敵な映画を、ありがとうございました
No.314 - 2014/11/20(Thu) 20:07:28
Re: 高倉健死去 / Ismael
椿さん

レスありがとうございます。
>
> 「やくざの…やくざの、お兄ちゃ〜ん」
>
> 大きな銀杏の樹の下で、藤純子が、高倉健を、呼ぶのでした
>

ここで、もうマキノの人情の世界にどっぷり浸かってしまいますねえ。
高倉健のベストというだけでなく任侠映画末期に生まれた集大成ともいうべき傑作で、マキノの作品としてもベスト5に入る傑作だと思います。
現代物では『大いなる旅路』の三國連太郎の息子役や『飢餓海峡』の刑事役も印象に残っています。

話は変わりますが、渡哲也の無頼シリーズDVD BOXが出ましたが椿さんは購入されました?
私はまだ手が出ないでいます。

後、某掲示板の「山手線ゲーム」ストップしたままですか?
No.315 - 2014/11/20(Thu) 21:04:58
Re: 高倉健死去 / 椿五十郎
Ismaelさん、ありがとうございます

マキノの作品での藤純子と高倉健の「世話場」は
そこだけ取り出してYouTubeにupしたいなと思っておりますが、
upの仕方知らないしその前に編集できる時間が欲しいです

某掲示板もシステム変更で過去の投稿が読めなくなった時点で
魅力も存在意義も半減したと思います
こちらの掲示板(のオリジナルの方)と同様
「アラシ来たり去る」まで自分なりの参加をするしかないのかも知れません

「無頼」のDVDBOX、食い詰め浪人の身には
とても手が出ません
過去のWOWOW放映分を繰り返し見て涙する日々であります

高倉健がジェームス・ディーンと同い年というのは意外でした
ジェームス・ディーンが長生きしたら高倉健のようになっただろうという想定は
成り立ちませんがiconとしての存在感は代表作3本も205本も同じもののような気がします

ほんじゃ、また
No.316 - 2014/11/21(Fri) 03:11:08
Re: 高倉健死去 / 44-40
私には特に思い入れのある俳優というわけではありませんが、追悼の意味で『親分(ボス)を倒せ!』(石井輝男監督)を再見しました。ロバート・テイラーの『悪徳警官』(マッギヴァーン原作です)のほぼそのままのリメイクですが、やはりなかなか良い作品でした。テーラー版と違うのは、高倉健が汚職警官ではなく、ヤクザの子飼いになり果てた元警官、に変えられているところです。いわゆる当時の大人事情という奴でしょうか。
兄弟の情愛を浪花節で描くこともできる内容なのに、全体にテンポよくカラッとして、スタイルのあるシャープなモノクロ(シネマスコープ)映像の中に、すべてがカリッと描かれており、最後もあまり粘つかず少しあっけないぐらいの終わり方で、私好みの映画です。健さん演じる悪徳元警官が、黒いフォルクスワーゲン・ビートルを乗り回しているところも印象に残りました。結構オシャレな仕上がりなのです。
テイラー版でジョージ・ラフトが演じていたヤクザの大物を、高倉版では千田是也が演じていて、最初に見たときはびっくりししたものです。他には三田佳子、杉浦直樹、待田京介、金子信夫など。

高倉健は、熱心な洋画ファンだったようですね。何かのインタビューで、ジャン・ギャバンについて熱く語っていたのを覚えています。『ザ・ヤクザ』や『ブラック・レイン』を引き合いに出さずとも、「着流しにドス」ばかりではなく、このような映画をもこなしてしまう彼独特の個性は、結構見逃されているように思います。

彼が鶴田浩二の脇に回った同じ石井輝男の『11人のギャング』も、どこかフランス映画のような独特のムードがあり、偏愛しています。丹波哲郎、木暮三千代、杉浦直樹、三原葉子、高英男、アイ・ジョージと言わばオールスターキャストなのに、浪花節とも違う何とも陰鬱なムードに支配された不思議な映画です。
No.318 - 2014/11/27(Thu) 22:37:10
Re: 高倉健死去 / Ismael
44-40さん

高倉健とは離れてしまいますが、「ギャング」シリーズは、「組織暴力」シリーズに継承されていく東映東京作品ですね。
深作欣二や佐藤純彌が担っていくわけですが、当時は、任侠映画の影に隠れていましたが、仁侠映画末期に、『仁義なき戦い』でブレイクするわけですね。

日活のギャング映画とは異なった手触りでした。

高倉健の体躯からすると現代モノのほうが実は、合っていたのかもしれません。
No.319 - 2014/11/27(Thu) 23:13:02
グランド・キャニオンの対決(1959) / Ismael
NHK BSで最近放映されました。
70年代に関東で数回放映されたと記憶しています。
私も見たはずですがストーリーは全く覚えていませんでした。

グランドキャニオンをシネマスコープで見せる、という発想が先ず有ったのだろうという作品。

監督のドン・シーゲルがassociated producerだったのに今回気が付きました。

上映時間は80分なので殆ど中だるみは有りません。

数少ない中だるみの一つが、コーネル・ワイルドに対し意地の悪い地方検事とのやりとりです。
この場面がないと上映時間が短すぎるのであえて加えた?!

『愛情物語』や『クリムゾン・キモノ』で印象的だったヴィクトリア・ショウがやはりやや場違いな役柄ながら目立ちます。

太っていない、しかも悪役ではないジャック・イーラムも出ています。

米国ではDVDが出ているようですが日本で発売されることはちょっと考えにくいので、録画しました。

撮影は、バーネット・ガフィ。
冒頭のワイルドとショウの車での追跡場面は、『仮面の報酬』の同様の場面とよく似ているような気がしました(未確認)。
No.317 - 2014/11/24(Mon) 20:20:41
モーリン・オハラ、アカデミー名誉賞受賞 / Ismael
宮崎駿が受賞したことは知っていましたが彼女の受賞は知りませんでした。

今朝の読売新聞で、宮崎が『モーリン・オハラに会えたことが最大の喜び・・・』といったことを語ったとの記事を読みました。
YouTubeで彼女の受賞スピーチを見ることができます。

オスカー像のプレゼンターがリーアム・ニーソン、何をしたかわかりませんがクリント・イーストウッドも居ます。

オハラは、チャールズ・ロートン、ジョン・ウェイン、ジョン・フォードに謝辞を述べています。
1920年8月生まれですから現在94歳ですが若いです。

そういえば、『静かなる男』の製作顛末の映画化が現在進行中だったと思います。
No.312 - 2014/11/11(Tue) 12:55:58
自動車評論家、徳大寺有恒さん死去 / マグカップ
「間違いだらけのクルマ選び」などの著書で知られる自動車評論家の徳大寺有恒(とくだいじ・ありつね、本名杉江博愛〈すぎえ・ひろよし〉)さんが7日、急性硬膜下血腫で死去した。74歳だった。葬儀は親族だけで行う。喪主は妻悠子さん。後日、しのぶ会を開く予定。(朝日新聞デジタル)

************************

私は一時、彼の書いた書籍から雑誌まで、すべて読んでいた時期がありました。それで外車の知識も増え、映画の中のクルマを見るという楽しみができました。
最近は体調が悪く、新車の試乗評論がなくなったので寂しく思ってました。彼のような夢のある評論家は、もう現れない気がします。
No.311 - 2014/11/09(Sun) 13:30:31
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