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記事No.4438に関するスレッドです

3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]

開拓ダイビングでの小さなアクシデントその1
アウル環礁でのファーストダイブ。上げ潮なのに激しいダウンカレントに遭遇

今回のクルーズでは、マジュロ環礁の北100kmにあるアウル環礁に2日間クルーズ船で滞在、まだまだ未開の環礁(MDAでも1度しか潜りに来たことがない)で、ゲストと一緒に開拓ダイビングを行った。1日4本の開拓ダイビングを2日間。当たるか当たらないかは、潜ってみないとわからない。まあ、ほとんど当たらない場合の方が大きいのだけど、クルーズに参加した人たちはその開拓の過程を楽しんでいる様子。大物には乏しい海(まだ未開拓だから)ではあったけど、とにかく何が起こるかわからない緊張感があって、完成されたダイビングポイントを潜るのとは違うダイビングの醍醐味を楽しむことができた。
 ゲストは10人。僕はそのゲストチームとは別にボートを出してもらい、クルーズ船専属のビデオグラファー、スティーブ・フイッシュ氏、クルーズマネージャーの陽気なガット氏、屈強で無口な印象のガイドのカルロと4人で別行動でダイビングを行っていた。この4人とは後に一緒にトラブルに巻き込まれることになる。
 アウル環礁は、マジュロ環礁よりも小さいながら、チャネルの数は多い。しかし、環礁内のピナクル(隠れ根)は少ないので、基本的に狙いはチャネルダイブ。初日ファーストダイブは、環礁南に口をあけるチャネルでのダイビング。チャネルダイブの基本は、潮が満ちてきて、環礁内に外洋の綺麗な潮が流れ込むインカレント時に潜る。チャネル外洋側のチャネルコーナー部分からエントリーすると、早速グレーリーフシャーク、シルバーティップシャーク、ブラックフィンシャークなどのサメが姿を見せた。ダイバー慣れしていないサメは、ダイバーがエントリーすると、大体様子を見るために近くまで接近してくる。
 その後、マダラトビエイやツムブリの群れ、大型のイソマグロなどに遭遇。ツムブリの群れの撮影のために、チャネルを横切るように、水深40mくらいのドロップオフを移動していると、急に激しいダウンカレントが発生した。まさか、インカレントのはずなのに、何故外洋に向かって潮が流れているのかと不安になったが、慌てて岩などにしがみつき、もと来た方向に移動して、激しいカレントを抜け出した。チャネルの端部分はやはりインに流れているようだが、中央部分は激しくアウト。こんな妙な流れはマーシャルの環礁では珍しい。
 船に戻って確認すると、どうやらガット氏が、火曜日なのに2日前の日曜日の潮見表をチェックしていたらしい。そのため、僕らがエントリーした時間は思いっきり、下げ潮、アウトカレントの時間帯だったようだ。彼はマーシャルに来る前、長い間パラオでクルーズマネージャーをしていて、いつも日曜日にゲストを向かえていたので、ファーストダイブのこの日をてっきり日曜日と間違えていたそうだ。

ちなみに、ゲスト率いるサトシ君チームは、ちゃんと火曜日の潮見表をチェックしていたので、チャネルは潜らずに外洋のポイントをダイビングしていた。

写真は、ツムブリの群れに囲まれて撮影するビデオグラファーのスティーブ氏

No.4431 - 2006/09/22(Fri) 14:17:41

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
水深40mで撮影した巨大イソマグロ。この撮影直後にダウンカレントにつかまる
No.4432 - 2006/09/22(Fri) 14:20:28

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
初日、数人のゲストが4本目をスキップして、アウル環礁のメインの島、アウル島に上陸して、島民の生活をちょっとだけ見学しました。ちなみにアウル環礁の人口は約500人。アウル島には300人、もう一つの島に200人すんでいます。
No.4433 - 2006/09/22(Fri) 18:55:33

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
島で出迎えてくれたのは、子供たちと、子犬たち
No.4434 - 2006/09/22(Fri) 18:58:18

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
島はこんな感じ
No.4435 - 2006/09/22(Fri) 19:06:56

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
未開の海なだけに、透明度はすごいです。
No.4436 - 2006/09/22(Fri) 19:11:42

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
アウル環礁での開拓ダイビングを終えて、アルノ環礁へ。1本目のダイビングでは、ノースポイント。ガット氏が「まるでフィッシュスープの中にいるみたいなダイビングだ!!」と興奮するくらいの群れ群れ群れ!!しかし、その直後に・・・・。これはツムブリの群れ。ダイビング中ずっと僕らの側で渦巻いてました。
No.4437 - 2006/09/22(Fri) 19:16:14

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
定番のアルノアルノの砂地は何度潜っても、その透明度の高さ、砂の美しさに癒されてしまいます。
No.4438 - 2006/09/22(Fri) 19:20:04

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
ここではフィンを脱いで、砂地を走りまわりたくなるんです。
No.4439 - 2006/09/22(Fri) 19:22:26

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
天気が良く、ベタ凪だったのでクルーズ船のレーダータワーから、海を撮影。これ、外洋です。
No.4440 - 2006/09/22(Fri) 19:26:36

Re: 3環礁クルーズ / TAGO
一瞬、moriko14号を心配したけれど、大丈夫だったのかな?(笑)
アルノアルノで「欽ちゃん走り」したーーい!
今日もベタ凪、うらやますぃぃぃ!!

No.4441 - 2006/09/23(Sat) 00:14:09

Re: 3環礁クルーズ / ぴぃ [東海] [ Home ] [ Mail ]
越智さん、久しぶりです。

お盆のアウルクルーズの話を現地で聞きましたが、やっぱりアウル良さそうですね。

>  船に戻って確認すると、どうやらガット氏が、火曜日なのに2日前の日曜日の潮見表をチェックしていたらしい。そのため、僕らがエントリーした時間は思いっきり、下げ潮、アウトカレントの時間帯だったようだ。彼はマーシャルに来る前、長い間パラオでクルーズマネージャーをしていて、いつも日曜日にゲストを向かえていたので、ファーストダイブのこの日をてっきり日曜日と間違えていたそうだ。

ガットさんが目を丸くして申し訳無さそうに弁解してる様子が目に浮かぶようです(笑)。

あ、吉居さんの誕生日ですね。"おめでとう"と伝えておいてください。

ということは、海ちんの誕生日ももうすぐですね。

写真はお盆の超べたのチビヤシ。これ超感動しました。

No.4442 - 2006/09/23(Sat) 00:44:33

Re: 3環礁クルーズ / ぴぃ [東海] [ Home ] [ Mail ]
>写真はお盆の超べたのチビヤシ。これ超感動しました。
プレビューしたら写真消えちゃってました。
写真だけ再掲載します。しつれい。

No.4443 - 2006/09/23(Sat) 00:49:33

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
TAGO、こちらは滞在中ずっと天気良いよ〜。海のコンディションもそんなに崩れることもなく、ほとんど毎日でも隣のアルノ環礁までデイトリップでいけそうなコンディションです。

マーシャル宣伝広報隊長ぴぃさん、お久しぶりですね。本当にベタ凪だ〜。綺麗ですね。ちびやしの島、ヤシの木が今3本倒れてしまってます。これも温暖化による海面上昇のせいでしょうか。ちょっと悲しいですね。
アウルはまだまだ開拓が必要でしょう。もちろん、アルノもだけど。ガットさん、面白いよね〜。サトシ君は今日アルノに出かけました。僕は今日フィッシングでカジキ狙いに行ってきます。誕生日の件、伝えておきますよ。海友の誕生日まで覚えてくれてたんですね。どうもありがとうございます。帰国日の27日が誕生日なんですよ〜。早く会いたいな〜。

No.4444 - 2006/09/23(Sat) 06:14:03

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
小さなアクシデントその2、やはり上げ潮なのに、ダウンカレント

 また話しをアウル環礁に戻す。ファーストダイブで潮の読み間違いをしたが、2本目はちゃんとその日の潮見表で上げ潮の時間帯。今回は大丈夫なはずと同じチャネルに、ゲストチーム、撮影チームともエントリー。しかし、最初のダイビングで気になっていたのが、エントリー直後のチャネルの端部分は、下げの時間帯だったにも関わらず、ゆるいインカレントだったことだ。真ん中に行った途端に激しいダウンにつかまったので、どうやら思っているよりもそのチャネルのカレントが複雑なのではないかと、僕ら撮影チームは話し合っていた。
 ポイントに付くと、水面上からでもなんだか中央部分が複雑な流れをしているように、見える。先ほどもスティーブ氏が、チャネルの砂地部分で砂が渦を巻いて舞い上がっていたから、インとアウトの流れがぶつかっているんだろうと言っていた。
 今回撮影チームには、二人のゲスト(カップル)も乗船していた。この二人は、バリバリにダイビングをしないのでクルーズ船ライフを楽しむために来ていたので、1日2本くらいしかダイビングをしないのもあるし、ダイビング本数も数千本潜っていたので、こちらのチームに加わって潜ることになった。
 まずはやはりチャネルの端部分でインカレントに乗ってチャネルから環礁内側へ。しばらくは穏やかに何事もなく移動していた。しかし、しばらくするとインカレントのはずなのに、透明度が悪くなってきたと同時に、アウトの潮が流れ込んできた。最初はゆっくりだったのだが、徐々に流れが強くなってきた。僕らはかなりインに入っているはずだから、このままこのカレントを横切ってチャネルの反対側まで行くことにした。途中でゲスト二人の様子を見ると、どうやらエアが少なくなっているらしい。僕たち4人は12リットルのアルミタンクをつけていたが、その二人は10リットルだったのだ。アウトに流されながら、二人はガイドのカルロと一緒に浮上を始めた。僕たちは引き続き強いアウトカレントを横切るようにチャネル横断を続けた。しかし、横断しきる前に、僕たちは外洋まで押し戻されてしまった。あとどれくらいこのチャネルがあるかわからなかったが、それほど大きなチャネルではなかったので、少し潜行してサンゴの根の盛り上がっている部分に身を隠すことに。するとその先はまた透明度が上がっていた。どうやら反対側の端に到達したようで、やはりこの端の部分はゆるいインカレントになっていた。
 3人でしばらくはまたゆっくりインに流す。しかし、またしばらくインに流していると、前方からまた透明度の悪い水が迫ってきた。やはりアウトカレントが発生し、また僕らは外洋入り口まで流されてエキジットした。先に上がった3人はすでにボートにピックアップされていた。
 ゲストチームは、最初ゆるいインカレントだったので外洋側でそのまま群れやサメ、イソマグロ狙いでチャネルを横切ろうとしたのだが、やはり途中で透明度の悪いアウトカレントにつかまり、そのまま引き返して浮上したそうだ。見れたのはツムブリの群れ、バラクーダ、ギンガメアジ、イソマグロ、ブラックフィンシャークなど。
 単純そうに見えたチャネルのカレントが思いの他複雑だったのには少しびっくりした。何が原因で上げ潮の時間帯なのに、強烈なアウトカレントが発生するのだろうか?

No.4445 - 2006/09/23(Sat) 06:15:42

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
小さなアクシデントその3

ファーストステージのOリングが破裂して、エアが噴出す。

2日目のファーストダイブは、環礁北に移動して環礁内の大きな隠れ根をリサーチすることになった。北東側には、いくつかのチャネルが点在している。そのすぐ中に発達した隠れ根なので、透明度は良さそうだった。東西に細長い隠れ根の南側を撮影チームが、北側をゲストチームが潜ることに。水深15mくらいまでは根から急なスロープが続き、そこから緩やかな砂地とサンゴのパッチが続くリーフになっていて、25mくらいまで続いた後、傾斜が急になり深場へと落ち込んでいる。
 流れはチャネルに向かってゆるやかにアウト。エントリーして緩やかな砂地の広がるエリアは、無数のガーデンイールのコロニーになっていた。砂地に着底して、そのコロニーにスティーブ氏がカメラを向けた途端、「ボン!シュー!!」と激しい音とともに、彼のファーストステージから激しくエアが噴き上げた。青い海中に真っ白な噴煙を上げるかのようにエアが充満していく。
 僕は自分のオクトをつかんで彼の目の前で、必要かと尋ねる。しかし、彼はことのほか冷静に、しょうがないなと苦笑いするような感じの表情を見せて、でも大丈夫とサインを送りながら、そのままゆっくりと浮上を始めた。僕はその浮上していくシーンを数カット撮影した後、彼がボートに戻るのを見届けてから、海底の撮影を再開した。
 僕も以前、フィジーで潜ったときに、同じことを経験していた。要するに、ファーストステージのOリングが磨耗して、ちぎれてしまい、そこからエアが噴出すのだ。エアが噴出しても、レギュからはエアが出続けるので、原因が理解できていれば、そんなにあせる必要はない。エントリー直後だったし、水深もそれほど深くないから、ボートが上にいるのがわかっていて、予備タンクがあることもわかっていれば浮上してタンクを代えれば済むことだ。まあ、慣れていない人にとってみれば、十分パニックの原因にはなるトラブルだろうけど。
 そのポイントの状況、流れや深さ、ボートの有無などを確認して場合によっては、彼にオクトを渡して、タンクのバブルを閉めて一緒に浮上した方が良い場合もあるだろう。僕がフィジーで同じような状態になったときは、ボートに予備タンクを積んでいなかったので、すぐにガイドからオクトを受け取り、タンクのバブルを閉めてもらって一度浮上した。そのときの水深もやはりエントリー直後の潜行中で15mくらいだったと記憶している。早めにバルブを閉めたにも関わらず、200近くあったエアはあっという間に残圧50になってしまっていたので、そのときは予備タンクがないから、しばらくはそのタンクで潜って撮影を行い、エアがなくなってからはガイドのオクトを加えながら、撮影を続けた。もちろん、あまり深くは潜らないようにしていたけど。
 熟練したダイバー同士であれば、数本も潜ればどれだけ冷静に潜れる人かがわかってくる。スティーブのこのときの何事もなかったかのような行動は、一緒に潜っていて、僕にはとても心強く感じた出来事だった。
 その後彼は何事もなかったかのようにタンクを代えて戻ってきて、そのまま撮影を始めた。エキジットしてから、浮上後の話をしたが、やはりエアは残圧が50を切ってしまっていたそうだ。僕が「あの浮上のシーンを数カット撮影したよ。アクシデントがあったにも関わらず冷静に浮上していってる感じでかっこよかったよ」。と言うと、「見たいな」と言って笑った。クルーズが終了して下船する直前に、彼があの写真を欲しいと言ったので、データをあげた。

No.4446 - 2006/09/23(Sat) 06:20:11

Re: 3環礁クルーズ / M.Kume [関東]
3環礁クルーズ大変お疲れ様でした。本日無事帰国しました。未だ足がクルーズ船上にあって揺られているような感覚です。
初アウルとても面白い海でしたね、って越智さんグループの方はいろいろアクシデントもありましたが・・・。現地では早速撮影された画像を見せて頂き有難うございました。WEB_LUE12月号楽しみにしていますよ。

No.4450 - 2006/09/24(Sun) 22:00:06

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
M.Kumeさん、お疲れ様でした〜。良い写真は撮影できましたか?あ、ヘルフ隊長でしたね。次回のマーシャルでの再開を楽しみにしていますよ〜。
No.4455 - 2006/09/25(Mon) 12:43:52

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
その4

アルノ環礁でプチ漂流

 アウル環礁での2日間の開拓ダイビングを終了して、8時間かけて次の目的地アルノ環礁へ。ここでのファーストダイブは前回のクルーズでも潜った絶世のサンゴフィールドが広がるノースポイント、群れ狙いのイリアム、砂地が美しいアルノアルノなどの定番ポイントを潜る。
 しかし、撮影チームは、1本目のノースポイントでの通常ダイビングコースに潜らず、ここでも開拓ダイビングを行うことになった。ノースポイントはアルノ環礁最北端の島の外洋側に広々としたサンゴのリーフが広がっている。そのリーフは島から2マイル以上も張り出していて、その先端が好漁場になっているのだ。島の近くでは水深5mくらいのリーフも、先端に近づくにしたがって当然のことながら、深度が徐々に落ち込んでいく。その先はブルーウォーターと島影一つ見えない大海原が広がっている。
 丁度大潮周りで、このとき、潮の流れは島からリーフ先端に向かって激しく流れていた。僕たち4人は、通常はこれ以上リーフの先に行くと、潮の流れとはまったく逆方向の外洋からのうねりがリーフにぶつかり、複雑な波を起こすため、普段は潜らないポイントからエントリーしてリーフのドロップオフに沿って先端を目指すことにした。
 エントリーと同時に、目の前にツムブリやインドオキアジの群れが姿を現し、周囲には、グレーリーフ、ブラックフィン、シルバーティップなどのサメがうろうろしていた。後で聞いた話しでは、最低100匹はサメがいただろうというくらいサメの数は多かった。先端に進むにしたがって、群れの数は半端でなくなり、常に群れの中にいるような状態。ツムブリ、インドオキアジの他にもカスミアジ、バラクーダ、ウメイロモドキ、タカサゴなどの群れが僕たち4人を取り巻いて、そこにサメたちがアタックをかけてくる。ガットは読みがあたったことで興奮して両こぶしをあげて大喜びしていた。スティーブは、群れの中接近してくるサメやマダラトビエイを延々ビデオに撮影し続けた。僕も114カット撮影可能なCFをほとんど撮りきるくらいに、興奮して撮影を続けていた。とにかく、これほどの群れに囲まれて泳ぎ続けたのは久しぶりのことだ。ボートに戻ってから、ガットが「まるでフィッシュスープの中を泳いでいるみたいだった」と言っていたが、本当にそんな感じだった。
 しかし、僕は撮影しながらも、多少浮上後のことを心配していた。なぜなら、以前うねりが入っているときに潜ったときも、このリーフ上の波の高さが、エントリーポイントの穏やかさに比べて、半端なく激しかったことがあったからだ。
 途中までボートの音を確認していた。しかし、頭上を見上げるとすでに波がかなりうねっていることがわかった。ボートの音も聞こえない。不安がよぎる。予定のダイビングタイム40分をすでにオーバーしていた。通常エキジット時にはガットがフロートを上げるのだが、このときは自分のフロートを早く上げなければという不安に駆られて、BCのポケットからフロートを出した。その様子を見ていたガットが、自分が上げるから大丈夫とオッケーサインをした。フロートを上げ、しばらく安全停止をしながら徐々に深くなっていくリーフ上を浮遊していた。しかし、やはりボートのエンジン音は聞こえない。
 水面に浮上し周囲を見渡す。うねりは3mくらいになっていて、しかも潮の向きや風向きでリーフ上はかなり複雑な波になっていたし、4人の誰からもボートが見えないのは歴然だった。「Oh,oh~, Don`t be panic.It`s all light」と言うガットの表情にもいつもの陽気さはなかった。下半身から力が抜ける感じがした。
 うねりの上に上った瞬間に、母船がはるかかなたに見えるのはわかるのだが、ダイビング用のボートは僕にはまったく見当たらない。僕はうねりの上に上がった瞬間に、自分のBCについているホーンをできるだけ高く上げて、何度も何度も鳴らした。普通なら側で聞いたら「うるさい!」と言われるくらいの音だが、そのときは誰も文句も言わず、僕がホーンを鳴らし続けるのを黙って聞いていた。
横ではカルロが自分のフロートにもエアを入れていた。スティーブは「僕がタイガーシャークが来ないかチャックするから、皆はボートをチェックしててくれ」と言いながら、マスクを付けて水中を見続けている。僕はカルノに「ボートは見えるか?」と尋ねた。しばらく静かに島の方を見ていたカルロが、「見えた」と答えた。「どれくらい遠い?」と尋ねると、「2マイル以上向こうだな」と半ばやけくそ気味に答えた。僕も自分のフロートにエアを入れた。見るとスティーブも下を気にしながら自分のフロートにエアを入れていた。
4本のフロートを立てて、僕らは大きなうねりの中を漂っていた。ガットが、「ウエイトが重いから捨てたいな」とぼそって言ったがそのままウエイトを付けていた。多分最初に捨てるのは嫌だったのだろう。僕は「俺も重いから、捨ててもいい?」と尋ねると、「じゃあ一緒に捨てようか」と言ってウエイトベルトをはずして、「Bye bye weight belt」と言いながら同時に手を離した。この時、ある程度自分の中ではこのまま漂流してしまうかもしれないという覚悟をしていたのかもしれない。次に何を手放すか、考えていたように思う。
すでにリーフは見えなくなっていて、僕たちの足元にはブルーウォーターが広がっていた。この先に島影は一つも見えない。スティーブが「フロートをもっと高く上げろ」と何度も皆に促す。僕は残りのエアのことも考えて、無駄にホーンを鳴らすのはやめて、フロートを高く上げてみたり、振り回してみたりしていた。

今までにも、エキジットしたときにボートが見えなくて僕は何度か漂流した経験がある。取材だと普通と違う潜り方をするから、しょうがないのかもしれないが、そういうときはエントリー時から決まって嫌な予感がしていた。ただ、今までは波が穏やかで、島やリーフ伝いに流されたり、流される先に島があったのだが、今回は、うねりも高く、先に島影も見えなかったのだ。
家族のことを考えた。もうすぐ生まれてくる子供を見ないで死ぬわけにはいかないな、と少しだけ考えたりもしていた。ただ、少なくとも、どんなに流されたとしても、絶対に最後まで諦めないようにしようという気持ちだけは強く持ち続けようと決心していた。しかし、それと同時にまだボートが気づいてくれるのを諦めるのは早すぎるという気持ちも持っていた。今後の体力の消耗を避けるために、無駄に動きまわる気は毛頭なかったが、とにかくフロートを頭上で振り回し続けた。
しばらくすると、カルロがタガログ語で叫んだ。「どうした?」と聞くと、ボートがこっちに向かって来ているみたいだ」と答えた。「フロートをもっと高く上げろ!」とガットが叫ぶ。僕は力いっぱいフロートを振り回していた。
しばらくするとうねりの中、僕の耳にもボートが接近してくる音が聞こえてきた。「助かった!」正直本当に嬉しかった。ガットは接近してくるボートを見ながら「さあ、ボートに上がったらまずキャプテンに蹴りを入れるか、抱きついてキスするかどっちにする?」と言ったので、僕は「両方」と答えた。
これは実際には、エキジットしてからほんの30分程度の出来事だった。しかし、母船に戻ってから、カルロと話したときに、彼は「怖くなかったか?」と聞いてきた。僕は「少しだけ」と答えると、「俺は怖かった。俺がいなくなった後の家族の事を考えたよ。お前は考えなかったのか?」と言われたとき、あの状況がいかに危ない状況だったかを再確認させられた気がした。彼には5人の子供がいる。妻や子供たちを養うために、遠くマーシャルに来てダイビングクルーズ船のガイドをしてるわけだ。きっと子供たちのことをとても愛している良き父親なのだろう。
屈強なカルロでさえ、ただ漂うことしかできない状況。自然の恐ろしさを痛切に感じた出来事だった。ただ、もしあの状況で流され続けたとしても、ガット、スティーブ、カルロと一緒であれば、極力冷静さを欠かずにいれただろうなということは想像できた。何にしても、生きて帰れれば済んでしまったことだ。他人に足しては、自分の笑い話のネタがまた一つ増えたと考えることにした。それと同時に大自然に対しての感謝と謙虚さんを忘れないようにしなければいけないと再認識させられた出来事でもあった。

写真は、カルロの背中

No.4456 - 2006/09/25(Mon) 13:36:44

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [外国]
とまあ、撮影開拓チームは小さなことがいろいろあったけど、通常のファンダイビングチームは安全第一でクルーズライフを満喫していましたよ〜。最後に、クルーズの集合写真。お疲れ様でした。
No.4457 - 2006/09/25(Mon) 13:42:00

Re: 3環礁クルーズ / いるかママ
そっか〜漂流って怖いんだね・・・

前回ガラパゴスで毎回(!)バディを見失って、
全てのダイビングで一人でフロート上げて
エグジットしてたよ>じぶん
もう慣れっこになってたから、何にも考えてなかった・・
今更ながら怖いことに気づきました。
(まぁ失うものの無い自分だから、怖いもの無しだったのかな・・)
次回のダイビングでは気をつけなくてはね。

ははは、そんな事言いながら木曜からまたモルディブでクルーズです。
年若いBF達を泣かさないように、安全に気をつけながら
ダイビングするつもり〜

No.4459 - 2006/09/26(Tue) 00:13:14

Re: 3環礁クルーズ / 越智@マーシャル [関東]
いるかママさん、モルジブ楽しんできてね〜。何若いBF達って?まあそんなことはともかく、安全にはくれぐれも注意してね。
No.4467 - 2006/09/28(Thu) 14:22:00

Re: 3環礁クルーズ / ちえ
あ、名前間違えてた・・「いるかママ」はmixiの名前だった・・・出発日も間違えてた、明日出発だった・・
ボケボケだな〜
まぁモルディブ行っても、飲んでばかりであまり潜らなそうだから・・ショウヘイさんの最後のツアー行ってきます!
若いBFに今夢中なのよ♪

No.4473 - 2006/09/28(Thu) 16:39:08

Re: 3環礁クルーズ / 越智@自宅 [関東]
ショウヘイさんによろしくね〜。行ってらっしゃい
No.4481 - 2006/09/29(Fri) 10:33:25