ぐんかん掲示板

★ (No Subject) / haruo

引用

さて最後の日記です。

最終回を記念して、今日は先週の日曜に富士山に行って
きた話をしようと思う。

富士山にドライブ、なんて洒落た話じゃないぜ。富士山
麓に祀られた、「金運がありえないほど上がる」という
都市伝説が実しやかに囁かれている『金運神社』に参拝
してきた話をしようと思います。ゲッパゲッパ。

つづく

No.756 - 2007/12/05(Wed) 23:01:42

☆ Re: / つづき

引用

１１月最後の水曜、その物語はいつものバーで始まった。

「なあはるお、お前『金運神社』って知ってるよな？」

「キンマンジンジャ？いや、まったく知らないッス。」

「お前ベンチャービジネスやってるのに知らないの？ヤ
　バイよそれ。」

「えー、つーか何ですかその金満神社って？？」

「今さ、少しずつうわさが広まってるんだけど、富士山
　にあってさ。金運がメチャメチャ上がるっていう神社
　が。でさ、ここにお参りするとマジで、しかも即効で
　金運が上がるらしいぜ？」

「へーそれはそれはもうなんの風情もへったくれもない
　直球ど真ん中のご利益ですね。変な宗教じゃないです
　よね？」

「違うって。」

「ふうん。」

「でさ、おととい行ってきたんだよ。」

「！！行ったんすか！？マジで？！それは笑う！！」

「本気本気！全然本気。」

「うへぇ！すげぇ。それでそれで？」

プルルルルル

「あごめん、ちょっと待って。もしもしー

　…おーこんばんわー。最近どう？

　…うん、うん、そうそう。

　…え？

　…金運神社？！」

「！！」

「…うん、行った行った！

　…そう、でインター降りたら国道を曲がって･･･

　…まず気をつけなきゃいけないのが場所。地図通り
　　行くと最初に「本宮」があるのね。で、ここも結
　　構人里離れたところにあって、ぱっと見それっぽ
　　いから、満足して帰っちゃったりするらしいんだ
　　けど、本当の金運神社は実はもっと富士山を登っ
　　ていったところにある「奥宮」のことなんだよ。
　　
　…その奥宮っていうのが富士山の２合目にあって、
　　途中不安になるくらい延々山道を進んでいくと立
　　て札があるから。

　…うん、本宮の中に奥宮までの地図があるんだよ。
　　普通に行っただけだと見落とすから気をつけて。

　…うん、うん、そう、財界人とか政治家とか。元旦
　　は黒塗りの車が並ぶらしいよ。ホントに。

　　とにかくご利益がすごいらしくて、オレの友達も
　　行ってすぐに店がうまく行き始めたらしいしさ。

　
　…あ、でもいつ行くの？明日？なら大丈夫。奥宮に
　　いくための林道は冬の間通行止めになって、春先
　　まで行けないんだよ。今年は１１月いっぱいだっ
　　て。うん、今週の金曜までね。

　…はい、はい、気をつけて。じゃーねー。」

ピ。

「おービックリした。な。」

「行ってきます。」

「え？」

「僕も金満神社行ってきます。今週。」

「なんだよ、さっきまでこんな(-_-)顔してたくせに。」

「いや、今日という日にこの話で今の電話。鳥肌立ちま
　したよ。」

「確かに。」

「人生を振り返ったとき、『当時はそんなこと思わなか
　ったけど、考えてみればあのときのあの判断が今の自
　分をつくってるって思いますね。』なんてインタビュ
　ーがあるじゃないですか。最近そうゆうのよく読むん
　ですけど。で今日のこの話がそれだと確信しました。
　必ず行きます。」

「いいね、いつものヤバイ顔になってきたな。でも１１
　月いっぱいだからもう土曜にはいけなくなるんだぜ？」

「会社休んでいきます。」

「…まあ止めないけど。」

「はい。」

「ところで金満神社じゃなくて『金運神社』だから。」

「あ、はい。」

というわけで、人生で２度目のズル休み（自分としては
出張扱いにして欲しいくらいの気持ち）で会社を休む気
満々だった自分は、翌日から本当の病気で丸々２日間ダ
ウンしていたこともあって、結論としては月内に行くこ
とができなかった。

どう？ねえ、どうこれ？

（久々のどうよヅラで）

（嬉々として）

ホントオレってばすごい。奇跡の人（ミラクルボーイ）
と思う。まさかの知恵熱で何も始まらないうちにすべて
終わり？！そんなのあんまりだ！と自分を責めてみても
なにも始まらない。ポジティブさだけが取り柄のオレさ。
いっちょやったるでぇ！

と変な関西弁になり始めたはるおがとった行動とは？！

（つづく）

No.759 - 2007/12/08(Sat) 16:55:18

☆ つづき / haruo

引用

プルルルル

プルルルル

プルルルル

「はい。」

「あ。お忙しいところすいません、そちらアラヤヤマジ
　ンジャでしょうか。ちょっとお伺いしたいのですが。」

「はい、なんでしょう。」

「そちらの神社のオクノミヤ、と読むんでしょうか、本
　宮から少し離れたところにある。ここへ行く滝沢林道
　はまだ閉鎖されていませんか？」

「ええ、まだ開いてますよ。」

「今週末そちらへお参りに伺おうと思うのですが、それ
　まで大丈夫ですかね。」

「はい、大丈夫ですよ。」

「そうですか、ありがとうございます。日曜に伺わせて
　いただきますんで。」

ピ

１１月末で閉鎖され、以後来年の４月まで参拝できない
という『金運神社』。ここで諦めてはきっと後悔するよ、
という神の啓示的なアレ（＝高熱による幻覚、もしくは
思い込み）により、なんだかんだで今週末まで猶予期間
があるんじゃないか、という一抹の望み（＝思い込み）
をインターネットに託し、全国の林道情報やブログなど
を検索しまくった結果、正確な情報がまるでない、イン
ターネットみたいなもんに業を煮やし、金運神社に電話
して聞いた。

そうしたところ、初霜が例年より遅れたおかげで閉鎖の
時期も延びているという。

ガッツポーズ。

何年か振りかのガッツポーズ。

賽は振られ、金運神社参拝を決行することになった自分
は次に

「免許がない」

という問題に直面する。（朦朧としているのでこの時点
で課題の整理ができていないのはご愛嬌。）

と、同時に、

「インターネットにはあらゆる真実がある。」

という幻想は脆くも崩れ去ったのでした。

つづく

No.760 - 2007/12/15(Sat) 19:44:36

☆ Re: / haruo

引用

さて、運転免許を剥奪され、運転する資格を保有してい
ない自分は金運神社（富士山）に行くために３つの方法
を考えた。

１．新幹線で行く

２．レンタカーで行く

３．アッシーくんを探す

ここで熟考したいのは１の「新幹線で行く」だ。

金運を上げる＝ビジネスで成功する＝現状を打破する＝
テンションを上げることは自分にとって非常に重要なフ
ァクターではある。

しかし、だからといって、新幹線まで使ってしまってい
いものか。

金運神社に行ったという足跡を「品川―新富士」という
乗車券の刻印と共に、公式なデータベースに残してしま
っていいものだろうか。

そこまでして、万一ご利益がなかったとき、自分はもし
かして泣いてしまわないだろうか。

そんな弱い心が浮かんだことを告白しなければならない。

「ま、最悪それでいいや。」

ま、それでいいや。

そんなオレが大好き。

新幹線は最後の手段として、あと２は免許がないと車す
ら貸してもらえないので残念ながらナシとして、つまり
優先すべきは３だ。

「アッシーを探す」

これには自信があった。

こんなふざけた、もとい、敬虔な、それでいて前衛的な
イベントに真顔で乗ってくる男が一人だけいる。

自称・シャア・アズナブルの「しばる」（仮名）だ。

しばるは大学時代の友人で、かつては小沢健二を想起さ
せる風貌と、物静かで柔らかな物腰で一般人女子に大変
人気があり、その実、自分みたいなどちらかというとシ
ャープな人間を天然扱いし、いじり倒すことに錯綜した
情念を燃やしていたような赦しがたい愛すべき人物だ。
つまり愛すべき人間だが性根が歪んだ人物だ。

さらに言うなら、大学時代、カフカへ偏愛するあまり、
チェコへ旅立ってしまったことがあったが、そのときは
もう二度と会えないような気がしたのをよく覚えている。
そんな儚げな印象の男だが、２週間後に普通に帰ってき
た骨太な男でもある。

大学卒業と同時に合格率３％と言われる不動産鑑定士の
試験に史上２番目の若さで一発合格。その後会計士の資
格も取得し、現在は世界４大会計事務所であるＰ社で外
資系企業による日系企業のＭ＆Ａ時におけるデューデリ
ジェンス（企業査定）に携わっているという、お見合い
パーティのプロフィール的には「特Ａ」の人生を歩んで
いる。

バカヤロウ。

というわけで早速電話。

「もしもし？はるおですけど。元気？」

「あーご無沙汰してます。元気。１年ぶり？」

「いや、たぶん２年ぶり。（苦）」

「ああ。（苦）」

「ところでさ、明後日空いてる？富士山行かない？」

「空いてるけど、なんで？」

「冷静に具体的な事実だけを抽出して聞いて欲しいんだ
　けど、富士山に金運神社っていうご利益の高い神社が
　あって…」

「（苦笑）。」

「（苦笑）。」

「大丈夫？（苦笑）」

「大丈夫。（苦笑）
　まあオレの口からこれ以上何を言っても話が進まなそ
　うだからホームページ見て判断してよ。」

「わかったよ。（苦笑）」

「じゃ。（苦笑）」

１５分後。しばるからのメール。

「嫌いじゃない。行きますか。」

ほらね。

「レンタカー借りて、運転変わりながらってことで。」

「うん。ただ、オレ今免許ないんだよね。」

「うざいね。まあ了解。」

というわけで、準備はすべて整った。

ただ、ひとつだけ。

自分には気になっていることがあった。

参照したＨＰに記載されたコメント。

「参拝時には３人で行くことを強くお勧めする。３とい
　うバランスが最も霊的な波動を受けやすいからだ。」

もう一人、誰か、明後日、富士山に、金運神社に、参拝
ドライブに、のってきそうな、遇者。

「あいつだな。」

早速メール。

「おっす。ヒロコさ、明後日ヒマ？富士山行かない？」

「行く。」

「ＯＫ。」

持つべきものは、愚かな友人である。

こうして、あとは自分の体調を回復するだけとなった自
分は、夜の帳の落ちる前、喜喜として昏睡状態に陥った
のでした。

つづく

No.761 - 2007/12/22(Sat) 15:38:58

☆ Re: / haruo

引用

三度の飯より神社仏閣好きの自分はかつて修験道の大家
の元で修行（ノリで滝に打たれてみました）をしたこと
もある関係で、神事には一家言を持っている気がします。

そんな自分からすると、目指す金運神社の主祀神である
「大山津見神（おおやまつみのかみ）」。ここ要チェッ
ク。ここポイント高い。この神様が実はかなり偉い。

日本の八百万の神の系譜においては、神の格付け、すな
わち神格とも言うべきヒエラルキーが厳として存在しま
す。

上位から順番に紹介すると、まず初めに現れられた、こ
の世の万物を司る「天之御中主神（あめのみなかぬしの
かみ）」、こちらが最上位の神でいまします。そしてそ
の次にお生まれになった、天地を生成する「高皇産霊神
（たかみむすびのかみ）」と万物を生成する「神皇産霊
神（かみむすびのかみ）」、この三神を「根元神」と称
し、日本神話において別格位の神となっております。

あんまりにも抽象的でイメイジがわかないということも
あるだろうから、この神の系譜を現代物理学の解釈に当
てはめてみると、

１．天之御中主神＝ビッグバン
２．高皇産霊神＝ビッグバンの瞬間広がった時空
３．神皇産霊神＝広がった時空に形成された物質

（※はるお解釈）

と、こうなります。

ついでにキリスト教的解釈に当てはめてみると、

１．天之御中主神＝「はじめに光あり」
１～３＝「父なる神」

（※はるお解釈）

と、こうなります。

この三神に「宇麻志阿斯訶備比古遅神（うましあしかび
ひこじのかみ）」と「天之常立神（あめのとこたちのか
み）」（それぞれ宇宙の生命を司る神）の二神を加えた
五神を「別天津神（わけあまつかみ）」といいます。

別天津神とは即ちのところ宇宙神というわけです。

ふむ。

これはどいつもこいつもいろんな意味で「はてな？」ヅ
ラしてる場合じゃないな！

さて、天（すなわち天上界）を管理する天之常立神と対
でいまします、「国之常立神（くにのとこたちのかみ）」、
こちらの神が全地上界を司っておられる神であらせられ
ます。国之常立神を筆頭とする第二世代の神々を「神代
七代」と称し、この七代神のうち六番目、七番目（最上
位から数えて十一、十二番目）目に現れましましたのが
「伊邪那岐神（いざなぎのかみ）」と「伊邪那美神（い
ざなみのかみ）」であらせられます。

この二神は最初に性別を持たれた神であり、従って「国
生み」「神生み」をなさる神でございます。

かの『日本書紀』には次のような記述があります。

「因問陰神曰。汝身有何成耶。對曰。吾身有一雌元之處。
　陽神曰。吾身亦有雄元之處。思欲以吾身元處合汝身之
　元處。於是陰陽始遘合爲夫婦。」

読めませんね。

これを現代風に訳すとこうなります。

岐「ねえ、キミの体ってどういう仕組みだい？」

美「ワタシの体には凹（ピー）があるわ。」

岐「へーそうかい、ボクの体には凸（ピー）がある。よ
　　し、そしたらボクの凸（ピー）をキミの凹（ピー）
　　にはめ込んでみよう。」（※はるお訳）

いやマジです。

で、御二神が凸凹凸凹しているうちに、まず日本の国土
を成す島々が産み落とされ、次にそれを司る神々がお生
まれになったのです。

このとき伊邪那岐神、伊邪那美神がお産みになられた約
４０の島及び神々のうち、国の山神として生まれましま
したのが「大山津見神（おおやまつみのかみ）」なので
した。

ちなみに伊邪那岐神、伊邪那美神の一番最初の子は蛭児
（失敗）としてサクッと船で流され、次に産み落とされ
た淡路島も実は失敗でした（体位が悪かったのでしょう
か）。そして三番目にようやく本州が生まれたそうです
ので、大山津見神は日本列島と兄弟的な何か、というこ
とになります。

ね。偉い。

わかりましたでしょうか。大体わかりましたね。

でももっと値打ちこきたいので続けます。

　　

日本の神の系譜において、最も身近な存在は天皇ですね。
今上は平成天皇、第１２５代。

この皇系における初代が「神武天皇」であらせられます。
即位は紀元前６６０年２月１１日（建国記念日です）。

神武天皇は「天照大御神（あまてらすおおみかみ）」の
五代下った子孫です。天照大御神は伊邪那岐神が黄泉の
国から還り、身を清めるため禊をした際、左目を洗った
ら生まれましました神です。神の御目は日月ということ
になっておりますから、天照大御神は太陽を司る神とい
うことになります。

ちなみにこの禊の際、右目を洗ったときに生まれましま
したのが「月読神（つくよみのみこと）」、鼻を洗った
ときに生まれましましたのが「建速須佐之男命（たけは
やすさのおのみこと）」です。ちなみにスサノオの本祀
は祇園神社（八坂神社）でございます。ああ、ありがた
い。鼻て。

んでこの三神は伊邪那岐神の禊で生まれたものですから、
大山津見神の結構末っ子の兄弟ということになります。

CENSOREDで生まれたのと顔洗って生まれたのとでどっち
がやんごとなき位であらせられるかは自分のようなもん
には知る由もありませんが、いずれにせよそういうこと
になります。

余談ですが、天皇家の皆々様はお伊勢参りをなさいます、
これは天照大御神が伊勢神宮に祀られておられるためで、
天皇というのはこの天照大御神を皇祖神とする万世一系
の天孫であらせられますから、先祖の墓参りに行くよう
なものですので、当然ですね。

さて、天照大御神以降の皇孫が国を治めるにいたる経緯
において、大山津見神がいかに重要なポジションにおる
かがわかります。

出雲大社に祀られております「大国主神（おおくにぬし
のかみ）」（＝ダイコク）は大山津見神の七代、須佐之
男命の六代下った子孫にして、混沌とした日本国土にお
いて国つくりを主導し、これを完成された優れた神です
が、国土の平定後、高天原（たかまがはら）の神の宮殿
を模した巨大な社（＝出雲大社）と引き換えに、天照大
御神に国をお譲りになりました。何故なら天照大御神が
「国を統治するべきは我が子孫だ」とずいぶんと勝手を
言ったためでした。

こうしてせっかく大国主神によって平定された国土はそ
の後皇孫が引継ぎ、大国主神は現世支配より一歩退き国
土の神世を見守ってくださることになりましたので、そ
れ以来、年に一ヶ月、出雲に国中の神々がお集まりにな
るようになったとこういうわけです。

大国主神から国土平定を引き継いだ天照大御神は、日本
国土統治の任を、御孫にあたります「天邇岐志国邇岐志
天津日高日子番能邇邇芸命（あめにぎしくににぎしあま
つひこひこほのににぎのみこと）」（瓊瓊杵尊：ニニギ
ノミコト）に託しました。

瓊瓊杵尊はこうした大人の事情を受け、国土統治のため
に地上（高千穂）に降臨された神でいまします。

瓊瓊杵尊は地上に降臨したのち、美しい女神である「木
花之佐久夜毘売（このはなのさくやひめ）」を娶り、
「火照命（ほでりのみこと）」「火須勢理命（ほすせり
のみこと）」「火遠理命（ほおりのみこと）」の三神を
お産みになります。火照命は海幸彦、火遠理命は山幸彦
です。そして、この山幸彦の御孫が神武天皇であらせら
れます。天孫（天＝天照大御神）であられる瓊瓊杵尊は
初代神武天皇の曾祖父ということです。

そして、瓊瓊杵尊の妻、木花之佐久夜毘売は神武天皇の
曾祖母であり、実のところ大山津見神の娘なのでした。

瓊瓊杵尊が美しい木花之佐久夜毘売に求婚した際、大山
津見神は喜び、姉の「石長比売（いわながひめ）」と共
に瓊瓊杵尊に嫁がせたところ、瓊瓊杵尊は石長比売が殊
のほか不細工だという理由で大山津見神の元へ送り返し
てしまいました。父の面目丸つぶれとなりました。

大山津見神は「石長比売は岩のような永遠を、木花之佐
久夜毘売は花のような繁栄をそれぞれ誓約（うけひ）し
て差し出したのに、木花之佐久夜毘売だけを選んだので、
瓊瓊杵尊の命は花のように儚いものとなるだろう」と予
言なさいました。

この出来事以降、皇孫の命は永遠ではなく、人間のよう
に短い寿命となってしまったのでした。ああ恐ろしや。

といった具合で、神格高く、天皇家の人格化にまで影響
を与えている大山津見神。金運神社に祀り奉られており
ますのはそういった神でございます。

ちなみに当神社の副祀は木花之佐久夜毘売と天照大御神
にあらせられまして、木花之佐久夜毘売に至りましては
山の神である父大山津見神より日本一の霊峰富士山を貰
い受け、この山に鎮座しましましてございますため、本
祀は富士山麓の本宮浅間大社と北口本宮浅間神社となっ
てございます。天照大御神は前述のように伊勢神宮が本
祀。

さらに申すならば、大山津見神の本祀は愛媛の大山祇神
社及び静岡の三嶋神社にございますので、当金運神社に
おきましては、すべて「分祀」（子分格）となっており
ます。

うん。

金や富に関する神様も出てこないことだし、神話とか神
格とか、今回はそういうんじゃないってことがわかりま
した。

と同時に、この項記述のためウィキペディアを参照する
こと半日余、やはりインターネットには世界の知と真実
が満ちている、と自分は再度認識をした次第です。

つづく

No.765 - 2008/01/06(Sun) 11:44:13

☆ Re: / haruo

引用

こんにちは。

最後にこの奇行文、もとい紀行文を記したのが１月６日
だからそれからすでに４ヶ月が過ぎたことになります。

いつだってオレは。とも思います。

さて３ヶ月も経ってるんだからそれなりにご利益が出て
るんじゃないかというご意見もあるでしょう。

正味の話、ありました。

おかげで私生活はボロボロ、というおまけも付いてきて
いるものの、確実にあったと確信する次第であります。

というわけで、「神社はお願いするところではない、お
礼を申し上げに参上するところだ。」という原理原則に
基づき、山道もそろそろ開通していることだろうから（
山道は冬の間通行禁止になってお参りにいけません）、
みんなでお礼参りに行こうという話になりまして、ああ、
そういえば日記。日記書いてねーやと思い出した次第で
す。

ははは。

では記憶を半年ほど遡っていってみたいと思います。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

早朝１０時。快晴。新宿南口。

しばる（仮）との２年ぶりの再会（でもこれから富士山
へ行きます）。

「ご無沙汰つーかはるお…」

（自分の巨大化した体躯を目の当たりにして５分ほど爆
　笑。しばし過呼吸になるしばる。）

「うん、まあ。」

まあお決まりです。

そこへヒロコ登場。

「はるおどう、痩せた？」

「うん、まあ。」

（しばる腹を抱えて爆笑。）

まあ、これも。

気を取り直して出発。（気を取り直したいのがオレだけ
としても。）

道中はヒロコが前日７時までコスプレバンドの飲み会だ
ったとかで爆睡、しばると適当な近況報告をしながら、
時の流れの早さと格差社会における「勝ち組」「負け組」
の存在を生々しく実感する助手席の自分でした。

「松涛の会員制スポーツクラブで泳いでる」

「車買おうかと思っている」

「こないだ米国の●●証券のアポにポロシャツで行って
　きた」

ごめんなさいごめんなさい。確かに日本は戦争で負けま
した。でも学生時代のオマエは神道日本国を愛する国粋
主義者じゃなかったかしらん。ちがったっけ？

とまあそんな他愛もない話をしながら山梨県へ突入。
山々が鮮やかな紅葉に彩られ（秋だったので）、それは
それは清清しい参拝日和だったわけです確か。

お昼は富士山麓の「ほうとう屋」でほうとうを食べます。
「ほうとう」というのは今で言う「うどん」のことです
が、旅の雰囲気を考えればそれは「ほうとう」だという
ことになると思います。実際太いし。

ここでも、自分の食べるスピードが早すぎるとしばるが
呼吸を乱します。こいつは昔とちっとも変わりません。

ところでヒロコは

「富士山でけぇ！」

「ほうとううめぇ！」

くらいしかしゃべってません。大丈夫か？

さて、いよいよです。いよいよ金運神社突入です。

テンションピンコだちです。

金運神社には本宮と奥宮があり、金運のご利益があるの
は奥宮。しかし奥宮に行くためには秘密の地図をゲット
しなければなりません。ウヒョー！

国道から一本か二本脇道に入っただけでひっそりと静ま
り帰る小道をトロトロと行き、本宮に到着。

京都の稲荷神社の縮小版のような小さな鳥居をいくつか
潜り抜け、本堂に到着。したものの…。

正直、なにか違和感がある。なにか落ち着かない、ざわ
ついた感覚を覚えます。何が、と聞かれても正確に描写
することが難しい。

その異様な感覚を、この目で見たものをそのままお伝え
することで感じていただければと思います。

まずお清めの水場の装飾品。
うず高く積み上げられた亀、そして龍の置物。（龍？）

そして本堂の入口の、社の名前がかかっているべき上部
には、形相の天狗の面が鎮座している…。

実に奇異です。

天狗とは修験道における修験道者の神秘性が民間伝承の
過程において妖怪として具現化したものであり、神事に
仕える存在ではありながら決して神ではない。

それが本堂の正面に祭られている。

これはやはりこの神社特有のメタファーなのだろうか…。

自分がこうして京極堂バリに思考を逡巡している横で、
しばるとヒロコは

「この水汚いでしょ？口ゆすぐのはちょっと…」

「なにこの龍！爆笑」

とかやっています。死んでしまえ。

しかし考えていても話は進みません。中に進みます。

「ごめんください。」

「はい、こんにちはいらっしゃい。」

お。陽気。

中には宮司と思しき陽気なおっさんがおり、小慣れた
感じで我々をいざないます。

「ハイじゃあお祓いするから頭出してね。」

「あはい。」

バサー、バサー
（例の白いピロピロで頭をシバかれます）

「ハイじゃ次祈祷するからよかったらお布施をここに
　入れてね。」

「あはい。」

ブツブツブツ
（なんか聞いたことの無い祝詞を上げています）

「ハイご苦労様です。」

「あはい。」

不安です。

一人ならまだしも隣の二人が不安です。
正味、ドン引きしてないだろうか。不安です。

なので気にしないことにします。

それから宮司は最近マスコミにも取り上げられている話
なんぞをそこはかとなく自慢げにお話ししてくださり、
最後に「お守りをどうぞ」（＝買って）ということなの
で買いました。

思いの外デザインがポップでキッチュなのところが気に
入ったので今でも財布に入れていますが、こちらはあま
りご利益がないようです。（２００８年４月時点）

ここで、いよいよ奥宮の地図をゲットです。

wordで作った拙い地図です。この中途半端力。不安です。

さらに、

「よかったらこっちも見てくださいね。」

ということで、境内の裏にある、神秘的な御神木を見せ
てもらうことになりました。

「この御神木は縁結びの木でね、ほらあそこ、男性と女
　性の性器がまぐわっているように見えるでしょう。
　この何十本という木の中で、これだけはっきりと具現
　化しているものはないです。」

賢い我々３人は同時に心の中で呟きます。

（確かに何十本の中にはあんまりないでしょうね…。）

「この木はイザナギ・イザナミの化身として祀っていま
　す。」

「へーそうなんですか…。」

３人の中で唯一オトナ心を持つ自分だけが宮司の話に相
槌を打ちます。ばかやろう２人。

というわけでここに長居は無用、さっさと奥宮に向かっ
たほうが良さそうなので向かいます。

ただひとつ、本宮で遭遇した神懸りな体験がありました。

本宮の中に置かれた小さな机、その奥に小ざっぱりとし
た身なりの、年の頃３０代半ばでしょうか、男性が、日
曜の昼日中、人気疎らな富士山麓の金運神社で姿勢を正
して座っている。

宮司の話ににこやかに相槌を打ち、時折我々の会話に入
ってきては、こう言うのです。

「この金運神社のご利益は本物です。私自身がそれを経
　験したのですから。」

「こちらへはなぜいらっしゃるのですか。」

慇懃無礼にしばるが問いかけます。
瞳の奥をキラリと光らせて。

こいつのこの目つきは危険です。
獲物を見つけた時の目だからです。

「私の身の上は話すほどのものではありませんが、ある
　ときこちらへ参拝し、そこから人生が変わりました。
　ここにいるのはそのお礼として、少しでもお手伝いが
　できればという奉仕の心からです。」

穏やかな口調で、しかも確信を持って彼は語ります。
当然瞳孔は開いていらっしゃる。

我々はこういう目をした人を知っています。

口論中のアメリカ人。

新興宗教の取り巻き。

薬物摂取者。

我々は直感しました。

この人は本物です。いろんな意味で。

そして静かにその場を去りました。

後にしばるは我々にこう、真顔で語りました。

「あれは座敷わらしだ。」

wordで作られた秘密の地図を手に、我々は奥宮に向
かいます。

よく整備された林道を延々と走ります。

まばらに点在した建物が全くなくなり、傾斜のある道へ。
気が付けば富士山を上り始めています。

そこからさらに、ひたすらに道を行きます。目眩がする
ほどに。

空気が凛とし、辺りは静寂に包まれていきます。

この道であっているんだろうか、少し不安になり始めた
ころ、わき道に、注意しなければ見逃してしまいそうな、
小さな立て看板を見つけました。

「ここだべ！」

到着です。

車を停め、わき道を下ります。

さあ、ここでどんな神秘が待ち受けているのか。

テンションはもう振り切れんばかりです。

「あ…」

そこで最初に目に入ってきたもの。

それは、簡易式の長机を出してお守りを売っている神社
の人でした。（びっくりして坂道を滑り落ちそうになり
ました。）

「ハイこんにちは。」

陽気です。やはり。

「あ…こんにちは。」

「こちらですよ。」

と指差す先に、ありました、金運神社。

というか、祠（ほこら）？

祠ですな、これは。まあそれはいい。

もっと驚いたことがある。

なんと、こんな辺鄙な、マニアックな、ふざけた、もと
い敬虔な場所に先客がいます。

どうやら地元の山林工事現場のおっさんです。
おっさんが二人でいます。

おっさん二人が軽トラを祠のすぐ前に乗りつけ、例の作
業着でヘルメットを被ってタバコを吸いながら痰を吐い
て静岡訛りでゲラゲラ笑いながら金運の神様をお参りし
ています。

「これが金運神社かね」

「小せぇな」

「とりあえず頭つけとけ」

「パチンコで大勝ちさして！」

「オレは競馬だ！ブハハ！」

自分はもうあれです。
気絶しそう。

そんな自分を見てしばるがまた爆笑しています。
オマエはほんとにぶっCENSORED。

人さえいなければ、それはそれはかなりいい具合に神秘
的な場所です。

金運神社のことを教えてくれたＫさんは、願い事をした
瞬間、木々が「バサバサバサッ」と蠢いたと冗談みたい
な神秘体験を語ってくれました。

確かに、そんな、何かが起こりそうな場所です。

変なおじさんがいなければ。

当の金運神社の奥宮はホントに冗談みたいなことになっ
ています。

とはいえ、はるばる東京から出張ってきました。
ここでくじけていてもしょうがない。

変なおじさんが見守る中、三人仲良くならんで、お神酒
を供えて、お賽銭を入れて、二礼四拍手二礼して（最上
級の神様には倍拍手します）、

「お願いします！」

とだけお祈りします。

横から変なおじさんが

「木に頭つけたらいいっぺ。」

とか言ってましたが無視しました。

そうして自分はちょっとうな垂れて、そうして帰路に着
きました。

ヒロコが

「はるお、遠目に見るとめちゃデカいんだけど!!」

と爆笑して写メを撮っていましたが、そのときの自分に
は、こいつを叱り付けて関節を極めてやる余裕もありま
せんでした。

そんなわけで下山。

言うも言われぬ敗北感的なものを抱えながら。

しかし富士山を下る途中、またも神秘的な出来事が起こ
ります。

我々が余韻に浸る間もなく早々に奥宮を立ち去った時に
はまだその場にいたはずの変なおじさん二人が、我々よ
りも先に山を降りているではありませんか！

「…あいつらも座敷わらしだ。」

しばるが呟きました。

（そう信じたい。そうであれ。）

助手席で自分はそう呟きました。

ちょっと変な汁を出しながら。

さて、帰り道では自分のフェイバリットラジオチューン
である「あ、安部礼司」を二人が嫌がるのを無理やり聞
くことにしましたが、最高に面白くない回だったため、
改めてしばるのはるお評価がある確信を持って「変わら
ない」ことになったのも、自分のテンションを落とすに
は十分でした。

めでたくなしめでたくなし。

そんなこんなだったので後日しばるにお詫び的（屈辱的）
な連絡を入れたところ、

「意外と楽しかった、またこういうの行こう」

という意外な回答が帰ってきたので、やっぱり持つべき
は愚かな友人だということを再認識することができ、結
論としては有意義な休日だった、といってもいいんじゃ
なかろうかと思います。ねえいいでしょ。

あとしばるがヒロコのことを

「若いのに礼節がしっかりしていい子だ」

と褒めていましたが、自分はふーんと聞き流しました。

さて、ここまでひっぱりまくってこんな感じですけど、
くじけずいいます。

金運神社、行ったほうがいいよ。

というわけで、次回は

「金運神社にお礼参りに行ってきたよ」

です。さようなら。

No.780 - 2008/04/20(Sun) 18:03:20

☆ Re: / 白鳥

引用

私あそこで金運めっちゃ吸い取られたぞ。
店傾いてバンド順調です。
どうしてくれるｗ

No.781 - 2008/04/23(Wed) 17:28:24

☆ Re: / haruo

引用

そ、そんなバカな。

でも、店が傾いてるのはヒロコが飽きたからだって、
オレ知ってるもんね。

つーかこのスレ長すぎてレスつけんのめんどくせぇ。

No.782 - 2008/04/27(Sun) 18:27:37