「おはよう!」 「ああ、お前か、おはよう。」
「あれ、ちょっと元気ないな。ははあ…ん。 原因は例の彼女だな。どうなった。会えたのか?」
「会った。 そして見事にふられました。 手紙も受け取ってもらえなかったよ。」
「お前が…?意外だなぁ。 付き合っている相手がいたのか。 それにしたって、お前から声かけられて嬉しくない女がいるとはね。」
「彼女はそういう人なんだよ。 まだ高校生だけれど、全然浮ついたところがなくて、生きるということをまじめに考えている女性さ。 思ったとおりだった。」
「ふーん、今時そんな女子高校生もいるんだな。
そういえばお前もずいぶん変わったよな。 前は気軽に女の子と付き合っていたのに。
大学に入ってから、お前のこと紹介してくれって言われて、二人くらい紹介しただろ。でもすぐ二人とも終わっただろ。 その彼女のせいか? 会えるかどうかも分からないのに、ずっと想っていたのか?」
「そういうわけじゃないよ。 心のどこかにはいただろうけれど、もう会えないと思っていたし。 そうでなければ、お前から紹介してやるって言われたって断ってたさ。
彼女みたいな人に逢えるかもしれないという期待もあったし、そうでなくても、気の合う人に出会えればと思っていたさ。
でも、実際会ってみて、話したり、一緒に遊んだりしていても、なんか違うんだよ。俺の求めているものは違うって気がしたんだ。 二人ともけっこう可愛かったし、いい子だったよ。 でも違うんだ。」
「それで、結局その彼女の事が忘れられないということに気づいてしまったというわけか。 それなのに、あっさりふられて引き下がってきたのか?」
「どうしようもないだろう。 今付き合っている彼と俺とを比較して、天秤にかけて、そんなふうに人を値踏みすることは出来ませんって、はっきり言われて手紙も受け取ってもらえなかったんだぞ。
ところでお前、『桜梅桃李』って言葉知ってるか?」
「おうばいとうり?なんだそれ。」
「桜、梅、桃、スモモのことさ。 それぞれ違う花を咲かせ、色も形もにおいも、成る実も違うだろ。
それと同じように、人間も、顔も性格もそれぞれ個性がある。 生まれてきた意味、使命って言うのかなそれもその人その人で違う、そういう意味だって。
そういう言葉が、彼女のノートー俺が拾って彼女に返したーには、当たり前のように書いてあるんだよ。
受験の時、『ああもうだめだって』諦めそうになった時、何度読んで励まされたか分からないよ。 『俺は俺なりに頑張ればいいんだ。人と比較するんじゃなく、自分の限界に挑戦して、そうすれば必ず結果はついてくる。もしだめでも、今の苦労は絶対無駄にはならない。』ってね。」
「そんなふうにお前は彼女に影響されて、考え方が変わってきたというわけか。 でも、そんな彼女を、お前諦められるのか?」
「諦めるつもりなんかないさ。 恋人になるのは無理かもしれないけれど、友人になりたいと思っている。 一緒に助け合ったり、成長してゆく友人に。
これって、欺瞞かな?」
「ちょっと未練の匂いもするけど、人間として魅力的な人なら、男女の友情だってありだと思うよ。 俺には無理かもしれないけど。笑」
「お前じゃ無理なのは分かってるって。 いやらしい匂いがぷんぷんしてるもん。」
「こいつ!言ったな!」 「あははは…。 お前と話していたら自分の気持ちが整理できて、気分が晴れたわ。 サンキュ。」
吾が心 受け入れては くれないが それでも吾は ありがとうと言う
ふられても 君への想い 変わらない 僕は僕らしく 想いつづける
勇気くれ 生き方さえも 変えるよな そんな人だから 友でありたい |
No.8076 2007/01/08(Mon) 17:02:22
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