05.14.Sat
鏡 と 剣 と そして 宝玉

民のための鏡
民の姿を映しその意を汲み民を守る鏡

国のための剣
国の歪みを正し敵を切り裂き国を守る剣

王のための宝玉
王のみに仕え王を至上とし王を守る宝玉



だれもしらない


05.13.Fri
彼は窓枠に腰掛けてページに手を滑らせている。
片目だけで文章を追い、時折思い出したようにぱらぱらと紙面をめくる。
差し込む陽光に柔らかな髪が朱く透けた。
自分の白や横に立つ彼の黒でもない夕日色。
幼い頃はその美しい朱橙色が羨ましかった。
この白は嫌いじゃないけれど今でも時折そう思う。
「ラビ」
ぴたり、と手が止まる。
思わず身を固くした。
隣の彼も一瞬だけ身体を強張らせたのが解る。
ゆっくりと本から外した視線をこちらに向けてラビはあれ、と首を傾げた。
「アレンじゃん。それにユウも。久しぶりさ?」
片手を上げて彼はにこやかに笑う。
同時に横から盛大な舌打ちの音が聞こえた。
「何が久しぶりだ」
「え、何その言い方」
オレなんかした?とラビは目を見開いてみせる。
わざとらしいその様子に飛び出しかけた舌打ちを何とか呑み込む。
なんだか今、カンダの気持ちがちょっと分かってしまった。
「てめぇが引きこもらなきゃ久しぶりになんかならなかったんだよ」
引きこもりとは言い得て妙だ。
ラビも思うところがあったのか嫌そうに顔をしかめる。
「引きこもりってユウ」
それはちょっとひどいさ、と続く言葉をカンダは皆まで言わせない。
「引きこもりだろうが。自分の離宮からてめぇが出ようとしないせいで、公務で忙しい合間を縫ってわざわざ俺達が出向いたんだからな」
「そうですよ。全く城の方に顔を出さないで此処で本ばっかり読んでるラビのどこが引きこもりじゃないって言うんです?」
付き合いが長い分カンダは容赦しない。そして自分も。
大体、全て真実なのだから文句を言われる筋合いはない。
本当にこっちは忙しいのだから。
その辺りを理解していないはずがないラビは、苦笑いするに留めて敢えて反論してこなかった。
まぁ反論されたとて自分もカンダも倍にして言い返すのだろうけれど。
ラビは億劫そうに、緩慢な動きで窓枠に深く座り直した。
ぶらぶらと片足だけを揺らして顔をこちらに向ける。
逆光で表情が見えなくなっていた。
ただラビの形をした影がこちらを見ていて。
「んで? そのお忙しーお前らがわざわざ何?」
影が首を傾げる。
純粋に不思議がっているようでもあり、或いは予想していたことを確認しているようでもある。
思わず手を握りしめた。
「……もう、限界なんです。解ってるんでしょう?」
知らず固くなった声は、まるで自分のものではないかのよう。
きっとラビは無表情だ。何の感情も浮かんでいない顔を浮かべてこちらを見ている。
「…オレにどうしろって?」
やがて返ってきた答えには、予想通り感情など欠片も無かった。
「俺達には無理だ。お前だけが見つけられる」
カンダの言葉もまた硬質なもの。
握りしめた手が痛い。
「既に3年、です。空位は民の不安を煽るだけじゃない」
「城下がまだいい。だが徐々に綻びが生じ始めてる」
もう時間がない。不安は破綻を招き、やがて瓦解させる。
いくら中枢が確立されているからと言っても駄目なのだ。
この国は王がある故の国なのだから。
やがてラビの口から溜息がこぼれ落ちた。
重いものではない。仕方がないとでも言うような軽い溜息。
「わかった」
「え?」
窓枠から降りて、彼は一つ伸びをする。
こきこきと首まで鳴らしている。
「んじゃあとっとと決めちまうさ」
あっさりと彼は言う。
「いい加減にしねぇとお前らに怒られるしって二人ともなんつー顔して。なんでそんな驚いてるさ?」
「だっ、て」
驚きすぎて言葉がうまく出てこない。
「お前本当にわかってるのか?」
カンダが心底疑わしげに言うのも無理はない。
自分だってそう思った。
こんなにも簡単に。3年間も沈黙を保っていたのに。
見つける気は無いのだと言わんばかりだったのに。
首を少しめぐらせて、ラビは窓の外を見遣る。
くつ、とその喉が鳴る。笑っているのだろうか。
「わかってる」
まるで何かに言い聞かせるかのように彼は繰り返す。
「わかってるさ」
そう言ったラビの表情が、何故だか解らなかった。





だれもしらない


05.12.Thu
13のとき師が死んだ。
師であると同時に養父でもあったジジィだ。
CENSOREDも死にそうになかったくせに、老いた身体に病を患い、半年間の闘病の末に逝った。
発病してからの死ぬまで、残された力全てを自分が死んだ後にも混乱が起きないよう、王に負担がかからぬように費やした。
もしその間もっと大人しく静養していたのなら、もう半年分くらいは長生きしたのではないかと思う。
最期の最後まで王のために生きた男だった。
看取ったのはオレひとり。
いよいよ病状が悪化したとき、ジジィがオレ以外の誰も近づけようとはしなくなっていたからだ。
あれだけ大切にしていた王すらも近づけようとはしなかった。
だからオレだけがジジィの最期を知っている。
死ぬ間際、ジジィが譫言のように呟いていた言葉が耳について離れない。




だれもしらない


05.11.Wed
・山(丘)の頂上に到着し此処で昼食かと思ったらそのまま通り過ぎ下山を始め結局地上の原っぱで昼食という罠。
・目的地に一番近いと銘打つコンビニが目的地から20分は離れていたという罠。
・目的地が思いの外しょぼく結局15分も見学するところが無かったという罠。
・往復6時間かかっても遠足と言い張る罠。

いっぱいいっぱいなんですよ…!
オゾ様とわらじを履いて共に生きますむしろ逝きます=雲隠れします探さないでください。
2週間もしたら戻ってくる(予定)です。
memoだけは更新がある か も … !

昨日のネタは蛇=ティキのつもりだったんです。
イヴ=ミランダ
神=教団
な、かんじでした。

>clapres
22時「ティキミラ〜」様
ラビミラと同じくらいメジャーになってもおかしくないカプだと信じてます(真顔)。
素敵だなんてそんな…!(ときめき)
せせこましく増やしていきたいと思ってます。
がんばりますよ…!


05.10.Tue
例えるならば彼女はイヴ。
禁断の果実を手に取る前の何も知らないイヴである。


「ちゃんと教えてやんねェと」


蛇は囁く。
最初に謀ったのは神だ。



エデン


05.09.Mon
一歩進むたびに波紋を描く。
幾重にも連なる円を残して彼は右手を差しのべた。
「大丈夫?」
透明な水の中で座り込む彼女の黒髪から雫が落ちた。



今週のジャンプネタ。
ティキは水面を歩けるらしいですよ。
中国…!
ていうか素で合流編が流されてた…!

企画にしばらくかかりっきりになるんで更新停滞します。
ていうか、か け な … !(オゾ様すみませ…!)


05.08.Sun
「オレのために死んでくれる?」
蜜よりもあまい声で、彼は。



明日はDグレですねにこ!(Dグレのためのジャンプですよ)(他のも読みますけどDグレですよ)
マウスの動きが悪くて苛立ちます(きぃ!)
改装してリンクページを作りたいのですよ。
個人的ブクマページ!(えぇ)
だってあんなにも素敵ミランダサイト様が一杯あるのに…!

>clapres
6日
 11時「ふと〜」様
  ち、地下水路を使ったって事で…!
  (ほら、いくら体力あるエクソシストだって毎回毎回あの崖を登っ
   てるわけじゃないと…!)
  (3巻当初アレンが教団に帰還したときも地下からでしたし)
  (科学班の面々とかは絶対登れそうにないですし)
  (アレンが最初に崖から来たのは案内役がティムキャンピーだ
   ったからじゃないかと)
  (そもそも大人の時でもミランダさんに崖は酷だと思うのですよ)
  (いえ誰かに背負われてとか誰かの鎚の柄に乗せてもらって
   とかでも何ら問題ありませんけどね!)

 16時「別に〜」様
  「10年だと16,7だっけ?……あぁ確かに問題ねプツッ
  すみませんちょっと回線が乱れてるようです(微笑)。
  10年でもありだと思いますよ私も。
  ただちょっと良心の呵責が(遠い眼)。

 22時「ちっさい〜」様
  大人でも可愛い彼女がちっさくなったら余計に可愛いの
  は当然のことかと。
(真顔)
  かわいくミランダさんを書けるよう今後もがんばります(いやか
  わいいだけじゃなく強く美しくも目標なんですけどね!)

8日
 ハラダ様
  すみません速攻見に行きま し た … !
  え、ちょ、な、なんですかあのかわいらしさ!
  これは小脇に抱えてさぁ走り出せという私へのメッセージでしょう
  か。よーし準備万端さぁおいでミランダさん!
  両手を広げて受け止めるから!
  ……失礼いたしました(遅いよ)。
  神田は決してヘタレじゃないですよ。
  ただツメが甘いだけなんですよ。
  決してヘタレなんかじゃな…!(眼を逸らしつつ必死)
  ティキ編は気楽さですね(おおぴったりです!)
  自分を知らない人間だから教団よりも楽なんです。
  おいしいどこどりですねティキ!
  ロード編はむしろミランダさんよりティキが真っ青じゃないか
  と!

 17時「子供〜」様
  ティキ編は本当に難産だったので気に入っていただけて嬉しい
  です。
  ある意味一番平和な気が…いや精神的には一番まずいんです
  けども(何せロリコごふっ!)
  どうもありがとうございました! 
  


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