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(No Subject) / syo-hyo [関東] [ Home ] [ Mail ]
久しぶりに書きこみをいたします。
世界の十三大小説を拝見しながら、我が国の作家の作品が一つも入っていないことを、忸怩たる思いで眺めているのは、なにも私だけではないかと思い(無論、主幹さんも注記されていますが)、今後、世界の十大小説家といったものを新しく掲げてもよいかと存じました。
また、短編や中編小説といったもので、「世界の〜」といったものも一興かと思います。

「あなたの好きな小説作品はなにですか?」という問いは、一見気の抜けた問いであると同時に、ある意味、リトマス試験紙のように、その人物を評価する手だてになるものであり、軽々に答えられない、含蓄のある問いです。

昨年末に、自分は漱石全集を衝動買いし、小説作品を時系列に沿って再読しました。
「命の次にお金が大事」という価値観が蔓延る昨今、「野分」の美学がどこまで人を感動させるか、ふとそんなことに思いを巡らせたのでした。
No.327 - 2013/03/02(Sat) 17:37:04
Re: / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。

世界の十大小説家とは面白いですね。考えてみました。
まず、確実にランクインさせたいのは、
バルザック
ドストエフスキー
トルストイ
ゾラ
夏目漱石
の5名です。小説を大量に書き、しかも独自の世界を築き上げた人物であるからです。

あと5名をどうするか。相応しい人物を列挙してみました。
デフォー、ディケンズ、スティーヴンソン、ジョイス、モーム、トウェイン、ヘミングウェイ、ホフマン、トーマス・マン、ヘッセ、カフカ、スタンダール、フローベール、モーパッサン、カミュ、ゴーゴリ、トゥルゲーネフ、チェーホフ、森鴎外、芥川龍之介、谷崎潤一郎、太宰治
有名な小説を書いた作家でありながらユゴーやプルーストの名がないのは、小説が本分でない人物であったり作品数が極端に少ないという理由からです。こうした理由で私が高く評価しているセルバンテスやスウィフトなども除きました。
この中から好みで5名選ぶと、
デフォー
トウェイン
ホフマン
カフカ
カミュ
を残します。各国かなりバランスよく選べたかもしれません。
如何でしょうか?
No.329 - 2013/03/03(Sun) 22:51:14
Re: / syo-hyo [関東] [ Home ]
世界の十大小説家と、自分が言い出しておきながら、実際に、考えをめぐらせると、なかなかすんなり出てこないのでした。
主幹さんがあげておられる条件、
一、小説を大量に書いていること(作品の長短を問わず)
一、独自の世界を築き上げた人物であること
も妥当かと思います。
ホメロスまで遡ると切りがないので、とりあえず、現代小説に直結していると考えられる19世紀以降の作家から選んでみました。

まず、バルザックとドストエフスキー、トルストイには異存ありません。漱石は自分のぜひくわえたい作家です。最近、猫から明暗までを通して読み、作品の発展の仕方といい、「独自の世界」を作り上げているという点でも及第かと思います。
自分は、ゾラの作品では「居酒屋」しか読んでいませんが、我が国の明治、大正期に与えた影響は看過できないものがあります。が、19世紀から20世紀にかけて、小説という存在を問いなおしたジッドをあげたい気持ちがあります。
イギリスからはディケンズを、アイルランドからはジョイス、アメリカからはフィッツジェラルドとフォークナーを、それぞれ選びます。ガルシア・マルケスに関しては「百年の孤独」しか読んでいませんが、その一冊の強烈な印象に押されて選んでしまいました。

無論、フローベルやカフカ、プルースト、ヴァージニア・ウルフの文学技法に与えた影響や、チェーホフの技巧、ロマン・ロランの構成美といい、あげたい作家は、尽きません。
こうして、作家を選びながら自分が意外と読んでいない作家がまだまだいることに気がつかされました。
No.330 - 2013/03/04(Mon) 22:12:25
Re: / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
面白くなってきましたね。
私が候補に出さなかった名前が4名も入っております。フォークナーとガルシア・マルケスは1作品も読んだことがないので、詳しく応えられませんが、確かに文学史上の巨人といえますので、相応しい人選かと思います。
ジイドは『法王庁の抜け穴』を大変高く評価しております。その他にも数作読みました(代表作『狭き門』は未読ですが)。しかし、候補にしなかったのは私にはジイドがどんな作家なのかいまいちまだ見えておらず、謎の作家だからです。
フィッツジェラルドは大昔に有名な『ギャツビー』だけ読みましたが、そろそろ再読してみようかと思います。正直申しまして、若い頃に読んだ時は普通の作品としか思えなかったもので。

ヴァージニア・ウルフもそうですが、私は英米文学に暗く、相変わらず仏露の文学に偏重気味です(候補にロマン・ロランをうっかり入れ忘れたのが悔やまれます)。少し英米文学にも手を伸ばそうと思います。
結局、日本からは漱石だけですね。対になるはずの鴎外が小説家というくくりでは捉えられないのも原因でしょう。他に漱石に肩を並べられる文豪となると、客観的にはおらず、選者の好みになりそうですし。

また定期的に考えると、違ったものが出て来て面白そうですね。
No.334 - 2013/03/07(Thu) 00:59:40
米Marstonについて / アマデー
件名のレーベルについてはパハマン全集に引き続いて、ニノン・ヴァランを入手しようと手続きをしているところです。しかし、MarstonのScottさんによるとプレスCDは既に廃盤、CDRでの提供になるとのことで、少し残念ですが、オリジナルマスタからの焼付とのことでした。主幹さんは当該レーベルの会員とのことですが、会費とか特典についてご存知の情報を教えていただけないでしょうか?
No.306 - 2012/12/11(Tue) 07:32:18
Re: 米Marstonについて / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。
私はMarstonの会員になっておりますが、手続きは至極簡単です。

http://www.marstonrecords.com/html/prefered.htm

HP内にあるこちらのPREFERRED CUSTOMERのページに移動しますと、一番下にチェックボックスがごさいます。
会員として今後リリースされる全新譜を自動的に購入します、または歌物かピアノ物のみの全新譜を購入します、というのを選択すると会員と認定されます。あとは個人情報を入力します。
会員の特典として、このページ内にある特典CDが過去のものを含めて全て貰えます。プランソン、リスラー、ボリ、ヴィーニェスなどかなり魅力的な特典です。
会費はございません。問題はリリースされた商品が購入希望とは関係なしに送られて来て、カードから引き落としになります。たまに興味のない商品もありまして、未聴のまま放置してありますが。それでも私はMarstonによる今後の魅惑的なリリースの為にスポンサーになったつもりで会員を続けております。ちょっぴり嬉しいのはリリース後は直送されてくるので、日本で発売される3ヶ月も前に新譜を入手出来ることでしょうか。パハマンも夏には届いておりました。

ヴァランは大分昔の発売ですから、これからプレス盤を入手するのは厳しいでしょう。

ご参考になれば幸いです。
No.307 - 2012/12/11(Tue) 21:53:49
カラマーゾフの兄弟 / アマデー
カラマーゾフの兄弟、私も読んでみようかな、と思っていますが、お勧めの翻訳はどなたのがよろしいでしょうか?アドバイスをお願いします。
No.302 - 2012/12/02(Sun) 17:00:01
Re: カラマーゾフの兄弟 / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。
多くの方が世界最高峰の小説に挙げる『カラマーゾフの兄弟』を手にとられるのですね。翻訳も重要になってきますので、慎重にお答えしたいと思います。
まず、入手しやすいのは光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳、新潮文庫の原卓也訳、岩波文庫の米川正夫訳の3種類になります。
私の読んだのは新潮文庫の原卓也訳で、躊躇なくおすすめ出来ます。亀山訳と米川訳は読んでませんので、巷間の情報を頼りにせざるを得ません。どうやら最も新しい亀山訳は現代の日本語の感覚に近く、読み易いそうです。長い作品ですので、文章がすらすらと頭にはいってくるのは重要な要素です。ただし、誤訳が一部で指摘されておりますので、ご注意下さい。逆に米川訳は感覚はやや古めになりますが、格調高いと評判は高いです。恐らく原訳はその中間に位置するようで、無難という意味からも私は新潮文庫をおすすめしておきます。

翻訳の印象は作品の印象に関わってくるので、3者3様、吟味してお選び下さい。

『カラマーゾフの兄弟』は複雑な家庭内の憎悪、犯人は誰なのかを軸に読みすすんでいただきながら、神と救済についての対話が核心となります。「神がなかったら、救済もないのか」は日本人にはなかなか理解出来ない観念ですが、無神論が迫る19世紀ロシアでの精神の呻きを読み深めていただけたらと思います。

今後ともサロン・ド・ソークラテースを何卒宜しくお願い致します。
No.303 - 2012/12/03(Mon) 22:44:00
Re: カラマーゾフの兄弟 / アマデー
さっそくご返事をいただきありがとうございました。来週は休暇をいただく予定なので、ぜひ読んでみたいと思います。

音楽関連は、数日前マーストンのパハマン全集を入手しましたので、じっくり聴いていこかなと考えています。
No.304 - 2012/12/04(Tue) 19:55:03
Re: カラマーゾフの兄弟 / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。
クラシック音楽も聴かれるのですね。そして、パハマン全集とはかなりの音楽通ですね。素晴らしい決定的全集ですので、堪能出来ると思います。
それでは、今後とも宜しくお願い致します。
No.305 - 2012/12/05(Wed) 01:35:10
オドノポゾフの件につき / KTakagi [北海道]
オドノポゾフの記事を目にしましたが誤解があるといけませんので少々付け加えさせて戴きたく。VPO、正確には歌劇場の管絃楽団と言うべきかも知れませんが、コンサートマスターは一人で受け持つものではなくシュナイダーハンがそのトップになったと言ってもオドノポゾフ自身は契約の続く限りにおいてはその地位に残れたものと思われます。従いまして、ウィーンで長く地位を楽しめなかつたのは取り澄ました上品さとは無縁というのは些か違うのではないかと思われます。ソリストとしてステージに立つ場合とコンサートマスターとして立つ場合に表現を変えるのも一流の演奏家としては不思議なことではありません。
No.298 - 2012/10/14(Sun) 04:25:19
Re: オドノポゾフの件につき / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。
おっしゃるように通常コンサートマスターは複数名おりますし、オドノポゾフが就任した当時は御大ロゼーが第1コンサートマスターとして君臨しておりました。
思うのはオドノポゾフ自身、ウィーン・フィルのコンサートマスターを長く続けるつもりもなかったと想像しています。完全なソリストタイプで、コンサートマスターを本職にするような人ではなかったかと思うのです。
オドノポゾフがコンサートマスターを退任したひとつの契機となったのはロゼーの後任主席がシュナイダーハンとなった為だと思います。しかし、オドノポゾフにとってコンサートマスターがキャリアの1ステップに過ぎなかったと考えるのと、人気の点でウィーンが好むのはシュナイダーハンであったということで、あのような文章にした訳です。少々面白おかしく脚色した感はありますが、ご容赦下さい。私個人はシュナイダーハンよりもオドノポゾフの方に魅力を感じております。
今後ともサロン・ド・ソークラテースを宜しくお願い致します。
No.299 - 2012/10/14(Sun) 23:18:03
Re: オドノポゾフの件につき / KTakagi [北海道]
誤解があるといけませんが、ゲルバーがロゼーの後継としてシュナイダーハンを引っ張り出してきたのはシュナイダーハンがウィーンで評価されることを見越したためではなく、結果的にシュナイダーハンは評価されたということだと思いますよ。オドノポゾフは米国に長く留まらずに欧州に戻り教育者としての道を進んだ訳ですから必ずしも米国においても求められた演奏家とは言えないと思いますし、また、ソリストタイプであるかどうかの客観的判断根拠は曖昧と思います。
私自身は彼の弾いたドヴォルザークのコンチェルトは逸品であるとは思っていますが。
No.300 - 2012/10/19(Fri) 01:09:52
Re: オドノポゾフの件につき / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。とてもお詳しいので大変勉強になります。
私も結果的にシュナイダーハンが評価されたのだと思います。また、オドノポゾフの録音からも窺われるようにアメリカよりもヨーロッパでの活動の方が重要だったと考えます。ソリストタイプかどうかは今回取り上げた小品の録音、多くの協奏曲録音の印象からで、全く個人的・主観的なものです。
それでは、今後もお気付きになった点などございましたら、いろいろと教授下さい。
No.301 - 2012/10/21(Sun) 21:51:47
(No Subject) / TNT [北陸]
拝啓 主幹様

忘却の末路にあるかもしれませんが、私は以前何年か前エルマンのCDについて相談に乗っていただいた者です。お元気でしょうか?
今年はエルマン生誕120周年の年。先月気付いたのですが、2月にTESTAMENTから新盤が出ていました!!
以前は3000円程していたのですが、只今某所にて2000円を切っております。輸入盤セールの対象なのでしょうか?
主幹様でしたらご存知かもしれませんが、一応お伝えしておきます。

・・・できれば同年ぐらいに収録された「メンコン」を弾くエルマン(THE ART OF VIOLONの冒頭で少しだけ映るもの)のフィルムが第一楽章だけでも残つているなら、是非とも鑑賞したいものです。数少ない在りし日のエルマンの姿を・・・

ところで、レコードの収集はされていますか?
No.296 - 2012/06/15(Fri) 14:14:25
Re: / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
書き込みありがとうございます。こうして情報交換出来ることを嬉しく思います。
エルマンのBBCラジオ・リサイタルですね。これは私も興奮して入手しました。ブラームスのソナタ第1番が初レパートリーとなり、これでブラームスのソナタ全3曲の録音が揃ったことになります。
早速聴きまして、意外やどの曲も1961年の演奏なのにしっかり弾いており、感心しました。コレクター向けにとどまらない、楽しめる演奏でした。
あと、エルマンでは復刻の少ないG&T録音のCD化をどこかやってくれないでしょうかね。

レコードも所持しておりますが、蒐集対象がSP復刻が多いのと、音源重視なので専らCDです。

今後ともサロン・ド・ソークラテースを宜しくお願い致します。
No.297 - 2012/06/16(Sat) 10:00:07
(No Subject) / 大森 [東海]
バルビローリのニールセンで辿り着きました。小生、この曲はバルビローリの演奏で気に入った楽曲であります。チヤールズ・リイドの著書であるジョン・バルビローリ伝にはこの曲の件が記されておりますがハレ管にこの曲を仕込むバルビローリの熱意は流石であると言わざるを得ません。なおバルビローリの愛好家に有名な演奏は当ライブ盤ではなく1959年9月録音の英國パイ盤ではないかと思われます。
No.294 - 2012/02/22(Wed) 21:45:12
Re: / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
大森様

書き込みありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。NIXAへの録音、発売がPYEからというバルビローリのニールセンのことは認知していたのですが、入手可能なCDがなく聴いたことがありません。
実はニールセンは滅多に聴かない作曲家で、受容史のこともわからず、記事にしたライヴの初出時期もわからず、てっきりライヴの方が有名なのかと思ってしまいました。記事は改めさせていただきました。
1959年盤もCD化されましたら是非入手したいと思っています。英バルビローリ協会あたりがCD化してくれると嬉しいのですが。

今後ともサロン・ド・ソークラテースを何卒宜しくお願い致します。
No.295 - 2012/02/23(Thu) 23:36:04
義血侠血につきましての質問 / Karakazeviewview [関東] [ Mail ]
こんにちわ!

空風ビュービューと申します!

初めてお便りさせていただくのですが、泉鏡花の「義血侠血」は、尾崎紅葉の筆が入っていないバージョンも読めるのでしょうか?

文学に興味があり、まだ読みはじめたばかりなのですが、紹介文を大変参考にさせていただいてます!

これから、どうぞヨロシクお願いします!
No.292 - 2011/06/28(Tue) 09:42:48
Re: 義血侠血につきましての質問 / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
空風ビュービュー様

はじめまして。書き込みありがとうございます。
お問い合わせの件ですが、私が読んだのは岩波文庫で、尾崎紅葉が加筆したものでした。私も是非、鏡花のオリジナル草稿を読みたいと思っていました。
しかし、簡単に手に入るものはないと思われます。恐らく鏡花全集には自筆草稿が収録されているのではないでしょうか。
はっきりしたお答えが出来ずに申し訳ございません。鏡花の作品は引き続き渉猟したいと思っています。
何かのお役にたてましたら幸甚です。今後ともサロン・ド・ソークラテースを宜しくお願い致します。
No.293 - 2011/06/28(Tue) 23:30:02
リンク ありがとうございます / Sonore
マルセル・モイーズ研究室へのリンク、ありがとうございます。
No.289 - 2011/01/28(Fri) 23:58:39
Re: リンク ありがとうございます / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
こちらこそカペーSQの貴重な情報をありがとうございました。
今年はティボーのディスコグラフィを公開致します。
今後とも宜しくお願い致します。
No.290 - 2011/01/29(Sat) 17:55:46
Re: リンク ありがとうございます / Sonore
モイーズはParis音楽院でカペーの室内楽のクラスで学んだことがあるそうです。
No.291 - 2011/02/02(Wed) 08:52:00
明けましておめでとうございます。 / syo-hyo
ひさしぶりに書き込みをいたします。
最近、「芥川龍之介全集」を読み続けています。やっと十三巻目まで読み進めました。十三巻目には、「『私』小説論小見」という一文が収められており、久しぶりに私小説について考えてみました。私小説について考察することは、とりもなおさず、わが国の大正〜昭和初期の文学の問題であると思えます。

小説作品に表現された「ほんとう」とは、実際に生じた事実のことなのか、読者がほんとうらしいと感じたことなのかといったことを考えると、読者にとっては、どちらとも「ほんとう」のことだと思われます。ではなぜ、わが国では、「私小説」が多く現れたのかを考える前に、ここで「私小説」のを、「作者である『私』が一人称や三人称で描かれており、描かれた内容が事実である」とだけ定義しておきます。かなり大雑把でありますが。

文壇という組織が、「わたくし小説」に対して、小説作品の中に描かれた事柄が、まがう事なき事実であることを保証していた時代であったからからこそ、わが国において「私小説」が花開いたという感があります。もしも、文壇という職能集団がいなければ、わが国の作家は、「私小説」を創造できなかったと思っています。あ
No.287 - 2011/01/01(Sat) 02:02:50
Re: 明けましておめでとうございます。 / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
初書き込みありがとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。
芥川の作品は殆ど全て読んだつもりですが、このような論評の類いはあたっていないので、芥川がどのようなことを書いていたのか詳しくは知りません。
芥川の場合、谷崎との「筋」に関する論争が余りにも有名ですので、私小説に関してどのような距離感をとっていたのか、興味はあります。どうやら志賀直哉を好んでいたようですが。
私小説というと田山花袋を想起するのですが、どうもそれ以外ではピンときません。
絶対に語り落としていけないのは、小説とは虚構であるという大前提を見失い、私小説という日本独特の潮流が生まれたのは、当時の日本の文壇がゾラを頭領とする自然主義の影響を強く受けていたということです。島崎藤村や田山花袋らが推進した自然主義ですが、本家フランスとは違いネタが乏しく(社会の問題を抉るほどジャーナリズムが発達していないのと、自由民権運動が未成熟なために言論統制の恐れもあったことも鑑みて)、自分の内面を曝け出すことが自然主義文学だという独自の見方が植え付けられたのです。反自然主義の一派である白樺派もこの私小説の手法から逃れていないのは、さらに興味深いことです。
明治維新後に日本人は自我とかエゴイズムとか社会とかいう言葉を知った訳で、西洋的な観念を消化する時間が必要だったのだと思います。特にそれに正面切って向き合ったのが明治後期の作家たちで、私小説は一過性の儀式であったと思います。
文壇という組織が私小説の媒体となったという説は、正直私にはよくわかりません。事実を元に心象を加えたのが私小説だと思います。小説とは虚構であるのに、リアリズムを曲解して独自の発展を遂げたのが私小説だと考えます。
No.288 - 2011/01/05(Wed) 01:05:53
初めまして / まきば [東北] [ Home ]
リパッティでたどり着きました。
ただ好きで30年聞いていた私にとって、衝撃的なページでした。
また新鮮な気持ちでリパッティに接しています。
サロン・ド・ソークラテース主幹様、ありがとうございました。

拙いブログに紹介させていただきました。
No.285 - 2010/05/25(Tue) 08:56:24
Re: 初めまして / サロン・ド・ソークラテース主幹 [関東] [ Home ]
まきば様

書き込みありがとうございます。ブログも拝見いたしました。ご紹介いただきまして恐縮です。
いろんなピアニストを聴いてきましたが、リパッティから受ける感銘を超えることはありません。
CD時代になってから発掘された音源もありますので、それらも聴いてみては如何でしょうか?
拙HPでは他にもいろいろな演奏家を紹介しておりますので、ご覧になっていただけたらと思います。
それでは。今後ともサロン・ド・ソークラテースを宜しくお願い致します。
No.286 - 2010/05/26(Wed) 01:16:57
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投稿後に記事の編集や削除が行えます。
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