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掲示板 DC

こちらは、陸内(くがない)なるみのDeepCollectionの掲示板です。
2022年4月から作品発表をピクシブに移行しておりますので、この掲示板では近況や更新情報などを載せていくことになります。
 pixiv:80426221 です。

私信 / なるみ
私信 

S様。ご無沙汰しております。
たくましい日向の背中を拝見しました。いいっす。素敵っす。若島津が惚れるのも無理のないいい男ですね〜。
イラストの更新とってもうれしかったです。ありがとうございました。
No.1149 - 2021/06/21(Mon) 22:14:42
ありがとうございます! / S
ご無沙汰してます!
Twitter見て下さってありがとうございます(^^)
なるみさんのSSから勝手にイメージ拝借させていただきました。喜んでもらえて良かった〜w

本日更新の新作、二人が幸せすぎて朝からニコニコが止まりません。大人になって離れてから気持ちに気付くパターンもいいですよね。気付かずに過ごしてきた時間を取り戻すようにお互いを大切に思うところにキュンとなります…
こちらこそいつも萌えをありがとうございます!
どうぞお体に気を付けて(^^)
No.1151 - 2021/06/23(Wed) 09:46:35
S様 / なるみ
こんにちは。勝手に掲示板での私信ですいませんでした。
私Twitterをしてないものですから、そちらでの書き込みが出来ず失礼しました。
お返事ありがとうございます。
イラストかっこよかったです。鋭い視線も魅力的。
私もS様に萌えていただけるようにこれからも頑張ります。S様も無理はなさらず、でも煩悩が溢れたらぜひ形にしてみてくださいね。ちなみに日向誕の用意はいかがなものでしょうか。楽しみにしてます。
それでは失礼いたします。
No.1152 - 2021/06/23(Wed) 21:43:02
お見合い / なるみ

 カーテンの隙間からさす朝の光が柔らかい。
 心地よい目覚めだ。
 そこで俺は隣りに人の気配がないことに気づいた。
 昨日睦み合ったベッドには俺だけが取り残されていた。
 若島津のことだから、昨夜の余韻をいまごろこっそりシャワーで洗い流しているのだろう。
 そしてすぐに、洗濯をするからとシーツをはがしにくるに違いない。
 それから朝食も完璧に用意して俺をねぎらってくれる。
 適当でいいと言っても妥協はない。
 きちんとしていると思う。
 時間とか約束とかにも細かい。
 真面目だし、お堅い。頭が固い。
 そこがいい所でもあるのだが、俺にはちょっとややこしかった。
 たまには殻を破って欲しい。
 もっと自分を解放して欲しい。
 俺の腕の中でももっと素直に乱れて欲しい。
 せっかく恋人同士になったのだから、俺と同じくらい激しく我を失くすくらい求めて欲しいのだ。
 今のままじゃ俺の気持ちだけが空回りしているようだった。
 学生時代はまったくそういう雰囲気ではなかったのに、成人してから俺たちは互いを恋焦がれるようになった。
 実は昔から互いに心憎く思っていたらしいのだけれど、二人とも鈍いのか馬鹿なのか、そういう事態にはならずに過ごしてしまっていた。
 恵まれた環境にいすぎて現状維持で時が過ぎてしまった。
一緒にいることが当たり前すぎて、離れてから思いに気づいたようなものだ。
 俺はイタリアに旅立ち、若島津は国内でプロとして活躍している。それぞれが独立して戦っている。
 強くなったものだ。誇らしくさえ感じられた。
 そして距離がある分愛情も深くなるようだと俺は感じていた。
「日向さん」
 寝室のドアが開かれ自慢の恋人が顔を出す。綺麗な黒い眼が真っすぐに俺を見つめた。
「おはようございます」
「おう、おはよう」
「もう起きてください」
 洗濯機を回したらすぐに食事だと、出かける時間を考慮に入れた逆算の計画だった。無駄がない。
 そう言えば、買い物に行きたいと言っていたっけ。
「若島津、出かけるのはやめて一日ベッドにいないか」
 俺の予定変更の誘いは冴えた視線に流される。
「前から約束してたじゃないですか。はやく支度してくださいよ」
「なにが買いたいんだよ」
「特には決まってませんけど……」
「だったら取りやめてもいいだろ」
「でも」
「『でも』?」
「俺、日向さんと出かけたかったんです」
 はにかむような口調にいじらしさを感じた。
「俺と一緒にいたいってんならベッドでだっていいだろ」
 いつも通り強引な俺は恋人に向けて手を差し出す。若島津はおとなしく俺の元によってくると、それをしぶしぶ手に取った。
「あ、そうだ。今夜は帰るぜ。母ちゃんが大事な用があるってさ。時間決められてんだ」
 続けて「悪いな」と言おうとした俺の前で、突然若島津はぽろりと涙を零したのだ。
 驚いた。
「え、なんだよ。どうしたんだお前」
「どうしてそういうこと早く言わないんですか」
 怒って言う声が怒りに震えている。
「大事なことじゃないですか。今夜も一緒にいられると思ってたのに。今夜も日向さんの腕の中で眠れると思ったのに……」
 つぶらな瞳から涙が伝う。
 若島津。
 お前けっこう大胆なこと言ってくれてないか。
「いや、母ちゃんあの通りの人だから断れなくてな。なんか人と会って食事するとかって言ってたな。でもまたすぐ明日こっちに戻って来る気だから機嫌直せよ」
 とんぼ返りするという俺の無謀な計画に若島津は眼を見開いた。
 4日間の一時帰国なのにあまりに密なスケジュールだ。
「そんな無駄なこと……」
「無駄じゃねえだろ。お前となるべくたくさん一緒にいたいんだから努力もするさ」
 若島津は人差し指の関節を顎にあてて思案する。
 不安げな顔だ。
「お母さんの用って、……日向さんのお見合いかなんかじゃないんですか」
「え、見合い?」
「なんとなくそんな気がするんですけど」
 若島津は勘がいい。
 だから、落ち込んだような声音も相まって信ぴょう性がある気がした。
 確かに、ホテルのロビーで待ち合わせて誰かと食事だなんて、考えてみればあやしい。
 まさかな。
「だったら断るよ」
 俺はそういうことに鈍いから母ちゃんにうまく騙されたのかもしれない。
「いえ、なんとなくそう思っただけで……」
「いや、多分お前の言う通りだろう」
「日向さん」
 俺は若島津を誘うように手に力を込めて引いていた。ベッドに引きずり込む。
「あっ、……なにするんですか」
「母ちゃんには電話して確認しとく。もし見合いだったらさっさと断るさ。お前との時間は貴重で大切だから少しでも一緒にいたい」
「家族との時間だって凄く大事ですよ」
 このままなだれ込むのに抵抗感があるらしく、若島津は不機嫌そうに手を振りほどいて俺から逃げた。
「お前だってもう家族だよ。俺の伴侶だ」
 強引な宣言に俺の伴侶の身体の動きが止まる。
 若島津はベッド脇に佇み、困ったようなどきどきしたような複雑な顔をしていた。
「それってどういう意味ですか」
「まあ、プロポーズってとこかな」
「家族、伴侶、プロポーズ……。どれもいい言葉ですね」
 思いのほか穏やかにそれらの言葉を噛みしめてくれている。
「受けてもらえるか」
「日向さん……」
「もう見合いなんて設定されないようにそうそうに一緒になっておこうぜ」
「俺なんかでいいんですか?」
「お前でなきゃだめなんだ」
 再び近寄って来てくれた若島津の身体に手を伸ばす。背中に手を回して信頼のハグとキスとを交わした。
「今日の買い物は決まったな」
「なに買うんですか」
「指輪に決まってんだろ」
 俺の言葉に若島津は一瞬息を飲み、それからまた清らかな涙を照れくさそうに零したのだった。
No.1150 - 2021/06/23(Wed) 06:32:26
素質 / なるみ




 俺は若島津を愛している。それなのに、意地悪とか、辱めとか、そういうもので縛ってしまう。
「お前の泣いてる顔、好きだぜ」
 耳たぶを噛み、繋がった腰を緩く動かす。若島津は眼をぎゅっとつぶった。
 噛みしめた唇が赤い。
 裸の胸が大きく上下する。
 見惚れるほど色っぽい。
 若島津という存在は、いつだって俺の欲情に火をつける。
 この強く清廉な男を手に入れることが出来た幸せを、いったい何に感謝しようか。
「痛いのか?違うよな。中が締め付けてきていい具合だぜ」
「やだっ」
 生々しい言い様に頬が赤く染まる。
 いい眺めだ。
「もう、我慢出来ねぇよ」
 俺は激しく腰を突きあげ始めた。
「あ、ああっ、いや…ぁ。ん、んっ……だめ、日向さん。そんなのだめだ。激し…い……」
「激しいほうが、好き、だろ」
 二人とも言葉が途切れがちになる。
「そんなことは……、う…っ、うう……ああぁ!」
 無慈悲な動きは緩めずに、俺は卑しい言葉を積み重ねた。
「こんなに…いやらしい身体してるとは……思わなかったぜ。お前、みたいなの……淫乱って言うんだな」
 俺はCENSOREDを引き出しまた突き入れた。その動きを何度も繰り返す。
 腸壁を擦り上げられる辛さがどんなものだか知らないが、若島津の身体はその卑猥な感触に身震いするほど興奮するらしかった。
 少しの時間を置いて、恥ずかしげもなく白い下腹がうねり出す。
「腰、動いてるぜ」
「……」
「欲しがってるくせに、遠慮するなよ」
 そして俺は若島津の耳元で『淫売』と囁いた。
「やめろよ……、やめて…くれ」
 俺はかわいそうな若島津の腹の中にスペルマを放つ。
 それから、荒い息のまま腰を引いた。
 恥部からはくぷっと精液が滲み出て来る。
「まだ欲しいんだろ。ケツの穴ひくひくさせて」
 そして赤みの増した肛門に指を沈めた。
「あ」
 前立腺を刺激されて若島津は逃げ場がない。
「触るな、よせよ。よしてくれ」
「お前ケツだけでイケるんだもんな。すげぇよ」
「言うな……、あ、あ、あああぁ」
 さほどの間もなく若島津はイッた。
 指の動きだけではなく言葉でも辱められて感じたのだ。
「誰が、誰が俺をこんな風に………」
「俺のせいだって?ふざけんなよ。お前、元から素質があったんだよ」
 若島津は傷ついた眼をしている。美しすぎるそれに俺は胸を突かれた。
 しかし正直にはなれない。
 弱さを見せてはならない。
 若島津を縛る執着の紐を緩めてはならない。
 俺は卑怯者でいい。悪者でいい。
 でなけりゃ男のお前を自分のものになんか出来ない。
 お前は俺を恨んでいろ。
「お前みたいな奴、相手にしてやるのは俺くらいなもんだぜ」
 卑怯な言葉で若島津を縛る。
 絶対に離さない。
 そのためにならどんな酷いことでもする。
「いい加減あきらめろ」
 再び兆したCENSOREDで濡れほころんだ箇所を裂く。
「ひっ」
 痛々しい声を漏らしたが、若島津の下肢は猥褻な動きをした。俺の腰に絡みつく脚。
 よくなってるのだ。いつもそうだ。最初は嫌がっているくせに一線を越えると呆れるほどいやらしい。
 本物の淫乱なのかもしれない。
 俺の息子は嬉々として温い腸内を突き進む。
 若島津は俺の欲望にかき乱されて淫らな声を上げた。
 密かで艶やかな歓喜の悲鳴。
「いや、や。………ああ、あ、あ、……いい。いい……よ、もっと……」
「気持ちいいのか」
 理性が飛んでしまったのか、無意識に頷く様子がいとけない。
「俺もだよ。気持ち……いい…ぜ」
 若島津の肉棒を俺は手に取る。残酷なほどの力を指に込めて扱き上げた。
「やっ、あ、そんな……に、しない……で。……ひぃ…っ!!」
 すすり泣くあまりのかわいさに俺は舌舐めずる。
 若島津を好きにしている実感が眼が眩むほどに楽しかった。
 俺は激しく腰を使って若島津の肉体の秘密をさらけ出させる。
「いくぜっ」
「あ、日向さん、………ああああ!」
 さっき放ったばかりのはずなのに、まだ残っていたらしい白濁液が若島津の震えるCENSOREDから滴った。
No.1148 - 2021/06/16(Wed) 00:27:15
絆創膏 / なるみ





「若島津、これちょっと貼ってくれ」
 差し出されたのは大きな絆創膏。風呂上がりの背中。肩甲骨にそっての派手な擦過傷。傷に貼ってくれと頼まれる。
 いつもならこんなものいらねぇと言いそうなところだが、今日の傷は大きすぎた。裸でねたならシーツを血で汚してしまいそうで、指示された通り貼ったほうがいいと判断したらしい。
 無造作にさらされた逞しい浅黒い肌に、若島津はドキッとする。
「薬、塗りますね」
 何気ない顔で、渡されたチューブから薬を押し出した。
 血の止まってない部分がある。
 そっと指で傷に触れた。
「いて」
「すいませんっ」
「ああ、かまわねぇ。さっさとやってくれ」
 少し渋い顔をしているのはやはり染みるからだろう。
「………」
 処置をすませ、若島津は日向の素肌の肩を軽く叩いた。
「はい。完了です」
「すまねえな」
 日向は振り返って若島津に相対する。日向の視線はいつもまっすぐだ。
「気を付けてくださいね」
 彼は顎を引きうつむきがちになる。何とも言えない感覚。微妙な息遣い。速くなる胸の鼓動。
 日向の眼がまともに見れなかった。
「なんだお前、眼が潤んでるな」
「え」
「俺のヌードに欲情でもしたか」
 日向らしくない軽口だった。
 若島津が嫌うタイプのからかい。
 瞬間しまったと慌てた日向だが、謝罪する前に若島津の表情の変化に気づく。
 彼は真っ赤になって震えていた。
「どうした」
「なんでもありません」
「お前震えてるぞ、それに顔も赤い」
「………」
 困って視線が揺らぐ。若島津はこの場から逃げ出したくなっていた。
「お前ほんとに俺を見て欲情したのか」
「違います」
「違わねぇだろ、やばい顔してるぜ。やっちまってもよさそうな。誘ってるみたいな顔だ」
「やっちまってって……」
 たとえがヤバすぎる。
 生々しい言葉は彼の脳裏にエロティックな場面を浮かび上がらせた。
 彼は日向を好きなのだ。ずっと恋焦がれているのだ。
 そのうえこんな風に日向と性的な話をするのなんて、はじめてのことだった。
 特別で卑猥な感じがする。
「そういうかわいくていやらしい顔されたら、俺だって欲情しちまうよ」
 からかいだか本気だか分からない日向の台詞を受けて、彼は一歩を引いた。
 自分の身体の熱さを知られたくない。だというのに日向は容赦がなかった。
 彼が引く分だけ同じように詰めて来る。
 あっさり壁に背中がついて、若島津は息を飲んだ。
「興奮してんだろ。いいぜ、俺は」
「なにがですか」
「お前がされたいこと、してやるよ」
 若島津は反射的に泣きそうになる。
 そういう事じゃない。
 彼は心が伴わないのは嫌なのだ。
 興味であしらわれるのも、憐れまれるのも、どちらも嫌だ。
 日向が自分に恋してくれたらいいのに。
 自分が好きなのと同じくらい日向も自分を好きになってくれたらいいのに。
「なに泣いてんだ」
「泣いてなんか……」
「悪かった。からかったみたいになったけど、違うんだ。つまり俺は、なんかうれしくて……。お前の望みをかなえてやりたいって意味だ」
「日向さん」
「お前の狼狽した顔とか、焦った声とか、恥じらった感じとか……、みんな俺を興奮させた」
 そして日向は彼の耳元に唇をよせて来る。
「いつも強気なお前がそんな顔するのも、泣くのも、俺に取っちゃ想定外で……。欲情したんだ」
「嘘」
「信じてくれ。俺は本気だ。真剣だ。証拠を見てみるか」
 証拠ってなにをと言いかけた彼の前で、日向はジャージの下を太ももまで引きおろした。
 白い下着の中心部が確かに大きくなっている。
「お前のほうはどうなんだ」
「え、え、その、あの」
 慌てる彼の股間に日向の手が触れて来た。
 しびれが走る。
 唇がわななく。
 布の上からでも分かる熱に日向は嬉しそうに口元を歪めた。
「やっぱり俺に欲情してたんだな」
 さらに力を込めて股間をいじられて、若島津はどうにもならなくなる。
「日向さん。どういうつもりで、ん、あ……」
「お前分からないのか」
 彼は唇を噛んだ。
 まさかという期待と絶望とで頭はぐちゃぐちゃだ。
「身体が教えてるだろ。お前は俺に、俺はお前に、欲情したってことだ。難しく考えるなよ。両想いってことだろ」
 両想い。
 あまりに幸せな言葉に身体から力が抜ける。
「若島津好きだぜ」
「日向さん……、あ、あ、……ああっ」
 彼は『俺も好きです』と胸の奥でつぶやいた。
 気持ちが通じたかのように日向が笑う。
 若島津もまた幸福感と快楽と酔った。
「そんなに緊張するなよ。大事にしてやるから」
「うっ」
 日向の手は彼の股間を下から救い上げるような位置になり、彼はその行き過ぎた戯れから逃れることができなかった。
No.1147 - 2021/05/29(Sat) 22:57:48
気持ちいい / なるみ



 寮の消灯時間を過ぎて俺達には大事なひとときが訪れていた。
 先日はじめて身体を重ね、いわゆる蜜月と言ってもいい時期なのに、若島津は行為にいまだ抵抗感を持っているようなのだ。
 男同士の行為は禁忌だと、結実のないSEXは認められないと、いやになるほど古めかしい頭をしていた。
 俺は若島津の内股にいやらしく舌を這わせている。
 俺の肩に支えられて宙に浮いた足先が、感じてピンと伸びていた。
「もういやだっ……て。日向さん、あ……ん、んん、そういうのダメ………」
「『ダメ』じゃなくて『いい』んだろ。ほら」
「ああっ」
 探求心の塊のような俺の舌は、目の前で屹立しているものの先端をぺろりと舐める。
「あー」
 切羽詰まった悲鳴を上げ、腰を淫らにくねらせ、どう見ても欲しがってる様にしか見えなかった。
「お前いやらしい格好してるぜ。自覚してるか」
 下腹の微妙な動きに煽られた俺の息は熱く深い。
 シーツの波に縫い留められた白い姿態。
 若島津は罪深い魔物のようだった。
 夜になり、俺に組み敷かれると、本人の意思を裏切って魔的な表情を表すのだ。
 昼のすました顔とは真逆の淫乱な顔。
 どんな男だって胸を射抜かれてしまうに違いない。
 興奮する。
「あ……。いやだ、そこ、舐めないで」
「気持ちいいだろ、遠慮すんな」
「俺、すぐイっちゃうから、そういうのいやだ。恥ずかしい……」
 顔を赤らめての懇願も俺にとっては誘い文句だ。
「いいよ。何度でもイケよ。気持ちいいだろ。たっぷり味わえ」
 指でくちゅくちゅとCENSOREDを弄びながら先端の溝を吸い上げる。
 白い肌が細かく震えた。
「ダメ、ダメェ……」
 儚い声がベッドの上で繰り返しあがる。
「気持ちいいの、ダメ」
 なんだよ。気持ちいいって認めてるんじゃないか。
 白濁が伝って来たCENSOREDに俺はさらに作為を加える。
 根元から先端へ、指の腹で皮膚を押し上げる。
 ぬるぬるしていた。
「これ、気持ちいいのか」
「あ、ああ、あっ」
 若島津の顔が、声が、精神が少しづつほどかれる。
 後ろを探り小穴に中指を沈めた。
「いやっ」
 我慢できないといった声を出しながら、尻が赤裸々に揺れる。
 俺は身体を進めた。
「俺のちんちん入れて欲しいって言えよ」
「………」
「若島津。もっと気持ちよくしてやるから言うこときけ」
 火照って赤い頬をするりと撫でると俺は腰を密着させた。
「気持ちいいのは誰だって好きだぜ。お前も素直に味わえよ」
 命じた唇で柔らかい皮膚に所有の印を刻む。
「日向さん……」
 まだ抵抗する気なのか、涙目になっている若島津に唇を押し付ける。戸惑っている舌を説得するような熱意で吸った。
「……っ」
「若島津。俺を悪者にしていいから。お前はなにも卑屈になることはないから……気持ちいいこと受け止めてればいいから……」
 俺の舌は肌を滑り喉元から胸へと下がっていく。
 訳が分からなくなるくらいの快感を、蕩けて正気を失くすくらいの愛撫を、白い身体の上から降り積もらせる。
「日向さんっ、あ、あああ!」
 身体中愛され意識も翻弄されて、若島津はとうとう俺の肉欲をその身に迎え入れた。
No.1144 - 2021/04/18(Sun) 00:53:10
自分のペースで / なるみ
実は、病気や手術があって職場のお休みもらったり、環境がかわったりで、ここ三年くらいまさに怒涛の日々だった訳です。
でもなんとか掲示板でのSS発表は続けて来られましたし、これからも続けたいと思っています。
自分のペースで月に一二本書けたら上出来。そんな気持ちで無理せず継続して行けたらいいな。
これからもおつき合い頂ければありがたいです。
No.1129 - 2020/12/11(Fri) 23:06:31
Re: 自分のペースで / S
「挑発」、いつになく欲望をむき出しにした若島津にヒリヒリしました。たまには日向を追い詰めて違った意味で悩ませるのもいいですね!

今年も萌えをたくさん頂きありがとうございました。月に1〜2本でもなるみさんのSSを拝見できれは幸せです!無理せずマイペースで!お体に気を付けてなるみさん自身が楽しんで活動されて下さいね。これからも楽しみに拝見させていただきます(^^)
No.1130 - 2020/12/12(Sat) 10:46:18
S様 / なるみ
S様こんにちは。いつも読んで下さってありがとうございます。
「挑発」、ちょっと珍しいテイストでお届けいたしました。色々なタイプのお話が書けるようになりたくて日々鍛錬しております。様々に料理出来るのでコジケンは本当に奥深いと感じます。だからやめられないんですよね
もっとスピード感をもってSSが量産できたらいいのになぁ。志は高く、けど無理はせず、楽しんで続けられたらいいと思います。
S様もお身体に気をつけてお過ごし下さい。では。
No.1131 - 2020/12/12(Sat) 21:42:14
挑発 / なるみ





 日向の不機嫌は続いていた。
 ここのところ常にピリピリしているので周りも近寄ってこない。
 けれど一番近くにいる人間は平気な顔をしていた。
 いや、日向の不機嫌の元凶は彼だったのだ。
「俺をこんな風に悩ませやがって」
 同室の彼らは顔をつき合わせない訳にはいかない。
 日向の絞り出した声を若島津は余裕で交わす。
「俺はなにもしてないですよ」
「ふざけるな」
 苛立ちが眉間に皺をよせさせる。
「俺が日向さんを好きだって言ったから、それでそんなに揺れ動いてるんですか」
 先日日向は彼から告白された。
 友情や親愛ではなく、愛情と欲望とを抱えていると。
 まっすぐに前に向かって行く日向に、振り返って抱きしめて欲しいのだと。
 そう望んだ。
 彼は『俺はおかしいんです』と平静な表情で言った。
『男なのにあんたに抱かれたいんです』と。
 ずっと仲間として過ごし共に戦ってきた友からの告白は、日向の常識をひっくり返した。
 そして自身の中に捉えようのない感情を見つけてしまったのだ。
 どうしたらいいか分からないそれが、戸惑いと苛立ちとを生んだ。
「男同士なんだぞ。そんな簡単に受け入れられることか」
「日向さんがそんなに繊細だとは思わなかったけど」
 そこで深く重いためを作って、若島津は冷えた視線を流す。
「いまの日向さん、滑稽ですよ」
「このっ」
 日向はモラリストだ。
 父親をはやくに亡くしたせいで責任感が強い。
 家族というシステムに重きを置いている。
 誰か優しい女と結婚して子供をもうけるのが当然だと思っている。
 早く母親を安心させるのが当たり前だと考えているのだ。
 そんな思考に若島津の捨て身の告白は大きな罅を入れた。
 若島津は、自分の気持ちが受け入れられないだろうという覚悟をしていた。それでも伝えたかった。日向を手に入れたかった。だから、捨て鉢になって吐き出してしまったのかもしれない。
 彼の無謀な告白。
 それは日向にすぐに否定されて終わるはずだった。
 呆れられ、ばかばかしいと投げ捨てられるはずだった。
 なのに日向は真剣に悩んでくれた。
 だから彼はわずかな可能性があるのを知ったのだ。
 嫌われてもいい。一度だけでいい。
 日向と肌を合わせたい。
 彼は欲望を消すことが出来なかった。
 そして日向という孤高の存在に付け込むことが出来るかもしれないと期待した。
「俺を好きかどうか分からないんですよね」
 痛みのある言葉は彼の口からするすると零れる。
「だったら一度試してみたらどうですか」 
「どういう意味だ」
「俺を抱いてみてください。そうしたらいくら鈍いあんたでも自分の心が分かるはずです」
 なによりもいざとなって肉体が反応するかがバロメーターでもあるだろう。
「よせよ」
 唾を飲み込んだ喉が動く。
 しかし日向は逃げはしなかった。
「理解したいんでしょ。俺のことも。自分のことも」
 そっと手をのばして、彼は日向の浅黒い頬に触れる。
 吐息が近づいた。
 どこか不思議で、魔的で、淫靡な空気。
 若島津の瞳は悩ましく扇情的に潤んでいる。
 彼らが今までに纏ったことのない生々しいそれが、寮の部屋に重々しく沈む。
 若島津は乾いてしまった唇を舌先でゆっくりと濡らした。
 胸に興奮と痛みとを覚えている。
 ジャージのジッパーを下ろして日向の手を素肌の喉元に招いた。
 こんな真似が出来るなんて思っていなかった。
 まさになりふり構わずだ。
 いやらしくさえ思える囁きで彼は思い人を挑発する。
「欲しいんです、日向さんが」
 日向の眼が獣の眼のようにぎらつき出すのを夢のように感じながら、彼は恥ずかしげもなく淫猥な挑発を続けたのだ。
No.1128 - 2020/12/11(Fri) 00:04:51
盗む / なるみ





 若島津は、日向が横合いから自分を見ていることに気づいて、勉強していた教科書をぱたりと閉じた。
「なにじっと見てるんですか」
 我知らず警戒したような声を上げる。
「いや、お前かわいい顔してると思って」
「かっ」
 瞬間彼は頬を火照らせた。日向の視線から逃れようとノートで顔を隠す。
「ばかなことを」
 非難するのをなにげにいなして、日向は考えを廻らしながらいつもより饒舌に続けてきた。
「いや、小学校の時はなんかもっときつい雰囲気があったけど、中学生になってから穏やかになったというか。もちろん覇気が減ったわけじゃない。ゴール前では相変わらず頼りになってる。けど、なんか俺が見る限りではお前は俺に対してだけ特別で柔和な顔を見せている。それがすげぇかわいい」
「そんなことは……」
 意外な観察眼と大胆な指摘とに驚き、彼は眼を大きく開ける。
「なんだよ。自覚がないのか」
「……」
 自覚はなかった。
 でも、日向の言う通りなのかもしれない。
 日向のことを自分は特別に見ている。
 それがそんな雰囲気を醸し出してしまうのだろうか。
 戸惑う彼の顔に不意に影が差す。
 日向が立ちあがって間合いを詰めてきたのだ。
「日向さん」
「俺はうぬぼれてもいいだろ」
 疑問符でもなく、許可でもなく、それは宣言だった。
 慣れているのではないだろうが堂々とした仕草で、彼の顎を指先で持ち上げてくる。
「なにを」
「だまれよ」
 命じられて反射的に噤んだ唇は、あっけなく日向に盗まれてしまったのだ。
No.1127 - 2020/11/25(Wed) 23:23:20
ため息 / なるみ







『なんであんなことしちまったんだろう』
 日向は考えていた。
 若島津はすごく驚いて顔を赤くしていたが、よく考えればそれも無理はない。
 彼の綺麗な髪が気になって、なんとなく触れたり頭をポンポンと撫でたりすることは、今までにもよくあった。いづれも弟妹達にするような親しみ方だ。そう思っていたのだがどうやら違ったらしい。
 過剰なスキンシップだったのだと彼の慌てふためいた様子から察して、さすがの日向も気まずく思った。
 別にからかった訳じゃない。
 思ったことをしたまでだ。
 思ったことを言ったまでだ。
 本気で舐めたいと思ったのだから。
 最終的に逃げるように部屋を出て行った若島津のうなじは真っ赤で、痛々しさすら感じさせた。
 なのに、不埒なことに、それは日向の持つ獣性を刺激したのだ。
 凶悪な感情が頭をもたげた。
 熱が身体中を駆け巡った。
 食らいつきたいと思った。
 舐めるよりもさらにレベルアップしていることに自分ながらに呆れる。
 若島津が部屋に戻ってきたらなんと声をかけようか。
 やっぱり『悪かった』が無難だろう。
 それとも正直に、欲望の赴くままに懲りずに『舐めさせてくれ』だろうか。
 でもたぶん『お前が欲しい』というのが正解だろうと感じている。
 もっと触れたい。
 もっと大胆に。
 もっと深く。
 心の底から彼を欲しがっている自分がいる。
「若島津……」
 青い情熱を持て余して日向はらしくないため息をついていた。
No.1126 - 2020/11/14(Sat) 21:45:46
鉛筆 / なるみ






 願掛けのように髪を伸ばし出してから随分になる。
 普段、勉強の時などはゴムでまとめて邪魔にならないようにしているのだが、さっきから肝心のゴムが見当たらない。
 仕方なくペン立てから鉛筆を引き抜いた。
 手で髪をまとめてひねり上げ、その中心をすくい取って鉛筆を器用にくるりと回す。
 かんざし代わりに応用したのだ。
「お前よくそれで髪が止まるな」
 鉛筆でまとまった後頭部をしげしげと眺めて、日向は感心して言った。
「一本で止めちまうんだから器用だよな」
「姉貴に教わったんですよ」
 若島津は何でもない事のようにこたえて微笑む。
 綺麗な顔だった。
 日向はちょっと見惚れてしまう。
 最近彼はなにか変わっただろうか。
 いや、変わったのは日向のほうだろうか。
 自問自答しながら囁いた。
「髪、長くなったな」
「そうですね」
 若島津の受け答えは普通だった。
 変なのは日向のほうだ。
 日向は彼の背後に立ったまま動かない。
「なんですか?うまく止まってませんか?」
 ぶっきらぼうな視線を感じて若島津は聞いていた。
 日向はまだ動かない。
「……いや、ちゃんと止まってるぜ」
 くぐもった声が寮の室内に低く響く。
「ならなんで突っ立って…って、ひゃっ」
 若島津は突然変な声を上げてしまっていた。
 うなじになにかが触ったのだ。
 ぬるりとしたなにか。
「日向さん、なにして……」
 右手で首筋を押さえて立ち上がる。
 もしかして舐められた?
 思い至って彼の全身が震え出す。
「お前のうなじ綺麗だな」
 首筋を晒すのはなにも初めてではないというのに、なんて感想だ。
「白くて、つるっとしてて、俺の肌とは全く違うな」
「なにを今さら」
 日向の日本人離れした褐色の肌と比べたら、誰だって違う色味だろうに。
「なんか今日はお前のうなじがすごく気になってさ」
「気になったら、その、そんなことするんですか?」
『舐めるんですか』とは聞きづらくて、たどたどしい問いかけになる。
「いや、本当に、綺麗だしうまそうだからなんとなく」
「なんとなくって、なんとなくって、うわー!」
「叫ぶなよ」
 隣りの部屋から級友がすっ飛んでくるかもしれない。若島津は口を噤んだ。
「うまかったぞ」
「うまいって……、勘弁して………」
 なに言ってくれちゃってるんだ、この人は。
 非難する視線を気にすることもなく、日向はのんきに言い放つ。
「また舐めさせてくれ」
「なっ!!」
 とんでもない申し出に衝撃を受けていた。
 そして、うなじを両手で守ったまま若島津は勉強机に突っ伏したのだ。
No.1125 - 2020/11/09(Mon) 23:38:38
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