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掲示板 DC

こちらは、陸内(くがない)なるみのDeepCollectionの掲示板です。
2022年4月から作品発表をピクシブに移行しておりますので、この掲示板では近況や更新情報などを載せていくことになります。
 pixiv:80426221 です。

痛み / なるみ




「冬場になると古傷が痛むってよく言いますよね。若島津さんもそうなんですか」
 タケシの邪気のない問いかけに若島津は苦々しい顔を見せる。
 痛むのだろうと察して、出来た下級生は恐縮したようにねぎらった。
「すいません。どうぞお大事にしてくださいね」
「そうだな。大事にしろよ」
 横合いから、低い声が後を続ける。
「まだ痛むんだからな」
 若島津のことなのに日向が答える。自分のことのようだ。
 引き取って言うのに違和感がないのは、彼らの関係性の特殊さのせいだった。
 高校生になって、タケシもなんとなくふたりのことを察しているらしく、さりげなく流した。
「それじゃあ僕は失礼します」
 礼儀正しく去って行くのを見送って、日向はにやにやと笑う。
「痛むのか」
 対して若島津はいやそうに日向のにやつきを睨んだ。
 なにか言いたそうだが口にできない。
「あんなに舐めてやったのに?」
 いやらしい囁きに虚をつかれて、若島津は頬を染めた。
 薔薇色だ。
 その美しさは日向を魅了してやまない。
 そんな可憐な表情を見せるのは無意識の誘惑だと、いつも日向は彼を責めて来る。
「バカなこと言ってないでください」
 気色ばむのはここが寮の食堂だからだった。
 幸い近くに人はいない。
 昨夜も彼は日向に愛されて、背後から肩の傷を舐められていた。
 不思議と痛みが和らいだ気がするのが悔しい。
「今夜も舐めてやるぜ」
「……」
「痛むんだろ」
「いやです。日向さんしつこいから」
 そう思わず強く言ってしまってから、若島津はあせって周りを伺った。
 迂闊だった。
 誰かに聞かれたら厄介だ。
 気にする様子に日向は笑う。
「お前警戒してんのか」
「当然でしょう」
「もういい加減ばれてるぜ」
 若島津は唇を噛んだ。
 周りの態度が変わらないのだから気づかれてないと彼は主張し、もうばれてるけど理解があるだけだと日向は楽観的だ。
 はたしてどちらが正しいのか。
 気にはなるが確かめることはできない。
「たぶんタケシも気づいてる。あいつだってそうそう子供じゃない」
 信じられない言葉に、若島津はショックを受けて沈黙した。
 タケシのことだ。知ったとしても彼らへの尊敬は揺らがないだろう。
 それでも、ことがことだけに赤裸々すぎて恥ずかしかった。
「せっかくみんなが気を使ってくれてるんだ。期待に応えなきゃ悪いじゃないか」
 いつもいつも隙を見せれば誘ってくる日向に、彼は抵抗ばかりしている。そして結局は流されてしまうのだ。
 でも、それくらい強引でなければ彼らはこんな関係にならなかった。
 彼は人目ばかり気にして、モラリストで、なかなか事実を受け入れることができなかった。
 だから、すべてを打ち破った日向の愛の強さには感謝しなければならない。
 日向が好きだ。
 胸の内で儚い息をつく。
「なあ、若島津」
 少しほだされかけていた彼の肩を、遠慮のない腕が場所もわきまえず抱いてきた。
「今日も後ろからでいいか」
 さらにさらに遠慮のないはっきりした声での誘い。
 聞かれるとか、見られるとか、それでどうにかなってしまう可能性とか……緊張感がなさすぎる。
「いてぇ」
 若島津の指先が日向の手を思いっきりつねっていた。
 手を引っ込め、それでも日向はにやにやと笑っている。
「お前のそういうとこも好きだぜ」
 もうなにを言っても日向には敵わないと、若島津はあきらめのため息をついていた。
No.1183 - 2022/02/18(Fri) 23:29:09
黒い宝石 / なるみ




 黒々として綺麗な眼だ。
 俺は若島津の眼を上から覗き込んでいた。
 たしかこんな風に美しい黒い宝石があったはずだ。
 俺は若島津を押し倒した体勢で、これからどう行為を進めようかと伺っていた。
 出来ることなら傷つけたくはない。
 だが、場合によっては無理やりにでも犯してやるつもりだった。
 戸惑ってパチパチと瞬きをしているのを、間近から見下ろす。
 まつげも長いな。
 思わず見惚れていたら、突然の抵抗に見舞われた。
 俺の胸を手のひらがついてくる。
「なにしてるんですか」
 無言のまま俺はさらに伸し掛かった。
 むずかるのをきつく抱きしめて制する。
「放してください」
 戸惑いに声は震えていた。
「放さねえよ」
 抱きしめたまま動きを止める。
 俺の狂熱は着実に若島津に伝わっているはずだった。
「俺はお前が好きなんだ」
「日向さん」
 耳元での囁きに思い人は首を竦める。
「お前を抱きてえんだ」
 若島津は顔を歪めた。
「バカなこと言わないでください。俺は男です」
 一番嫌うタイプのからかいを俺が仕掛けているのだと思ったらしい。
 張りつめた声だった。
「そんなことは知ってるよ。知ってて抱きてえんだ」
「そんな、あんたがそんな眼で俺を見てたなんて……失望しました」
 若島津は軽蔑した顔を作って俺を睨みつける。
 だが俺にはたいした効き目はなかった。
「お前気づいてないんだな」
「なにを」
「お前は俺を好きなはずだぜ」
「……」
 沈黙はなにかを重大なことを認めている。
「お前、俺を追ってこの学校に来たじゃねえか。同級なのにさん付けで呼んで俺を図に乗らせるし。全国大会の時、失踪した俺の為に土下座までしたじゃないか」
「それは」
「普通そんなこと思いつくか」
「……それはあんたが本当に素晴らしいストライカーだから、戻ってプレイできるように監督にお願いしたんです。だから……」
 言葉は尻切れとんぼに闇に沈んだ。
 俺は舌先できめの細かい頬を舐める。
「やめてください」
 美しく男らしい同胞は、不埒な扱いに耐え切れないとまつげを伏せた。
 若島津は認められないのだ。
 自分の本当の気持ちに気づきたくないのだ。
 男なのに男の俺に抱かれたいという歪んだ欲望を持っていることが、心の底から恐ろしいのだ。
 それなら気づかせるまでだ。
「お前は俺に抱かれたがってる」
「そんなはずは……」
 怯えたような唇を俺は強欲に奪い取る。
「お前おかしいぜ。男なのに男に抱かれたがってるなんてな」
「やめて。やめてくれ」
 拒絶する声はまるで泣いているようだ。
 俺は一足飛びに行為を進める。
 下肢に伸ばした手で若島津の股間を嬲った。
「いや、いやだ」
「俺に犯られんなら本望だろ」
「こんなことして楽しいのかよ」
「楽しいぜ」
 平然と言ってのけると綺麗な顔が引き歪む。
「どうして……」
 そして絶望したように俺の下で身をよじらせた。
「あんまり抵抗するなら少し酷くしてやろうか」
「日向…さん……」  
 股間を握り込んで作為を加えながら、俺は若島津に向けて残酷に笑って見せた。
No.1182 - 2022/01/20(Thu) 23:21:32
Under the sun / なるみ
名古屋にお住いの〇〇様へ


昔描いたお話『Under the sun』の2は出てないのかと問われたことがありまして。
1を出したときに続きを匂わせていたのに結局出せないままで今まできちゃったのが、とても申し訳なかったのです。

その話は若島津が男娼でサッカー選手の日向は客として出会うという設定でした。日向のほうが年下な感じで。

唐突なんでなにがなんだか分からないでしょうけれども、頭を昔に戻して書いてみます。




 日向は高級ホテルのロビーラウンジで鋭い眼を光らせていた。
 テーブルには手つかずのコーヒーが冷え切っている。
 若島津の属する高級コールボーイクラブはこのところまったく予約が取れない。
 ずっと先でもいいからとなんども食い下がってはみたものの、受付の係員の声は冷たかった。
 避けられているらしい。
 ブラックリストに乗るようなことをした覚えはなかった。
 むしろそれが若島津本人の意向だとしたら……、そう思うと日向の胸は激しく痛んだ。
 若島津はあの日不意に涙を見せた。
 理由は明かしてくれなかったが、いまにして思えばなにかを突き詰めたような涙だった。
 それっきり、彼は日向に会ってくれていない。 
 あれは決別の意志を示したものだったのだろうか。
 ここは以前、彼が日向との契約で利用したホテルだった。
 もしもクラブの仕事の定宿にしているなら、このホテルで張っていれば彼に会えるのではないかという一縷の望みが日向を突き動かしていた。
 休みのたびに時間を捻出し、ここで数回無駄な時間を費やしている。
 それでも彼につながる糸はここにしかない。
 ため息をつき、日向がこった肩をほぐそうとしたときだった。
 エントランスの回転扉に優美な姿が現れた。
 眼を引かれる。
 若島津は美しい男だった。
 美しく聡い。
 色を売っているからと言って決して愚かでも脆弱でもなかった。
 ずっと焦がれ続けた、一種の冷たさすら感じさせる美貌。
 ため息が漏れる。
 日向は艶やかな黒髪の感触を指に思い起こしていた。
 そして若島津の隣に並ぶ男。
 背筋の伸びた熟年の男は仕立ての良いスーツを着ていた。
 一目でハイクラスの人間だと分かる。
 彼の今日の客か。
 日向の胸は引きつれるような痛みを覚えた。
「若島津……」
 あんなに思い焦がれていたというのに、なぜだか立ち上がることすら出来ない。
 視線の先のふたりはなごやかだ。
----俺の予約は断っておきながら、他の男とは寝るのか。
 彼らがエレベーターに向かうのを焼けつくような視線で見つめる。
 若島津の白い指が繊細な動きでエレベーターのボタンを押した。
 その動きをきっかけに日向は無我夢中で走り出す。
 すぐにエレベーターの扉は開き、彼らが中に入って行く。
 そして扉が閉まる。
 いや、閉まる直前で日向は間に合った。
 ガッと手で扉を掴み強引に中に身体を割り込ませる。
 若島津も、同道していた男も、かなり驚いたようだった。
 特に若島津は日向の顔を見て息を飲んだ。
 三人を乗せたエレベーターは、かすかな浮遊感を持って上昇をはじめる。
 日向は茫然となっている彼の手を無理やり掴んだ。
 それから決然と顔を上げ、隣の男にまっすぐな視線を向ける。
「すいません。失礼は分かってます」
「君は……」
「日向小次郎といいます。サッカー選手です」
 さすがに日向の顔は知られている。
 男の眉が動いた。
 面白がるような表情だ。
 日向は負けないように、けれど丁寧に願い出る。
「すいません。もしこれから彼を自由にする権利があなたにあるなら、それを俺に譲ってはくれませんか」
「日向さんっ」
 色をなくすのを制してさらに強く若島津の手を握った。
 形のいい唇が震えている。
 しかし手を振りほどきはしなかった。
 出来なかったのだろう。
 久方ぶりの日向のぬくもり。
 それは彼の胸の奥を熱く濡らす。
 ずっと遠ざけて来たのに、触れられれば涙が出るくらいに恋しくて切ない。
 日向はそんな彼を自分の背中に守るようにして高らかに宣言する。
「俺は彼を必要としています。愛しているんです」
 だから奪い去りたい。連れていきたい。
 断ることなど許さない気迫があった。
 噛みつかんばかりの牙を日向が隠し持っていることを男は感じているだろう。
 けれど鷹揚な態度からは余裕すら感じられる。
 日向はじっと返事を待った。
 気まずさに、若島津も俯いたままでいる。
 エレベーターは静かに22階に到着した。
 三人してフロアに足を踏み出す。
 幸い他の誰もいなかった。
 男は指先で顎をなでて話の先を続ける。
「日向君、君はおもしろい人間だな」
 それが本気で言っているのかは分からなかった。
 我知らず日向の視線がきつくなる。
 咄嗟に、か細い声がかわりに謝った。
「すいません、先生。本当に申し訳ありません」
 困り顔で眉を寄せて若島津は男を先生と呼んだ。
 そういう役職の人間か、偽名の代わりかは分からない。
 日陰の商売の客なのだ、不用意に名前を呼ばないための気遣いかもしれない。
 なのに、こんな場面で自分から名乗りを上げた日向は、馬鹿正直で無謀だとも言えた。
 その真っすぐさは男の心に小さなとげを刺したようだ。
「日向君。君の熱意と若さとに敬意を表して、今日彼と楽しむ権利を君に譲ってあげよう」
「ありがとうございます!」
「先生っ。そういう訳には……」
 混乱したこの場に、そして日向の大変に失礼な申し出に、若島津は青い顔をしている。
 そんな彼を優しい眼で見つめて男は言った。
「特別だ。ふだん冷静沈着な君の慌てる姿を見ることも出来たしね」
 男はふっと笑って、下降ボタンを自ら押してエレベーターを呼ぶ。
「若島津君、君はまだ若い。新しい道はいくらだってある。君にとって大事なものを見誤らないようにするんだな」
 年かさの男は人生の先輩らしい心の広さで彼を励ます。
「君の恋人にはまったく迷いがないようだから大丈夫だろうけど」
 ちらりと視線を遊ばせてから男はエレベーターの中に姿を消した。
 残された二人には気まずい沈黙が落ちる。
「若島津」
「日向さん……」
 今にも逃げ出しそうな彼の肩を強引に抱く。
 誰か来たらと怯える様子に、それなら急げと日向は急かした。
「部屋どこだ」
「………」
「中で話そう」
 指先が彼のスーツの胸ポケットを探り、カードキーを勝手に取り出す。
 2205。
 部屋の番号を確かめると、彼を抱くようにして廊下をそちらへ突き進む。
「俺はあんたを奪うぜ」
 威圧的な低い声。
「もう誰にも渡さない」
「日向さんっ」
 引っ張られるままに2205室の前につくと、もどかしく扉を開く。
 転がり込んだ日向は彼を部屋の壁に押し付けてそのまま唇を奪った。
 立ったままで行為するつもりなのか、その場で愛しい人の衣服をまさぐり出す。
「待ってください。待って」
「もう待てない」
 日向の熱情が通じたのか、若島津の瞳からはあの日とは違う意味の涙がこぼれそうになっていた。
No.1171 - 2021/12/19(Sun) 22:51:25
10月はSS4本 / なるみ
10月はSS4本更新。えらいぞ自分。
書くこと自体はそう大変じゃないです。なんて言うか、いろいろあって普段の生活との切り替えがうまくないのかなぁと。
去年ヘルニアをやってまして、思ってた以上に直りは早かったんですが、今も手に痺れが残ってます。
3、4年前はもっと酷くて、病気やら家のことやらで本当に大変だったのですが、それでも日々は続きます。
サイト見てくれてる方も限られてるとは思うんですけど、煩悩が尽きるまで頑張ります。

では近況。
先月はストレスが溜まりまくっていたので、思い立って弾丸京都旅行を敢行。高速バス(『こうそく』の第一変換が『拘束』なのは仕方ないのかっ)で往復なので、体力との闘いでした。
東寺の弘法市に行ってアンティークものを堪能して、有意義でした。
あと京都水族館でオオサンショウウオとクラゲに会って来ました。かわいい。
お宿は直前割引で一泊3000円(!)のケチケチ旅行でした。大浴場があって新しくていいホテルだったです。
アフタヌーンティーをしたお店が大当たりで(THREE BEARS)、メレンゲ菓子やクッキーもすっごく美味しかったです。
あと、紅茶専門店をたまたま見つけて、試飲させてもらってフレーバーティーを5種類購入。
どこに行っても紅茶とプリンは忘れないです。
そんな訳で、やたら散財してしまったので、今月はおとなしく家で過ごそうと思っています。
急に冷え込んでまいりましたので、皆様も温かくしてお過ごしください。
No.1168 - 2021/11/01(Mon) 21:24:37
誇示 / なるみ



 俺の手は魔法の手だ。
 他の誰でもなく若島津にだけ作用するスーパーマジックハンド。
 そのエロさ、いやらしさは、触られる若島津だけが知っている。
 身体の中心を直に手でまさぐると、太腿が戦慄いた。
 白い肌に汗が光る。
 俺はさっきからずっと、虐めるような愛撫で若島津を翻弄していた。
 イきそうになると手を放し、じっと視線で犯す。
 息の乱れが落ち着きそうになると、また握り込む。
 人差し指の先で鈴口を嬲る。
 先走りの蜜でそこはぬるぬるする。
「あぁ」
 程よい筋肉の付いた胸が派手にのけ反った。
 美しい眺めだ。
 俺の眼はその扇情的な光景に釘付けだった。
「日向さん、もう……」
 若島津は恥ずかしそうな視線で俺を見上げて来る。もじもじと肩を揺らす。
「もう、……いい加減に…して……」
「なにを」
 意地悪な問いかけに非難の視線が返ってくる。
「放したかと思うと……、また……触ってくる」
 切ない声。かわいらしくて甘くって、俺の欲情を引きずり出す最高の音階。
「けっこう素直だな」
「だって、だって今日は……」
 恋人の綺麗な瞳は涙でうっすらと濡れていた。
 ベッドの中で、こいつは本当にいい顔をする。
 喰らいついて骨までしゃぶりつくしたくなる。
 そんな猥褻な顔を晒しておいて、構うなというほうが無理なのだ。
 俺は若島津の性器を一度きつく揉み上げてから、無造作に放した。
「あ」
 また突き放される。
 そのことに絶望したのだろうか。
 若島津の息が荒かった。
 もういい加減高まり放出したいのだろうが、今日の俺は新たな試みに燃えている。
 いつも俺のほうが急いて前のめりな行為になりがちなのだ。だからたまには若島津のほうから生々しく誘って、乱れて欲しかった。
 だから煽っては引いて、引いては煽って、ということを繰り返していた。
 勃起しているのにイかせない。
 生殺しの愛撫。
「まだイかせねぇよ」
 今度はソフトなタッチで一撫で。愛撫というには優しすぎる感触で若島津を焦らす。
 簡単にはイかせない。
 快楽を引き延ばしてやる。
 お前が切羽詰まって乱れ狂うのを見るまで、自分からいやらしく腰を押し付けて誘ってくるまで、たっぷりと、手酷く優しい愛撫を繰り返してやる。
「あっ……日向さん。いつにも増して、……ん。凄く……しつこくて……。俺、腰が…っ」
「腰がなんだよ」
「………動いちゃう」
 キュッと眼を閉じて白状する。
 なんとも言えない風情に俺の胸は高鳴った。
「動かしてみろよ。見ててやるから」
「やだ」
「足開いて、腰浮かせて、俺を誘ってみろよ」
「誘うなんて……、できないっ」
 つつましやかな言葉を裏切る濡れた声。
 俺は唾を飲み込んだ。
 眼下の身体は小刻みに震えている。
 艶めかしい。
 ここまで出来上がってたら、もうマジックハンドなんて必要ないだろう。
「このままひとりでイけよ」
「そんなの、やだ」
 放っておかれて、一人で勝手にイけだなんて、酷い話だ。
「日向さん……」 
 涙声。これもそそる。
 俺は慈悲ぶかそうな声を出した。
「もう触んねぇよ。見てるだけだ」
「見てるだけ…って、……あっ、ああ……」
 熱くねっとりとした視線が若島津を追い込む。
 俺のマジックアイズが引き金となって、若島津は腰を突っ張らせて性器を前に突き出した。
「あ、ああ、……あああ」
「いい眺めだぜ」
「ああ……見ないで!」
「見せつけてるのはお前だろ」
「……」
 まるで自分の恥ずかしい格好を誇示したいかのように、腰を浮かせて激しく前後させている。
 そして俺を無視して若島津は一人で達した。
「イく、イちゃう………ああああ!」
 若島津のそれは誰も触れていないというのにピクピクと震えて白濁液を滴らせる。
 みっともなさそうにうずくまった身体を抱いて、俺は興奮しきったCENSOREDを身体の奥の小穴に押し付けた。
No.1163 - 2021/10/11(Mon) 00:24:55
二本同時更新 / なるみ
「洗面台」と「ボクサーパンツ」二本同時更新です。
どちらもシモのほうのお話でなんかごめんなさいですが、振り返って見ればうちはいつもこんな風でした。
進歩がないというか。極めてるというか。
楽しんでもらえればと思います。
No.1159 - 2021/08/21(Sat) 00:07:43
ご馳走様です! / S
2本同時更新ありがとうございます!
「洗面台」こういう神経質な若島津、大好きです。そして日向ってきっとこうだよな〜と納得(笑)
どちらも楽しく拝見させていただきました(^^)
No.1160 - 2021/08/21(Sat) 14:40:04
S様 / なるみ
S様こんにちは。書き込みありがとうございます。
なにげに下品な内容かもと思いながらのアップでしたので、好意的な感想に救われました。神経質な若島津には無頓着な日向が似合ってますね。
S様も日向誕頑張ってらして楽しませていただきましたよ。先日はプレッシャーかけちゃってごめんなさい。こちらこそ素敵な萌えをありがとうございました。
これからもお互い無理せずこじけんを楽しんでいきましょう。
No.1161 - 2021/08/22(Sun) 21:41:00
ボクサーパンツ / なるみ




 日向さんはブリーフ派だ。
 履き込みの大きい、プロレスラーのパンツを想像させる形が好みらしい。
 そりゃあでっかい一物を持っているのだから、おさまりがいいほうがいいに決まってる。
 でもちょっと色気がない。
 それで俺は日向さんにパンツをプレゼントすることにしたのだ。
 タイプはボクサータイプ。
 色は黒。
 きっと日向さんの肌の色と同化してワイルドな雰囲気を感じさせてくれるだろう。
 今日は日向さんの誕生日。喜んでくれるだろうか。
「誕生日おめでとうございます。プレゼントです」
「おう、すまねぇな」
 さっそくガサガサと袋を開け中身を手に取り出す。
 顔の前に翳し、しげしげと眺めて日向さんは言った。
「小さいな」
 さすが、自分の性器の大きさに自信のある男。
 でもこの俺がサイズを間違えるはずがないのだ。
 なにしろ俺は日向さんと懇意の仲だから。
 つまり恋人なのだから。
「はいたら伸びますから」
 きっとちょうどいいはずだ。俺は自信を持って進めた。
 日向さんはばばーんと思い切りよく下肢の衣服を脱ぎ捨てる。そして目の前でボクサーパンツをはき込んだ。
 このてらいのなさがかっこいい。
「よく似合ってます」
 にこにこしながら見つめる俺の視線の前で、日向さんはなぜだか困ったような、照れくさそうな顔をした。
「お前さ、着るものをプレゼントに送る男には下心があるって、聞いたことあるか」
「え」
「送ったものを脱がしてことに至ろうって心づもりだってことだ」
 日向さんの股間が眼に見えるほど大きくなっていく。
 まさか。
「お前からそんな熱烈なプレゼントがもらえるなんてな。男冥利に尽きるぜ」
 嬉々として笑顔を見せるのに俺は自分の失敗に気づく。
 まるで自分から欲しがったみたいじゃないか。
 恥ずかしい。
 身の内が熱くなって声も出せなかった。
「『今日は俺がプレゼントです』なんてはっきり誘えばいいものを。ホントまだるっこしいな」
「そんなつもりじゃ」
「いいから、いいから。取り繕わなくてもお前の気持は分かってるぜ」
 ほら、と腰を前に出し股間を誇示する。
 さっきよりも大きい。
 見ている俺の顔は真っ赤だ。
 自問する。はたしてプレゼントに下着を選んだのは無意識だったのだろうか。
 日向さんの衣服を脱がしたい願望?
 あられもない行為をしたいという欲望?
 だっていつもせっかちな日向さんは自分で脱いでしまうし。
 器用な夜のストライカーは俺の衣服もするりと脱がせてしまうのだ。
 かなわない。
「ほら、早くしろよ」
「なにをですか」
「脱がせてくれよ。きつくなってきた」
 脱いだらなにをするかは明白だ。これでは日向の思う通りではないか。
 俺だって日向さんとしたくない訳じゃない。ただ、いつも突然で強引で、気持ちが整ってないままはじまることが多いのだ。
 それに自分から欲望を晒すのは苦手だった。
「日向さん。あくまでプレゼントはパンツであって……」
『俺じゃない』と言いかけた鼻先に軽いキスが触れる。
「誕生日のプレゼントには相手の欲しがってるものを送るもんだろ」
 そう言われて見れば逃げ場はなかった。
「お前が脱がせろよ」
 堂々と権利を行使されて、とうとう俺は跪いて日向さんのパンツに手をかけた。
No.1158 - 2021/08/21(Sat) 00:03:50
洗面台 / なるみ



 
「そんな恰好でなにやってんですか」
 どこか不愉快そうな掠れ声が俺の背後からかかった。
 素肌にガウンを羽織った若島津が洗面所の入口に立って俺を見ている。
「いやちょっと歯磨きを……」
 左の奥歯がちょっと痛むのだ。ずっと気になっていた。昨夜は食事の後すぐにSEXになだれ込んでいたので、暇がなかった。今さら遅いかもしれないが磨いておこうと思ったのだ。
「俺が気になっているのはその格好ですよ。鏡の前でフルチンだなんて余程自信があるんですね。ナルシストですか。それとも俺に見せたいんですか」
「おお、見せてやるぜ。自慢のちんちんをよ」
 笑って言ったが、鏡に映る若島津の不機嫌は変わらない。
「洗面台」
「へ」
「洗面台についてます」
「なにが」
「だからそれが」
 若島津の視線は俺の股間に向かっている。
 洗面台の角についているのは俺のちんちんだった。
「汚いですよ」
「なにおうっ」
「こすりつけてないでください」
 若島津は俺の大事な息子を汚いと言ってるのだ。
 腹が立つ。
「しょうがねえだろ。高さ的にちょうど当たるんだから。第一お前、昨夜は俺のこれでアンアン啼いてたくせによ。汚いとはなんだ」
「すいません。ベッドの上と洗面台の側面じゃ事情が違うんです」
 神経質そうに眉を顰めて若島津は言った。
 洗濯機の横から雑巾を手に取る。
 今にも掃除を始めそうだ。
「細かいこと気にするなよ」
「気になります」
「すぐに風呂入るからさ」
「順番が逆でしょう」
 ああ言えばこう言う。
 俺は頭をひねって切り返した。
「お前さっき言ったよな。ベッドの上と洗面台じゃ事情が違うって」
「言いましたけど」
「ベッドの上での俺のちんちんはお前にとってはどうなんだよ」
「え」
 虚を突かれたように若島津がひるむ。
「どうって」
「ベッドの上じゃ汚くはないんだろ」
「あの、それは……」
 言いよどみ、黒い視線を魅力的に揺らした。
「どうなんだよ」
 鋭い追及にしどろもどろになる。
「た……大切です」
 気恥ずかしそうな顔だ。
「ふん、いいこと言うな。他には?」
 俺は若島津をどんどん追い込んでいく。いつだって、どんな場面だって、強気で図々しいほうが勝ちなのだ。
 俺は顎をくいっと上げて促した。
 若島津は観念して唇を噛む。
 その顔は、昨夜の行為の際に見たものと重なった。
 声を殺そうと閉ざす唇。
 俺は逆にお前の声を聞きたいってのに。
「どうなんだよ」
 尊大な俺の態度に押されて、若島津は吐息のような儚さで白状した。 
「……すごく大事で、愛おしいです」
 誠実で心のこもった答えだった。
 素直にうれしいと感じる。
「そうだよな。昨夜はサービスして咥えてくれたもんな」
 調子に乗り過ぎた。口が滑った。
 若島津は顔色を変えて震えている。
 あんまり赤裸々なのは好きじゃないらしいのだ。
 でも俺はいつも言ってしまう。
 だって事実なんだからさ。
 言い訳を考える短い間に、俊敏に若島津は動いた。
 雑巾で俺のちんちんを包んで上から力を込めて来る。
「痛いぞ!」
 汚れを拭うというよりは鉄槌のような一撃。
 俺は洗面台の前で激しく悶絶した。
No.1156 - 2021/08/20(Fri) 23:03:36
私信 / なるみ
私信 

S様。ご無沙汰しております。
たくましい日向の背中を拝見しました。いいっす。素敵っす。若島津が惚れるのも無理のないいい男ですね〜。
イラストの更新とってもうれしかったです。ありがとうございました。
No.1149 - 2021/06/21(Mon) 22:14:42
ありがとうございます! / S
ご無沙汰してます!
Twitter見て下さってありがとうございます(^^)
なるみさんのSSから勝手にイメージ拝借させていただきました。喜んでもらえて良かった〜w

本日更新の新作、二人が幸せすぎて朝からニコニコが止まりません。大人になって離れてから気持ちに気付くパターンもいいですよね。気付かずに過ごしてきた時間を取り戻すようにお互いを大切に思うところにキュンとなります…
こちらこそいつも萌えをありがとうございます!
どうぞお体に気を付けて(^^)
No.1151 - 2021/06/23(Wed) 09:46:35
S様 / なるみ
こんにちは。勝手に掲示板での私信ですいませんでした。
私Twitterをしてないものですから、そちらでの書き込みが出来ず失礼しました。
お返事ありがとうございます。
イラストかっこよかったです。鋭い視線も魅力的。
私もS様に萌えていただけるようにこれからも頑張ります。S様も無理はなさらず、でも煩悩が溢れたらぜひ形にしてみてくださいね。ちなみに日向誕の用意はいかがなものでしょうか。楽しみにしてます。
それでは失礼いたします。
No.1152 - 2021/06/23(Wed) 21:43:02
絆創膏 / なるみ





「若島津、これちょっと貼ってくれ」
 差し出されたのは大きな絆創膏。風呂上がりの背中。肩甲骨にそっての派手な擦過傷。傷に貼ってくれと頼まれる。
 いつもならこんなものいらねぇと言いそうなところだが、今日の傷は大きすぎた。裸でねたならシーツを血で汚してしまいそうで、指示された通り貼ったほうがいいと判断したらしい。
 無造作にさらされた逞しい浅黒い肌に、若島津はドキッとする。
「薬、塗りますね」
 何気ない顔で、渡されたチューブから薬を押し出した。
 血の止まってない部分がある。
 そっと指で傷に触れた。
「いて」
「すいませんっ」
「ああ、かまわねぇ。さっさとやってくれ」
 少し渋い顔をしているのはやはり染みるからだろう。
「………」
 処置をすませ、若島津は日向の素肌の肩を軽く叩いた。
「はい。完了です」
「すまねえな」
 日向は振り返って若島津に相対する。日向の視線はいつもまっすぐだ。
「気を付けてくださいね」
 彼は顎を引きうつむきがちになる。何とも言えない感覚。微妙な息遣い。速くなる胸の鼓動。
 日向の眼がまともに見れなかった。
「なんだお前、眼が潤んでるな」
「え」
「俺のヌードに欲情でもしたか」
 日向らしくない軽口だった。
 若島津が嫌うタイプのからかい。
 瞬間しまったと慌てた日向だが、謝罪する前に若島津の表情の変化に気づく。
 彼は真っ赤になって震えていた。
「どうした」
「なんでもありません」
「お前震えてるぞ、それに顔も赤い」
「………」
 困って視線が揺らぐ。若島津はこの場から逃げ出したくなっていた。
「お前ほんとに俺を見て欲情したのか」
「違います」
「違わねぇだろ、やばい顔してるぜ。やっちまってもよさそうな。誘ってるみたいな顔だ」
「やっちまってって……」
 たとえがヤバすぎる。
 生々しい言葉は彼の脳裏にエロティックな場面を浮かび上がらせた。
 彼は日向を好きなのだ。ずっと恋焦がれているのだ。
 そのうえこんな風に日向と性的な話をするのなんて、はじめてのことだった。
 特別で卑猥な感じがする。
「そういうかわいくていやらしい顔されたら、俺だって欲情しちまうよ」
 からかいだか本気だか分からない日向の台詞を受けて、彼は一歩を引いた。
 自分の身体の熱さを知られたくない。だというのに日向は容赦がなかった。
 彼が引く分だけ同じように詰めて来る。
 あっさり壁に背中がついて、若島津は息を飲んだ。
「興奮してんだろ。いいぜ、俺は」
「なにがですか」
「お前がされたいこと、してやるよ」
 若島津は反射的に泣きそうになる。
 そういう事じゃない。
 彼は心が伴わないのは嫌なのだ。
 興味であしらわれるのも、憐れまれるのも、どちらも嫌だ。
 日向が自分に恋してくれたらいいのに。
 自分が好きなのと同じくらい日向も自分を好きになってくれたらいいのに。
「なに泣いてんだ」
「泣いてなんか……」
「悪かった。からかったみたいになったけど、違うんだ。つまり俺は、なんかうれしくて……。お前の望みをかなえてやりたいって意味だ」
「日向さん」
「お前の狼狽した顔とか、焦った声とか、恥じらった感じとか……、みんな俺を興奮させた」
 そして日向は彼の耳元に唇をよせて来る。
「いつも強気なお前がそんな顔するのも、泣くのも、俺に取っちゃ想定外で……。欲情したんだ」
「嘘」
「信じてくれ。俺は本気だ。真剣だ。証拠を見てみるか」
 証拠ってなにをと言いかけた彼の前で、日向はジャージの下を太ももまで引きおろした。
 白い下着の中心部が確かに大きくなっている。
「お前のほうはどうなんだ」
「え、え、その、あの」
 慌てる彼の股間に日向の手が触れて来た。
 しびれが走る。
 唇がわななく。
 布の上からでも分かる熱に日向は嬉しそうに口元を歪めた。
「やっぱり俺に欲情してたんだな」
 さらに力を込めて股間をいじられて、若島津はどうにもならなくなる。
「日向さん。どういうつもりで、ん、あ……」
「お前分からないのか」
 彼は唇を噛んだ。
 まさかという期待と絶望とで頭はぐちゃぐちゃだ。
「身体が教えてるだろ。お前は俺に、俺はお前に、欲情したってことだ。難しく考えるなよ。両想いってことだろ」
 両想い。
 あまりに幸せな言葉に身体から力が抜ける。
「若島津好きだぜ」
「日向さん……、あ、あ、……ああっ」
 彼は『俺も好きです』と胸の奥でつぶやいた。
 気持ちが通じたかのように日向が笑う。
 若島津もまた幸福感と快楽と酔った。
「そんなに緊張するなよ。大事にしてやるから」
「うっ」
 日向の手は彼の股間を下から救い上げるような位置になり、彼はその行き過ぎた戯れから逃れることができなかった。
No.1147 - 2021/05/29(Sat) 22:57:48
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