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ためらいもイエス 山崎マキコ著 文春文庫 NEW / たかし
ためらいもイエス 山崎マキコ著 文春文庫

主人公は、三田村奈津美。IT企業で翻訳の仕事をしている。仕事は良く出来、仕事一筋。29になるが男性との付き合いの経験なし。
三十前にして、仕事上ではその会社初の女性課長になりそうである。また、仕事一筋だったため、その前は勉強一筋であり、
世に言う青春時代らしいことを経験していなかった。それを経験する。

青春時代らしいことは、やはり異性関係。
母親から見合いを勧められ、渋々見合いする。何故か相手に気に入られ、断ろうと思ってもつい会ってしまい、友達としての
関係が続く。
会社の同僚から好意を持たれ、接近される。それも複数の男性から。
ここらあたりを三田村奈津美の親友青ちゃんの援助を得て、奮闘する。
帯には、おかしくてやがて切ないラブストーリーとある。

でも、この三田村奈津美は、人間を憎んでいる。
この主人公は、父母の不仲、三人姉妹での長女が愛され、本人は次女だが次女以下は軽視された家庭環境で育つ。
で子供の頃から人間不信に陥っている。
これは、山崎マキコの等身大なのであろう。この人の小説はこれが多い。最近別名で小説を書いているそうだが別名を
知りたいところである。

私には、鬱病奮闘記のようにも思えた。
No.261 - 2011/02/06(Sun) 01:08:08
ペニシリンはクシャミが生んだ大発見 百島祐貴著 平凡社新書 / たかし
ペニシリンはクシャミが生んだ大発見 百島祐貴著 平凡社新書

副題は、医学おもしろ物語25話
著者は、慶応の先生。授業中の雑談が元になっているらしい。医学の歴史を扱う医学史の領域。
一話は、八ページ位で読みやすい。
知っている話も多い。でも、細かなところは初めて知ったことが多い。
診断編と治療編にわかれている。
 
 診断編
健康診断でお世話になる血圧測定。
この歴史は、新しい。
18世紀にイギリスのヘインズという牧師がいた。この人は、何にでも興味を持ち植物の生育には樹液の流れが重要と考えた。
上手く樹液の流れが測れず、動物の血液を測ることにした。横たえた馬の足の動脈に長いガラス管を接続しその高さを測った。
約250センチ。
そのままの血圧だと室内で測れない。血液の13倍以上重い水銀を使って血圧が測られたのは、1828年。これも犬や馬の動脈の
血圧測定。
これらの方法だと血管に針を刺す必要があるので人間に使えない。19世紀後半に血管に針を刺さない方法がいろいろ考案された。
1896年に腕に巻いて測る方法がされた。
でも、下の血圧はよくわかっていなくて、これが分かったのは、日露戦争時のロシアのコロトコフという医者の功績。

 治療編
表題作のペニシリン。
 ロンドンのフレミングという細菌学者。実験中細菌を培養するシャーレにクシャミをしてしまう。翌日クシャミによる鼻汁の周り
にだけ細菌が増殖していないことに気付く。これで発見されたのがリゾチーム。
ペニシリンは、また別。主人公は同じくフレミング。細菌培養に使ったシャーレを流しに放置したまま夏休みの旅行に行ってしまう。
帰るとシャーレのいくつかにカビが生えていてこのカビの周囲にブドウ球菌が繁殖していないことに気づく。
 有効成分ペニシリンを分離、精製することに成功したのはフレミングの論文を読んだフロリーという学者。
そこでペニシリンの発明者は誰かが問題になる。ノーベル医学賞は、フレミング、フロリー、フロリーの相棒でで分離精製の専門家
であったチェイン。
フレミングは、全くの研究の虫。カビの周りにブドウ球菌がないとしると嬉々としてみんなに見せて回るような人。
この三人は、特許も取らず財産的な利益は得て居ない。

 成毛さんのブログに今年の収穫とあった本。それほど面白いとは思わなかった。まずまずという印象。
No.260 - 2010/10/24(Sun) 00:35:23
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官 栗林忠道 梯久美子著 新潮文庫 / たかし
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官 栗林忠道 梯久美子著 新潮文庫
題名は栗林が辞世の句の一節。しかし、当時は「悲しき」ではなく「口惜し」に変えて報道された。
もちろん、これは軍部の情報統制のひとつ。

 軍人としての面。
硫黄島は、当初は重要視されていて、二万人の軍人が送り込まれたが、途中で状況の困難さのため
軍中央から放棄された。
当時の島の防衛は、敵の上陸時の水際が最大の攻撃時。
しかし、制空権のない中では被害を受ける。サイパンなどですべて失敗している。
このため敵の上陸を許しその後の持久戦を栗林は重視した。
敵の砲弾に備え地下深くに掘った陣地。硫黄島では、井戸水、川はなく、飲水はすべて雨水のみ。
硫黄ガスが噴出し、資材も不足する状況。
このような中で地下陣地作りに励む。一人の飲水は、水筒一本と定められ、栗林もこれを守り、自ら徒歩で島中を歩き、
兵隊に声をかける。
このあたりが、具体的に記述されている。硫黄島での戦い自体よりも興味深い。

戦いは、あくまで持久戦。少しでも敵の侵攻を遅らせるのが目標。
その結果、敵が5日と考えていた硫黄島攻略に36日を費やした。
地下道を移動しての攻撃が主体。
ただ、このあたりの記述は余り詳しくない。
栗林は潔く散るのとは反対の戦い方。バンザイ突撃の禁止。
日本軍は、水際で失敗するとその夜にバンザイ突撃を敢行し、それで終わりのことが
多かった。栗林はあくまで敵の侵攻を遅らせることを考える。栗林も最後を悟り突撃するが
あくまで敵に損害を与えるための突撃。

 家庭人の面
筆まめな人であった。硫黄島に居ながら家のお勝手のすきま風の心配をしている。
家庭では女中も一緒の食卓であった。出征前日も棚を作っていた。
アメリカに二年居てアメリカの実力を知っていた。知米派であり、そのため硫黄島に派遣されたとの説もある。
アメリカからの手紙には、写真記事を貼り付けた物もあり子供にも丁寧に説明している。
栗林のアメリカ時代は、簡単に触れられただけ。もっと知りたい。

栗林に対して持っていた印象は、合理的で知的な人物。
それはそのとおり。ただ口うるさい人物でもあったみたいである。これは少し意外。ただ、目下の者には優しかったみたいである。
No.259 - 2010/10/20(Wed) 02:22:38
今日入手した本 / たかし
「ペニシリンはクシャミが生んだ大発見」
百島祐希著 平凡社新書
 元日本マイクロソフト社長の成毛さんのブログで見た本。
アマゾンの書評でも評判がよく、楽しみ。
ブックオフで350円で入手。

「スーツの神話」
中野香織著 文春新書
ブックオフで100円で入手。
No.258 - 2010/10/18(Mon) 00:49:27
翻訳家列伝 小谷野敦編著 新書館 / takashimtjp
翻訳家列伝 小谷野敦編著 新書館

翻訳家についてまとめた物。
明治大正期、フランス、ロシア、英文学、ドイツ文学、シナ文学(小谷野さんの表現)、推理SF、児童文学、その他の言語、に別れています。
各編の冒頭部分の総論が理解しやすいと思います。
通読よりも辞書的に用いるのに適しているかもしれません。
網羅的なので教科書的になり易いのですが、やはり小谷野さん流の毒のある一言があります。これが面白い。
 以下個人的な印象。
中野好夫は、最近余り言及されないが評価が下がっているとのこと。でも写真は酷過ぎる。頭髪は兎も角目鼻立ちは立派だった。
私が興味があったのは、中野好夫は名訳とされているが、ギボンの訳書を読んでもそうは感じられなかった。少し自由な訳に触れた部分はあったが、もっと詳しく書いて欲しかった。
 黒岩涙香や佐々木邦の訳書の原本探しは、面白い。
No.257 - 2010/07/20(Tue) 00:59:54
幻の大連 松原一枝著 新潮新書 / takashimtjp
少女時代に大連に暮らした人の思い出です。
昭和12年に東京に引っ越していますから、戦後の引き上げの感想はありません。
あくまで植民地での恵まれた生活の記録です。
 お父さんが満鉄勤めだったのと教養が感じられること、しかし社宅住まいだったので、当時の典型的なホワイトカラーの生活と思います。
暖房が整い、生活水準の高い生活です。きっと日本に旅行、留学などで訪れたときに失望したであろうことは予想されますが、あまりかかれて居ません。
ただ、日本では肉体労働を何故日本人がやっているのかなどの感想はあります。
 満州のことを書いた小説を読むのに理解しやすくなると思います。
No.256 - 2010/02/26(Fri) 01:07:26
さみしい男 諸富祥彦著 ちくま新書 / たかし
さみしい男 諸富祥彦著 ちくま新書

さみしいの原因はコミュニケーション能力の不足にあるそうです。
背後には価値観の変化があります。
以前だと仕事一筋で立派に評価されたのに、それでは定年後駄目だとか言われます。
家に居るだけで邪魔にされます。
地域社会との関わりも不足します。
定年以前でも
年代の違う同僚、部下との付き合い方が分かりません。

最初、読み出したときにはあまり面白くなく途中でやめようかと思いました。
「労働至上主義からの開放」あたりから面白くなりました。
労働至上主義とは「男とは、限界まで働くことがよきことだ」とのイデオロギーです。
他にも日本人を苦しめるイデオロギーはあります。
若者だと「友達至上主義」
「恋愛至上主義」
中年だと
「家族至上主義」

本書は労働至上主義と家族至上主義、恋愛至上主義とを取り上げています。
労働至上主義は高度成長期に暗黙の前提とされた考えですが、この不況期にまた現れているそうです。
No.251 - 2009/07/03(Fri) 23:26:14
バカのための読書術 小谷野敦著 ちくま新書 / たかし
バカのための読書術 小谷野敦著 ちくま新書

猫猫先生小谷野敦さんの本です。
バカとは哲学とか数学とか抽象的なことが苦手な人のことです。 
どのような本が入門書としてふさわしいか、読書指導です。
呉智英著の「読書家の新技術」や渡辺昇一「知的生活の方法」の小谷野番です。

ここでは、どの本が入門書にふさわしいか紹介しているのが特徴です。
新書版なら入門書として買いやすいし定評もあるのではないかとも思いがちですが、そうでない
と小谷野さんは言います。玉石混交である。
専門家に聞こうとしてもこれは間違い。自著を挙げるかあまりに初歩的な本を紹介するのを恥じる怖れ
がある。
そこで夏目漱石などを例にとり入門書を紹介しています。
経済、心理学、宗教、政治なども紹介しています。
重点は歴史です。ここでは司馬遼太郎の小説が全体を掴むのに最適としています。

感想
バカのためとあるが、ごく一般的な人が対象。むしろ知的な人が対象でしょう。
小谷野さんの専門とも関係するが経済などは手薄な印象。
文学などはこの本を紹介しても誰も読まないのではないかと思う本が紹介されている。
これに比べると歴史になると対象は、知的ではない人という印象。
とにかく小谷野さんの危機感は強く、司馬遼太郎の小説でも読んで歴史の流れを掴んで貰いたい
との思いが伝わってくる。
でも是非ともこうして欲しいとの思いを持っている人がこの本を読むのか疑問である。

インテリはバカと思われたくないインテリ病にかかっている。
だから対談などはともすれば知識量の競い合いになる。
これは小谷野さんの対談などを思い出せば納得がいく。
No.250 - 2009/06/18(Thu) 23:11:42
読書 / たかし
小谷野敦のブログを見ていて、読書量の多さに驚く。またネットもかなり見ている。どうすればそれだけ読めるのか、書けるのか不思議である。
小谷野のブログに引用された医師の宮崎純さんのブログも見た。小谷野の読書量に驚いていたが、宮崎さんもすごい。ブログの内容もよくこれだけ大量に書けると驚く。
http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/
No.249 - 2009/05/09(Sat) 00:45:39
読書 / たかし
この掲示板への投稿もご無沙汰している。
本を読んでないことは無いのだが忘れてしまって書けないことが多い。
福田和也さんは、一月百冊とか言ってるらしいがすごいと思う。
No.248 - 2009/04/04(Sat) 00:20:52
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