平成16年9月10日 ベル・アーム(美しい魂) 19世紀フランス文学の最高傑作の一つ、スタンダールの「赤と黒」(Le rouge et noir)を専門家の朗読を通して鑑賞してゆきたいと思います。 舞台は王政復古、シャルル10世(元アルトア伯爵)の 時代です。主人公でナポレオン崇拝者ジュリアン・ソレ ルはその鋭敏な精神で、階級意識、俗悪な社会の偏見や 道徳に勇敢な戦いを挑みます。強烈な個性・エネルギー ・情熱・危険をはらむ人生・享楽への性向が、いわゆる 「ベーリズム」(スタンダールの本名はアンリ・ベール) の中核をなすものです。やがて彼はラモール侯爵の娘マ チルドと虚栄心の火花を散らすような恋をする事になり ます。しかしこの小説はヒロイン、レナール夫人との出 会い、恋、破局、死と言う一本の太い線によって貫かれ ています。高貴な夫人が胸に秘める、きらめく水晶のように結晶した美しい無償の愛の心、文学用語でもある「ベル・アーム」を知る事こそ、この作品を不朽ならしめるのです。著者の過ぎ去りし青春が投影された心的自画像ともいえるこの作品に触れる事によって、スタンダールが如何に「書いた、愛した、生きた」かを知る事にもなるでしょう。右に掲げたワンカットはジェラール・フィリップ主演の同名のフランス映画の一コマです。
「スタンダール、赤と黒朗読会?X」 主 催 アストライアの会 共 催 au bon cafe ゲスト ボランティアグループ 「豊島ききみみずく」の皆様 日 時 平成16年9月26日(日)午後2時から5時 場 所 豊島区立青年館第一会議室(5F)池袋駅西口徒歩約5分 費 用 お茶代込み実費二千円 連絡先 049(258)3218松原まで
イベントの予定 平成16年10月 ロシアを愛する方々の座談会 体制崩壊前後のロシア社会生活の変化 11月 ロシア民謡歌声喫茶?U モスクワ郊外の夕べ 12月 ウィンナーワルツ 皇帝円舞曲 ★(10月から月一回のペースで「赤と黒」の朗読会を別途、行います。) |
No.115 - 2004/09/12(Sun) 08:37:54
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