吉岡「待っていたんだな、千年も」
そう、小町は沼の底でずっと待っていた。永遠の恋の相手を。 けれど時は無常に過ぎ、待つことさえも忘れかけ長い眠りに・・・しかし 昭和の或る時、沼から引き上げられる。絶世の美女ではなくミイラとして。
「目覚めたらミイラじゃん、この絶世の美女のアタシが!(計算外)」 「それに、アタシの王子さま、深草少将はどこにもいないし〜(当て外れ・悶々)」
引き上げた大学側でも、「このミイラ、なんか生きてるみたいだぜ。気味悪〜〜」 と再び沼に沈めるのであった。
だが眠りから醒めた小町ミイラの悶々は止まらない。睡眠たっぷりだしね。 「こうなったらアタシの方から引き寄せてやるわ」と超能力を発揮、ン十年後に 深草の少将に激似のいい男、吉岡誠を見つけだし、引き寄せたのだ。
小町の思惑通りミイラを引き上げた吉岡も、ミイラに強く惹きつけられる。 彼は本当に深草の少将の生まれ変わりなのか?もうそんなことはどうでもいいのだ。 「この男はアタシのものよ、もう放さない、永遠に」 てなワケですったもんだあって、小町は焼かれミイラの身体から開放される。 そして彼は沼へと・・・小町の魂のもとへと。めでたしめでたし。 そりゃあ千年も待っていたら濃ゆい恋になりますわ。
で、亜矢と礼子は何だったんでしょう?吉岡を沼へ引きずり込む道具?小町の分身? 三人は同じ人間? 和歌の名手小町、小説を書く亜矢と礼子・・・・・・・・・。
ま、小町ミイラ説だけで片付く映画じゃないですけど。 嵐の中のラブシーン(好き)臆面のないデタラメが「LOFT」の魅力ですね。 たとえば金縛りにあってる大杉漣さん、彼のエピソードは放りっ放し。 彼はその後どうなったのか、でもどうでもいいやそんなことと思える映画。 気になるんだけど気にならない、大きさがあります。
※小野小町と深草少将の伝説 絶世の美女と謳われた小野小町、彼女に恋した深草少将に「百夜通えば、あなたの意に従うわ」と告げます。少将は、雨の日も風の日も何かに憑かれたように通いつめましたが、百夜(九十九夜?)目にして倒れ(氾濫した川に流されたという話も)、死にました。 小町は悲しみ、少将を弔い、その後独り身で暮らしましたとさ。行方知れずとも九十三で大往生とも伝えられます。 |
No.681 - 2006/09/26(Tue) 01:38:29 [i60-46-146-227.s02.a008.ap.plala.or.jp]
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