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脳ミソ気球団。―――団員避難所

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団員の避難場所として、交流などに使用してください。
純白/べん / 鋼銛

純白

私は白が嫌いです
直ぐに汚れてしまうから

私が触れたこの手をどけると
うっすら汚れた手形が残る

汚い自分を指さすような
嫌な痛みが心に残る

雪原に残す足跡が
景色を壊してしまったように

蜘蛛が綺麗に作った家を
不意に崩してしまったように

自分自身の汚さが
浮き彫りにされる白がもう
嫌いです



べん

詰まったものが出せるなら
私はこんなに苦しまない

いったい何が原因なのか
心当たりは思い付く

昼も夜も区別なく
私は弁秘に苦しんでいる

出してしまえば楽になる
理解はしてるが出ない弁

出してしまえば何かが終わる
判っているから出ない弁

昼も夜も躊躇しない
そんな弁意に苦しんでいる




☆☆☆☆☆
純白は会社の机が白なので、手をいくら洗っても汚れてしまうのに腹が立った時に思い付きました。
べんは最近便秘気味なので、弁と便をかけてみました。

こんな言しか言えませんが、頑張ってください。
No.93 - 2011/04/11(Mon) 02:00:09
ひそめている / みん [中国]
眠れない夜には漂っている
黒のキャンバスは時に丸く
時に四角く切り取られている
息が滑る
指がなぞる
二枚のカーテンの向こうの光が消えて
眼球は眉のずっと下に潜り込む
記憶がキャンバスの上を動き
描かれたと思うとふいに消えた

二足歩行の猫が瞬きの多い瞳で覗き込んだ
夜は更けていく
がたこんがたこん
電車の窓の向こうに光はないから
白い顔が反射するばかり
もしもし
窓に向かって呟いたら
床が波打つ感覚とともに
レールを大きくはみ出した

クローゼットで眠る春物のジャケット
の隣に吊るされたロープ
私の出番が先よ
いやいや俺だ
ゆらゆら揺れている

駅員がホームで泣きじゃくっていたから降りるのはやめた
顔を上げた駅員は恨めしげな目でこちらを見ていた
サラリーマンのネクタイピンがホームで二度跳ねる
サラリーマンは気づかずにエスカレーターで跳ねている
夜は更けている?
明けている?
降りなきゃわかんないよ
二足歩行の猫が覗き込んだ
電車が発車してしまったから
仕方ないね
仕方ないね
目を覚ましたら
猫はもういない

フリルがかわいい春物ジャケット
の出番を奪おうと虎視眈々のロープ
クローゼットのなかだけが真実だって
知っている
No.92 - 2011/03/21(Mon) 11:31:09
ご無沙汰しております / いのせんと [九州]
詩の投稿ではありませんが。
今回の地震で元団員の方々の安否が気になって…。
皆さん、ご無事でしょうか。
どうかどうか、誰も被害にあっていないように願います。
No.91 - 2011/03/12(Sat) 14:40:14
ハルヒカリ / いちじく [東北]
うそぶく君には飴玉をあげよう


さいご最後と口先だけだ
一人よりも二人よりも三人なんていうけどね
ひとりぼっちのほうが楽しいね
 

泣き虫な君にはお花をあげよう


ひとりぼっちで怖いなんて嘘ばっかり
私は元気でたくましい
寂しくなど無いから元気に生きて


歌う君には空をあげよう


欲しいものなど何も無いよ
ひーふーみーと数え歌はどこまでも続くよ
続いて終わらないで


歌う君には空をあげよう


泣き虫な君にはお花をあげよう


生きることなどこんなにも簡単で
こんなにも楽しいね



うそぶく君には飴玉をあげよう




****
あたたかくなってきましたね。
花粉が怖くてたまりませんがまだ何の対策も考えてません。
No.90 - 2011/02/18(Fri) 18:25:58
おとな / もりたにまこ
スーツの中の白いシャツは
襟と胸だけぴしっとしている
それで十分だった

わたしは今日も
ガタガタふるえる年寄った車に
キーを突き刺し
街に飛び出す

道路がへこむたびに
わたしも揺れる

空が青く
フロントガラス越しに笑う
わたしは楽しくなって
アクセルを踏み込んだり緩めたり

生きていくには仕方のないことだ
と言い聞かせながら
口角をあげ挨拶をする

仕方がないからなのだ
と言い聞かせながら
鼻歌を歌い足取りも軽い

世界にどぷんとおさまってしまうことが
まだ少しだけ納得いかない

それでもやっぱり空は青く
私に微笑む

ひどく揺れる車の中で
アクセルを踏んだり緩めたり
ハンドルだけはしっかり掴んで
わたしは行く




**********
営業マンもなかなかです^^
No.89 - 2011/02/06(Sun) 00:34:28
お人形 / 千文 [関東]


遊び相手が欲しかっただけ
日が暮れてもおうちに帰らなくていい
ごはんならつくってあげる
いっしょに温かいスープをのみましょう
おうちのないあなただから
好きになったの


あなたはなにももとめないひとね
だんだん遊んでもくれなくなって
ただ日を眠って過ごすだけ
ごはんも自分でつくるのがいいっていうし
でもだいじょうぶ
あなたにおうちはもうないのだもの


遊び相手が欲しかったのに
あなたはいつも目を閉じているみたい
ときどきとても心配になるの
よくみると目を開けてわらっているけれど
そこには何も光るものはないわ


でも だいじょうぶよね


だってあなたにおうちはないの
もうあなたにはいえはないのよ
あなたのへやもあたたかいスープも
まつひとたちもいないのだもの


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

この冬は雪より先に花粉が飛散し始めたのか目が
痒くて痒くて困っております。
温暖な当地では雪はまだですが、皆さま風邪には
お気をつけ下さい…
No.88 - 2011/01/29(Sat) 13:50:12
ツグミ / 西尾伎八

雪が来そうだと見上げるひとたちは

信号が変わるのを待っていた

同じように僕も それを待っていた


池に氷が張っていたと

すれ違う二人連れの言葉が聴こえた

僕は床屋に行くのをやめようかと思う


鳥影を追うと 街路樹に羽を休めた

それは遠いシベリアの空から

飛んできたうちの一羽だろう


僕には充分寒い土地でも

彼には過ごしやすいという

僕は自身の弱さを恨んだ


それでも風邪をひきたくないので

今日の床屋はやめることにした

帽子を被って 出直しましょう




寒いです、とっても。
No.87 - 2011/01/18(Tue) 22:07:30
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