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昏睡状態の妊婦が7カ月後に出産 / 守田憲二
 インドで今年3月、妊娠6週目だった23歳の女性シャフィーヤさんが走行中のバイクから転落して頭部に重傷を負い昏睡状態となり、人工呼吸器の装着、頭蓋骨の一部切除など行われ妊娠を継続。昏睡状態のまま事故から7か月が経った10月22日に元気な女の子を出産したそうです。
 現在、シャフィーヤさんは人工呼吸器によるサポートは受けておらず安定した状態で、意識が戻る可能性は10〜15%と言われており、時折、頭や脚を動かすことがあるとのこと。

・日本語記事はテックインサイト 2022年11月7日付 バイク事故で昏睡状態に陥った妊婦、意識が戻らないまま女児を出産(印)
https://japan.techinsight.jp/2022/11/hanako11061600.html

 英語記事は
・The Daily Star 2022年11月2日付 Woman in seven-month coma gives birth and has never seen the child
https://www.dailystar.co.uk/news/world-news/woman-gives-birth-seven-month-28385583

・The Mirror 2022年11月1日付 Woman in coma for seven months gives birth to healthy baby and is still unconscious
https://www.mirror.co.uk/news/world-news/woman-coma-seven-months-gives-28384788


 なお脳死とされた妊婦の妊娠継続、出産例はhttps://blog.goo.ne.jp/abdnet/e/38ecdce62949c1976b4e0f546fd14060
の「4,脳死出産後の臓器提供例=脳死とされた成人の長期生存例」に5か月間維持など近年の報告が紹介されています。
No.1422 - 2022/11/07(Mon) 13:18:45
遷延性意識障害者とその家族は戦後をいかに生きたか  戦後福祉のナラティヴ / 守田憲二
 昨年5月に発行された「社会福祉学研究」18巻が、2022年7月2日にJ-STAGE内
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jws/18/0/_contents/-char/ja
で公開されました。 p57〜p82に麦倉 泰子氏(関東学院大学教授)による「遷延性意識障害者とその家族は戦後をいかに生きたか 戦後福祉のナラティヴ」が掲載されています。このpdfファイルのURLは
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jws/18/0/18_57/_pdf/-char/ja

 貴会そして桑山さんのことも書かれています。


深田氏と宮垣氏が、https://www.jstage.jst.go.jp/article/jws/18/0/18_7/_pdf/-char/ja
で特集の趣旨と各論文の概要を書いています。以下はp9より。
 
麦倉論文「遷延性意識障害者とその家族は戦後をいかに生きたか  戦後福祉のナラティヴ」は,遷延性意識障害者とその家族を中心に,当時の新聞記事,国会における議員や医療者,厚生省厚生課長等の語りを取り上げ,戦後この「障害」がどのような意味付けをなされてきたかが丁寧に跡付けられている.遷延性意識障害者と「共にある」人たちによる,いわゆる「植物人間」という俗称に抗う実践とともに,その可視化・制度化の過程が記述されている.当事者が医療・福祉のみならず,生命倫理や尊厳死の議論,さらには自賠責保険の運用益の再分配の議論へと巻き込まれ続ける現実が浮き彫りになっており,生の政治が先鋭的に争われる領域であることが示されている.方法論的には,遷延性意識障害という「語ること=ナラティブ」が最も困難な存在,いわば「ものいわぬ他者」の代理表象がいかなるものであったか(あるべきか)を記述している点が注目される.
No.1420 - 2022/10/10(Mon) 13:26:00
Re: 遷延性意識障害者とその家族は戦後をいかに生きたか  戦後福祉のナラティヴ / 桑山
 麦倉先生とは国交省の検討会で、今もご一緒しております。正直こういった論文を書いておられたことは承知していませんでした。
 自分自身の言説の論評が載るというのは、何となく面映ゆい奇妙な気もしますが、「遷延性意識障害」というマイナーな問題について書いて下さったことは感謝です。
No.1421 - 2022/10/11(Tue) 16:53:02
脳幹が機能していても、患者家族に脳死と伝える病院もある。テキサス・ライト・トゥ・ライフが指摘 / 守田憲二
 Texas Right To Lifeは10月7日付でThe Hospital Declared Him Brain Dead, Now He’s Home and Breathing on His Own
https://texasrighttolife.com/the-hospital-declared-him-brain-dead-now-hes-home-and-breathing-on-his-own/
という記事を掲載して、2020年5月に無酸素性脳損傷を負ったライアンさんがテキサス州パサデナの病院に入院し、3か月後に病院の最高医療責任者がライアンさんの母親に、息子が決定的に脳死であると伝えたこと。しかし、脳幹が機能を保持していることを公然と認めたこと、Texas Right To Lifeが、その重大な誤りついて病院の注意を喚起したところ病院は脳死の診断を取り消したこと、2か月もたたないうちにライアンさんは退院し、人工呼吸器など必要な医療機器とともに両親の家に戻るのに十分なほどに改善したこと。2022年7月にライアンさんは人工呼吸器が不要になり酸素投与で生活できるようになったことを伝えました。
 脳死と診断した医師が優勢だったら、両親は息子が2年後に自発呼吸をするのを見ることがなかったこと。そして「テキサス州法の下では、苦しんでいる患者が理想的な生活の質(医師によってなされた本質的に主観的な判断)を持っていない場合、彼または彼女は生きる権利がありません。ライアンは重度の脳損傷、早すぎる脳死の診断、そして生き続ける権利を支持したくない病院を生き延びました(Under Texas law, if a suffering patient does not have an ideal quality of life (an inherently subjective determination made by a physician), he or she has no right to live. Ryan survived a severe brain injury, a premature brain death diagnosis, and a hospital that was unwilling to uphold his right to continue living. )。と書いています。

 記事のなかに2つの動画があります。
 上の動画(3分19秒)はThe 3 Points You NEED to Know About Brain Death in Texas - AND - What to Ask the Doctors
この動画はhttps://texasrighttolife.com/video-brain-death/
でも見ることができます。上記のURL内の記事でもテキサス州の脳死診断の実際、標準的なICUでは入院して5日以内に人工呼吸器を停止していること、脳損傷患者の予後が不明瞭なことを認識していないことなど、生命維持治療を早期にやめることの危険性が書かれています。

 動画内ではテキサスの病院で脳死と説明された時に患者家族が知っておくべき3つのこと、そして家族が医師に尋ねるべき3つのことが話されています。
患者家族が知っておくべき3つのことは、
1,There is a difference between diagnosis and declaration.
2,Your only time to act is between a diagnosis and an actual declaration.
3,To legally declare brain death, there must be zero brain function in the patient.

 脳死診断と脳死宣告は異なる。脳死宣告がされたら、病院は合法的に患者家族の希望を考慮することなく生命維持装置を外せるから、患者家族が行動できるのは脳死診断の前から実際の脳死宣告まで。この間にセカンドオピニオンや確実な検査の実施を求める。医師は、合法的に患者の人工呼吸器のプラグを抜けない時に、「脳機能が限定」「部分的脳死」などの言葉を使って家族を説得しようとすることがある、と解説しています。

 医師に問う3つの質問は
・最初の質問、「彼または彼女の脳幹になにか活動か機能がありますか?」もしもイエスだったら、あなたの愛する人は法的また医学的に認められている脳死ではありません。すぐにこれを病院に知らせれば、多くの場合、脳死の診断を覆すことができます。
・二番目の質問、「血流検査はしましたか?」。血流検査は、現在ゴールドスタンダード、用いることのできる最良の診断ツールです。特に農村地域の病院では他の検査を使って脳死診断を急ぐことがあります。テキサス・ライト・トゥ・ライフは、家族がこの検査を主張した後に、多数の脳死診断が取り消されて、これらの患者が生きていることを見ています。
・三番目の質問、その検査結果は神経科医によって評価されましたか?テキサス州法は、脳死診断と脳死宣告に熟練した神経科医の評価を求めていません。病院により異なりますが、総合医に診断・宣告させている病院もあります。神経科医に評価させるよう主張すると、あなたの愛する人の命は守られるでしょう。

では要約します。これらの三つの質問を覚えてください。「彼または彼女の脳幹はなにか機能していますか?」「脳血流検査はしましたか?」「神経科医はどこにいるんですか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上で引用を終わり、以下は引用者の注記です。

・米国では相変わらず粗雑な脳死判定が横行しています。メディアの報道のなかでは、脳死と診断した後に「the patient is brain dead and vegetative state(その患者は脳死で植物状態だ)」と書いた記事もみられ、取材者のレベルでも医療者のレベルでも区別をしていない様子が見られます。粗雑な脳死判定のなかには、上記ライアンさんのように脳幹が機能していても脳死という病院があるのでしょう。
・日本でも「脳死に近い」などの説明が行われる際に、同様の事態が起こりうるでしょう。
・原理的には、脳死判定の各検査で脳機能の低下は診断できるが、脳機能の廃絶は診断できないため、粗雑であろうが厳密に行っても脳死判定は誤る可能性がある。
・粗雑な脳死判定が横行している地域での脳血流検査は有効でしょう。しかしヒトの脳組織が壊死する血流量が不明のため、脳血流検査をしても脳死判定を誤ったケースがあることに注意願います。参照http://www6.plala.or.jp/brainx/yosi.htm#3
No.1419 - 2022/10/10(Mon) 09:21:00
日本尊厳死協会、11月1日からリビング・ウィルを改訂、「回復不能な遷延性司式障害(持続的植物状態)」を「意識のない状態が長く続いた場合」に変更ほか / 守田憲二
 日本尊厳死協会https://songenshi-kyokai.or.jp/ が、2022年11月1日からリビング・ウィルを新しくするんですね。
https://songenshi-kyokai.or.jp/honbu/wp-content/uploads/2022/10/lw187_3456.pdf に新旧のリビング・ウィルを掲載してあり、解説文には以下があります。
(一部分を抜粋)。
「人生の最終段階におけるデリケートで 揺れる気持ちを、より丁寧 に表明でき 、かつ時代の求めに即応したものへと生まれ 変わります 。
「【ポイント】 ●かつては「植物状態」と表現され、何本ものチューブにつながれて意識もないまま生き続ける、人間の尊厳を傷つける状況が多くあったため、特にこの病態を取り上げていました。しかし「新」では、第 1 カ条の「意識のない状態が長く続いた場合」に含めました。」
「【新リビング・ウイルのポイント】 1,より広範な状況をカバーできるように変更しました。2,身体だけでなく精神的・社会的苦痛を含めた、全人的・総合的な緩和ケアを希望する文章にしました。3,家族の同意など、自律性を妨げる表現は使わず、あくまでも自己決定した意思を支えてほしいという表現にしました。」
「「現行」のリビング・ウイル・会員証も 十分に有効で、そのままお使いいただけますが、書き替えおよび再発行をご 希望の方は11ページをご覧ください。」

・・・・・・・・・・・・・・・
 11月19日(土) 午後1時〜4時半に「新しいリビング・ウイル ──自分らしい最期と看取り」をテーマにして、ウェブ参加および現地参加のセミナー第11回 日本リビングウイル研究会を開催するとのこと。
以下のURLを参照。https://songenshi-kyokai.or.jp/archives/8741
No.1416 - 2022/10/03(Mon) 13:49:22
Re: 日本尊厳死協会、11月1日からリビング・ウィルを改訂、「回復不能な遷延性司式障害(持続的植物状態)」を「意識のない状態が長く続いた場合」に変更ほか / 守田憲二
誤植訂正 件名のなかに「回復不能な遷延性司式障害」とありますが、正しくは「遷延性意識障害」です。
No.1417 - 2022/10/03(Mon) 13:52:18
Re: 日本尊厳死協会、11月1日からリビング・ウィルを改訂、「回復不能な遷延性司式障害(持続的植物状態)」を「意識のない状態が長く続いた場合」に変更ほか / 桑山
 尊厳死協会は今は大々的に法制化を求めている訳でもないので、「ああそうか」と思いました。どうしても応答がしづらい人に生きる価値を認めないようですね。
 閉じ込め症候群になった人とかも居る事実があることはわかっているのに、乱暴な話です。
No.1418 - 2022/10/03(Mon) 22:22:59
在宅介護について / 72歳の父を抱える娘 [関東]
現在、遷延性意識障害になり9年目の父を抱える娘です。

父は今療養型病院に入院していますが、コロナの影響もあり、会えない状態が長く続いています。
私自身も、介護福祉士の資格を取得し、痰の吸引等も行える為、自分の仕事も区切りがついたので、父を在宅介護に移行できないかと考えております。

介護保険でどこまで考慮されるのか聞いた所、ケアマネージャーからは、月額40万近く介護費だけでかかる上に家族の負担が大きすぎるからと言われ、なかなか在宅介護に踏み切る現実味がありません。

正直、在宅介護でそこまでお金がかかるのかと驚きました。しかし、家族会の方の中では在宅介護の方が多い印象がありました。

皆さま、在宅介護で何か公的な助成みたいなものはうけておられますか?

さしつかえなければ教えていただきたいです。
宜しくお願い致します。
No.1414 - 2022/09/30(Fri) 16:52:09
Re: 在宅介護について / 桑山
 在宅介護の場合、介護保険だけではどうしても足りない場合は障害者総合支援法を使うことが出来ます。その場合の要件がいろいろとあるので、詳しくは市町村の窓口で聴いて下さい。「介護保険と障害福祉サービスの適用関係」で検索してもらうと、国からの通知も出てきます。
 在宅介護の上乗せ部分は自治体の制度なので、都道府県、市町村で異なります。お住まいの自治体で「利用の手引き」のようなものが発行されていると思うので、それをご参照下さい。
 
No.1415 - 2022/10/01(Sat) 17:17:04
胸背部の可動域向上で15名の意識障害患者が人工呼吸器から離脱、静岡徳洲会病院 / 守田憲二
 「日本ヒューマン・ナーシング研究学会誌」が、同学会サイト内http://jann-1973.jp/nicd/journal/ で公開されています。
 2020年10月発行の9巻2号http://jann-1973.jp/nicd/journal/pdf/nicd_09_02.pdf 31〜p36に小川千代子氏(静岡徳洲会病院) らによる「意識障害を伴う人工呼吸器依存患者への看護の実態調査」が掲載されています。
 意識障害があり長期間人工呼吸器に依存している患者15名(平均年齢70歳、人工呼吸器装着から離脱の介入までの期間は平均834.9日、最長4446日〜最短0日)に看護介入によって胸背部の可動域を向上させ、介入期間は平均11.9日間(最長37日間〜最短3日間)で人工呼吸器からの離脱に成功していることを報告しています。

・看護介入の中身は、口腔機能の回復と清潔保持、体位の工夫、胸背部の骨格筋の拘縮の改善、肺コンプライアンスの拡大。
・人工呼吸器装着から離脱の介入までの期間が最も長かった事例は、脳挫傷で38年前から意識障害、15年前から人工呼吸器を装着していた60歳代前半の男性。看護介入を開始して2日後に人工呼吸器を離脱、表情変化や発声の出現はなかった。
・看護介入の期間が最も短かった0日の患者は、パーキンソン病で12年前から意識障害、1年前から人工呼吸器を装着していた80歳代後半の男性。看護介入を開始して6日間の介入で離脱した。離脱後は胆嚢炎を合併し191日間存命した。
・人工呼吸器からの離脱後の死亡者は10名。死因は肺炎4名、敗血症4名、臓器不全2名。離脱後からの死亡までの存命期間は310.2±196.6日であった。最長存命期間は657日間、最短存命期間は46日間。
・報告時点での存命の患者は5名、存命期間の平均は916±157.5日間、最長期間は1037日間、最短期間は707日間。
・2例に表情変化、追視など意識障害の改善効果あり。
No.1412 - 2022/09/25(Sun) 14:41:03
Re: 胸背部の可動域向上で15名の意識障害患者が人工呼吸器から離脱、静岡徳洲会病院 / 桑山
 守田さん、いつもありがとうございます。
 本来なら回復出来る人々がケアやリハビリの不足で、困難な状態のままに放置されているケースは決して少なくないと思います。事例を集めてリハビリの課題を前向きに取り組む必要性を実感しているのですが、保険医療制度の壁が厚いのも感じています。
No.1413 - 2022/09/26(Mon) 10:05:58
生命維持装置の停止を裁判所が認め、控訴を認めなかったため、両親は国連障害者権利委員会に苦情申し立て / 守田憲二
イギリスでアーチー・バータズビーさん(12歳男児)の生命維持装置の停止を裁判所が認め、両親が控訴したものの控訴審も生命維持装置の停止を認め、さらに最高裁判所への控訴が認められなかったため、両親は国連とその障害者の権利委員会に訴えました。

 AFP通信の記事https://www.afpbb.com/articles/-/3417368?cx_part=latest
は“同委員会は先月29日、アーチー君の件について検討中のため、延命治療を続けるよう要請した。
 一方、英政府は8月1日、控訴院にこの件について「早急に審理」するよう要請。控訴院は、国連の要請は法的根拠がないとしたものの、アーチー君の生命維持装置の停止を2日正午までに延期することを認めた。
 母親のダンスさんはスカイニューズ(Sky News)とのインタビューで、装置停止は「演出された息子の処刑」だと非難。「裁判に引きずり込まれ、共感も同情も得られないという状況はトラウマになる」と語った”。

 記事では「脳幹死」の状態にあると医師が考えている、とありますが、6月8日付のスカイニュースが掲載したArchie Battersbee: Family says boy 'gripping mum's fingers shows he is alive' - but doctors claim he is 'brain stem dead'
https://news.sky.com/story/archie-battersbee-family-says-boy-gripping-mums-fingers-shows-he-is-alive-but-doctors-claim-he-is-brain-stem-dead-12630263
は、脊髄損傷が疑われているため脳幹死を宣告するための検査ができないことを報じています。

 マイ・ロンドンの記事によると、母親は、息子が自発呼吸をしようとしていることを「証明している」と主張するビデオを公開した。(人工呼吸器に設定された呼吸数が14から15に一時的に上昇する。肺のモニターも点滅する)
Archie Battersbee: Mum of boy, 12, on life support says video 'proves' her son is trying to breathe on his own
https://www.mylondon.news/news/east-london-news/archie-battersbee-mum-boy-12-24606779
No.1411 - 2022/08/02(Tue) 23:53:51
「臓器提供を見据えた患者評価・管理」によって、意識障害患者が発生させられているのではないか? / 守田憲二
 日本臓器移植ネットワークと関連6学会が「臓器提供を見据えた患者評価・管理と術中管理のためのマニュアル」https://www.jotnw.or.jp/files/page/medical/manual/doc/manual202203.pdf を作成したので、
臓器移植法を問い直す市民ネットワークが6月29日付で撤回を求める文書を郵送し、ブログhttps://blog.goo.ne.jp/abdnet/e/1ba99a23fc1d8268fb120fc2ba72b5ac に掲載されました。

・臓器提供を見据えた処置は、脳保護とは真逆の「臓器移植法」に反する傷害行為です。
・これまでも死後の臓器提供が想定されながら、その後、植物状態となって生存している人がいます。
 「臓器提供を見据えた患者評価・管理」によって、医原性意識障害患者が発生させられているのではないか?

 

 以下はブログ掲載文の見出しです。
◆臓器提供を見据えた処置は、脳保護とは真逆の「臓器移植法」に反する傷害行為
◆患者家族の承諾なしに行われる臓器移植のための舞台裏
◆医師の見通しに間違いはないのか
◆医療費・介護費の不正請求や過大請求も起きる
◆死亡宣告前に臓器提供を目的とする処置を行うことによる、その他の不利益
◆臓器摘出時の麻酔禁止マニュアルは実態と乖離、臓器提供を減らさないための情報隠蔽
◆市民の理解、患者家族の承諾を得られない医療は存在してはならない
No.1409 - 2022/06/29(Wed) 23:31:00
Re: 「臓器提供を見据えた患者評価・管理」によって、意識障害患者が発生させられているのではないか? / 桑山
 守田さん、いつも情報提供ありがとうございます。マニュアルについては、かなりの分量があるので今は十分に読み込めておりませんが、市民ネットワークが主張される「医原性意識障害患者」については、確かにその可能性が考えられます。勉強させて下さい。
No.1410 - 2022/07/03(Sun) 09:57:10
【お尋ね】 / 参議院議員木村英子事務所入野田智也 [関東]
お世話になります。
参議院議員木村英子の秘書をしております入野田と申します。

家族の会様の連絡先がありませんでしたので、掲示板への投稿にて失礼します。
当事務所では、今国会で提出されている自賠法の審議に向けて準備をしており、その中でも被害者救済の部分について重点的に調査を行っております。

その中で、今回の法案では被害者救済が拡充される予定ではありますが、まだまだ不十分な面があると思っています。

家族の会の皆様からみて、自動車事故によって遷延性意識障害となってしまった方の被害者救済でこういったものがもっと必要であるご意見が有りましたら、ぜひ教えていただきたく存じます。
すべて取り上げることは難しいですが、できる限り皆様の声を国会に届けていきたいと思っておりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
No.1407 - 2022/03/30(Wed) 10:21:52
Re: 【お尋ね】 / 桑山
別メールで連絡させて頂きました。
No.1408 - 2022/03/31(Thu) 13:50:56
オランダ 意思疎通を図った患者を「意識がもどらず」、言語で応答できない患者を「昏睡状態」と表現 / 守田憲二
これは1つ前の投稿(黒字)と同文です。前の投稿の右端が表示されないため、立ち読みページのURLを省いて、今回は青字で再投稿します。

 サンマーク出版から「ある特別な患者 医師たちの人生を変えた患者たちの物語」が2021年12月に発行されています。
出版社サイト内のページはhttps://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3912-2

 オランダの日刊紙『デ・フォルクスラント』の連載コラムを単行本化したもの。89人の医師や看護師、医療従事者が、「自分の人生を変えたひとりの患者」について語っています。
カトリックで中絶禁止の意見を持っていたが許容に変わった婦人科医、安楽死の経験と賛否、出生前診断を巡ること他が語られています。オランダならではの歴史性、旧植民地・発展途上国との関係や安楽死法制化以前の安楽死などが伺える記述もあり。

33 愛によって生きる では先天性心疾患の6歳児について人工呼吸器を切ったところ、自発呼吸をして23歳の誕生日を迎えたこと。
62 善と悪 では出生時体重が1キロに満たず肺の虚脱と脳出血の症状も呈したため両親に集中治療を中止することを提案したが両親は拒否。数年後に街で偶然、 (数年前に予想したとおりの障害を抱えている)車イスの載ったその子と両親に再会したこと。
87 頑固な女性 では心疾患の男性患者について、医師は患者の妻に人工呼吸器の装着や心停止後の蘇生に否定的な判断を伝えたが、妻は人工呼吸器をレンタルした。医師は家に返したら長くは生きられないと判断したが、9ヵ月間、オランダ国内の自宅で妻のケアにより生存。その後、人工呼吸器のレンタル費用を負担してくれるスコットランドに引っ越したこと。


 最も問題に思ったのはp280〜p283に掲載されている56 穏やかな表情 昏睡状態 です。以下の点線間に抜粋します。
・・・・・・・・・・・・・・
 ヤン・ラブレイセン(老年病専門医)は、40代前半の女性について「5年以上、意識を失ったまま療養施設のベッドで過ごしていた。(中略)日中、彼女の目は開いていたが、コミュニケーションはとれなかった。彼女はいつも神経がたかぶっていて、しょっちゅう発作的に泣き出した(中略)鼻に通したチューブから栄養剤を注入すると、よく痰や胃液、ときには血を吐きながら咳き込んだ。真っ青な顔で苦しそうにあえぐ彼女を見るたびに、この女性はいずれ窒息死してしまうのではないかと恐ろしくなったものだ。彼女が咳き込んだあと、ふたたび鼻に栄養チューブを通すのは非常につらい作業だった。私たちは、胃に直接栄養チューブを通すことを検討した。でもそのためには手術が必要だ。それが本当に彼女のためになるのか、私たちには確信が持てなかった。胃にチューブを通したところで、彼女の苦しみを引き延ばすだけかもしれない。そこで私たちは、彼女の家族とかかりつけ医にも相談することにした。彼らはきっぱりとこう言った。彼女は不必要な延命治療を望まないだろう、と。(中略)家族には、「次にまたチューブが外れた場合、新たなチューブの挿入は行わない」ことに同意してもらった(中略)(4ヵ月後チューブが外れてしまった)私は彼女のベッドサイドに腰を下ろし、できることなら治療を続けたかったと言った。彼女と意思疎通を図る最後の試みだった。(中略)「・・・・・・これが最善の選択です」。私は彼女にそう伝えた。そのとき、彼女はとつぜん穏やかな表情を浮かべた。その1週間後、彼女は安らかに息を引き取った。彼女が事故で意識を失ってから6年がたっていた。

(中略) あの女性にまつわる一連のできごとは、治療に対する私の見方を大きく変えた。(中略)私は最初、「治療を中止することが本当に正しいだろうか」と自問していた。でも、気づけばその問いは、「意識がもどらず、回復の見込みもない患者を、このまま治療するのが本当に正しいのだろうか?」というものに変わっていった。(中略)医師は、自分の行動が本当に価値のあることなのかを常に考えなければならない。 (中略)そして、ときには何もしないことが最善の決断になりえるのだと、私はあの女性に教わった。
・・・・・・・・・・・・・・

 以下は私の感想です。
・見出しに「昏睡状態」、本文中に「意識を失ったまま」「意識がもどらず」と書かれています。しかし医師は「次にまたチューブが外れた場合、新たなチューブの挿入は行わない」ことについて、彼女と意思疎通を図る最後の試みを行ったのであるから、意識がないとは本当は思っていなかったのではないか。意思疎通を図ることは、意識があることを前提とする行為だからです。
・さらに女性は医師の説明を聞いて「とつぜん穏やかな表情を浮かべた」のであるから、医療中止の提案について理解もできたと思われます。
・米国の新聞記事で脳死と植物状態、意識障害を混同している記事を見かけますが、オランダではさらに軽症な、言語で知的な応答できない患者についても「昏睡状態」「意識がもどらず」「意識を失ったまま」と実態とは異なり著しく重症な表現をしている医師・記者までいる実例と推測されます。
・医療を中止する提案だけを最善の選択として説明するのではなく、「胃瘻をつければ鼻からチューブを入れる必要は無くなり、それに関連するトラブルは無くなる」ことを説明すれば、女性は胃瘻を選択したのではないか。女性にとっては、まず苦痛・窒息死の恐怖から解放することが必要だったのではないか!
No.1405 - 2022/03/21(Mon) 14:39:03
Re: オランダ 意思疎通を図った患者を「意識がもどらず」、言語で応答できない患者を「昏睡状態」と表現 / 桑山
 守田さん、いつも情報提供ありがとうございます。私たちの家族会の中でも、「明確なコミュニケーション」とまではいかなくとも、いろいろなサインやシグナルを出す障害者はかなり多いと考えています。そのような中で栄養を切ったりすることの非合理性は明らかだろうと考えています。
 このエビデンスがまだ得られないケースばかりですが、(明確なコミュニケーションが出来れば意識障害から脱却したとされます)エビデンス化を目指している人は多く居ます。
No.1406 - 2022/03/26(Sat) 09:21:18
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