2013年8月23日付で、児玉真美著「死の自己決定権のゆくえ」が大月書店から出版されました。 英文のニュースや文献から、欧米諸国では安楽死・安楽死後臓器提供・CENSORED幇助・治療の強制終了などが合法化され、あるいは根拠なく対象も拡大されていることを紹介し、尊厳死とその制度化の問題点を考察しています。
遷延性意識障害関連では、p99〜p119の“「意識がある」ことの発見”において、脳死や植物状態と診断され、医師からは回復の見込みはないと言われながら、あきらめきれない家族の思いが「意識がある」ことへの発見のきっかけをつくり回復できたケースや、睡眠薬ゾルビデムによる「覚醒」事例も掲載している。 なかでも、p116〜p119の“「窓を閉じて立ち去ってしまおう」との提案”において、 ・最小意識状態は植物状態よりもべターなのか」と問う声が上がり始めていること ・脳死や植物状態で「意識がない」ことを生命維持や救命を「無益」として中止したり差し控える正当化の根拠としてきた人たちが、今度は「意識があったとしても、どうせ植物状態のような状態であることに変わりはないのだから」と言い始めていること これが ・長尾和宏医師が「もはや植物状態とも言える様相」などの表現を頻繁にくり返すことによって、いったんは終末期の人に限定されたはずの「平穏死」の対象者が、いつのまにか終末期の人を超え、さらに植物状態の人をも超えて広がっていったこと などを書いています。日本尊厳死協会の主張に反論するのに役に立つ内容、論理展開があります。
特に面白い部分はhttp://www6.plala.or.jp/brainx/2013-8.htm#20130823 に抜粋しましたが、詳しくは実物を読まれることをお勧めします。 |
No.1164 - 2013/08/26(Mon) 23:21:44
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