桑山さん、ご紹介いただきありがとうございます。 講演の概要ですが、脳死ドナー、心停止ドナー、それぞれについて臓器摘出時に投与されている薬物や生理状態を報告します。 近年の麻酔をかけない法的脳死・臓器摘出時の記録、そして心停止ドナーの死に至る過程の血圧・心拍変動などの記録も紹介します。 脳死ドナーに筋弛緩剤、麻酔をかける理由を正当化する議論を検討し、「脳死判定を誤っているのではない。脊髄反射への対応だ」という主張に対して、脳死判定を誤る可能性、そして脊髄反射なのか誤診なのか見分ける方法がないことも説明し、「脊髄反射との主張は『医師は診断を誤らない』との検証されない仮定にもとづく」と指摘します。 「麻酔をかけて臓器摘出するのを容認すべきでは」という主張に対して、ドナーの苦痛を軽減するための投与方法ではないこと、臓器を提供して死ぬことが容認されていないことを指摘します。 心停止ドナーに抗血液凝固剤ヘパリンを投与し、心停止後にも心臓マッサージ、人工呼吸などを行う問題点(心停止ドナー候補者家族に正当な承諾を得ていないこと、ドナーに蘇生効果があり、苦痛を与え生体解剖となる可能性など)も指摘します。 |
No.1188 - 2014/01/12(Sun) 20:57:10
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