31964

掲示板

HOME | お知らせ(3/8) | 記事検索 | 携帯用URL | フィード | ヘルプ | 環境設定 | ロケットBBS

名前
メール
URL
件名
地域
文字色
/ 編集パス
記事・相談・質問・何でも気軽にお書きください。

誹謗中傷および社会良俗などに反し、本掲示板にそぐわない内容の書込みは、
管理人の判断により削除させていただきます。
ご了解ください。  ホームページ 管理人
(No Subject) / 桑山
 守田さん、頂いた資料を読みました。
アメリカは昔から脳死や臓器移植は推進と思っていました。
 意外と反対勢力も多そうで、認識が変わりそうな気もするのですが、そのような認識で良いのでしょうか?
No.1463 - 2026/04/12(Sun) 21:30:32
Re: NEW / 桑山
守田さん、詳しくありがとうございました。アメリカ国民の考え方が変われば、様々な面で変わっていくようにも思います。注目していきたいと思います。
No.1465 - 2026/04/14(Tue) 19:23:34
Re: NEW / 守田憲二
 米国民の認識は変わりそうな気もしますが、今年2026年の臓器提供者数の動向をみないと確かなことは言えないと思います。

 臓器移植法を問い直す市民ネットワーク事務局が発行したニュースのことと思いますが、米国のDeceased Donor数は2024年に1万6989人だったが2025年は1万6550人と439人減少(2.6%減少)した。米国の死体ドナー数が前年比で減少した年は2010年以来のこと。
 The Kidney Transplant Collaborativeの報告書LOSING TRANSPLANTS FOR ALL THE WRONG REASONS: A STATISTICAL ANALYSIS OF THE REDUCTION IN KIDNEY TRANSPLANTS IN RESPONSE TO REPORTS OF OPO FAILURES
は、2025年6月からの提供者の減少は構造的と指摘した。2024年そして2025年と相次いで報道された臓器摘出手術の中止報道への注目が高まり、「臓器提供の過程に関わる人々を動揺させた可能性がある。また臓器提供機関が、さらなる事故や否定的な報道、議会の監視を恐れて、心停止患者からの臓器回収に関して慎重になったという可能性も十分に考えられる」などを指摘した。
 

 一方、米厚生省のNational Survey of Organ Donation Attitudes and Practicesは、臓器提供についての支持そして臓器提供登録は安定的であるとの情報を提示しています。
 この全国調査は https://data.hrsa.gov/topics/health-systems/organ_donation_opinion_survey-data
で公開されています。2025年調査は10,008人の米国成人がオンライン(8,007人が2025年1月と2月)または電話(2,001人が2024年9月〜2025年1月)で回答しました。上記2の報告書が指摘した2025年6月以前の調査ですので、臓器提供者の構造的減少は反映されていないと見込まれます。

 臓器提供への支持についてはp15に掲載されています。

1993年 強く支持する+支持するは93.5%:強く反対する+反対するは6.5%
2005年       〃     92.9%: 〃     4.4%
2012年        〃     94.9%: 〃     2.4%
2019年        〃     90.4%: 〃     5.5%
2025年        〃     92.7%: 〃     6.1%


臓器提供登録についてはp24に掲載されています。

2019年 Yes 50.0%:No49.2% 
2025年 Yes 53.8%:No41.3% 



報道の影響力はどの程度あるのでしょうか?
 2025年8月28日付のニューヨークタイムズ記事
U.S. Government Cracks Down on Organ Transplant System
https://www.nytimes.com/2025/08/28/us/federal-crackdown-organ-donations.html
は“全国的なデータを管理している非営利団体「Donate Life America」によると、7月に少なくとも2万人が州のドナー登録簿から名前を削除した。2025年初めに米国で約1億7,400万人のドナー登録があった”と報じました。
 確かに1カ月で2万人以上が臓器提供登録を取り消した。しかし全米で登録している人数からすると、1万当たり1人強に過ぎない。これから取り消す人が増えるかどうかです。



反対勢力は多い?
 カトリック系の方の反対論者が多そうですが、米国民の信仰では少数派と思います。



臓器提供手順の見直し、別の心停止強要手段の普及で、臓器摘出手術の中止が減る可能性

 心停止を1分間しか観察しなかったので、臓器摘出手術中に心臓の拍動が確認されたと見込まれる症例(Annie Bao: Pronounced Dead Twice: What Should an Attending Physician Do in Between?, The American journal of case reports,22,e930305,2021)もあります。ケンタッキー州では生命徴候があったら摘出手術を中止できるように州法を作った。
 ヴァンダービルト大学は、心停止したドナーに高カリウムで低温の潅流液を流すことも行いました。(Donation After Circulatory Death Heart Transplant Without Preimplant Reanimation Using Rapid Ultraoxygenated Recovery)。こんな手段まで駆使されると、高カリウムと低温で心停止患者の自動蘇生は阻止され、臓器摘出手術の中止例が減少して、メディアで問題点が報道されることも少なくなり・・・臓器提供登録を取り消す人も減るかもしれません。

 日本で数十年前から採用されているダブルバルーンカテーテルによる腎臓や膵臓の臓器摘出も、急性動脈閉塞+静脈からの脱血による心停止の強要であり、自動蘇生の阻止です。
No.1464 - 2026/04/14(Tue) 10:20:58
意識に関する研究は、私たちの考えを覆し、苦悩の選択肢を残すかもしれない / 守田憲二
ニューヨークタイムズマガジンは4月9日、
Vegetative Patients May Be More Aware Than We Knew
(植物状態の患者は、私たちが思っていたよりも意識が高いかもしれません)
https://www.nytimes.com/2026/04/09/magazine/vegetative-states-conscious-aware.html?smid=fb-nytimes&smtyp=cur&fbclid=IwY2xjawRFEopleHRuA2FlbQIxMABicmlkETFtd3kxWk5hbzVUOVpKdEdIc3J0YwZhcHBfaWQQMjIyMDM5MTc4ODIwMDg5MgABHpIY3wDW3kz1XLL58JsXkJFVR959z_N0BHTn5PXLdyO44jxg5ho2-KvdeR5s_aem_pRBT2aj6TIwgf5wM5pe5lA
を掲載しました。

 サブタイトルにNew research is upending what we thought about the consciousness of patients, leaving families with agonizing choices.(新たな研究は患者の意識に関する私たちの考えを覆し、家族に苦悩の選択肢を残しています)と書かれているとおりの内容です。



 2024年10月にサウスカロライナ州のアーロン・ウィリアムズさん(30歳男性)が昏睡状態で人工呼吸器装着となり、10月末に目を開けたが持続的植物状態と診断。2025年に妻が口を開けるように促すと、アーロンさんは口を開けた。その動画を医師は見ようともしなかった。20秒間ほどの動画も見れます。
 妻は夫に意識があるかどうか知りたいと。文末は“Because I know he wouldn’t want to be there if he wasn’t there,” she says. “What’s the point?”




 このほか以下の記述あり。
 
・By some estimates, around 50,000 Americans are in a chronic vegetative state, with another 200,000 to 400,000 in a minimally conscious state(推定によれば、約5万人のアメリカ人が慢性植物状態にあり、さらに20万人から40万人が最低限の意識状態にあります)


・ケンブリッジ大学のエイドリアン・オーウェンらが、fMRIスキャナーで植物状態と診断された患者に意識がある事を発見して20年経ったが、この検査は「世界のどの場所でも標準的な治療ではない」こと。オーウェン自身がテニスをする想像ができると分かった患者についても、その結果を家族にさえ共有せず、脳損傷患者は単に元の場所に戻されたこと。


・2022年、マサチューセッツ総合病院の集中治療神経内科医ブライアン・エドローは、Emerging Consciousness Programを立ち上げた。これは、米国で唯一、ICU患者の秘密意識を定期的に検査する臨床プログラムである可能性が高い。fMRIで検査している。


・カナダでは、病院で亡くなった外傷性脳損傷患者の約70%は、外傷自体ではなく生命維持装置の撤去によって亡くなっている。脳損傷を負った愛する人が聞き理解できることを知っていれば、家族はケアを続けやすくなるのではないか。しかし、この発見が一部の家族に無駄な治療を主張させる可能性もある。


・2025年に機能的近赤外分光法を用いて、急性脳損傷患者32名のうち8人(25%)で隠れた意識の証拠を示した。



以上
No.1462 - 2026/04/10(Fri) 11:33:13
臓器提供施設の12%、院内ドナーコーディネーターが重度意識障害患者を終末期患者・潜在的臓器提供者として症例把握 / 守田憲二
 厚生労働科学研究成果データベースで3月16日、
文献番号 202413007B
「終末期医療から脳死下・心停止後臓器提供に関わる医療の評価に関する研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/176106#report_pdf_2
が公開されました。

 このうちp15〜p16の分担研究報告書「脳死が疑われる終末期患者に関わる実態調査の研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/%E5%88%86%E6%8B%85%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%9A202413007B-buntan2.pdf
は「3.重度意識障害患者の把握や取り組みに関して」で以下を書いています。

 “調査では、重度意識障害患者の把握状況やその具体的な症例についても検討を行った。一部の施設(アンケート回答施設中71施設:12%)では、 重度意識障害患者数を独自に把握するための取り組みが進められており、数名から最大で500例程度 の症例を把握していた。しかし、重症意識障害を把握するための取り組みに標準的な基準はなく、把握している患者数にも大きな幅があった。多くの施設では重症意識障害患者の把握が困難であり(29 8施設:51%が困難と回答)、他診療科の症例把握や、症例把握のための体制構築が困難であることなどが挙げられた。重症意識障害患者把握のための取り組みとして、カンファレンスや回診などが挙げられた。また、院内コーディネーターが不在の施設が29%あり、院内コーディネーターの関与のタイミングは、家族からの申し出や連絡があり介入がはじまる場合が多かった。院内コーディネーターが積極的に予後不良患者の診断時から介入できている印象には乏しく、標準化された介入手法が求められる現状が浮き彫りとなった。”


結論の最終行でも“さらに、調査では、重度意識障害患者の把握プロセスが依然として限定的であることが明らかになった。施設間での取り組みには大きな差があり、 情報共有体制の問題があることが示唆された。院内コーディネーターの早期関与も限定的であることが示唆された。”とされています。


守田の意見:この研究報告書は院内コーディネーターによる標準化された介入を求めていることから、脳死とされうる状態の患者よりも軽症な重度意識障害患者を潜在的臓器提供者・終末期患者とみなして、生命維持治療の終了による心停止ドナー候補者とすることを想定しているのでしょう。
No.1460 - 2026/04/07(Tue) 13:48:59
Re: 臓器提供施設の12%、院内ドナーコーディネーターが重度意識障害患者を終末期患者・潜在的臓器提供者として症例把握 / 桑山
こういった研究を行うドクターもいるんだなあ・・とあらためて思いました。「臓器移植」そのものに対して否定的な私としては、イヤな感想をもちました。
No.1461 - 2026/04/07(Tue) 19:19:00
金沢医科大学で経頭蓋直流電気刺激による意識改善・発語例 / 守田憲二
 2025年11月に第55回日本臨床生理学会学術大会が開催され、抄録は「臨床神経生理学」53巻5号としてJ-STAGE内
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jscn/53/5/_contents/-char/ja
で公開されています。遷延性意識障害の関連では2件の発表があったようです。抄録のため原文は簡易な記載ですが、以下に紹介します。


 p385に新見昌央氏(日本大学 医学部リハビリテーション医学分野)による「遷延性意識障害の評価とリハビリテーション」が掲載されています。
 外傷性脳損傷による意識障害では、受傷後6カ月から1年が経過しても意識レベルが改善すると報告されている。急性期から早期離床を行って意識レベルが改善すれば、リハビリテーション医療を受けられる機会が増えることが期待される、との教育講演。


 p592に高橋千晶氏(金沢医科大学 医学部リハビリテーション医学講座)ほかによる「遷延性意識障害に対するtDCS使用症例の神経生理学的検討」が掲載されています。
 脳梗塞後の遷延性意識障害例に経頭蓋直流電気刺激を行ったところ、4週以降に意識レベルが改善し発語が出現したとのこと。


・・・・・・・・・・・・・

 「家族の歩み 2」をお送りいただきありがとうございます。まだ読み終えていませんが、現状のわかる貴重な資料と思います。
No.1458 - 2026/03/17(Tue) 13:55:57
Re: 金沢医科大学で経頭蓋直流電気刺激による意識改善・発語例 / 桑山
守田さん、いつもありがとうございます。「家族の歩み2」の感想などがありましたら、またお寄せ下さい。
No.1459 - 2026/03/20(Fri) 08:44:06
家族の歩み2 / 桑山
 2024年春に実施した家族会アンケートを下に作成した「家族の歩み2」の発送が一昨日あたりから始まり、「届いた」という連絡を頂いています。
 雪の多い地域は、少し遅れるとのことでした。10日ほどしても届かないケースの場合は、またご連絡下さい。
No.1457 - 2026/02/06(Fri) 16:08:01
全国会HP復旧しました / 全国会ホームページ管理担当
みなさま

この度はご不便をおかけしました。
ここ6日ほど 全国会ホームページが接続できない状態でした。お詫びいたします。

この度の対応を具体的に申し上げますと これまでhttps:// (通信暗号化)に対応していなかった状態を、改善する為の措置でした。
新サーバーへの移行に伴いお時間を必要としましたが、本日20日をもって復旧できました。

サーバの復旧後も、以前と同じアドレスにてアクセスできますが 一定期間過ぎた後はhttps:へ リダイレクトされます。
皆様は特別な変更無しでお使いいただける予定です。
No.1456 - 2026/01/20(Tue) 19:45:44
リハビリテーション医学会誌に掲載された3例 / 守田憲二
 2024年に開催された第61回日本リハビリテーション医学会学術集会の抄録号と思いますが、「The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine」61巻,Supplement号がJ-STAGE内
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjrmc/61/Supplement/_contents/-char/ja
で公開され、以下の3点の遷延性意識障害からの回復例、リハビリテーション例が掲載されています。(抄録のため掲載ページがP・・・ではなくS・・・と書かれています)

 掲載されているPDFファイルそのもののURLは
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/61/Supplement/61_61.S977/_pdf/-char/ja


S1193

遷延性意識障害に対して高頻度rTMSを施行し意思疎通が可能となった一例

1 河野臨床医学研究所品川リハビリテーション病院リハビリテーション課,
2 河野臨床医学研究所品川リハビリテーション病院医局
朴木 裕樹1,吉田  臨2

【はじめに】遷延性意識障害における非侵襲的脳刺激療法の報告が近年増加している。最小意識状態(MCS)患者において背外側前頭前野への高頻度の反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は有効と報告がある一方で、無反応覚醒症候群(UWS)患者の改善した報告は少ない。今回、脳幹梗塞および右被殻出血術後の遷延性意識障害患者に対して、背外側前頭前野に高頻度のrTMSを行い、意思疎通が可能となった一例を経験したので報告する。

【症例】40歳代女性、発症前ADL自立、会社員、脳幹梗塞および右被殻出血にて脳室穿破の診断、緊急開頭血種除去術を施行。

【経過】第41病日に回復期病院転院、入院時Glasgow Coma Scale(GCS)E1VTM1、CRS-R:0、FOUR score:E0M0B1R4、四肢体幹の筋緊張弛緩、FIM18点であった。
第48病日電気刺激による感覚入力を開始、第51病日頸椎カラー作製し立位練習開始するも変化なし、第121病日目に高頻度rTMSを左背外側前頭前野に開始、CRS-R:1、FOUR score:E0M1B1R4、第 183 病日目に高頻度rTMS再度開始、GCS E3VTM6、CRS-R:4、FOUR score:E3M4B1R4 となり、FIM18点のままだが右手でスイッチを使用して簡単なYes/Noが可能となった。

【考察】感覚刺激入力や立位練習の効果が乏しく変化はなかったが、背外側前頭前野に対し高頻度rTMSを開始後数日で変化が認められた。しかし、1クール終了後はわずかな変化のみであった。再度rTMSを実施後、簡単な意思疎通が可能となった。UWS患者に対する高頻度rTMSの効果が刺激時間や頻度だけでなく、複数クール実施することで改善に寄与した可能性がある。


//////////////////////////////

S1212

慢性期病院からの転院後積極的なリハビリテーション治療により自宅退院に至った症例

1 日本大学医学部附属板橋病院リハビリテーション科,
2 竹川病院リハビリテーション科,
3 日本大学医学部リハビリテーション医学分野
土屋  航1,安達 明完1,鳥沢 伸大1,藤澤 知弘 2,新見 昌央1,3

【背景】
遷延性意識障害からの回復には数カ月の期間を要すると報告されている.本邦では意識障害が遷延している患者はケアのみで,リハビリテーション治療を受けられない病院へ転院することが多い.今回,転院後の継続した評価で意識障害の改善を認めた症例を発見し,積極的なリハビリテーション治療を行ったことで自宅退院に至ったため報告する.

【症例経過】
症例は右被殻出血を認め,開頭血腫除去術及び外減圧術が施行された40代男性である.day2にリハビリテーション科医師の指示の下,端座位訓練より早期離床を開始した.開始時Japan Coma Scale(JCS) ?V-200 であり基本動作は全介助を要した.気管切開を施行し人工呼吸器離脱後day16に一般病棟へ転棟した.その後も意識障害は遷延し,day81に慢性期病院へ転院となった.転院後,継続した評価により意識障害の改善を発見したためday170に当院へ再入院した.再入院時JCS?T-2で従命可能であったが,長期臥床による四肢の痙縮及び拘縮を認めたため,ボツリヌス療法を併用したリハビリテーション治療を実施した.当院での最終評価時はJCS?T-1であり従命や疎通が可能となった.しかし,拘縮は残存し,基本動作は全介助であった.day197に回復期病院へ転院後,day366に自宅に退院した.

【結語】
意識障害の回復過程を適切に評価しなければ,改善のタイミングを見落とし,必要なリハビリテーション治療が受けられず,拘縮などの二次的合併症が生じてしまう.これは,本来のパフォーマンスの発揮を妨げるだけでなく,ADLを大きく低下させる要因となりうる.


//////////////////////////////

S1233

遷延性意識障害を呈した若年びまん性脳損傷者に対して歩行練習を実施した回復期の理学療法経過

千里リハビリテーション病院
上野 奨太,吉尾 雅春

【症例紹介】
20 代男性。交通外傷によるびまん性脳損傷。5週目に当院回復期リハビリテーション病棟入院。意識はGCS:E3V1M1、Coma Recovery Scale-Revised(CRS-R):4 点で無反応覚醒症候群に属した。膝関節伸展可動域は左右とも-10度の制限を有した。

【経過】
介入は関節可動域練習に加え、入院1週目は立位までの離床、2〜13週目は両下肢に長下肢装具を装着した立位・後方介助歩行練習(60~100m/日)を聴覚刺激も加えて実施。4週目に追視がみられ、CRS-R:8点で最小意識状態へ移行するも、両膝関節屈筋の筋緊張はMAS:2と亢進した。しかし、歩行練習後は即時的にMAS:1に抑制し、膝関節の拘縮は進まず経過した。10週目に言語表出がみられ、対話が可能となり、CRS-R:20点で最小意識状態から脱却したが、記憶障害や易怒性を認めMMSE10点であった。NIHSS運動は左右上下肢全て3で、動作全てに介助を要した。13週目まで長下肢装具歩行練習を継続。徐々に易怒性は抑制され、運動に積極的になった。14週目から基本動作練習を中心に介入した。

【結果】
24 週目にGCS:E4V5M6、CRS-R:21点、MMSE23点、NIHSS運動(右/左)は上肢(1/2)、下肢(1/1) となった。食事・起居、病棟内車椅子移動は自立し、移乗軽介助、歩行中等度介助で障がい者病棟へ転院となった。

【考察】
意識障害例に対する歩行練習は単なる立位練習よりも荷重および筋紡錘の伸張刺激が強く、大脳皮質を賦活し、意識改善に寄与した可能性がある。また、痙縮抑制、拘縮予防に寄与し、意識改善後の動作能力向上に有益であった可能性がある。    
No.1454 - 2025/12/04(Thu) 12:13:33
Re: リハビリテーション医学会誌に掲載された3例 / 桑山
守田さん、情報提供ありがとうございます。2例目を興味深く思いました。意識障害が遷延化しつつあるときの働きかけの大事さを思います。
No.1455 - 2025/12/09(Tue) 08:34:59
高圧酸素療法と脂肪幹細胞の脊髄注入による回復例 / 守田憲二
 2018年にロバート・ボイティムちゃん(当時8歳)は溺れて1時間近く心肺停止し脳死とされ、父親はヒューストンの2つの病院から、息子を手放して臓器を提供するように言われた。発症37日後からニューオリンズメテリーのハーチ高圧のポール・ハーチ博士(Dr. Paul Harch of Harch Hyperbarics in Metairie)のもとで高圧酸素療法を40日間以上実施したところ、最初の週にロバートちゃんは会話が理解可能になり笑うようになった。その後、数年間にわたり自宅で酸素室を使い、脊髄への脂肪幹細胞の注入も行った結果、現在は歩き、話している。

 「ハーチ博士は1989年以来外傷性脳損傷、脳震盪、脳卒中、溺死の人々を治療してきたが、FDAは未認可、医療保険は依然としてこれに対して払い戻しをしていない」とのことです

出典:2025年9月11日付WWL-TV記事
Fighting for breath: A father’s battle to save his son from brain death
https://www.wwltv.com/article/news/health/fighting-for-breath-fathers-battle-to-save-his-son-from-brain-death/289-4c0c6692-4929-43fc-a418-f929b77571d9
No.1452 - 2025/09/17(Wed) 23:49:28
Re: 高圧酸素療法と脂肪幹細胞の脊髄注入による回復例 / 守田憲二
誤植訂正、年齢は(当時3歳)です。
No.1453 - 2025/09/17(Wed) 23:52:40
10年間以上植物状態が持続した2症例、言語刺激に対する脳内プロセスを確認 / 守田憲二
「高次脳機能研究」45巻1号がJ-STAGE内https://www.jstage.jst.go.jp/browse/hbfr/45/1/_contents/-char/ja で公開され、このうち第48回日本高次脳機能障害学会学術総会講演抄録 一般演題はhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/45/1/45_45.20/_pdf/-char/ja です。p23に「長期植物状態患者の脳内言語プロセスの検討」が掲載されています。以下は同文です。



長期植物状態患者の脳内言語プロセスの検討

河野寛一1,本田美和2,苅安誠3,下堂薗恵4
1 潤和会記念病院リハビリテーション科,
2潤和会記念病院リハビリテーション療法部,
3ヒト・コミュニケーションズ科学ラボ,
4鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学

【はじめに】発症後500週を越える植物状態にある2症例の言語機能についてfMRIとMEGを用いて解析した。

【対象】症例1:70歳,男,右利き。心筋梗塞による心停止,蘇生後脳症。仕事中に発症し,低酸素脳症による遷延性意識障害となった。発症4週後に当院へ転院。気管切開,経鼻経管栄養。57週目に胃瘻造設。59週目以降は医療療養型病床に転棟した。その後肺炎や尿路感染を繰り返した。MRIでは徐々に脳萎縮が進行し,568週目に死亡した。
症例2:53歳,男,左利き。右被殻出血。自宅で発症して入院した。同日減圧開頭血腫除去術を受けた。気管切開,頭蓋形成術を受けて,28週から医療療養病床へ転棟した。507週目の現時点で経鼻経管栄養,気管切開状態で,意識障害が持続している。

【方法】fMRI:メロディーのみと歌詞有り音楽,日本語童話の聴き取りを計測した。また安静閉眼時fNRI(rs-fMRI)を検索して評価した。MEGの検査法:音刺激は純音(100Hz,65db),言語音は合成単音,ヒト言語音(3 mora)の聴き取りを行った。MEG解析はMNE法を用いて解析した。MEG-MRI 皮質領域mapにはDesikan-Killiany(Brainstorm)を用いた。

【結果】症例1。MRIでは徐々に脳萎縮が進行した。452週目のfMRI検査では左側頭葉〜前頭葉に反応が認められた。566週目のMEGで3モーラ音の聴き取りでは200〜400msで両側前頭前野,下前頭回にシグナルが観察された。
症例2。MRIでは徐々に脳の萎縮が進行した。rs-fMRIでは507週目,視覚認知,注意,小脳機能のネットワーク低下を認めたが,他のネットワーク機能は保たれていた。3モーラの言語音刺激では300〜400msで右前頭葉のシグナルが観察された。

【結論】10年間以上植物状態が持続した2症例の言語刺激に対する脳内プロセスを検索した。脳萎縮は徐々に進行したが,言語音刺激に対する側頭葉〜下前頭回,前頭前野のモジュール間のシグナルの推移が観察された。
No.1451 - 2025/08/01(Fri) 11:54:31
「死体からの臓器摘出に麻酔!」は4月末で消滅、「作られる意識障害者そして死体」を開設 / 守田憲二
 プロバイダーの「ぷらら」がプライベートホームページサービスを2025年3月31日で終了することにともない、私個人のサイト「死体からの臓器摘出に麻酔!」http://www6.plala.or.jp/brainx/index.htmは4月末に消滅の予定です。

 代わりに本日、「作られる意識障害者そして死体」https://brainx.web.fc2.com/を開設しました。

 新サイトはスマートフォンで見てもストレスなく読める体裁です。

 トップページ内の見出しは
1,死亡予測の誤りは57例当たり1例
2,患者家族の承諾なく救命治療を打ち切り 、臓器提供を見据えた管理を開始
3,医療従事者が作る意識障害者そして死体
4,臓器摘出時の麻酔、移植医は国会で否定したが嘘だった!
5,死亡宣告の誤り、臓器摘出手術の中止
6,その他の参考情報
旧サイト消滅、当サイト開設にともなうお知らせ

 
 サイト移転の完了は夏頃の予定です。旧サイトの文章をそのまま移すページがある一方で、移さない予定のページもあります。遷延性意識障害からの回復例は、すべて最低限の修正で移しますが、サイト移転が完了するまで一時的に読めなくなるページも生じることをお断りします。

 その他の移転予定のページ、移さない予定のページの区別はhttps://brainx.web.fc2.com/の下部をご覧ください。

以上
No.1450 - 2025/03/27(Thu) 17:41:11
以下のフォームに記事No.と投稿時のパスワードを入力すれば
投稿後に記事の編集や削除が行えます。
200/200件 [ ページ : 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ... 20 >> ]

- HOME - お知らせ(3/8) - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - メール - 環境設定 -

Rocket Board Type-LK (Free) Rocket BBS