昨年秋からの「ATAC異常動作」と今回の「タコ踊り」の原因が判明しました。 リアバンクのイグニッションコイル不良です。
以下経緯&考察です。
<発生時期等> 2009年5月2日 ATACの異常動作は修まらないまま出発 高松から高速自動車道を走行して石鎚SA少し手前にさしかかった時
<症状&対応> 1)登りでスロットルを開けたが、吹け上がらないと思った直後に「タコ踊り」と「エンジンの息継ぎ」発生 2)ほどなく「アフターファイアー」発生 3)だましだまし走って石鎚SA到着、リアバンクのスパークプラグを新品に交換しても効果なし 4)高速自動車道を降り、アイドリングでは安定しているようでも、発進しようとするともうダメ状態 5)「タコ踊り」「エンジンの息継ぎ」「アフターファイアー」の三重苦に悩まされながらだましだまし走行 6)ATACソレノイドからの配線コネクタを外してみるが、やはり効果なし 7)時々思い出したように一瞬だけリアバンクが回復している感じ 8)症状が落ち着いたと思ったら、完全に片肺状態(リアバンクがアウト)
<診断結果&対策> 1)帰宅途中に寄ったバイク屋のマスターさんの話を聞いて、イグニッションコイルがアヤシいと思い始める 2)帰宅後、自宅にあったフロントバンク用のイグニッションコイルを加工して交換 3)出発時点より快調な感じの吹け上がりで、ATACの異常動作もウソのように止まる
<考察> イグニッションコイルは、熱や経年で劣化や断線が進むと十分な電圧を発生できなくなったり、高回転域に必要なタイミングで電気を送ることができなくなるので、アイドリングで安定していても走り出すと失火を招き「タコ踊り」や「アフターファイアー」を起こすというのが、帰宅途中に寄ったバイク屋のマスターさんの話でした。
実は、私は今までにこのNSでリアバンクのイグニッションコイル不調による片肺を2回も経験しています。 その時は、どちらも一般道走行中で、いきなり片肺状態でした。 その都度、両方のイグニッションコイルを交換していたため、自宅には2本のフロントバンク用イグニッションコイルがあったのです。 フロントバンク用のものをリアバンク用のものの長さに合わせて短く切り、耐熱チューブ等をうまく皮むきすればOKです。 ただ、同じリアバンク用イグニッションコイルでも、本体側に接続するギボシ付きの短いコードが外れないものもあるので、その場合はコードを自作する必要があるかもしれません。
では、なぜ、リアバンクのイグニッションコイルばかり不調になるのでしょうか? それは両イグニッションコイルの位置に関係があります。 NS250Rのイグニッションコイルは、リアバンクシリンダの右斜め後ろにあって、右側にフロントバンク用、左側にリアバンク用が並んでいます。 つまり、リアバンク用のイグニッションコイルは、リアバンクシリンダに近いのでその発熱の影響を受けやすく、フロントバンク用のは逆にリアバンク用の陰になって熱の影響を受けにくいというわけなのです。
イグニッションコイルの劣化や断線によってスパークも弱まり、パワーダウンもするのは想像に難くありませんが、その症状は通常じわじわと進行するので分かりにくく、片肺や今回のような症状が出て気がつくのではと考察します。 昨年秋の浜松から帰路に起きた「タコ踊り」の原因の一つもコレだと思われます。
今回のように「タコ踊り」に始まる複合症状に惑わされたとはいえ、経験が生かされていないことを痛感しました。 |
No.169 - 2009/05/04(Mon) 22:05:29
|