| Without Youの旋律の一端をはじめて聞いたのは、5年前のhideの7回忌、hideミュージアムの献花式の厳粛な式場内だった。耳はピアノを、目は足をくつろぎ投げ出す遺影のhideの顔。ドーム内には、ピアノの間奏が、魂の奥底に届けとばかりに寂寞のこみ上げをいざない、辛く悲しく、一人一人にいろんな場面を呼び覚ましながら、鐘を打つように心打ってゆく。その中に、各人それぞれが最初に聞いたWithout Youの場面も起想したに違いない。真珠の玉を譜面に乗せて、Xやhideへの応援の小旗を真珠に添えれば、譜面の音符は、固いきづなのYOSHIKIの指から皆の心に、真珠の銀白色の輝きを、輝き続けるいろんな場面と共に届けてくれる。悲しみがこみ上げる瞬間に、思い出や楽しい場面が湧き上がる。万華鏡のように華やかな彩り世界が蘇るようで、闇のぞく衝撃の日が覗き込む。ジキルとハイドになったのか。表裏2面を絶えず表情に宿す多性格になったのか。トラウマとハイテンションがうつとそうを同時に住み込ませてしまったのか。ロックと静かなピアノの隔世の世界を同時に行き来する・・・いやこの曲は揺れ動き転がり続ける、得体の知れないXの、つかみようもない性格を併せ持つリーダーの、眼前にうずくまり白い鍵盤に指を食みクリスタルの音色を山頂の頂で奏でるYOSHIKIの、hideへの思い、同時に自分の内面をうつしつつ、ファンへの思い、メンバーや関係者への思い、万人に届けたいとするYOSHIKIの寂寥と感謝をつむぐメッセージかも知れない。深くhideへの感謝や帰依を前面に押し立ててはいるが、深く一個人に思いをはせれば、それに連なるいろんな人が思い浮かんでしまう。今まで会った全ての人が、今の自分を支え、創り、これからも周りにいてくれる。孤独な悲嘆に暮れたあの日から、周りを見れば見捨てず変わらぬエールを送り続けてくれるいろんな顔が、このドームを埋め尽くす。確信なき自信で突っ走った若き日々。しかし、時の移ろいはいつまでも同じ状態を保てず、崩壊へと進む。しかしYOSHIKIにとって想像だにしなかったhideの喪失は、将来の夢を根こそぎ打ち砕いた。ファンにとっても前途絶望に、一縷(いちる)の夢(再結成)は完全に潰えたかに思えた。hide個人の喪失の悲しさに加え、将来の基点の中心人物の喪失と言う現実に、無念極まりない状況に陥った。そこから這い上がってきた長い道のりと執念、いつか願いは叶うの標語を地で行くXストーリー。解散までのサクセスストーリーとは、これまた裏腹のリバイバルストーリー。ファン一個人の内面から、リーダーから、音楽性から、長いストーリーに至るまで、極端な2面性を宿し移す運命共同体。Without Youは、得体の知れないXと自分の、どう影響し合ったのか、影響どころではない自身が得体の知れない人間に変身してしまった話、いわば軒を貸して(聴いて楽しむだけ)母屋を取られる(心底、ほれ込んで生活の中心にすえる)あるいはミイラ取りがミイラになる話を彷彿とさせる逆転の楽曲、よい意味でリバイバルを賛歌する曲に思えてくる。hideが亡くなって時を得ずにYOSHIKIがその心情を楽曲にしるしたと言うこの曲、そこから紆余曲折を辿りながら10年の時を得て、再結成、とたんにドームスリーデイズと超満員を達成、そして世界ツアーへ一気に飛躍するリバイバルサクセスストーリー、Yes,we can.Yes,we did.信じられない!!。間奏はほんの短いピアノの染み入る演奏、その数秒によみがえる場面や感情の数々。一人一人の心の中を走った旋律は、スクリーンに戯れるhideと YOSHIKIの、楽しいドーム終演の大笑い、跳ね回るhideの舞を映しながら、後半部へ入った。 |
No.24627 - 2009/02/11(Wed) 07:59:50
| ☆ Re: 08.03.30XJAPAN攻撃再開2008創造の夜(13) / えり | | | | hideさんの7回忌は曇り空で雨が降らなかったけど、海岸から吹き付ける風が5月とは思えないほど寒かった。 車に有った小汚いセーターを引っ張り出してきて着たのが昨日のように思い出されます。 2時間は待ったかな。 長い県下の列に静かに並んでいた。先に終わったお友達が温かい缶ジュースを勝ってきてくれたのをカイロ代わりにして手を温めていた。 祭壇の前に行くと涙が止まらなかった。。。 あれから何度涙した事か。。。今でも思い出すと涙が溢れて来ます。 |
No.24641 - 2009/02/12(Thu) 04:32:29 |
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