| 28年ぶりの写真集「XY」…今のこの時代だからこそ贈りたい、YOSHIKIスペシャルインタビュー
LAを拠点に、世界的なアーティストとして活動を続けているYOSHIKI。その28年ぶりとなる写真集「XY」が、自身の誕生日である11月20日にリリースされた。すでにメデイアでは、その「アート性」に、高い評価と絶賛の声が贈られているこの写真集「XY」について、YOSHIKI本人にインタビューを行った。YOSHIKIの今の思いや、世界に伝えたいこととは?
YOSHIKIが挑戦した、「写真集」というアート “発売前重版”を成し遂げ、メイキング映像が動画サイトで話題になるなど、発売前から熱い注目を集めてきた「XY」。ロサンゼルスの歴史的建造物「パラモア・エステート」を舞台に、女性フォトグラファー、メラニー・プーレンが今のYOSHIKIを切りとった。すでにメデイアでは、その「アート性」に、高い評価と絶賛の声が寄せられている。
28年間のときを経て、なぜ今、YOSHIKIは写真集の制作に踏み切ったのだろう。
「この28年間、写真集のお話は実は何度もいただいていたんです。けれども僕は、あくまでミュージシャン。その気持ちが強く、なかなかハードルが高かったのですが、今回プロデューサーの方々から、非常に誠意のあるご提案をいただいたんです。とても夢のある、特別な作品だったことと、フォトグラファーや映像プロデューサー、スタイリストなど、ハリウッドの名だたるプロフェッショナルが集まっていたことで、写真集の制作を決断しました。
ただ正直、本当に出るのかな、と思ったことが何度もありました。僕はいい意味でも悪い意味でも、自分が存在していることがどこか現実的じゃないというか・・・。これまで破滅的な人生を歩んできたし、死に囲まれて生きてきたので、今起きていることは本当に実体験なのか、虚構なのか、つねに曖昧な感じ。そんな世界観があるので、写真集でも楽曲でも、実体として完成するまでは、いつも不透明かもしれません」
すべての写真に宿る、YOSHIKIの内なる殺気
YOSHIKI 今回の写真集のために、今のハリウッドを象徴する才能が集結した。女性フォトグラファーのメラニー・プーレンの作品は、世界各国の美術館にコレクションされている。
「僕はモデルではなくミュージシャンなので、『こう撮られたい』というのはないんです。真っ白なキャンパスとして、『どうぞ、ご自由に』というスタンスです。メラニーは、ライティングにすごくこだわりのあるフォトグラファー。仕上がった写真を見て、僕の内面をすごく捉えてくれていることにびっくりしました。自分で言うのも変ですが、僕には内に秘めた野性味があるようで。
よく、『殺気を感じる』と言われるんです。ただ美しいものよりも、毒のある美しさにひかれてしまう。そういう内面を引き出しながら、なおかつ美しい作品に仕上げてもらいました」
写真集の制作でも、楽曲づくりでも、つねに全力を注ぎ込んできたYOSHIKI。そんな姿を見て、世界中のスタッフから「もっとラクに、仕事をこなせばいいんじゃない?」と言われるという。
「僕は多分、うまい生き方ができないのかな。ひとつの仕事に携わっていると、そこに200%の力を注いでしまうから、他のことがなかなかできない。自分でも『もっと要領よく生きられないかな』と思うんですが。何かを作って表現するときには、自分がもっている“すべて以上のもの”を出したい、と思ってしまうんです。
その一方で、それまでどんなに時間をかけていても、一度『違う』となったらすべてひっくり返してしまう。『こんなのダメだ』と、平気で投げ出せるんです。それが良いことなのか、悪いことなのかは、今の僕にはわかりません。きっと死を迎えるときにわかるんじゃないかな」
混沌としたYOSHIKIの魂を、見事に捉えたフォトグラファーのメラニー。彼女は当時(2019年以前に遡る)の撮影を、「YOSHIKIとダンスしているような感覚。カメラの奥から、幸運にもYOSHIKIと同じリズムに入り込む事ができた」と表現している。
「作品を作っているときに、そういう化学反応が起こるのはよくあること。理屈ではなく、偶発的に起こるんです。音楽のレコーディングでも写真集の撮影でも、いつも向かっているのは『素晴らしい芸術を作る』というゴール。これまでの経験から、スタッフに会った瞬間に『一緒にいいものが作れるかどうか』がなんとなくわかるんですが、メラニーとは絶対いい作品が作れる確信がありました。
ただし、自分をひたすら主張するのではなく、相手の感覚に歩み寄りながら自分を出す、というのが僕のスタンス。もともと、前向きな方に会うと、そのポジティブなエネルギーを何倍にもして返したいと思ってしまうんです。そうすることで、相手といいハーモニーが奏でられるといいですよね」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2000aad1f751234986ac7bbc26bab88cc7c43f9
肉体を鍛えることも、芸術を表現するひとつの手段
YOSHIKI ステージ上でも、鍛え上げた肉体美を披露してきたYOSHIKI。年齢をまったく感じさせない美しい肉体は、写真集でも健在だ。
「自分ではあまり満足していなくて(笑)僕はなかなか筋肉がつかない体質で、人の2倍、3倍やってやっと筋肉がついたかな、という感じ。
食生活も、日々気を使っています。炭水化物を抜いたり、ファスティングを試してみたり。いろいろやりますが、でも地道に積み上げてきたものを、最後に蹴っ飛ばして壊す、という性格はボディメイクでも同じ(笑)日々気をつけて生活をしているんですが、たまに暴飲暴食して壊してしまいます(笑)」
今回の撮影でそうした肉体美を引き立てたのは、世界的なセレブリティたちのスタイリングを担当するサンタ氏の衣装。自ら着物ブランド「YOSHIKIMONO」を手がけるYOSHIKIは、今回のファッションをどう捉えたのだろう。
「僕は基本的に、用意されたものは何でも着ます。スタイリストさんを信用して、お任せしています。今回用意された衣装を見た感想は、さすがハリウッド、という感じ。いろいろなバリエーションがあるし、面白かった。個人的には、シックな感じが好みなんですが、そこに固執するつもりはないんです。あまりひとつのものにこだわってしまうと、人生つまらないじゃないですか」
ここ数年、ファッション誌のインタビューを受ける機会が増えているという。
「ファッションには、すごく興味がありますね。やはり身に纏うものも、芸術のひとつだと思うので。もう亡くなってしまいましたが、アレキサンダー・マックイーンが好きです。彼の作り出すファッションだけでなく、批判を恐れずにチャレンジする姿勢にもひかれます。
音楽を語るよりも、ファッションを語るほうが、いい意味で肩の力が抜けるというか、新人の気持ちで向き合える。音楽界でも大御所というわけではないんですが(笑)、やはり音楽となるとある程度構えてしまいますから。たまに経済誌のインタビューも受けるんですが、僕は芸術と資本主義を結びつけて考えていないんです。いい作品を追求することがメインで、ビジネスは後からついてくるものだと思っているので」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2000aad1f751234986ac7bbc26bab88cc7c43f9?page=2
28年ぶりの写真集が、あらたなスタートをくれた
YOSHIKI 今、世界中がパンデミックの恐怖と不安に襲われている。そんな最中だからこそ、作品をリリースすることに意義があるという。
「物事って、見る角度でまったく変わると思うんです。どんなにいいことでも、見る角度によっては魅力が失われるし、美しいものも醜く見える角度がある。 絵画や楽曲、すべての芸術でもそれは同じで、同じ曲を聴いても優しさを感じるときがあれば、攻撃性を感じることもある。自分が作った曲ですら、まったく違った印象をもつことがあるんです。
ですから、すべては“解釈”だと思う。今、世界中がいろいろな苦しみや悲しみに覆われていますが、角度を変えればチャンスだったり、希望だったり、そういうものがきっと見えてくる。だからこの写真集も、『こういう風に解釈してください』というものはありません。見た方が、その時にどう捉えるか。そこから、僕たちの“今”が見えてくるのかもしれません」
音楽も写真も、絵画もファッションも、すべてがアートだと捉えているYOSHIKI。人が生きていることそのものも、アートなのだ。
「衣装でも、家具でも、言葉でも、僕たちを取り巻くものすべてが芸術。そもそも“生きていること”そのものが、壮大な芸術です。みなさんそれぞれ、芸術を生きている。僕たち芸術家は、それを表現しているだけなんです。 ただどんなにいい芸術を生みだしたとしても、自己完結していては芸術家として意味がない。僕がここにいられるのはファンの皆さんのおかげだと思っているので、いい作品ができたら皆さんに触れてもらわなければ」
28年ぶりにこうして写真集が出せたことで、周囲の人への感謝をあらためて感じている。
「やっぱり、みなさんに生かしてもらっているんだなあと。その期待に応えるためには、真摯に芸術に向き合っていくしかない。たとえ100万人が『黒』だと言っても、自分が『白』だと思ったらそこに向かっていく姿勢は変わりません。メロディーはすんなり浮かんできても、それを譜面に起こして演奏して、レコーディングしていくという作業には、血のにじむような努力が必要になる。物事は結果も大事だが、過程も大事。たとえ失敗しても、そこまで頑張った自分にはご褒美をあげたりもします(笑)。
今回、28年という時を経て写真集を作ることで、原点に戻れました。そこまで長い年月、ずっとこの場に立たせていただいていること。こんなむちゃくちゃな自分を、見守ってくれる人々がいること。「XY」のリリースは、ある種のスタート。これから28年後、再び写真集を出せるとは思えませんが(笑)、また頑張っていこう、というのが今の気持ちです。だから写真集を通じて、『YOSHIKIも頑張ってるんだから、自分も頑張ろう』と思ってもらえるとうれしいです。僕自身、これを見ることで『頑張ろう! 』と前向きな気持ちになれましたから」
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YOSHIKI/作詞家、作曲家、「X JAPAN」リーダーとしてピアノ、ドラムを担当。これまでに天皇陛下御即位十年記念式典の奉祝曲や、米ゴールデングローブ賞 公式テーマ曲を手掛けるなどグローバルに活動。自身の誕生日にリリースされた写真集「XY」と同様、YOSHIKIの顔写真を採用した「楽天カードYOSHIKIデザイン」も話題を呼んでいる。YOSHIKIが出演する公演チケット先行抽選受付の実施をはじめ、会員向け特典も充実している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2000aad1f751234986ac7bbc26bab88cc7c43f9?page=3 |
No.48604 - 2020/12/01(Tue) 17:12:50
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