| とっぱ先生、こんにちは。
今回は譲渡担保についての質問です。
民法のテキストのP.104の中段ほどに「(3)実行と担保権者の清算義務」という項目があり、そこに「・・・担保権者に債権の清算を義務づけている(最判昭46.3.25)。そして、債権者の目的物の引渡請求と、清算金の支払いとは同時履行の関係に立つとされる」とあります。
譲渡担保は形式的に売買して所有権移転登記をするだけで、実際の不動産(土地など)なり動産なりは債務者の所に置いたままであると思われます。実際、債権を弁済できない場合は、債権者Aは債務者Bに目的物の引渡しを請求するわけですから。
テキストの解説の例で行くと、債権者Aが1,000万円を債務者Bに貸したとして、債務者Bが1億円の土地を譲渡担保としてAに所有権移転登記をしたとします。そしてBが弁済できなかった場合に、債権の清算をしてAが債権を回収します。
ここで質問なのですが、債権者の目的物の引渡請求と、清算金の支払いとは同時履行の関係に立つとあります。しかし、債権者Aは実際に現物の1億円の土地を持っていないのに(所有権の移転登記はしていますが、後に目的物の引渡請求をしているわけですから現物の土地は持っていないと考えられます)、どうして清算金の支払いを同時履行できるのでしょうか。上記の例だと、債権者Aが清算をすると1,000万円回収して残りの9,000万円を債務者Bに返さなくてはいけません。Aの手元に1億円の土地があるわけではないのにどうして売却することができるのでしょうか。債権者Aの手元にたまたま現金が9,000万円あって、それを債務者Bに渡して、同時に1億円の土地の引渡請求をした、とは考えづらいです。 (形式的でも)所有権移転登記をしているから、その所有権で土地を売却したと考えるべきなのでしょうか(ただしAの手元には現物の土地は無いですが)。そして債権の1,000万円を回収して、残り9,000万円をBに返して、そしてそれと同時に土地を(実際の現物を)引渡せと請求できる、と考えるべきなのでしょうか。でもそれだと、債権者Aが土地を売却した時点でその土地は別の第三者に渡ってしまうはずで、債務者Bに対して引渡請求はできないと思います。所有権は第三者に渡ってしまうはずでAにもBにも当該土地に対して所有権はなくなっていると思います。
何やら頭がこんがらがってしまって、よく分かりません。文章的におかしい所もあるかとも思いますが、ご回答の方、よろしくお願いします。 |
No.9827 - 2016/10/07(Fri) 10:59:16
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