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制裁としての公表 / 紙 [関東]
とっぱ先生こんにちは

公表が不利益処分にあたるかどうか?

についてですが、テキストの「行政手続」>「行政指導」では、公表が法定されている場合のみ、不利益取扱に当たらないとなっています。

この点について過去問をみると、

平成27年 42問 ではテキスト通り、「行政指導に従わない場合について、公表が定められている例がある」

として公表が法定されている場合のみ行政指導が違法になるとされ、公表が不利益処分であることを前提とした文になっているように思えます。

しかし、さらに古い過去問をみると

平成21年 11問 肢3 「行政指導に従わない場合に行われる当該事実の公表は、行政手続法上、不利益処分とされ、それを行う場合は、弁明の機会の付与を行わなければならないと規定されている。」

平成22年 8問 「疑義の余地なく設けることのできるもの」として、肢2「中止命令の対象となった建築物が条例違反の建築物であることを公表する旨の定め。」

と、上記2問の過去問解説をいくつか見ても公表は「不利益処分ではない」とされているようです。

平成22年の問題は行政指導と関連はしていませんが、「公表」が不利益処分ではないとするなら行政指導に従わなかった場合に公表されることも不利益処分には当たらないのではないか?と思いました。

学説の争いによって27年頃にはすでに公表は不利益処分に当たると考えるのが通説になっているとすればテキスト通りの理解で問題ないとは思いますが、過去問集として販売されているものに未だに逆の意味の回答が含まれる問題を扱っていると考えると不安なところがあります。

よろしくお願いいたします。
No.9797 - 2016/07/18(Mon) 18:39:33

Re: 制裁としての公表 / とっぱ
紙さん、こんにちは。

まず、行政指導に従わない場合の公表が「不利益取扱い」に当たるかどうか、については、テキストにあるとおり、法律の根拠がある場合は不利益取扱いには該当しないとされるのに対し、法律の根拠がない場合は、不利益取扱いにあたる可能性があるとされるわけですね。
この話は、行政指導が不利益取扱いを伴って違法となるかどうかという行政手続法32条2項の問題ですね。引用されている平成27年の問題も、(一般論としてですが)この話をしています。

これに対して、平成21年の問題は、公表が「行政手続法上の不利益処分」(行政手続法2条4号)に当たるかどうかを問題にしていますね。「行政手続法上の不利益処分」というのは、許認可の取消しや停止などが典型で、それに当たると、聴聞や弁明の機会の付与といった手続に乗せられるものでした。
公表は、こうした「行政手続法上の不利益処分」に当たるものではないわけですね。

言葉は似ているのですが、不利益取扱いに当たるかどうかと、不利益処分に当たるかどうかとでは、問われている内容が違ってきますので、注意しましょう。

さらに、平成22年の問題では、工事中止命令という行政行為について、その実効性を担保するための手段が問われています。ここでの公表というのは、行政指導に伴うものではないのですね。行政上の義務の履行確保の手段として、代執行などと並んで、違反者の公表を条例で定められないかという問題点が問われているわけです。
行政代執行法1条は、「法律」の根拠を要求していることから、典型的な行政上の義務の履行確保手段については、条例で定めることはできないと解されているわけですが、公表は、典型的な手段ではないことから、条例で定めることも認められる、といったことが問われているわけです。

同じ「公表」といっても、このように、行政上の義務の履行確保手段に用いられることもあって、この場合は、「行政指導に伴う公表が不利益取扱いになるか」という問題とは別の問題になるわけですね。

以上のように、平成21年と22年の問題は、似ているけども異なる問題点について問うものとなっているわけですね。


というわけで納得いただけたでしょうか。混同しやすい問題点だと思いますので、整理して理解しておいてください。また書き込んでくださいね。
No.9798 - 2016/07/19(Tue) 06:26:24

Re: 制裁としての公表 / 紙 [関東]
とっぱ先生こんにちは。

ご回答頂きありがとうございました。
「取扱い」と「処分」で言葉が違っていたんですね。
不利益●●だから同じものだと思い込んでしまっていました。

この点を踏まえた上で先生の解説を読ませていただきやっと理解できました。

※私の質問を読みなおしてみて質問自体が色々おかしなことになっていて恥ずかしい限りです。失礼しました。
No.9799 - 2016/07/25(Mon) 08:30:52

Re: 制裁としての公表 / とっぱ
紙さん、こんにちは。

行政法は、似て非なる概念の連続ですから、学習を進める過程で、こうした混同はむしろ当然出てくると思います。

ただ、そこまで詰めて理解している受験生は少ないですね。

こうした違いを正確に理解していくことで、高得点が取れるようになっていきますから、ぜひがんばってください。

また書き込んでくださいね。
No.9803 - 2016/08/11(Thu) 22:32:56
時効完成前の第三者 / ラベンダーパパ [近畿]
突破先生 質問させてください。時効完成前の第三者との関係 の分野なのですが 時効完成前に所有者Aから土地を買ったCは どうしておけば土地の時効取得者B(Cに対して 登記なくして所有権を対抗できる)に対して土地を自分のものにできるのでしょうか。購入した時点でBより先に登記をしておけばよいのでしょうか。Bは登記なくしてCに対して所有権を対抗できる。というのはBもCも登記がない場合の意味でしょうか。教えてください。
No.9793 - 2016/05/15(Sun) 21:48:42

Re: 時効完成前の第三者 / とっぱ
ラベンダーパパさん、こんにちは。
今回が、初質問ですね。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

さて、ご質問の件ですが、

>Bは登記なくしてCに対して所有権を対抗できる。というのはBもCも登記がない場合の意味でしょうか。

これはそうではなくて、たとえCに登記があったとしても、Bは時効取得したことをもって、Cに所有権を対抗できるのですね。ですから、CがBより先に登記しても、Bの時効取得が優先します。

では、Cとしてはどうすれば良いのかというと、Bの時効取得を中断させれば良いのですね。

例えば、Bの取得時効が完成する前に、Cが所有権に基づいて当該土地の明渡し請求訴訟を起こせば、「裁判上の請求」として、時効が中断しますね。

そして、実際に明け渡しが実現できれば、Bの占有はなくなり、もはやBに時効取得される心配もなくなるわけですね。


というわけで納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9794 - 2016/05/15(Sun) 22:24:39

Re: 時効完成前の第三者 / ラベンダーパパ
突破先生 わかりやすい回答ありがとうございました。Bは時効完成前は登記をしたくてもできないのでしたね。もう一度テキストを見直して理解できました。みなさんより出遅れてますが がんばりますので今後ともよろしくお願いいたします。
No.9796 - 2016/05/19(Thu) 23:28:42
遺留分 / ケンタ
とっぱ先生、質問です。

問題をやっていて、「遺留分権利者に帰属する権利は、遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しない」(判例)という解説がありました。これだけでは何を言っているのかがイメージしづらいです。これは何を言いたいのでしょうか?

よろしくお願いします。
No.9791 - 2016/05/14(Sat) 16:33:40

Re: 遺留分 / とっぱ
ケンタさん、こんにちは。

これは、法解釈編テキストP41の2の判例ですので、そちらも参照して欲しいのですが、少し書いておきますね。

例えば、Aが被相続人であるとして、Aはその財産を、Cに包括遺贈していたとします。それに対して、相続人であるBが、自分には遺留分があるということで、遺留分減殺請求権を行使しました。そうなると、Bの遺留分の限度で遺贈は効力を失って、遺留分の範囲で当然にBに帰属しますね。ですから、例えば、Bの遺留分が4分の1の割合であった場合には、遺産の4分の1がBのものになって、Cとの共有になるわけです。

この遺産の4分の1という持分が、引用されている「遺留分権利者に帰属する権利」ですね。

ただ、そうして取り戻したBの共有持分がどういう性質を持つのかが問題になります。

一つの考え方は、この取り戻した財産は相続財産であると考えます。ただ、そうすると、B4分の1、D4分の3という遺産共有になって、その後に遺産分割手続が行われることになります。これでは、結局あらためて遺産分割を行うことになり、手続が面倒な上に、交渉次第でBが必ずしも保護されない可能性がありますね。

だとすれば、取り戻した財産は相続財産と考えるのではなくて、取り戻したBの固有の財産だとするのが判例なのですね。

その結果、分割するにしても、遺産分割手続によるのではなくて、物権法上の共有物分割手続によることになり、Bは明確に保護されることになるわけですね。

これが、「相続財産としての性質を有しない」という判例の意味です。相続財産ではなく、物権法上の共有財産と考えるわけですね。


というわけで納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9792 - 2016/05/14(Sat) 22:24:30

Re: 遺留分 / ケンタ
とっぱ先生、ありがとうございます。法解釈編とあわせて読んで、とてもよくわかりました。

また質問すると思いますので、よろしくお願いします。
No.9795 - 2016/05/15(Sun) 23:55:50
争点訴訟について質問です / うさ吉
突破先生、おはようございます。
行政事件訴訟法まで学習しました。
その中で、争点訴訟について質問です。
具体例として農地買収処分の無効を理由とする土地所有権確認の訴訟とあります。
土地所有権の争いと言うことで、XがYに対して民事訴訟を提起するのは分かります。分からないのは、無効である買収処分をしたのは国なのだから、国に責任があると思うのですが、国は責任を負っているように見えません…。国に責任は無いのでしょうか。
No.9788 - 2016/03/26(Sat) 06:12:07

Re: 争点訴訟について質問です / とっぱ
うさ吉さん、こんにちは。
行政事件訴訟法まで進んだということで、順調ですね。
この調子でがんばりましょう。

さて、ご質問の件ですが、国の責任がないというわけではなくて、ここでの訴訟の主題(メインテーマ)になっていないということなのですね。

国にも違法な買収処分を行った責任はありますから、国の責任を主題とした訴訟(例えば、国家賠償請求訴訟)を起こして国の責任を追及することも可能です。

ただ、こうしたケースにおいて、原告(Xさん)は、まず土地を取り戻したいと考えるのが通常ですので、その場合は、土地の取り戻しを主題にした民事訴訟(争点訴訟)を提起することになるわけですね。

民事訴訟を起こす場合も、国の責任を否定しているわけではありません。ただ、訴訟の主題にしていないだけなのですね。この場合の主題はあくまで土地所有権の取り戻しになります。

これとは別に、前述のような国家賠償請求訴訟を提起して、国の責任を追及することはもちろん可能ですが、実際には、まず土地所有権の取り戻しを求めて民事訴訟を起こして、原告が満足できる結果が得られないときに、せめて金銭的な賠償だけでもということで、国家賠償請求訴訟を提起することも多いですね。

このように、訴訟の主題の立て方によって、訴訟の種類が変わるのですが、ある主題(土地の取り戻し)の訴訟を提起したからといって、他の主題(国の責任)を否定しているわけではなく、それは別途争えるということになるわけですね。


というわけで納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9789 - 2016/03/26(Sat) 10:41:31

Re: 争点訴訟について質問です / うさ吉
突破先生、おはようございます。
分かりやすい回答をいただき、ありがとうございます!
No.9790 - 2016/03/30(Wed) 06:08:30
質問です。 / マグロ大好き
突破先生
問題演習をしていて、わからないところがあったので、教えてください。
国会の地位に関する問題で通説に照らして妥当かという問題で、妥当ではない選択肢として「国会は国の唯一の立法機関であるから、行政権による立法が許されるのは法律の具体的・個別的な委任がある場合と、憲法を直接執行する場合に限られる」とあります。

解説として、「国会は国の唯一の立法機関であるため、他の機関による立法は、憲法上の例外が認められる場合に限られる。政令については、いわゆる委任命令と執行命令がこの例外にあたるが、学説は憲法73条6項の憲法及び法律を一体と解し、憲法を直接執行するための政令は認められないとしている」
とあります。

妥当でない部分はどこかがはっきりしません。
「憲法を直接執行する場合に限られる」という部分でしょうか。
憲法73条6項は「この法律及び法律の規定を実施するために政令を制定すること」とあり、執行するのと実施するは異なるということですか。
それと、「憲法及び法律を一体と解し」とはどういうことでしょうか。一体と解したら、政令で法律を直接執行することができると思いますので、憲法も直接執行できるということにはならないのでしょうか。

よろしくお願いします。
No.9785 - 2016/02/22(Mon) 23:28:08

Re: 質問です。 / とっぱ
マグロ大好きさん、こんにちは。
この問題は、政令などの行政立法が「憲法を直接執行する場合」にも許されるとしている点が誤りですね。

政令の制定は、法律の個別具体的な委任による命令(委任命令)の場合と、法律を執行する命令(執行命令)の場合に限られるのであって、憲法を直接執行・実施するための政令は認められないと解されています。

本論編P68で学んだ「国会中心立法の原則」からすれば、立法権は原則として国会にあるのであって、憲法を直接実施するのは国会の権限ですから、まずは法律が制定されるべきであって、政令で憲法を直接実施することは認められないわけですね。
なお、ここでは執行も実施も同様の意味で用いられていますので、「執行」だから誤りというわけではないです。

そして、「憲法及び法律を一体と解し」というのは、73条6号の「憲法」と「法律」を分離して読むべきではないという意味です。
つまり、これらを分離して、別々に読むと、「法律の規定を実施するため」の政令だけでなく、「憲法・・・の規定を実施するため」の政令もまた認められるようにも読めるわけですが、上記の理由から、そういう解釈をするべきではないという意味なのですね。
「憲法を受けた法律を実施するために」というように一体として読むことで、あくまで法律を実施するために政令を制定できるのだと解するわけです。

というわけで納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9786 - 2016/02/23(Tue) 09:29:05

Re: 質問です。 / マグロ大好き
ありがとうございます。

国会中心立法の原則で納得です!よくわかりました。
No.9787 - 2016/02/23(Tue) 23:05:08
民法の質問です / どっちゃん [九州]
とっぱ先生、こんばんは。
民法の過去問で肢の1つに、成年後見人Aは、所有するパソコンをBに売却したが、
Bは、Aが成年後見人である事実について善意無過失であった場合、即時取得により所有権を取得できる可能性がある。×
との問題で、解説に、前主は所有者であるが、錯誤、行為能力の制限etc.で買主が権利を取得できないときは民法192条は適用されない。とありますが、即時取得は、そもそも、無権利者との取引である事が要件であるところ、この場合は、Aは、無権利者ではなく、即時取得が問題となる事例では無い、と考えて解答をしたのですが、このような考え方ではいけないでしょうか。
ご回答お願いします。
No.9781 - 2016/02/18(Thu) 23:34:11

Re: 民法の質問です / とっぱ
どっちゃんさん、こんにちは。

これは、おっしゃる通り、192条は無権利者からの譲受人を保護しているという考えで良いですね。

解説も同じことを言っているのですね。この場合は、前主Aが制限行為能力者であるとしても、所有者であり、無権利者ではないから192条の適用範囲ではないことを言っているわけです。

というわけで、納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9782 - 2016/02/19(Fri) 10:38:15

Re: 民法の質問です / どっちゃん
ありがとうございました。解説が同じ事を言っている事を理解できていませんでした。これからも宜しくお願いします。
No.9783 - 2016/02/19(Fri) 21:51:32

Re: 民法の質問です / とっぱ
どっちゃんさん、こんにちは。

学習が進んでくると、次第に読み解けるようになっていきますから、がんばってくださいね。
またわからないことがありましたら、書き込んでください。
No.9784 - 2016/02/20(Sat) 11:48:21
発信主義 / ケンタ
とっぱ先生、こんばんは。質問です。

民法本論28ページ、例外的に発信主義がとられる場合です。
契約の成立についての「承諾」、制限行為能力者の催告に対する確答がありますが、これらが発信主義になっている理由が知りたいと思いました。

法律効果を早く確定させるべきだということなのでしょうか? 
よろしくお願いします。
No.9778 - 2016/02/12(Fri) 22:38:54

Re: 発信主義 / とっぱ
ケンタさん、こんにちは。

これはおっしゃるように、早く法律効果を確定させるためということですね。

526条が、契約の「承諾」について発信主義を採っているのは、契約を、簡易・迅速に成立させるためですね。

そして、20条が制限行為能力者側からの確答について発信主義を採っているのは、到達しなかった場合に制限行為能力者に不利益が生じることを防止するためですね。


というわけで納得いただけたでしょうか。また書き込んでくださいね。
No.9779 - 2016/02/13(Sat) 08:55:05

Re: 発信主義 / ケンタ
とっぱ先生、ありがとうございました。よくわかりました。
また質問すると思いますので、よろしくお願いします。
No.9780 - 2016/02/14(Sun) 23:01:31
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